説明

繊維製品部品の同時加工のための処理方法及び装置

少なくとも1つの第1の表面及び該第1の表面に隣接する第2の表面を備えた可撓性であり、多孔性の繊維製品部品(6)を、前記第1の表面の反対面である前記第2の表面上で処理する装置において、前記繊維製品部品(6)を配置するための開始領域及び終了領域であって、前記開始領域は、非多孔性で前記第1の表面の形状に相当する形状を有する移動マスク(18)が取り付けられている領域と、処理手段が取り付けられた処理領域と、前記マスク(18)の形状に相当した形状を有し、前記開始領域、前記処理領域、及び前記終了領域の間にあるサクションソール(30)を有するグリッパーヘッドとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維製品部品の処理及び加工のための方法及び装置に関し、特に、しかしこれらに限らないが、例えばブラジャーの製造など、婦人用下着に使用される種類の繊維製品部品の処理及び加工のための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常織布は可撓性があり、特に女性用下着などに使用される繊細で、非常に多孔性である繊維製品に関する場合、製造工程を自動化することは非常に複雑である。つまり、繊維製品部品を持ち上げ、裁断又は縫製などの加工ステーションの表面に直接正確且つ再現性をもって配置し、加工処理の間それらを所定の位置に保持することは、機械にとって非常に困難である。
【0003】
それにもかかわらず、繊維製品部品を処理するための多様な方法及び装置が提案されている。通常、処理は精度に欠け、移動及び持ち上げ等に限定される。また、処理が繊維製品部品の完全自動化処理の可能性を有する場合は、かなりごわごわした、全く多孔性ではない布地での比較的小さなサイズの部分に関する。
【0004】
Levi Strauss文献、特許文献1は、デニム布地の山の一番上の部品の一端を持ち上げ、それをコンベヤベルトの上に運ぶことができるサクションディスクを使用してデニム布地の山から部品を持ち上げるための方法を記載している。明らかに、この方法は、婦人用下着に使用される非常に軽量且つ非常に多孔性である布地では不可能である。
【0005】
文献、特許文献2はサクションテーブル上に多孔性の繊維製品部品の保持し、針装置又はサクションテーブルの吸引力より大きい吸引力を備えた空気装置を使用してそれらを持ち上げることを記載している。
【0006】
Sara Lee文献、特許文献3及び特許文献4は、部品の山から1つの部品を持ち上げ、それを更なる加工のために運び出す空気システムを用いた、タイツの製造を目的とする繊維製品部品用の複雑な処理装置を記載している。
【0007】
また、Pacific Dunlop文献、特許文献5は、パンティーを製造することを目的とする繊維製品部品用の弾力性のある細片を、部品を縫製ステーションに運ぶ多様なひだ取り装置及び引き伸ばし装置に置くために持ち上げる吸引手段の使用を記載している。この方法は吸引により持ち上げることができる弾力性のある細片を必要とし、さらにさまざまな形状及びサイズに容易には適応できないので、非常に限定され、一種類の衣類だけに制限される。
【0008】
文献、特許文献6はより興味深く、正確な方向に繊維製品部品をセットし、ロボットアームを使用してそれらを持ち上げ、運び、前記部品が縫うなど加工されるワークステーションに着くまで依然としてこの方向を維持することに関する情報を記載している。ロボットアームは、部品を持ち上げ、移動するために、特に適合された穴を通して非常に正確な真空作用(約0.2気圧)を用いるサクションプレートを有するピックアップヘッドを備える。しかしながら、上述した特許文献1の場合のように、シャツ又はズボンのポケット用の「デニム」布地の部品を持ち上げ、運ぶことに関して可能なのである。婦人用下着などに使用される非常に多孔性である繊維製品にはこのような装置を使用することは不可能である。
【0009】
同じ所見は文献、特許文献7にも適用可能であり、その上に繊維製品部品を置くことができ、負圧又は正圧手段に接続される穴あきテーブルを備え、一方でサクションプレートを有するハンドリングアームが別の部品を持ち上げ、それを第1の部品の上に置き、次に2つの重なった部品を縫製ステーションに運ぶことを記載している。
【0010】
従って、上記の全ての文献は、非常に軽量で非常に可撓性がある布地、時にはレースを用いて製造される婦人用下着の場合ではなく、「デニム」生地の場合のように、繊維製品が全く多孔性でない場合に限り、サクションプレートを使用する繊維製品部品の処理が可能であることを実証していると考えられる。
【0011】
これらの布地の場合、別の研究手法が試みられており、例えば文献仏国特許発明第2820290号明細書に示されるように、高温カレンダー加工を用いて、非常に可撓性がある布地の一部を、例えばシリコーンでコーティングされた紙などのサポートシートに付着することにより、一時的に硬化する方法を使用して裁断する方法を記載している。例えば、布地を硬化製品の槽に通す、又は凍結する等による固着など、繊維製品部品を一時的に硬化する他の方法も提案されている。これらのすべての場合、費用を増加させ、一時的な硬化を取り除くために必要とされる段階のために倍増する補足的な段階の追加を必要とする。さらに、これらの硬化方法は、女性用下着に使用される可能性があるレースのような非常に繊細な布地にとっては害を及ぼす結果なしには済まされず、従ってこれらの方法は実際にはこの分野には適していない。
【0012】
従って、実際に満足のいく方法が発見されていないため、女性用下着のような特定の軽量繊維製品の製造は本質的に未だ手作業であり、その結果高価である。
【特許文献1】米国特許第5535997号明細書
【特許文献2】米国特許第5238237号明細書
【特許文献3】米国特許第5165355号明細書
【特許文献4】米国特許第5040475号明細書
【特許文献5】米国特許第4896618号明細書
【特許文献6】米国特許第4756261号明細書
【特許文献7】米国特許第4498404号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、女性用下着に使用される繊維製品の種類に特に適応される繊維製品部品を処理及び加工するための自動化された装置を提案することによりこの問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、前記目的を、少なくとも1つの第1の表面及び該第1の表面に隣接する第2の表面を有する可撓性があり、多孔性の繊維製品部品の前記第1の表面上ではなく前記第2の表面を加工する方法において、
前記繊維製品部品が開始領域に配置される段階、
サクションプレートを備える可動ピックアップヘッドが前記繊維製品部品の上に運ばれる段階、
前記ピックアップヘッドが加工手段を備える加工領域に前記部品を運ぶ段階、
前記部品が前記ピックアップヘッドにより依然として保持され、前記第2の表面を加工するために必要とされる前記加工手段と前記部品との間の相対的な動きが前記ヘッドの動き及び/又は前記加工手段の動きにより得られ、前記加工が前記第2の表面上で行われる段階、
前記ピックアップヘッドが前記加工領域から前記繊維製品部品を持ち上げ、終了領域に運び、前記繊維製品部品を放す段階及び
前記繊維製品部品が前記終了領域から取り外される段階を備え、
前記第1の表面に相当する形状の非多孔性の可動マスクが、前記開始領域上に予め配置され、
前記マスクに相当する形状のサクションプレートを有する可動ピックアップヘッドが前記繊維製品部品上で移動し、
前記ピックアップヘッドが前記部品及び前記マスクを、前記加工手段を備える前記加工領域に運び、
前記第2の表面が、前記部品及び前記マスクが前記ピックアップヘッドにより依然として保持されている間に加工され、
前記ピックアップヘッドが前記繊維製品部品及び前記マスクを前記加工領域から持ち上げ、前記終了領域に運び、前記終了領域で前記繊維製品部品及び前記マスクを放すことを特徴とする方法を介して達成する。
【0015】
このようにして、前記可動マスクによって、非常に多孔性である布地の繊維製品部品、レースでさえも持ち上げることが可能である。前記マスクは前記ピックアップヘッドの吸引作用と協調して前記第1の表面の保持を可能にする。前記マスクは、前記第1の表面に隣接する前記第2の表面での、例えば、裁断又は縫製などの加工を妨げない。前記マスクと前記第1の表面との間、及び前記マスクと前記サクションプレートとの間の形状が一致することにより、前記第1のオブジェクトの形状が前記第2の形状に完全に含まれるか、あるいは後者と同一であることが理解される。従って、一方では、前記マスクは前記第1の表面の周辺部からはみ出さず、前記第2の表面に施される加工を妨げない。他方では、前記サクションプレート(又は少なくともその吸引動作部分)は前記マスクの周辺部内の前記繊維製品部品と接触し、そういうわけで「何もない空間内で」前記マスクの周辺部の外で吸引をせずに同時に前記マスクを上げることによって前記部品を持ち上げ、運ぶことができる。
【0016】
前記マスクは、その多孔性が何であれ、布地の付着力を最大にし、作業面に対する吸引の影響を防ぎ、加工済みの製品が汚れることを避けるという利点を備える。
【0017】
有利なことに、前記第1の表面は内側面であり、第2の表面は少なくとも一部分が第1の表面を囲む周囲の表面である。第1の表面が複数の分離したパーツから構成され、やはり分離したパーツから構成されるサクションプレートにより持ち上げられると想定することは特定の部品にとって可能且つ有利である。
【0018】
有利なことに、前記終了領域は、前の処理操作の後に放されたマスクが後のサイクルの次の手順に使用できるように、開始領域あるいは少なくとも別の開始領域として使用されうる領域と同じである。
【0019】
本発明は又、上述されたように、本発明に係る方法の実現のために適用される装置、つまり、少なくとも1つの第1の表面及び該第1の表面に隣接する1つの第2の表面を有する可撓性があり、多孔性の繊維製品部品を、前記第1の表面上ではなく前記第2の表面上で加工する装置において、
前記繊維製品部品を配置するための開始領域及び終了領域と、
加工手段を備える加工領域と、
前記開始領域、前記加工領域及び前記終了領域の間で可動なサクションプレートを備えるピックアップヘッドとを備え、
前記開始領域が、前記第1の表面に相当する形状を有する非多孔性の可動マスクを備え、
前記可動ピックアップヘッドが前記マスクに相当する形状のサクションプレートを有することを特徴とする装置に関する。
【0020】
有利なことに、前記開始領域及び/又は前記終了領域は、空間で分けられる2枚のハーフプレートにより形成される上面を有し、前記繊維製品部品の起こりうる寸法変動のための補償ループを用いて前記繊維製品部品の位置決めを可能にする。
【0021】
有利なことに、前記開始領域及び/又は前記終了領域は少なくとも1つの、好ましくは2つのプルアウトトレイから構成され、オペレータ又は機械が、都合よく閉じることができる実際の加工領域外で前記繊維製品部品を準備できる。
【0022】
有利なことには、前記ピックアップヘッドは、2つの分離された部分から構成されるサクションプレートを備える。
【0023】
有利なことに、前記ピックアップヘッドは、前記繊維製品部品を処理及び加工するために必要なすべての動きを実行できる多軸ロボットにより運ばれる。
【0024】
本発明に係る装置は、加工される前記繊維製品部品の任意の変化に対するその大きな柔軟性及び適応性により特徴付けられる。前記プルアウトトレイ及び前記ヘッドは、それらを加工される部品の型に特定にするために容易に変更できる。
【0025】
本発明の他の利点及び特徴は、添付図面を参照して以下の説明を読むことによりさらに明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1は、閉じることができる機室1の内側に、結合部5で連接されたエンドアーム3がピックアップヘッド4を運ぶ、6本のプログラム可能な軸を有する処理ロボット2を備えた本発明に係る装置の概略図である。ヘッド4はプルアウトトレイ7の上に配置されたブラジャー予備的形成品6を見つけ出し、持ち上げるために移動し、それを加工手段9による加工のため作業台8に運び、次に加工の後にそれを同じプルアウトトレイ7に戻す。ヘッド4がブラジャー予備的形成品6を運ぶ連続処理のために複数のワークステーションを備えた作業台が複数であってもよい。特に、例えば、所望の形状に正確に予備的形成品6の周囲10を裁断できる超音波ディスクを使用する裁断ステーションがある。
【0027】
有利なことに、マスク装着時間を与えるために、他方のトレイがロボットによって取り外され、再装着されている間に、オペレータが一方のトレイを装着できるように、隣接しているか又は重ね合わされる少なくとも2つのプルアウトトレイ7が必要である。各プルアウトトレイ7は、繊維製品部品の開始領域及び終了領域の両方を構成するその上面11が機室1の内側に完全に位置し、ロボット2に接近可能である、図1の実線により示されるような閉じられた位置、加えてその表面11が機室1の外側にあり、装着/取り外しのためにオペレータ又は外部ロボットに接近可能である、図1の点線により示される開放位置を仮定できる。プルアウトトレイ7はスライドシステムに取り付けられ、ハンドル12を使用して引き出すことができる。その上面11は、トレイ7の中央軸XXに関して対称であり、空間12により分けられた2つの主要なハーフトレイ13から構成され、この空間は真中で中心サポートクロスバー15によって占有されている。ハーフトレイ13及び中心クロスバーの正確な位置は、加工される部品に応じてトレイ上で修正可能であり、ネジ16などの手段を使用してプルアウトトレイ7の上部枠17に固定できる。
【0028】
プルアウトトレイは複数の予備的形成品を同時に受け入れることができ、例えば6、6’、6”の配置は、例えば非常にわずかな空洞19、19’、19”によって形成されるわずかなくぼみによってハーフトレイ13上にマークされる。各くぼみは、ボール紙又はプラスチックなどの相対的に半剛体の非多孔性材料に形成された同じ形状のマスク18、18’、18”の精密な位置決めを可能にし、そのためそれはハーフトレイ13の残りと同じ表面に密着している。これらのマスク18、18’、18”はそれらの対応するくぼみ内に固着の形式を用いずに単に配置される。半剛体の用語は、特に、マスク18が、作業面8上で容易に摺動できるように依然としてその平坦な面を維持しつつも、容易に処理できるように特定の堅さを有する必要があるという事実による。剛性は、マスク18とサクションプレートとの間に挟まれて持ち上げられる予備的形成品6を持ち上げるためには必須ではない。逆に、マスクが、挿入されたボーニングなど予備的形成品6上の浮き彫りにされたあらゆる部分に完全に確実に適応するためには特定の柔軟性が有用である。
【0029】
ブラジャー予備的形成品6はオペレータによってトレイ7のその位置上に配置されると、それはこの位置に設けられた2つのマスク18を覆う。この段階で、予備的形成品6は、例えば、後の加工のために基準ガイドとして使用されるボーニング20を予め挿入された平坦な繊維製品部品から構成され、正確な所定の方向に配置され、この特定の向きに適切な加工が可能である。これを達成するために、機室の正面には、例えば垂直線23,24などの光線を開放プルアウトトレイ7の上面に投影するレーザビーム22としての投射手段21が備えられている。トレイの軸XXと一致する線23及び垂直線24は、オペレータが予備的形成品をボーニング20に関連して所定の位置に配置するためにガイドとして機能する。つまり、ボーニングは線23と比較して対称的に、及び線24に対して接線方向に置かれる。この位置で、予備的形成品6は(繊維製品部品の第1の加工されていない表面を構成する)部分27でマスク18を覆うが、一方ではそれは(繊維製品部品の第2の前に加工された表面を構成する)端縁25からはみ出るが、他方ではそれはマスク上に配置されない中心部分26全体を有する。これらのすべての部分25,26、又は周縁部分25だけが、例えば裁断又は縫製操作により後で加工できる。
【0030】
処理される部品の種類に応じて、この中心部分26は図示されているように平坦なまま残すことができる、又は2枚のハーフプレート13と中心バー15との間に設けられる空間14で曲線をなして部分的に落ち込むように残すことができる。中心バー15は、部品6がハーフプレート13によってのみ支持され、中間空間14にループ34が形成される図6の説明図に示されるように取り外すこともできる。このループ34は、予備的形成品の製造及び初期加工、特に熱加工(例えば熱溶着)の間にさまざまな理由により引き起こされ、必ずしも制御が容易ではないサイズ及び形状の変動を生じさせることがある予備的形成品6のサイズ変動に対応するために有利である。ループ34により、予備的形成品6の側部はトレイ7の慎重にマークされた部分に設置され、一度それらがピックアップヘッド4により取り上げられると正確に予め選択された加工が行われる。
【0031】
ロボットピックアップヘッド4は、調節可能な固着システム32を用いて正確な中間間隔を調整できるように、ロボットのアーム3の端部に取り付けられた中心アーム31により運ばれる2枚の対称的なサクションプレート30を備える。プレート30の形状は、細長い三角形に近い場合では、実際にはマスク18の形状と同じである。周縁の回りのサクションホール32の線により画定されるサクションプレート30の動作部分は、マスク18、18’、18”の形状に従う形状を形成する。サクションホール32は、ロボットアーム3の動きに従う柔軟なホース33を通して説明図に示されない真空システムに接続される。
【0032】
装置は以下のように動作する。
【0033】
マスキング時間の間、ロボット2は予備的形成品6の前のバッチを処理する一方で、オペレータ又は機械が、そのくぼみ19、19’、19”内に正確に配置されたマスク18、18’、18”の上に、レーザガイド線23,24を使用して3つの予備的形成品6、6’、6”を開放トレイ7の上に正確に配置する。次にトレイ7は閉じられる。
【0034】
ロボット2は閉じられたトレイ7上に第1の予備的形成品6を見つけ出すために着き、最初にそのヘッド4のサクションプレート30を予備的形成品6のマスク18の上に正確に配置する。次に、(サクションホール31を閉塞する密封マスクにより実際には漏れがないために、わずかな吸い込み作用である場合に、)吸い込み作用を始動する。予備的形成品6はマスクとサクションプレートとの間に挟まれて持ち上げられ、このようにして工程全体の間ヘッド4により連続して所定の位置に保持されて、加工ワークステーションのいずれかまで運ばれる。ロボットの動きは加工手段9の動きと連携し、これらの手段9に適切に部品を与える。必要な場合、ロボット2は、吸い込み作用により保持されない予備的形成品6の部分、特にマスク周縁の外の周縁部分25に対する慣性による所定の動きを引き起こすために、持ち上げられた予備的形成品に素早い動きを与えることができ、処理手段7への配置を容易にする。ピックアップヘッド4及びマスク18により依然として所定の位置に保持される予備的形成品6は、次に加工ワークステーション9に続く。それは、(作業面の材料と比較して低摩擦な材料で選択された)マスク18のために、難なく汚すことなく加工ワークステーション9の作業台8の上を摺動する。有利なことに、(例えば裁断操作からの)すべての断片は、ただちに吸い上げられ、ワークステーション9から排出される。次にロボットはトレイ7上の加工された予備的形成品を置き換え、次の予備的形成品に移動する。
【0035】
加工された予備的形成品は、オペレータ又は別のロボットによりトレイ7から取り外さ、マスク18はくぼみの中に残される、又はマスク18がピックアップロボットにより使用される場合には、別のマスクがトレイ7のくぼみの中に配置される。
【0036】
加工された予備的形成品は、最終製品を完成するために、例えばカップの熱成形及び肩ストラップの取り付けなどの次に続く最終的な製造段階に従う。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る装置を用いた設備の側面を示す図である。
【図2】図1に示される装置の開始領域プルアウトトレイの鳥瞰図である。
【図3】図2に示されるプルアウトトレイの上に設置されるブラジャー予備的形成品の位置を示す詳細図である。
【図4】処理ロボットアームの端部にあるサクションプレートを示す斜視図である。
【図5】図2のプルアウトトレイに予備的形成品を持ち上げるべく配置されるサクションプレートの上からの斜視図である。
【図6】プルアウトトレイにループを形成するように配置される予備的形成品の断面を示す略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの第1の表面(27)及び該第1の表面(27)に隣接する1つの第2の表面(25)を有する可撓性があり、多孔性の繊維製品部品(6)の前記第1の表面(27)上ではなく前記第2の表面(25)を加工する方法において、
前記繊維製品部品(6)が開始領域(11)に配置される段階、
サクションプレート(30)を備える可動ピックアップヘッド(4)が前記繊維製品部品(6)の上にあるように移動される段階、
前記ピックアップヘッド(4)が加工手段(9)を備える加工領域(8)に前記部品(6)を運ぶ段階、
前記部品(6)が前記ピックアップヘッド(4)により依然として所定の位置に保持され、前記第2の表面(25)を加工するために必要とされる前記加工手段(9)と前記部品(6)との間の相対的な動きが前記ヘッド(4)の動き及び/又は前記加工手段(9)の動きにより得られ、加工が前記第2の表面(25)上で行われる段階、
前記ピックアップヘッド(4)が前記加工領域(8)から前記繊維製品部品(6)を持ち上げ、終了領域(11)に運び、該終了領域(11)で前記繊維製品部品(6)を放す段階及び
前記繊維製品部品(6)が前記終了領域(11)から取り外される段階を備え、
前記第1の表面(27)に相当する形状の非多孔性の可動マスク(18)が、前記開始領域(11)上に予め配置され、
前記マスク(18)に相当する形状のサクションプレート(30)を有する可動ピックアップヘッド(4)が前記繊維製品部品(6)上で移動し、
前記ピックアップヘッド(4)が前記部品(6)及び前記マスク(18)を、加工手段(9)を備える前記加工領域(8)に運び、
前記第2の表面(25)が、前記部品(6)及び前記マスク(18)が前記ピックアップヘッド(4)により依然として所定の位置に保持されている間に加工され、
前記ピックアップヘッド(4)が前記繊維製品部品(6)及び前記マスク(18)を前記加工領域(8)から持ち上げ、前記終了領域(11)に運び、前記終了領域(11)で前記繊維製品部品(6)及び前記マスク(18)を放すことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1の表面が内側面(27)であり、前記第2の表面が少なくとも部分的に前記第1の表面(27)を囲む周縁の表面(25)であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記終了領域(11)が後のサイクルの間に開始領域(11)として使用されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記加工が裁断操作であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの第1の表面(27)及び該第1の表面(27)に隣接する1つの第2の表面(25)を有する可撓性があり、多孔性の繊維製品部品(6)を、前記第1の表面(27)上ではなく前記第2の表面(25)上で加工する装置において、
前記繊維製品部品(6)を配置するための開始領域(11)及び終了領域(11)と、
加工手段(9)を備える加工領域(8)と、
前記開始領域(11)、前記加工領域(8)及び前記終了領域(11)の間で可動なサクションプレート(30)を備えるピックアップヘッド(4)とを備え、
前記開始領域(11)が、前記第1の表面(27)の形状に相当する非多孔性の可動マスク(18)を備え、
前記可動ピックアップヘッド(4)が前記マスク(18)に相当する形状のサクションプレート(30)を有することを特徴とする装置。
【請求項6】
前記開始領域及び/又は終了領域(11)が、空間(12)により分けられた2枚のハーフプレート(13)から構成された上面を有することを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記開始領域及び/又は前記終了領域(11)が、少なくとも1つのプルアウトトレイ(7)から構成されることを特徴とする請求項4又は5に記載の装置。
【請求項8】
前記ピックアップヘッド(4)が、2つに分けられた部分から構成されるサクションプレート(30)を備えることを特徴とする請求項4乃至6の何れかに記載の装置。
【請求項9】
前記ピックアップヘッド(4)が、多軸ロボット(2)により運ばれることを特徴とする請求項4乃至7の何れかに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−512489(P2006−512489A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−564322(P2004−564322)
【出願日】平成15年12月29日(2003.12.29)
【国際出願番号】PCT/FR2003/003932
【国際公開番号】WO2004/060092
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(504208658)サラ リー コーポレーション (8)
【氏名又は名称原語表記】SARA LEE CORPORATION
【Fターム(参考)】