説明

繊維強化セラミックス複合材料及びその製造方法

【課題】銅が均一に分散して含有されており、ブレーキディスクに好適に適用することができる繊維強化セラミックス複合材料、及び、これを効率的に得ることができる製造方法を提供する。
【解決手段】炭化ケイ素及び炭素により構成されるセラミックスマトリックスと、炭素繊維又は炭化ケイ素繊維のいずれか1種以上の強化繊維とからなる気孔率5%以上50%以下の繊維強化多孔質セラミックス基材に、Cu/Si重量比が1以上3以下のCu‐Si合金と、該Cu‐Si合金に対して0.5重量%以上3.0重量%以下のCr,Sn又はSbのいずれか1種以上の金属とを、減圧雰囲気下、1350℃以上1800℃以下で含浸させることにより、銅が均一に分散して含有されている繊維強化セラミックス複合材料が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックスマトリックスと強化繊維とからなる繊維強化炭化ケイ素系セラミックスの複合材料に関し、特に、ブレーキディスクに好適に適用することができる繊維強化セラミックス複合材料及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスクブレーキは、制動装置の一種であり、主に、鉄道車両や自動車、自転車等に使用されている。車輪とともに回転するブレーキディスクを両面からブレーキパッドで挟み込むことによって摩擦力を発生させ、運動エネルギーを熱エネルギーに変換して制動する仕組みになっている。
鉄道車両や自動車等のブレーキディスクは、通常、ステンレス鋼やクロム鋼等の鋼材が用いられている。
【0003】
しかしながら、近年、走行性能の向上や燃費改善のため、車体重量やバネ下重量の軽減が要求されており、ブレーキディスクについても、鋼材よりも軽量な材質への変更が検討されている。このような材質の一つとして、軽量かつ高強度であることから、炭化ケイ素系セラミックスが注目されている。
ただし、従来の炭化ケイ素セラミックスは、脆性材料であり、靱性がなく、衝撃のかかるブレーキディスクに適用するには十分な特性を有していなかった。
【0004】
そこで、炭化ケイ素セラミックスを高い破壊エネルギーを有する材料とするために、長繊維としての入手が容易である炭素繊維又は炭化ケイ素繊維との複合材料を用いることが検討されている。
また、より高強度の炭化ケイ素セラミックス複合材料を得る方法としては、炭化ケイ素に溶融シリコンを含浸させる方法が知られている。
【0005】
ところで、要求される制動性能が高くなるのに伴い、ブレーキパッドも、材質が有機系から銅系に代わってきている。このため、従来の鋼材ブレーキディスクにも、銅系のブレーキパッドとの焼き付きを防止するために、銅を含有させることが行われており、同様に、セラミックス製のブレーキディスクにも銅を含有させることが求められている。
【0006】
しかしながら、銅は融点が1084℃とセラミックスの製造温度に比べて低いため、セラミックス材料中に含有させようとしても、製造中に溶解し、均一に含有させることが困難である。
これに対しては、例えば、特許文献1に、炭化ケイ素に、シリコンとアルミニウムや銅等の金属とからなる浸透材を含浸させた炭化ケイ素複合体材料が開示されている。
【0007】
また、セラミックスの金属による複合化においては、溶融金属のセラミックスに対する濡れ性が重要な要素となると考えられており、例えば、非特許文献1には、銅をチタンとの合金(Cu‐Ti合金)とすることにより、炭化ケイ素に対する濡れ性を改善することができることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表2003−505329号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】日本金属学会誌,第54巻,第12号(1990),p.1401-1407
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1においては、シリコン浸透材の融点を低下させ、また、シリコン成分の凝固膨張を低減させることを目的として、シリコン浸透材を合金化しているにすぎず、具体的には、銅の融点1084℃よりも低い融点660℃のアルミニウムとの合金化についてしか記載されていない。
【0011】
また、非特許文献1は、ホットプレス法により作製された炭化ケイ素セラミックスと金属との接合等による複合化における溶融金属の濡れ性に関して記載されているものであり、ここでいう濡れ性の改善が、必ずしも、炭化ケイ素セラミックス中に均一に含有させることにつながるとは言えない。また、炭素繊維や炭化ケイ素繊維による繊維強化炭化ケイ素セラミックスに対する濡れ性については、明らかにされていない。さらに、チタンは、大変高価な材料であり、コスト面において不利である。
【0012】
上記のように、従来から、炭化ケイ素セラミックスに、銅を均一に含浸させるための検討がなされており、また、高強度化された繊維強化炭化ケイ素セラミックスに対しても、銅を均一に含有させようとする試みがなされていた。
しかしながら、従来の含浸法では、強化繊維を含む炭化ケイ素セラミックスに、必要十分な量の銅を効率的に含浸させる方法については、十分な検討はなされていなかった。
【0013】
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、繊維強化炭化ケイ素系セラミックスに関し、銅が均一に分散して含有されており、ブレーキディスクに好適に適用することができる繊維強化セラミックス複合材料、及び、これを効率的に得ることができる製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る繊維強化セラミックス複合材料は、炭化ケイ素、炭素及びシリコンにより構成されるセラミックスマトリックスと、炭素繊維又は炭化ケイ素繊維のいずれか1種以上の強化繊維とからなる繊維強化セラミックスに、Cu3Siと、前記Cu3Siに対して0.5重量%以上3.0重量%以下のCr,Sn又はSbのいずれか1種以上の金属とが含まれていることを特徴とする。
上記のような金属成分を添加して、銅をシリコンとの合金として含有させることにより、銅が均一に分散して含有された繊維強化セラミックス複合材料を得ることができる。
【0015】
本発明に係る繊維強化セラミックス複合材料の製造方法は、炭化ケイ素及び炭素により構成されるセラミックスマトリックスと、炭素繊維又は炭化ケイ素繊維のいずれか1種以上の強化繊維とからなる気孔率5%以上50%以下の繊維強化多孔質セラミックス基材に、Cu/Si重量比が1以上3以下のCu‐Si合金と、該Cu‐Si合金に対して0.1重量%以上3.0重量%以下のCr,Sn又はSbのいずれか1種以上の金属とを、減圧雰囲気下、1350℃以上1800℃以下で含浸させることを特徴とする。
このような製造方法によれば、基材中の炭化ケイ素及び炭素に対するCu‐Si合金の濡れ性を向上させることができ、得られる繊維強化セラミックス複合材料中に、銅を均一かつ効率的に分散させて含有させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、銅が均一に分散して含有されている繊維強化炭化ケイ素系セラミックスを効率的に得ることができる。
したがって、本発明に係る繊維強化セラミックス複合材料は、軽量かつ高強度のブレーキディスク材料として好適に用いることができる。また、銅系のブレーキパッドとの焼き付き防止を図ることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明について、より詳細に説明する。
本発明に係る繊維強化セラミックス複合材料は、セラミックスマトリックスと強化繊維とからなる炭化ケイ素系繊維強化セラミックスであり、Cu3Si及びCr,Sn又はSbのいずれか1種以上の金属が含まれているものである。
これらの金属成分を添加して、銅をシリコンとの合金として含有させることにより、銅がCu3Siとして繊維強化炭化ケイ素系セラミックスに均一に分散して含有された複合材料を得ることができる。
【0018】
前記複合材料において、セラミックスマトリックスは、炭化ケイ素、炭素及びシリコンにより構成される。これらは、炭化ケイ素系セラミックスの主原料である。各原料は、通常用いられているものでよく、その形態や製造方法は、特に限定されない。
これらの中でも、高強度とする観点から、炭化ケイ素が主成分であることが好ましい。
【0019】
また、前記強化繊維は、炭化ケイ素系セラミックスを強化するために配合される繊維であり、炭素繊維又は炭化ケイ素繊維のいずれか1種以上からなる。該複合材料の用途に応じて、炭素繊維又は炭化ケイ素繊維のいずれか1種のみを用いても、あるいはまた、両方を混合して用いてもよい。
炭素繊維及び炭化ケイ素繊維は、溶融シリコンとの濡れ性が良好であるため、毛管現象を利用する該複合材料の製造をシリコン含浸により行う場合、緻密な複合セラミックス材料を得る上で好ましい。
【0020】
前記強化繊維の形状及びサイズは、特に限定されるものではないが、直径0.5〜20μm、平均長さ0.5〜20mmのいわゆる短繊維、前記短繊維が集合して形成された繊維束が好適である。さらに、前記短繊維に加えて、前記短繊維よりも長い、いわゆる長繊維が含まれていてもよい。
【0021】
前記複合材料中の強化繊維の含有量は、15体積%以上40体積%以下であることが好ましい。
前記含有量が15体積%未満の場合、該強化繊維によるセラミックス強化の効果が十分に得られない。
一方、前記含有量が40体積%を超える場合、強化繊維が多すぎて、該複合材料中に所定量のCu3Siの均一な分散が妨げられるおそれがある。
【0022】
また、前記複合材料中のCu3Siの含有量は、前記セラミックスマトリックスの気孔率にもよるが、0.5重量%以上40重量%以下であることが好ましい。
前記含有量が0.5重量%未満の場合は、銅の添加量が少なすぎて添加による効果が認められず、該複合材料をブレーキディスクに用いた際に、銅系のブレーキパッドとの焼き付き防止効果が十分に得られない。
一方、前記含有量が40重量%を超えると、Cu3Siは炭化ケイ素に比べて強度が低いため、該複合材料全体の機械的強度が低下し、ディスクブレーキに使用することは困難となる。
【0023】
また、前記Cu3Siとともに添加される金属成分であるCr,Sn又はSbは、いずれか1種のみでも、2種以上でもよく、合計含有量は、前記Cu3Siに対して0.1重量%以上3.0重量%以下とする。
上記のような金属成分を添加することにより、炭化ケイ素系繊維強化セラミックスに対するCu‐Si合金の濡れ性が向上し、該複合材料中に銅をより均一に分散させて含有させることができる。
【0024】
上記のような繊維強化セラミックス複合材料は、炭化ケイ素、炭素及びシリコンにより構成されるセラミックスマトリックスと、炭素繊維又は炭化ケイ素繊維のいずれか1種以上の強化繊維とからなる気孔率5%以上50%以下の繊維強化多孔質セラミックス基材に、Cu/Si重量比が1以上3以下のCu‐Si合金と、該Cu‐Si合金に対して0.1重量%以上3.0重量%以下のCr,Sn又はSbのいずれか1種以上の金属とを、減圧雰囲気下、1350℃以上1800℃以下で含浸させることにより得られる。
このように、繊維強化多孔質セラミックス基材に、Cu‐Si合金を含浸させる際に、Cr,Sn又はSbを添加することによって、銅が均一に分散して含有されている繊維強化セラミックス複合材料が得られる。
【0025】
すなわち、含浸材料にCr,Sn又はSbが添加されることにより、上述したように、基材中の炭化ケイ素及び炭素に対するCu‐Si合金の濡れ性が向上するため、含浸材料のCu‐Si合金のCu/Si重量比を増大させることが可能となる。したがって、得られる複合材料中に、銅を満遍なく行き渡らせ、均一かつ効率的に分散させて含有させることができる。
なお、これらの金属成分の添加により濡れ性が向上する機構については、現時点では十分明らかにはされていないが、濡れ性の向上によって、毛管現象によるCu‐Si合金の含浸が促進されるものと考えられる。
【0026】
銅とシリコンは、シリコンの融点以上に加熱すると、共に融解し、均一な合金液体(Cu‐Si合金)となる。この液状のCu‐Si合金を前記基材に含浸させると、シリコンと基材中の炭素とが反応して、界面で炭化ケイ素を生成する。そして、シリコンの融点以下に冷却すると、前記Cu‐Si合金は、シリコンとCu3Siの2相を生成して固化する。このとき、シリコン相中には、銅はほとんど固溶しない。
したがって、上記のようにしてCu‐Si合金を含浸させて得られた複合材料中では、銅は化合物であるCu3Siの形で含まれる。
【0027】
上記製造方法においては、含浸材料である前記Cu‐Si合金は、Cu/Si重量比を1以上3以下とする。
前記重量比が1未満では、基材の気孔率にもよるが、5%に近い場合、得られる複合材料中のCu3Si含有量を0.5重量%以上とすることができない。
一方、前記重量比が3を超えると、基材中の炭化ケイ素及び炭素に対するCu‐Si合金の濡れ性が低下するため、毛管現象による含浸が十分に進行せず、該基材中に銅を満遍なく行き渡らせることが困難となる。
【0028】
前記含浸材料に添加される金属成分であるCr,Sn又はSbは、いずれか1種のみを用いても、あるいはまた、これらのうち2種以上を任意の割合で混合して用いてもよく、合計添加量は、Cu‐Si合金に対して0.1重量%以上3.0重量%以下とする。
前記添加量が0.1重量%未満の場合、含浸させることができるCu‐Si合金のCu/Si重量比の上限を増大させる効果が十分に得られない。
一方、前記添加量が3.0重量%を超える場合は、これらの金属元素を含む化合物相が析出しやすくなる。これらの析出化合物は、炭化ケイ素に比べて脆く、強度が低いため、得られる複合材料全体の強度特性を低下させることとなる。
【0029】
また、前記Cu‐Si合金を含浸させる基材として用いられる繊維強化多孔質セラミックスは、セラミックスマトリックスと強化繊維とからなるものである。
この強化繊維は、炭素繊維又は炭化ケイ素繊維のいずれか1種以上であり、上述したものと同様である。また、セラミックスマトリックスも、炭化ケイ素及び炭素により構成されたものである。
シリコンは、炭化ケイ素よりも脆性が高いため、高強度の複合材料を得る観点からは、基材中には含まれていないことが好ましい。上記方法により製造される複合材料中のシリコン成分は、含浸材料からもたらされるものである。
【0030】
前記繊維強化多孔質セラミックス基材の気孔率は、5%以上50%以下とする。
前記気孔率が5%未満の場合、含浸される合金量が少なくなるため、得られる複合材料中のCu3Siの含有量を0.5重量%以上とすることが困難となる。
一方、前記気孔率が50%を超える場合、炭化ケイ素よりも脆性が高いシリコン成分の含浸量が多くなるため、得られる複合材料において、シリコン物性が支配的となり、ブレーキディスクにおいて必要とされる強度や耐衝撃性が得られない。
【0031】
前記基材にCu‐Si合金を含浸させる際の温度は、1350℃以上1800℃以下とする。
前記温度が1350℃未満の場合は、銅とシリコンの均一な合金液体を得ることが困難である。高温であるほど、合金の粘性が低下して含浸させやすくなるが、1800℃を超える温度では、それ以上の含浸性の向上はみられず、また、製造コストが高くなる。
【0032】
また、前記含浸は、Cu‐Si合金が前記基材の気孔中に満遍なく行き渡るようにする観点から、減圧雰囲気下で行うことが好ましい。
【実施例】
【0033】
以下、本発明の好ましい実施形態を実施例に基づいて説明するが、本発明は、下記実施例により限定されるものではない。
まず、繊維強化セラミックス複合材料の各試料を以下のようにして作製した。
炭化ケイ素粉末OY−15(屋久島電工株式会社製)に、炭素繊維トレカ(登録商標)(東レ株式会社製)と、フェノール樹脂スミライトレジン(登録商標)(住友ベークライト株式会社製)15重量%とを混合し、直径50mm、厚さ40mmの円盤状に加圧成形した後、アルゴン雰囲気下、2000℃で2時間焼成して、気孔率20%の繊維強化多孔質セラミックス基材を作製した。
この多孔質強化繊維セラミックス基材に、所定のCu/Si重量比であるCu‐Si合金と、Cr,Sn又はSbのいずれか1種以上の金属とを、減圧雰囲気下、1450℃で2時間保持して含浸させ、繊維強化セラミックス複合材料の各試料を作製した。
なお、前記炭素繊維は、得られた複合材料の試料中の含有量が20体積%となるように配合した。また、前記Cu‐Si合金は、得られた複合材料の試料中の含有量が30〜35重量%の範囲内となるように調整して配合した。
各試料において、Cu‐Si合金のCu/Si重量比、これに添加する金属種及びCu‐Si合金に対する添加量は、下記表1の実施例1〜21及び比較例1〜11に示すとおりである。
【0034】
上記において作製した各試料について、以下のような各種評価を行った。
密度及び気孔率は、アルキメデス法により測定して算出した。
また、各試料の銅の含有量は、ICP−MSにより測定した。表1においては、Cu3Siに換算した含有量を示す。
さらに、Cu‐Si合金の含浸状態は、各試料の中心部と外周部の任意の2箇所の計3箇所で、劈開面を光学顕微鏡で観察し、基材の気孔内への浸透の有無により確認した。表1の含浸状態の評価において、○:観察箇所の3箇所のいずれにおいてもCu‐Si合金の含浸が確認された場合、×:Cu‐Si合金の含浸が確認された観察箇所が2箇所以下の場合を示している。
また、曲げ強度は、各試料を所定の形状に加工して、日本工業規格JIS R 1663「長繊維強化セラミックス複合材料の曲げ強さ試験方法」に準拠して測定した。
これらの評価結果を表1にまとめて示す。
【0035】
【表1】

【0036】
表1に示すように、含浸材料であるCu‐Si合金のCu/Si重量比を1以上3以下とし、これに、Cr,Sn又はSbを該Cu‐Si合金に対して0.5重量%以上3.0重量%以下添加して得られた繊維強化セラミックス複合材料(実施例)は、いずれも、Cu‐Si合金の含浸状態が良好であった。また、実施例においては、100MPa以上の曲げ強度が得られたことから、曲げ強度に代表される強度特性も優れていることが認められた。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明に係る繊維強化セラミックス複合材料は、特に、鉄道車両や自動車等のブレーキディスクとして好適に適用することができるが、軽量かつ高強度であり、耐摩耗性にも優れているという利点を活かして、例えば、高速回転機器のメカニカルシール部材等の摺動部材等にも適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化ケイ素、炭素及びシリコンにより構成されるセラミックスマトリックスと、炭素繊維又は炭化ケイ素繊維のいずれか1種以上の強化繊維とからなる繊維強化セラミックスに、Cu3Siと、前記Cu3Siに対して0.5重量%以上3.0重量%以下のCr,Sn又はSbのいずれか1種以上の金属とが含まれていることを特徴とする繊維強化セラミックス複合材料。
【請求項2】
請求項1記載の繊維強化セラミックス複合材料を製造する方法であって、炭化ケイ素及び炭素により構成されるセラミックスマトリックスと、炭素繊維又は炭化ケイ素繊維のいずれか1種以上の強化繊維とからなる気孔率5%以上50%以下の繊維強化多孔質セラミックス基材に、Cu/Si重量比が1以上3以下のCu‐Si合金と、該Cu‐Si合金に対して0.5重量%以上3.0重量%以下のCr,Sn又はSbのいずれか1種以上の金属とを、減圧雰囲気下、1350℃以上1800℃以下で含浸させることを特徴とする繊維強化セラミックス複合材料の製造方法。

【公開番号】特開2012−56778(P2012−56778A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−198503(P2010−198503)
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、ナノテク・先端部材実用化研究開発 新幹線用ハイブリッドセラミックスディスクブレーキ部材開発業務委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(507182807)コバレントマテリアル株式会社 (506)