説明

織機の張力検出装置

【課題】
一対の織機フレーム間で織幅方向に延在すると共に経糸又は織布が巻き掛けられる張力検出ロールと、張力検出ロールの端部と連結されて該端部を支持する張力検出レバーと、張力検出レバーに連結される張力検出器とを備え、張力検出レバーが、張力検出ロールと平行に設けられた第一の軸を介して織機フレームに回転可能に支持される基部と、該基部から延びるアーム部であって張力検出ロールが支持される第二の軸を支持するアーム部とを有する張力検出装置において、装置全体としての支持剛性を高め、装置の破損を可及的に少なくすることができる構造を提供する。
【解決手段】
前記の織機に用いられる張力検出装置において、第二の軸が、織幅方向に延在すると共に、織幅方向における張力検出レバーによる支持位置とは異なる位置で、当該張力検出レバーを支持する織機フレームに支持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、織機に用いられる張力検出装置であって、織幅方向に離間して配置された一対の織機フレーム間で織幅方向に延在すると共に経糸又は織布が巻き掛けられる張力検出ロールと、前記一対の織機フレームの少なくとも一方の側に設けられると共に前記張力検出ロールの端部と連結されて該端部を支持する張力検出レバーと、該張力検出レバーに連結される張力検出器とを備え、前記張力検出レバーが、前記張力検出ロールと平行に設けられた第一の軸を介して前記織機フレームに回転可能に支持される基部と、該基部から延びるアーム部であって前記張力検出ロールが支持される第二の軸を支持するアーム部とを有する張力検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような織機用の張力検出装置の一例として、特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1に開示された張力検出装置は、送出ビームから送り出される経糸の張力を、その経糸が巻き掛けられるテンションロールを介して検出するものである。従って、特許文献1では、このテンションロールが、本発明で言う張力検出ロールに相当する。
【0003】
この特許文献1に開示された張力検出装置の構成について詳しく説明すると、支持軸を介して左右両側の織機フレームのそれぞれに支持された張力検出レバーを備えており、その張力検出レバーは、ボス部(基部)において軸受を介して織機フレームに回転可能に支持されている。また、張力検出レバーは、ボス部から角度を為して両側へ延びる2つのアーム部を有しており、その2つのアーム部の一方の端部に対し張力検出器としてのロードセルが連結されている。なお、ロードセルは、一端で織機フレームに支持されており、他端において張力検出レバーの上記アーム部に連結されている。従って、支持軸に対し回転可能に支持された張力検出レバーの支持軸周りの角度位置(位相)は、ロードセルによって固定(維持)されている。
【0004】
また、張力検出レバーにおける2つのアーム部の他方には、軸部材及びその軸部材に嵌装される軸受を介し、テンションレバーが回動可能に連結されている。このテンションレバーは、一端で張力検出レバーに連結されると共に、中間部においてテンションロールを支持しており、さらに、その他端には、イージング機構におけるイージングロッドが連結されている。因みに、イージングロッドは、テンションレバーに連結される側(一端)とは反対側の端部(他端)が、織機フレーム(あるいは織機フレームに対し固定的に設けられてイージングロッドを積極的に前後方向へ駆動するための駆動装置)に対し、上下方向に回動可能に支持されている。すなわち、イージングロッドは、他端において織機フレームに対し回動可能に支持されており、その位置が一端側でテンションレバーに支持された状態となっている。
【0005】
以上の構成による特許文献1に開示された張力検出装置では、経糸の張力によってテンションロールに作用する荷重が、軸部材を介し、張力検出レバーに対して支持軸を中心として回動させようとする方向の力として作用する。そして、その力が引張り荷重としてロードセルに作用し、ロードセルがその荷重を検出することにより、経糸の張力が検出される。
【0006】
ところで、以上で説明したような特許文献1に開示された構成に代表される従来の織機の張力検出装置においては、支持剛性が低いため、被検出部材である経糸や織布の張力が設定条件によって高く設定される等に起因し、張力検出レバーに掛かる荷重が大きい場合に、張力検出装置(特に張力検出器の部分)に破損を招く虞があるという問題を構造的に有している。
【0007】
より詳しくは、特許文献1に開示されているような従来の構成では、張力検出レバーに対し、前記した被検出部材の張力によって張力検出ロールに作用する荷重に加え、張力検出ロールや張力検出ロールを支持するレバー(特許文献1ではテンションレバー)等の重量による荷重が作用している。そして、それらの全荷重が、張力検出レバーの一方のアーム部に作用して張力検出レバーに対し前記回動方向の力として作用しており、その力を他方のアーム部に連結されて織機フレームに支持されたロードセルが支承するものとなっている。すなわち、上記全荷重をロードセルが支承する構成となっている。また、特許文献1のような張力検出ロールとしてのテンションロールにイージング運動を行わせる構成の場合には、テンションロール及びテンションレバーの織機1サイクル毎の往復運動に伴う繰返荷重もロードセルで受けられることとなる。
【0008】
なお、織機における張力検出装置において一般的に用いられるロードセルは、特許文献1にも開示されているようなS字型ロードセルであって、ロードセル本体の荷重方向における両側に取り付けられた連結ロッド及び連結ロッドの端部に取り付けられた軸受(球面軸受)を介し、織機フレーム及び張力検出レバーと連結されている。従って、前記荷重は、この連結ロッドによって支承されるものとなる。しかし、この連結ロッドは、ロードセル本体の厚さ寸法よりも径の小さい軸部材である。そのため、被検出部材の高張力に起因して連結ロッドに掛かる荷重が大きい場合や張力検出ロールのイージング運動に伴う繰返荷重が連結ロッドに作用する場合、長期間の使用に伴って連結ロッドに破損(折れ)が生じる虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−019516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上のような従来技術の問題点を鑑み、本発明の課題は、冒頭に記載した織機に用いられる張力検出装置において、装置全体としての支持剛性を高め、装置の破損を可及的に少なくすることができる張力検出装置の構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決すべく本発明は、前記した織機の張力検出装置を前提とし、前記第二の軸が、織幅方向に延在すると共に、織幅方向における張力検出レバーによる支持位置とは異なる位置において、当該張力検出レバーを支持する織機フレームに支持されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明による織機の張力検出装置は、送出側における送出ビームから送り出される経糸の張力を検出する装置(経糸張力検出装置)としても適用可能である。すなわち、経糸が巻き掛けられると共に開口運動に伴う経糸の張力変動を緩和するイージング運動を行うテンションロールを張力検出ロールとする場合であって、その場合において、張力検出ロールが、支持レバーを介して前記第二の軸に支持されており、前記第二の軸の軸心を揺動中心として前記イージング運動を行うものとしてもよい。
【0013】
また、本発明を上記のような送出側の経糸張力検出装置として使用する場合において、前記第二の軸が、第一の軸受を介して張力検出レバーに対し回転可能に支持されると共に第二の軸受を介して織機フレームに対し回転可能に支持されており、テンションロールに対しイージング運動を行わせるためのイージング機構が、前記第二の軸の織機フレームによる支持位置に対し、織幅方向における張力検出レバーによる支持位置とは反対側の位置で前記第二の軸に連結される構成としてもよい。さらに、その構成において、前記第二の軸が、前記織機フレームによる支持位置よりもテンションロール側において張力検出レバーに支持され、且つ、イージング機構が、前記第二の軸の織機フレームによる支持位置よりも反テンションロール側において前記第二の軸に連結されるものとしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、張力検出ロールを支持する第二の軸であって張力検出レバーのアーム部に支持される第二の軸が、その軸線方向における張力検出レバーによる支持位置とは異なる位置であって少なくとも1以上の箇所において、その張力検出レバーを支持する織機フレームに対し支持されるため、第一の軸を介して織機フレームに対し回動可能に支持される張力検出レバーは、その第一の軸周りの角度位置(回動方向における位置)が、ロードセルに加え、第二の軸によっても織機フレームに支持される。従って、ロードセルのみで張力検出レバーに作用する回動方向の荷重を支承する従来の構造に比べ、装置全体としての支持剛性が高まり、張力検出器に掛かる荷重が小さくすることができるため、張力検出装置、特に張力検出器の支持部分(連結ロッド)の破損を可及的に低減することができる。
【0015】
しかも、装置全体としての支持剛性を高められることにより、製織中の織機の振動に起因する張力検出装置の振動が抑えられ、それにより、張力検出装置の振動に伴って張力検出器に作用する荷重(外乱荷重)が低減される。その結果、張力検出器による張力検出信号におけるS/N比が向上するため、張力検出器に掛かる荷重が小さくしつつも、適切な張力検出を行うことができる。
【0016】
ところで、織機における前記張力検出装置において、従来では、特許文献1に開示された構成もそうであるように、張力検出ロールを支持する第二の軸であって張力検出レバーのアーム部に支持される第二の軸は、織機フレームには支持されずに織機フレームに対し変位可能なものでなければならないと考えられていた。より詳しくは、従来では、張力検出ロールに作用する被検出部材の張力による荷重を織機フレーム等で固定的に支持してしまうと、その荷重がロードセルに波及しないと考えられており、そのような考え方が常識となっていた。
【0017】
これに対し、本発明は、発明者らが鋭意研究した結果として、軸が上記のように固定的に支持されている場合であっても、その支持位置とは異なる位置に荷重が掛かることにより、上記支持位置を支点として軸に撓みが生じ、その結果として上記支持位置とは異なる位置にも荷重が掛かることに着目し、その観点から、第二の軸が、その一部において織機フレームに支持される構成であっても、その第二の軸を撓ませようとする荷重が張力検出レバーに作用して張力検出器に波及するという新たな発想に基づいて為されたものであり、従来の技術常識からは想到し得ない新規な構造を有するものである。なお、軸がフレーム等の構造体に強固に支持されている場合であっても、その軸に荷重が作用することによって支持体に微少ながらも撓み(変形)が生じる(材料力学的に考えて撓みが零ということはあり得ない)ため、その結果として軸に撓みが生じる。従って、その支持位置よりも反張力検出ロール側に張力検出レバーを連結する構成であっても、張力検出器に荷重が作用し、張力検出が可能となる。
【0018】
そして、本発明による張力検出装置の構造は、イージング運動を行うテンションロールを介して経糸の張力を検出する送出側の経糸張力検出装置としてより有効である。すなわち、上記経糸張力検出装置においては、前記のように、テンションロールが織機1サイクル毎に往復運動するイージング運動を行うことに伴い、経糸の張力による荷重やテンションロール等の重量による荷重だけでなく、その往復運動に伴う慣性や駆動装置による付勢力に起因して繰返荷重が張力検出レバーを介して張力検出器に作用する。そのため、張力検出ロールが静止状態で用いられる張力検出装置と比べ、張力検出器の支持部分に対し更に大きな荷重が掛かるものとなっており、より早期に前記破損を招く虞がある。従って、本発明は、そのような送出側の経糸張力検出装置に適用することで、その効果がその装置において更に有効なものとなる。
【0019】
また、本発明を上記のような送出側の経糸張力検出装置として使用する場合において、テンションロールにイージング運動を行わせるイージング機構が、第二の軸の織機フレームによる支持位置に対する両側の位置において、張力検出レバーによる支持位置とは反対側の位置で第二の軸に連結される構成とする、すなわち、荷重を受ける第2の軸を支持する張力検出レバー及び張力検出器から成る張力検出機構とテンションロールにイージング運動を行わせるイージング機構とを、第二の軸の軸線方向において、第二の軸の織機フレームによる支持位置に対し両側に分けることにより、イージング機構の運動によって張力検出器に作用する荷重(外乱荷重)を低減させることができる。そのため、張力検出器に作用する全荷重を低く抑えて前記破損を防止しつつも、その全荷重における経糸の張力による荷重以外の外乱成分を小さくして張力検出信号におけるS/N比を更に向上させることができ、より有効に張力検出が行えるものとすることができる。
【0020】
特に、第二の軸における張力検出レバーによる支持位置を織機フレームによる支持位置よりもテンションロール側とし、織機フレームによる支持位置よりも反テンションロール側でイージング機構が第二の軸に連結される構成とする、すなわち、張力検出機構を、第二の軸の織機フレームによる支持位置に対し、テンションロールに近い側で第二の軸に連結することにより、張力検出器に作用する全荷重のうちの経糸の張力による成分の割合を大きくすることができ、張力検出信号におけるS/N比を更に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明による織機の張力検出装置の一実施例を示す平面図である。
【図2】本発明による織機の張力検出装置の一実施例における要部を示す側面図である。
【図3】本発明による織機の張力検出装置の一実施例における要部を示す一部断面平面図である。
【図4】本発明による織機の張力検出装置の一実施例を示す概略的な斜視図である。
【図5】本発明による織機の張力検出装置の他の実施例を示す要部側面図及び一部断面平面図である。
【図6】本発明による織機の張力検出装置の他の実施例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、図1〜4に基づき、本発明による織機の張力検出装置の一実施例について説明する。但し、以下の実施例は、本発明の張力検出装置を前述の送出側の経糸張力検出装置とした例であり、張力検出ロールとしてのテンションロールに対し経糸ビームからシート状に引き出された多数本の経糸が巻き掛けられると共に、そのテンションロールがイージング機構と連結されて織機1サイクル毎に前後方向(経糸の延在方向)に揺動往復運動する例である。また、以下の説明では、各部材に関し、織幅方向における織機の中央側を内側と称し、その反対の側を外側と称する。
【0023】
図示のように、本実施例の経糸張力検出装置は、張力検出ロールとしてのテンションロール1と、張力検出レバー3と、張力検出器としてのロードセル5とを含む。なお、本実施例では、張力検出レバー3及びロードセル5は、織幅方向におけるテンションロール1の両側に設けられるものとし、テンションロール1が両端の軸部1aにおいて、張力検出レバー3を介して織機フレームFに支持されているものとする。すなわち、本実施例の経糸張力検出装置は、織幅方向に離間して配置される一対の織機フレームF、Fのそれぞれに支持された一対の張力検出レバー3、3、及び両張力検出レバー3、3のそれぞれに連結された一対のロードセル5、5を含むものである。但し、その経糸張力検出装置における織幅方向両側の各構成は、配置が織幅方向に関して対称的であること以外は同じである。そこで、図2〜4は、その片側の構成のみを示しており、以下の説明においても、基本的にはその片側の構成のみについて詳細に述べるものとする。
【0024】
図示の例において、張力検出レバー3は、軸線方向に貫通する貫通孔3a1が形成された円筒状の基部3aを有する。また、本実施例では、張力検出レバー3は、基部3aの外周面から突設するようにして一体形成された2つのアーム部3b、3cとを有する。この2つのアーム部3b、3cは、貫通孔3a1の軸線を挟んで両側に位置するように設けられ、上記軸線と直交して延在するように形成されている。一方、織機フレームFには、より詳しくは、フレーム本体Fb及びフレーム本体Fb上に設けられた支持ブラケットFaで構成される織機フレームFの支持ブラケットFaには、織幅方向と平行に延在する第一の軸7が、支持ブラケットFaの内側の端面から内側へ向けて突出するように設けられている。そして、張力検出レバー3は、外輪が基部3aの貫通孔3a1に嵌合されると共に内輪が第一の軸7の支持ブラケットFaから突出する部分に嵌合されたニードルベアリング等の軸受を介し、基部3aにおいて第一の軸7に対し回転可能に支持されている。すなわち、張力検出レバー3は、支持ブラケットFa、第一の軸7及び第一の軸7に嵌装される軸受を介し、織機フレームFに対し回転可能に支持されている。なお、織機フレームF、第一の軸7及び張力検出レバー3の連結関係については、第一の軸7と張力検出レバー3とを相対回転不能に連結し、第一の軸7が軸受を介して織機フレームF(支持ブラケットFa)に支持されるものとしてもよい。
【0025】
張力検出レバー3における2つのアーム部3b、3cのうちの下方へ向けて延びるアーム部3bには、その端部にロードセル5が連結されている。このロードセル5は、S字型のロードセル本体5aと、ロードセル本体5aに対し荷重を受ける方向の両側に取り付けられた連結ロッド5b、5bで構成されている。そして、ロードセル5は、一方の連結ロッド5bで球面軸受を介して張力検出レバー3のアーム部3bに連結されると共に、他方の連結ロッド5bで球面軸受を介して支持ブラケットFaに支持されている。従って、織機フレームF(第一の軸7))に対し回転可能に支持される張力検出レバー3は、そのアーム部3bにおいてロードセル5を介して織機フレームFに連結されており、第一の軸7の軸線周りの位相がロードセル5によって固定(維持)されている。
【0026】
また、張力検出レバー3における2つのアーム部3b、3cのうちの上方へ向けて延びるアーム部3cは、図示の例では、端部が円筒状に形成されており、その円筒状の端部に貫通孔3c1が形成されている。そして、アーム部3cにおける貫通孔3c1には、第一の軸受としてのニードルベアリング等の軸受Ba(図3)を介し、第二の軸9が回転可能に嵌挿されている。すなわち、第二の軸9は、内輪が自身の外周面に嵌合されると共に外輪が張力検出レバー3のアーム部3cにおける貫通孔3c1に嵌合された軸受Baを介し、張力検出レバー3のアーム部3cに回転可能に支持されている。なお、前記のように、張力検出レバー3は、その第一の軸7の軸線周りの位相がロードセル5によって固定(維持)されている。従って、第二の軸9を支持する張力検出レバー3の貫通孔3c1の位置も、第一の軸7の軸線周りにおいて固定されている。
【0027】
第二の軸9は、その内側の端部において張力検出レバー3に支持されると共に、その支持位置から外側へ向けて織幅方向に延在している。そして、第二の軸9には、張力検出レバー3による支持位置よりも外側であって張力検出レバー3と支持ブラケットFaとの間に、支持レバーとしてのテンションレバー11が固定されている。なお、図示の例では、第二の軸9が張力検出レバー3の支持位置よりも外側へ向けてのみ延在し、テンションレバー11が張力検出レバー3よりも外側で第二の軸9に固定されるものとなっているが、第二の軸9を上記支持位置から内側へも延在するものとし、張力検出レバー3よりも内側でテンションレバー11が第二の軸2固定されるものとしてもよい。
【0028】
テンションレバー11は、両端部に貫通孔を有する部材であり、一方の端部は、端縁から貫通孔に連通するすり割りが形成され、ボルト11aを締め付けることにより貫通孔が縮径される割締め構造を有している。そして、テンションレバー11は、その割締め構造を有する一方の端部において、第二の軸9に対し、張力検出レバー3のアーム部3cと所定の角度(図示の例では、略90°)を為して固定支持されている。
【0029】
また、テンションレバー11の他方の端部には、その貫通孔に嵌装された軸受を介し、テンションローラ1の軸部1aが嵌挿されている。従って、テンションローラ1は、その両端の軸部1aが、テンションレバー11を介して第二の軸9に支持されている。なお、左右一対の織機フレームF、Fのそれぞれに設けられる張力検出レバー3、3は、それぞれのアーム部3cにおける貫通孔3c1の位置が側方から見て互いにほぼ一致するようにロードセル5によって第一の軸7の軸線周りの位相が固定されている。従って、両織機フレームF、Fのそれぞれに設けられる第2の軸9、9の軸心位置も、側方から見てほぼ一致したものとなっている。そして、両織機フレームF、Fのそれぞれの側において、張力検出レバー3とテンションレバ−11とが同じ角度を為すように、テンションレバー11が第2の軸9に固定されているため、テンションロール1は第1の軸7及び第2の軸9と平行に延在する状態でテンションレバー11に支持されている。
【0030】
そして、テンションロール1には、図示しない経糸ビームからシート状に引き出されてガイドロールGRによって案内された多数本の経糸Tが巻き掛けられており、その経糸Tの張力によってテンションロール1に作用する荷重が、テンションレバー11、第二の軸9及び張力検出レバー3を介してロードセル5に作用し、ロードセル5がその荷重を検知することにより、経糸Tの張力が測定される。
【0031】
以上のような基本構造を有する本実施例の経糸張力検出装置において、張力検出レバー3によって支持されると共にテンションロール1を支持する第二の軸9は、張力検出レバー3による支持位置とは異なる位置において、その張力検出レバー3を支持する織機フレームFによっても支持されている。具体的には、次の通りである。
【0032】
図3に示すように、第二の軸9は、張力検出レバー3による支持位置から外側へ向けて延在しており、図示の例では、織機フレームFの外側まで延在している。また、織機フレームFおける支持ブラケットFaには、張力検出レバー3におけるアーム部3cの貫通孔3c1と中心軸線を略一致させる位置に貫通孔Fa1が形成されている。そして、第二の軸9は、その支持ブラケットFaにおける貫通孔Fa1に挿通されると共に、貫通孔Fa1の外側端部に嵌装された第二の軸受としての軸受Bbに嵌挿されており、その延在方向の外側において、軸受Bbを介して支持ブラケットFaにより支持されている。従って、第二の軸9は、織機フレームF(支持ブラケットFa)よりも内側に突出する部分の端部が軸受Ba(第一の軸受)を介して張力検出レバー3によって支持されると共に、織機フレームFの織幅方向における外側端部付近において軸受Bb(第二の軸受)を介して織機フレームF(支持ブラケットFa)に支持されている。
【0033】
このように、本実施例の経糸張力検出装置は、張力検出レバー3によって支持されると共にテンションロール1を支持する第二の軸9が、その延在方向(軸線方向)における一方の端部及び他方の端部付近の異なる2位置において支持される構造を有している。この構造は、言い換えれば、張力検出レバー3が、第一の軸7による支持位置と第二の軸9が嵌挿される位置との2位置で支持されているとも言える。このような張力検出ロールとしてのテンションロール1を支持する第二の軸9及び張力検出機構を構成する張力検出レバー3等の織機フレームFに対する支持構造を有する経糸張力検出装置によれば、装置全体としての織機フレームFに対する支持剛性が高まるため、従来技術のような装置の破損を有効に防止することができる。また、装置全体の支持剛性が高まることにより、製織中の織機の振動に起因する張力検出装置の振動が抑えられ、その振動に起因する荷重(外乱荷重)の張力検出への影響が抑えられる。
【0034】
また、本実施例の経糸張力検出装置では、テンションロール1にイージング運動を行わせるためのイージング機構13が、織機フレームFよりも外側、より詳しくは、織機フレームF(支持ブラケットFa)による第二の軸9の支持位置よりも外側において、第二の軸9に連結されている。具体的には、次の通りである。
【0035】
前記のように、第二の軸9は、織機フレームF(支持ブラケットFa)から外側へ突出するように設けられている。言い換えれば、第二の軸9は、張力検出レバー3による支持位置から織機フレームFの外側まで延びる長さ寸法を有している。そして、その第二の軸9の織機フレームFから突出する部分には、イージング機構13のイージングレバー13aが連結されている。このイージングレバー13aは、上下方向に延在するかたちで第二の軸9に連結されており、上端部に形成された割締め構造によって第二の軸9に固定されている。また、イーンジグレバー13aの下端には、前後方向(テンションロール1から織前へ至る経糸Tの延在方向)に延在するように設けられたイージングロッド13bの一端が、球面軸受等の軸受を介して連結されている。
【0036】
さらに、イージングロッド13bの他端は、イージングロッド13bを前後方向に往復運動させる駆動装置(図示略)に連結されている。この駆動装置としては、例えば、クランク式の駆動装置であって、織機フレームFに支持されて織機の主軸を駆動源として回転駆動される駆動軸、及び該駆動軸に取り付けられて駆動軸の軸心から偏心した位置でイージングロッド13bの他端と連結されるクランクレバーを含むものである。そして、この駆動装置によってイージングロッド13aが前後方向に往復駆動されることにより、イージングレバー13aが第二の軸9の軸心を中心として往復揺動運動し、それに伴い、イージングレバー13aが固定された第二の軸9は、イージングレバー13aの揺動量に応じた回転角度範囲で往復回転する。その結果、一端で第二の軸9に固定されたテンションレバー11が第二の軸9の軸心を中心として往復揺動運動し、テンションレバー11の他端に支持されたテンションロール1がイージング運動を行う。
【0037】
このように、第二の軸9の織機フレームFによる支持位置に対し、内側(テンションロール側)と外側(反テンションロール側)とに分けて張力検出レバー3とイージング機構13とを第二の軸9に連結する、すなわち、荷重を受ける第二の軸9を支持する張力検出レバー3及びロードセル5から成る張力検出機構と、テンションロール1にイージング運動を行わせるイージング機構13とが、第二の軸9の織機フレームFによる支持位置に対し、その支持位置の両側に分けられる構成とすることにより、イージング機構13の運動によって第二の軸9に作用する荷重であってロードセル5に作用する全荷重のうちの外乱成分となる荷重(外乱荷重)が織機フレームFによって受けられ、ロードセル5に作用するその外乱荷重を低減させることができるため、ロードセル5による張力検出信号におけるS/N比を向上させることができる。
【0038】
特に、本実施例のように、上記張力検出機構を第二の軸9の織機フレームFによる支持位置よりもテンションロール1側に設けることにより、ロードセル5に作用する全荷重のうちの経糸Tの張力による成分の割合を大きくすることができ、上記張力検出信号におけるS/N比を更に向上させることができる。なお、以上では、イージング機構13が、イージングロッド13bを駆動装置に連結して前後方向に積極的に往復駆動する積極イージング機構である場合として説明したが、イージングロッド13bがスプリングを介して織機フレームFに支持される消極イージング機構である場合でも同様である。
【0039】
以上で説明した本実施例では、荷重を受ける第二の軸9を支持する張力検出レバー3及びロードセル5から成る張力検出機構を、左右両側の織機フレームF、Fのそれぞれに設け、経糸張力検出装置が一対の張力検出レバー3及び一対のロードセル5を含むものとしたが、上記張力検出機構は片側の織機フレームFのみに設けられるものであってもよい。すなわち、張力検出レバー3がテンションロール1の両端における一方の側にのみ設けられ、テンションロール1の両端における他方の側については、第二の軸9が織機フレームFにのみ支持され、その第二の軸9にテンションレバー11を介してテンションロール1の他端が支持されるものとしてもよい。また、本実施例のように左右両側の織機フレームF、Fのそれぞれに設けられる張力検出レバー3、3のそれぞれに対しロードセル5を連結するものに代え、ロードセル5が一方の張力検出レバー3のアーム部3bのみに連結され、他方の張力検出レバー3のアーム3bの端部と一方の張力検出レバー3のアーム3bの端部とを連結ロッド等で連結するものとしてもよい。
【0040】
また、本実施例では、第二の軸9を、左右両側の織機フレームF、Fのそれぞれに支持される一対の軸としたが、第二の軸9は、織幅方向に通しの単一の軸としてもよい。そのように、第二の軸9を織幅方向に通しの単一の軸とすれば、第二の軸9の支持が、両側の織機フレームF、F及び張力検出レバー3による3以上の箇所で行われることとなり、装置全体の支持剛性を更に高いものとすることができる。なお、第二の軸9を織幅方向に通しの単一の軸とした場合、イージング機構13については、両側の織機フレームF、Fの一方の側にのみ設け、第二の軸9の一方の端部にのみ連結する構成とすることが可能である。
【0041】
さらに、第二の軸9の織機フレームFによる支持位置に対し、イージング機構13を外側(反テンションロール1側)で第二の軸9に連結し、張力検出機構を内側(テンションロール1側)で第二の軸9に連結するものとしたが、これに代えて、その逆の構成、すなわち、イージング機構13が上記内側で第二の軸9に連結され、張力検出機構が上記外側で第二の軸9に連結されるものとしてもよい。また、イージング機構13及び張力検出機構が、上記内側又は上記外側の同じ側で第二の軸9に連結されるものとしてもよい。
【0042】
なお、第二の軸9上でのテンションロール1の支持位置、すなわち、第二の軸9に対するテンションレバー11の支持位置は、本実施例では織機フレームFの内側としているが、織機フレームFの外側で第二の軸9がテンションロール1を支持する構成とすることも可能である。従って、第二の軸9上での張力検出レバー3による支持位置(第一の軸受Baの位置)、テンションロール1の支持位置(テンションレバー11の固定位置)及び織機フレームFによる支持位置(第二の軸受Bbの位置)の配置を、本実施例とは逆の配置、すなわち、織幅方向の内側から順に、織機フレームFによる支持位置、テンションロール1の支持位置、張力検出レバー3による支持位置とすることも可能である。また、テンションロール1の支持位置を最も外側とすることも可能である。但し、テンションロール1を織機フレームFの外側で支持する場合は、織機フレームF(支持ブラケットFa)の形状を、テンションロール1のイージング運動を許容するものとする必要がある。
【0043】
また、本実施例では、第二の軸9に対するイージング機構13(イージングレバー13a)の連結位置を、テンションロール1の支持位置(テンションレバー11の第二の軸9に対する連結位置)とは異なる位置とし、イージング機構13が第二の軸9を往復回転させることによってテンションレバー11を往復揺動運動させることでテンションロール1にイージング運動を行わせるものとしたが、これに代えて、図5(a)、(b)に示すように、イージング機構がテンションレバー11に連結され、第二の軸9を介さずにテンションレバー11を直接的に往復揺動駆動するようにしてもよい。なお、図5(a)は、織機フレームFの内側から見た経糸張力検出装置を支持ブラケットFaを透過させたかたちで示したものであり、図5(b)は、支持ブラケットFaによる第二の軸9の支持部分等を断面図で示した図5(a)で示す部分の平面図である。
【0044】
図5の構成について詳しく説明すると、図示の構成では、テンションレバー11’は、テンションロール1の支持する支持部11b(図1等の例におけるテンションレバー11に相当)と、その支持部11bよりも下方へ向けて延在する延在部11cとから成る形状を有している(図5(a))。そして、テンションレバー11’は、延在部11cの下端において、イージング機構におけるイージングロッド13bに連結されている。すなわち、図5の構成では、テンションレバー11’の延在部11cが、図1等の例におけるイージングレバー13aに相当するものであり、この構成は、織機フレームFに対し、第二の軸9によるテンションロール1の支持位置と同じ側(図5の例では外側)にイージング機構が配置されると共に、テンションレバーとイージングレバーとを一体形成したものであると言える。
【0045】
そして、図5(b)に示すように、張力検出レバー3に支持されてテンションレバー11’を支持する第二の軸9は、織幅方向に関し、張力検出レバー3による支持位置よりも内側へ向けて延在し、織幅方向における織機フレームFの位置において、軸受(図示の例では、ニードルベアリングBc)を介して支持ブラケットFaに支持されている。因みに、図示の構成では、第二の軸9は、軸受メタルBdを介して張力検出レバー3に回転可能に支持されている。また、第二の軸9は、テンションレバー11’を相対回転不能に支持している。
【0046】
なお、図5の構成において、テンションレバー11’が第二の軸9に対し回転可能に支持される構成とすれば、第二の軸9は回転不能であってもよいものとなる。従って、そのの構成の場合は、織機フレームFによる第二の軸9の支持態様を、第二の軸9が回転不能に支持されるものとしてもよい。また、第二の軸9が回転不能となる態様で織機フレームFに支持される場合、第二の軸9と張力検出レバー3との連結態様についても、両者が相対回転不能となるものであってもよい。
【0047】
以上で説明した実施例では、本発明による織機の張力検出装置を、張力検出ロールがイージング運動を行うテンションロールである送出側の経糸張力検出装置として用いる場合の実施形態を説明したが、本発明による織機の張力検出装置は、以下のような実施形態(変形例)も可能である。
【0048】
(1)前記実施例では、検出対象を経糸とし、イージング運動を行うテンションロールが張力検出ロールとして用いられる場合について述べたが、本発明の張力検出装置はこれに限らず、静止状態で経糸又は織布を案内するガイドロールを、張力検出ロールとして用いるものであってもよい。従って、例えば、前記実施例で示されているガイドロールGRを張力検出ロールとするものであってもよい。また、織機における織布の巻取側で製織された織布を案内するガイドロールを張力検出ロールとし、織布の張力を検出するものとしてもよい。
【0049】
また、上記のように、静止状態で経糸又は織布を案内するガイドロールを張力検出ロールとして用いる場合、その張力検出ロールは、前記実施例のテンションロールのように第二の軸の軸心から偏心した位置で支持されるものに限らず、第二の軸と同軸的に支持される、すなわち、第二の軸と張力検出ロールとが軸心を一致させて連結される、あるいは、張力検出ロールの軸部が第二の軸として機能するものであってもよい。
【0050】
(2)前記実施例では、張力検出レバーが、第一の軸によって織機フレームに支持される基部と、該基部から延びる2つのアーム部を有し、一方のアーム部で第二の軸を支持すると共に、他方のアーム部に張力検出器が連結されるものとしたが、本発明の張力検出装置おける張力検出レバーは、そのような2つのアーム部を有するものに限らず、1つのアーム部のみを有するものとし、その1つのアーム部が、第二の軸を支持すると共に、張力検出器が連結されるものとしてもよい。また、その構成の場合、アーム部に対する張力検出器の連結位置は、基部3aに対し、第二の軸の支持位置よりも遠い位置、又は第二の軸の支持位置よりも近い位置のいずれでもよい。
【0051】
具体的には、図6(a)に示すように、張力検出レバー3’が単一のアーム部3dを有するものとし、そのアーム部3dの中間部付近に貫通孔3d1を有する支持部を形成し、その位置で第二の軸9を支持する構成とする。その上で、アーム部3dの上記支持部よりも先端側へ延びる部分の先端側に張力検出器(ロードセル5)の一端を連結する構成としてもよい。また、図6(b)に示すように、張力検出レバー3”が単一のアーム部3eを有するものとし、前記実施例と同様に、その先端側に形成された貫通孔3e1を有する支持部において第二の軸9を支持する構成とする。その上で、アーム部3eにおける基部3aと上記支持部との間に張力検出器(ロードセル5)の一端を連結する構成としてもよい。
【0052】
(3)前記実施例では、張力検出レバーに支持される第二の軸の織機フレームによる支持を、第二の軸の軸線方向において張力検出レバーから離間した一箇所(一位置)で行うものとしたが、本発明はこれに限らず、織機フレームによる第二の軸の支持を、張力検出レバーによる支持位置とは異なる(支持位置から離間する)と共に互いに離間する二以上の位置で行うようにしてもよい。
【0053】
また、上記のように二以上の位置で織機フレームが第二の軸を支持する場合において、前記実施例のように張力検出レバーによる支持位置よりも外側(反張力検出ロール側)で支持するものに限らず、張力検出レバーによる支持位置よりも内側(張力検出ロール側)の二以上の位置で支持するものとしてもよい。さらに、構成的に可能であれば、織機フレームによる第二の軸の支持を、張力検出レバーによる支持位置を挟んだ両側で行われるようにしてもよく、さらには、張力検出レバーによる支持位置の両側のそれぞれ(特に外側)における二以上の位置としてもよい。
【0054】
但し、第二の軸の織機フレームによる支持位置を張力検出レバーによる支持位置よりも張力検出ロール側(張力検出ロールの支持位置側)に設定した場合、張力検出レバーによる支持位置を織機フレームによる支持位置よりも張力検出ロール側に設定した場合と比べ、張力検出レバー(張力検出器)に作用する被検出部材の張力による荷重が小さくなる。特に、張力検出レバーによる支持位置よりも張力検出ロール側の二以上の位置で第二の軸が織機フレームに支持される構成とした場合、張力検出レバー(張力検出器)に作用する被検出部材の張力による荷重は更に小さくなる。その場合、装置の破損問題の発生は更に低減するが、一方で、張力検出器による検出信号における経糸の張力による成分が小さくなり(S/N比が小さくなり)、正確な張力検出が正確性が損なわれる虞がある。従って、張力検出レバーによる支持位置よりも張力検出ロール側においては、織機フレームによる第二の軸の支持位置の設定は一位置以内とした方が好ましい。
【0055】
なお、張力検出レバーによる支持位置の両側で第二の軸が織機フレームに支持される構成において、支持レバーを用いて張力検出ロールが織機フレームによる支持位置間で第二の軸に支持される構成とすれば、装置全体の支持剛性が高まると共に、張力検出レバーによる支持位置と張力検出ロールの支持位置との間に織機フレームによる支持位置が存在しないものとすることができ、張力検出の面でも有効な構造とすることができる。
【0056】
さらに、本発明は、以上で説明したいずれの実施形態にも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々に変更することが可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 テンションロール(張力検出ロール)
3、3’、3” 張力検出レバー
3a 基部
3b、3c、3d、3e アーム部
5 ロードセル(張力検出器)
5a ロードセル本体
5b 連結ロッド
7 第一の支持軸
9 第二の支軸軸
11、11’ テンションレバー(支持レバー)
13 イージング機構
13a イージングレバー
13b イージングロッド
Ba、Bb、Bc、Bd 軸受
F 織機フレーム
Fa 支持ブラケット
Fb フレーム本体
GR ガイドロール
T 経糸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
織幅方向に離間して配置された一対の織機フレーム間で織幅方向に延在すると共に経糸又は織布が巻き掛けられる張力検出ロールと、前記一対の織機フレームの少なくとも一方の側に設けられると共に前記張力検出ロールの端部と連結されて該端部を支持する張力検出レバーと、該張力検出レバーに連結される張力検出器とを備え、
前記張力検出レバーが、前記張力検出ロールと平行に設けられた第一の軸を介して前記織機フレームに回転可能に支持される基部と、該基部から延びるアーム部であって前記張力検出ロールが支持される第二の軸を支持するアーム部とを有する、織機の張力検出装置において、
前記第二の軸は、織幅方向に延在すると共に、織幅方向における前記張力検出レバーによる支持位置とは異なる位置で当該張力検出レバーを支持する前記織機フレームに支持される
ことを特徴とする織機の張力検出装置。
【請求項2】
前記張力検出ロールは、経糸が巻き掛けられると共に開口運動に伴う経糸の張力変動を緩和するイージング運動を行うテンションロールであって、支持レバーを介して前記第二の軸に支持されており、前記第二の軸の軸心を揺動中心として前記イージング運動が行われる
ことを特徴とする請求項1に記載の織機の張力検出装置。
【請求項3】
前記第二の軸は、第一の軸受を介して前記張力検出レバーに対し回転可能に支持されると共に、第二の軸受を介して前記織機フレームに対し回転可能に支持されており、
前記テンションロールに対し前記イージング運動を行わせるためのイージング機構が、前記第二の軸の前記織機フレームによる支持位置に対し、織幅方向における前記張力検出レバーによる支持位置とは反対側の位置で前記第二の軸に連結されている
ことを特徴とする請求項2に記載の織機の張力検出装置。
【請求項4】
前記第二の軸は、前記織機フレームによる支持位置よりもテンションロール側において前記張力検出レバーに支持され、
前記イージング機構が、前記第二の軸の前記織機フレームによる支持位置よりも反テンションロール側において前記第二の軸に連結される
ことを特徴とする請求項3に記載の織機の張力検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−87394(P2013−87394A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229500(P2011−229500)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000215109)津田駒工業株式会社 (226)
【Fターム(参考)】