説明

縫合糸アンカー装填器具

手動によって縫合糸アンカー部材を装填する器具であり、該器具は、オペレータが針の先端に触れるのを防止する第一及び第二の部分を備えている本体を有している。該本体の前記第一の部分には、縫合糸アンカー部材を収容且つ保持する形状とされているアンカー収容部分が設けられている。縫合糸収容部分は、前記アンカー収容部分に結合されている第一の端部と、前記本体の外面に設けられている第二の端部とを備えていて、前記縫合糸収容部分が、非平行な角度をなして前記アンカー収容部分から外方へ延びるようになされている。縫合糸がピンと張られると、前記アンカー部材は、前記アンカー収容部分に対して並進及び回転しないように拘束される。前記本体の前記第二の部分に設けられている針収容部分は、針が該針収容部分内を進入せしめられるときに、前記縫合糸アンカー部材が針の管腔内に収容されるように、針を収容する形状とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、縫合糸を組織に結合するための内臓アンカーに関し、更に特定すると、内臓アンカー構造を導入器内へ装填するために使用される器具に関する。
【背景技術】
【0002】
体壁の穿孔は、自然に発生するか又は意図的に若しくは意図せずに形成される。これらの穿孔を永久に閉塞させ且つ組織を適正に治癒させるために、縫合糸接着剤、クリップ、ステープル等を使用する多くの医療器具及び方法が開発されて来た。このような器具のうちの1つの種類は、一般的に、組織アンカー、十字型アンカー、又は内臓アンカーと称されている。例示的な組織アンカーが、米国特許第5,123,914号に開示されている。該米国特許の全内容は、これに言及することにより本明細書に参考として組み入れられている。
【0003】
組織アンカーは、典型的には、縫合糸に結合されるクロスバー又はある種のアンカー部材を備えている。該アンカー部材及び縫合糸は多くの形態をとり得る。一般的に、縫合糸とアンカー部材とは、針の中空遠位先端内に収納される。針は、通常は、患者の体内の所望の治療部位における針の給送及び配備を容易にするために、給送カテーテル又はシース内に収納される。給送カテーテルが治療部位へと進入せしめられると、針が使用されて組織が穿刺され且つアンカー部材が組織の一方の面上へと通され、縫合糸は、針によって形成された穴を通されて組織の反対側の面へと戻されて該穴の中を貫通したままとされる。幾つかの処置においては、アンカー部材を配備させる際に、1以上の組織アンカーの縫合糸は集められ且つ例えば縫合糸を結び合わせることにより相互に結合される。
【0004】
典型的には、アンカー部材は、製造中に又は使用中に医師によって針内に装填され、その結果、オペレータが尖った針及び汚染された針が使用中に再度装填される場合に起こり得る感染に曝される。従って、オペレータが、尖った針及び起こり得る感染に曝されることなくアンカー部材を装填するための改良された方法及び器具が望まれていることが本発明者に明らかになった。
【発明の概要】
【0005】
縫合糸アンカー装填器具が記載されており、該縫合糸アンカー装填器具は、オペレータが手動によって縫合糸アンカー部材を針の中へ装填するときに針の尖った先端に触れないようにオペレータを保護することができる。本発明は、以下の特徴のいずれかを種々の組み合わせで含むことができ且つ該明細書において以下に説明され又は添付図面に記載されている他の特徴をも含んでいる。
【0006】
一つの特徴においては、縫合糸アンカー部材装填器具はアンカー装填本体を備えており、該アンカー装填本体は、縫合糸アンカー部材を手動によって針に装填する際にオペレータが針の先端に接触するのを防止する形状とされている第一及び第二の部分を備えている。該本体の前記第一の部分には、アンカー収容部分が設けられており、該アンカー収納部分は、縫合糸アンカー部材を収容且つ拘束する形状とされている。前記本体の第一の部分には、縫合糸収容部分も設けられている。該縫合糸収容部分は、前記アンカー収容部分と接続されている第一の端部と、前記本体の外側面上に配置されている第二の端部とを有している。一つの実施形態においては、縫合糸収容部分は前記アンカー収容部分からある角度をなして離れる方向に延びている。該縫合糸収容部分は縫合糸を収容する形状とされており、該縫合糸は、該縫合糸が引っ張られると前記縫合糸アンカー部材がアンカー収容部分に対して並進方向及び回転方向に拘束されるように縫合糸アンカー部材に結合されている。
【0007】
この縫合糸アンカー部材装填器具はまた、本体の第二の部分に設けられている針収容部分をも備えている。該針収容部分は、針が該針収容部分内を滑らせて進入せしめられると、縫合糸アンカー部材が針の管腔内に収納されるように針を収容且つ摺動可能な状態で拘束する形状とされている。
【0008】
別の特徴においては、アンカー収容部分、縫合糸収容部分、及び針収容部分は、アンカー装填本体の外面からその中心部分に向かって延びている長溝とされている。一つの実施形態においては、縫合糸収容部分は、本体の外面から本体の中心に向かって延びているスリットであり、該スリットは、縫合糸がこのスリット内に配置されていないときに相互に係合する互いに対向している部分を備えており、該対向している部分は、縫合糸が該スリット内の該対向している部分間に配置されているときに縫合糸と係合し且つ該縫合糸を摩擦によって固定する。一つの特徴においては、前記の針収容部分とアンカー収容部分とはほぼ同軸状である。
【0009】
もう一つ別の特徴においては、アンカー部材収容部分は、その外側部分が第一の幅であり、その内側部分が第二の幅である長溝とすることができる。第二の幅は第一の幅よりも大きい。一つの実施形態においては、針収容部分とアンカー部材収容部分とは相互に結合されており、アンカー部材収容用の長溝の第一の幅及び第二の幅は、各々、針収容用の長溝の第一の幅及び第二の幅とほぼ同じであって、アンカー部材収容用の長溝と針収容用の長溝とは、ほぼ同じ形状の単一の実質的に連続している長溝を形成している。
【0010】
別の実施例においては、本体の第一の部分と第二の部分とは、ヒンジ部材によって相互に結合されている。該本体は、前記の第一部分と第二の部分とが相対的に変位せしめられている第一の形態と、前記第一の部分と第二の部分とが前記ヒンジ部材を中心に互いに近づく方向に回転せしめられて前記アンカー収容部分が前記針収容部分に隣接して配置されて、針が針収容部分内を滑らされて進入せしめられると、縫合糸アンカー部材が針の管腔内に挿入せしめられる。ヒンジ部材は、前記第一の部分が第一の端部に且つ前記第二の部分が第二の端部に一体として形成として形成されている可撓性の部材とされている。一つの特徴においては、アンカー収容部分は、その外面から外方へ突出している針整合部材を備えている。該針整合部分は、針が針収容部分内を進入せしめられると、針と係合し且つ該針と整合する形状とされている。
【0011】
一つの特徴においては、縫合糸アンカー部材装填器具を備えたキットが設けられる。該縫合糸アンカー部材装填器具は、オペレータが手動によって縫合糸アンカー部材を針内に装着する際に針の尖端と接触するのを防止する形状とされた第一及び第二の部分を備えたアンカー装着本体を備えている。アンカー収容部分は前記本体の第一の部分に設けられ、前記アンカー収容部分は縫合糸アンカー部材を収容且つ拘束する形状とされている。縫合糸収容部分は、本体の第一の部分にも設けられている。縫合糸収容部分は、前記アンカー収容部分と接続されている第一の端部と、本体の外面上に設けられている第二の端部とを備えている。縫合糸収容部分は、アンカー収容部分からある角度をなして外方へ延びており且つ縫合糸アンカー部材に結合されている縫合糸を収容する形状とされていて、縫合糸がピンと張られると縫合糸アンカー部材がアンカー収容部分に対して並進方向及び回転方向に関して拘束される。針収容部分は、本体の第二の部分に設けられており且つ針を収容且つ摺動しないように拘束する形状とされていて、針が針収容部分内を滑らせて進入せしめられると、縫合糸アンカー部材が針の管腔内に収容されるようになされている。
【0012】
該キットには更に、縫合糸の第一の端部に取り付けられた少なくとも1つの縫合糸アンカー部材と、給送針とが設けられている。給送針は、尖った遠位端と、針の中心軸線に沿って伸長している管腔と、前記尖った遠位端に設けられている溝とを備えている。該管腔は、縫合糸アンカー部材を摺動可能形態で収容することができる大きさとされており、前記溝は、前記の尖った遠位端の遠位部分から近位方向へ延びている。前記の溝は、縫合糸の一部分を収容する形状とされている。給送針を摺動可能な形態で収容することができる大きさとされている管腔を備えているシースもまた備えられている。該シースは、その遠位端に設けられたスリットを備えており、該スリットは互に対向している部分を備えており、該対向部分は、該スリット内に縫合糸が配置されていないときには相互に係合し且つ縫合糸がスリット内で且つ該対向している部分間に配置されているときには縫合糸と係合して該縫合糸を摩擦によって固定する。縫合糸アンカー部材、縫合糸、縫合糸アンカー部材装填器具、給送針、シースを取り外しできる状態で固定しているパッケージングもまた含まれている。
【0013】
手動によって縫合糸アンカー部材を針内へ装填する方法は、縫合糸アンカー部材が手動によって針内へ装填される際に、オペレータが針の尖端に接触するのを防止する形状とされているアンカー装填本体を準備するステップと、縫合糸に取り付けられたアンカー部材を、前記のアンカー装填本体の第一の部分に設けられていて前記アンカー部材を収容する形状とされているアンカー部材収容部分に挿入するステップと、前記アンカー部材を、縫合糸が前記アンカー部材収容部分と角度をなして結合されている縫合糸収容部分と実質的に整合されるまで、前記アンカー部材収容部分に沿って摺動させながら進入させるステップと、縫合糸を前記縫合糸収容部分内に配置するステップと、縫合糸をピンと張ることによって、前記アンカー部材を前記アンカー部材収容部分の一部と係合させて前記アンカー部材が前記アンカー部材収容部分に対して拘束されるようにするステップと、前記針を前記針収容部分内に挿入するステップと、針が前記アンカー部材に接触するまで針を摺らせながら進入させるステップと、針を、前記アンカー部分の端部が針の尖端内に収容するように操作するステップと、前記アンカー部材のほぼ全体が前記針の管腔内に収納されるまで針を進入させるステップと、を含んでいる。
【0014】
手動によって縫合糸アンカー部材を針内へ装填する別の方法は、第一及び第二の部分を備えているアンカー装填本体であって、縫合糸アンカー部材が針内へ装填されるときにオペレータが針の尖端と接触するのを防止する形状とされており、前記第一の部分と第二の部分とはヒンジ部材によって回転可能な形態で相互に結合されている前記アンカー装填本体を準備するステップと、縫合糸に取り付けられているアンカー部材を、前記アンカー装填本体の第一の部分に設けられていて前記アンカー部材を収容する形状とされているアンカー部材収容部分内に配置して、前記縫合糸が前記アンカー部材収容部分と角度をなして接続されている縫合糸収容部分とほぼ整合されるようにするステップと、前記縫合糸を前記縫合糸収容部分内に配置するステップと、前記縫合糸をピンと張ることによって、前記アンカー部材を前記アンカー部材収容部分の一部分と係合させて、前記アンカー部材が前記アンカー部材収容部分に対して拘束されるようにするステップと、針を前記針収容部分内に挿入するステップと、前記第一の部分を前記ヒンジ部材を中心として前記第二の部分に近づく方向に回転させて前記アンカー部材が前記針収容部分に隣接するようにさせるステップと、針を、前記アンカー収容部分と前記針収容部分との間で針が前記アンカー部材に接するまで滑らせながら進入させるステップと、前記アンカー部分の端部が針の尖端内に収納されるように針を操作するステップと、針を、前記アンカー部材のほぼ全体が針の管腔内に収容されるまで針を進入させるステップと、を含んでいる。
【0015】
上記のパラグラフは、概略的な導入部として提供されたものであり、特許請求の範囲の範囲を限定することを意図したものではない。現在のところ好ましい実施例は、更に別の利点と共に、添付図面に関連付けてなされている以下の詳細な説明を参考にすることによって最も良く理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明は、図面と関連付けられた以下の説明を読むことによって更に詳しく理解できる。
【図1】図1は、縫合糸アンカー部材装填器具の一実施例の初期状態における斜視図である。
【図2】図2は、縫合糸アンカー部材及びアンカー収容部分上の縫合糸の配置を示している図1の実施例のアンカー収容部分の拡大斜視図である。
【図3】図3は、針収容部分上における被覆付きの針の配置を示している図1の針収容部分の拡大斜視図である。
【図4】図4は、アンカー部材挿入状態における図1の実施例の斜視図である。
【図5a】図5aは、アンカー部材挿入状態における図4の実施例の側方断面図である。
【図5b】図5bは、給送カテーテル内に収納されている針の斜視図である。
【図6】図6は、縫合糸アンカー部材装填器具のもう一つ別の実施例の斜視図である。
【図7】図7は、図6の実施例の端面図である。
【図8】図8は、縫合糸アンカー部材を被覆付きの針内に装填するプロセスを示している図6の実施例の頂面図である。
【図9】図9は、縫合糸アンカー部材を被覆付きの針内に装填するプロセスを示している図6の実施例の頂面図である。
【図10】図10は、縫合糸アンカー部材を被覆付きの針内に装填するプロセスを示している図6の実施例の頂面図である。
【図11】図11は、縫合糸アンカー部材を被覆付きの針内に装填するプロセスを示している図6の実施例の頂面図である。
【図12】図12は、縫合糸アンカー部材が針内に装填された後の図6の実施例の端部の拡大図である。
【図13】図13は、図6に対する代替的な実施例の頂面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面を参照すると、図1〜5bは、本発明の一実施例による縫合糸アンカー部材を針内に装填するための器具を示している。以下の説明は、縫合糸アンカー部材を針内に挿入することについてのものであるが、本発明はこれに限定されず、縫合糸アンカー部材をカニューレ又は汚染され且つオペレータが触ることによってオペレータを傷付け若しくは有害な病原菌に曝す鋭い端縁又は構造を有しているあらゆる収容構造に装填するために使用することができることは理解できるはずである。米国特許第5,123,914号及び米国特許出願第11/946,565号には、例示的な針及び給送装置アンカーが開示されている。これらの特許及び特許出願は、これに言及することにより、それらの全体が本明細書に参考として組み入れられている。
【0018】
例えば図5bに示されているように、針182は、該針182とその周囲に配置されているシース180とを備えている医療装置の管腔及び長手軸線を規定している。針182は、ステンレス鋼又はニチノ―ルのような金属又は合金によって作られるが、当該技術において公知の他の金属、合金、重合体が針182用として使用することができる。針の管腔は、その内部に縫合糸アンカー部材190を摺動可能な形態で収容できる大きさとされている。特に、縫合糸アンカー部材190は、概ね、係留構造と、該係留構造に取り付けられている縫合糸192とからなる。縫合糸アンカー部材190は、縫合糸192の一部分と共に針の管腔内に収容される。針182の尖端を含む遠位端は溝183をも規定しており、該溝183は、長手方向に沿って延びており且つ針182の遠位端において長手方向に開口している。溝183は、その中に縫合糸192を収容することができる大きさとされている。針182は溝183を備えていてもいなくても良いけれども、溝183を設けることによって縫合糸182を針182の尖った遠位先端から安全に保つことが好ましいことは理解できるはずである。
【0019】
シース180は、その内部に針182を摺動可能な形態で収容することができる大きさのシース管腔を規定している。シース180は、プラスチック、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、発泡ポリテトラフルオロエチレン(EPTFE)、ポリエチレン・エーテル・ケトン(PEEK)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリカーボネイト(PC)、ナイロンを含むポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエチレン(高、中、低密度)、又はサントプレーン(Santoprene(登録商標))のようなエラストマ補強ワイヤ、コイル、フィラメントを備えているか若しくは備えていない多層構造又は単一層構造を有しているエラストラによって作られる。シース180の遠位端には、縫合糸保持スリット181が形成されている。作動中においては、縫合糸アンカー部材190が針182の遠位端内に装填されると、縫合糸192が近位方向へ引っ張られて、該縫合糸アンカー部材は針182/溝183に対して張力がかけられる。次いで、該縫合糸は、縫合糸保持スリット181内に挿入され、その結果、縫合糸192は、摩擦によって固定されて縫合糸アンカー部材190が不意に針182から外れた状態になるのが防止される。
【0020】
図1を参照すると、縫合糸アンカー部材装填器具100は、第一の部分140と第二の部分160とを備えている本体101を備えている。前記第一の部分は主本体を備えており、該主本体は、ほぼ“D”字形状であり且つ人間の指を収容する大きさの穴形状のオペレータインターフェース構造170を備えている。該主本体はまた、この主本体の上方部分に設けられている係止用の切欠き124をも備えている。係止用の切欠き124はテーパーが付けられている“V”字形状を有しており、該V字形状は、縫合糸が切欠き124の開口した広い部分に挿入され且つその狭い閉塞された部分に向かって進入せしめられるときに、該縫合糸を収容且つ摩擦によって固定する大きさとされている。
【0021】
第一の部分140は更に、前記主本体から外方へ延びているテーパーが付けられている突出部142を備えている。テーパーが付けられている突出部142は、第二の部分160上に設けられている針収容部分130とかみ合う形状とされている。アンカー収容部分110が、テーパーが付けられている突出部142の外面上に設けられており且つ縫合糸アンカー部材190(図2に示されている)を収容且つその外面に対して保持する形状とされている。縫合糸アンカー部材190は、ステンレス鋼製のカニューレ又はその他の生体適合性材料によって作られたほぼ筒形の部材であり且つその長手方向中心が縫合糸192に結合されていて“T”字形状とされている。従って、一つの実施例においては、アンカー部材収容部分110は、ほぼ筒形状の溝として形成されており、該溝の直径は、筒形のT字形状アンカーの直径より若干大きいサイズである(図1及び2)。アンカー部材収容部分110の表面には針整合部材112が設けられており、この針整合部材112は、針182の遠位先端に切り込まれている溝183を縫合糸192と整合させる補助とされる。針整合部材112は、アンカー部材収容部分110の表面から外方へ直角に突出しており且つ図5bに示されているように溝183と係合する形状とされている。例えば限定的ではないが、針整合部材112は、矩形、三角形、又は“U”字形状の断面を有している持ち上がったタブ又はうね状突起とすることができる。針182内の溝183と係合し且つ該溝と整合することができる他の形状も考えられる。
【0022】
アンカー収容部分110の長手方向中心又はその近くには、縫合糸収容部分120が設けられている。縫合糸収容部分120は、アンカー収容部分110からオペレータインターフェース構造170に向かってある角度をなして外方へ延びていて、縫合糸収容部分120とアンカー収容部分110とがほぼ“T”字形状の結合部を形成し且つ相互に接続されている。縫合糸収容部分120は、角度が付けられている縫合糸192/縫合糸アンカー部材結合部を収容するように、アンカー部材収容部分110から斜めの角度をなして外方へ延びており、該角度は典型的には、20°〜90°の範囲である。幾つかの実施例においては、縫合糸収容部分120は、アンカー部材収容部分110から、該溝形状のアンカー収容部分110の溝に対して正接している面から測定して非平行に(例えば、0°よりも大きく180°より小さい範囲の角度で)外方へ角度をなしている。他の実施例においては、縫合糸アンカー収容部分120は、アンカー部材収容部分110から約90°以下の角度をなし且つアンカー部材から外方へ約45°〜80°の角度をなしている。
【0023】
縫合糸収容部分120は、図1に示されている溝形状であっても良いし図1aに示されているスリット形状であっても良い。スリット形状の実施例においては、縫合糸収容部分120は、スリット120内への縫合糸192の挿入を補助するためのガイド用切り欠き121を備えている。ガイド用切り欠き121は、縫合糸収容部分120とアンカー収容部分110との間の角度が付けられた結合部に設けられている。
【0024】
図3を参照すると、本体101の第二の部分160は針収容部分130を備えている。針収容部分130は、“V”字形状の外形の溝であり、該溝は、第一の部分140のテーパーが付けられている突出部142の少なくとも一部分を収容できる大きさ及び形状とされている。溝形状の針収容部分130の溝は大まかにはシース180の直径と等しい大きさとされている丸味が付けられた形状を有している。第一の部分140と同様に、第二の部分160もまた、人間の指を収容できる大きさとされている穴形状のオペレータインターフェース構造を備えている。
【0025】
これらの第一の部分と第二の部分とはヒンジ部材150によって結合されており、ヒンジ部材150は、縫合糸アンカー部材装填器具100が、前記の第一及び第二の部分が図1に示されている回転方向にずらされた初期形状/位置と、図4に示されているように第一の部分140のテーパー付きの突出部142が第二の部分の針収容部分130内に配置される装填位置との間を回転することができるようにしている。ヒンジ部材150は、本体101の第一の部分及び第二の部分140,160と一体に形成されている可撓性のストリップ材によって作られている。ヒンジ部材150は、本体101の第一及び第二の部分140,160と同じか材料又は異なる材料によって作られる。しかしながら、ヒンジ部材150は、これに限定されず、接着剤、機械的取り付け部材等によって第一及び第二の部材140,160に取り付けられても良いことはわかるはずである。更に、非可撓性の機械的関節結合ヒンジ部材150もまた考えられ、例えば、限定的ではないが、ピン結合、ボール結合、ソケット結合も考えられる。
【0026】
作動時には、縫合糸アンカー部材190は、アンカー収容部分110の外面上に配置されており且つ縫合糸192が縫合糸収容部分120と整合されるように長手方向に位置決めされる(図2)。次いで、縫合糸は、縫合糸収容部分120内に位置決めされ且つピンと張られて、縫合糸アンカー部材190がアンカー部材収容部分110の壁と接触するようにさせる。アンカー部材収容部分110は縫合糸アンカー部材190形状をほぼ反映した丸味を付けられた溝形状を有しているので、アンカー収容部分110の壁は縫合糸アンカー部材190が回転するのを防止する。更に、縫合糸はピンと張られるので、縫合糸192と縫合糸収容部分120の壁との間の干渉によって、アンカー部材190がアンカー部材収容部分110に沿って長手方向に並進するのが防止される。このように、縫合糸がひとたびピンと張られると、縫合糸アンカー部材190の動きは、図2に示されているように、3つの自由度の全てが制限される。次いで、縫合糸は、オペレータによってピンと張られた状態に保持されるか又は係止用切欠き124内に挿入されて張力が維持される。
【0027】
縫合糸収容部分120がスリットである実施例においては、縫合糸192は、最初にガイド用切り欠き121に配置され、次いで張力によってスリット内ヘと下方へ引かれる。
縫合糸192がスリット内へと移動するとき、縫合糸192は、スリットの互いに対向している壁を相対的に離れる方向に付勢し、これによって、縫合糸192を圧縮状態にし且つ該縫合糸192を摩擦によって定位置に固定する。
【0028】
縫合糸192と縫合糸アンカー部材190とが本体101上に配置されると、オペレータは、1本の指典型的には人差し指を第一の部分140のオペレータインターフェース構造170内へ挿入し、別の指典型的には親指を第二の部分160のオペレータインターフェース構造170へ挿入する。次いで、オペレータは、第一の部分140を第二の部分160へ近づく方向へ回転させてヒンジ部材150を撓ませる。第一の部分140と第二の部分160とが相対的に近づく方向に動くと、アンカー部材収容部分110と縫合糸アンカー部材190とを収容しているテーパーが付けられている突出部142が、針収容部分30内へ挿入される(図4)。針収容部分130の壁は、テーパーが付けられている突出部142に接触し且つ該突出部をガイドして、図4に示されているように、縫合糸アンカー部材190が針収容部分130の溝に向かってガイドされ、該溝上に又は該溝に隣接するように配置される。
【0029】
図3に示されているように、針182は針収容部分130内に配置され、その結果、針は、図2に示されているように溝の底部溝部分に載置される。針182は、後退状態においては針収容部分130内に配置され、この状態においては、針182の先端はシース180内に収納されていてオペレータが針182の尖った先端に曝されるのを防止している。シース180は、シースの遠位端が後壁131から隔置されている状態で針収容用の溝上に配置されている。シース180の遠位端は、針整合部材112の外側に配置されていて、針がシース180から押し出されたときに針整合部材112を針192と係合させ該針を整合させる。
【0030】
次いで、図5aに示されているように、針182はシース180の遠位端から押し出される。最初に、針182は針整合部材112と接触し、ユーザーは、長溝183が針整合部材112及び縫合糸192と整合するまで針を回転させる。針が整合せしめられた後に、オペレータは、針をアンカー部材190の端部に接するまで進入させる。次いで、オペレータは、針182を操作してアンカー部材190の端部を針182の管腔内へ着座させる。次いで、針182は、縫合糸アンカー部材190のほぼ全体が針の管腔内に収納されるまで進入せしめられる。縫合糸アンカー部材190が針182内に装填されると、シース180は針182の尖った先端を覆うように進入せしめられ、縫合糸192はシース180のスリット内へ引っ張り込まれて、縫合糸192は定位置に摩擦によって固定され且つ縫合糸アンカー部材190が針182から不意に又は時期尚早に出て行くのが防止される。
【0031】
図6は、縫合糸アンカー部材装填器具200の別の実施例を示している。縫合糸アンカー部材装填器具200は、第一の部分240と第二の部分260とを備えている本体201を備えている。本体201は、均一で且つ一体の“カプセル”形状の構造を有しており、該構造は、一方の側部に設けられた2つのオペレータインターフェース構造270と、反対側の側部に設けられている1つのオペレータインターフェース構造270とを備えている。オペレータインターフェース構造270は、本体201の外面内の凹状窪みとして形成されており、該オペレータインターフェース構造は人間の手を収容できる大きさ及び形状とされている。
【0032】
第一の部分240は、縫合糸アンカー部材190を収容し且つその外面と接触状態に保持する形状とされているアンカー収容部分を備えている。一つの実施例においては、アンカー収容部分210は長溝であり、該長溝は、図7に示されているように、該長溝の溝部分に設けられている内側部分205と、内側部分205と本体201の外面との間に設けられている外側部分204とを備えている。内側部分205は、ほぼ筒状の断面を有しており、この直径の大きさは、図2に示されている筒状の“T”字形状とされている縫合糸アンカー部材190の直径よりも若干大きくて、内側部分205が、縫合糸アンカー部材190、シース180、針182を同時に収容できるようになされている。該長溝の外側部分204は、ほぼ矩形断面を有しており、該矩形の断面は、長溝の筒形の内側部分205の上方端縁から本体201の外面まで延びていて、長溝の溝部分と本体201の外面との間に単一の連続した開口部を形成している。外側部分204は、内側部分205の直径及び縫合糸アンカー部材190の直径よりも狭くて、縫合糸アンカー部材190が長溝の筒状内側部分205内に挿入されたときに縫合糸アンカー部材190がその内部に拘束され且つ矩形の外側部分204内に入り込むことができないようになされている。内側部分205は、本体201の径方向中心に設けられており且つ本体210の長手方向中心軸線に沿って同軸状に延びている。すなわち、内側部分205の中心軸線と本体201の中心軸線とはほぼ同じである。アンカー部材収容部分210は、周方向において対向しているオペレータインターフェ−ス構造270同士の間にその周方向の中心が合わせられるように設けられている。
【0033】
図6に示されているように、縫合糸収容部分220は、本体201の長手中心に又はその近くに設けられており且つアンカー部材収容部分210から本体201のどちらか一方の側に設けられているオペレータインターフェース構造270に向かってある角度で延びていて、縫合糸収容部分220とアンカー収容部分210とが角度が付けられている“T”字形状を形成している。縫合糸収容部分220は、アンカー部材収容部分210から斜めの角度で外方へ延びている。しかしながら、この角度は、これに限定されず、アンカー収容部分210の外側部分204の壁に正接している面から測定して非平行な角度(例えば0°より大きいか又は180度未満の範囲の角度)で外方へ延びていても良いことはわかるはずである。縫合糸収容部分220の端部は、アンカー部材収容部分210の外側部分204の壁に結合されていて、縫合糸収容部分220がアンカー収容部分210と接続状態にある。
【0034】
縫合糸収容部分220は、図6及び8〜11に示されているように、長溝形状か又は図13に示されているようにスリット形状を有している。スリット形状を有している実施例においては、縫合糸収容部分220は、縫合糸収容部分220内への縫合糸192の挿入を補助するためのガイド用切欠き221を備えている。このガイド用切欠きは、縫合糸収容部分220とアンカー収容部分210との間の角度が付けられている結合部に設けられている。
【0035】
図6を参照すると、本体201の第二の部分260は針収容部分230を備えている。一つの実施例においては、針収容部分230は長溝であり、該長溝は、図7に示されているアンカー部材収容部分210と、同じ形状及び大きさであり、アンカー部材収容部分210と針収容部分220とが、本体201の一方の長手方向端部から他方の長手方向端部まで延びている実質的に連続している均一形状の収容構造を形成している。
【0036】
図8〜12を参照すると、作動時には、縫合糸アンカー部材190は、構造192が外側部分204と整合し且つ該外側部分内を伸長するように、アンカー部材/針収容部分210,230のどちらか一方の端部に挿入されている。次いで、縫合糸アンカー部材190は、縫合糸192を、縫合糸192と縫合糸アンカー部材190との間の結合部分がアンカー収容部分210と縫合糸収容部分220との間の長手方向結合部に配置されるまで引っ張ることによって、アンカー部材/針収容部分210,230内を進入せしめられる。次いで、縫合糸が縫合糸収容部分220内に挿入され且つ引っ張られて、縫合糸アンカー部材190がアンカー収容部分210の壁に接するようにされる。アンカー部材収容部分210は筒形状であるので、アンカー収容部分210の壁は、縫合糸アンカー部材190が回転するのを防止する。更に、縫合糸192はピンと張られるので、縫合糸192と縫合糸収容部分220の壁との間の干渉によって、アンカー部材190がアンカー部材収容部分210に沿って長手方向に並進するのが防止される。このようにして、縫合糸192がピンと張られると、縫合糸アンカー部材190の動きは、3つの自由度全てにおいて拘束される。次いで、縫合糸192はオペレータによってピンと張られた状態に保持される。
【0037】
縫合糸収容部分220がスリットである実施例においては、縫合糸192は、最初にガイド用切欠き221上に配置され、次いで、張力によってスリット内へと下方へ引かれる。縫合糸192がスリット内に入ると、縫合糸192は、スリットの対向する壁を相互に離れる方向に付勢して縫合糸192を圧縮された状態に配置し且つ縫合糸192を摩擦によって定位置に固定する。
【0038】
縫合糸192と縫合糸アンカー部材190とがひとたび本体201上に配置されると、オペレータは、2本の指と親指とをオペレータインターフェース構造170の窪み内に置くことによって、縫合糸アンカー装填器具200を把持する。針182は、針収容部分230の内側部分205内へ挿入され且つシース180の遠位端が縫合糸アンカー部材190の端部に隣接するまで進入せしめられる。針182は、後退した状態で針収容部分230内に挿入される。該後退した状態では、針182の先端がシース180内に収納されていてオペレータが針182の尖った先端に曝されるのが防止される。次いで、針182は、シース180の遠位端から押し出され、オペレータは、縫合糸アンカー部材190の端部が針182の遠位先端内に配置されるまで針182を操作する。次いで、ユーザーは、針182が縫合糸192に接触するまで進入させ続け、長溝183が縫合糸192と整合せしめられるまで針を必要に応じて回転させる。針182が整合せしめられた後に、オペレータは、縫合糸アンカー部材190のほぼ全体が針の管腔内に収容されるまで針を進入させる。ひとたび縫合糸アンカー部材190が針182内に装填されると、針182は、遠位端が図12に示されているようにアンカー収容部分210の端部から出るまで押し込まれる。次いで、シース180が針182の尖った先端を覆うように進入せしめられ、縫合糸192は、シース180のスリット内へ引き込まれ、縫合糸192を摩擦によって定位置に固定して縫合糸アンカー部材190が針182から不意に又は時期尚早に出て行くのを防止する。
【0039】
上記した縫合糸アンカー部材装填器具100,200のうちの1以上は、組合せられ且つキットとして頒布されても良い。一つの実施例においては、該キットはパッケージを含んでおり、該パッケージは、少なくとも1つの縫合糸アンカー部材装填器具100,200、シース180内に収納された少なくとも1つの給送針182、及び縫合糸アンカー部材190に結合されている少なくとも1つの縫合糸192を、安全で確実で取り外し可能な形態で収容し且つ保持する形状とされている。一つの実施例においては、縫合糸アンカー部材192は、針182内に予め装填される。他の実施例においては、該キットは、種々の用途のための種々のタイプ又はサイズの複数の針182を備えるか、又は針182の再使用が不可能であるか若しくは好ましい用途のための同じタイプ/サイズの多数の針182を備えている。該キットはまた、複数の縫合糸/縫合糸アンカー部材190
/192をも備えている。縫合糸アンカー部材190が針182内に予め装填されていないキットの場合には、ユーザーは、上記した方法を使用して縫合糸アンカー部材190を縫合糸アンカー部材装填器具100,200内に装填することができる。針182が再使用される場合には、縫合糸アンカー部材192は、縫合糸アンカー部材装填器具100,200を使用して針182内に首尾よく装填される。
【0040】
これらの図面に示されている実施例においては、縫合糸192と縫合糸アンカー部材190とは、縫合糸アンカー部材装填器具内に、縫合糸がこれが挿入される針に沿って戻る方向に角度が付けられるようにして装填されるのが好ましい。縫合糸192及び縫合糸アンカー部材190をこのようにして装填することによって、縫合糸192が曲がるのが防止され且つ縫合糸自体が曲がってカテーテル185内のスリットと干渉したときに針又はアンカー部材190が切れるか若しくは別の場合には損傷するのが防止される。
【0041】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれらに限定されず、本発明から逸脱することなく改造を施すことができることはわかるはずである。本発明の範囲は特許請求の範囲において規定されており、文字通りの又はその等価物による特許請求範囲の意義が特許請求の範囲に包含されることが意図されている。更に、上記した利点は必ずしも本発明の唯一の利点ではなく、また必ずしも上記した利点の全てが本発明の実施例の各々によって得られることが期待されるわけではない。
【符号の説明】
【0042】
100 縫合糸アンカー部材装填器具、 101 本体、
110 アンカー収容部分、 112 針整合部材、
120 縫合糸収容部分、 121 ガイド用切欠き、
124 係止用の切欠き、 130 針収容部分、
131 後壁、 140 第一の部分、
142 突出部、 150 ヒンジ部材、
160 第二の部分、
170 オペレータインターフェース構造、
180 シース、 182 針、
183 長溝、 190 縫合糸アンカー部材、
192 縫合糸、
200 縫合糸アンカー部材装填器具、 201 本体、
204 外側部分、 205 内側部分、
210 アンカー収容部分、 220 縫合糸収容部分、
221 ガイド用切欠き、 230 針収容部分、
240 第一の部分、 260 第二の部分、
270 オペレータインターフェース構造、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縫合糸アンカー部材装填器具であり、
オペレータが手動によって縫合糸アンカー部材を針内に装填する際に針の先端に触れるのを防止する形状にされている第一及び第二の部分を備えたアンカー装填本体と、
前記本体の第一の部分に設けられており且つ前記縫合糸アンカー部材を収容且つ保持する形状とされているアンカー収容部分と、
前記アンカー収容部分と接続されている第一の端部と、前記本体の外面に配置されている第二の端部とを備えている縫合糸収容部分であり、前記アンカー収容部分から外方へある角度をなして延びており、縫合糸がピンと張られると、前記縫合糸アンカー部材が該アンカー収容部分に対して並進方向及び回転方向において拘束されるように、前記縫合糸アンカー部材に結合されている縫合糸を収容する形状とされている、前記縫合糸収容部分と、
前記本体の第二の部分に設けられている針収容部分であり、前記針が該針収容部分内を滑らせながら進入せしめられると、前記縫合糸アンカー部材が前記針の管腔内に受け入れられるように、前記針を収容し且つ摺動可能な形態で保持する形状とされている、前記針収容部分と、を備えていることを特徴とする縫合糸アンカー部材装填器具。
【請求項2】
前記針収容部分と前記アンカー収容部分とが実質的に同軸状である、ことを特徴とする請求項1に記載の器具。
【請求項3】
前記本体の前記第一の部分と前記本体の前記第二の部分とがヒンジ部材によって結合されており、前記本体が、前記第一の部分と第二の部分とが相対的に変位せしめられている第一の形態と、前記第一の部分と第二の部分とが前記ヒンジ部材を中心として互いに近づく方向に回転せしめられて、前記アンカー収容部分が前記針収容部分に隣接して配置され、その結果、前記針が前記針収容部分内を滑らせながら進入せしめられると、前記縫合糸アンカー部材が前記針の管腔内に挿入せしめられるようになされた第二の形態と、を含んでいる、ことを特徴とする請求項1に記載の器具。
【請求項4】
前記アンカー部材収容部分が、前記本体の前記第一の部分の外面からその中心部分に向かって延びている長溝である、ことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一の項に記載の器具。
【請求項5】
前記アンカー部材収容部分が長溝であり、該長溝は、その外側部分が第一の幅であり、その内側部分が前記第一の幅よりも大きい第二の幅である、ことを特徴とする請求項1〜2のうちのいずれか一の項に記載の器具。
【請求項6】
前記針収容部分が開口端部と閉塞端部とを有している長溝であり、該長溝は、前記本体の前記第一の部分の外面からその中心部分に向かって延びている、ことを特徴とする請求項3に記載の器具。
【請求項7】
前記針収容用の長溝が、その外側部分に第一の幅を有しており、その内側部分に前記第一の幅よりも大きい第二の幅を有している、ことを特徴とする請求項6に記載の器具。
【請求項8】
前記アンカー部材収容部分が、前記本体の前記第一の部分の外面からその中心部分に向かって延びている長溝であり、該アンカー部材収容用の長溝が、その外側部分に第一の幅を有しており、その内側部分に前記第一の幅よりも大きい第二の幅を有しており、前記アンカー部材収容部分が前記針収容部分と連通しており、前記アンカー部材収容用の長溝の前記第一及び第二の幅が、各々、前記針収容用長溝の第一及び第二の幅とほぼ等しくて、前記アンカー部材収容用の長溝と前記針収容用の長溝とが、ほぼ同じ形状の単一の実質的に連続した長溝を形成している、ことを特徴とする請求項7に記載の器具。
【請求項9】
前記アンカー部材収容部分が、その外面から外方へと突出している針整合部材を備えており、該針整合部材は、前記針が前記針収容部分内を進入せしめられると、該針と係合し且つ該針と整合する形状とされている、ことを特徴とする請求項8に記載の器具。
【請求項10】
前記ヒンジ部材が、第一の端部が前記第一の部分と一体に形成されており且つ第二の端部が前記第二の部分と一体に形成されている可撓性の部材である、ことを特徴とする請求項3に記載の器具。
【請求項11】
前記縫合糸収容部分が、前記本体の外面から該本体の前記第一の部分の中心に向かって延びているスリットであり、該スリットは対向部分を備えており、該対向部分は、前記スリット内に縫合糸が配置されていないときに相互に係合し、前記スリット内に且つ前記対向部分間に縫合糸が配置されているときに、縫合糸と係合し且つ該縫合糸を摩擦によって固定するようになされている、ことを特徴とする請求項1〜10のうちのいずれか一の項に記載の器具。
【請求項12】
キットであり、
請求項1に記載の縫合糸アンカー部材装填器具と、
縫合糸の第一の端部に取り付けられている縫合糸アンカー部材と、
給送針であって、尖った遠位端と、該給送針の中心軸線に沿って延びており且つ前記縫合糸アンカー部材を摺動可能に受け入れる大きさとされている管腔と、前記尖った遠位端の遠位部分から近位方向に延びており且つ前記縫合糸の一部分を受け入れる形状とされている溝とを備えている前記給送針と、
前記給送針を摺動させながら収容する大きさとされている管腔と、遠位端に設けられたスリットとを備えているシースであり、該シースは対向部分を備えており、該対向部分は、前記スリット内に縫合糸が配置されていないときは相互に係合しており、前記スリット内及び前記対向部分間に縫合糸が配置されているときには該縫合糸と係合し且つ該縫合糸を摩擦によって固定するようになされている前記シースと、
前記縫合糸アンカー部材装填器具と、前記縫合糸アンカー部材と、前記給送針と、前記シースとが、取り出し可能な形態で内部に配置されているパッケージと、
を備えているキット。
【請求項13】
手動によって、縫合糸アンカー部材を針内に装填する方法であり、
請求項1に記載の縫合糸アンカー部材装填器具を準備するステップと、
縫合糸に取り付けられたアンカー部材を、アンカー装填本体の第一の部分内に設けられているアンカー部材収容部分内に配置するステップと、
前記アンカー部材を、前記縫合糸が前記縫合糸収容部分とほぼ整合せしめられるまで前記アンカー部材収容部分に沿って滑らせながら進入させるステップと、
前記縫合糸を前記縫合糸収容部分内に配置するステップと、
縫合糸をピンと張ることによって、前記アンカー部材を、前記アンカー部材収容部分の一部分と係合させて、前記アンカー部材が前記アンカー部材収容部分に対して保持されるようにするステップと、
針を前記針収容部分内に配置するステップと、
前記針を、該針が前記アンカー部材と接触するまで滑らせながら進入させるステップと、
前記針を、少なくとも前記アンカー部材のほぼ全体が前記針の管腔内に収納されるまで進入させ続けるステップと、
を含んでいることを特徴とする方法。
【請求項14】
手動によって、縫合糸アンカー部材を針内に装填する方法であり、
請求項3に記載の縫合糸アンカー装填器具を準備するステップと、
縫合糸に取り付けられたアンカー部材を、アンカー装填本体の第一の部分内に設けられているアンカー部材収容部分内に配置して、前記縫合糸が前記縫合糸収容部分とほぼ整合せしめられるようにするステップと、
前記縫合糸を前記縫合糸収容部分内に配置するステップと、
縫合糸をピンと張ることによって、前記アンカー部材を前記アンカー部材収容部分の一部分と係合させて、前記アンカー部材が前記アンカー部材収容部分に対して保持されるようにするステップと、
針を前記針収容部分内に挿入するステップと、
前記第一の部分を、前記ヒンジ部材を中心として前記第二の部分に近づく方向に回転させて、前記アンカー部材が前記針収容部分に隣接するようにさせるステップと、
前記針を、該針が前記アンカー部材と接触するまで、前記アンカー収容部分と前記針収容部分との間を滑らせながら進入させるステップと、
前記針を、前記アンカー部材のほぼ全体が前記針の管腔内に収納されるまで進入させ続けるステップと、
を含んでいることを特徴とする方法。
【請求項15】
前記針を操作して、前記アンカー部分の端部が該針の先端内に収納されるようにするステップと、
前記針の先端部分に設けられている長溝を前記アンカー部材収容部分の外面から外方へ突出している針整合部材と係合させることによって、前記針を前記アンカー部材を収容するように整合させるステップと、
を更に含んでいることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記針を操作して、前記アンカー部分の端部が前記針の先端内に収納されるようにするステップを更に含んでおり、
前記針が前記針収容部分内に挿入されると、前記針の少なくとも先端がシース内に収納され、前記シースは、前記針が進入せしめられるときに前記本体に対して実質的に静止した状態のままで、前記縫合糸アンカー部材を収容するようにする、ことを特徴とする請求項13〜15のうちのいずれか一の項に記載の方法。

【図1】
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【図1a】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2012−523914(P2012−523914A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506112(P2012−506112)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【国際出願番号】PCT/US2010/030822
【国際公開番号】WO2010/120724
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(511152957)クック メディカル テクノロジーズ エルエルシー (76)
【氏名又は名称原語表記】COOK MEDICAL TECHNOLOGIES LLC
【Fターム(参考)】