説明

継手

【課題】連結のために特別な動力手段を設けることなく、接続した工具などの部品の落下を防止することができる継手を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様は、ロボット10に工具を接続するアダプタ14において、テーパシャンク部42と突出部44とを備えるオスアダプタ36と、テーパ孔部62と拡径部64と端面部66とを備えるメスアダプタ38と、を有し、突出部44が拡径部64の内部に配置され、かつ、テーパシャンク部42の径方向について突出部44が端面部66と重なり合っている場合に、オスアダプタ36をメスアダプタ38に向かって移動させることにより、テーパシャンク部42とテーパ孔部62とが嵌まり合ったクランプ状態が設定されること、を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工具などの部品をロボットなどに接続する継手に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、工具を取り付けた工具プレートに固定プレートを嵌め込んだ後、シリンダの作動によりアクチュエータを下降させてロックピンの先端を工具プレートのロック孔に差し込むことにより、工具プレートと固定プレートの位置決めと連結を同時に行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−43174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、工具プレートと固定プレートの連結のためにシリンダ及びアクチュエータ等の動力手段を別途設ける必要があり、装置の大型化、コストアップを招いてしまう。また、シリンダを使用することにより、シリンダの作動流体を供給するためのホースをロボットハンドのアームの近傍に這わせるなどする必要があるので、ロボットハンドのアームの動作が制約を受けてしまう可能性もある。そのため、工具プレートに取り付けた工具を自由に操作することができなくなってしまう。例えば、ネジ穴測定用の工具を工具プレートに取り付けた場合、ロボットハンドのアームの動作が制約を受けていると、工具を回転させる操作を行うことができず、ネジ穴を十分に測定できないおそれがある。そのため、このような工具プレートと固定プレートとの連結部分にアクチュエータなどの動力手段を使用しないで、ロボットハンドのアームなどに取り付けた工具などの部品を自由に操作できるようにすることが望ましい。
【0005】
また、工具プレートに取り付けられた工具を用いて様々な作業を行っている時や、工具プレートと固定プレートとの連結作業時に、工具プレートが固定プレートから落下しないように対策を施すことが望ましい。なぜならば、工具プレートの落下により、例えば、工具の破損や作業の対象となるワークの損傷が起きる可能性があるからである。
【0006】
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、連結のために特別な動力手段を設けることなく、接続した工具などの部品の落下を防止することができる継手を提供すること、を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、部品を接続する継手において、テーパシャンク部と前記テーパシャンク部の径方向の外側に向かって突出する突出部とを備えるオスアダプタと、前記テーパシャンク部と嵌め合い可能なテーパ孔部と前記テーパ孔部に接続し前記テーパ孔部よりも径を拡張した拡径部と前記テーパ孔部の軸方向について前記テーパ孔部に対して前記拡径部を介して設けられた端面部とを備えるメスアダプタと、を有し、前記テーパ孔部の径方向について前記端面部は前記拡径部の内面よりも内側に突出して設けられており、前記突出部が前記拡径部の内部に配置され、かつ、前記テーパシャンク部の径方向について前記突出部が前記端面部と重なり合っている場合に、前記オスアダプタを前記メスアダプタに向かって移動させることにより、前記テーパシャンク部と前記テーパ孔部とが嵌まり合ったクランプ状態が設定されること、を特徴とする。
【0008】
この態様によれば、アクチュエータなどの動力手段を使用することなく、オスアダプタのテーパシャンク部とメスアダプタのテーパ孔部とによりオスアダプタとメスアダプタとを連結する。そのため、工具を交換する工具交換装置にこの継手を使用した場合には、当該工具交換装置を小型化できるとともに、コストも削減することができる。また、継手に取り付けた工具などの部品の動作に制約が生じないので、当該部品を使用して自由に作業を行うことができる。さらに、オスアダプタとメスアダプタとの芯ズレを防止できる。
【0009】
また、オスアダプタとメスアダプタとのクランプ状態が解除されてオスアダプタがメスアダプタから離れる方向に移動しても、オスアダプタの突出部がメスアダプタの端面部に当接するので、オスアダプタからメスアダプタが外れて落下しない。そのため、例えばメスアダプタに計測用の工具を取り付けて計測作業を行っている時に、メスアダプタがオスアダプタから外れて落下しないので、工具の破損や作業の対象となるワークの損傷を防止することができる。また、オスアダプタとメスアダプタとの脱着作業時にメスアダプタがオスアダプタから外れて落下しないので、脱着作業時にも工具の破損や作業の対象となるワークの損傷を防止することができる。
【0010】
上記の態様においては、前記メスアダプタは前記テーパ孔部の径方向に前記テーパ孔部と連通するように設けられた連通孔部を備え、前記連通孔部の内部に挿入した押し出し部材にて前記オスアダプタを前記メスアダプタから離れる方向に押し出すことにより前記クランプ状態が解除されること、が好ましい。
【0011】
この態様によれば、オスアダプタやメスアダプタを叩いてオスアダプタとメスアダプタとのクランプ状態を解除する必要はなく、メスアダプタの連通孔部の内部に押し出し部材を挿入するだけでよいので、短時間でオスアダプタとメスアダプタとのクランプ状態を確実に解除することができる。そのため、オスアダプタをメスアダプタから取り外す時間を短縮できる。
【0012】
また、オスアダプタがメスアダプタから離れる方向に移動してもメスアダプタは連通孔部に挿入した押し出し部材により制止されて移動しないので、オスアダプタとメスアダプタとのクランプ状態を確実に解除することができる。
【0013】
上記の態様においては、前記オスアダプタを前記メスアダプタに向かって移動させて前記突出部を前記拡径部の内部に配置し、次に前記オスアダプタを前記メスアダプタに対して相対的に回転させることにより前記テーパシャンク部の径方向について前記突出部を前記端面部と重なり合わせ、次に前記オスアダプタを前記メスアダプタに向かって移動させることにより前記クランプ状態が設定されること、が好ましい。
【0014】
この態様によれば、オスアダプタとメスアダプタのクランプ状態を設定するときに、テーパシャンク部の径方向についてオスアダプタの突出部がメスアダプタの端面部と重なり合うので、オスアダプタからメスアダプタが外れて落下するおそれがない。
【0015】
上記の態様においては、前記オスアダプタの先端部を前記テーパ孔部の底面に当接させた後に、前記オスアダプタを前記メスアダプタに対して相対的に回転させること、が好ましい。
【0016】
この態様によれば、オスアダプタとメスアダプタのクランプ状態を設定するときに、確実にテーパシャンク部の径方向についてオスアダプタの突出部がメスアダプタの端面部と重なり合うので、確実にオスアダプタからメスアダプタが外れて落下しないようにしておくことができる。
【0017】
上記の態様においては、前記テーパ孔部の底面にて横長の形状に開口した孔を有し、前記先端部は横長の形状に形成されており、前記先端部を前記テーパ孔部の底面に当接させたときには前記先端部の長手方向の向きと前記孔の長手方向の向きとが交わっており、前記オスアダプタを前記メスアダプタに対して相対的に回転させて前記先端部の長手方向の向きと前記孔の長手方向の向きが一致し、前記オスアダプタを前記メスアダプタに向かって移動させることが可能となること、が好ましい。
【0018】
この態様によれば、オスアダプタの先端部をメスアダプタのテーパ孔部の底面に当接させたときにはオスアダプタの先端部の長手方向の向きとメスアダプタの孔の長手方向の向きとが交わっているので、これ以上オスアダプタをメスアダプタに向かって移動できない。そして、オスアダプタをメスアダプタに対して相対的に回転させることによりオスアダプタの先端部の長手方向の向きとメスアダプタの孔の長手方向の向きが一致し、さらにオスアダプタをメスアダプタに向かって移動することができる。このように、継手は、構造上、オスアダプタをメスアダプタに対して相対的に回転させないとオスアダプタをメスアダプタに向かって移動できない。そのため、オスアダプタとメスアダプタのクランプ状態を設定するときにはテーパシャンク部の径方向についてオスアダプタの突出部とメスアダプタの端面部が重なり合うことになり、オスアダプタがメスアダプタから外れて落下しないようにしておくことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る継手によれば、連結のために特別な動力手段を設けることなく、接続した工具などの部品の落下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】自動検査システムの概略構成図である。
【図2】工具交換装置の外観斜視図である。
【図3】マガジンの上面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】オスアダプタとメスアダプタの外観斜視図である。
【図6】オスアダプタの正面図である。
【図7】オスアダプタの下面図である。
【図8】メスアダプタの正面図である。
【図9】図8のB−B断面図である。
【図10】メスアダプタの上面図である。
【図11】自動検査のフローチャート図である。
【図12】自動検査方法の説明図である。
【図13】自動検査方法の説明図である。
【図14】自動検査方法の説明図である。
【図15】オスアダプタをメスアダプタに取り付ける際のフローチャート図である。
【図16】オスアダプタをメスアダプタに取り付ける説明図である。
【図17】オスアダプタをメスアダプタに取り付ける説明図である。
【図18】オスアダプタをメスアダプタに取り付ける説明図である。
【図19】オスアダプタをメスアダプタに取り付ける説明図である。
【図20】オスアダプタをメスアダプタから取り外す際のフローチャート図である。
【図21】オスアダプタをメスアダプタから取り外す説明図である。
【図22】オスアダプタをメスアダプタから取り外す説明図である。
【図23】オスアダプタをメスアダプタから取り外す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した実施例について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明においては、部品交換装置の一例として、計測用の工具(例えば、ネジ孔の内径やシリンダの内径などを計測するための工具)を交換する工具交換装置を例に挙げて説明する。
【0022】
〔自動検査システムの構成〕
まず、継手(アダプタ)を使用した工具交換装置を備える自動検査システム1の構成について説明する。自動検査システム1は、ワークの各部位を自動で計測して検査するシステムである。図1は、自動検査システム1の概略構成図である。図1に示すように、自動検査システム1は、ロボット10と、マガジン12と、アダプタ14と、計測対象であるワーク20を搭載するためのパレット16と、パレット16を搬送するための搬送機構18などを有する。
【0023】
ロボット10は、先端部54(図2参照)にアダプタ14が取り付けられ、このアダプタ14に取り付けた計測用の工具(不図示)を用いて、ワーク20の各部位の計測を行う。このロボット10は、マガジン12とアダプタ14とともに工具交換装置22を構成する。ここで、図2は、工具交換装置22の外観斜視図であり、アダプタ14を構成するオスアダプタ36がロボット10の先端部54に取り付けられ、アダプタ14を構成するメスアダプタ38がマガジン12に保持されている状態を示している。この工具交換装置22は、アダプタ14を構成するオスアダプタ36とメスアダプタ38とを脱着して、ロボット10に装着する計測用の工具を交換する。
【0024】
マガジン12は、図2〜図4に示すように、複数のメスアダプタ38を保持することができる。マガジン12は、円盤形状のプレート28の外周部に複数の保持具30が間隔を空けて設けられており、保持具30の間の位置に抜きピン32が設けられている。そして、隣り合う一対の保持具30によりメスアダプタ38を保持する。抜きピン32は、プレート28の径方向について外側に突出しており、軸形状に形成されている。また、抜きピン32は先端に円周形状のR形状部34を備える。このような構成のマガジン12は、回転軸26を不図示の駆動部により回転させることで、プレート28を回転させてメスアダプタ38を周方向に移動させる。なお、図3はマガジン12の上面図であり、図4は図3のA−A断面図である。また、抜きピン32は、本発明における「押し出し部材」の一例である。
【0025】
アダプタ14は、図5に示すように、着脱可能なオスアダプタ36とメスアダプタ38とを備えている。そして、オスアダプタ36は、図6と図7に示すように、先端部40と、テーパシャンク部42と、突出部44と、接続部46と、円盤部48などを備える。なお、図5はオスアダプタ36とメスアダプタ38の外観斜視図であり、図6はオスアダプタ36の正面図であり、図7はオスアダプタ36の下面図である。また、アダプタ14は、本発明における「継手」の一例である。
【0026】
先端部40は、オスアダプタ36の最も先端部分に設けられている。この先端部40は直方体形状に形成されており、オスアダプタ36を図6の下方向から見たときに図7に示すように図面の左右方向に横長の形状(図7においては一例として長方形)に形成されている。ここでは、先端部40は互いに直交する方向に長手方向82と短手方向84が形成されていると定義する。
【0027】
テーパシャンク部42は、円錐形状に形成されており、その軸方向について外径が突出部44側から先端部40側に向かって徐々に小さくなるように外周面にモールステーパが形成されている。
【0028】
突出部44は、テーパシャンク部42の軸方向(図6の上下方向)についてテーパシャンク部42に対して先端部40の反対側の位置にて、テーパシャンク部42に接続して設けられている。この突出部44は、テーパシャンク部42の径方向(図6の左右方向)についてテーパシャンク部42から外側に向かって突出するように設けられている。突出部44は、図7に示すように図面の左右方向に横長の形状に形成され、ここでは互いに直交する方向に長手方向50と短手方向52が形成されていると定義する。そして、突出部44は、後述するメスアダプタ38の開口部74の短手方向80(図8参照)の幅に対して、短手方向52の幅が小さく形成される一方で、長手方向50の幅が大きく形成されている。
【0029】
円盤部48は、突出部44とは接続部46を介して接続されている。そして、この円盤部48は、円盤形状に設けられ、ロボット10の先端部54(図2参照)にネジ(不図示)で締結されている。このようにして、オスアダプタ36はロボット10の先端部54に取り付けられている。
【0030】
次に、メスアダプタ38は、図8〜図10に示すように、工具取付部56と、段差部58と、ピン挿入孔部60と、テーパ孔部62と、拡径部64と、端面部66などを備える。なお、図8はメスアダプタ38の正面図であり、図9は図8のB−B断面図であり、図10はメスアダプタ38の上面図である。
【0031】
工具取付部56は、例えば計測用の工具などの部品を取り付ける部分である。段差部58は、マガジン12の保持具30にて保持される部分である。ピン挿入孔部60は、テーパ孔部62の径方向(図8の左右方向、図9の紙面垂直方向)にテーパ孔部62と連通するように設けられ、メスアダプタ38を貫通している。このように、ピン挿入孔部60はメスアダプタ38を貫通しているので、ピン挿入孔部60にマガジン12の抜きピン32を挿入してマガジン12にメスアダプタ38を保持させる際にメスアダプタ38の方向性が要求されず、作業負担が低減する。また、ピン挿入孔部60は、テーパ孔部62の軸方向(図8や図9の上下方向)に長くした長孔に形成されている。なお、ピン挿入孔部60は、本発明における「連通孔部」の一例である。
【0032】
テーパ孔部62は、ピン挿入孔部60と拡径部64に連通している。テーパ孔部62の内周面68は円錐形状に形成されており、テーパ孔部62の内径は拡径部64側からピン挿入孔部60側に向かって徐々に小さくなるようにモールステーパが形成されている。このテーパ孔部62は、オスアダプタ36のテーパシャンク部42と嵌め合うことができる。また、図10に示すように、テーパ孔部62の底面70には孔72が設けられている。この孔72は、図10に示すように図面の左右方向に横長の形状で開口しており、ここでは互いに直交する方向に長手方向86と短手方向88が形成されていると定義する。
【0033】
拡径部64は、テーパ孔部62の軸方向(図8や図9の上下方向)についてテーパ孔部62と端面部66との間に設けられ、テーパ孔部62と端面部66の開口部74とに接続している。そして、テーパ孔部62の径方向(図8や図9の左右方向)について、拡径部64の幅はテーパ孔部62の径よりも大きく(拡張して)形成され、端面部66の開口部74の短手方向80の幅よりも大きな幅に形成されている。この拡径部64は、後述するようにオスアダプタ36とメスアダプタ38とのクランプ状態においては、オスアダプタ36の突出部44(図6や図7参照)が挿入されている部分である。
【0034】
端面部66は、メスアダプタ38においてテーパ孔部62の軸方向(図8や図9の上下方向)の端部に設けられており、当該軸方向についてテーパ孔部62に対して拡径部64を介して設けられている。そして、端面部66は、テーパ孔部62の径方向(図8の左右方向)について拡径部64の内面76よりも内側に突出して設けられており、その内側に開口部74が形成されている。開口部74は、図10に示すように図面の上下方向に縦長の形状で開口しており、ここでは互いに直交する方向に長手方向78と短手方向80が形成されていると定義する。後述するように、端面部66は、オスアダプタ36とメスアダプタ38とのクランプ状態が設定されたときに、テーパ孔部62の軸方向についてオスアダプタ36の突出部44との間で間隔を設けながら、テーパ孔部62の径方向についてオスアダプタ36の突出部44と重なり合う(図19参照)。
【0035】
〔自動検査の方法〕
以上のような構成の自動検査システム1は、図11のフローチャート図で示されるように、以下のように自動検査を行う。まず、ロボット10を起動し(ステップS1)、図12に示すようにパレット16の払い出しを行い(ステップS2)、図13に示すようにパレット16を挿入する(ステップS3)。
【0036】
次に、図14に示すようにマガジン12内において自動検査プログラムで指定された最初の計測用の工具(計測ゲージ)に対応する所定のメスアダプタ38が保持されているか否か、を確認する(ステップS4)。そして、マガジン12に所定のメスアダプタ38が保持されていない場合には、一旦自動検査システム1の稼働を待機させてマガジン12に所定のメスアダプタ38を保持させた(ステップS5)後、ステップS4に戻る。一方、マガジン12に所定のメスアダプタ38が保持されている場合には、オスアダプタ36をメスアダプタ38に取り付けて(ステップS6)、所定の計測項目の計測を行う(ステップS7)。そして、所定の計測内容の計測が終了すると、オスアダプタ36をメスアダプタ38から取り外す(ステップS8)。なお、オスアダプタ36とメスアダプタ38との脱着方法については後述する。
【0037】
次に、自動検査プログラムで指定された全ての計測項目の計測が終了したか否かを判断する(ステップS9)。そして、全ての計測項目の計測が終了していない場合には、マガジン12を回転させて(ステップS10)、ステップS6に戻ってオスアダプタ36を新たなメスアダプタ38に取り付けて新たな計測項目の計測を行う。一方、自動検査プログラムで指定された全ての計測項目の計測が終了した場合には、自動検査を継続するか否かを判断する(ステップS11)。そして、自動検査を継続する場合には、ステップS2に戻る。一方、自動検査を継続しない場合には、自動検査を終了する。以上のようにして、自動検査を行う。
【0038】
〔アダプタの脱着方法〕
次に、オスアダプタ36とメスアダプタ38との脱着方法について説明する。まず、図15のフローチャート図を用いて、オスアダプタ36をメスアダプタ38に取り付ける方法について説明する。最初に、図16に示すように、オスアダプタ36をメスアダプタ38に対向する位置に移動させる(ステップS21)。具体的には、ロボット10の先端部54(図2参照)を移動させて当該先端部54に保持されたオスアダプタ36を、マガジン12の保持具30(図3参照)に保持された所望の計測用の工具に対応するメスアダプタ38の上の位置に移動させる。
【0039】
次に、オスアダプタ36をメスアダプタ38に向かって移動させる(ステップS22)。具体的には、図17に示すように、オスアダプタ36の突出部44の短手方向52の向きをメスアダプタ38の開口部74の短手方向80の向きに一致させた状態(すなわち、オスアダプタ36の突出部44の長手方向50の向きをメスアダプタ38の開口部74の長手方向78の向きに一致させた状態)で、オスアダプタ36を下降させる。これにより、オスアダプタ36の先端部40とテーパシャンク部42と突出部44とを、開口部74を通して、メスアダプタ38の内部に移動させる。このとき、突出部44は拡径部64の内部に位置する。そして、オスアダプタ36の先端部40をメスアダプタ38のテーパ孔部62の底面70に当接させる。
【0040】
なお、このとき、オスアダプタ36の先端部40の長手方向82(図7参照)の向きとメスアダプタ38のテーパ孔部62の底面70にて開口した孔72の長手方向86の向きとは、直交している。すなわち、図17に示す例においては、メスアダプタ38の孔72の長手方向86が図面の左右方向に向いているのに対し、オスアダプタ36の先端部40の長手方向82が図面の紙面垂直方向に向いている。そのため、オスアダプタ36の先端部40がメスアダプタ38のテーパ孔部62の底面70に当接し、オスアダプタ36はこのままではこれ以上下降できない。
【0041】
そこで次に、オスアダプタ36をメスアダプタ38に対して相対的に回転させて、メスアダプタ38に向かって押し込み、オスアダプタ36の先端部40を抜きピン32に当接させる(ステップS23)。具体的には、オスアダプタ36を時計回りに90°回転させて、オスアダプタ36の先端部40の長手方向82の向きとメスアダプタ38の孔72の長手方向86の向きとを一致させる。なお、オスアダプタ36をメスアダプタ38に対して相対的に回転させることにより、テーパシャンク部42の径方向についてオスアダプタ36の突出部44とメスアダプタの端面部66が重なり合うことになる。
【0042】
そして、これによりオスアダプタ36をさらに下降できるようになるので、オスアダプタ36をさらに下降させてメスアダプタ38に向かって移動させて、図18に示すように、オスアダプタ36の先端部40を抜きピン32に当接させる。このように、アダプタ14は、構造上、オスアダプタ36をメスアダプタ38に対して相対的に回転させないとオスアダプタ36をメスアダプタ38に向かって移動できない。このとき、オスアダプタ36のテーパシャンク部42とメスアダプタ38のテーパ孔部62とは当接している。また、オスアダプタ36の突出部44の長手方向50は図面の左右方向に向いており、テーパシャンク部42の径方向(図18の左右方向)について突出部44はメスアダプタ38の端面部66と重なり合っている。
【0043】
次に、オスアダプタ36の先端部40から抜きピン32を離間させることにより、オスアダプタ36とメスアダプタ38とのクランプを完了させる(ステップS24)。具体的には、ロボット10の先端部54(図2参照)をマガジン12から離れる方向に移動させて、オスアダプタ36とメスアダプタ38とをマガジン12から離れる方向に移動させる。そして、ロボット10の先端部54によりオスアダプタ36に下方向(メスアダプタ38が配置される方向)の荷重を加えながら、オスアダプタ36の先端部40から抜きピン32を離間させる。
【0044】
これにより、オスアダプタ36の先端部40は抜きピン32に干渉されなくなり、図19に示すように、オスアダプタ36のテーパシャンク部42がメスアダプタ38のテーパ孔部62にしっかりと嵌り込む。これにより、オスアダプタ36はメスアダプタ38に保持されて、オスアダプタ36とメスアダプタ38とのクランプ状態が設定され、メスアダプタ38へのオスアダプタ36の取り付けが完了する。以上のようにして、オスアダプタ36をメスアダプタ38に取り付ける。そして、これにより、メスアダプタ38はオスアダプタ36を介してロボット10の先端部54(図2参照)に取り付けられる。
【0045】
このように、オスアダプタ36の突出部44がメスアダプタ38の拡径部64の内部に配置され、かつ、テーパシャンク部42の径方向についてオスアダプタ36の突出部44がメスアダプタ38の端面部66と重なり合っている場合に、オスアダプタ36をメスアダプタ38に向かって移動させることにより、テーパシャンク部42とテーパ孔部62とが嵌まり合ったクランプ状態が設定される。
【0046】
その後、ロボット10の先端部54(図2参照)をマガジン12から離れる方向に移動させて、オスアダプタ36とメスアダプタ38とをマガジン12から離れる方向に移動させることにより、メスアダプタ38のピン挿入孔60から抜きピン32を抜き出す。その後、メスアダプタ38の工具取付部56に計測用の工具を取り付けることにより、ロボット10に計測用の工具が装着される。
【0047】
このように、オスアダプタ36のテーパシャンク部42をメスアダプタ38のテーパ孔部62に嵌め合わせてオスアダプタ36をメスアダプタ38で保持することにより、アクチュエータなどの動力手段を使用しないでオスアダプタ36とメスアダプタ38とを連結している。そのため、メスアダプタ38の工具取付部56に取り付けた計測用の工具を使用して計測作業を行う時に、計測用の工具の操作に制約が生じないので、自由に計測作業を行うことができる。また、オスアダプタ36とメスアダプタ38との芯ズレを防止できる。
【0048】
ここで、メスアダプタ38へのオスアダプタ36の取り付けが完了した時、オスアダプタ36の突出部44は拡径部64の内部に配置されており、オスアダプタ36の突出部44の長手方向50が図19の図面の左右方向に向いている。すなわち、オスアダプタ36の突出部44の長手方向50は、メスアダプタ38の開口部74の長手方向78と直交し、メスアダプタ38の開口部74の短手方向80と同じ方向を向いている。そして、オスアダプタ36のテーパシャンク部42の径方向(図19の左右方向)について、オスアダプタ36の突出部44はメスアダプタ38の端面部66と重なり合っている。なお、テーパシャンク部42の軸方向(図19の上下方向)について、オスアダプタ36の突出部44とメスアダプタ38の端面部66との間には隙間が設けられている。
【0049】
そのため、オスアダプタ36のテーパシャンク部42とメスアダプタ38のテーパ孔部62との嵌め合いが外れたとしても、オスアダプタ36の突出部44はメスアダプタ38の端面部66に当たるので、オスアダプタ36の突出部44はメスアダプタ38の開口部74から抜けない。したがって、オスアダプタ36のテーパシャンク部42とメスアダプタ38のテーパ孔部62との嵌め合いが外れたとしても、オスアダプタ36がメスアダプタ38から抜けない。ゆえに、メスアダプタ38の工具取付部56に取り付けた計測用の工具を使用して計測作業を行っている時に、オスアダプタ36がメスアダプタ38から外れて落下するおそれがなくなるので、工具の破損や作業の対象となるワーク20の損傷を防止することができる。
【0050】
また、前記のように、アダプタ14は、構造上、オスアダプタ36をメスアダプタ38に対して相対的に回転させないとオスアダプタ36をメスアダプタ38に向かって移動できない。そのため、オスアダプタ36とメスアダプタ38のクランプ状態を設定するときには、テーパシャンク部42の径方向についてオスアダプタ36の突出部44とメスアダプタの端面部66が重なり合うことになり、オスアダプタ36がメスアダプタ38から外れて落下しないようにしておくことができる。
【0051】
一方、図20のフローチャート図を用いて、オスアダプタ36をメスアダプタ38から取り外す方法、すなわちメスアダプタ38をロボット10の先端部54(図2参照)から取り外す方法について説明する。
【0052】
まず、抜きピン32によりオスアダプタ36の先端部40を押し上げる(ステップS31)。具体的には、ロボット10の先端部54(図2参照)をマガジン12に向かって移動させて、ロボット10の先端部54に一体的に取り付けられたオスアダプタ36とメスアダプタ38とをマガジン12に向かって移動させ、メスアダプタ38のピン挿入孔部60の内部にマガジン12の抜きピン32を挿入する。そして、ロボット10の先端部54をさらにマガジン12に向かって移動させて、オスアダプタ36とメスアダプタ38とをマガジン12に向かって移動させる。すると、抜きピン32がメスアダプタ38のピン挿入孔部60からメスアダプタ38の内部に挿入される。このとき、メスアダプタ38のピン挿入孔部60の端部90(最下部、オスアダプタ36がメスアダプタ38から離れる方向とは反対方向の端部)に抜きピン32を当接させておく。
【0053】
そして、図21に示すように、オスアダプタ36の先端部40が抜きピン32と干渉し、抜きピン32によりオスアダプタ36はメスアダプタ38から離れる方向に押し上げられる。これにより、オスアダプタ36とメスアダプタ38とのクランプ状態が解除される。このように、オスアダプタ36やメスアダプタ38を叩くなどする必要はなく、メスアダプタ38のピン挿入孔部60の内部に抜きピン32を挿入するだけでよいので、短時間でオスアダプタ36とメスアダプタ38とのクランプ状態を確実に解除することができる。
【0054】
次に、オスアダプタ36をメスアダプタ38から離れる方向に移動させて、オスアダプタ36とメスアダプタ38との嵌め合いを外す(ステップS32)。具体的には、ロボット10の先端部54(図2参照)を上昇させてオスアダプタ36を上昇させることにより、オスアダプタ36の先端部40が抜きピン32のR形状部34に案内されて、図22に示すように、抜きピン32の上に乗り上がる。すると、オスアダプタ36とメスアダプタ38との嵌め合いが外れる。なお、このとき、メスアダプタ38のピン挿入孔部60の端部90に抜きピン32を当接させているので、オスアダプタ36を上昇させてもメスアダプタ38は上昇しない。そのため、確実にオスアダプタ36とメスアダプタ38との嵌め合いを外すことができる。
【0055】
次に、オスアダプタ36をメスアダプタ38から離れる方向にさらに移動させて、オスアダプタ36の突出部44とメスアダプタ38の端面部66とを当接させる(ステップS33)。具体的には、ロボット10の先端部54(図2参照)をさらに上昇させてオスアダプタ36をさらに上昇させる。これにより、オスアダプタ36の先端部40をメスアダプタ38の孔72から抜き出すとともに、図23に示すように、オスアダプタ36の突出部44とメスアダプタ38の端面部66とを当接させる。なお、このとき、前記と同様に、メスアダプタ38のピン挿入孔部60の端部90に抜きピン32を当接させているので、オスアダプタ36を上昇させようとしてもメスアダプタ38は上昇しない。
【0056】
次に、オスアダプタ36をメスアダプタ38に対して相対的に回転させて、オスアダプタ36の突出部44の短手方向52の向きとメスアダプタ38の開口部74の短手方向80の向きとを一致させる(ステップS34)。具体的には、ロボット10の先端部54(図2参照)を回転させることによりオスアダプタ36を反時計回りに90°回転させて、前記の図17に示すように、オスアダプタ36の突出部44の短手方向52の向きとメスアダプタ38の開口部74の短手方向80の向きとを一致させる。これにより、オスアダプタ36をさらに上昇させることが可能になる。なお、このとき、メスアダプタ38のピン挿入孔部60に抜きピン32を挿入しているので、メスアダプタ38は回転しない。そのため、確実にオスアダプタ36をメスアダプタ38に対して相対的に回転させることができる。
【0057】
次に、オスアダプタ36をさらに上昇させることにより、オスアダプタ36をメスアダプタ38から取り外す(ステップS35)。具体的には、ロボット10の先端部54(図2参照)を上昇させてオスアダプタ36をさらに上昇させることにより、オスアダプタ36の突出部44とテーパシャンク部42と先端部40とを、メスアダプタ38の開口部74に通して、オスアダプタ36をメスアダプタ38から取り外す。これにより前記の図16の状態に戻る。以上のようにして、オスアダプタ36をメスアダプタ38から取り外す。
【0058】
〔本実施例の効果〕
本実施例によれば、アクチュエータなどの動力手段を使用することなく、オスアダプタ36のテーパシャンク部42とメスアダプタ38のテーパ孔部62とによりオスアダプタ36とメスアダプタ38とを連結している。そのため、工具交換装置22を小型化できるとともに、コストも削減することができる。また、アダプタ14に取り付けた計測用の工具の動作に制約が生じず、当該工具を使用して行う計測作業を自由に行うことができる。さらに、オスアダプタ36とメスアダプタ38との芯ズレを防止できる。
【0059】
また、オスアダプタ36の突出部44がメスアダプタ38の拡径部64の内部に配置され、かつ、テーパシャンク部42の径方向についてオスアダプタ36の突出部44がメスアダプタ38の端面部66と重なり合っている場合に、オスアダプタ36をメスアダプタ38に向かって移動させることにより、テーパシャンク部42とテーパ孔部62とが嵌まり合ったクランプ状態が設定される。そのため、オスアダプタ36とメスアダプタ38とのクランプ状態が解除されてオスアダプタ36がメスアダプタ38から離れる方向に移動しても、オスアダプタ36の突出部44がメスアダプタ38の端面部66に当接するので、オスアダプタ36からメスアダプタ38が外れて落下しない。したがって、メスアダプタ38に計測用の工具を取り付けて計測作業を行っている時に、メスアダプタ38がオスアダプタ36から外れて落下しないので、工具の破損や作業の対象となるワーク20の損傷を防止することができる。また、オスアダプタ36とメスアダプタ38との脱着作業時にメスアダプタ38がオスアダプタ36から外れて落下しないので、脱着作業時にも工具の破損や作業の対象となるワーク20の損傷を防止することができる。
【0060】
また、オスアダプタ36やメスアダプタ38を叩いてオスアダプタ36とメスアダプタ38とのクランプ状態を解除する必要はなく、メスアダプタ38のピン挿入孔部60の内部に抜きピン32を挿入するだけでよいので、短時間でオスアダプタ36とメスアダプタ38とのクランプ状態を確実に解除することができる。そのため、オスアダプタ36をメスアダプタ38から取り外す時間を短縮できる。
【0061】
また、オスアダプタ36がメスアダプタ38から離れる方向に移動してもメスアダプタ38はピン挿入孔部60に挿入した抜きピン32により制止されて移動しないので、オスアダプタ36とメスアダプタ38とのクランプ状態を確実に解除することができる。
【0062】
また、オスアダプタ36の突出部44をメスアダプタ38の拡径部64の内部に配置して、オスアダプタ36をメスアダプタ38に対して相対的に回転させることによりテーパシャンク部42の径方向について突出部44を端面部66と重なり合わせた後に、オスアダプタ36とメスアダプタ38のクランプ状態が設定される。そのため、オスアダプタ36とメスアダプタ38のクランプ状態を設定するときに、オスアダプタ36からメスアダプタ38が外れて落下するおそれがなく、工具の破損や作業の対象となるワーク20の損傷を防止することができる。
【0063】
また、オスアダプタ36の先端部40をメスアダプタ38のテーパ孔部62の底面70に当接させた後に、オスアダプタ36をメスアダプタ38に対して相対的に回転させてからオスアダプタ36とメスアダプタ38のクランプ状態が設定される。そのため、オスアダプタ36とメスアダプタ38のクランプ状態を設定するときに、確実にオスアダプタ36からメスアダプタ38が外れて落下しないようにしておくことができる。
【0064】
また、オスアダプタ36の先端部40をメスアダプタ38のテーパ孔部62の底面70に当接させたときにはオスアダプタ36の先端部40の長手方向82の向きとメスアダプタ38の孔72の長手方向86の向きとが交わっているので、これ以上オスアダプタ36をメスアダプタ38に向かって移動できない。そして、オスアダプタ36をメスアダプタ38に対して相対的に回転させてオスアダプタ36の先端部40の長手方向82の向きとメスアダプタ38の孔72の長手方向86の向きとを一致させてオスアダプタ36の先端部40をメスアダプタ38のテーパ孔部62の底面70に当接させないようにすることにより、さらにオスアダプタ36をメスアダプタ38に向かって移動することができる。このように、アダプタ14は、構造上、オスアダプタ36をメスアダプタ38に対して相対的に回転させないとオスアダプタ36をメスアダプタ38に向かって移動できない。そのため、オスアダプタ36とメスアダプタ38のクランプ状態を設定するときには、テーパシャンク部42の径方向についてオスアダプタ36の突出部44とメスアダプタの端面部66が重なり合うことになり、オスアダプタ36がメスアダプタ38から外れて落下しないようにしておくことができる。
【0065】
また、上記の実施例においては、ロボット10の先端部54にアダプタ14を取り付けて計測作業を行う例を挙げて説明したが、本発明は、これに限定されず、人間がアダプタ14を使用して計測作業を行う例においても適用することができる。
【0066】
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。
【符号の説明】
【0067】
1 自動検査システム
10 ロボット
12 マガジン
14 アダプタ
22 工具交換装置
26 回転軸
28 プレート
30 保持具
32 抜きピン
34 R形状部
36 オスアダプタ
38 メスアダプタ
40 (オスアダプタの)先端部
42 テーパシャンク部
44 突出部
48 円盤部
50 (突出部の)長手方向
52 (突出部の)短手方向
54 (ロボットの)先端部
60 ピン挿入孔部
62 テーパ孔部
64 拡径部
66 端面部
68 内周面
70 底面
72 孔
74 開口部
76 内面
78 (開口部の)長手方向
80 (開口部の)短手方向
82 (オスアダプタの先端部の)長手方向
84 (オスアダプタの先端部の)短手方向
86 (孔の)長手方向
88 (孔の)短手方向
90 (ピン挿入孔部の)端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を接続する継手において、
テーパシャンク部と前記テーパシャンク部の径方向の外側に向かって突出する突出部とを備えるオスアダプタと、
前記テーパシャンク部と嵌め合い可能なテーパ孔部と前記テーパ孔部に接続し前記テーパ孔部よりも径を拡張した拡径部と前記テーパ孔部の軸方向について前記テーパ孔部に対して前記拡径部を介して設けられた端面部とを備えるメスアダプタと、を有し、
前記テーパ孔部の径方向について前記端面部は前記拡径部の内面よりも内側に突出して設けられており、
前記突出部が前記拡径部の内部に配置され、かつ、前記テーパシャンク部の径方向について前記突出部が前記端面部と重なり合っている場合に、前記オスアダプタを前記メスアダプタに向かって移動させることにより、前記テーパシャンク部と前記テーパ孔部とが嵌まり合ったクランプ状態が設定されること、
を特徴とする継手。
【請求項2】
請求項1の継手において、
前記メスアダプタは前記テーパ孔部の径方向に前記テーパ孔部と連通するように設けられた連通孔部を備え、前記連通孔部の内部に挿入した押し出し部材にて前記オスアダプタを前記メスアダプタから離れる方向に押し出すことにより前記クランプ状態が解除されること、
を特徴とする継手。
【請求項3】
請求項1または2の継手において、
前記オスアダプタを前記メスアダプタに向かって移動させて前記突出部を前記拡径部の内部に配置し、次に前記オスアダプタを前記メスアダプタに対して相対的に回転させることにより前記テーパシャンク部の径方向について前記突出部を前記端面部と重なり合わせ、次に前記オスアダプタを前記メスアダプタに向かって移動させることにより前記クランプ状態が設定されること、
を特徴とする継手。
【請求項4】
請求項3の継手において、
前記オスアダプタの先端部を前記テーパ孔部の底面に当接させた後に、前記オスアダプタを前記メスアダプタに対して相対的に回転させること、
を特徴とする継手。
【請求項5】
請求項4の継手において、
前記テーパ孔部の底面にて横長の形状に開口した孔を有し、
前記先端部は横長の形状に形成されており、
前記先端部を前記テーパ孔部の底面に当接させたときには前記先端部の長手方向の向きと前記孔の長手方向の向きとが交わっており、
前記オスアダプタを前記メスアダプタに対して相対的に回転させると前記先端部の長手方向の向きと前記孔の長手方向の向きとが一致し、前記オスアダプタを前記メスアダプタに向かって移動させることが可能となること、
を特徴とする継手。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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