説明

罫書き工具

【課題】組み込まれた部材の改良等に伴う取付け用の孔、又はタップ孔の追加を行う場合に行われる罫書き作業において、回転中心軸の軸線がワークの基準孔の軸線と一致させることにより、ワークと罫書き工具のスケール部とが平行になるようにして、目標寸法位置に対し、基準孔の軸線と罫書き針ホルダーの罫書き針との寸法が正確に描けるようにした罫書き工具を提供することを目的とする。
【解決手段】長さ方向に目盛21を配したスケール2と、該スケール2に摺動自在に嵌合し、先端部にスケール2と直角方向へ突出量調整可能に取付けられた罫書き部42を有した罫書き針ホルダー4と、スケール2の基端部に固定された基部31に、ワーク5の基準孔51に嵌挿される基準突起322と、該基準突起322の軸線と直角を成すと共に、基準孔51の外周面と当接する当接面321とを有した回転中心軸32を取付けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークに既設されている孔を基準に罫書きする罫書き工具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に機械加工や工作作業を必要とする製造工程において、加工及び工作を容易に行うための手段として罫書きが広汎に使用されている。
しかし、罫書き作業は工作物の形状や大きさ、罫書きを行う場所等により種々の制約を受ける。
罫書き作業のうち、組み込まれた部材の改良等に伴う取付け用の孔、又はタップ孔の追加を行う場合に罫書き作業が行われることがある。
先行技術として、実開昭61−1390号公報(特許文献1)が開示されている。
図5は先行技術における罫書き工具を示し、スケール01と、スケール01の目盛り011の基端部に固定された回転中心軸02と、スケール01に嵌合して、目盛り011に沿ってスケール01上を摺動して、要望された位置に罫書きする罫書き側ジョー03とで構成されている。
【0003】
センタージョー02は一端部がスケール01の目盛り011の基端(0点位置)にセンタージョー02の軸線L2を合わせて固定され、他端部の先端には円錐形状を成した先端部021が設けられている。センタージョー02の軸線L2はスケール01の軸線L1(目盛り方向)に対し直角になるようにセンタージョー02がスケール01に固定されている。
また、罫書き側ジョー03は一方端がスケール01上を目盛り011に沿って摺動可能に嵌合され、他方端はワークに罫書く罫書き針031を有している。罫書き針031は罫書き側ジョー03の軸線L3方向に進退可能に装着され、図示されないスプリングにより進出側に押圧されている。罫書き側ジョー03の軸線L3はスケール01の軸線L1に対し直角になるように罫書き側ジョー03がスケール01装着され、軸線L1に沿って摺動するように嵌合されている。
【0004】
このような構造の罫書き工具において、図6のP点を求める場合、底辺からの高さE線上に基準孔RとP点との距離Fに相当するスケール01上の位置に罫書き側ジョー03を設置して、固定具032にて固定する。次に、センタージョー02の円錐形状に形成された先端部021を基準孔Rに嵌合して、ワーク04上に距離Fを半径として罫書き、E線上の交点をP点として求める。
ところが、円錐形状をなした先端部021と基準孔Rとは線接触の状態にあり、センタージョー02の軸線L2はワークの面とかならずしも直角にならず不安定な状態となる。
【0005】
即ち、罫書き側ジョー03のワーク04への押圧力の少ない場合にはセンタージョー02の軸線L2はθ1の角度だけ傾斜しているとした場合、スケール01の軸線L1及び、罫書き側ジョー03の軸線L3は夫々の正常の軸線に対しθ1傾斜するが、罫書き側ジョー03のセンタージョー02からスケール01上の位置までの距離に比例して、基準孔Rの中心と罫書き側ジョー03の罫書き針031との距離Fが大きくなる。
また、罫書き側ジョー03のワーク04への押圧力の大きい場合にはセンタージョー02の軸線L2はθ2の角度だけ傾斜しているとした場合、スケール01の軸線L1及び、罫書き側ジョー03の軸線L3は夫々の正常の軸線に対しθ2傾斜するので、罫書き側ジョー03のセンタージョー02からスケール01上の位置までの距離に比例して、基準孔Rの中心と罫書き側ジョー03の罫書き針031との距離Fが小さくなる不具合を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭61−1390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み成されたもので、組み込まれた部材の改良等に伴う取付け用の孔、又はタップ孔の追加加工を行う場合の罫書き作業において、回転中心軸の他端がワークの基準孔に嵌挿され、前記基準孔の外周面と当接する当接面を備え、前記基準孔の軸線と当接面とが直角を成すように配設された直角保持部にて構成され、当接面が前記基準孔の外周面と当接するようにして、スケールとワークが平行になるようにすることで、目標寸法位置に対し、基準孔の軸線と罫書き針ホルダーの針部との寸法が正確に出せるようにした罫書き工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はかかる目的を達成するもので、長さ方向に目盛りを配した軸状のスケールと、該スケールの長さ方向に摺動自在に嵌合し、先端部に前記スケールに対し直角方向に突出量調整可能に取付けられた罫書き用の突起を有した罫書き針ホルダーと、前記スケールの基端部に固定され嵌合用凹部又は、凸部のいずれか一方を有した基部と、一端に前記基部の凸部又は、凹部のいずれか一方と嵌合する嵌合部を有し、他端にワーク表面に対し軸線を直角方向に維持する当接面を備えた直角保持部とが配設された回転中心軸とを具備したことを特徴とする。
【0009】
かかる発明において、スケールに対し直角を成し罫書き針ホルダーと、回転中心軸の軸線をワーク表面に対して直角方向に維持する当接面を備えた回転中心軸とすることにより、ワーク表面と回転中心軸とが直角になるのでスケールがワークの面と平行になり、罫書き寸法の精度が正確に維持できる効果を有している。
また、基部と回転中心軸との結合は嵌合構造としたので、回転中心軸の交換により、複数の基準孔に対応でき、工具の製作コストの低減が可能となる。
【0010】
また、本願発明において好ましくは、前記回転中心軸の他端には前記ワークに穿設された基準孔に嵌入する基準突起と、該基準突起の軸線と直角を成すと共に、前記基準孔の外周面と当接する当接面とを備えるとよい。
【0011】
このような構成にすることにより、基準突起をワークの基準孔に嵌合し、基準突起の軸線と直角を成す当接面を基準孔の外周面に当接させることで、ワーク表面と回転中心軸の軸線との直角を容易に維持することができると共に、基準孔に基準突起を嵌合させているので、罫書き作業中に回転中心軸がずれるのを防止でき、精度の高い罫書き作業が容易になる効果を有している。
【0012】
また、本願発明において好ましくは、前記回転中心軸の他端には前記ワークに装着されたボルトの頭部の外周形状に沿った係合凹部が形成されたソケット部を有し、前記ボルトの頭部に前記ソケット部を嵌合させることにより、前記ボルトの頭部の外周平面と該ソケット部内周の当接面とが当接して、前記ワークの表面と前記回転中心軸の軸線との直角を維持するようにするとよい。
【0013】
このような構成にすることにより、ワークにボルト(ボルト頭部形状が六角、又は多角形状)が螺合している場合の罫書き作業において、ボルトの頭部を罫書き作業の回転中心とすることが可能となり、ボルトの頭部の軸線と回転中心軸の軸線とが同一軸線上に位置することにより、ワーク表面と回転中心軸(ソケット部)の軸線との直角を容易に維持することができるので、精度の高い罫書き作業が容易になる効果を有している。
【0014】
また、本願発明において好ましくは、前記罫書き針ホルダー又は、前記回転中心軸の少なくとも何れか一方の前記スケールを外嵌した部分に水平度を確認する水準器を配設するとよい。
【0015】
このような構成にすることにより、スケールとワークとの平行度が目視で容易に確認でき、精度の高い罫書き作業が容易となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、回転中心軸の他端がワークの基準孔を中心にして、回転中心軸の軸線をワーク表面に対して直角方向に維持する当接面を備えた回転中心軸とすることにより、ワーク表面と回転中心軸とが直角になるのでスケールがワークの面と平行になり、罫書き寸法の精度が正確に維持できる効果を有している。
また、基部と回転中心軸との結合は嵌合構造としたので、回転中心軸の交換により、複数の基準孔に対応でき、工具の製作コストの低減が可能となる。
更に、回転中心軸がワークの基準孔に対し、容易にずれない構造としたので、精度の高い罫書き作業が容易になる効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】は本発明の第1実施形態にかかる罫書き工具の概略外観斜視図を示す。
【図2】は本発明の第1実施形態にかかる(A)は回転中心軸、(B)は罫書き針ホルダーの罫書き部詳細図を示す。
【図3】は本発明の第2実施形態に係る(A)は回転中心軸部分の概略外観斜視図、(B)は(A)のB−B断面図及び、(C)は回転中心軸の外観斜視図を示す。
【図4】は本発明の第3実施形態に係る概略外観図を示す。
【図5】は従来技術の外観図を示す。
【図6】は罫書き工具の実施方法の説明図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。
但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0019】
(第1実施形態)
図1は第1実施形態にかかる罫書き工具の概略外観斜視図を示し、罫書き工具1は、長手方向に目盛り21が付されたスケール2と、該スケール2の目盛り21の基端部に固定される罫書き中心部3と、該スケール2の目盛り21方向に沿って摺動可能に外嵌して、ワーク5上に罫書き線を記す罫書き用突起である罫書き部42を備えた罫書き針ホルダー4とで構成されている。
罫書き中心部3はスケール2の目盛り21の基端部に固定される基部31と、基部31に着脱自在に嵌合して、罫書き作業の回転中心となる回転中心軸32とを有している。
【0020】
図2(A)は罫書き中心部3の基部31に螺合される回転中心軸32を示している。基部31はスケール2の目盛り21の基端部に固定され、凹部である雌ネジ(図示省略)が配設されている。該雌ネジの軸線Lcf(図示省略)は目盛り21の0点に位置し、該軸線Lcfは目盛り21が付与されたスケール2の軸線Lsと直角に固定されている。回転中心軸32は一端が凸部である雄ネジ323が配設されてあり、上述の雌ネジに螺合して、雌ネジの軸線Lcfと回転中心軸32の軸線Lcmは同一線上に配置されるようになっている。
尚、本実施形態では、基部31の嵌合部を凹部である雌ネジとしたが、凸部の場合には雄ネジとなり、回転中心軸32は一端は凹部となる雌ネジが配設される。
また、雄ネジ323と回転中心軸32の軸部325との間には六角形状のスパナ掛部324が形成されており、雄ネジ323と基部31の雌ネジとの着脱に使用される。
【0021】
他端はワーク5の基準孔51に嵌合して、基準孔51の中心と回転中心軸32の軸線Lcmとが略同一軸線状になるような外径を有した基準突起部322と、基準突起部322と軸部325との間にはワーク5の基準孔51の外周面に当接する外周部が円形状でフランジ状の当接面321を有して、当接面321は軸線Lcmと直角になるように配設されている。
従って、回転中心軸32は基準突起部322がワーク5の基準孔51の径に沿ったものに交換する必要があり、基部31と回転中心軸32とは螺合結合とすることで、回転中心軸32の交換容易化を図っている。
また、当接面321のフランジ部326は軸部325の外径より大きくなっており、フランジ部326の外径から軸部325の外径への接続形状は滑らかな曲面を有するR部形状となっている。
曲面R部形状のRの大きさは、指で軸部325を摘みながらフランジ部326の当接面321をワーク5の基準孔51の外周面に当接させるためにワーク5側へ押圧した時に、指と曲面R部とが馴染みやすい大きさになっている。
【0022】
図2(B)は罫書き針ホルダー3の基部41に固定される罫書き用突起である罫書き部42の先端部構造を示している。
罫書き部42は外筒43に内嵌した罫書き針45が外筒43の軸線Lkに沿って、摺動可能に配置されている。外筒43と罫書き針45との間には圧縮型のコイルスプリング44が内装されており、ワーク5側へ常に押圧力が作用する構造となっている。
【0023】
従って、基準突起部322をワーク5の基準孔51に嵌合して、フランジ部326の当接面321を基準孔51の外周面全体と当接させるように罫書き針ホルダー4をワーク5側に押付けることにより、罫書き針45はコイルスプリング44の押圧力に抗して外筒43内に嵌入していく。フランジ状の当接面321と基準孔51の外周面全体とが当接した時に、ワ−ク5の平面とスケール2の軸線Lsは平行となり、精度の高い罫書き線が引けることになる。
また、回転中心軸32はフランジ部326の外径から軸部325の外径への変化する部分は滑らかな曲面のR部となっているので、当接面321をワーク5の基準孔51に押付ける際と、ワーク5に罫書く時に、回転中心軸32の軸線Lcmに沿って回転中心軸32が回転するが、R部となっているので、作業者の指部に滑らかに接すると共に、回転中心軸32のワーク5への押圧力が付加し易く、当接面321前面をワークの表面に当接し易くなる効果を有している。
【0024】
(第2実施形態)
図3は本発明の第2実施形態に係り、(A)は罫書き中心部7の概略外観斜視図、(B)は(A)のB−B断面図及び、(C)は回転中心軸72外観斜視図を示す。
尚、第1実施形態と同じ部品については、部品を明確にするため、同一符号を付す。
図3(A)において、罫書き工具6は長手方向に目盛り21が付されたスケール2と、該スケール2の目盛り21の基端部に固定され、罫書き作業の回転中心となる罫書き中心部7が図示されている。他の構成は第1実施形態と同じなので省略する。
罫書き中心部7は、スケール2の目盛り21の基端部に固定された基部70と、基部70に固着され、基部70からワーク5側に向かって延在する円柱状の支持部71と、一端が支持部71に外嵌して、支持部71に装着された後述する保持装置73によって保持されると共に、他端がワーク5に装着されたボルトの頭部に外嵌するソケット部722を有した回転中心軸72とで構成されている。
【0025】
図3(B)は(A)のB−B断面図及び、(C)は回転中心軸72外観斜視図を示す。
基部70の支持部71に回転中心軸72の一端である外嵌部721が外嵌して、回転中心軸72が保持される構造を示している。
支持部71の外周部には円形状の凹部711が穿設されている。凹部711内には内部にリーフスプリング733によって外方向へ押圧された係合ボール731がケーシング732によって保持された保持装置73が配設されている。
一方、回転中心軸72の一端である外嵌部721の内周側部分には断面半円形状の係合溝724が全周に亘って設けられている。外嵌部721が支持部71に外嵌した際に、係合ボール731の一部が係合溝724に嵌入して、回転中心軸72は支持部71に対し軸線方向への係合を維持すると共に、支持部71のラジアル方向には回動可能となっている。
【0026】
アタッチメント72の他端であるソケット部722の内周部には6角ボルトの頭部に外嵌する6角形状の柱状中空部723が形成されている。
尚、ボルトの頭部に外嵌するソケット部は、通常6角ボルトであるが、特殊な場合、4,8または12角等の頭部形状をしたものがあるが、その場合にはその形状に対応したソケット部を有した回転中心軸72を使用する。
【0027】
本第2実施形態によると、ワーク5の基準孔51にボルトが締結されている場合に使用するもので、ボルト頭部にソケット部722を外嵌させると、ボルト頭部の角面(6角ボルトの場合は6面)の高さ方向(ボルトの軸線方向)がソケット部722の柱状中空部723を形成する面と面接触となるため、回転中心軸72の軸線とボルトの軸線が同一軸線上に位置することになり、回転中心軸72の軸線とワーク5の表面とは直角になる。
従って、ボルト頭部の角面とソケット部722の柱状中空部723が嵌合するように罫書き針ホルダー4をワーク5側に押圧すると、罫書き針ホルダー4の罫書き針45はコイルスプリング44の押圧力に抗して外筒43内に進入して、ワーク5とスケール2とは平行になり、精度の高い罫書き線が引けることになる。
また、本第2実施形態では、係合ボール731の一部が係合溝724に嵌入して、回転中心軸72は支持部71に軸線方向に対し係合維持されるが、支持部71のラジアル方向には摺動可能としたので、ボルト頭部にアタッチメント72を嵌合させて、ボルト頭部を中心にスケール2を回転させて罫書いても、ボルトを回転させないので、ボルトの締付けトルクを調整してあるボルトの締付け力を変化させることを防止する効果を有している。
【0028】
(第3実施形態)
図4は本発明の第3実施形態に係る概略外観斜視図を示す。
尚、第1実施形態と同じ部品については、部品を明確にするため、同一符号を付し、機能及び、構成は第1実施形態と同じなので省略する。
図4において、罫書き工具8は、長手方向に目盛り21が付されたスケール2と、該スケール2の目盛り21の基端部に固定される罫書き中心部3と、該スケール2の目盛り21方向に沿って摺動可能に外嵌して、ワーク5上に罫書き線を記す罫書き用突起である罫書き部42を備えた罫書き針ホルダー4とで構成されている。ワーク上に罫書き線を記す罫書き部42を備えた罫書き針ホルダー4と、罫書き針ホルダー4の上面に固定された水準器とで構成されている。
【0029】
水準器9は一般の気泡管水準器で金属製或いは、樹脂製のケースに取付けられた気泡管(アルコール又はエーテルの液体に一つの気泡が封入されたガラス製密閉容器)にて製造されたものでよい。
水準器9はスケール2を基準にして罫書き針ホルダー4の罫書き針45と反対側位置に接着剤又はネジ等で固定されている。
また、水準器9は罫書き中心部3の基部31に装着しても、同様の効果を得ることができる。
【0030】
本第3実施形態によると、視覚によって確認し難いワーク5の基準孔51の外周面と回転中心軸32の当接面321との接触面が確実に接触していることが、間接的に目視で確認でき、罫書き作業のより確実な作業が実施しやすくなる効果を有している。(第2実施形態に本実施形態の水準器を装着した場合でも同様な効果が得られる。)
【産業上の利用可能性】
【0031】
組み込まれた部材の改良等に伴う取付け用の孔、又はタップ孔の追加を行う罫書き作業で、既存の孔又は、締結されているボルト(又はナット)の頭部を利用して行われる罫書き作業の工具として適用できる。
【符号の説明】
【0032】
1、6、8 罫書き工具
2 スケール
3、7 罫書き中心部
4 罫書き針ホルダー
5 ワーク
9 水準器
21 目盛り
31、70 基部
32、72 回転中心軸
42 罫書き部
45 罫書き針
51 基準孔
73 保持装置
321 当接面
322 基準突起部
324 スパナ掛部
722 ソケット部
723 柱状中空部
724 係合溝
731 係合ボール
733 リーフスプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向に目盛りを配した軸状のスケールと、該スケールの長さ方向に摺動自在に嵌合し、先端部に前記スケールに対し直角方向に突出量調整可能に取付けられた罫書き用の突起を有した罫書き針ホルダーと、前記スケールの基端部に固定され嵌合用凹部又は、凸部のいずれか一方を有した基部と、一端に前記基部の凸部又は、凹部のいずれか一方と嵌合する嵌合部を有し、他端にワーク表面に対し軸線を直角方向に維持する当接面を備えた直角保持部とが配設された回転中心軸とを具備したことを特徴とする罫書き工具。
【請求項2】
前記回転中心軸の他端には前記ワークに穿設された基準孔に嵌入する基準突起と、該基準突起の軸線と直角を成すと共に、前記基準孔の外周面と当接する当接面とを備えたことを特徴とする請求項1記載の罫書き工具。
【請求項3】
前記回転中心軸の他端には前記ワークに装着されたボルトの頭部の外周形状に沿った係合凹部が形成されたソケット部を有し、前記ボルトの頭部に前記ソケット部を嵌合させることにより、前記ボルトの頭部の外周平面と該ソケット部内周の当接面とが当接して、前記ワークの表面と前記回転中心軸の軸線との直角を維持するようにしたことを特徴とする請求項1記載の罫書き工具。
【請求項4】
前記罫書き針ホルダー又は、前記回転中心軸の少なくとも何れか一方の前記スケールを外嵌した部分に水平度を確認する水準器を配設したことを特徴とする請求項1記載の罫書き工具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−240426(P2011−240426A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−113053(P2010−113053)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【出願人】(303002158)三菱ふそうトラック・バス株式会社 (1,037)