説明

繊維製品および繊維製品の製造方法

【課題】 帯状のレースを複数組み合わせて製造されるシート状の繊維製品の製造方法において、大掛かりな装置を用いることなく容易に製造することができる繊維製品の製造方法を提供する。
【解決手段】 水溶性の布を用いて基材31を形成し、帯状のレース11、13を、これらのレース11、13の少なくとも一部が互いに重なり合いこの重なりあった部位同士が互いに固定されるように、基材31の少なくとも一方の面に縫い付け、前記基材39を煮沸して溶かして除去する繊維製品の製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維製品および繊維製品の製造方法に係り、特に、レース等によって構成されたものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、溶解性の基布に刺繍機を用いて刺繍を施し、この刺繍を施した基布を溶かし去り、刺繍した部分だけを残して刺繍製品を得るケミカルレースが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−109534号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記ケミカルレースの製造方法では、エンブロシダリーマシン等の大規模な刺繍設備が必要とされ、容易には刺繍製品を製造することができないという問題がある。
【0004】
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、帯状のレースやアップリケ等を複数組み合わせて製造されるシート状の繊維製品および繊維製品の製造方法において、大掛かりな装置を用いることなく容易に製造することができる繊維製品および繊維製品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、所定の溶剤に所定の条件下で溶ける材料を用いて基材を形成する基材形成工程と、前記基材よりも小さい複数のシート状部材であって前記所定の条件下では前記溶剤に対して不溶性を示す各シート状部材を、前記各シート状部材の少なくとも一部が互いに重なり合いこの重なりあった部位同士が互いに固定されるように、前記基材の少なくとも一方の面に、前記所定の条件下では前記溶剤に対して不溶性を示す接合部材を用いて固定する部材固定工程と、前記基材を、前記所定の溶剤を用いて前記所定の条件下で溶かして除去する基材除去工程とを有する繊維製品の製造方法である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、小片のシート状布部材、帯状の布部材のうちの少なくともいずれかの布部材を複数用いて構成された繊維製品において、前記各布部材の少なくとも一部が互いに重なり合って前記各布部材が連続して形成された1枚の大きなシート状の本体部と、前記本体部のうちで下側に存在している各布部材に設けられた第1の縫い目と、前記本体部のうちで上側に存在している各布部材に設けられていると共に、前記下側の布部材と重なっている部位では、前記下側の布部材と前記上側の布部材とを互いに縫い合わせている第2の縫い目とを有する繊維製品である。
【0007】
請求項3に記載の発明は、レース、リボンブレードのうちの少なくともいずれかで構成されていると共に、互いがほぼ平行になるようにもしくは互いが小さな角度で交差するように配置された複数の第1の帯状部材と、レース、リボン、ブレードのうちの少なくともいずれかで構成され、互いがほぼ平行になるようにもしくは互いが小さな角度で交差するように、かつ、前記第1の帯状の部材に重なって前記第1の部材に対してほぼ直交するようにもしくは所定の角度で交差するように配置された複数の第2の帯状部材と、前記第1の各帯状部材の長手方向に延びて設けられた第1の縫い目と、前記第2の各帯状部材の長手方向に延びて設けられていると共に、前記第1の帯状部材と交差している部位では前記第1の帯状部材と前記第2の帯状部材とを互いに縫い合わせている第2の縫い目とを有する繊維製品である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、帯状のレースやアップリケ等を複数組み合わせて製造されるシート状の繊維製品および繊維製品の製造方法において、大掛かりな装置を用いることなく容易に製造することができる繊維製品および繊維製品の製造方法を提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、本発明の実施形態に係る繊維製品1で構成されている被覆の例である長袖シャツ3の概観を示す図である。
【0010】
長袖シャツ3の後側の部位5や袖部7は、普通の布により構成されており、長袖シャツ3の前側の部位9が、シート状の繊維製品1を用いて構成されている。
【0011】
繊維製品1は、帯状の各レース11、13、15、17、19、21、アップリケ23を用いて構成されている。そして、帯状の各レース11、13の少なくとも一部が互いに重なり合って、帯状の各レース11、13が連続して1枚の大きなシート状の本体部25を形成している。
【0012】
なお、本体部25が、帯状の各レース11、13以外に帯状の各レース15、17、19、21やアップリケ23を備えて、連続した1枚の大きなシート状構成されていると考えてもよい。
【0013】
図2は、繊維製品1の概略構成を示す断面図である。なお、図2では、説明の便宜のためレース等の厚さ方向を拡大してあると共に、断面を示すハッチングを省略してある。
【0014】
図2に示すように、各レース11、13(本体部25)のうちで下側に存在しているレース11には、第1の縫い目27が設けられていると共に、各レース11、13(本体部25)のうちで上側に存在しているレース13の部位であって、レース11と重なっている部位には、レース11とレース13とを互いに縫い合わせている第2の縫い目29が形成されている。
【0015】
なお、レース13とアップリケ23、レース11とアップリケ23にも同様に縫い目が形成されている。さらに、図示してはいないが、レース11とレース17、19、21との間や、レース13とレース17、19、21との間にも同様な縫い目が形成されている。
【0016】
より詳しく説明すると、図1や図4に示すように、繊維製品1は、間隔をあけて互いがほぼ平行になるように配置された複数のレース11を備えている。
【0017】
これらのレース11は、互いが間隔をあけて設けられているが、間隔をあけることなく各レース11の幅方向で一部が互いに重なるように設けられていてもよい。換言すれば、幅方向の中心軸(レース11の長手方向の延びた中心軸)が互いにずれた状態で、各レース11が設けられていればよい。また、各レース11が、互いが小さな角度で交差するように設けられていてもよい。さらに、レース11それぞれの模様や幅が互いに異なっていてもよい。
【0018】
各レース11には、各レース11の幅方向のほぼ中心を通り、レース11の長手方向に延びた第1の縫い目27が設けられている。第1の縫い目27は、たとえば、ミシンで形成されており、レース11にのみ設けられている。
【0019】
また、図1や図5に示すように、繊維製品1には、複数のレース13が設けられている。
【0020】
各レース13は、前記各レース11と同様に互いがほぼ平行になるようにもしくは互いが小さな角度で交差するように設けられている。また、各レース13は、前記各レース11の上に重なって前記各レース11に対してほぼ直交するようにもしくは所定の角度で交差するように配置されている。
【0021】
各レース13には、各レース11の場合とほぼ同様に、各レース13の幅方向のほぼ中心を通り、レース13の長手方向に延びた第2の縫い目29が設けられている。
【0022】
なお、前記レース11と重なっていないレース13の部位においては、第2の縫い目29はレース13にのみ形成されており、前記レース11とレース13とが互いに交差している部位では、第2の縫い目29は、レース13と前記レース11とを通過して前記レース11と前記レース13とを互いに縫い合わせている。
【0023】
さらに、図1に示すように、繊維製品1には、各レース15、17、19、21が設けられている。
【0024】
レース15は、長袖シャツ3の襟部に設けられ、レース11やレース13の上に重ねて設けられている。レース15にも前記第2の縫い目29と同様な縫い目31が形成されている。前記レース11やレース13と重なっていないレース15の部位においては、縫い目31はレース15にのみ形成されており、前記レース11やレース13と重なっているレース15の部位においては、縫い目31は、レース11やレース13を通過して設けられ、レース15をレース11やレース13に縫い付けている。
【0025】
レース17は、長袖シャツ3のすそ部で左右方向に延伸して設けられ、レース11やレース13の上に重ねて設けられている。レース17にも前記縫い目31と同様な縫い目33が形成されている。
【0026】
レース19は、繊維製品1の左右の両端部で上下方向に延伸して設けられ、レース11やレース13の上に重ねて設けられている。レース19にも前記縫い目31と同様な縫い目35が形成されている。
【0027】
レース21は、繊維製品1の左右方向の中央部で上下方向に延伸して設けられ、レース11やレース13の上に重ねて設けられている。レース17にも前記縫い目31と同様な縫い目37が形成されている。
【0028】
さらに、繊維製品1には、図1に示すように、複数のアップリケ23が設けられている、アップリケ23は、たとえば花模様に形成されており、帯状ではなく繊維製品1よりも小さなシート状に形成されている。
【0029】
また、各アップリケ23は、レース11やレース13の上に重ねられ図示しない縫い目でレース11やレース13に縫い付けられている。なお、アップリケ23の縫い目は、前記縫い目31と同様に、アップリケ23がレース13やレース11と重なっている部位では、これらの重なっている部材を通過して設けられている。
【0030】
なお、これまでの説明では、帯状のレースや小片状のアップリケで構成された繊維製品を例に掲げて説明したが、レースの代わりに、またはレースに加えて、帯状のリボン、紐状の(幅の狭い帯状の)ブレード等を用いて繊維製品を構成してもよい。
【0031】
さらには、小片のシート状布部材、帯状の布部材のうちの少なくともいずれかの布部材であって、レースのような透かし模様を備えた布部材を複数用いて繊維製品を構成してもよい。
【0032】
また、繊維製品1を用いた長袖シャツ3は、女性用であり、たとえば、胸のところにふくらみ(凸部)が形成され、ウエスト部は凹状に形成されている。したがって、前記繊維製品1の少なくとも一部が、凹状もしくは凸状に抵抗なく変形できる形状に形成されていることになる。
【0033】
このような形態に形成されていることにより、着易い長袖シャツ3を提供することができる。
【0034】
また、長袖シャツ3では、前側のみに繊維製品1を用いてあるが、長袖シャツ3全体を繊維製品1と同様な部材で構成してもよい。さらに、透かし模様が存在しない通常の布で長袖シャツ3の形状を形成し、この少なくとも一部の面に、繊維製品1を縫い付けて長袖シャツを構成してもよい。
【0035】
次に、長袖シャツ3の製造工程について説明する。
【0036】
まず、図3に示すように、所定の溶剤に所定の条件下で溶ける材料(たとえば水溶性の布)を用いて、シート状である所定形状の基材39を形成する。この基材39は、前記繊維製品1の形状とほぼ同じ形状になっている。続いて、前記基材39に、長袖シャツ3の後側の部位5や袖部7(水に溶けない普通の布で構成された部位)を縫い付ける。
【0037】
前記基材39は、シート状の材料(水溶性の布)を用い、ダーツ、構造線の縫い目のうちの少なくともいずれかを具備した立体的な形状に形成される。
【0038】
すなわち、前記基材形成工程によって、平坦なシート状以外の形状に、たとえば、シート状の基材であって少なくとも一部(たとえば胸部)が凸状に抵抗なく変形できる形状に、前記基材39は形成されている。
【0039】
続いて、図4に示すように、前記基材39よりも小さい複数のシート状部材であって水に対して不溶性を示す各シート状部材(たとえば、各レース11)を、前記基材39の一方の面と前記各レース11の一方の面とが対向して接触するようにし、不水溶性の糸を用いて前記基材39にたとえばミシンで縫い付け固定する。
【0040】
続いて、図5に示すように、前記レース11とほぼ同様なレース13を、前記各レース11の上に重ねて、前記レース11と共に前記基材39に同様に縫いつける。同様にして図1に示すように、各レース15、17、19、21やアップリケ23を、基材39に他のレースと共に縫い付ける。
【0041】
これらの縫い付けにおいて、前記レース11、13等の端部(前記長袖シャツ3の後側の部位5や袖部7に隣接している端部)も、前記長袖シャツ3の後側の部位5や袖部7に縫い付けるもとする。
【0042】
また、前述した縫い付けは、前記各レース11、13、15、17、19、21やアップリケ23(以下「レース等」という場合がある。)の少なくとも一部が互いに重なり合いこの重なりあった部位同士が互いに固定されるように行なわれると共に、前記レース等の概観が所定の形状になるように(たとえば、前記各基材39の概観とほぼ同じ形状になるように、)行なわれる。
【0043】
なお、基材39の一方の面(おもて面)だけでなく、裏面にレース等を縫いつけてもよいし、裏面だけにレース等を縫い付けてもよい。
【0044】
続いて、前記基材39を、中温もしくは高温の水を用いて(たとえば水で煮沸して)前記基材39を溶かして除去し、長袖シャツ3を得る。ここで、中温もしくは高温の水とは、45℃〜100℃の水をいう。適宜の材質の基材39を選択した場合、基材39の材質により溶ける温度が異なるので、基材39の溶ける温度に応じて、水の温度が決められることになる。
【0045】
ところで、前記アップリケ23(レース13等でもよい。)を縫いつける際、図6(アップリケ23を縫い付ける工程の変形例を示す断面図である。)に示すように、アップリケ23の上を水溶性の布で覆う等してから、縫いつけを行なってもよい。
【0046】
より詳しく説明すると、水溶性の仮固定部材(たとえば、のり)を用いて前記基材39に前記レース等を仮固定した後、前記基材39と前記仮固定された前記レース等とに水溶性の布41をかぶせのりで仮固定し、前記基材39と前記レース等と前記かぶせた水溶性の布41とを水に溶けない糸を用いミシンで縫って固定してもよい。
【0047】
または、前記基材39に前記レース等のうちの一部のレース(たとえばレース11、13を水に溶けない糸を用いミシンで縫い付けて固定した後、水溶性の仮固定部材(のり)を用いて前記基材39やレース11に前記シート状の各部材のうちの他のレース等(たとえばアップリケ23)を仮固定し、前記基材39と前記縫い付けられたレース11、13と前記仮固定されたアップリケ23とに、水溶性の布41をかぶせのりで仮固定し、前記基材39と前記レース11と前記アップリケ23と前記かぶせた水溶性の布とを水に溶けない糸を用いミシンで縫って固定してもよい。
【0048】
繊維製品1の製造方法によれば、基材39をベースにして各シート状部材(レース、リボン、ブレード、アップリケ等)を縫い付けて互いに接合し、この接合後に前記基材39を取り除いているので、前記基材39を取り除いた後でも、縫いつけた各部材(レース等)の形状は維持される。そして、帯状のレースやアップリケ等を複数組み合わせて製造される複雑な形状のシート状の繊維製品1であって、ある程度透けている繊維製品1を、大掛かりな装置を用いることなく容易に製造することができる。
【0049】
また、前記製造方法で得られた繊維製品1は、通常の布の上にレース等を重ねたものではなく、レース等のみを重ねて構成されているので、通常の布を用いたものに比べて透明性があり、また、レースと他のレースとをたがいに重ねてミシンで縫い合わせることは不可能に近いことから、その製造工程を推測することが困難であり、繊維製品1そのものや繊維製品1を使用した被服等の需要者の好奇心を煽り、購買意欲をかきたてることができる。
【0050】
また、繊維製品1の製造方法によれば、基材39を立体的に構成してあるので、前述した製造方法により前記基材39に倣った立体的な繊維製品(いわゆる「つまみ丸」等を備えた繊維製品)1を容易に得ることができる。
【0051】
たとえば、前記基材39を、女性のワンピースの形状にすれば、胸や臀部のふくらみやウエストのくびれを備えた被服を容易に得ることができ、しかもこのようにして得られた被服は、通常の布を縫い合わせて得られたもののように、構造線やダーツ等の縫い合わせ目が存在しないので、外観が良好である。
【0052】
連続模様を備えた通常の布でワンピース等を製造すると、構造線やダーツ等のところで、連続模様がとぎれ被服の外観が悪化するおそれがあるが、本実施形態に係る長袖シャツ3では、ダーツや構造線が存在しないので、外観が悪化することはない。
【0053】
また、繊維製品1の製造方法によれば、基材39にレース11等やアップリケ23を仮固定して、この上にさらに水溶性の布41をかぶせてから、換言すれば、2枚の水溶性の基材の間にレースやアップリケを挟み込んで仮固定してからこれらを縫うので、基材、レース、アップリケを縫う際、基材、レース、アップリケ相互の位置がずれにくくなり、正確な形態の繊維製品を容易に製造することができる。
【0054】
また、各基材の間にレースやアップリケが存在しているので、特にミシンによる縫製作業を行なっても、レース、アップリケ等がミシンのガイドに乗り上げることがなく、したがって基材、レース、アップリケ等の相互の位置がずれにくく、正確な形態の繊維製品を効率よく製造することができる。
【0055】
なお、前記実施形態では、基材39と長袖シャツ3の後側の部位5と袖部7とを互いに縫い付けて、長袖シャツ3の形状を形成してから、レース等を縫い付けているが、基材39のみを形成しレース等を縫いつけこの後基材39を煮沸して除去し繊維製品1を生成し、この生成された繊維製品1に長袖シャツ3の後側の部位5と袖部7とを縫いつけて長袖シャツ3を生成してもよい。
【0056】
また、前記実施形態では、水溶性の布を例に掲げて説明したが、所定の条件下で溶剤にとける布、不織布、紙を水溶性の布の代わりに用いてもよい。また、糸で縫う代わりに、ホッチキスや接着剤(溶剤に溶けない接着剤)でレース等を基材39に固定してもよい。
【0057】
前記基材39は、繊維製品1の形状に合わせた形状に形成されているが、他の形状の繊維製品を製造する場合には、この繊維製品の形状にあった形状に基材を形成することになる。すなわち、凸状もしくは凹状に抵抗なく変形できる形状や、平坦なシート状の基材もしくは前記凹状部や凸状部を備えた基材によって筒状もしくは袋状等の形状に、前記基材を形成することになる。
【0058】
たとえば、長袖シャツ3の全体を繊維製品1で構成する場合には、基材39を長袖シャツ3全体の形状に合わせて形成し、このように、長袖シャツ3全体の形状に形成された基材にレース等を縫い付けて、長袖シャツ3全体の形状を形成してもよい。
【0059】
さらに、前記実施形態では、長袖シャツ等に繊維製品1を用いる場合を例に掲げて説明したが、シャツ以外の被服や、カーテン、バッグ等にも本実施形態に係る繊維製品を使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施形態に係る繊維製品で構成されている長袖シャツの概観を示す図である。
【図2】繊維製品の概略構成を示す断面図である。
【図3】繊維製品の製造工程を示す図である。
【図4】繊維製品の製造工程を示す図である。
【図5】繊維製品の製造工程を示す図である。
【図6】アップリケを縫い付ける工程の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0061】
1 繊維製品
3 長袖シャツ
11、13、15、17、19、21 レース
23 アップリケ
25 本体部
27、29、31、33、35、37 縫い目
39 基材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の溶剤に所定の条件下で溶ける材料を用いて基材を形成する基材形成工程と;
前記基材よりも小さい複数のシート状部材であって前記所定の条件下では前記溶剤に対して不溶性を示す各シート状部材を、前記各シート状部材の少なくとも一部が互いに重なり合いこの重なりあった部位同士が互いに固定されるように、前記基材の少なくとも一方の面に、前記所定の条件下では前記溶剤に対して不溶性を示す接合部材を用いて固定する部材固定工程と;
前記基材を、前記所定の溶剤を用いて前記所定の条件下で溶かして除去する基材除去工程と;
を有することを特徴とする繊維製品の製造方法。
【請求項2】
小片のシート状布部材、帯状の布部材のうちの少なくともいずれかの布部材を複数用いて構成された繊維製品において、
前記各布部材の少なくとも一部が互いに重なり合って前記各布部材が連続して形成された1枚の大きなシート状の本体部と;
前記本体部のうちで下側に存在している各布部材に設けられた第1の縫い目と;
前記本体部のうちで上側に存在している各布部材に設けられていると共に、前記下側の布部材と重なっている部位では、前記下側の布部材と前記上側の布部材とを互いに縫い合わせている第2の縫い目と;
を有することを特徴とする繊維製品。
【請求項3】
レース、リボンブレードのうちの少なくともいずれかで構成されていると共に、互いがほぼ平行になるようにもしくは互いが小さな角度で交差するように配置された複数の第1の帯状部材と;
レース、リボン、ブレードのうちの少なくともいずれかで構成され、互いがほぼ平行になるようにもしくは互いが小さな角度で交差するように、かつ、前記第1の帯状の部材に重なって前記第1の部材に対してほぼ直交するようにもしくは所定の角度で交差するように配置された複数の第2の帯状部材と;
前記第1の各帯状部材の長手方向に延びて設けられた第1の縫い目と;
前記第2の各帯状部材の長手方向に延びて設けられていると共に、前記第1の帯状部材と交差している部位では前記第1の帯状部材と前記第2の帯状部材とを互いに縫い合わせている第2の縫い目と;
を有することを特徴とする繊維製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−328559(P2006−328559A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−149912(P2005−149912)
【出願日】平成17年5月23日(2005.5.23)
【出願人】(398008457)株式会社人 (1)
【Fターム(参考)】