緊急時Webサーバ切替システム
【課題】なんらかの原因でWebサーバへのアクセスが集中した場合に、緊急時用のサーバがアクセスへの対応を代行するシステムを提供する。
【解決手段】システム管理サーバ1とその配下にある緊急時用サーバ2とを含み、システム管理サーバ1は、DNSサーバ3と登録ユーザがWebサイトを開設しているWebサーバ4とにインターネットNを介して通信可能である。システム管理サーバ1は、登録ユーザによる設定を簡便化するための各種オプションデータ及びサーバ切替・復元に必要な情報を格納する記憶手段と、ユーザが緊急時用の設定を行えるユーザ用設定画面を作成する手段と、ユーザによる設定内容を記憶手段に登録する手段と、ユーザからのサーバ切替・復元要求を受け付ける手段と、緊急時のサーバ変更のためにDNS設定の変更を要求する手段と、緊急時用サーバ2へ緊急時表示用ページを含むデータを送信する手段を備える。
【解決手段】システム管理サーバ1とその配下にある緊急時用サーバ2とを含み、システム管理サーバ1は、DNSサーバ3と登録ユーザがWebサイトを開設しているWebサーバ4とにインターネットNを介して通信可能である。システム管理サーバ1は、登録ユーザによる設定を簡便化するための各種オプションデータ及びサーバ切替・復元に必要な情報を格納する記憶手段と、ユーザが緊急時用の設定を行えるユーザ用設定画面を作成する手段と、ユーザによる設定内容を記憶手段に登録する手段と、ユーザからのサーバ切替・復元要求を受け付ける手段と、緊急時のサーバ変更のためにDNS設定の変更を要求する手段と、緊急時用サーバ2へ緊急時表示用ページを含むデータを送信する手段を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
なんらかの原因でWebアクセスに対する応答パフォーマンスが低下した場合に、緊急時用のサーバにアクセスへの対応を代行させるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの普及に伴い、広告宣伝手段・営業手段・業務連絡手段としてのWebサイトの重要性や依存度が高まる一方である。そのため、規模の大小にかかわらず多種多様な業種の企業がWebサイトを開設している。しかしながら便利である反面、瑕疵のある商品を販売した企業や問題発言をしたタレント等のWebサイトやブログにアクセスが殺到して一時的にせよ収拾がつかなくなるといった弊害が起こりうるのもまた事実である。アクセスが殺到したのでは、例えばオンラインショッピングでは顧客からのオンラインによる問合せ等に支障が生じることはもちろん、広告宣伝どころか電子メールの送受信等の日常業務や基幹業務そのものが破綻する。
そのため、特定のサーバに対するアクセスの集中に対処する技術が多数特許出願されており、例えば、特許文献1に記載の「ネットワークセキュリティシステム」、特許文献2に記載の「DoS攻撃あるいはDDoS攻撃に対処する方法、ネットワーク装置、および分析装置」もその一つである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−328373号公報
【特許文献2】特開2006−164038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
資金も技術力も潤沢にある大手企業や公的機関であれば、複数台のサーバを設置したりアクセス要求をフィルタリングするシステムを開発したりすることで、このような問題をクリアすることは可能である。しかし、このような対処を個人や専門スタッフのいない企業に期待することは難しい。かといって、全く対処しないのではビジネスチャンスを逸したり、顧客の信頼を損ねたりする。しかも、個人や小規模企業では、Webサーバをメールサーバとしても利用することやサーバは別であっても同一回線を利用していることが多いので、メールの送受信にすら障害が出かねない。
特許文献1・2をはじめ、既存の特許出願には、個人や小規模企業を念頭にこのような問題の解決を図ろうとするものは見当たらなかった。
【0005】
このような問題に鑑み、本発明は、Webサイトを開設している個人や小規模企業をユーザとして想定することから出発した。即ち、Webサイトを開設している小規模企業や個人がいわゆる「炎上」などの被害にあった場合でも簡便な方法で被害を最小限に食い止められるような仕組みを、低コストで提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、システム管理サーバと緊急時用サーバとを含む緊急時Webサーバ切替システムであって、
前記システム管理サーバは、DNSサーバとWebサイト開設ユーザによるユーザ側Webサーバとユーザ端末とにインターネットを介して通信可能であるとともに、
前記システム管理サーバは、オプションデータ記憶手段と、サーバ変更用情報記憶手段と、
ユーザ用設定画面作成手段と、ユーザ設定項目登録手段と、ユーザトリガ受信手段と、DNS設定手段と、緊急時用サーバ管理手段と、緊急時用サーバアクセス負荷監視手段とを備えることを特徴とする。
オプションデータ記憶手段は、ユーザが緊急時に表示させる画面デザインのテンプレートやサーバの自動切替・復元のための条件等をユーザが簡単に設定できるようにするための各種オプションデータを格納している。
サーバ変更用情報記憶手段は、ユーザごとにサーバ切替・復元に必要な情報を格納している。これらの情報には、ユーザの本来のWebサーバのドメイン名及びIPアドレス、緊急時表示用画面データのテンプレートを特定する情報(例:テンプレート番号)、サーバの切替・復元のトリガ種別(ユーザが指示するか、システムが自動で行うか)などを含む。
ユーザ用設定画面作成手段は、前記オプションデータ記憶手段から取り出したデータを利用してユーザが緊急時用の設定を行えるようにユーザ用設定画面を作成する。この画面は、ユーザの負担軽減のために、ユーザの判断を最小限にするとともにマウスのクリックを主とした簡単な操作で設定できるように配慮されている。
ユーザ設定項目登録手段は、前記ユーザ用設定画面においてユーザが設定した内容を前記サーバ変更用情報記憶手段に登録する。
ユーザトリガ受信手段は、ユーザからのサーバ切替要求およびサーバ復元要求を受け付ける。
DNS設定手段は、前記緊急時用サーバへの切替あるいは元のWebサーバへの復元のために、前記DNSサーバへDNSの設定変更を要求する。
緊急時用サーバ管理手段は、前記緊急時用サーバに対してサーバ切替に必要な緊急時表示用ページデータをはじめとするデータを送信する。
緊急時用サーバアクセス負荷監視手段は、前記緊急時用サーバのアクセス負荷を監視し、ユーザの要求に応じて監視結果を可視化する
これにより、Webサイトを運営しているユーザは本発明のシステムに登録して緊急時に必要となる情報を予め設定しておくことで、自分のWebサーバへのアクセスが殺到したような場合に緊急時用サーバへ短時間でアクセスを振り向けられる。そのため、メール送受信などのWebサーバで行われる他の処理や同一回線を利用する他の処理は通常どおり続行することができる。本システムのユーザは、このようなサーバ切替のための専門的な知識を何ら要求されないので、本発明のシステムの導入に困難はない。
なお、ユーザによる設定やシステム管理サーバへの要求はユーザ端末を介して行われることは言うまでもない。
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、システム管理サーバが、ユーザ側Webサーバのアクセス負荷を監視するWebサーバアクセス負荷監視手段と、アクセス負荷に基づいて所定の判定条件に従いサーバの自動切替あるいはサーバの自動復元を判定する緊急時サーバ変更判定手段とをさらに備えることを特徴とする。
ユーザ側Webサーバのアクセス負荷を監視する手段は特に問わないが、下記の実施の形態のようにシステム管理サーバがWebサーバへ定期的にアクセスし、レスポンスタイムを集計し分析する方法もその一つである。
このようにシステム側でアクセス集中などの異常事態を自動的に判定して、自動的にサーバ切替を行うので、ユーザの負担が大幅に軽減される。
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項3に係る発明は、請求項1または2のいずれかに係る発明において、システム管理サーバのユーザトリガ受信手段が受信するユーザからの情報はあらかじめ登録されている携帯電話から送信されてくることを特徴とする。
これにより、ユーザは、アクセス集中などの緊急時に負荷のかかった通信回線を介したシステムへの操作ができなくても、携帯電話を利用して操作ができる。
【0009】
上記の目的を達成するために、請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1に係る発明において、オプションデータ記憶手段には、緊急時に表示させる緊急時表示用ページデータのテンプレートが任意個数記憶されており、ユーザはユーザ用設定画面を介していずれかのテンプレートを選択して必要な入力をすることにより緊急時表示用ページデータを作成することを特徴とする。
これにより、ユーザは稀にしか発生しない緊急時に備えて画面デザインを自ら考えたりする手間が省ける。
【0010】
上記の目的を達成するために、請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか1に係る発明において、オプションデータ記憶手段には、緊急時サーバ変更判定手段による自動切替あるいは自動復元の判定条件が任意個数記憶されており、ユーザはユーザ用設定画面を介していずれかの判定条件を選択できることを特徴とする。
これにより、ユーザはシステム側で用意した判定条件からいずれかを選択しさえすれば、システム側が自動的に緊急時の判断と対応を行ってくれるので、ユーザ側には専門知識を持ったスタッフを必要としない。また、最小限の知識のみで切り替えることができるため、コンピュータに不慣れな責任者が切り替えることができる。
【発明の効果】
【0011】
Webサーバへのアクセスが集中しても、メール送受信をはじめとする他の業務への影響を抑制できる。緊急時に備えて予めシステムに必要な設定をしておくことが望まれるが、専門知識がなくても容易に設定できる。「炎上」のようなリスクは今後増大することはあっても、減少することは考えにくいので、本発明は、Webサイトを開設する個人や小規模企業にとって極めて有用なシステムを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態のシステム構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態のシステム管理サーバの機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態のサーバのドメイン名およびIPアドレスの例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態のシステム管理画面を例示する図である。
【図5】本発明の第1の実施形態のユーザ用設定画面を例示する図である。
【図6】本発明の第1の実施形態の緊急時表示用ページのテンプレート選択画面を例示する図である。
【図7】本発明の第1の実施形態の緊急時表示用ページのテンプレート選択画面を例示する図である。
【図8】本発明の第1の実施形態のユーザ設定項目を例示する図である。
【図9】本発明の第1の実施形態の登録ユーザによるサーバ変更指示画面を例示する図である。
【図10】本発明の第1の実施形態の緊急時表示用ページを例示する図である。
【図11】本発明の第2の実施形態のシステム管理サーバの機能ブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施形態のサーバ自動変更のための条件を選択する画面を例示する図である。
【図13】本発明の第2の実施形態のユーザ設定項目を例示する図である。
【図14】本発明の第2の実施形態のシステム管理サーバの処理フロー図である。
【図15】本発明の第3の実施形態のシステム管理サーバの機能ブロック図である。
【図16】本発明の第3の実施形態の緊急時用サーバへリダイレクトさせるHTMLファイルの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
《第1の実施の形態》
第1の実施の形態は図1に示すように、システム管理サーバ1、緊急時用サーバ2、DNSサーバ3、ユーザ側Webサーバ4、ユーザ端末5、一般ユーザ(以下、「クライアント」)の端末6から構成され、それぞれがインターネットNに接続している。
システム管理サーバ1と緊急時用サーバ2は、別途通信回線N2で通信可能に接続されている。
【0014】
ユーザ側Webサーバ4は、本実施形態のシステムに登録しているユーザ(以下、「登録ユーザ」)が、Webサイトを開設しているサーバである。図1にはユーザ側Webサーバ4が1台しか記載されていないが、本システムには契約に同意するならば誰でも登録できるのでユーザ側Webサーバ4の台数に制限はない。
ユーザ端末5は、登録ユーザによる操作手段であって、ユーザPC(5a)とユーザ操作用携帯電話5bとが含まれる。ユーザ側Webサーバ4をユーザPC(5a)としても使用している場合あるいはユーザ側Webサーバ4とユーザPC(5a)とが同一回線を使用している場合、アクセス集中時にはユーザPC(5a)から本システムに対する緊急時の操作ができないので、ユーザ操作用携帯電話5bを緊急時の操作用に用いることになる。
なお、以下の説明において「登録ユーザ」による何らかの動作は、ユーザ端末5を介して行われる。
【0015】
DNSサーバ3は、ドメイン名とIPアドレスなどの対応付けを記憶するゾーン情報を備え、ドメイン名からIPアドレスを抽出、あるいはIPアドレスからドメイン名を抽出する機能を有するサーバである。システム管理サーバ1は、DNSサーバ3に対してDNS設定変更を要求することが可能であるものとする。
【0016】
システム管理サーバ1は、本実施形態のシステムを運営管理する機能を有しており、図2に示すように、記憶部7と、処理部8と、通信インターフェース部9とを含み構成される。
【0017】
記憶部7には、オプションデータ記憶手段10、サーバ変更用情報記憶手段11を含む。
処理部8には、ユーザ用設定画面作成手段12、ユーザ設定項目登録手段13、ユーザトリガ受信手段14、DNS設定手段15、緊急時用サーバ管理手段16、緊急時用サーバアクセス負荷監視手段17を含む。
ただし、これらの各手段の分類は、あくまで説明の便宜上にすぎない。
各手段は、その機能に応じて、ハードウェア、ソフトウェアで実装される。ソフトウェアによる場合は、ROMやハードディスクなどの記憶手段に格納されているプログラムをCPUが実行する。これらは、公知の事柄であるので説明を省略する。
通信インターフェース部9は、通信ネットワークを介した他の情報処理装置との通信を行う。
図2には記載がないが、システム管理サーバ1は、処理の経過に伴う作業用中間データ、パラメータ類、登録ユーザとのインターフェースとなる画面データ(図4、図5等参照)等を格納する記憶手段を備える。また、キーボードやディスプレイ等の入出力手段及びドライバ類も備えるが、これらも公知の事柄なので、説明を省略する。
【0018】
オプションデータ記憶手段10は、緊急時表示用ページのテンプレート(図6・7を参照)や、自動的にWebサーバを切替えたり元に戻したりする際の判定条件の選択枝(図12参照)を記憶する。これらのオプションデータがシステムに用意されていることから、登録ユーザは専門知識がなくても簡単にサーバ切替・復元のための設定ができる。
サーバ変更用情報記憶手段11は、登録ユーザごとに緊急時にサーバを変更(切替、復元)するために必要な情報を記憶する。例えば、ユーザ側Webサーバ4のドメイン名、IPアドレス及びWebサイトのURLと、緊急時表示用ページと、切替や復元をユーザが指示するか自動にするかといった条件を記憶する(図8参照)。
【0019】
ユーザ用設定画面作成手段12は、オプションデータ記憶手段10から取り出したデータを利用して登録ユーザが緊急時用の設定を行えるユーザ用設定画面(図6、図12等を参照)を作成する。
ユーザ設定項目登録手段13は、ユーザ用設定画面を介して登録ユーザが入力した情報に基づき、緊急時サーバ切替に必要な情報を生成してサーバ変更用情報記憶手段11に記憶させる。
ユーザトリガ受信手段14は、登録ユーザからのサーバ切替要求及びサーバ復元要求を受け付ける。
DNS設定手段15は、サーバ変更用情報記憶手段11から取り出したデータに基づき、DNSサーバ3へDNS設定の変更を要求する。
緊急時用サーバ管理手段16は、緊急時用サーバ2へ緊急時表示用ページデータを含む必要なデータを送信する。
緊急時用サーバアクセス負荷監視手段17は、緊急時用サーバ2のアクセス負荷を監視する。あわせて監視結果を登録ユーザの要求に応じて可視化した画面データを作成することも行う。
【0020】
緊急時用サーバ2は、緊急時に本来のユーザ側Webサーバ4に代わって、クライアント端末6からのアクセスを受け付けるサーバであり、システム管理サーバ1によって運用管理される。システム管理サーバ1がサーバ切替処理を行うと、本来のユーザ側Webサーバ4に代わってクライアント端末6からのアクセスを受け付ける。緊急時用サーバ2は、ファイルのアップロード機能、登録ユーザのWebサイトのURLと緊急時用ページのファイル名との対応等を記憶する記憶手段などを備えている。
【0021】
続いて、本実施の形態の動作について説明する。
以下の説明で使用する各サーバのドメイン名及びIPアドレスの例は図3に示すとおりである。
【0022】
この実施形態のシステムによるサーバ切替サービスを受けるためには予めユーザ登録が必要である。その際、ユーザの名称、住所などの個人情報のほかに、使用しているユーザ側Webサーバ4のURLとIPアドレスも登録する。さらに、緊急時の操作にユーザ操作用携帯電話5bを使用すると予想される場合はパスワードや機種固有情報も登録しておくとよい。緊急時の操作としてサーバ切替要求などが想定されるが、権限の無い者によってこのような重要な操作がされることを防止するためである。
【0023】
登録ユーザは、上記のユーザ個人情報のほかに、緊急時のサーバ変更が迅速にできるように必要な情報もシステムに設定しておく。
登録ユーザがGUI(Graphical User Interface)ベースで簡単に設定ができるようにするために、システム管理サーバ1のユーザ用設定画面作成手段12はユーザ用設定画面を生成して登録ユーザ側に送信する。登録ユーザは、ラジオボタンやチェックボックスを利用した選択の操作、あるいは最小限のキー入力などの操作を行うだけで、必要な設定ができることになる。なお、登録ユーザが設定のために使用する情報処理装置は、ユーザ側Webサーバ4でもよくユーザPC(5a)あるいは携帯電話5bでもよい。
登録ユーザは、まず本システムにアクセスすると図4に例示するようなメインメニュー画面P1が送信されてくる。メニュー項目の「ユーザ設定」を選択すると、図5に例示するようなユーザ用設定画面P2に遷移する。
【0024】
画面P2においてボタン「汎用的表示画面生成」をクリックすると、図6に例示するようなテンプレート選択画面P3に遷移する。図6では汎用的表示画面のテンプレートが2種類表示されているが、登録ユーザは、何れかの番号を入力して、「確定」ボタンをクリックすれば、サーバ変更用情報記憶手段11にテンプレート番号が記憶される。「戻る」ボタンをクリックすれば、図5の設定画面P2に遷移する。ここで、選択されたテンプレートの文面中のどこかに登録ユーザ名称などが適宜挿入されれば、緊急時サーバ切替が行われるときの表示画面データが作成されることになる。登録ユーザ名称などの挿入は、サーバ切替時にシステム管理サーバ1側で行うとよい。
【0025】
特定商品用表示画面を作成しようとするときは、画面P2においてボタン「特定商品用表示画面生成」をクリックすると、図7に例示するようなテンプレート選択画面P4に遷移する。図7では特定商品用表示画面のテンプレートが2種類表示されているが、登録ユーザは、何れかの番号を入力して、「確定」ボタンをクリックすれば、サーバ変更用情報記憶手段11にテンプレート番号が記憶される。「戻る」ボタンをクリックすれば、図5の設定画面P2に遷移する。ここで、選択されたテンプレートに商品名と登録ユーザの名称などが適宜挿入されれば緊急時サーバ切替が行われるときの表示画面データが作成されることになる(図10参照)。
【0026】
汎用的表示画面は、ユーザ側Webサーバ4にクライアント端末6からのアクセスがしづらくなった原因が何であれ(アクセスが殺到したのか、通信回線などの障害が発生したのか等)汎用的に表示できる画面である。従って設定時点で既に完成している。
これに対して、特定商品用表示画面は、特定の商品に関連するページへのアクセスが殺到した場合などに、どの商品に関するページへのアクセスが集中しているのかを示す画面である。設定時点ではテンプレートを選択しておき、実際にサーバ切替が必要になった時点で商品名欄に具体的な商品名を入れることで、最終的に完成したことになる。
【0027】
サーバの切替や復元は、登録ユーザの指示、システムによる判断、いずれでも可能である。以下、前者を「手動」、後者を「自動」と呼ぶ。つまり、サーバの変更のトリガは手動と自動とがあるので、予め登録ユーザにいずれかを選択させておく。
この第1の実施の形態では切替も復元も手動によって行うものとする。
以上のユーザ設定の内容をユーザ設定項目登録手段13がサーバ変更用情報記憶手段11に登録する。その結果、サーバ変更用情報記憶手段11に記憶されている設定用データは図8に示すようなものとなる。
このように、緊急事態が発生する前に準備をしておくならば、緊急時にもスムーズに対処ができる。また、滅多にない緊急時用に自前のページデータを作成しておかなくても、テンプレートを選択すればよいので、登録ユーザの負担は大幅に軽減できる。
【0028】
ところで、クライアント端末6からのアクセスは、通常以下のような手順で進行している。
図3の例では、ユーザ側Webサーバ4の管理しているサイトのURLはhttp: //www.AAA.jp/、IPアドレスは1.2.3.4である。クライアント端末6がhttp: //www.AAA.jp/にアクセスする場合、クライアント端末6はDNSサーバ3にドメイン名AAA.jpに対応するIPアドレスを問い合わせる。DNSサーバ3からIPアドレス=1.2.3.4が返ってくるので、クライアント端末6はそのIPアドレスでユーザ側Webサーバ4にアクセスする。
【0029】
しかし、ユーザ側Webサーバ4へのアクセスが集中する場合、クライアント端末6からの要求に対するがレスポンスが著しく遅くなったり、タイムアウトになったりする。この場合、ユーザ側Webサーバ4で処理されている他の業務や同一回線を利用している他の業務にも支障が生ずる。このような不都合な事態を登録ユーザが認識すると、システム管理サーバ1にアクセスしてメインメニュー画面P1のメニュー項目「切替・復元指示」を選択する。図9に例示する画面P5に遷移するので「切替」を選択する。「切替」を選択した場合、汎用的表示画面と特定商品用表示画面のいずれかを選択する。もし、特定商品用表示画面を選択した場合は、具体的な商品名を入力する。図10は、画面P5において商品名「抹茶風味のカステラ」が入力された場合にシステム管理サーバ1によって生成された緊急時用表示ページである。このページデータを格納するファイル名をpageA.htmlとしておく。
【0030】
以上の登録ユーザによる操作がユーザトリガ受信手段14によって受け付けられると、緊急時用サーバ管理手段16は図10の緊急時表示用ページデータを緊急時用サーバ2に送信する。あわせて、ファイル名(pageA.html)と対応するURL(http: //www.AAA.jp/)も送信する。緊急時用サーバ2側では、この対応を記憶しておき、クライアント端末6からのアクセス要求の文字列が“http: //www.AAA.jp/”で始まるならば、対応するファイルpageA.htmlをクライアント端末6に送信することになる。
【0031】
DNS設定手段15は、DNSサーバ3に対して、ドメイン名AAA.jpに対応するIPアドレスを現在の“1.2.3.4”から緊急時用サーバ2のIPアドレスである“111.2.3.4”に変更するように要求する。これによりDNSサーバ3のゾーン情報は、図3のゾーン情報(設定変更後)のようになる。
以上で、システム管理サーバ1によるサーバ切替の処理が終了する。
【0032】
サーバ切替後の、クライアント端末6からのアクセスは次のように取り扱われる。
クライアント端末6がhttp: //www.AAA.jp/にアクセスする場合、クライアント端末6はDNSサーバ3にドメイン名AAA.jpに対応するIPアドレスを問い合わせる。DNSサーバ3からIPアドレス=111.2.3.4が返ってくるので、クライアント端末6は緊急時用サーバ2にアクセスする。緊急時用サーバ2は、要求の文字列が文字列“http: //www.AAA.jp/”で始まることから、ファイルpageA.htmlをクライアント端末6に送信する。
なお、緊急時用サーバ2に対してアクセスが集中すると考えられる。そのため、レスポンスを迅速にするために、ファイルpageA.htmlを緊急時用サーバ2のメモリ上に展開しておくことが望ましい。
このように、クライアント端末6からのアクセスは緊急時用サーバ2に対して行われるので、本来のユーザ側Webサーバ4は他の業務を滞りなく処理できる。なお、Webサーバをメールサーバとして使用することが多く行われているが、この場合もメールサーバのIPアドレスを変更しなければ、通常どおりユーザ側Webサーバ4をそのままメールサーバとして使用し続けることができる。
【0033】
アクセスの集中が沈静化し、登録ユーザがサーバを元に戻そうと判断した場合の動作について説明する。
ここで、システム管理サーバ1を通して、緊急時用サーバ2のアクセス負荷状態を監視できるので登録ユーザはアクセスの集中が沈静化したことを判断できる。なお、システム管理サーバ1はユーザ端末5からの要求に応じて、アクセス負荷をグラフ化した画面データを作成してユーザ端末5に送信するが、詳細は省略する。
登録ユーザはシステムにアクセスし、画面P1のメニュー項目「サーバ切替・復元」を選択し、図9に例示する画面P5に遷移する。ここで「復元」が選択されたことをユーザトリガ受信手段14が受信すると、システム管理サーバ1は次のような処理を行う。
まず、DNS設定手段15がDNSサーバ3に対してドメイン名AAA.jpに対応するIPアドレスを1.2.3.4に戻すように設定変更を要求する。これにより、クライアント端末6からのアクセス要求は、元のユーザ側Webサーバ4に向かうことになる。
あわせて、緊急時用サーバ管理手段16は適当なタイミングで緊急時用サーバ2からファイルpageA.htmlを削除する。
【0034】
《第2の実施の形態》
この実施形態は、システム管理サーバがサーバ切替およびサーバ復元を自動的に判断して行う点で、登録ユーザからの指示によって切替および復元を行う第1の実施形態と相違する。
以下、相違点を中心に説明する。図中、機能が同一であれば第1の実施形態と同一の符号を用いる。
この実施形態のシステム管理サーバ21の機能ブロック図を図11に示す。図2のシステム管理サーバ1に、Webサーバアクセス負荷監視手段18と緊急時サーバ変更判定手段19とが追加されている。
Webサーバアクセス負荷監視手段18は、ユーザ側Webサーバ4のアクセス負荷を監視し、緊急時サーバ変更判定手段19は、アクセス負荷に基づいてユーザが設定した判定条件に従いサーバの自動切替あるいは自動復元の要・不要を判定する。
【0035】
登録ユーザは、まず本システムにアクセスし、図4に例示するような画面P1のメニュー項目「ユーザ設定」を選択すると、図5に例示するようなユーザ用設定画面P2に遷移する。この画面P2において、サーバ切り替えは「自動」を選択すると図12に例示するような条件設定画面P6に遷移する。この画面P6には、オプションデータ記憶手段10から読み出した自動切替のための条件が列挙されているので、登録ユーザはいずれか一つを選択する。図12のように、「推奨」条件を設けておくならば、ユーザにとって便利である。
復元の条件も同様にして登録ユーザが選択する。
以上の選択の結果、サーバ変更用情報記憶手段11には図13のような情報が格納される。サーバ変更用情報記憶手段11には、あわせて切替フラグも記憶させる。これは、緊急時用サーバ2への切替中にはONを、それ以外の時はOFFをセットしておくものとする。
【0036】
システム管理サーバ21の処理について図14のフロー図を参照しながら説明する。
ここで、登録ユーザは1名のみと仮定して説明する。
切替フラグがOFFの場合(ステップS1でOFF)、Webサーバアクセス負荷監視手段18は所定の方法でアクセス負荷を監視する(ステップS2)。緊急時サーバ変更判定手段19によって監視結果が自動切替条件に合致すると判定された場合(ステップS3でyes)は、サーバ切替処理を行う(ステップS4)。このサーバ切替処理は、緊急時用サーバ2への緊急時表示用ページデータ送信と、DNSサーバ3へのDNS設定変更要求と、切替フラグにONをセット等の処理からなる。必要に応じて、適宜登録ユーザにサーバ自動切替を行ったことを通知する。他方、切替条件に合致しないと判定された場合(ステップS3でno)、Webサーバアクセス負荷監視手段18は監視を続ける(ステップS2)。
【0037】
切替フラグがONの場合(ステップS1でON)、緊急時用サーバアクセス負荷監視手段17が緊急時用サーバ2のアクセス負荷を監視する(ステップS5)。緊急時サーバ変更判定手段19によって監視結果が自動復元条件に合致すると判定された場合(ステップS6でyes)は、サーバ復元処理を行う(ステップS7)。このサーバ復元処理は、DNSサーバ3へのDNS設定変更要求と、切替フラグにOFFをセットなどの処理からなる。
必要に応じて、適宜登録ユーザにサーバを自動復元したことを通知する。自動復元処理が終わったなら、ステップS1の処理へ戻る。
他方、自動復元条件に合致しない場合(ステップS6でno)は、緊急時用サーバアクセス負荷監視手段17がアクセス負荷の監視を続ける(ステップS5)。
図14では、登録ユーザは1名であるものとして説明したが、登録ユーザが複数の場合は、ステップS1からステップS7までの処理を登録ユーザ数分だけ繰り返し実行をする。
【0038】
この第2の実施形態では、切替も復元も自動で行われるので、登録ユーザ側に専門のスタッフが不在でも必要最小限の対応ができ、アクセスが集中する事態が招来しても通常の業務が行える。
【0039】
《第3の実施の形態》
この実施形態ではDNS設定変更とともに、登録ユーザによるリダイレクトを併用する点で、上記の第1の実施の形態と相違する。
以下、相違点を中心に説明する。図中、機能が同一であれば第1の実施形態と同一の符号を用いる。
この実施形態のシステム管理サーバ31の機能ブロック図を図15に示す。図2のシステム管理サーバ1に、リダイレクト通知受信手段20が追加されている。
このリダイレクト通知受信手段20は、登録ユーザからの緊急時用サーバ2へのリダイレクト設定通知あるいはリダイレクト解除通知を受信するものである。
【0040】
登録ユーザはサーバ切替要求をシステム管理サーバ31に送信するとともに、クライアント端末6から通常アクセスされる画面データを記述するHTMLファイルを、緊急時用サーバ2へリダイレクトさせるようなコードからなるHTMLファイルに変更する。このようなHTMLファイルの例を図16に示すが、図中破線の矩形で囲んだ部分が、http: //www.AAA.jp/からhttp: //www.XXX.jp/AAA/へのリダイレクトを記述するコードである。ここで、XXX.jpは緊急時用サーバ2のドメイン名なので、ユーザ側Webサーバ4へのアクセスは緊急時用サーバ2へリダイレクトされる。登録ユーザは、緊急時用サーバ2へリダイレクトした旨の通知をシステム側へ送信し、その通知はリダイレクト通知受信手段20によって受信される。
【0041】
一方、登録ユーザからの切替要求を受信するとシステム管理サーバ31は、第1の実施形態と同様に緊急時用サーバ2に緊急時表示用ページを送信し、DNS設定を変更する。緊急時用サーバ2におけるこの登録ユーザの緊急時表示用ページのURLは、http: //www.XXX.jp/AAA/pageA.htmlであるとする。緊急時用サーバ管理手段16は、緊急時用サーバ2にリダイレクト元のURL(http: //www.AAA.jp/)とリダイレクト先のURL(http: //www.XXX.jp/AAA/)との対応を記憶させる。
【0042】
DNS設定の変更が反映済みのDNSサーバ3を介してクライアント端末6がhttp: //www.AAA.jp/にアクセスする場合、緊急時用サーバ2にページ閲覧要求が送信される。緊急時用サーバ2はhttp: //www.AAA.jp/宛てのアクセスはhttp: //www.XXX.jp/AAA/宛てのアクセスと同一とみなし、pageA.htmlをクライアント端末6に送信する。
【0043】
DNS設定の変更は即時には反映されず、各所のDNSサーバに徹底されるまではある程度の時間がかかる。その間は、従来どおり元のユーザ側Webサーバ4がアクセスされる。この場合、リダイレクトを併用することによって、アクセス要求が緊急時用サーバ2へ振り向けられるので、ユーザ側Webサーバ4の負荷は軽減され、メール送受信などの他の業務への悪影響を軽減できる。
【0044】
登録ユーザは、サーバ復元要求をシステム管理サーバ31に送信する場合、あわせてユーザ側Webサーバ4にあるHTMLファイルのリダイレクトの記述部分を削除する。これにより、ユーザ側Webサーバ4が正常に戻ったときは、もはや緊急時用サーバ2へリダイレクトされることはない。
【0045】
《その他の形態》
第1の実施の形態はトリガは手動であり、第2の実施の形態では自動であったが、切替は手動で復元は自動、あるいは切替は自動で復元は手動というように混在させてもかまわない。
上記の実施形態のシステム管理サーバと登録ユーザとのインターフェースとなる各種画面デザインや画面間の遷移はあくまでも例示にすぎない。
また、自動切替・復元のための条件は例示にすぎない。さらに、アクセス負荷の監視はシステム管理サーバが行っているが、監視のための専用装置を設けてもよい。
さらに、緊急時表示用ページのテンプレートを再指定するために、登録ユーザによるサーバ切替の指示が複数回行われてもよい。ただし、緊急時用サーバへの切替が既に行われている場合はDNS設定の変更は行わない。
要は、本発明にとって、ユーザ側Webサーバ4へのアクセスが集中した場合に他の業務へ影響が及ばないようにするため予め登録してある緊急時用サーバ2にアクセスへの対応を代行させる点、しかもこれをユーザに格別の負担を与えることなく実現できる点が重要なのである。
【産業上の利用可能性】
【0046】
自らのWebサイトを開設しているが専門のスタッフはいないといった小規模企業あるいは個人が登録ユーザになっておくと、本発明はその真価を発揮できる。特定のWebサイトへのアクセスが殺到する事態は稀にしか生じないので、一種の保険の意味で本システムに登録し、必要な時にはいつでもサーバ切替サービスを享受できるようにしておく。本システムでは緊急時用サーバは共用なので、登録者数が多ければ多いほど登録者一人あたりのシステム登録料は安価にできる。代行サーバを利用する事態が発生しなければ、登録料は一種の掛け捨てであるが、保険と割り切ればよい。もし、代行サーバを利用する場合は、以後の登録料を増額するようにしてもよい。いわゆる「炎上」などの事態に安価かつ簡便に対処できるので、Webサイトを開設しようとする個人や企業は本発明のシステムの利用により安心してWebサイトを開設できる。
小規模業者が運営するレンタルサーバをユーザが他のユーザと共用している場合、あるユーザのWebサイトへのアクセス集中が発生すると、サービスの提供を停止したり契約の解除を行ったりする可能性がある。このような利用方法であっても、本発明は有効な対処を行うことができる。
【符号の説明】
【0047】
1,21,31 システム管理サーバ
2 緊急時用サーバ
3 DNSサーバ
4 ユーザ側Webサーバ
5(5a、5b) ユーザ端末
6 クライアント端末
10 オプションデータ記憶手段
11 サーバ変更用情報記憶手段
12 ユーザ用設定画面作成手段
13 ユーザ設定項目登録手段
14 ユーザトリガ受信手段
15 DNS設定手段
16 緊急時用サーバ管理手段
17 緊急時用サーバアクセス負荷監視手段
18 Webサーバアクセス負荷監視手段
19 緊急時サーバ変更判定手段
20 リダイレクト通知受信手段
N インターネット
【技術分野】
【0001】
なんらかの原因でWebアクセスに対する応答パフォーマンスが低下した場合に、緊急時用のサーバにアクセスへの対応を代行させるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの普及に伴い、広告宣伝手段・営業手段・業務連絡手段としてのWebサイトの重要性や依存度が高まる一方である。そのため、規模の大小にかかわらず多種多様な業種の企業がWebサイトを開設している。しかしながら便利である反面、瑕疵のある商品を販売した企業や問題発言をしたタレント等のWebサイトやブログにアクセスが殺到して一時的にせよ収拾がつかなくなるといった弊害が起こりうるのもまた事実である。アクセスが殺到したのでは、例えばオンラインショッピングでは顧客からのオンラインによる問合せ等に支障が生じることはもちろん、広告宣伝どころか電子メールの送受信等の日常業務や基幹業務そのものが破綻する。
そのため、特定のサーバに対するアクセスの集中に対処する技術が多数特許出願されており、例えば、特許文献1に記載の「ネットワークセキュリティシステム」、特許文献2に記載の「DoS攻撃あるいはDDoS攻撃に対処する方法、ネットワーク装置、および分析装置」もその一つである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−328373号公報
【特許文献2】特開2006−164038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
資金も技術力も潤沢にある大手企業や公的機関であれば、複数台のサーバを設置したりアクセス要求をフィルタリングするシステムを開発したりすることで、このような問題をクリアすることは可能である。しかし、このような対処を個人や専門スタッフのいない企業に期待することは難しい。かといって、全く対処しないのではビジネスチャンスを逸したり、顧客の信頼を損ねたりする。しかも、個人や小規模企業では、Webサーバをメールサーバとしても利用することやサーバは別であっても同一回線を利用していることが多いので、メールの送受信にすら障害が出かねない。
特許文献1・2をはじめ、既存の特許出願には、個人や小規模企業を念頭にこのような問題の解決を図ろうとするものは見当たらなかった。
【0005】
このような問題に鑑み、本発明は、Webサイトを開設している個人や小規模企業をユーザとして想定することから出発した。即ち、Webサイトを開設している小規模企業や個人がいわゆる「炎上」などの被害にあった場合でも簡便な方法で被害を最小限に食い止められるような仕組みを、低コストで提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、システム管理サーバと緊急時用サーバとを含む緊急時Webサーバ切替システムであって、
前記システム管理サーバは、DNSサーバとWebサイト開設ユーザによるユーザ側Webサーバとユーザ端末とにインターネットを介して通信可能であるとともに、
前記システム管理サーバは、オプションデータ記憶手段と、サーバ変更用情報記憶手段と、
ユーザ用設定画面作成手段と、ユーザ設定項目登録手段と、ユーザトリガ受信手段と、DNS設定手段と、緊急時用サーバ管理手段と、緊急時用サーバアクセス負荷監視手段とを備えることを特徴とする。
オプションデータ記憶手段は、ユーザが緊急時に表示させる画面デザインのテンプレートやサーバの自動切替・復元のための条件等をユーザが簡単に設定できるようにするための各種オプションデータを格納している。
サーバ変更用情報記憶手段は、ユーザごとにサーバ切替・復元に必要な情報を格納している。これらの情報には、ユーザの本来のWebサーバのドメイン名及びIPアドレス、緊急時表示用画面データのテンプレートを特定する情報(例:テンプレート番号)、サーバの切替・復元のトリガ種別(ユーザが指示するか、システムが自動で行うか)などを含む。
ユーザ用設定画面作成手段は、前記オプションデータ記憶手段から取り出したデータを利用してユーザが緊急時用の設定を行えるようにユーザ用設定画面を作成する。この画面は、ユーザの負担軽減のために、ユーザの判断を最小限にするとともにマウスのクリックを主とした簡単な操作で設定できるように配慮されている。
ユーザ設定項目登録手段は、前記ユーザ用設定画面においてユーザが設定した内容を前記サーバ変更用情報記憶手段に登録する。
ユーザトリガ受信手段は、ユーザからのサーバ切替要求およびサーバ復元要求を受け付ける。
DNS設定手段は、前記緊急時用サーバへの切替あるいは元のWebサーバへの復元のために、前記DNSサーバへDNSの設定変更を要求する。
緊急時用サーバ管理手段は、前記緊急時用サーバに対してサーバ切替に必要な緊急時表示用ページデータをはじめとするデータを送信する。
緊急時用サーバアクセス負荷監視手段は、前記緊急時用サーバのアクセス負荷を監視し、ユーザの要求に応じて監視結果を可視化する
これにより、Webサイトを運営しているユーザは本発明のシステムに登録して緊急時に必要となる情報を予め設定しておくことで、自分のWebサーバへのアクセスが殺到したような場合に緊急時用サーバへ短時間でアクセスを振り向けられる。そのため、メール送受信などのWebサーバで行われる他の処理や同一回線を利用する他の処理は通常どおり続行することができる。本システムのユーザは、このようなサーバ切替のための専門的な知識を何ら要求されないので、本発明のシステムの導入に困難はない。
なお、ユーザによる設定やシステム管理サーバへの要求はユーザ端末を介して行われることは言うまでもない。
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、システム管理サーバが、ユーザ側Webサーバのアクセス負荷を監視するWebサーバアクセス負荷監視手段と、アクセス負荷に基づいて所定の判定条件に従いサーバの自動切替あるいはサーバの自動復元を判定する緊急時サーバ変更判定手段とをさらに備えることを特徴とする。
ユーザ側Webサーバのアクセス負荷を監視する手段は特に問わないが、下記の実施の形態のようにシステム管理サーバがWebサーバへ定期的にアクセスし、レスポンスタイムを集計し分析する方法もその一つである。
このようにシステム側でアクセス集中などの異常事態を自動的に判定して、自動的にサーバ切替を行うので、ユーザの負担が大幅に軽減される。
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項3に係る発明は、請求項1または2のいずれかに係る発明において、システム管理サーバのユーザトリガ受信手段が受信するユーザからの情報はあらかじめ登録されている携帯電話から送信されてくることを特徴とする。
これにより、ユーザは、アクセス集中などの緊急時に負荷のかかった通信回線を介したシステムへの操作ができなくても、携帯電話を利用して操作ができる。
【0009】
上記の目的を達成するために、請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1に係る発明において、オプションデータ記憶手段には、緊急時に表示させる緊急時表示用ページデータのテンプレートが任意個数記憶されており、ユーザはユーザ用設定画面を介していずれかのテンプレートを選択して必要な入力をすることにより緊急時表示用ページデータを作成することを特徴とする。
これにより、ユーザは稀にしか発生しない緊急時に備えて画面デザインを自ら考えたりする手間が省ける。
【0010】
上記の目的を達成するために、請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか1に係る発明において、オプションデータ記憶手段には、緊急時サーバ変更判定手段による自動切替あるいは自動復元の判定条件が任意個数記憶されており、ユーザはユーザ用設定画面を介していずれかの判定条件を選択できることを特徴とする。
これにより、ユーザはシステム側で用意した判定条件からいずれかを選択しさえすれば、システム側が自動的に緊急時の判断と対応を行ってくれるので、ユーザ側には専門知識を持ったスタッフを必要としない。また、最小限の知識のみで切り替えることができるため、コンピュータに不慣れな責任者が切り替えることができる。
【発明の効果】
【0011】
Webサーバへのアクセスが集中しても、メール送受信をはじめとする他の業務への影響を抑制できる。緊急時に備えて予めシステムに必要な設定をしておくことが望まれるが、専門知識がなくても容易に設定できる。「炎上」のようなリスクは今後増大することはあっても、減少することは考えにくいので、本発明は、Webサイトを開設する個人や小規模企業にとって極めて有用なシステムを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態のシステム構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態のシステム管理サーバの機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態のサーバのドメイン名およびIPアドレスの例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態のシステム管理画面を例示する図である。
【図5】本発明の第1の実施形態のユーザ用設定画面を例示する図である。
【図6】本発明の第1の実施形態の緊急時表示用ページのテンプレート選択画面を例示する図である。
【図7】本発明の第1の実施形態の緊急時表示用ページのテンプレート選択画面を例示する図である。
【図8】本発明の第1の実施形態のユーザ設定項目を例示する図である。
【図9】本発明の第1の実施形態の登録ユーザによるサーバ変更指示画面を例示する図である。
【図10】本発明の第1の実施形態の緊急時表示用ページを例示する図である。
【図11】本発明の第2の実施形態のシステム管理サーバの機能ブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施形態のサーバ自動変更のための条件を選択する画面を例示する図である。
【図13】本発明の第2の実施形態のユーザ設定項目を例示する図である。
【図14】本発明の第2の実施形態のシステム管理サーバの処理フロー図である。
【図15】本発明の第3の実施形態のシステム管理サーバの機能ブロック図である。
【図16】本発明の第3の実施形態の緊急時用サーバへリダイレクトさせるHTMLファイルの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
《第1の実施の形態》
第1の実施の形態は図1に示すように、システム管理サーバ1、緊急時用サーバ2、DNSサーバ3、ユーザ側Webサーバ4、ユーザ端末5、一般ユーザ(以下、「クライアント」)の端末6から構成され、それぞれがインターネットNに接続している。
システム管理サーバ1と緊急時用サーバ2は、別途通信回線N2で通信可能に接続されている。
【0014】
ユーザ側Webサーバ4は、本実施形態のシステムに登録しているユーザ(以下、「登録ユーザ」)が、Webサイトを開設しているサーバである。図1にはユーザ側Webサーバ4が1台しか記載されていないが、本システムには契約に同意するならば誰でも登録できるのでユーザ側Webサーバ4の台数に制限はない。
ユーザ端末5は、登録ユーザによる操作手段であって、ユーザPC(5a)とユーザ操作用携帯電話5bとが含まれる。ユーザ側Webサーバ4をユーザPC(5a)としても使用している場合あるいはユーザ側Webサーバ4とユーザPC(5a)とが同一回線を使用している場合、アクセス集中時にはユーザPC(5a)から本システムに対する緊急時の操作ができないので、ユーザ操作用携帯電話5bを緊急時の操作用に用いることになる。
なお、以下の説明において「登録ユーザ」による何らかの動作は、ユーザ端末5を介して行われる。
【0015】
DNSサーバ3は、ドメイン名とIPアドレスなどの対応付けを記憶するゾーン情報を備え、ドメイン名からIPアドレスを抽出、あるいはIPアドレスからドメイン名を抽出する機能を有するサーバである。システム管理サーバ1は、DNSサーバ3に対してDNS設定変更を要求することが可能であるものとする。
【0016】
システム管理サーバ1は、本実施形態のシステムを運営管理する機能を有しており、図2に示すように、記憶部7と、処理部8と、通信インターフェース部9とを含み構成される。
【0017】
記憶部7には、オプションデータ記憶手段10、サーバ変更用情報記憶手段11を含む。
処理部8には、ユーザ用設定画面作成手段12、ユーザ設定項目登録手段13、ユーザトリガ受信手段14、DNS設定手段15、緊急時用サーバ管理手段16、緊急時用サーバアクセス負荷監視手段17を含む。
ただし、これらの各手段の分類は、あくまで説明の便宜上にすぎない。
各手段は、その機能に応じて、ハードウェア、ソフトウェアで実装される。ソフトウェアによる場合は、ROMやハードディスクなどの記憶手段に格納されているプログラムをCPUが実行する。これらは、公知の事柄であるので説明を省略する。
通信インターフェース部9は、通信ネットワークを介した他の情報処理装置との通信を行う。
図2には記載がないが、システム管理サーバ1は、処理の経過に伴う作業用中間データ、パラメータ類、登録ユーザとのインターフェースとなる画面データ(図4、図5等参照)等を格納する記憶手段を備える。また、キーボードやディスプレイ等の入出力手段及びドライバ類も備えるが、これらも公知の事柄なので、説明を省略する。
【0018】
オプションデータ記憶手段10は、緊急時表示用ページのテンプレート(図6・7を参照)や、自動的にWebサーバを切替えたり元に戻したりする際の判定条件の選択枝(図12参照)を記憶する。これらのオプションデータがシステムに用意されていることから、登録ユーザは専門知識がなくても簡単にサーバ切替・復元のための設定ができる。
サーバ変更用情報記憶手段11は、登録ユーザごとに緊急時にサーバを変更(切替、復元)するために必要な情報を記憶する。例えば、ユーザ側Webサーバ4のドメイン名、IPアドレス及びWebサイトのURLと、緊急時表示用ページと、切替や復元をユーザが指示するか自動にするかといった条件を記憶する(図8参照)。
【0019】
ユーザ用設定画面作成手段12は、オプションデータ記憶手段10から取り出したデータを利用して登録ユーザが緊急時用の設定を行えるユーザ用設定画面(図6、図12等を参照)を作成する。
ユーザ設定項目登録手段13は、ユーザ用設定画面を介して登録ユーザが入力した情報に基づき、緊急時サーバ切替に必要な情報を生成してサーバ変更用情報記憶手段11に記憶させる。
ユーザトリガ受信手段14は、登録ユーザからのサーバ切替要求及びサーバ復元要求を受け付ける。
DNS設定手段15は、サーバ変更用情報記憶手段11から取り出したデータに基づき、DNSサーバ3へDNS設定の変更を要求する。
緊急時用サーバ管理手段16は、緊急時用サーバ2へ緊急時表示用ページデータを含む必要なデータを送信する。
緊急時用サーバアクセス負荷監視手段17は、緊急時用サーバ2のアクセス負荷を監視する。あわせて監視結果を登録ユーザの要求に応じて可視化した画面データを作成することも行う。
【0020】
緊急時用サーバ2は、緊急時に本来のユーザ側Webサーバ4に代わって、クライアント端末6からのアクセスを受け付けるサーバであり、システム管理サーバ1によって運用管理される。システム管理サーバ1がサーバ切替処理を行うと、本来のユーザ側Webサーバ4に代わってクライアント端末6からのアクセスを受け付ける。緊急時用サーバ2は、ファイルのアップロード機能、登録ユーザのWebサイトのURLと緊急時用ページのファイル名との対応等を記憶する記憶手段などを備えている。
【0021】
続いて、本実施の形態の動作について説明する。
以下の説明で使用する各サーバのドメイン名及びIPアドレスの例は図3に示すとおりである。
【0022】
この実施形態のシステムによるサーバ切替サービスを受けるためには予めユーザ登録が必要である。その際、ユーザの名称、住所などの個人情報のほかに、使用しているユーザ側Webサーバ4のURLとIPアドレスも登録する。さらに、緊急時の操作にユーザ操作用携帯電話5bを使用すると予想される場合はパスワードや機種固有情報も登録しておくとよい。緊急時の操作としてサーバ切替要求などが想定されるが、権限の無い者によってこのような重要な操作がされることを防止するためである。
【0023】
登録ユーザは、上記のユーザ個人情報のほかに、緊急時のサーバ変更が迅速にできるように必要な情報もシステムに設定しておく。
登録ユーザがGUI(Graphical User Interface)ベースで簡単に設定ができるようにするために、システム管理サーバ1のユーザ用設定画面作成手段12はユーザ用設定画面を生成して登録ユーザ側に送信する。登録ユーザは、ラジオボタンやチェックボックスを利用した選択の操作、あるいは最小限のキー入力などの操作を行うだけで、必要な設定ができることになる。なお、登録ユーザが設定のために使用する情報処理装置は、ユーザ側Webサーバ4でもよくユーザPC(5a)あるいは携帯電話5bでもよい。
登録ユーザは、まず本システムにアクセスすると図4に例示するようなメインメニュー画面P1が送信されてくる。メニュー項目の「ユーザ設定」を選択すると、図5に例示するようなユーザ用設定画面P2に遷移する。
【0024】
画面P2においてボタン「汎用的表示画面生成」をクリックすると、図6に例示するようなテンプレート選択画面P3に遷移する。図6では汎用的表示画面のテンプレートが2種類表示されているが、登録ユーザは、何れかの番号を入力して、「確定」ボタンをクリックすれば、サーバ変更用情報記憶手段11にテンプレート番号が記憶される。「戻る」ボタンをクリックすれば、図5の設定画面P2に遷移する。ここで、選択されたテンプレートの文面中のどこかに登録ユーザ名称などが適宜挿入されれば、緊急時サーバ切替が行われるときの表示画面データが作成されることになる。登録ユーザ名称などの挿入は、サーバ切替時にシステム管理サーバ1側で行うとよい。
【0025】
特定商品用表示画面を作成しようとするときは、画面P2においてボタン「特定商品用表示画面生成」をクリックすると、図7に例示するようなテンプレート選択画面P4に遷移する。図7では特定商品用表示画面のテンプレートが2種類表示されているが、登録ユーザは、何れかの番号を入力して、「確定」ボタンをクリックすれば、サーバ変更用情報記憶手段11にテンプレート番号が記憶される。「戻る」ボタンをクリックすれば、図5の設定画面P2に遷移する。ここで、選択されたテンプレートに商品名と登録ユーザの名称などが適宜挿入されれば緊急時サーバ切替が行われるときの表示画面データが作成されることになる(図10参照)。
【0026】
汎用的表示画面は、ユーザ側Webサーバ4にクライアント端末6からのアクセスがしづらくなった原因が何であれ(アクセスが殺到したのか、通信回線などの障害が発生したのか等)汎用的に表示できる画面である。従って設定時点で既に完成している。
これに対して、特定商品用表示画面は、特定の商品に関連するページへのアクセスが殺到した場合などに、どの商品に関するページへのアクセスが集中しているのかを示す画面である。設定時点ではテンプレートを選択しておき、実際にサーバ切替が必要になった時点で商品名欄に具体的な商品名を入れることで、最終的に完成したことになる。
【0027】
サーバの切替や復元は、登録ユーザの指示、システムによる判断、いずれでも可能である。以下、前者を「手動」、後者を「自動」と呼ぶ。つまり、サーバの変更のトリガは手動と自動とがあるので、予め登録ユーザにいずれかを選択させておく。
この第1の実施の形態では切替も復元も手動によって行うものとする。
以上のユーザ設定の内容をユーザ設定項目登録手段13がサーバ変更用情報記憶手段11に登録する。その結果、サーバ変更用情報記憶手段11に記憶されている設定用データは図8に示すようなものとなる。
このように、緊急事態が発生する前に準備をしておくならば、緊急時にもスムーズに対処ができる。また、滅多にない緊急時用に自前のページデータを作成しておかなくても、テンプレートを選択すればよいので、登録ユーザの負担は大幅に軽減できる。
【0028】
ところで、クライアント端末6からのアクセスは、通常以下のような手順で進行している。
図3の例では、ユーザ側Webサーバ4の管理しているサイトのURLはhttp: //www.AAA.jp/、IPアドレスは1.2.3.4である。クライアント端末6がhttp: //www.AAA.jp/にアクセスする場合、クライアント端末6はDNSサーバ3にドメイン名AAA.jpに対応するIPアドレスを問い合わせる。DNSサーバ3からIPアドレス=1.2.3.4が返ってくるので、クライアント端末6はそのIPアドレスでユーザ側Webサーバ4にアクセスする。
【0029】
しかし、ユーザ側Webサーバ4へのアクセスが集中する場合、クライアント端末6からの要求に対するがレスポンスが著しく遅くなったり、タイムアウトになったりする。この場合、ユーザ側Webサーバ4で処理されている他の業務や同一回線を利用している他の業務にも支障が生ずる。このような不都合な事態を登録ユーザが認識すると、システム管理サーバ1にアクセスしてメインメニュー画面P1のメニュー項目「切替・復元指示」を選択する。図9に例示する画面P5に遷移するので「切替」を選択する。「切替」を選択した場合、汎用的表示画面と特定商品用表示画面のいずれかを選択する。もし、特定商品用表示画面を選択した場合は、具体的な商品名を入力する。図10は、画面P5において商品名「抹茶風味のカステラ」が入力された場合にシステム管理サーバ1によって生成された緊急時用表示ページである。このページデータを格納するファイル名をpageA.htmlとしておく。
【0030】
以上の登録ユーザによる操作がユーザトリガ受信手段14によって受け付けられると、緊急時用サーバ管理手段16は図10の緊急時表示用ページデータを緊急時用サーバ2に送信する。あわせて、ファイル名(pageA.html)と対応するURL(http: //www.AAA.jp/)も送信する。緊急時用サーバ2側では、この対応を記憶しておき、クライアント端末6からのアクセス要求の文字列が“http: //www.AAA.jp/”で始まるならば、対応するファイルpageA.htmlをクライアント端末6に送信することになる。
【0031】
DNS設定手段15は、DNSサーバ3に対して、ドメイン名AAA.jpに対応するIPアドレスを現在の“1.2.3.4”から緊急時用サーバ2のIPアドレスである“111.2.3.4”に変更するように要求する。これによりDNSサーバ3のゾーン情報は、図3のゾーン情報(設定変更後)のようになる。
以上で、システム管理サーバ1によるサーバ切替の処理が終了する。
【0032】
サーバ切替後の、クライアント端末6からのアクセスは次のように取り扱われる。
クライアント端末6がhttp: //www.AAA.jp/にアクセスする場合、クライアント端末6はDNSサーバ3にドメイン名AAA.jpに対応するIPアドレスを問い合わせる。DNSサーバ3からIPアドレス=111.2.3.4が返ってくるので、クライアント端末6は緊急時用サーバ2にアクセスする。緊急時用サーバ2は、要求の文字列が文字列“http: //www.AAA.jp/”で始まることから、ファイルpageA.htmlをクライアント端末6に送信する。
なお、緊急時用サーバ2に対してアクセスが集中すると考えられる。そのため、レスポンスを迅速にするために、ファイルpageA.htmlを緊急時用サーバ2のメモリ上に展開しておくことが望ましい。
このように、クライアント端末6からのアクセスは緊急時用サーバ2に対して行われるので、本来のユーザ側Webサーバ4は他の業務を滞りなく処理できる。なお、Webサーバをメールサーバとして使用することが多く行われているが、この場合もメールサーバのIPアドレスを変更しなければ、通常どおりユーザ側Webサーバ4をそのままメールサーバとして使用し続けることができる。
【0033】
アクセスの集中が沈静化し、登録ユーザがサーバを元に戻そうと判断した場合の動作について説明する。
ここで、システム管理サーバ1を通して、緊急時用サーバ2のアクセス負荷状態を監視できるので登録ユーザはアクセスの集中が沈静化したことを判断できる。なお、システム管理サーバ1はユーザ端末5からの要求に応じて、アクセス負荷をグラフ化した画面データを作成してユーザ端末5に送信するが、詳細は省略する。
登録ユーザはシステムにアクセスし、画面P1のメニュー項目「サーバ切替・復元」を選択し、図9に例示する画面P5に遷移する。ここで「復元」が選択されたことをユーザトリガ受信手段14が受信すると、システム管理サーバ1は次のような処理を行う。
まず、DNS設定手段15がDNSサーバ3に対してドメイン名AAA.jpに対応するIPアドレスを1.2.3.4に戻すように設定変更を要求する。これにより、クライアント端末6からのアクセス要求は、元のユーザ側Webサーバ4に向かうことになる。
あわせて、緊急時用サーバ管理手段16は適当なタイミングで緊急時用サーバ2からファイルpageA.htmlを削除する。
【0034】
《第2の実施の形態》
この実施形態は、システム管理サーバがサーバ切替およびサーバ復元を自動的に判断して行う点で、登録ユーザからの指示によって切替および復元を行う第1の実施形態と相違する。
以下、相違点を中心に説明する。図中、機能が同一であれば第1の実施形態と同一の符号を用いる。
この実施形態のシステム管理サーバ21の機能ブロック図を図11に示す。図2のシステム管理サーバ1に、Webサーバアクセス負荷監視手段18と緊急時サーバ変更判定手段19とが追加されている。
Webサーバアクセス負荷監視手段18は、ユーザ側Webサーバ4のアクセス負荷を監視し、緊急時サーバ変更判定手段19は、アクセス負荷に基づいてユーザが設定した判定条件に従いサーバの自動切替あるいは自動復元の要・不要を判定する。
【0035】
登録ユーザは、まず本システムにアクセスし、図4に例示するような画面P1のメニュー項目「ユーザ設定」を選択すると、図5に例示するようなユーザ用設定画面P2に遷移する。この画面P2において、サーバ切り替えは「自動」を選択すると図12に例示するような条件設定画面P6に遷移する。この画面P6には、オプションデータ記憶手段10から読み出した自動切替のための条件が列挙されているので、登録ユーザはいずれか一つを選択する。図12のように、「推奨」条件を設けておくならば、ユーザにとって便利である。
復元の条件も同様にして登録ユーザが選択する。
以上の選択の結果、サーバ変更用情報記憶手段11には図13のような情報が格納される。サーバ変更用情報記憶手段11には、あわせて切替フラグも記憶させる。これは、緊急時用サーバ2への切替中にはONを、それ以外の時はOFFをセットしておくものとする。
【0036】
システム管理サーバ21の処理について図14のフロー図を参照しながら説明する。
ここで、登録ユーザは1名のみと仮定して説明する。
切替フラグがOFFの場合(ステップS1でOFF)、Webサーバアクセス負荷監視手段18は所定の方法でアクセス負荷を監視する(ステップS2)。緊急時サーバ変更判定手段19によって監視結果が自動切替条件に合致すると判定された場合(ステップS3でyes)は、サーバ切替処理を行う(ステップS4)。このサーバ切替処理は、緊急時用サーバ2への緊急時表示用ページデータ送信と、DNSサーバ3へのDNS設定変更要求と、切替フラグにONをセット等の処理からなる。必要に応じて、適宜登録ユーザにサーバ自動切替を行ったことを通知する。他方、切替条件に合致しないと判定された場合(ステップS3でno)、Webサーバアクセス負荷監視手段18は監視を続ける(ステップS2)。
【0037】
切替フラグがONの場合(ステップS1でON)、緊急時用サーバアクセス負荷監視手段17が緊急時用サーバ2のアクセス負荷を監視する(ステップS5)。緊急時サーバ変更判定手段19によって監視結果が自動復元条件に合致すると判定された場合(ステップS6でyes)は、サーバ復元処理を行う(ステップS7)。このサーバ復元処理は、DNSサーバ3へのDNS設定変更要求と、切替フラグにOFFをセットなどの処理からなる。
必要に応じて、適宜登録ユーザにサーバを自動復元したことを通知する。自動復元処理が終わったなら、ステップS1の処理へ戻る。
他方、自動復元条件に合致しない場合(ステップS6でno)は、緊急時用サーバアクセス負荷監視手段17がアクセス負荷の監視を続ける(ステップS5)。
図14では、登録ユーザは1名であるものとして説明したが、登録ユーザが複数の場合は、ステップS1からステップS7までの処理を登録ユーザ数分だけ繰り返し実行をする。
【0038】
この第2の実施形態では、切替も復元も自動で行われるので、登録ユーザ側に専門のスタッフが不在でも必要最小限の対応ができ、アクセスが集中する事態が招来しても通常の業務が行える。
【0039】
《第3の実施の形態》
この実施形態ではDNS設定変更とともに、登録ユーザによるリダイレクトを併用する点で、上記の第1の実施の形態と相違する。
以下、相違点を中心に説明する。図中、機能が同一であれば第1の実施形態と同一の符号を用いる。
この実施形態のシステム管理サーバ31の機能ブロック図を図15に示す。図2のシステム管理サーバ1に、リダイレクト通知受信手段20が追加されている。
このリダイレクト通知受信手段20は、登録ユーザからの緊急時用サーバ2へのリダイレクト設定通知あるいはリダイレクト解除通知を受信するものである。
【0040】
登録ユーザはサーバ切替要求をシステム管理サーバ31に送信するとともに、クライアント端末6から通常アクセスされる画面データを記述するHTMLファイルを、緊急時用サーバ2へリダイレクトさせるようなコードからなるHTMLファイルに変更する。このようなHTMLファイルの例を図16に示すが、図中破線の矩形で囲んだ部分が、http: //www.AAA.jp/からhttp: //www.XXX.jp/AAA/へのリダイレクトを記述するコードである。ここで、XXX.jpは緊急時用サーバ2のドメイン名なので、ユーザ側Webサーバ4へのアクセスは緊急時用サーバ2へリダイレクトされる。登録ユーザは、緊急時用サーバ2へリダイレクトした旨の通知をシステム側へ送信し、その通知はリダイレクト通知受信手段20によって受信される。
【0041】
一方、登録ユーザからの切替要求を受信するとシステム管理サーバ31は、第1の実施形態と同様に緊急時用サーバ2に緊急時表示用ページを送信し、DNS設定を変更する。緊急時用サーバ2におけるこの登録ユーザの緊急時表示用ページのURLは、http: //www.XXX.jp/AAA/pageA.htmlであるとする。緊急時用サーバ管理手段16は、緊急時用サーバ2にリダイレクト元のURL(http: //www.AAA.jp/)とリダイレクト先のURL(http: //www.XXX.jp/AAA/)との対応を記憶させる。
【0042】
DNS設定の変更が反映済みのDNSサーバ3を介してクライアント端末6がhttp: //www.AAA.jp/にアクセスする場合、緊急時用サーバ2にページ閲覧要求が送信される。緊急時用サーバ2はhttp: //www.AAA.jp/宛てのアクセスはhttp: //www.XXX.jp/AAA/宛てのアクセスと同一とみなし、pageA.htmlをクライアント端末6に送信する。
【0043】
DNS設定の変更は即時には反映されず、各所のDNSサーバに徹底されるまではある程度の時間がかかる。その間は、従来どおり元のユーザ側Webサーバ4がアクセスされる。この場合、リダイレクトを併用することによって、アクセス要求が緊急時用サーバ2へ振り向けられるので、ユーザ側Webサーバ4の負荷は軽減され、メール送受信などの他の業務への悪影響を軽減できる。
【0044】
登録ユーザは、サーバ復元要求をシステム管理サーバ31に送信する場合、あわせてユーザ側Webサーバ4にあるHTMLファイルのリダイレクトの記述部分を削除する。これにより、ユーザ側Webサーバ4が正常に戻ったときは、もはや緊急時用サーバ2へリダイレクトされることはない。
【0045】
《その他の形態》
第1の実施の形態はトリガは手動であり、第2の実施の形態では自動であったが、切替は手動で復元は自動、あるいは切替は自動で復元は手動というように混在させてもかまわない。
上記の実施形態のシステム管理サーバと登録ユーザとのインターフェースとなる各種画面デザインや画面間の遷移はあくまでも例示にすぎない。
また、自動切替・復元のための条件は例示にすぎない。さらに、アクセス負荷の監視はシステム管理サーバが行っているが、監視のための専用装置を設けてもよい。
さらに、緊急時表示用ページのテンプレートを再指定するために、登録ユーザによるサーバ切替の指示が複数回行われてもよい。ただし、緊急時用サーバへの切替が既に行われている場合はDNS設定の変更は行わない。
要は、本発明にとって、ユーザ側Webサーバ4へのアクセスが集中した場合に他の業務へ影響が及ばないようにするため予め登録してある緊急時用サーバ2にアクセスへの対応を代行させる点、しかもこれをユーザに格別の負担を与えることなく実現できる点が重要なのである。
【産業上の利用可能性】
【0046】
自らのWebサイトを開設しているが専門のスタッフはいないといった小規模企業あるいは個人が登録ユーザになっておくと、本発明はその真価を発揮できる。特定のWebサイトへのアクセスが殺到する事態は稀にしか生じないので、一種の保険の意味で本システムに登録し、必要な時にはいつでもサーバ切替サービスを享受できるようにしておく。本システムでは緊急時用サーバは共用なので、登録者数が多ければ多いほど登録者一人あたりのシステム登録料は安価にできる。代行サーバを利用する事態が発生しなければ、登録料は一種の掛け捨てであるが、保険と割り切ればよい。もし、代行サーバを利用する場合は、以後の登録料を増額するようにしてもよい。いわゆる「炎上」などの事態に安価かつ簡便に対処できるので、Webサイトを開設しようとする個人や企業は本発明のシステムの利用により安心してWebサイトを開設できる。
小規模業者が運営するレンタルサーバをユーザが他のユーザと共用している場合、あるユーザのWebサイトへのアクセス集中が発生すると、サービスの提供を停止したり契約の解除を行ったりする可能性がある。このような利用方法であっても、本発明は有効な対処を行うことができる。
【符号の説明】
【0047】
1,21,31 システム管理サーバ
2 緊急時用サーバ
3 DNSサーバ
4 ユーザ側Webサーバ
5(5a、5b) ユーザ端末
6 クライアント端末
10 オプションデータ記憶手段
11 サーバ変更用情報記憶手段
12 ユーザ用設定画面作成手段
13 ユーザ設定項目登録手段
14 ユーザトリガ受信手段
15 DNS設定手段
16 緊急時用サーバ管理手段
17 緊急時用サーバアクセス負荷監視手段
18 Webサーバアクセス負荷監視手段
19 緊急時サーバ変更判定手段
20 リダイレクト通知受信手段
N インターネット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム管理サーバと緊急時用サーバとを含む緊急時Webサーバ切替システムであって、
前記システム管理サーバは、DNSサーバとWebサイト開設ユーザによるユーザ側Webサーバとユーザ端末とにインターネットを介して通信可能であるとともに、
前記システム管理サーバは、
ユーザによる設定を簡便化するための各種オプションデータを格納しているオプションデータ記憶手段と、
ユーザ側Webサーバのドメイン名及びIPアドレスを含むサーバ切替・復元に必要な情報を格納しているサーバ変更用情報記憶手段と、
前記オプションデータ記憶手段から取り出したデータを利用してユーザが緊急時用の設定を行えるユーザ用設定画面を作成するためのユーザ用設定画面作成手段と、
ユーザによる前記設定内容を前記サーバ変更用情報記憶手段に登録するユーザ設定項目登録手段と、
ユーザからのサーバ切替要求およびサーバ復元要求を受け付けるユーザトリガ受信手段と、
前記サーバ変更用情報記憶手段から参照して得たデータに基づき、前記DNSサーバへ設定変更を要求するDNS設定手段と、
前記緊急時用サーバへの切替時に用いる緊急時表示用ページデータを含むデータを送信する緊急時用サーバ管理手段と
前記緊急時用サーバのアクセス負荷を監視し、ユーザの要求に応じて監視結果を可視化する緊急時用サーバアクセス負荷監視手段と、
を備えることを特徴とする緊急時Webサーバ切替システム。
【請求項2】
前記システム管理サーバは、
前記ユーザ側Webサーバのアクセス負荷を監視するWebサーバアクセス負荷監視手段と、
前記アクセス負荷に基づいて所定の判定条件に従いサーバの自動切替あるいはサーバの自動復元を判定する緊急時サーバ変更判定手段とを
さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の緊急時Webサーバ切替システム。
【請求項3】
前記ユーザトリガ受信手段が受信するユーザからの情報はあらかじめ登録されている携帯電話から送信されてくることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の緊急時Webサーバ切替システム。
【請求項4】
前記オプションデータ記憶手段には、緊急時に表示させる緊急時表示用ページデータのテンプレートが任意個数記憶されており、
ユーザは前記ユーザ用設定画面作成手段によって作成されたユーザ用設定画面を介していずれかのテンプレートを選択して必要な入力をすることにより緊急時表示用ページデータを作成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の緊急時Webサーバ切替システム。
【請求項5】
前記オプションデータ記憶手段には、緊急時サーバ変更判定手段による自動切替あるいは自動復元の判定条件が任意個数記憶されており、
ユーザは前記ユーザ用設定画面作成手段によって作成されたユーザ用設定画面を介していずれかの判定条件を選択できることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の緊急時Webサーバ切替システム。
【請求項1】
システム管理サーバと緊急時用サーバとを含む緊急時Webサーバ切替システムであって、
前記システム管理サーバは、DNSサーバとWebサイト開設ユーザによるユーザ側Webサーバとユーザ端末とにインターネットを介して通信可能であるとともに、
前記システム管理サーバは、
ユーザによる設定を簡便化するための各種オプションデータを格納しているオプションデータ記憶手段と、
ユーザ側Webサーバのドメイン名及びIPアドレスを含むサーバ切替・復元に必要な情報を格納しているサーバ変更用情報記憶手段と、
前記オプションデータ記憶手段から取り出したデータを利用してユーザが緊急時用の設定を行えるユーザ用設定画面を作成するためのユーザ用設定画面作成手段と、
ユーザによる前記設定内容を前記サーバ変更用情報記憶手段に登録するユーザ設定項目登録手段と、
ユーザからのサーバ切替要求およびサーバ復元要求を受け付けるユーザトリガ受信手段と、
前記サーバ変更用情報記憶手段から参照して得たデータに基づき、前記DNSサーバへ設定変更を要求するDNS設定手段と、
前記緊急時用サーバへの切替時に用いる緊急時表示用ページデータを含むデータを送信する緊急時用サーバ管理手段と
前記緊急時用サーバのアクセス負荷を監視し、ユーザの要求に応じて監視結果を可視化する緊急時用サーバアクセス負荷監視手段と、
を備えることを特徴とする緊急時Webサーバ切替システム。
【請求項2】
前記システム管理サーバは、
前記ユーザ側Webサーバのアクセス負荷を監視するWebサーバアクセス負荷監視手段と、
前記アクセス負荷に基づいて所定の判定条件に従いサーバの自動切替あるいはサーバの自動復元を判定する緊急時サーバ変更判定手段とを
さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の緊急時Webサーバ切替システム。
【請求項3】
前記ユーザトリガ受信手段が受信するユーザからの情報はあらかじめ登録されている携帯電話から送信されてくることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の緊急時Webサーバ切替システム。
【請求項4】
前記オプションデータ記憶手段には、緊急時に表示させる緊急時表示用ページデータのテンプレートが任意個数記憶されており、
ユーザは前記ユーザ用設定画面作成手段によって作成されたユーザ用設定画面を介していずれかのテンプレートを選択して必要な入力をすることにより緊急時表示用ページデータを作成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の緊急時Webサーバ切替システム。
【請求項5】
前記オプションデータ記憶手段には、緊急時サーバ変更判定手段による自動切替あるいは自動復元の判定条件が任意個数記憶されており、
ユーザは前記ユーザ用設定画面作成手段によって作成されたユーザ用設定画面を介していずれかの判定条件を選択できることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の緊急時Webサーバ切替システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−34520(P2011−34520A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−182915(P2009−182915)
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【出願人】(509221892)株式会社スマートデザイン (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【出願人】(509221892)株式会社スマートデザイン (1)
【Fターム(参考)】
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