説明

置き畳

【課題】 置き畳はフローリングや板の間その他の畳以外の部屋に一部に置いて、その部分のみ畳敷きにするものである。このような置き畳は、使用しないときには押し入れ等に収納するしかない。即ち、他の使用方法がまったくないためである。また、屏風や衝立も同様で使用しないときには収納するしかない。そこで、本発明者は、置き畳としてもまた屏風や衝立としても使用できる置き畳を提供する。
【解決手段】 複数の畳床を跨ぐように畳表を貼付したものであって、その畳床の連結部の上方に畳表の連結部が位置するようにしたもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置き畳に関するものである。
【背景技術】
【0002】
置き畳とは、フローリングや板の間その他の畳以外の部屋に一部に置いて、その部分のみ畳敷きにするものである。例えば、半畳サイズの薄畳を4枚フローリングの部屋の片隅に置く等である。
【0003】
これによって、高齢者が落ち着く雰囲気を出したり、お茶やお花の作法にも好適となる。
【0004】
また、これとは別に部屋を簡易に仕切ったり、一部を隠すため屏風や衝立が用いられている。
【0005】
このような置き畳は、使用しないときには押し入れ等に収納するしかない。即ち、他の使用方法がまったくないためである。また、屏風や衝立も同様で使用しないときには収納するしかない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明者は、置き畳としてもまた屏風や衝立としても使用できる置き畳を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上のような状況に鑑み、本発明者は鋭意研究の結果本発明置き畳を完成させたものであり、その特徴とするところは、複数の畳床を跨ぐように畳表を貼付したものであって、その畳床の連結部の上方に畳表の連結部が位置するようにした点にある。
【0008】
畳床はどのようなものでもよい。単なる木質ボード、プラスチック段ボール、プラスチック発泡体、その他の板材である。また、これらの積層体でもよい。要するに、薄畳の床として使用できるものであればどのようなものでもよい。勿論、これにクッション材や滑り止シート、吸湿シート、その他の機能性シート等を追加してもよい。
【0009】
この畳床は置き畳にするため、薄い方がよい。10〜20mm程度が好適であるが、限定するものではない。また、躓かないように周囲は傾斜断面でもよい。また、大きさは1畳程度のものが使いやすいが、それより小さくてもよい。
更に、これより大きなものでもよい。天然イグサを用いたものではイグサの長さに制約があるが、プラスチックや紙製の模造イグサを用いればより長いものができるため、この床の幅もより大きくてもよい。
【0010】
畳床は通常矩形であるが、六角形や八角形等形状は自由である。2つ(又はそれ以上)の連結部が直線であれば可能である。特に屏風や衝立のように使用する場合、おもしろいデザインになる。
【0011】
畳表は、通常のものでも、いわゆる茣蓙でもよい。要するに、天然又は模造イグサを織って製造したものであればよい。織り方は自由であり、色の異なるイグサを用いて模様を織り出してもよい。
【0012】
前記の畳床を少なくとも2枚跨ぐように畳表を貼付する。この時、畳床の合わせ部分に畳表の繋ぎ部分が位置するように貼付する。これによって折り畳みが容易になるのであり、本発明の大きな特徴である。
畳表の繋ぎ部分とは、茣蓙の繋ぎ部分のように畳表の最端部の縦糸同士を糸で縫い合わせた部分である。通常の畳表にはこのような部分はないが、横幅が1畳分以上ある茣蓙では必須の部分である。勿論、茣蓙の連結方式だけに限らず、他の連結方式でもよい。
【0013】
畳表を貼付する方法は縫着でも、接着でも、タッカー止めその他でよい。これらは床の材質や厚み、イグサの種類によって選択すればよい。
【0014】
このように畳表を貼付する畳床同士を予め連結しておいてもよい。この連結の方法は、ガムテープのようなもので表側(畳表を貼付する側)のみを貼付してもよいし、その部分に畳縁を固着させて、その縁同士を縫着してもよい。
【0015】
更に、畳床を3つ以上用いて折り返し部が2ヶ所以上あるものでもよい。この場合、折り返し部は表側ですべて谷折にするか、交互に山折、谷折にするかであるが、山折にする場合には裏面で接合しなければならない。
【0016】
畳表を貼付した後は、通常の薄畳のように縁を設けてもよい。この縁もデザイン的に種々の色のものが使用できる。
【0017】
また、裏面はどのようなものでもよいが、屏風や衝立として使用する場合、裏面も見栄えのよいシートや畳表を貼付してもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明置き畳には次のような大きな利点がある。
(1) 連結されているため、置き畳同士がばらばらにならない。
(2) 連結されて折り畳み可能であるため、立てると屏風や衝立として使用できる。
(3) 収納する場合にも折り畳んで簡単に小さくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下実施例に沿ってより詳細に説明する。
【実施例】
【0020】
図1は、本発明置き畳1をその連結部で少し折り曲げ、立てたところである。よって、屏風や衝立と同じように使用できる。畳表部分は、模様織りしており従来の畳表とは異なる美観がある。
これは、1畳サイズの床に畳表2を貼付し、縁3を固着したものである。
【0021】
図2は、図1の連結部の詳細を示す断面図である。床4の端部に縁5を固着する。固着法は縫着その他どのような方法でもよい。そしてこの縁5同士を糸6で縫いつける。この図では縁同士は離れているが実際にはより近く縫い付けている。この表面に畳表2を固着する。この時、畳表2を接合している縫着糸7の部分が畳床の接合部に位置するようにする。畳表2を床4に固着すると、縁の糸6と表の糸7が近くなり、折り曲げにほとんど抵抗はなくなる。
【0022】
図3は、本発明に使用する床4の他の例を示す。木質ボード(インシュレーションボード)の表裏両面にプラスチック段ボール9を貼付したものである。厚みは全体として20mmである。
【0023】
この例の製造工程を説明する。
1 2枚の床4を所定サイズに裁断する。
2 床の連結側の辺に縁5を当てて、表面部以外を縫着する。
3 表面部の縁を立てて互いに縫い付ける。これで縁同士が連結される。
4 そして縁の表側をタッカーで固着する。
5 これに畳表を縫着する。
6 最後に両側に縁を縫着する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明置き畳の1例を示す斜視図である。
【図2】図1の連結部の詳細を示す断面図である。
【図3】本発明に使用する床の1例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
【0025】
1 置き畳
2 畳表
3 縁
4 床
5 縁
6 糸
7 糸
8 木質ボード
9 プラスチック段ボール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の畳床を跨ぐように畳表を貼付したものであって、その畳床の連結部の上方に畳表の連結部が位置するようにしたことを特徴とする置き畳。
【請求項2】
該畳床同士も連結したものである請求項1記載の置き畳。
【請求項3】
該畳表は、模様織りされたものである請求項1又は2記載の置き畳。
【請求項4】
該畳床は木質ボードの表裏両面にプラスチック段ボールを貼付したもので、厚みが25mm以下のものである請求項1〜3記載の置き畳。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−2519(P2006−2519A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−182227(P2004−182227)
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(595004159)
【Fターム(参考)】