説明

縦坑の掘削方法及び坑掘進機

【課題】比較的高速の掘り下げ速度により特徴付けられる、縦坑の掘削方法並びに坑掘進機を創作する。
【解決手段】地盤(2)に対する縦坑(4)の掘削方法、並びに特に該掘削方法を実行するために設置される坑掘進機(1)において、所定の溝深さを有する掘削溝(43)の掘設に至るまで水平軸線回りだけでカッタホイール(17)を回転させ、引き続き、前記溝深さへ坑底(3)が堀り下がるまで垂直線軸回りでも前記カッタホイール(17)を回転させることが提案される。それにより坑(4)に対して比較的高速の掘り下げ速度が達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求項1の上位概念部(前置部)に記載した地盤に対する縦坑(垂直坑)の掘削方法に関する。
【0002】
更に本発明は、特許請求項5の上位概念部(前置部)に記載した坑掘進機に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景技術とその分析)
地盤に対する縦坑の掘削方法並びに坑掘進機は特許文献1から公知である。該公知の方法並びに該公知の坑掘進機では、水平軸線回りと坑掘進機の中心垂直軸線回りで回転可能なカッタホイールがそれらの双方の軸線回りで連続的に回転され、それにより坑底が全ての壁領域に亘って実質的に均等に掘り下げられる。
【0004】
縦坑の別の掘削方法並びに坑掘進機が特許文献2から公知である。地盤に対する縦坑の該公知の方法は、水平軸線回りで回転可能であり且つ垂直軸線回りでは坑掘進機の中心縦軸線から離間して旋回可能なカッタホイールを有する坑掘進機を用いて実行される。それにより該カッタホイールは垂直方向において螺旋状の移動軌道を描き、該カッタホイールの直径よりも幅広の坑底を連続的に掘り下げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】JP 2006 249793 A
【特許文献2】US 4,646,853 A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の基礎をなす課題は、比較的高速の掘り下げ速度により特徴付けられる、縦坑の掘削方法、並びに特に冒頭に掲げた形式の方法を実行するための坑掘進機を創作することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、冒頭に掲げた形式の掘削方法において、本発明に従い、特許請求項1の特徴により解決される。
【0008】
前記課題は、冒頭に掲げた形式の坑掘進機において、本発明に従い、特許請求項5の特徴により解決される。
【発明の効果】
【0009】
本発明に従う方法並びに本発明に従う坑掘進機において、掘り下げが、水平軸線回りのカッタホイールの回転によってのみ掘削溝(掘り下げサイクル開始溝)を掘削することと、該掘削溝の溝深さで該カッタホイールを保持したまま中心垂直軸線回りでも該カッタホイールを引き続いて回転させることとの二段階で行われることにより、この種の処理手順に適合するよう掘削工具をカッタホイールに装備することにより、比較的高速の掘り下げ速度を達成することができる。
【0010】
目的に適った本発明の別の構成は、下位請求項の対象である。
【0011】
目的に適った本発明の別の構成及び本発明の長所は、図面に図示された本発明の実施形態に関する以下の説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に従う坑掘進機の一実施形態の側面図であり、該坑掘進機は縦坑内に配置されていて、カッタホイールの半径方向外側に位置する端面が図面の前面にくるように図示されている。
【図2】図1の縮尺よりも拡大し且つ90°回転させた側面図として、図1に従う坑掘進機を示す図である。
【図3】図1に従う坑掘進機の横断面を配向ユニットの領域で示す図(即ち図2のIII-III線に沿った断面図)である。
【図4】図1に従う坑掘進機の横断面を固定ユニットの領域で示す図(即ち図2のIV-IV線に沿った断面図)である。
【図5】図1に従う坑掘進機の横断面をダストシールドの領域で示す図(即ち図2のV-V線に沿った断面図)である。
【図6】図1に従う坑掘進機の縦断面を示す図(即ち図2のVI-VI線に沿った断面図)である。
【図7】図1に従う坑掘進機を、本発明に従う方法の一実施形態の実行時において配向ステップの状態で示す側面図である。
【図8】図1に従う坑掘進機を、本発明に従う方法の前記形態の実行時において掘削溝の掘削が始まる直前の状態で示す側面図である。
【図9】図1に従う坑掘進機を、本発明に従う方法の前記形態の実行時において前記掘削溝の掘削ステップが完了した状態で示す側面図である。
【図10】図1に従う坑掘進機を、本発明に従う方法の前記形態の実行時において前記掘削溝の溝深さに坑底を掘り下げるためにカッタホイールが中心垂直軸線回りにも回転している間の状態で示す側面図である。
【図11】図1に従う坑掘進機を、本発明に従う方法の前記形態の実行時において前記掘削溝の溝深さに坑底を掘り下げるステップが完了した状態で示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明に従う坑掘進機1の一実施形態を側面図として示していて、該坑掘進機1は、地盤2内に掘削され且つ地盤表面から坑底3に至るまで垂直(鉛直)に延在する坑(縦坑)4内に装備されている。坑掘進機1は機体フレーム5を有し、該機体フレーム5において掘進方向で後側の端部領域には、位置決め固定装置の位置決めリング6が固定装着されている。位置決めリング6には、半径方向外側に向かって作動する、配向ユニット8の複数の配向シリンダ7が取り付けられていて、該配向シリンダ7において位置決めリング6の反対側の端部は、各々につき配向シュー(配向靴状部材、即ち地盤との当接部材)9を支持している。
【0014】
更に位置決めリング6には、機体フレーム5から斜めに外側に向かって該位置決めリング6から離れていくように延在する所定数の推進シリンダ10が装着されていて、該推進シリンダ10において位置決めリング6の反対側の端部は、固定ユニット12の固定手段としての固定プレート11と連結されている。更に固定ユニット12は、別の固定手段として、半径方向外側に向かって作動する所定数の固定シリンダ13を有し、該固定シリンダ13は、一方では固定プレート11と連結し、他方では機体フレーム5を包囲する固定キャリッジ(固定摺動装置)14と連結されている。
【0015】
固定キャリッジ14において位置決めリング6の反対側には、所定数のダストシールドセグメント(塵埃遮蔽装置の円形構成部分)15を有するダストシールド(塵埃遮蔽装置)16が配置されていて、該ダストシールド16において固定キャリッジ14の反対側には、稼動位置において垂直に立った状態にあるカッタホイール17が配置されている。カッタホイール17は、水平軸線回りと、該水平軸線に対して直角に延在し且つ該水平軸線と交差する中心垂直軸線回りとで回転可能である。カッタホイール17には、回転可能なローラカッタとして構成されている所定数の掘削工具18が配置され、並びにショベル状の掘削ずり収集器(スクレーパ)19が設けられている。
【0016】
カッタホイール17は、該カッタホイール17の両側面に配置されていて機体フレーム5において回転可能に支持されている軸受脚部(ベアリングレッグ)20を用い、機体フレーム5と連結されている。カッタホイール17の両側面において坑掘進機1は、該坑掘進機1の縦方向において摺動可能な支持足部(サポートフット)21を有し、該支持足部21は、縦方向において、掘進前方に押し出された支持位置と掘進後方に引き戻された解除位置との間で摺動可能に備えられている。
【0017】
更にダストシールド16の坑底3側には、カッタホイール17と並び、垂直軸線回りで好ましくは360°回転可能であり水平軸線回りで好ましくは180°回転可能である、コンクリートの吹き付けにより坑4の壁を内張りするためのコンクリート吹き付けノズル22のような補助装置や、岩盤用アンカーを取り付けるためのアンカー穿孔装置23や、坑底3を越えていく調査用穿孔を掘るための先行穿孔装置24が設けられている。
【0018】
また図1からは、坑掘進機1において坑底3の反対側に、垂直方向に延在する垂直搬送ベルト25が設けられていることが見てとれ、該垂直搬送ベルト25を用い、排出ステーション26において、坑底3の領域から搬送された掘削ずりが、坑掘進機1において坑底3の反対側に配置された幾つかの作業プラットホーム27の通過後に坑4からの最終的な搬出のために排出可能である。
【0019】
図2は、図1の縮尺よりも拡大し且つ90°回転させた側面図として、カッタホイール17の平坦側面が図面の前面にくるように坑掘進機1を示している。図2から、掘削工具18の第1グループ28がカッタホイール17の端面29において半径方向外側に向かって突出して配置されていることが見てとれ、それにより該第1グループ28の主作用方向は垂直方向において坑底3へと下方に向かっている。掘削工具18の第2グループ30は、端面29の両側方でカッタホイール17の横腹領域31において、好ましくは45°の値をとる、垂直方向に対して斜めに配向された主作用方向をもって配置されている。掘削工具18の第3グループ32は、横腹領域31において端面29から見ると掘削工具18の第2グループ30の反対側で、実質的に水平面内に位置する主作用方向をもって配置されている。
【0020】
更に図2から、垂直面内において水平軸線回りで回転可能なカッタホイール17が、内側に位置する円周部に亘って分配配置された所定数の水平軸線回り回転駆動モータ33により水平軸線回りの回転のために駆動可能であることが見てとれる。
【0021】
図3は、図2のIII-III線に沿った、配向ユニット8の領域における図1に従う坑掘進機1の断面図を示している。図3から、配向ユニット8は、各々につき90°の角度間隔で互いに離間されている4つの配向シュー9を有することが見てとれる。それにより、図3では非図示の中央制御ユニットを介して制御され、配向シリンダ7のストローク(行程)の変化により、機体フレーム5、従って坑掘進機1がその中心垂直軸線をもって正確に垂直(鉛直)に配向される。
【0022】
図4は、図2のIV-IV線に沿った、固定ユニット12の領域における図1に従う坑掘進機1の断面図を示している。図4から、固定ユニット12は、配向ユニット8の配向シュー9に対応して互いに90°の角度間隔を有する比較的堅固(massiv)に形成された4つの固定プレート11を有することが見てとれる。各固定プレート11は、外側両端部において2つの固定シリンダ13と連結されていて、この際、その端部領域には推進シリンダ10も装着されている。それにより、位置決めリング6と固定ユニット12を有する位置決め固定装置において機械的に極めて安定性のある構造が得られている。
【0023】
図5は、図2のV-V線に沿った、ダストシールド16の領域における図1に従う坑掘進機1の断面図を示している。図5から、所定数のアクティブ・ダストシールドセグメント15が、半径方向で外側に向かって作用する位置調節シリンダ34と連結されていることが見てとれる。各アクティブ・ダストシールドセグメント15には、セグメントジョイント(円形構成部分の継ぎ手)35を介してパッシブ・ダストシールドセグメント15が装着されていて、該パッシブ・ダストシールドセグメント15は、進入係合する突起部36を介し、隣接するアクティブ・ダストシールドセグメント15と係合状態にある。円周に亘って実質的に閉じたダストシールドセグメント15の配置構成、並びにアクティブ・ダストシールドセグメント15の能動的(駆動的)な運動性及びパッシブ・ダストシールドセグメント15の受動的(従動的)な運動性により、ダストシールド16は比較的柔軟性をもち、坑4において十分に正確とは言えない円形状の直径にも適合することができる。
【0024】
更に図5から、水平面内回転(中心垂直軸線回り回転)軸受装置37が設けられていることが見てとれ、該水平面内回転軸受装置37を用い、所定数の水平面内(垂直軸線回り)回転駆動モータ38を介し、カッタホイール17が水平面内で中心垂直軸線の回りで回転可能である。
【0025】
図6は、図2のVI-VI線に沿った、図1に従う坑掘進機1の縦断面図を示している。図6から、複数の掘削ずり収集器(スクレーパ)19に対し、半径方向内側において掘削ずり収集路39が接続されていることが見てとれ、該掘削ずり収集路39により、水平方向回転軸線の上側の該当掘削ずり収集器19の所定位置において、この掘削ずり収集器19により収集された掘削ずりが、カッタホイール17を端面側で貫通する取入口を通って掘削ずり収集路39内へ取り入れられ、カッタホイール17のほぼ中央にある収集ホッパー40を介し、2つの偏向ローラ41を介してこの領域では水平に延在する垂直搬送ベルト25上へ載せられ、該垂直搬送ベルト25を介して垂直に上方に向かって搬出される。更に図6から、カッタホイール17が垂直面内回転(水平軸線回り回転)軸受装置42を介して水平軸線回り回転駆動モータ33により水平軸線回りで回転可能であることが見てとれる。
【0026】
図7は、本発明に従う坑掘進機1の一実施形態を、本発明に従う方法の一実施形態を実行するための一ステップ、即ち上述の坑掘進機1の(配向)準備のステップにおいて示し、該ステップでは、坑掘進機1の中心垂直軸線の鉛直配向が行われる。この配向ステップにおいて、配向ユニット8の配向シュー9は坑4の壁に当接されていて、支持足部21は、掘削前方に押し出された支持位置において坑底3上で立った状態にある。配向ユニット8の複数の配向シリンダ7の駆動(コントロール)により、カッタホイール17の負荷解除した状態で坑掘進機1を鉛直に配向することができ、この際、そのために固定プレート11は坑4の壁から離間している。
【0027】
図8は、本発明に従う前記坑掘進機1を、本発明に従う方法の前記形態の次の一ステップ、即ち坑4の壁に坑掘進機1を(締付)固定するステップにおいて示し、該ステップでは、固定プレート11が、比較的大型の固定シリンダ13を介し、極めて大きな押圧力をもって坑4の壁に当接されている。坑掘進機1の固定されたこの配置状態において、配向ユニット8の配向シュー9は坑4の壁から離間して配置されていて、支持脚部21は、坑底3から離間し、掘進方向後方に引き戻された解除位置に配置されている。
【0028】
この固定位置においてカッタホイール17は、掘り下げサイクルのためのスタンバイ状態で配置されていて、必要な場合にはコンクリート吹き付けノズル22やアンカー穿孔装置23、又は図8で具体的に図示されているように先行穿孔装置24が稼動される。
【0029】
図9は、本発明に従う前記坑掘進機1を、本発明に従う方法の前記形態の次の一ステップの実行後、即ち(掘削溝が)現在の坑底3よりも深くに位置する所定の溝深さに達するまでカッタホイール17を水平軸線回りだけで回転させるステップの実行後において示し、該ステップでは(カッターホイール17の)端面29の領域におけるカッタホイール17の外側輪郭と、端面29に側方で接続する横腹領域31の輪郭とに従う掘削(切込)溝(掘り下げサイクル開始溝)43が形成される。所定の溝深さまで掘削溝43を掘削するために、機体フレーム5が固定キャリッジ14を通って滑動しながら推進シリンダ10が連続的に短縮され、それにより該ステップでは、水平軸線回りでだけ回転するカッタホイール17が、特に第1グループ28の掘削工具(刃)18の作用と、第2グループ30の掘削工具(刃)18の作用にも基づき、連続的に掘削溝43から掘削ずり(屑、排土)を搬出しながら坑底3の現在レベルの下方へ所定の溝深さに至るまで食い込んでいく。
【0030】
図10は、本発明に従う前記坑掘進機1を、本発明に従う方法の前記形態の次の一ステップ、即ち前記溝深さでカッタホイール17を保持し、カッタホイール17を中心垂直軸線回り並びに水平軸線回りで回転させるステップにおいて示している。該ステップにおいて推進シリンダ10は所定の溝深さへの到達時にとられた長さに固定されていて、それにより水平軸線回りに加え中心垂直軸線回りでもカッタホイール17を回転(回動)させることにより、実質的に、水平方向に作用する第3グループ32の掘削工具(刃)18と、傾斜位置に基づき特定部分では水平方向に作用する第2グループ30の掘削工具(刃)18も、図9に図示したカッタホイール17の位置から出発し、掘削溝43の側方の坑底3を、掘削ずりを連続的に搬出しながら掘り下げないし掘り拡げ、それに対して第1グループ28の掘削工具(刃)18は実質的に作用を及ぼさない状態にある。
【0031】
図11は、本発明に従う前記坑掘進機1を、所定の溝深さに対応する分だけ坑底3を掘り下げるステップの完了後、従って一掘り下げサイクルの完了後において示している。図11においてカッタホイール17は、図8及び図9に従う位置に比べて実質的に90°回転された位置で示されている。図9に従う位置から出発して掘り下げサイクル中にカッタホイール17がこの位置にある時には、各々90°の2つの角度セグメントとして坑底3のほぼ半分が、掘削溝43の所定の溝深さに対応する深さまで掘り下げないし掘り拡げられている。その後、水平軸線回りのカッタホイール17の更なる回転と、回転中に坑4の壁を完全に掘削しながら少なくとも完全な円周を網羅するに至るまでのほぼ90°の中心垂直軸線回りのカッタホイール17の更なる回転(回動)により、坑底3は全体として掘削溝43の所定の溝深さに対応する新たな深さへ掘り下げないし掘り拡げられる。
【0032】
次に、図11に従うカッタホイール17の位置において、所定の溝深さに至るまでの新たな掘削溝43の掘削と、先行する掘り下げサイクルでとられた中心垂直軸線回りの回転(回動)方向とは好ましくは逆の回転方向による、中心垂直軸線回りのカッタホイール17の引き続く回転とによる後続の掘り下げサイクルが始まり、図7或いは図8に従う坑底3に対するカッタホイール17の配置状態が再び達せられるまで行われる。
【0033】
好ましくは一掘り下げサイクルの完了後に、坑掘進機1の鉛直配置状態が検査され、ずれがある場合には上記配向ステップが実行される。
【符号の説明】
【0034】
1 坑掘進機
2 地盤
3 坑底
4 坑(縦坑)
5 機体フレーム
6 位置決めリング
7 配向シリンダ
8 配向ユニット
9 配向シュー(配向靴状部材)
10 推進シリンダ
11 固定プレート
12 固定ユニット
13 固定シリンダ
14 固定キャリッジ(固定摺動装置)
15 ダストシールドセグメント(塵埃遮蔽装置の円形構成部分)
16 ダストシールド(塵埃遮蔽装置)
17 カッタホイール
18 掘削工具(ないし刃、例えばローラカッタ)
19 掘削ずり(屑、排土)収集器(スクレーパ)
20 軸受脚部(ベアリングレッグ)
21 支持足部(サポートフット)
22 コンクリート吹き付けノズル
23 アンカー穿孔装置
24 先行穿孔装置
25 垂直搬送ベルト
26 排出ステーション
27 作業プラットフォーム
28 掘削工具(刃)18の第1グループ
29 カッタホイール17の端面
30 掘削工具(刃)18の第2グループ
31 カッタホイール17の横腹領域
32 掘削工具(刃)18の第3グループ
33 垂直面内(水平軸線回り)回転駆動モータ
34 位置調節シリンダ
35 セグメントジョイント(円形構成部分の継ぎ手)
36 突起部
37 水平面内回転(垂直軸線回り回転)軸受装置
38 水平面内(垂直軸線回り)回転駆動モータ
39 掘削ずり収集路
40 収集ホッパー
41 偏向ローラ
42 垂直面内回転(水平軸線回り回転)軸受装置
43 掘削溝(掘り下げサイクル開始溝)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平軸線回りと、該水平軸線と交差する垂直軸線回りで回転可能なカッタホイール(17)を有する坑掘進機(1)を準備するステップと、縦坑(4)を掘り下げるために前記水平軸線回りと前記垂直軸線回りで前記カッタホイール(17)を回転させるステップとを含む、縦坑(4)の掘削方法であって、
前記縦坑(4)を掘り下げるために一掘り下げサイクル内で連続し、現在の坑底(3)よりも深くに位置する所定の溝深さを有する掘削溝(43)の掘設に至るまで前記水平軸線回りだけで前記カッタホイール(17)を回転させるステップと、該ステップに続き、前記溝深さ分だけ新たな坑底(3)が堀り下がるまで、前記溝深さで前記カッタホイール(17)を保持し、前記垂直線軸回りでも前記カッタホイール(17)を回転させるステップとを実行すること
を特徴とする方法。
【請求項2】
前記垂直軸線回りの前記カッタホイール(17)の回転を、交互に異なる回転方向で行うこと
を特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記水平軸線回りだけで前記カッタホイール(17)を回転させるステップを、前記水平軸線回りに加え前記垂直軸線回りでも前記カッタホイール(17)を回転させるステップの直後に行うこと
を特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記水平軸線回りと前記垂直軸線回りの前記カッタホイール(17)の回転中に連続的に掘削ずりを搬出すること
を特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
特に請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法を実行するための坑掘進機であって、所定数の掘削工具(18)を有するカッタホイール(17)と、該カッタホイール(17)を保持し且つ水平軸線回りで該カッタホイール(17)を回転させるための垂直面内回転軸受装置(42)と、中心垂直軸線回りで前記カッタホイール(17)を回転させるための水平面内回転軸受装置(37)とを備えた坑掘進機において、
複数の掘削工具(18)の一グループが、半径方向外側に位置する前記カッタホイール(17)の端面(29)に配置され、該一グループは、前記水平軸線回りだけの前記カッタホイール(17)の回転時には垂直方向で下方に向かって作用するよう設置されていること、及び、
複数の掘削工具(18)の別の一グループが、前記端面(29)に隣接する横腹領域(31)に配置され、該別の一グループは、前記水平軸線回り並びに水平回転方向の前記中心垂直軸線回りの前記カッタホイール(17)の回転時には該水平回転方向において作用するよう設置されていること
を特徴とする坑掘進機。
【請求項6】
前記水平軸受装置(37)は、少なくとも、前記水平軸線回りだけの前記カッタホイール(17)の回転により掘削溝(43)を掘削することと、
該掘削に続き、所定の溝深さに前記カッタホイール(17)を保持したまま前記水平軸線回りに加え前記中心垂直軸線回りでも前記カッタホイール(17)を回転させることにより坑底(3)が全面的に前記溝深さ分だけ掘り下げられるまで、前記カッタホイール(17)を前記中心垂直軸線回りで回転させるよう設置されていること
を特徴とする、請求項5に記載の坑掘進機。
【請求項7】
複数の掘削工具(18)の垂直方向に作用する前記グループ(28)と、複数の掘削工具(18)の水平方向に作用する前記グループ(32)との間に、複数の掘削工具(18)の更に別の一グループ(30)が設けられていて、この別の一グループの掘削工具は、前記カッタホイール(17)の回転時には垂直方向にも水平方向にも作用すること
を特徴とする、請求項5又は6に記載の坑掘進機。
【請求項8】
位置決め固定装置(6、12)が設けられていて、該位置決め固定装置(6、12)を用い、前記カッタホイール(17)は水平位置で位置決め可能であり、該水平位置において、複数の掘削工具(18)の垂直方向に作用する前記グループ(28)は、前記中心垂直軸線回りの前記カッタホイール(17)の回転時には作用を及ぼさないこと
を特徴とする、請求項5〜7のいずれか一項に記載の坑掘進機。
【請求項9】
前記位置決め固定装置は、機体フレーム(5)に固定装着された位置決めリング(6)を有し、該位置決めリング(6)には、各々の端部をもって所定数の推進シリンダ(10)が装着されていること、及び、該各々の推進シリンダ(10)は、前記位置決めリング(6)の反対側の端部をもって前記位置決め固定装置の固定ユニット(12)の固定キャリッジ(14)に装着されていて、該固定キャリッジ(14)は、前記機体フレーム(5)を垂直方向において摺動可能に備え、前記固定ユニット(12)の固定手段(11、13)を介し、所定の水平固定位置において坑(4)の壁と解除可能に位置決め固定可能であること
を特徴とする、請求項8に記載の坑掘進機。
【請求項10】
前記位置決めリング(6)には配向ユニット(8)が装着されていて、該配向ユニット(8)を用い、前記機体フレーム(5)は垂直方向に関して配向可能であること
を特徴とする、請求項9に記載の坑掘進機。
【請求項11】
前記位置決め固定装置は、前記カッタホイール(17)の両側面に配置されている所定数の支持足部(21)を有し、該支持足部(21)は、縦方向において、掘進前方に押し出された支持位置と掘進後方に引き戻された解除位置との間で摺動可能に備えられていること
を特徴とする、請求項10に記載の坑掘進機。
【請求項12】
前記カッタホイール(17)と前記固定キャリッジ(14)の間にダストシールド(16)が配置されていること
を特徴とする、請求項9〜11のいずれか一項に記載の坑掘進機。
【請求項13】
前記カッタホイール(17)に前記端面(29)の領域において所定数の掘削ずり収集器(19)が配置されていて、該掘削ずり収集器(19)を用い、前記掘削工具(18)により掘削された掘削ずりが前記カッタホイール(17)の中央部へ取り入れ可能であること
を特徴とする、請求項5〜12のいずれか一項に記載の坑掘進機。
【請求項14】
前記カッタホイール(17)の前記中央部に垂直搬送装置の坑底側の端部が配置されていて、該垂直搬送装置は掘削ずりを搭載可能であり、該垂直搬送装置を用い、前記坑底(3)から出る掘削ずりが搬出可能であること
を特徴とする、請求項13に記載の坑掘進機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公表番号】特表2011−529536(P2011−529536A)
【公表日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520327(P2011−520327)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際出願番号】PCT/EP2008/006318
【国際公開番号】WO2010/012290
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(511025455)ヘーレンクネヒト アーゲー (1)