説明

缶の蓋の分離方法

【課題】 缶の蓋と缶本体を分離して個々に回収し、資源の再利用を図る。
【解決手段】 缶の蓋1と缶本体2の接合部を切削して、缶の蓋と缶本体を分離して、蓋と缶本体を個々に回収してできるようにする。また、缶の蓋と缶本体との接合部近傍を切断して、缶の蓋と缶本体を分離して、蓋と缶本体を個々に回収できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー、ビール、果汁などの液体収容用の缶であって、蓋と缶本体が異材質よりなる缶が廃棄されたのちの缶の資源再生のために蓋を分離する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、蓋と缶本体が異材質よりなる缶であっても、廃棄された缶は一体として潰し、処理場所に搬送して溶解などの再生処理がなされていた。その理由は、蓋と缶本体が異材質よりなる缶の蓋と缶本体接合部の断面は、図3に示すように、缶の蓋1と缶本体2が入れ子状にしてかしめてあるので缶の蓋と缶本体の分離は容易では無いと見られていたためである。
【0003】
一般に、缶本体は鉄よりなり、蓋はアルミニウムよりなる。この場合には、従来のように一体として溶解などの再生処理ではアルミニウムの回収、資源としての再生はできない。
【0004】
また、缶本体を粉砕し、しかるのち鉄とアルミニウムを選別する方法も検討されたが、粉末アルミニウムの発火現象が発現することがあり、実施には至ってない。
【特許文献1】 特開昭 52−52269号公報
【発明の開示】

【発明が解決しようとしている課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、缶の蓋と缶本体を個々に回収するために、缶の蓋と缶本体を分離することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、缶の蓋と缶本体の接合部を切削加工により削り落として、缶の蓋と缶本体を分離して、蓋と缶本体を個々に回収できるようにし、資源の再利用に供することである。
【0007】
また、本発明は、缶本体の蓋との接合部近傍を切断加工により、缶の蓋と缶本体を分離して、蓋と缶本体を個々に回収できるようにし、資源の再利用に供することである。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、使用済み缶の蓋と缶本体を分離して、缶の蓋と缶本体を個々に回収でき、有効に資源の再利用を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1に示すように、フライスカッター3を用いて缶の蓋1と缶本体2の接合部を切削して、缶の蓋と缶本体を分離し、缶の蓋と缶本体を個々に回収した。図中の矢印はフライスカッターの回転方向を示す。
【0010】
また、図2に示すように、円板状で円周上に刃を付けた切断用工具4を装着した旋盤(図示せず)を用いて、缶本体2の蓋1との接合部近傍を切断して、缶の蓋と缶本体を分離し、缶の蓋と缶本体を個々に回収した。
【実施例1】
【0011】
外径52mmでカッター部の内径40mmのドーナッツ状のカッター部を有するT型スロットのフライスカッターを用いて、外径50mm長さ105mmの使用済みコーヒー缶の蓋と缶本体の接合部を切削して蓋と缶本体を分離し、蓋のアルミニウムと缶本体の鉄を個々に回収した。アルミニウムの回収量は缶1個あたり外径49mmで厚さは0.25mmであった。
【実施例2】
【0012】
また、合金工具鋼よりなり外径1mmの円板状で円周上に刃を付けた切断用工具を回転自在に装着した卓上旋盤を用いて、外径50mm、長さ105mmの使用済みコーヒー缶の缶本体の蓋との接合部近傍、即ち、蓋の端部より1mmのところを切断して、缶の蓋と缶本体を分離し、缶の蓋と缶本体を個々に回収した。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明により缶の蓋の回収、再資源化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】缶の蓋と缶本体の接合部の切削加工を説明する図
【図2】缶本体の蓋との接合部近傍の切断加工を説明する図
【図3】缶の蓋と缶本体の接合部を説明する図
【符号の説明】
【0015】
1 (缶の)蓋
2 缶本体
3 フライスカッター
4 切断用工具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
缶の蓋と缶本体の接合部を切削加工により削り落として、缶の蓋と缶本体を分離することを特徴とする缶の蓋の分離方法。
【請求項2】
缶本体の蓋との接合部近傍を切断加工により切り落として、缶の蓋と缶本体を分離することを特徴とする缶の蓋の分離方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−198598(P2006−198598A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−39774(P2005−39774)
【出願日】平成17年1月19日(2005.1.19)
【出願人】(502321607)有限会社三南合金工業所 (3)
【Fターム(参考)】