説明

継手管

【課題】簡易に製造できると共に、汚れの滞留の少ない開閉弁を備えた継手管を提供する。
【解決手段】継手管10に備えられた開閉弁26は、接続部材16と筒状部材12の間に設けられており、弁体28と、弁体28の端部を筒状部材12へ回動可能に支持する支持部25と、筒状部材12と接続部材16の間に挟持される被挟持部24と、を含み、全体が一体的に形成されている。また、弁体28は、中央部に突出部28Aを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一端が配管に接続される筒状部材と、この筒状部材の他端に接続される接続部材とを備えた継手管、に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、継手管の一端がタンクに接続されると共に、継手管の他端が配管に接続され、タンク内の液体が継手管を通じて配管からサーバーへ送られる液送装置が知られている。
【0003】
この液送装置では、タンクの逆流を防ぐボールに代わり、継手管に開閉弁を取り付けている。配管を洗浄する際には、洗浄用スポンジを洗浄液と共に上流側から下流側へ配管内で移動させる。前述の開閉弁により、液体の逆流が防止されると共に、洗浄時におけるスポンジの逆流防止も行われ、洗浄工数が低減されている(特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−142600号公報
【特許文献2】特開2010−112487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前述のような開閉弁を用いて流路内の液体逆流を防止する場合には、弁体の閉止時におけるシール性を確保する必要がある。そのため、特許文献2に記載の継手管では、弁体の中央部にゴム板と別材の剛性補助部材がはめ込まれている。剛性補助部材を設けることにより、流路を閉じる位置に弁体を安定して保持することが可能となっている。
【0006】
このように、剛性補助部材は、開閉弁の一部を構成する部分として有効に機能するが、さらなる改良が求められている。
【0007】
本発明は、上記事実に鑑みてなされたものであり、簡易に製造できると共に、汚れの滞留の少ない開閉弁を備えた継手管を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明に係る継手管は、一端が配管に接続され第1流路が形成された筒状部材と、第2流路が構成され、前記第1流路と前記第2流路とが連通するように前記筒状部材の他端に接続される接続部材と、前記接続部材と前記筒状部材の間に設けられ、前記第1流路と前記第2流路との間を閉じる弁体と、前記弁体の端部を前記筒状部材側へ回動可能に支持する支持部と、前記筒状部材と前記接続部材の間に挟持される被挟持部と、を含み、全体が一体的に形成された開閉弁と、を備え、前記弁体は、中央部に前記支持部および前記被挟持部よりも前記筒状部材側へ突出した突出部を有することを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明では、筒状部材の一端に配管が接続され、筒状部材の他端に接続部材が接続される。また、筒状部材と接続部材の間には開閉弁が設けられており、開閉弁は、第1流路と前記第2流路との間を閉じる弁体と、弁体の端部を筒状部材側へ回動可能に支持する支持部と、筒状部材と接続部材の間に挟持される被挟持部と、を含んで構成されている。
【0010】
タンクから接続部材に液体が導入されると、支持部に支持された弁体が筒状部材側へ回動し、第1流路と前記第2流路との間が開放される。その際、支持部および被挟持部よりも筒状部材側へ突出した突出部を中央部に有する弁体は、筒状部材側へ回動しやすく、安定した開放状態を維持することができる。また、タンクから液体が導入されない状態では、突出部の重みによって安定して流路を閉鎖することができる。
【0011】
本発明の継手管の弁体は、弁体、支持部、及び、被挟持部が全体として一体形成することにより、部品点数を減らすことができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の継手管において、前記弁体の前記接続部材側の閉止面は面一形状であること、を特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、接続部材側の閉止面が面一とされているので、スポンジで流路を洗浄する際に、閉止面に段差などがある場合と比較して、より確実に汚れを擦り落とすことができる。また、弁体、支持部、及び、被挟持部が全体として一体形成されているので、2部材以上の組付けで形成されている場合と比較して、汚れの進入する継ぎ目をなくすことができ、開閉弁への汚れの滞留を抑制することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の継手管において、前記弁体は、前記支持部の変形起点から前記突出部の突出先端を結んだ線の内方に収まる形状とされていること特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明では、弁体は、支持部の変形起点から突出部の突出先端とを結んだ線の内方に収まる形状とされているので、弁体が筒状部材側へ回動しやすく、弁体の開放時に突出部が筒状部の内壁に接触する。このため、液体が通過する際に弁体の開放状態がより一層安定化し、スポンジ部材が弁体付近に引っ掛かることがより確実に防止又は抑制される。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の継手管において、前記弁体の前記支持部は、前記被挟持部よりも厚みが薄く、前記筒状部材側及び前記接続部材側の両面が前記被挟持部の前記筒状部材側及び前記接続部材側の厚み方向の内側に配置されていること、を特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明では、支持部は、被挟持部よりも厚みが薄いので、弁体の開放時に容易に変形させることができる。また、筒状部材側及び接続部材側の両面が被挟持部の筒状部材側及び接続部材側の厚み方向の内側に配置されている。したがって、弁体の開放時にバランスよく変形でき、弁体の開放をスムーズに行うことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、継手管に供えられた開閉弁を簡易に製造できると共に、開閉弁への汚れの滞留を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る継手管を示す断面図である。
【図2】図1に示す継手管に設けられる開閉部材を示す(A)は平面図であり、(B)は断面図である。
【図3】図1に示す継手管の接続部にスポンジ部材をセットすると共に、洗浄タンクを接続した状態を示す断面図である。
【図4】図1に示す継手管において、スポンジ部材が継手管の筒状部内を移動する過程を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態の変形例に係る継手管を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態の変形例に係る継手管の接続部材と開閉弁との関係を示す説明図である。
【図7】図5に示す継手管の接続部材の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の一実施形態である継手管10の断面図が示されている。この継手管10は、筒状部材12、及び、接続部材16を備えている。
【0021】
筒状部材12は筒状とされ、筒状部材12の内周側には、液体(例えば、ビールなど)が通過可能な第1流路14が形成されている。筒状部材12の内周側は、液体の導入方向上流側(図1中の下側)の大径部12Aと、その大径部12Aから液体の導入方向下流側に向かって径が徐々に縮小するテーパー部12Bと、そのテーパー部12Bより液体の導入方向下流側に連なる小径部12Cと、を備えている。すなわち、第1流路14は、大径部12Aとテーパー部12Bと小径部12Cとで構成されている。
【0022】
液体の導入方向下流側(図1中の上側)である筒状部材12の一端には、雄ネジ12Eが形成されており、継手18が接続されている。筒状部材12の一端は、継手18を介してホースなどの配管(図示省略)と接続されている。配管の下流側端部は、例えばビールなどを供給するためのサーバー(図示省略)に接続される。また、液体の導入方向上流側(図1中の下側)である筒状部材12の他端の内周部は、大径部12Aよりさらに大径であり、その内周部にねじ部12Dが形成されている。
【0023】
図3に示すように、継手18は、略L字状の筒状の継手本体40の一端に袋ナット42を備えている。この袋ナット42のネジ部42Aは、筒状部材12の他端に形成された雄ネジ12Eに螺合されている。袋ナット42の内壁には環状の係止部材44が配設されており、この係止部材44に継手本体40の突起部40Aが係止されている。また、継手本体40の突起部40Aの長手方向端面と筒状部材12の長手方向端面との間には、環状のシール部材46が配設されており、袋ナット42と継手本体40とがシールされている。
【0024】
接続部材16は、略筒状とされ、一端が筒状部材12の他端と接続されている。接続部材16の筒状部材12との接続側の外周部は、大径となっており、その外周部にねじ部12Dと螺合されるねじ部16Aが形成されている。そして、筒状部材12のねじ部12Dに接続部材16のねじ部16Aを螺合することにより、筒状部材12に接続部材16が取付けられている。接続部材16の第1流路14側には、段差面22が構成されている。
【0025】
接続部材16内には、第2流路16Bが構成されている。第2流路16Bは、接続部材16の筒状部材12側に開口しており、第1流路14の大径部12Aに対応する部分の径よりも小径とされている。筒状部材12と接続部材16とは、第1流路14と第2流路16Bとが連通されるように接続されている。接続部材16の一端側(筒状部材12側)には、段差面22が形成されている。接続部材16と筒状部材12の間には、第1流路14と第2流路16Bとの間を開閉可能な開閉弁26が配設されている。開閉弁26の取付け構造については後述する。
【0026】
接続部材16の筒状部材12との接続と逆側である他端には、筒内に開口部16Dが構成されている。開口部16Dは、第2流路16Bと連通され、第2流路16Bよりも大径とされている。開口部16Dと第2流路16Bとの間には、開口部16D側へ向かって大径となるテーパー部16Cが形成されている。開口部16Dに対応する壁面には、略U字状の開口36が形成されている。開口部16Dは、スポンジ部材30(図3参照)がセット可能な大きさに形成されている。
【0027】
スポンジ部材30は、略円柱状とされ、配管(図示省略)内を洗浄するためものである。スポンジ部材30(図3参照)の外径は、例えば、7.8mm〜8.5mmに設定されている。このスポンジ部材30としては、例えば、発泡性のポリウレタンが用いられている。開口部16Dは、スポンジ部材30を係止可能なスポンジ係止部となっており、第2流路16Bがスポンジ部材30の外径よりも内径が小さい挟穿部となっている。図3に示されるように、洗浄時には、接続部材16は洗浄タンク70に接続される。
【0028】
図2(A)に示すように、開閉弁26は、平面視で円形とされ、被挟持部24、弁体28、及び、支持部25を備えている。被挟持部24は、開閉弁26の最外周に形成され、リング状とされている。被挟持部24の外径は筒状部材12の大径部12Aの内径よりも大径とされている。弁体28は、被挟持部24よりも小径で被挟持部24の内周側にスリットS1を隔てて配置されている。被挟持部24と弁体28は、支持部25を介して連結されている。被挟持部24、弁体28、及び、支持部25は、一体的に形成されている。
【0029】
なお、開閉弁26を構成する材料としては、例えば、SBR、NBR、EPDM、シリコーンゴム、フッ素ゴム、IIR(ブチルゴム)、天然ゴムなどを用いることができる。
【0030】
支持部25には、両面に凹部27が形成されている。支持部25は、凹部27により、被挟持部24よりも厚みが薄く、筒状部材12側及び接続部材16側の両面が被挟持部24の筒状部材12側及び接続部材16側の厚み方向の内側に配置されている。 図2(B)に示すように、凹部27内の角部27Aは、R形状に切り欠かれている。
【0031】
図2(A)に示すように、弁体28は、平面視で円形状とされると共に、図2(B)に示されるように、円形の中心を頂点28Cとして、頂点28Cから径方向外側に向かって厚みが薄くなる山形の突出部28Aを備えている。頂点28Cは、被挟持部24よりも厚み方向に突出している。弁体28は、支持部25の変形起点(支持部25の径方向外側部)から突出部28Aの頂点28Cを結んだ線の内方に収まる形状とされている。また、弁体28の突出部28Aと逆側の面は、面一の平坦面28Bとされている。弁体28の突出部28A側が筒状部材12側に配置され、閉止面としての平坦面28B側が接続部材16側に配置される。弁体28の平坦面28Bが、接続部材16の段差面22に密着して、第2流路16Bを閉鎖する。
【0032】
筒状部材12の大径部12Aとねじ部12Dの間には、弁挟持部13が構成されている。弁挟持部13は、大径部12Aよりも大径とされ、開閉弁26の被挟持部24の外周面が弁挟持部13の内周面13Bに密着し、被挟持部24の下流側の外縁が弁挟持部13と大径部12Aの間の段差面13Aに密着するように配置されている。そして、筒状部材12のねじ部12Dへの接続部材16のねじ部16Aの締付け量を調整することで、開閉弁26の被挟持部24が接続部材16の段差面22と筒状部材12の段差面13Aとの間に挟み込まれて固定されている。
【0033】
開閉弁26は、通常の状態では、平坦面28B、被挟持部24が同一平面上にあり、被挟持部24及び弁体28が段差面22に密着して第1流路14と第2流路16Bの間が閉鎖されている。以下、この状態のときの弁体28の位置を「閉鎖位置P1」という。
【0034】
一方、図4に示すように、液体の導入時には、支持部25が弾性変形して弁体28が液体の導入方向下流側に回動することで、第1流路14と第2流路16Bとの間が開放されるようになっている。このように、第1流路14と第2流路16Bとの間が開放された状態のときの弁体28の位置を「開放位置P2」という。支持部25及びその支持部25の周囲の凹部27の部分の肉厚は、被挟持部24の厚さよりも薄いことにより、支持部25が変形しやすく、低い流圧で液体が導入されたときでも弁体28が回動しやすくなっている。また、弁体28の中央部に突出部28Aを設けることにより、第1流路14を閉じる位置に弁体28を安定して保持するとともに、液体の導入によって弁体28を筒状部材12側へスムーズに回動させることが可能となる。
【0035】
次に、本発明の継手管10の作用について説明する。本実施形態では、液送装置として、ビールを供給するためのビールサーバーを想定して説明する。ビールは、乾燥時に継手管内に残留物が固着しやすい液体であり、2個以上の部品で構成した場合、固着により開閉圧が高くなると、高い圧力を受けた部品が脱落する懸念があるため、開閉弁26が一体成形されていて前述の懸念を排除できる、本実施形態の継手管10を好適に用いることができる。
【0036】
継手管10の接続部材16の他端にビール樽(図示省略)を接続し、継手18に配管、ビールサーバー(不図示)を接続する。この状態で、ビール樽から接続部材16の第2流路16Bを通じてビールが導入されると、開閉弁26の弁体28が、閉鎖位置P1から導入方向の下流側へ回動し、開放位置P2へ移動する。そして、ビールば、第1流路14を通って、継手18、配管へ向かい、ビールサーバーに送られる。継手管10にビールを導入しないときは、弁体28の平坦面28Bが段差面22と密着することで、弁体28から逆方向(接続部材16側)への液体逆流の発生が防止されている。
【0037】
継手管10や、下流側の配管及びサーバーを洗浄する際には、図3に示すように、接続部材16に接続されたビール樽(図示省略)を取り外して、接続部材16の開口部16Dに略円柱状のスポンジ部材30をセットする。次に、接続部材16に洗浄液(例えば、水)が充填された洗浄タンク70を取り付ける。継手管10では、このように少ない工程で継手管10、配管及びサーバー(図示省略)の洗浄準備を行うことができる。
【0038】
次に、所定のガス(例えば炭酸ガス)を導入してガス圧により洗浄液を接続部材16の第2流路16Bから継手管10の第1流路14内に導入する。これにより、開閉弁26の弁体28が、閉鎖位置P1から導入方向の下流側へ回動し、開放位置P2へ移動する。このとき、スポンジ部材30は、第2流路16B内を下流側へ移動し、図4に示すように、弁体28の開放により洗浄液と共に開閉弁26を通過し、第1流路14内を下流へ移動する。そして、スポンジ部材30は、さらに下流へと移動し、配管、ビールサーバーへと送られる。その際、スポンジ部材30は、第2流路16B、第1流路14、配管の流路内壁、ビールサーバーの流路内壁に付着し汚れを擦り落としながら下流へと移動し、各部の内壁を洗浄する。
【0039】
本実施形態の継手管10では、開閉弁26が一体形成されているので、2部品以上を組み付けて構成した場合のように部品間の継ぎ目が構成されない。したがって、液体が継ぎ目に入り込んで滞留し固着してしまうという不都合を回避することができる。また、開閉弁26の平坦面28Bは、凹凸のない面一形状とされているので、洗浄時にスポンジ部材30により容易に汚れを落とすことができる。
【0040】
また、本実施形態の継手管10では、開閉弁26が一体形成されているので、部品点数を少なくすることができ、容易に製造することができる。
【0041】
なお、本実施形態の接続部材16には、受圧面積拡大部46を構成してもよい。受圧面積拡大部46は、接続部材16の第1流路側14側に、第2流路16Bから第1流路14へ向かう液体による押圧力を受ける弁体28の受圧面積を第2流路16Bの断面積よりも広くするための構成である。受圧面積拡大部46は、例えば、図5に示すように、接続部材16の、第2流路16Bの第1流路14への開口端をテーパー形状とした、テーパー面取部46Mにより構成することができる。テーパー面取部46Mは、第1流路14に向かって、大径となるテーパー形状とされている。テーパー面取部46Mが形成されることにより、弁体28が第2流路16B側からの流体から押圧力を受ける面積(受圧面積A1、図6参照)が第2流路16Bの断面積A0よりも大きくなっている。また、弁体28の外径が同じ場合に、テーパー面取部46Mが形成されていない場合と比較して、段差面22との密着面積(以下「シール面積A2」という)を、小さくすることができる。したがって、テーパー面取部46Mが形成されていない場合と比較して、ビールなどの液体の滞留によって、弁体28が段差面22に固着していたとしても、弁体28が第2流路16Bからの流体から受ける押圧力が大きくなり、また、弁体28の段差面22への固着力が弱くなる。これにより、流体の流通時において、弁体28の閉鎖位置P1から開放位置P2への回動をスムーズに行わせることができる。
【0042】
また、受圧面積拡大部46としては、接続部材16の、第2流路16Bの第1流路14への開口端に径方向外側に切欠きを構成したり、図7に示されるように、前述のテーパー面取部46Mに代えて、座繰部48を形成してもよい。
【0043】
なお、弁体28の受圧面積A1は、第2流路16Bの断面積に対して140%〜330%の範囲であることが好ましい。弁体28の受圧面積A1が、第2流路16Bの断面積A0に対して140%未満では、弁体28が段差面22に固着している場合に開放がスムーズに行われない場合がある。また、330%を超えると、弁体28と段差面22とが密着する面積を確保しにくくなり、流体の逆流を適切に防止できないこともありうる。そこで、弁体28の受圧面積A1は、第2流路16Bの断面積A0に対して140%〜330%の範囲とすることが好ましい。
なお、弁体28の気密性を確保して液体の逆流をより確実に防止するために、受圧面積A1は、第2流路16Bの断面積に対して140%〜260%の範囲であることがより好ましく、140%〜200%の範囲であることが更に好ましい。
【0044】
また、弁体28の受圧面積A1は、弁体28が段差面22へ密着してシールするシール面積A2に対して60%〜1200%の範囲とすることが好ましい。弁体28の受圧面積A1が、シール面積A2に対して60%未満の場合には、弁体28が段差面22へ固着している場合に、開放がスムーズに行われない場合がある。また、1200%を超えると、弁体28の段差面22に対する十分なシール性が確保できない場合がある。
なお、弁体28の気密性を確保して液体の逆流をより確実に防止するために、受圧面積A1は、シール面積A2に対して60%〜270%の範囲であることがより好ましく、60%〜130%の範囲であることが更に好ましい。
【符号の説明】
【0045】
10 継手管
12 筒状部材
14 第1流路
16 接続部材
16B 第2流路
24 被挟持部
25 支持部
26 開閉弁
27 凹部
28C 頂点
28A 突出部
28B 平坦面
28 弁体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が配管に接続され第1流路が形成された筒状部材と、
第2流路が構成され、前記第1流路と前記第2流路とが連通するように前記筒状部材の他端に接続される接続部材と、
前記接続部材と前記筒状部材の間に設けられ、前記第1流路と前記第2流路との間を閉じる弁体と、前記弁体の端部を前記筒状部材側へ回動可能に支持する支持部と、前記筒状部材と前記接続部材の間に挟持される被挟持部と、を含み、全体が一体的に形成された開閉弁と、を備え、
前記弁体は、中央部に前記支持部および前記被挟持部よりも前記筒状部材側へ突出した突出部を有することを特徴とする、継手管。
【請求項2】
前記弁体の前記接続部材側の閉止面は面一形状であること、を特徴とする、請求項1に記載の継手管。
【請求項3】
前記弁体は、前記支持部の変形起点から前記突出部の突出先端を結んだ線の内方に収まる形状とされていること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の継手管。
【請求項4】
前記弁体の前記支持部は、前記被挟持部よりも厚みが薄く、前記筒状部材側及び前記接続部材側の両面が前記被挟持部の前記筒状部材側及び前記接続部材側の厚み方向の内側に配置されていること、を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の継手管。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−159174(P2012−159174A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20812(P2011−20812)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【出願人】(311007202)アサヒビール株式会社 (36)
【Fターム(参考)】