説明

縦型電気掃除機

【課題】手やノズルを汚すことなく、サイクロン筒から塵埃を簡単に廃棄することができる縦型電気掃除機を提供すること。
【解決手段】電動送風機5を内蔵して構成された吸引機構部4及びこの吸引機構部4の下部に接続される塵埃分離手段とを有する掃除機本体2と、この掃除機本体2下部の受け接続口6に接続されるノズルとを有する縦型電気掃除機において、前記塵埃分離手段8を構成するサイクロン筒9の集塵室35の側部である周面35Bに、前記サイクロン筒9の内外を連通する廃棄用穴37を設けると共に、該穴37に開閉蓋36を設けたことにより、前記サイクロン筒9を前記吸引機構部4に取り付けたまま、また、前記サイクロン筒9に前記ノズル3を取り付けたまま、前記掃除機本体2を横にして前記開閉蓋36を開くことにより、手や前記ノズル3を汚すことなく、前記サイクロン筒9に溜まった塵埃を塵箱等に自然落下させて簡単に廃棄できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スティック型電気掃除機等と称される縦型電気掃除機に関するものであり、特に、サイクロン式の縦型電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の縦型電気掃除機は、上部にハンドルを設けると共に電動送風機を内蔵した吸引機構部に対し、塵埃分離手段を着脱自在に取り付けて構成された掃除機本体と、ノズルとを有し、前記電動送風機によって発生させられる吸引気流を前記ノズルから導いて、吸引気流に含まれる塵埃を前記塵埃分離手段で分離した後、溜めるものであった(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
そして、従来技術では、前記吸引機構部の下部に、前記塵埃分離手段を構成するサイクロン筒が接続される。そして、前記ノズルから導かれた吸引気流は、前記サイクロン筒内で渦流となることで、この渦流に含まれる塵埃が遠心分離される。そして、塵埃が除かれた清浄空気は、前記電動送風機を通過して、大気中に排出される。また、渦流から分離された塵埃は前記サイクロン筒内に溜められる。そして、前記サイクロン筒内に溜められた塵埃は、掃除後に前記サイクロン筒を前記吸引機構部より外して、前記サイクロン筒の開口部から廃棄される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−8576号公報
【特許文献2】特開2004−201875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の縦型電気掃除機は、前記吸引機構部から前記サイクロン筒全体を外して、このサイクロン筒の開口部から塵埃を廃棄し、その後再び前記サイクロン筒を前記吸引機構部に取り付けなければならず、手間がかかるばかりでなく、サイクロン筒内の塵埃によって手を汚してしまう虞があった。
【0006】
この問題点を解決するために、サイクロン筒の下端部に開口部を設け、この開口部を開閉蓋で閉塞するものも知られている。しかしながら、このような構造では、前記開閉蓋を開放して塵埃を廃棄する際に、塵埃が前記サイクロン筒の下方にあるノズルにかかってしまい、このノズルを汚してしまう虞がある。また、前記開口部が前記サイクロン筒の下端に設けられているため、サイクロン筒を吸引機構部から取り外さずに塵埃を廃棄しようとした場合、前記掃除機本体を縦にした状態で、掃除機全体を高く持ち上げなければならない。このため、前記サイクロン筒の下端に設けられた開口部から塵埃を捨てる場合であっても、結局、前記吸引機構部からサイクロン筒を取り外すことになってしまう。
【0007】
本発明は以上の問題点を解決し、手やノズルを汚すことなく、サイクロン筒から塵埃を簡単に廃棄することができる縦型電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、電動送風機を内蔵して構成された吸引機構部及びこの吸引機構部の下部に接続される塵埃分離手段とを有する掃除機本体と、この掃除機本体下部の接続口に接続されるノズルとを有する縦型電気掃除機において、前記塵埃分離手段を構成するサイクロン筒の側部に、このサイクロン筒の内外を連通する廃棄用穴を設けると共に、該穴に開閉蓋を設けたことを特徴とする縦型電気掃除機である。
【0009】
請求項2の発明は、前記廃棄用穴を、前記サイクロン筒の下側部に設けたことを特徴とする請求項1記載の縦型電気掃除機である。
【0010】
請求項3の発明は、前記サイクロン筒に、前記開閉蓋を開閉するための操作部を設けると共に、この操作部が、前記サイクロン筒における前記廃棄用穴とは反対側に位置するように設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の縦型電気掃除機である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、前記サイクロン筒を前記吸引機構部に取り付けたまま、また、前記サイクロン筒に前記ノズルを取り付けたまま、前記掃除機本体を横にした状態で、前記開閉蓋を開くことにより、手やノズルを汚すことなく、前記サイクロン筒に溜まった塵埃を塵箱等に自然落下させて簡単に廃棄できる。
【0012】
請求項2の発明によれば、前記サイクロン筒の下側部に前記廃棄用穴を設けたことで、サイクロン筒の底部に溜まった塵埃を、手やノズルを汚すことなく、確実に前記廃棄用穴から廃棄することができる。
【0013】
請求項3の発明によれば、前記開閉蓋を開閉するための操作部を、前記サイクロン筒における前記廃棄用穴とは反対側に配置することで、塵埃の廃棄時に、前記操作部が前記サイクロン筒における上側となるので、自然落下する塵埃で手を汚さないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例1を示す全体斜視図である。
【図2】同、後方に最大限倒した状態の全体側面図である。
【図3】同、ノズルの斜視図である。
【図4】同、接続管を立てた状態におけるノズルの断面図である。
【図5】同、接続管を後方に最大限倒した状態におけるノズルの断面図である。
【図6】同、接続管を立てた状態におけるノズル及びサイクロン筒まわりの斜め下方から見た斜視図である。
【図7】同、接続管を後方に少し倒した状態におけるノズル及びサイクロン筒まわりの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例1】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。図1〜2に示すように、縦型電気掃除機1は、掃除機本体2と、この掃除機本体2の下部に着脱自在に取り付けられるノズル3とを有して構成されている。
【0017】
前記掃除機本体2は、吸引機構部4と、この吸引機構部4に対して着脱自在に取り付けられる塵埃分離手段8とを有して構成される。前記吸引機構部4は、略円筒形のケーシング4Aの内部に電動送風機5を有して構成されている。また、前記掃除機本体2を構成する前記塵埃分離手段8の下部には、前記ノズル3を接続するための受け接続口6が設けられている。この受け接続口6は円筒状であって、その中心軸線7が上下方向に配置されている。また、前記塵埃分離手段8は、サイクロン筒9を有し、このサイクロン筒9が前記受け接続口6の上方外側に、前記中心軸線7と同軸状に配置されている。更に、前記吸引機構部4の前面、即ち前記掃除機本体2の上部前面には、前記電気掃除機1を持ち上げるための、コ字型の第一のハンドル10が前向きに設けられる。また、前記掃除機本体2の上端面の前側には、上方へ向けて棒状部11が突設していると共に、この棒状部11の上端に第二のハンドル12が設けられる。そして、この第二のハンドル12により、前記電気掃除機1を使用者の手で支持することができるようになっている。
【0018】
前記ノズル3は、図3〜5に示すように、扁平なノズル本体13と、このノズル本体13の後部に起伏方向に揺動可能に連結された接続管14とを有して構成されている。また、前記ノズル本体13の上面13Aの後部であって、前記ノズル本体13の左右方向の中央に、上向きの凸部15が設けられ、この凸部15の後側の上面から後面にかけて開口部16が形成されている。さらに、前記接続管14は受け接続口6に着脱可能に挿入される接続管部17と、この接続管部17の下部にやや屈曲して設けられて前記開口部16に接続される接続管14の基端となる短管部18とを有する。そして、前記ノズル本体13の前下部には、吸引口19が左右方向に形成されている。また、この吸引口19と前記開口部16とを連通するように、貫通経路20が設けられている。なお、この貫通経路20は、前方の前記吸込口19から後方の前記開口部16に向けて次第に高くなるように、傾斜して設けられている。さらに、前記開口部16に、前記接続管14の短管部18が連通している。なお、前記接続管部17の外周には、接続される前記受け接続口6に外嵌する外管21が設けられている。また、前記ノズル本体13の後下部の左右両側には、床面22上を転動する車輪23が設けられている。更に、前記吸引口19のやや後部に、ブラシ部24が設けられている。
【0019】
そして、前記開口部16に、前記接続管部17の短管部18が揺動可能に連結されている。この連結について説明する。なお、この説明では、図4の姿勢に基づいて、前後及び上下を規定する。前記開口部16の前端縁には、凹状の第一の円弧面25が形成されている。また、前記開口部16の底面から後端縁にかけて、前記第一の円弧面25と対向するように、凹状の第二の円弧面26が形成されている。なお、前記第一の円弧面25の曲率半径より、前記第二の円弧面26の曲率半径は大きく形成されている。そして、前記短管部18の下部前側には、前記第一の円弧面25に対して摺動可能に当接する第三の円弧面27が形成される。また、前記短管部18の後側には、間接的に前記第二の円弧面26側と摺動可能に当接する第四の円弧面28が形成される。なお、本実施例では、前記第二の円弧面26と第四の円弧面28との間に、円弧面部材29が摺動自在に介在している。前記第四の円弧面28の下端縁部には、後方、即ち前記貫通経路20と反対側に向けて掛部30が設けられると共に、前記第四の円弧面28と隣接する前記円弧面部材29の上端縁部には、前方、即ち前記貫通経路20側に向けて受部31が設けられる。そして、この受部31は、前記掛部30に掛かるように構成される。即ち、図4に示すように、前記接続管14を立てた状態では、前記第四の円弧面28の下端と、前記開口部16の後端との間に開口が生じるが、前記受部31が前記掛部30に掛かることによって、前記円弧面部材29が前記接続管14に吊り下げられるので、前記第四の円弧面28の下端と前記開口部16の後端との間の開口が前記円弧面部材29によって塞がれる。一方、図5に示すように、前記接続管14を後方に最大限倒した状態では、前記掛部30と受部31とが離れ、前記第四の円弧面28と、円弧面部材29と、前記第二の円弧面26とが重なった状態となる。即ち、この状態では、前記円弧面部材29は、前記開口部16から前記ノズル本体13内に収容される。なお、前記接続管14及び円弧面部材29は、前記ノズル本体13に対し、前記第一の円弧面25及び第三の円弧面27の中心を回動中心32として揺動可能となるように設けられる。
【0020】
そして、前記接続管14、ひいてはこれに接続された前記掃除機本体2が後方に最大限倒された状態にあって、前記床面22から前記接続管14の回動中心32までの第一の高さAは、前記塵埃分離手段8を備えている前記掃除機本体2の上下方向の第二の高さBのほぼ半分、具体的には、第一の高さAは第二の高さBの1/3〜2/3の範囲に設定されている。なお、第一の高さAが第二の高さBの1/3より小さい場合、前記凸部15の高さ、即ち、この凸部15に設けられる前記回動中心32の第一の高さAが低すぎるか、前記接続管14の設計上の最大傾斜角度が小さすぎるか、或いは前記掃除機本体2が大きすぎるということなので、適正に設計すべきである。一方、第一の高さAが第二の高さBの2/3より大きい場合、現実的には、前記凸部15の高さ、即ち第一の高さAが高すぎるということなので、適正に設計すべきである。なお、前記中心軸線7から前記掃除機本体2の後端までの距離(本実施例では、前記中心軸線7から後述するフック44又は44Aの後端までの距離、そのような突起物がない場合は、前記吸引機構部4又はサイクロン筒8の半径)が、前記第一の高さAと等しいか、又はそれよりも小さければ理想的である。このような構造であれば、前記中心軸線7が水平となるまで前記掃除機本体2を後方に倒すことが可能である。但し、現実的には、前記フック44又は44Aが床面22に接して床面22を傷めないように、前記掃除機本体2を最大限後方に倒した状態において、前記中心軸線7が水平よりもやや後上がりとなるように設計される。
【0021】
前記塵埃分離手段8は、図6,7に示すように、前記サイクロン筒9と、このサイクロン筒9内に着脱自在に設けられる渦流発生部材34とを有して構成される。前記サイクロン筒9は、前記受け接続口6と、この受け接続口6の中心軸線7と同軸状であって前記受け接続口6の上部に連通する導入管部33と、径大な集塵室35とを有して一体的に形成される。そして、前記渦流発生部材34は、その下端が前記導入管部33の上部に接続されると共に、その上端が前記サイクロン筒9の上端開口に位置するように構成される。なお、前記渦流発生部材34の上端部は、前記吸引機構部4の電動送風機5に対向して設けられる。前記集塵室35は、サイクロン筒9の下部に連通している中空形状である。この集塵室35は、前記導入管部33の外側を中心軸線7と同軸状に囲んだ形状であって、底面35Aと、この底面35Aの外周から軸方向に延びて形成された周面35Bとを備えている。これによって、前記掃除機本体2に設けられた前記電動送風機5によって発生させられる吸引気流は、前記ノズル3の吸引口19から前記接続管14を介してサイクロン筒9に導かれ、前記サイクロン筒9において前記渦流発生部材34によって旋回流とされ、遠心力によって塵埃が除かれた後、前記電動送風機を通過して前記掃除機本体2の外部に放出される。この際、前記サイクロン筒9内の旋回流は、このサイクロン筒9の内壁に沿って旋回しながら前記集塵室35に向かって下降し、この集塵室35内に分離された塵埃を溜めた後、上昇する。
【0022】
そして、前記集塵室35の後部には、前記底面35Aから周面35Bにかけて廃棄用穴37が形成されており、この廃棄用穴37を塞ぐように、集塵排出用の開閉蓋36が設けられている。なお、前記廃棄用穴37は、前記集塵室35のほぼ後側半分を切り欠いて形成される。そして、前記開閉蓋36は、前記底面35Aに対応した開閉底部36Aと、前記周面35Bに対応した開閉周面部36Bとを有している。そして、前述したように、開閉蓋36を含めた前記集塵室35は、少なくともその内面が、前記中心軸線7を中心としたほぼ円筒状である。また、前記開閉蓋36は、前記開閉周面部36Bの上縁の中央において、前記廃棄用穴37の上縁の中央と横向きなヒンジ軸38を介して開閉可能に接続されている。
【0023】
また、前記サイクロン筒9には、前記開閉蓋36を閉蓋するための閉蓋ロック装置39が設けられる。この閉蓋ロック装置39は、前記集塵室35の底面35Aに設けられるロック部材40と、前記開閉蓋36の開閉底部36Aに設けられた下向き爪状のロック受け部41とで構成される。前記ロック部材40は、前部に設けられた操作部40Aと、中間部に設けられた回動支持部40Bと、後部に前記導入管部33を二股状に迂回して設けられた延長部40Cを有して構成される。即ち、前記ロック部材40は、回動支持部40Bを中心に、前記サイクロン筒9に対して揺動可能となっている。そして、前記延長部40Cの先端には、前記ロック受け部41と係合可能な上向き爪状の係止部40Dが設けられる。そして、前記サイクロン筒9とロック部材40との間には、前記操作部40Aを下方に付勢するように、換言すれば、前記延長部40Cを上方に付勢するように、図示しない付勢手段が設けられる。
【0024】
なお、図中42は開閉蓋36の縁に装着されたパッキン、43は電源コードであって、不使用時には前記ケーシング4とサイクロン筒9にそれぞれ設けられたフック44,44Aに巻き付けられるようになっている。
【0025】
次に、本実施形態の作用について説明する。まず、前記床面22を掃除する場合、使用者は前記第二のハンドル12を把持し、前記ノズル3に対して前記掃除機本体2を適度に傾けた状態で前記電動送風機5を作動させることで、塵埃を含んだ吸引気流を前記ノズル3の吸引口19から吸引する。この際、前記ノズル3のノズル本体13に前記凸部15を設けることで、前記接続管14の回動中心32を比較的高くし、前記接続管14と掃除機本体2とを中心軸線7を基準として同軸状としたことで、第一の高さAを第二の高さBのほぼ半分、実施例では第二の高さBの1/3〜2/3に設定することが可能となり、これによって、前記塵埃分離手段8を備えた前記掃除機本体2を前記床面22に可及的に近づけることができ、この結果、前記掃除機本体2を水平或いはそれに近い状態まで倒すことができる。このように、前記掃除機本体2を水平或いはそれに近い状態まで倒すことで、ベッドや椅子等の下の床面22を清掃する際に、前記ノズル3を奥まで挿入することができる。
【0026】
そして、前記電動送風機5を作動させることで、前記吸引口19から吸引された吸引気流は、前記貫通経路20及び接続管14を通過して、前記塵埃分離手段8の渦流発生部材34から前記サイクロン筒9内に流入する。そして、このサイクロン筒9内に流入した吸引気流は、このサイクロン筒9の内周壁に沿って回転しながら下降する渦流とされる。そして、このように前記サイクロン筒9内で渦流を作り出すことで、この渦流(吸引気流)に含まれる塵埃が遠心力によって前記サイクロン筒9の内周壁に押し付けられ、これによって、塵埃が渦流(吸引気流)から分離されて、前記集塵室35内に溜められることになる。そして、遠心力によって塵埃が分離されて清浄になった吸引気流は、前記サイクロン筒9の中央側で上昇し、フィルタ(図示せず)、さらには前記電動送風機5を通過して大気に排気される。
【0027】
そして、掃除後において、前記集塵室35内の塵埃を廃棄する場合、前記掃除機本体2を傾けて、前記廃棄用穴37を下に向けた状態で、指で前記操作部40Aを前記集塵室35側に押圧する。これによって、前記ロック部材40が、前記回動支持部40Bを回動中心として揺動し、前記係止部40Dが前記ロック受け部41から離れることで、前記ロック部材40とロック受け部41との係止状態が解除される。これによって、前記ヒンジ軸38を中心として、前記開閉蓋36が重力によって前記廃棄用穴37より離れ、この廃棄用穴37を開放する。このように、前記集塵室35の側部に設けられた前記廃棄用穴37を開放することで、前記塵埃分離手段8を前記吸引機構部4から取り外すことなく、また、前記ノズル3を前記塵埃分離手段8から取り外すことなく、前記集塵室35から塵埃を廃棄することができる。なお、前記掃除機本体2を傾斜させた状態では、前記操作部40Aは、前記サイクロン筒9の集塵室35の底面35Aにおける上側となるので、前記操作部40Aを操作しても、この操作部40Aを操作する手は、前記集塵室35内の塵埃によって汚れることがない。
【0028】
以上のように、上記実施例では、電動送風機5を内蔵して構成された吸引機構部4及びこの吸引機構部4の下部に接続される塵埃分離手段とを有する掃除機本体2と、この掃除機本体2下部の受け接続口6に接続されるノズルとを有する縦型電気掃除機において、前記塵埃分離手段8を構成するサイクロン筒9の集塵室35の側部である周面35Bに、前記サイクロン筒9の内外を連通する廃棄用穴37を設けると共に、該穴37に開閉蓋36を設けたことにより、前記サイクロン筒9を前記吸引機構部4に取り付けたまま、また、前記サイクロン筒9に前記ノズル3を取り付けたまま、前記掃除機本体2を横にした状態で、前記開閉蓋36を開くことにより、手や前記ノズル3を汚すことなく、前記サイクロン筒9に溜まった塵埃を塵箱等に自然落下させて簡単に廃棄できる。
【0029】
また、前記サイクロン筒9の下側部である前記集塵室35の周面35Bに、前記廃棄用穴37を設けたことで、前記サイクロン筒9の底部である前記集塵室35に溜まった塵埃を、手や前記ノズル3を汚すことなく、確実に前記廃棄用穴37から廃棄することができる。
【0030】
更に、前記開閉蓋36を開閉するための操作部40Aを、前記サイクロン筒9の集塵室35の底面35Aにおける、前記廃棄用穴37とは反対側となる位置に配置することで、塵埃の廃棄時に、前記操作部40Aが前記サイクロン筒9における上側となるので、自然落下する塵埃で手を汚さないようにすることができる。
【0031】
なお、本発明は以上の実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上記実施例では、前記廃棄用穴と開閉蓋を前記サイクロン筒の後部に、前記操作部を前記サイクロン筒の前部に設けたが、要は、前記廃棄用穴と開閉蓋とが前記操作部の反対側に位置していれば良いので、前記廃棄用穴と開閉蓋を前記サイクロン筒の前部に、前記操作部を前記サイクロン筒の後部に設けても良く、また、前記廃棄用穴と開閉蓋を前記サイクロン筒の右又は左に、前記操作部を前記サイクロン筒の左又は右に設けても良い。
【符号の説明】
【0032】
2 掃除機本体
3 ノズル
4 吸引機構部
5 電動送風機
8 塵埃分離手段
9 サイクロン筒
35 集塵室
35B 周面(サイクロン筒の側部)
36 開閉蓋
37 廃棄用穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動送風機を内蔵して構成された吸引機構部及びこの吸引機構部の下部に接続される塵埃分離手段とを有する掃除機本体と、
この掃除機本体下部の接続口に接続されるノズルとを有する縦型電気掃除機において、
前記塵埃分離手段を構成するサイクロン筒の側部に、このサイクロン筒の内外を連通する廃棄用穴を設けると共に、該穴に開閉蓋を設けたことを特徴とする縦型電気掃除機。
【請求項2】
前記廃棄用穴を、前記サイクロン筒の下側部に設けたことを特徴とする請求項1記載の縦型電気掃除機。
【請求項3】
前記サイクロン筒に、前記開閉蓋を開閉するための操作部を設けると共に、この操作部が、前記サイクロン筒における前記廃棄用穴とは反対側に位置するように設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の縦型電気掃除機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate