説明

編機用ヘルドシャフト

【課題】重量を節約したヘルドシャフトを提供する。
【解決手段】シャフト側板を編機のヘルドシャフトのシャフトロッドに解除可能に取り付けるために、例えば2つのシートメタル部材から成る保持装置が設けられる。その1部分はシャフトロッドと結合する接着表面を形成する。自由なままの部分は、シートメタル部材に鋲で留められるか溶接される個々の金属補強ストリップ(リブ)を収容する。リブはブラケットの固定要素を収容し、位置決めする。こうして位置決めが形状拘束により行われる。シートメタル部材は、好ましくは形状拘束で決定された位置でブラケットを締付けるためのボルトによりブラケットに締付けられる。それに代えて、簡単な工具で押出して外される鋲も用いられる。リブはその補強が同時にブラケットの正確な位置決めに役立ち、形状拘束によりヘルドシャフトの作動中ブラケットの縦のシフトを防ぐように設計され、シートメタル部材に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に編機に使用するためのヘルドシャフトに関する。
【背景技術】
【0002】
編機は、シェッド形成のために、たて糸をガイドする複数のヘルドを保持するヘルドシャフトを有する。このようなヘルドシャフトは、例えば特許文献1から知られている。ヘルドシャフトは、シャフトの動きと垂直に指向した上側及び下側シャフトロッドを有する。互いに平行に間隔を置いた関係で保持された2本のシャフトロッドは、いわゆる端部バインダーで端において相互に連結される。このようにして、一般的に正面図において長方形であるフレームが形成される。フレームには、個々のシャフト側板が上側及び下側シャフトロッドの両方に固定される。シャフト側板の間で、端部はと目によりシャフト側板に吊るされたヘルドが保持される。各ヘルドはたて糸のための糸はと目を具備している。
【0003】
シャフト側板はシャフトロッドとの連結を確立するためにブラケットを具備している。シャフト側板と連結した各ブラケットに、シャフトロッドに設けられたソケットが結合する。連結装置が、各ソケットと個々の関連するブラケットの形状拘束連結を行う。各シャフトロッドは2つの平らな側面と、その間に配された、シャフト側板に指向した細い側面を有する。ソケットはボルトで細い側面にねじ止めされる。
【0004】
このようなヘルドシャフトでは、第1実施形態に従う連結装置は長方形ボルトで形成される。このボルトは、シャフト側板と平行に、ソケットとブラケットの開口を通って押し込まれる。別な実施形態によれば、ソケットは、ブラケットがフック上に吊り下げられたはと目を有する。どちらの実施形態でも、ブラケットとソケットの連結はある遊びを有する。このようなシャフト側板のシャフトロッドへの保持は、ヘルドシャフトが利用される速度範囲を制限する。
【0005】
さらに、このようなタイプのシャフト側板とシャフトロッドの連結は、シャフトロッドが狭い側面に固定されたボルトを担持するのを保証するために、シャフトロッドの大きい構造が前提となる。
【0006】
特許文献2は、中空長方形形材として形成されたシャフトロッドを有するヘルドシャフトについて記述する。シャフト側板を固定するために、シャフトロッドの狭い側面から突出したレッグが設けられる。このレッグはシャフトロッドの全長に沿って延び、一体部品として形成される。シャフト側板はリベット連結によりレッグに保持される。
【0007】
このような構造では、シャフト側板が磨耗したとき、全ヘルドシャフトが取り替えられなければならない。しかしながら、正確には高速使用の場合には、比較的短い作動期間の後シャフト側板の磨耗が生じる。さらに、ヘルドシャフトの高速運動の際に現れる長手方向に延びるレッグはヘルドシャフトの重量に寄与する。
【0008】
特許文献3によれば、シャフトロッドとシャフト側板の固定した連結がもたらされる。この目的のために、ブラケットが一方の端でシャフト側板にリベットで留められ、他方の端でシャフトロッドに留められる。シャフト側板が磨耗すると、全ヘルドシャフトが取り替えられなければならない。
【0009】
さらに、特許文献4が編機のためのヘルドシャフトを開示している。ここで、シャフトロッドは中空長方形形材で形成される。シャフト側板に指向した壁は厚く、それで相互に間隔を置いたホルダーが壁に埋め込まれ、厚いヘッドにより形状拘束でそこに固定される。ホルダーはボトムで角度をつけられ、ねじ穴を具備している。このヘルドシャフトでは、シャフト側板はホルダーにねじ留めされる。
【0010】
このような解決法では、シャフト側板及びホルダーの固定ねじのための穴は高い精度で合わなければならない。
【0011】
このような目的のために、特許文献5はヘルドシャフトについて記述する。そのシャフトロッドはシャフト側板に向かって延びるウェブを有する。固定ボルトはウェブに埋められ、その上に連結ブラケットがシャフト側板のためにねじ留めされる。連結ブラケットは交差均等化のために細長い穴を具備している。
【0012】
このような連結はソケットのねじ連結又はブラケットの直接ねじ連結に基づくので、シャフトロッドが固定ねじに起因する力を受ける重い壁を有することは、シャフト側板とシャフトロッドの連結のための前記の解決法にとって一般的である。このような条件は、特に材料の選択と壁厚に関してヘルドシャフトの構造に限界をもたらす。これは、シャフトロッドのかなりの重量をもたらし、編機の作動速度を限定する。このような考察は特許文献4に従う解決法にも当てはまる。
【0013】
【特許文献1】DE19607532A1
【特許文献2】US4404995
【特許文献3】Utility Model No. 1799695
【特許文献4】JP59-149982
【特許文献5】CH331474
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、本発明の目的は、特に重量を節約したヘルドシャフトを構成する可能性を提供するヘルドシャフトを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記の目的は請求項1で定められるヘルドシャフトにより実現される。
【0016】
シャフト側板とシャフトロッドの間で、ヘルドシャフトが、互いに横に間隔を置いた少なくとも2つの連結装置を有する。それぞれはシャフト側板をシャフトロッドに連結している。連結装置はシャフトロッドから間隔を置いて配置され、シャフトロッドに材料−材料結合した部品である。好ましくは、連結はもっぱら材料−材料型であり、すなわち連結は形状拘束又は同様の構成なしで保持される。シャフトロッドの壁及び場合によっては挿入部は影響されない。さらに、材料−材料結合は単に表面的であり、少なくとも直線的であるが、好ましくは2次元である。このようにして、シャフトロッドの外表面への力の導入が、表面に開口や裂け目を設ける必要なく行われる。従って、連結は好ましくはシャフトロッドの閉じた表面上で得られる。これらの手段により、特に材料の選択と内部構造に関して、シャフトロッドの成形の広範な可能性が得られる。例えば、シャフトロッドは繊維強化合成材料、例えば、軽量で高い強度を得るために炭素繊維強化又はガラス繊維強化プラスチックからできてもよい。
【0017】
シャフトロッドと交換可能なシャフト側板との機械的連結は、連結要素を構成するブラケット又はその一部を形成するブラケットにより行われる。それらは、第1の配置では直接材料−材料結合により、第2の配置では間接的にソケットによりシャフトロッドと連結される。この原理は、シャフトロッドが他の方法で構成される軽構造を有する場合にも利用される。例えば、それは金属の蜂の巣構造である。このようなシャフトロッドは、例えば2つの平行に間隔を置いた金属部材(好ましくは鋼)により形成される。その間に、蜂の巣構造、例えば、薄いシートメタル又はプラスチック強化紙でできた6角形の蜂の巣構造が配置される。上側及び下側端部の2つのシートメタル部材の間のギャップはプラスチック要素により閉じられる。連結要素は好ましくは両側でシャフトロッドに跨り、それで2つのレッグ状の延長部がそれらの間のシャフトロッドを受け、その平らな側面に当接する。連結は、例えば、2次元の接着又は溶接継目を設けることにより行われる。レーザー溶接継目は延長部のエッジに沿ってへりと同様に延びる。しかしながら、継目は延長部の表面上に延びてもよい。とにかく、連結はこの場合1つ又は複数のストリップ状領域に限定される。しかしながら、これは、シャフトロッドが極めて軽い金属構造(発泡中間スペースを有する構造)である場合、力の伝達には十分である。
【0018】
溶接連結はレーザー又は電子ビームにより行われる。シャフトロッドが繊維強化合成材料である場合、繊維強化プラスチックボディへの連結装置の接着若しくはその積層又は接着は繊維を損傷せずに行われ、従ってボディの強度を保証する。
【0019】
シャフトロッドが合成材料でできた形材である場合、連結装置はシャフトロッドに埋め込まれ、そこに接着される。このようにしても、良好な力の伝達が保証される。連結装置とシャフトロッドの連結は、場合によっては2次元の力の伝達を得るために、好ましくはこの場合にも形状拘束よりもむしろ材料−材料結合によってのみ行われる。
【0020】
連結装置は、好ましくは2つの部分でできている。それは、互いに取り外し可能に取り付けられたブラケットとソケットに分割される。これは、一方でソケットを、他方でブラケットを、それぞれシャフトロッドとシャフト側板に取り外せないように連結する可能性をもたらす。ソケットとシャフト側板の間で、好ましくは遊びのない連結手段が有効である。例えば、形状拘束及びさらには締付け効果が利用される。このような解決法は、例えば、ブラケットの連結部分の収容スペースをそれらの間で定める2つのレッグをソケットが有することで可能になる。連結部分をしっかり締付けるために、締付け手段がレッグを具備する。連結部分は連結位置に遊びなしで保持される。このような連結は、速い作動速度、従って大きい加速の際に現れる力の伝達を可能にする。その結果、遊びのないしっかりしたシャフトロッドとシャフト側板の連結により、大きい機械の毎分回転数(rpm)が可能になる。
【0021】
他方では、シャフトロッドを損傷せずシャフト側板を外し、新しいシャフト側板を正確に取り付けることができる。後者は特に、連結装置が形状拘束により連結位置を定める場合に実現される。しかしながら、このような形状拘束による位置の画定は好ましくはシャフト側板の縦方向位置に影響を及ぼさない。これは、ソケットに形状拘束要素としてリブを設けることで実現できる。リブはシャフトロッドと平行に延び、連結部分に形成された溝と結合する。それに代えて、溝がソケットに設けられ、ブラケットの連結部分が対応するリブを担持してもよい。どちらの場合も、シャフト側板の交換を簡単にするある長手方向の遊びができる。ブラケットの連結部分がそれぞれのソケットに押し込まれ、次いでソケットに設けられた締付け手段が締付けられさえすればよい。
【0022】
連結装置は完全に又は部分的に合成材料で作られる。例えば、ソケット及び/又はブラケットが合成材料である。このような材料は、ヘルドによりシャフト側板に与えられる振動を減衰・変化させる。振動は全てシャフトロッドに伝えられるわけではなく、ストレスを減少させる。さらに、このような手段は騒音の減衰をもたらす。
【0023】
本発明の有利な実施形態のさらなる詳細は図面、図面に関連した明細書又は従属請求項に開示されている。図面は本発明の実施形態を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1はヘルドシャフトを示す。これは、原則として水平に配置された上側シャフトロッド2と、シャフトロッド2と平行に保持され、そこから間隔を置いて位置したシャフトロッド3とを有する。それらの端では、シャフトロッド2,3は側面バインダー4,5により相互接続しており、後者はシャフトロッド2,3と共に長方形フレームを形成する。フレームには、複数の平行なヘルド6が配置され、それぞれがたて糸をガイドするために糸はと目7を備えている。側面バインダー4,5に平行に配置されたヘルド6は、それらの上側及び下側端部にそれぞれのはと目を有する。ヘルドはシャフト側板8,9に保持される。シャフト側板8,9はそれぞれの隣接するシャフトロッド2,3と平行に延び、そこからある距離を置いて保持される。この目的のために、連結装置11,12,13,14が設けられ、そのそれぞれは、それぞれのシャフトロッド2,3と関連するシャフト側板8,9の解除可能な連結を確立する。各シャフト側板8,9に、少なくとも2つの連結装置11,12及び13,14がそれぞれ結合する。以下の記載では、他の連結装置12,13,14の例として連結装置11を説明する。シャフトロッド2に関連する記載の一部はシャフトロッド3にも同様に当てはまる。
【0025】
図1に部分的に示されたヘルドシャフト1の実施形態では、シャフトロッド2は軽構造の形材である。それは、例えば特別な鋼でできた例えばシートメタル部材15,16の2枚の平らなボディを有する。これらの部材は、シャフトロッド2の平らな側面を形成するために、互いに平行に互いに間隔を置いて保持されている。シートメタル部材15,16の間に、シートメタル部材15,16に接着され又は別な風に連結した蜂の巣構造17により構成されたスペーサーが設けられる。シャフトロッド2の上側及び下側の細い側面において、シートメタル部材15,16によって内側スペースを外側に対して閉じるために、個々の断面が長方形又は正方形の合成ボディ18,19が接着される。
【0026】
特に図3にも見られる連結装置11は、連結装置23により互いに連結したソケット21とブラケット22を有する。
【0027】
ソケット21は一体部品であるか、図3及び4に示されるような2つの部分、すなわち、両方平らなレッグで形成された第1ソケット要素24と第2ソケット要素25でできている。それぞれのレッグは、シートメタル部材15又は16上の平らな部分をそれぞれ有し、アンカー部分(固定部分)26,27を形成している。共にソケット21を構成するソケット要素24,25は相互に対称構造である。図3及び4に示された実施形態では、アンカー部分26,27はそれぞれ、向かい合った関係でシートメタル部材15,16に接着されている。この配置では、接着剤は、アンカー部分26とシートメタル部材15の間、及びアンカー部分27とシートメタル部材16の間にある。接着剤は材料と材料の結合及び長手方向の力の伝達の役割をする。この力は図4の紙面にあり、下方に向いている。
【0028】
図3及び4に独立した別個の要素として示されたソケット要素24,25はウェブにより相互に連結してもよい。この場合、ウェブは下側合成ボディ19に当接するか、それによりギャップを定める。図示した実施形態では、ソケット要素24,25のレッグ28,29はシャフトロッド2の下側の細い側面を越えて突出する。レッグ28,29は弾性的に互いに向かって又は互いから離れて移動してもよい。ここで、十分の数ミリメートルの可能なばねストロークで十分である。レッグ28,29はブラケット22を取り付ける働きをする連結装置23の一方の半分を形成する。この目的のために、レッグ28,29は互いに向き合う側面でウェブ状リブ31,32を担持する。リブは例えば長方形断面を有し、シャフトロッド2の長さ形状と平行に、すなわち図4の紙面と垂直に延びる。さらに、リブ31,32は互いに平行に指向し、互いに及びシャフトロッド2からある距離を定めている。リブ31,32は、例えばリベット又は溶接によりレッグ28,29にしっかり取り付けられている。それらの断面は台形又は他の形状でもよい。
【0029】
ブラケット22は、連結装置23の他の半分を構成する連結部分33を具備している。連結部分33は、溝を反対の平らな側面に具備した長方形の基本外形を有する。溝には、リブ31,32が正確に嵌って収容される。このようにして、連結部分33は、レッグ28,29の間の僅かな遊びに嵌るI形又はH形の断面を有する。従って、ブラケット22とソケット21の形状拘束連結をまず確立するために、連結部分33は長手リブ方向、すなわち図4の紙面と垂直にレッグ28,29の間に押し込まれる。
【0030】
ブラケット22をソケット21に締付けるために、固定ボルト34,35(図2,3参照)が設けられる。レッグ28,29及び連結部分33を通る固定ボルト34,35は、リブ31,32を好ましくは通る穴又はねじ穴に位置する。リブ31は好ましくは、ねじ穴を形成する十分な高さを得るためにリブ32より僅かに厚い。
【0031】
固定ボルト34,35はレッグ28,29を互いに、従って連結部分33に締付け、遊びなしで後者をしっかりクランプするための締付け手段を形成する。
【0032】
ブラケット22の平らな部分は、好ましくは中心を外れて、すなわちほぼシートメタル部材16の面内において連結部分33から延びる。ブラケット22の残り全部と同様に、平らな部分は合成材料又はアルミニウムなどの軽金属でできている。自由端では、ブラケットは、シートメタル部材15により定められる面に指向した突出部36を具備している。突出部36はシャフト側板8のための係合面の役割をする。シャフト側板は丸いエッジを有する平らな形材である。突出部及びシャフト側板は、しっかりした連結を確立するためにリベット37が挿入される同心の開口を具備している。図2及び3に示されるように、付加的なリベット38,39が設けられてもよい。
【0033】
作動:
作動の間シャフト側板8,9は、連結装置11,12,13,14によりシャフトロッド2,3にしっかり保持される。ソケット21はシャフトロッド2,3に接着される。ブラケット22は、連結装置23によるレッグ28,29の形状拘束及び摩擦によりしっかり締付けられる。シャフト側板8から生じる力の力導入は表面において表面15,16に生じる。シャフトロッド2,3の内側構造はこのような力に影響されない。
【0034】
ある作動周期の後、シャフト側板8は磨耗のサインを示す。それは、固定ボルト34,35を取り外して連結装置23を解除することで最も簡単に取り替えられる。次いで、シャフト側板はそれを僅かに長手方向に移動させて外される。この間、連結部分33はレッグ28,29で取り囲まれた中間スペースからスライドし、このようにして開放される。新たなブラケット22を有する新たなシャフト側板が逆の順序で挿入され、再び締付けられる。
【0035】
このようなヘルドシャフトでは、シャフト側板8,9が必要に応じて取り替えられる。シャフトロッド2,3はこのような交換に影響されず、必要ならばより高価な軽構造材料でできていてもよい。
【0036】
図1〜4に示された実施形態の基本構造を有し、同じ参照番号を用いて図10に示された変形例では、ソケット要素24,25のアンカー部分26,27は、接着でなく溶接継目Sでシートメタル材料15,16に固定される。溶接継目はアンカー部分26,27の外側エッジにそって延びる。それらは、アンカー部分26,27の表面上に延びる1本又は複数の平行線Lの形でもよい。
【0037】
図5は、ヘルドシャフトの変形例のシャフトロッド2及びシャフト側板8を示す。先の記述は完全にシャフトロッド2及びソケット21に当てはまる。図の明瞭さを改善するために、固定ボルト34,35は示されていない。ブラケット22は合成材料でできている。それは突出部36の領域に金属挿入部41を具備している。図示されているように、シャフト側板8は、溶接継目42又は一連の個々の溶接ドットにより金属挿入部41に固定される。別な変形例が図6に示されている。以下の記述において、特に差は指摘されず、図1〜4に関係する記述が当てはまり、同じ参照番号が用いられる。
【0038】
ブラケット22は曲がったスチールバンドで形成される。スチールバンドは下側端部において溶接継目43によりシャフト側板8と連結している。溶接継目は、示されるようにブラケット22又は必要ならばシャフト側板8から開始して形成される。ブラケット22の曲がりは、ヘルドの端部はと目を収容する、シャフト側板8とブラケットの間の必要な自由スペースをもたらす。上側端部では、ブラケットは固定ボルト34,35のための穴44を有する。ブラケット22の厚さはリブ31と32の距離に一致する。ブラケット22はリブ31,32の間の摩擦によりしっかりクランプされる。この配置では、トップとボトムでリブ31,32に跨る連結部分33の一部で実現される、形状拘束に基づいたロックなしで済む。それにもかかわらず、ブラケット22の上側端部は連結部分33を形成する。
【0039】
図7は別な変形例を示す。その特徴は連結装置11の一体構造にある。すなわち、連結装置はソケットとブラケットに分割されない。むしろ、好ましくは合成材料でできたブラケット22に、フォーク状部分45が形成される。その2つのレッグ46,47はその平らな面でシャフトロッド2を跨いでいる。このようにして、レッグ46,47はシートメタル部材15,16に当接し、そこに二次元に接着される。ここでも、シャフト側板8はブラケット22の下側端部に取り付けられる。好ましくはこの目的のために、リベット37に代えて、皿穴に埋められたヘッドを有するねじ48が用いられる。このねじは、金属壁を有するねじ穴及び/又は連結装置11の金属挿入部49のねじ穴に固定される。シートメタル部材15,16の接着連結もなされる。それに代えて、溶接連結も可能である。
【0040】
図8は本発明の別な変形例を示す。先に論じた全ての実施形態では、シートメタル部材15,16への力導入が起こるのに対し、図8に従う実施形態での力導入は非対称である。例えばプラスチックや金属要素の連結装置11は、シャフトロッド2に接着されたレッグ47だけを有する。シャフトロッドはこの場合繊維複合体でできている。さらには、ブラケット22は突出部51を具備する。突出部はシャフトロッド2の下側の細い側面に跨り、上側係合面によりシャフトロッド2の下側の細い面に当接し、その位置でそこに接着される。他の点では、図7に関連した記述が当てはまる。
【0041】
図9に示された実施形態では、図8に従う実施形態と同様にシャフトロッド2は繊維複合体である。それは中空形材又は内部発泡形材である。ブラケット22との連結のために、その突出部51は、シャフトロッド2の合成材料に埋め込まれる槍状延長部52として形成される。延長部52は好ましくは平行なフランクにより境界を定められ、下部を切られない。それはシャフトロッド2に積層される。さらには、レッグ46及び/又は47が図7又は8と同様に設けられてもよい。また、突出部51から、互いに平行又はある角度で指向した幾つかの延長部52が上方に延びてもよい。
【0042】
シャフト側板8を編機のヘルドシャフト1のシャフトロッド2に取り外し可能に取り付けるために、好ましい実施形態によれば2つのシートメタル部材から成る保持装置が設けられる。その1つの部品はシャフトロッド2に結合させるために接着面を形成する。自由なままの部品、すなわちシートメタル部材の自由な長手エッジは個々の金属補強ストリップ(リブ31,32)を受ける役割をする。ストリップはシートメタル部材に鋲で留められるか溶接される。補強ストリップは一方でブラケットのための固定要素を受け、他方でブラケットを位置決めする役割をする。このようにして位置決めが形状拘束により行われる。シートメタル部材は、好ましくは形状拘束により決定された位置にブラケットをしっかりクランプするためのボルトにより、ブラケットに対して締付けられる。それに代えて、例えば簡単な工具で押し出すことにより必要なときに取り外されるリベットが用いられてもよい。補強ストリップは、その補強が同時にブラケット22の正確な位置決めに役立ち、形状拘束によりヘルドシャフトの作動中ブラケットの縦のシフトを防ぐように設計され、シートメタル部材に固定される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】編機のためのヘルドシャフトの概略正面図である。
【図2】図1に従うヘルドシャフトの一部の断面斜視図である。
【図3】隠れたエッジと共に、異なるスケールで図2のシャフトロッドを示す図である。
【図4】図2及び3に従うシャフトロッド及びシャフト側板の断面図である。
【図5】ヘルドシャフトの変形例の一部の断面図である。
【図6】ヘルドシャフトの変形例の一部の断面図である。
【図7】ヘルドシャフトの変形例の一部の断面図である。
【図8】ヘルドシャフトの変形例の一部の断面図である。
【図9】ヘルドシャフトの変形例の一部の断面図である。
【図10】ヘルドシャフトの変形例の一部の断面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 ヘルドシャフト
2,3 シャフトロッド
4,5 側面バインダー
6 ヘルド
7 糸はと目
8,9 シャフト側板
11,12,13,14 連結装置
15,16 シートメタル部材
17 蜂の巣構造
18,19 合成ボディ
21 ソケット
22 ブラケット
23 連結装置
24,25 ソケット要素
26,27 アンカー部分
28,29 レッグ
31,32 リブ
33 連結部分
34,35 固定ボルト
36 突出部
37,38,39 リベット
41 金属挿入部
42,43 溶接継目
44 穴
45 部分
46,47 レッグ
48 ねじ
49 金属挿入部
51 突出部
52 延長部
S 溶接継目
L 線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのシャフトロッド(2)、ヘルドが端部はと目に固定されるべき少なくとも1つのシャフト側板(8)、及び少なくとも2つの連結装置(11,12)を有する特に編機のためのヘルドシャフト(1)にして、
連結装置が互いに横に間隔を置いて配置され、それぞれがシャフト側板(8)をシャフトロッド(2)に連結し、それぞれがシャフトロッド(2)と材料−材料結合をしているヘルドシャフト。
【請求項2】
シャフトロッド(2)が少なくとも1つの平らな側面を有し、その少なくとも1つに連結装置(11)のアンカー部分(27)が跨っていることを特徴とする請求項1に記載のヘルドシャフト。
【請求項3】
シャフトロッド(2)が2つの相互に平行な向かい合った平らな側面を有し、その両方に連結装置(11)のアンカー部分(26,27)が跨っていることを特徴とする請求項1に記載のヘルドシャフト。
【請求項4】
連結装置(11,12)がシャフトロッド(2)に溶接されることを特徴とする請求項1に記載のヘルドシャフト。
【請求項5】
連結装置(11,12)がシャフトロッド(2)に接着されることを特徴とする請求項1に記載のヘルドシャフト。
【請求項6】
連結装置(11,12)がシャフトロッド(2)に埋め込まれ、そこに接着されることを特徴とする請求項1に記載のヘルドシャフト。
【請求項7】
それぞれの連結装置(11,12)が、互いに取り外しできるように連結されたブラケット(22)とソケット(21)から構成されることを特徴とする請求項1に記載のヘルドシャフト。
【請求項8】
ソケット(21)がシャフトロッド(2)に取り外しできないように連結していることを特徴とする請求項7に記載のヘルドシャフト。
【請求項9】
ブラケット(22)がシャフト側板(2)に取り外しできないように連結していることを特徴とする請求項7に記載のヘルドシャフト。
【請求項10】
ソケット(21)が形状拘束によりブラケット(22)に連結していることを特徴とする請求項7に記載のヘルドシャフト。
【請求項11】
ソケット(21)が2つのレッグ(28,29)を有し、
これらのレッグが、それらの間でブラケット(22)の連結部分(33)のための収容スペースを定め、
レッグ(28,29)が、連結部分(33)をしっかり締付けるために、締付け手段(34,35)により互いに締付けられる
ことを特徴とする請求項7に記載のヘルドシャフト。
【請求項12】
少なくとも1つのレッグ(28)に、シャフトロッド(2)と平行に延びるリブ(31)が形成され、連結部分(33)に設けられた溝がリブと結合することを特徴とする請求項11に記載のヘルドシャフト。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのシャフトロッド(2)、ヘルドが端部はと目に固定されるべき少なくとも1つのシャフト側板(8)、及び少なくとも2つの連結装置(11,12)を有する特に編機のためのヘルドシャフト(1)にして、
連結装置が互いに横に間隔を置いて配置され、それぞれがシャフト側板(8)をシャフトロッド(2)に連結し、それぞれがシャフトロッド(2)と材料−材料結合をしており、
シャフトロッド(2)が少なくとも1つの平らな側面を有し、その少なくとも1つに連結装置(11)のアンカー部分(27)が跨っているヘルドシャフト。
【請求項2】
シャフトロッド(2)が2つの相互に平行な向かい合った平らな側面を有し、その両方に連結装置(11)のアンカー部分(26,27)が跨っていることを特徴とする請求項1に記載のヘルドシャフト。
【請求項3】
連結装置(11,12)がシャフトロッド(2)に溶接されることを特徴とする請求項1に記載のヘルドシャフト。
【請求項4】
連結装置(11,12)がシャフトロッド(2)に接着されることを特徴とする請求項1に記載のヘルドシャフト。
【請求項5】
連結装置(11,12)がシャフトロッド(2)に埋め込まれ、そこに接着されることを特徴とする請求項1に記載のヘルドシャフト。
【請求項6】
それぞれの連結装置(11,12)が、互いに取り外しできるように連結されたブラケット(22)とソケット(21)から構成されることを特徴とする請求項1に記載のヘルドシャフト。
【請求項7】
ソケット(21)がシャフトロッド(2)に取り外しできないように連結していることを特徴とする請求項6に記載のヘルドシャフト。
【請求項8】
ブラケット(22)がシャフト側板(2)に取り外しできないように連結していることを特徴とする請求項6に記載のヘルドシャフト。
【請求項9】
ソケット(21)が形状拘束によりブラケット(22)に連結していることを特徴とする請求項6に記載のヘルドシャフト。
【請求項10】
ソケット(21)が2つのレッグ(28,29)を有し、
これらのレッグが、それらの間でブラケット(22)の連結部分(33)のための収容スペースを定め、
レッグ(28,29)が、連結部分(33)をしっかり締付けるために、締付け手段(34,35)により互いに締付けられる
ことを特徴とする請求項6に記載のヘルドシャフト。
【請求項11】
少なくとも1つのレッグ(28)に、シャフトロッド(2)と平行に延びるリブ(31)が形成され、連結部分(33)に設けられた溝がリブと結合することを特徴とする請求項10に記載のヘルドシャフト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−525439(P2006−525439A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505325(P2006−505325)
【出願日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【国際出願番号】PCT/EP2004/004546
【国際公開番号】WO2004/097090
【国際公開日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(598132646)グロツ・ベッケルト コマンディートゲゼルシャフト (77)