説明

置換フェニレン芳香族ジエステルの製造

本開示は、置換フェニレン芳香族ジエステルの製造方法及び得られる組成物を提供する。本発明の方法は、芳香族ジオールを芳香族カルボン酸又はその誘導体と反応させることを含む。芳香族ジオール及び/又は芳香族カルボン酸(若しくはその誘導体)は置換される。反応により、構造(II)を有する置換フェニレン芳香族ジエステルが形成される(但し、構造(II)において、R〜R14は同じであるか、又は異なる)。R〜R14の少なくとも1つが、1個〜20個の炭素原子を有する置換されたヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基、ヘテロ原子及びそれらの組合せから選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は、2008年12月31日出願の米国仮特許出願第61/141,959号の優先権を主張し、その全内容が参照により本明細書中に組み込まれる。
【0002】
本開示は置換1,2−フェニレン芳香族ジエステルに関する。
【背景技術】
【0003】
非置換フェニレンジベンゾアートのための公知の合成が、カテコールを液体媒体中でベンゾイルクロリドによりエステル化することである。置換フェニレンジベンゾアートは、改善された特性を有するオレフィン系ポリマーを製造するための改善された触媒系における成分として有望である。従って、当分野では、置換フェニレン芳香族ジエステルを製造するための改善された方法、及び、得られる組成物が必要であることが認識されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、置換された1,2−フェニレン芳香族ジエステルに関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの実施形態において、ジエステルを製造するための方法が提供される。この方法は、置換された芳香族ジオールを、反応条件下、芳香族カルボン酸又はその誘導体と反応させることを含む。反応により、下記の構造(II)の置換された1,2−フェニレンジベンゾアートが形成される:
【化1】


式中、R〜R14は同じであるか、又は異なる。R〜Rの少なくとも1つが、2個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、及び、2個〜20個の炭素原子を有する置換されたヒドロカルビル基から選択される。R〜Rのそれ以外のR基のそれぞれが水素である。R〜R14のそれぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有する置換されたヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基、ハロゲン及びそれらの組合せから選択される。
【0006】
1つの実施形態において、上記方法は、R〜R14のそれ以外のR基のそれぞれが水素であるとき、R又はRのどちらもがメチル基でない置換されたカテコールを選択することを含む。
【0007】
本開示は、ジエステルを製造するための別の方法を提供する。1つの実施形態において、ジエステルを製造するための方法は、置換された芳香族ジオールを、反応条件下、置換された芳香族アシルハライドと反応させることを含む。反応により、R〜R14が同じであるか、又は異なる構造(II)の置換された1,2−フェニレンジベンゾアートが形成される。R〜Rの少なくとも1つ、R〜Rの少なくとも1つ、及び、R10〜R14の少なくとも1つが、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有する置換されたヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基、ハロゲン及びそれらの組合せから選択される。
【0008】
本開示は、ジエステルを製造するための別の方法を提供する。1つの実施形態において、ジエステルを製造するための方法は、芳香族ジオールを、反応条件下、二置換カルボン酸又はその誘導体と反応させることを含む。反応により、R〜R14が同じであるか、又は異なる構造(II)の置換された1,2−フェニレンジベンゾアートが形成される。R〜Rの少なくとも2つ、及び、R10〜R14の少なくとも2つが、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有する置換されたヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基、ハロゲン及びそれらの組合せから選択される。
【0009】
本開示は、ジエステルを製造するための別の方法を提供する。1つの実施形態において、ジエステルを製造するための方法は、芳香族ジオールを、反応条件下、第1の芳香族カルボン酸又はその誘導体及び第2の芳香族カルボン酸又はその誘導体と反応させることを含む。反応により、R〜R14が同じであるか、又は異なる構造(II)の置換された1,2−フェニレンジベンゾアートが形成される。R〜R14のそれぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する置換されたヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基、ハロゲン及びそれらの組合せから選択される。R〜Rの少なくとも1つがそのそれぞれの対応する片方のR10〜R14と異なる。
【0010】
本開示は、ジエステルを製造するための別の方法を提供する。1つの実施形態において、ジエステルを製造するための方法は、ジヒドロキシナフタレンを、反応条件下、カルボン酸又はその誘導体と反応させることを含む。反応により、R〜R14が同じであるか、又は異なる1,2−フェニレンジベンゾアートが形成される。1つの実施形態において、R及びRはC芳香族環の構成成分である。さらなる実施形態において、R〜R14の少なくとも1つのR基が水素ではない。
【0011】
本開示は、ジエステルを製造するための別の方法を提供する。1つの実施形態において、ジエステルを製造するための方法は、芳香族ジオールを、反応条件下、ナフトイルハライドと反応させることを含む。反応により、R〜Rにおけるいずれか2つの連続するR基、及び/又は、R10〜R14におけるいずれか2つの連続するR基がC芳香族環の構成成分である置換された1,2−フェニレンジベンゾアート(II)が形成される。
【0012】
本開示は組成物を提供する。1つの実施形態において、下記の構造(II)を有する置換フェニレン芳香族ジエステルが提供される:
【化2】


式中、R〜R14は同じであるか、又は異なる。Rはイソプロピル基又は第三級アルキル基ではない。R及びRのそれぞれが、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のアルキル基、1個〜20個の炭素原子を有するアルケニル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せから選択される。R、R及びR〜R14のそれぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン及びそれらの組合せから選択される。
【0013】
本開示は別の組成物を提供する。1つの実施形態において、構造(II)の置換フェニレン芳香族ジエステルが提供される。R〜R14は同じであるか、又は異なる。Rは、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基である。R〜Rのそれぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せから選択される。R〜R14のそれぞれが、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せから選択される。
【0014】
本開示は別の組成物を提供する。1つの実施形態において、構造(II)の置換フェニレン芳香族ジエステルが提供される。R〜R14は同じであるか、又は異なる。Rは、2個〜20個の炭素原子を有するアルキル基である。R〜Rの他のR基はそれぞれが水素である。R〜R14のそれぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せから選択される。R、R及びR12のR基は同時にt−ブチル基ではない。
【0015】
本開示は別の組成物を提供する。1つの実施形態において、構造(II)を有する置換フェニレン芳香族ジエステルが提供される。R〜R14は同じであるか、又は異なる。R、R、Rのそれぞれが水素である。Rは、1個〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である。R及びR12の少なくとも1つがハロゲンである。R〜R、R〜R11及びR13〜R14のそれぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せから選択される。
【0016】
本開示は別の組成物を提供する。1つの実施形態において、構造(II)を有する置換フェニレン芳香族ジエステルが提供される。R〜R14は同じであるか、又は異なる。R、R、Rのそれぞれが水素である。Rは、1個〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である。R〜R14のそれぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せから選択される。R〜R、R〜R11及びR13〜R14の少なくとも1つが、C〜Cアルキル基、ハロゲン及びそれらの組合せから選択される。
【0017】
本開示は別の組成物を提供する。1つの実施形態において、構造(II)の置換された1,2−フェニレン芳香族ジエステルが提供される。R〜R14は同じであるか、又は異なる。Rは第二級アルキル基又は第三級アルキル基ではない。R及びRのそれぞれが、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のアルキル基、1個〜20個の炭素原子を有するアルケニル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せから選択される。R〜Rのそれぞれ、及び、R〜R14のそれぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せから選択される。
【0018】
別の組成物が提供される。1つの実施形態において、構造(II)の置換フェニレン芳香族ジエステルが提供される。R〜R14は同じであるか、又は異なる。R〜R14のそれぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せから選択される。R〜Rの少なくとも1つがそのそれぞれの対応する片方のR10〜R14と異なる。
【0019】
別の組成物が提供される。1つの実施形態において、下記の構造(IV)を有する置換フェニレン芳香族ジエステルが提供される。
【化3】

【0020】
、R及びR〜R14は同じであるか、又は異なる。R及びRのそれぞれが水素である。R〜R14の少なくとも1つが、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せから選択される。R及びR12は同時にメチル基ではない。
【0021】
本開示の利点の1つが、改善された特性を有する置換フェニレン芳香族ジエステル化合物の提供である。
【0022】
本開示の利点の1つが、オレフィン系ポリマーを製造するためのプロ触媒組成物及び/又は触媒組成物における使用のために好適な改善された置換フェニレン芳香族ジエステルの提供である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示は、置換された1,2−フェニレン芳香族ジエステルの製造に関する。
【0024】
1つの実施形態において、ジエステルを製造するための方法が提供される。この方法は、置換された芳香族ジオールを芳香族カルボン酸又はその誘導体と反応させることを含む。反応により、置換フェニレン芳香族ジエステルが形成される。
【0025】
本明細書中で使用される「芳香族ジオール」は、少なくとも2つの隣接するヒドロキシル基を有する少なくとも1つのベンゼン環を含有する化合物である。芳香族ジオールは単環構造又は多環構造であり得ることが理解される。好適な芳香族ジオールの限定されない例としては、ベンゼンジオール(例えば、1,2−ベンゼンジオール(カテコール)など)、1,2−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン及び1,8−ジヒドロキシナフタレンが挙げられる。
【0026】
用語「置換された芳香族ジオール」は、本明細書中で使用される場合、(2つのヒドロキシル基以外の)ベンゼン環置換基の少なくとも1つ(又は2つ、又は3つ、又は4つ)が、1個〜20個の炭素原子を有する置換されたヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基、ヘテロ原子及びそれらの組合せである芳香族ジオールを示す。本明細書中で使用される用語「ヒドロカルビル」及び用語「炭化水素」は、水素原子及び炭素原子のみを含有する置換基を示し、これには、分枝又は非分枝の化学種、飽和又は不飽和の化学種、環式、多環式、縮合型又は非環式の化学種、及び、それらの組合せが含まれる。ヒドロカルビル基の限定されない例としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジエニル基、アリール基、アラルキル基、アルキルアリール基及びアルキニル基が挙げられる。
【0027】
本明細書中で使用される用語「置換されたヒドロカルビル」及び用語「置換された炭化水素」は、1つ又はそれ以上のヒドロカルビル置換基以外の基により置換されるヒドロカルビル基を示す。ヒドロカルビル置換基以外の基の限定されない一例がヘテロ原子である。本明細書中で使用される「ヘテロ原子」は、炭素又は水素とは異なる原子を示す。ヘテロ原子は、周期表のIV族、V族、VI族及びVII族に由来する炭素以外の原子が可能である。ヘテロ原子の限定されない例としては、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、N、O、P、B、S及びSiが挙げられる。置換されたヒドロカルビル基にはまた、ハロヒドロカルビル基及び/又はケイ素含有ヒドロカルビル基が含まれる。本明細書中で使用される用語「ハロヒドロカルビル基」は、1個又はそれ以上のハロゲン原子により置換されるヒドロカルビル基を示す。本明細書中で使用される用語「ケイ素含有ヒドロカルビル基」は、1個又はそれ以上のケイ素原子により置換されるヒドロカルビル基である。ケイ素原子は炭素鎖に存在してもよく、又は、炭素鎖に存在しなくてもよい。
【0028】
芳香族カルボン酸、又は、芳香族カルボン酸の誘導体は、本発明の方法における別の反応物である。本明細書中で使用される「芳香族カルボン酸」は、少なくとも1つのカルボキシル基がベンゼン環に直接に結合する少なくとも1つのベンゼン環を含有する化合物である。芳香族カルボン酸は単環構造又は多環構造であり得ることが理解される。芳香族カルボン酸はモノカルボン酸又はポリカルボン酸であり得る。好適な芳香族カルボン酸の限定されない例としては、安息香酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、6H−フェナレン−2−カルボン酸、アントラセン−2−カルボン酸、フェナントレン−2−カルボン酸及びフェナントレン−3−カルボン酸が挙げられる。
【0029】
「芳香族カルボン酸の誘導体」又は「芳香族カルボン酸誘導体」は、本明細書中で使用される場合、芳香族アシルハライド、芳香族無水物、芳香族カルボン酸塩又はそれらの任意の組合せを示す。芳香族カルボン酸の誘導体は単環構造又は多環構造であり得ることが理解される。好適な芳香族アシルハライドの限定されない例としては、上記で開示される芳香族カルボン酸のいずれかのハライド(すなわち、下記酸の1つ又はそれ以上のハライド:安息香酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、6H−フェナレン−2−カルボン酸、アントラセン−2−カルボン酸、フェナントレン−2−カルボン酸及び/又はフェナントレン−3−カルボン酸)が挙げられる。好適な芳香族アシルハライドのさらなる限定されない例としては、ベンゾイルクロリド、ベンゾイルフルオリド、ベンゾイルブロミド及びベンゾイルヨージド、ナフトイルクロリド、ナフトイルフルオリド、ナフトイルブロミド及びナフトイルヨージド、並びに、前記芳香族アシルハライドの任意の組合せが挙げられる。
【0030】
好適な芳香族無水物の限定されない例としては、上記で開示される芳香族カルボン酸の無水物(すなわち、下記酸の1つ又はそれ以上の無水物:安息香酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、6H−フェナレン−2−カルボン酸、アントラセン−2−カルボン酸、フェナントレン−2−カルボン酸及び/又はフェナントレン−3−カルボン酸)が挙げられる。好適な芳香族無水物のさらなる限定されない例としては、無水安息香酸、及び、前記芳香族無水物の任意の組合せが挙げられる。
【0031】
好適な芳香族カルボン酸塩の限定されない例としては、上記で開示される芳香族カルボン酸のカリウム塩、ナトリウム塩又はリチウム塩(すなわち、下記酸の1つ又はそれ以上の塩:安息香酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、6H−フェナレン−2−カルボン酸、アントラセン−2−カルボン酸、フェナントレン−2−カルボン酸及び/又はフェナントレン−3−カルボン酸)が挙げられる。好適な芳香族カルボキン酸塩のさらなる限定されない例としては、安息香酸カリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸リチウム、2−ナフトエ酸カリウム、2−ナフトエ酸ナトリウム、及び、前記芳香族カルボン酸塩の任意の組合せが挙げられる。
【0032】
芳香族カルボン酸又はその誘導体は置換され得る。用語「置換された芳香族カルボン酸又はその誘導体」は、本明細書中で使用される場合、(カルボキシル基以外の)ベンゼン環置換基の少なくとも1つが、1個〜20個の炭素原子を有する置換されたヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基、ヘテロ原子及びそれらの組合せである芳香族カルボン酸又はその誘導体を示す。従って、用語「置換された芳香族カルボン酸又はその誘導体」には、置換された芳香族カルボン酸、置換された芳香族アシルハライド、置換された芳香族無水物及び/又は置換された芳香族カルボン酸塩が含まれる。
【0033】
1つの実施形態において、本発明の方法は、置換された芳香族ジオールを、反応条件下、芳香族カルボン酸(又はその誘導体)と反応させて、置換フェニレン芳香族ジエステルを形成することを含む。「反応条件」は、本明細書中で使用される場合、生じる生成物の特性に影響を与える温度、圧力、反応物濃度、溶媒濃度、反応物の混合/添加パラメーター及び/又は他の条件を示す。
【0034】
フェニレン成分の特徴が、置換された芳香族ジオールによって決定される。例えば、置換された1,2−ベンゼンジオールにより、置換された1,2−フェニレン芳香族ジエステルがもたらされる。1つの実施形態において、置換された芳香族ジオールは、置換されたカテコールである。置換されたカテコールは下記の構造(I)を有する:
【化4】


式中、R〜Rの少なくとも1つのR基、又は2つのR基、又は3つのR基、又は4つのR基が、1個〜20個の炭素原子を有する置換されたヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基、ヘテロ原子及びそれらの組合せから選択される。R〜Rのそれぞれが水素であり得るか、又は、水素でなくてもよい。本発明の方法は、置換されたカテコールを芳香族アシルハライド(例えば、ベンゾイルハライドなど)と反応させることを含む。この反応により、下記の構造(II)の置換された1,2−フェニレンジベンゾアートが形成される:
【化5】


式中、R〜R14は同じであるか、又は異なる。R〜Rの少なくとも1つが、1個〜20個の炭素原子を有する置換されたヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基、ヘテロ原子及びそれらの組合せから選択される。R〜Rのどれもがまた、水素であり得る。
【0035】
1つの実施形態において、水素でない、R〜RのそれぞれのR基が、1個〜20個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0036】
1つの実施形態において、本発明の方法は、置換された芳香族ジオール、例えば、置換されたカテコールなどを、反応条件下、非置換の芳香族アシルハライド又は置換された芳香族アシルハライドと反応させることを含む。置換されたカテコールのR〜Rの少なくとも1つが、2個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、又は、2個〜20個の炭素原子を有する置換されたヒドロカルビル基から選択される。R〜Rのそれ以外のR基のそれぞれが水素である。本発明の方法は、R〜R14が同じであるか、又は異なる構造(II)の置換フェニレン芳香族ジエステルを形成することを含む。構造(II)のR〜Rの1つが、2個〜20個の炭素原子を有する置換されたヒドロカルビル基、又は、2個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基である。R〜Rのそれ以外の置換基のそれぞれが水素である。R〜R14のそれぞれが水素である。別の実施形態において、水素でない、R〜Rのそれぞれの基が、2個〜20個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0037】
1つの実施形態において、R〜Rの1つのみが置換され、残るR〜Rは水素である。
【0038】
1つの実施形態において、本発明の方法は、R〜R14のそれ以外のR基のそれぞれが水素であるとき、R又はRのどちらもがメチル基でないように、置換されたカテコールを選択することを含む。
【0039】
1つの実施形態において、本発明の方法は、置換されたカテコールを、反応条件下、置換された芳香族アシルハライドと反応させることを含む。置換されたカテコールは、2個〜20個の炭素原子を有する非置換/置換のヒドロカルビル基から選択される、R〜Rの1つ(又は2つ、又は3つ、又は4つ)のR基を含み、R〜Rの残るR基が水素である。
【0040】
1つの実施形態において、置換された芳香族アシルハライドは、下記の構造(III)の置換されたベンゾイルハライドである:
【化6】


式中、Xはハロゲン原子(F、Cl、Br、I)である。A〜Aの少なくとも1つ(又は2つ、又は3つ、又は4つ、又は5つ)のA基が、1個〜20個の炭素原子を有する置換されたヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基、ヘテロ原子及びそれらの組合せから選択される。A〜Aのどれもがまた、水素であり得る。好適な置換された芳香族アシルハライドの限定されない一例が、置換されたベンゾイルクロリドである。
【0041】
置換されたカテコールと、置換された芳香族アシルハライド(III)との間における反応により、R〜R14が同じであるか、又は異なる構造(II)の置換された1,2−フェニレンジベンゾアートが形成される。R〜Rの1つが、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基又は置換されたヒドロカルビル基から選択される。R〜Rのそれ以外のそれぞれが水素である。R〜R14は同じであるか、又は異なる。R〜R14のそれぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する置換されたヒドロカルビル基又は非置換のヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基、ハロゲン及びそれらの組合せから選択される。さらなる実施形態において、水素でない、R〜R14のそれぞれのR基が、1個〜20個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0042】
本開示は別の方法を提供する。1つの実施形態において、ジエステルを製造するために方法であって、置換された芳香族ジオールを、反応条件下、置換された芳香族アシルハライドと反応させ、下記の構造(II)の置換された1,2−フェニレンジベンゾアートを形成することを含む方法が提供される:
【化7】


式中、R〜R14は同じであるか、又は異なる。R〜Rの少なくとも1つ(又は2つ、又は3つ、又は4つ)のR基、R〜Rの少なくとも1つ(又は2つ、又は3つ、又は4つ、又は5つ)のR基、及び、R10〜R14の少なくとも1つ(又は2つ、又は3つ、又は4つ、又は5つ)のR基が、1個〜20個の炭素原子を有する置換されたヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基、ヘテロ原子及びそれらの組合せから選択される。R〜R14のそれぞれが水素であり得るか、又は、水素でなくてもよい。さらなる実施形態において、水素でない、R〜R14のそれぞれの基が、1個〜20個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0043】
1つの実施形態において、本発明の方法は、置換されたカテコールを置換されたベンゾイルハライドと反応させて、R〜Rの少なくとも1つ、R〜Rの少なくとも1つ、及び、R10〜R14の少なくとも1つが、上記で開示されるように置換される(すなわち、水素でない)構造(II)の置換された1,2−フェニレンジベンゾアートを形成することを含む。さらなる実施形態において、水素でない、R〜R14のそれぞれの基が、1個〜20個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0044】
本開示は別の方法を提供する。1つの実施形態において、芳香族ジオールを、反応条件下、二置換(又は三置換、又は四置換、又は五置換)の芳香族カルボン酸又はその誘導体と反応させることを含む方法が提供される。芳香族ジオールは置換又は非置換であり得る。本発明の方法は、下記の構造(II)の置換された1,2−フェニレンジベンゾアートを形成することを含む:
【化8】


式中、R〜R14は同じであるか、又は異なる。R〜Rの少なくとも2つ、及び、R10〜R14の少なくとも2つが、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有する置換されたヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基、ハロゲン及びそれらの組合せから選択される。さらなる実施形態において、水素でない、R〜R14のそれぞれの基が、1個〜20個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0045】
1つの実施形態において、本発明の方法は、カテコール系化合物を二置換(又は三置換、又は四置換、又は五置換)の芳香族アシルハライドと反応させ、R〜Rのそれぞれが水素であり、且つ、R〜Rの少なくとも2つ、及び、R10〜R14の少なくとも2つが、上記で開示されるように置換される構造(II)の置換された1,2−フェニレンジベンゾアートを形成することを含む。さらなる実施形態において、水素でない、R〜R14のそれぞれの基が、1個〜20個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0046】
1つの実施形態において、本発明の方法は、置換された芳香族ジオールを二置換(又は三置換、又は四置換、又は五置換)の芳香族アシルハライドと反応させて、R〜Rの少なくとも1つが、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有する置換されたヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基及びハロゲンから選択される構造(II)の置換フェニレンジベンゾアートを形成することを含む。R〜Rの少なくとも2つ、及び、R10〜R14の少なくとも2つが、上記で開示されるように置換される。さらなる実施形態において、水素でない、R〜R14のそれぞれの基が、1個〜20個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0047】
構造(II)のフェニレン成分から延びるエステル基は、互いの鏡像であると見なすことができる。この意味において、ある種の対称性が、R〜Rの個々の置換基がそれぞれの個々の置換基のR10〜R14に対応するか、又は、そうでない場合には、それぞれの個々の置換基のR10〜R14を映すように、エステル基の間に存在し得る。本明細書中で使用される用語「対になった」又は用語「それぞれの対応する片方」或いは類似する用語は、置換基であるR〜Rと、置換基であるR10〜R14との間における下記の関係又は対形成を示す:RがR10と対になり/対形成し、RがR11と対になり/対形成し、RがR12と対になり/対形成し、RがR13と対になり/対形成し、RがR14と対になり/対形成する。
【0048】
本開示は別の方法を提供する。1つの実施形態において、ジエステルを製造するために方法であって、芳香族ジオールを、反応条件下、第1の芳香族カルボン酸又はその誘導体及び第2の芳香族カルボン酸又はその誘導体と反応させることを含む方法が提供される。芳香族ジオールは置換されてもよく、又は非置換であってもよい。第2の芳香族カルボン酸又はその誘導体は、第1の芳香族カルボン酸又はその誘導体とは異なる。この方法により、下記の構造(II)の置換された1,2−フェニレンジベンゾアートが形成される:
【化9】


式中、R〜R14は同じであるか、又は異なる。R〜R14のそれぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する置換されたヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有する置換されたヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基、ハロゲン及びそれらの組合せから選択される。R〜Rの少なくとも1つがそのそれぞれの対応する片方のR10〜R14と異なる。さらなる実施形態において、水素でない、R〜R14のそれぞれの基が、1個〜20個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0049】
芳香族ジオールと、第1の芳香族カルボン酸(又はその誘導体)及び第2の芳香族カルボン酸(又はその誘導体)との間における反応は、所望されるように任意の順序で反応することができる。1つの実施形態において、芳香族ジオールが第1の芳香族アシルハライドと反応させられる。その後、第2の芳香族アシルハライドが、反応条件下、このジオール/アシルハライド混合物に加えられる。反応が進行して、R〜Rの少なくとも1つがそのそれぞれの対応する片方のR10〜R14と異なる置換された1,2−フェニレンジベンゾアートを形成する。
【0050】
1つの実施形態において、本発明の方法は、芳香族ジオールを同時に、又は、実質的に同時に、第1の芳香族アシルハライド、及び、第1の芳香族アシルハライドとは異なる第2の芳香族アシルハライドと反応させることを含む。この方法により、R〜Rの少なくとも1つがそのそれぞれの対応する片方のR10〜R14と異なる構造(II)の置換された1,2−フェニレンジエステルを含有する混合物が形成される。混合物は分離されてもよく、又は分離されなくてもよく、そして、触媒合成手順において使用することができる。
【0051】
別の限定されない一例において、第1の芳香族アシルハライドが、1つの置換基(例えば、置換基Aなど)が置換される下記の構造(III)のベンゾイルハライドであり得る:
【化10】

【0052】
第2の芳香族アシルハライドは、A以外の置換基(例えば、A)が置換される構造(III)のベンゾイルハライドであり得る。本発明の方法は、芳香族ジオールを第1の芳香族アシルハライド及び第2の芳香族アシルハライドと反応させて、R〜Rの少なくとも1つがそのそれぞれの対応する片方のR10〜R14と異なる置換された1,2−フェニレンジベンゾアートを形成することを含む。例えば、反応により、Rが、R10と同じ置換基でなく、且つ/又は、Rが、R12と同じ置換基でない置換された1,2−フェニレンジベンゾアートを得ることができる。
【0053】
前記方法のいずれかにおいて、芳香族ジオールはジヒドロキシナフタレンであり得る。ジヒドロキシナフタレンは置換又は非置換であり得る。同様に、前記方法のいずれかのカルボン酸誘導体はナフトイルハライドであり得る。ナフトイルハライドは置換又は非置換であり得る。
【0054】
本開示は、ジエステルを製造するための別の方法を提供する。1つの実施形態において、ジエステルを製造するための方法であって、ジヒドロキシナフタレンを、反応条件下、カルボン酸又はその誘導体と反応させることを含む方法が提供される。ジヒドロキシナフタレンは1,2−ジヒドロキシナフタレン及び/又は2,3−ジヒドロキシナフタレンであり得る。反応により、下記の構造(II)の1,2−フェニレンジベンゾアートが形成されるか、又は、そうでない場合には生じる:
【化11】


式中、R〜R14は同じであるか、又は異なる。R〜Rにおけるいずれか連続するR基はC芳香族環の構成成分である。R〜R14のそれぞれが水素であり得るか、又は、水素でなくてもよい。さらなる実施形態において、ジヒドロキシナフタレンは非置換の2,3−ジヒドロキシナフタレンであるか、又は、置換された2,3−ジヒドロキシナフタレンである。R〜R14のそれぞれが水素である。別の実施形態において、ジヒドロキシナフタレンは、置換された1,2−ジヒドロキシナフタレンである。R〜R14のそれぞれが水素である。1つの実施形態において、C芳香族環の一部でない、R〜R14の少なくとも1つのR基は、水素ではない。
【0055】
1つの実施形態において、本発明の方法は、非置換の2,3−ジヒドロキシナフタレン又は置換された2,3−ジヒドロキシナフタレンを芳香族アシルハライドと反応させ、下記の構造(IV)の1,2−フェニレンジベンゾアートを形成することを含む:
【化12】

【0056】
芳香族アシルハライドは置換又は非置換であり得る。R及びRは同じであるか、又は異なり、それぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有する置換されたヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基、ハロゲン及びそれらの組合せから選択される。さらなる実施形態において、芳香族アシルハライドは置換され、R〜R14の少なくとも1つが、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有する置換されたヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基、ハロゲン及びそれらの組合せから選択される。
【0057】
1つの実施形態において、本発明の方法は、非置換の1,2−ジヒドロキシナフタレン又は置換された1,2−ジヒドロキシナフタレンを芳香族アシルハライドと反応させ、下記の構造(V)の1,2−フェニレンジベンゾアートを形成することを含む:
【化13】

【0058】
1つの実施形態において、上記1,2−ジヒドロキシナフタレンは、R及びRが同じであるか、又は異なり、且つ、それぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有する置換されたヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基、ハロゲン及びそれらの組合せから選択されるように選択することができる。芳香族アシルハライドは、R〜R14の少なくとも1つが、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有する置換されたヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基、ハロゲン及びそれらの組合せから選択されるように選択することができる。
【0059】
1つの実施形態において、本発明の方法は、ジヒドロキシナフタレンをナフトイルハライドと反応させることを含む。ジヒドロキシナフタレンは、本明細書中に開示されるどのようなジヒドロキシナフタレンであってもよく、置換又は非置換であり得る。ナフトイルハライドは、本明細書中に開示されるどのようなナフトイルハライドであってもよく、置換又は非置換であり得る。反応により、ナフタレンジナフトアートが形成されるか、又は、そうでない場合には生じる。
【0060】
本開示は、ジエステルを製造するための別の方法を提供する。1つの実施形態において、ジエステルを製造するための方法であって、芳香族ジオールを、反応条件下、ナフトイルハライドと反応させることを含む方法が提供される。芳香族ジオール及び/又はナフトイルハライドは置換されてもよく、又は置換されなくてもよい。ナフトイルハライドは1−ナフトイルハライド及び/又は2−ナフトイルハライドであり得る。反応により、下記の構造(II)の1,2−フェニレンジベンゾアートが形成されるか、又は、そうでない場合には生じる:
【化14】


式中、R〜R14のそれぞれが水素であり得る。R〜Rにおけるいずれか連続するR基、及び/又は、R10〜R14におけるいずれか連続するR基は、C芳香族環の構成成分である。
【0061】
1つの実施形態において、本発明の方法は、芳香族ジオールを、反応条件下、2−ナフトイルハライドと反応させ、下記の構造(VI)の1,2−フェニレンジベンゾアートを形成することを含む:
【化15】

【0062】
1つの実施形態において、本発明の方法は、芳香族ジオールを、反応条件下、1−ナフトイルハライドと反応させ、下記の構造(VII)の1,2−フェニレンジベンゾアートを形成することを含む:
【化16】

【0063】
1つの実施形態において、R〜Rは同じであるか、又は異なり、それぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有する置換されたヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基、ハロゲン及びそれらの組合せから選択される。
【0064】
別の実施形態において、本発明の方法は、ジヒドロキシナフタレンをナフトイルハライドと反応させて、ナフタレンジナフトアートを形成することを含む。
【0065】
1つの実施形態において、本明細書中に開示される方法はどれも、芳香族ジオールと、芳香族カルボン酸又はその誘導体との間における反応を助けるために、触媒を反応(又は反応混合物)に導入することを含むことができる。1つの実施形態において、本発明の方法は、(i)芳香族ジオール(置換又は非置換)、(ii)芳香族アシルハライド(置換又は非置換)、及び、(iii)触媒を反応させ、フェニレン芳香族ジエステルを形成すること、又は、そうでない場合には生じさせることを含む。何らかの特定の理論によってとらわれることを望まないが、触媒が、芳香族ジオールと、芳香族カルボン酸(又はその誘導体)との間におけるエステル化を促進させることが考えられる。好適な触媒の限定されない例としては、金属トリフラート(トリフルオロメタンスルホナート)、例えば、ビスマストリフラートなど、及び/又は、無機酸、例えば、硫酸などが挙げられる。
【0066】
1つの実施形態において、上記で記載されるような、置換/非置換の芳香族カルボン酸(又はその誘導体)と、置換/非置換の芳香族ジオールとの間における反応が、塩基(例えば、アミン及び/又は窒素含有複素環式芳香族化合物など)の存在下で行われる。1つの実施形態において、塩基はトリエチルアミンである。別の実施形態において、塩基はピリジンである。
【0067】
1つの実施形態において、本明細書中に開示される方法のどれもが液体媒体中で行われる。液体媒体のための好適な溶媒の限定されない例を、ピリジン、テトラヒドロフラン、ハロ炭化水素(脂肪族及び/又は芳香族)、炭化水素、アルコール、エーテル及びそれらの任意の組合せから選択することができる。さらなる実施形態において、液体の反応媒体は非水性の液体である。
【0068】
1つの実施形態において、本明細書中に開示される方法のどれもが、反応生成物を液体媒体から取り出すことを含むことができる。反応生成物は、本明細書中に開示される置換フェニレン芳香族ジエステルのいずれかを含む。反応生成物を液体媒体から取り出すことは、下記の手順の1つ又はそれ以上を含むことができる:異なる溶媒により抽出すること、沈殿させること、ろ過すること、ろ液を濃縮すること、液体媒体をエバポレーションすること、置換フェニレン芳香族ジエステルを結晶化させること、置換フェニレン芳香族ジエステルを再結晶すること、金属塩と錯体形成させること、及び、前記の任意の組合せ。
【0069】
どの方法も、本明細書中に開示される2つ以上の実施形態を含むことができる。
【0070】
本開示は組成物を提供する。1つの実施形態において、下記の構造(II)の置換フェニレン芳香族ジエステルが提供される:
【化17】

【0071】
上記式において、R〜R14は同じであるか、又は異なる。Rはイソプロピル基又は第三級アルキル基ではない。R及びRのそれぞれが、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のアルキル基、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のアルケニル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せから選択される。R、R及びR〜R14のそれぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン及びそれらの組合せから選択される。
【0072】
用語「第一級アルキル基」は、本明細書中で使用される場合、フェニル環に結合する炭素原子(すなわち、「C−Ph結合」)を有し、その炭素原子が、C−Ph結合とは異なる1つの他の炭素原子に結合する、1個〜20個の炭素原子を有するアルキル基を示す。「第二級アルキル基」は、本明細書中で使用される場合、フェニル環に結合する炭素原子を有し、その炭素原子が、C−Ph結合とは異なる2つの他の炭素原子に結合する、1個〜20個の炭素原子を有するアルキル基を示す。「第三級アルキル基」は、本明細書中で使用される場合、フェニル環に結合する炭素原子を有し、その炭素原子が、C−Ph結合とは異なる3つの他の炭素原子に結合する、1個〜20個の炭素原子を有するアルキル基を示す。
【0073】
1つの実施形態において、C、H、Si及び/又はハロゲンから選択される原子のみが、構造(II)の置換基点(R〜R14)においてフェニル成分に結合する。
【0074】
1つの実施形態において、R及びRのそれぞれが水素である。別の実施形態において、R、R及びR〜R14のそれぞれが水素である。
【0075】
1つの実施形態において、Rがメチル基であり、且つ、Rが分岐アルキル基である。
【0076】
1つの実施形態において、R及びRのそれぞれが、2個〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビル基から選択される。
【0077】
1つの実施形態において、水素でない、R〜R14のR基はどれも、1個〜20個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0078】
1つの実施形態において、R及びRのそれぞれが、C〜Cアルキル基から選択される。R〜R14は同じであるか、又は異なり、R〜R14のそれぞれが、水素、C〜Cアルキル基及びハロゲンから選択される。好適なC〜Cアルキル基の限定されない例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル及びt−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、並びに、2,4,4−トリメチルペンタン−2−イルが挙げられる。さらなる実施形態において、R〜R14の少なくとも1つがC〜Cアルキル基又はハロゲンである。
【0079】
1つの実施形態において、構造(II)は、メチル基であるR、及び、t−ブチル基であるRを含む。R、R及びR〜R14のそれぞれが水素である。
【0080】
1つの実施形態において、構造(II)は、それぞれがイソプロピル基であるR及びRを含む。R、R及びR〜R14のそれぞれが水素である。
【0081】
1つの実施形態において、構造(II)は、R、R及びR10のそれぞれをメチル基として含み、Rがt−ブチル基である。R、R、R〜R及びR11〜R14のそれぞれが水素である。
【0082】
1つの実施形態において、構造(II)は、R、R及びR12のそれぞれをメチル基として含み、Rがt−ブチル基である。R、R、R、R、R、R、R10、R11、R13及びR14のそれぞれが水素である。
【0083】
1つの実施形態において、構造(II)はRをメチル基として含み、Rがt−ブチル基である。R及びR12のそれぞれがエチル基である。R、R、R、R、R、R、R10、R11、R13及びR14のそれぞれが水素である。
【0084】
1つの実施形態において、構造(II)は、R、R、R、R、R10、R12及びR14のそれぞれをメチル基として含み、Rがt−ブチル基である。R、R、R、R、R11及びR13のそれぞれが水素である。
【0085】
1つの実施形態において、構造(II)はRをメチル基として含み、Rがt−ブチル基である。R、R、R、R10、R12及びR14のそれぞれがi−プロピル基である。R、R、R、R、R11及びR13のそれぞれが水素である。
【0086】
1つの実施形態において、構造(II)は、メチル基であるRを含み、Rがt−ブチル基である。R及びR12のそれぞれがエトキシ基である。R、R、R、R、R、R、R10、R11、R13及びR14のそれぞれが水素である。
【0087】
1つの実施形態において、構造(II)は、メチル基であるRを含み、Rがt−ブチル基である。R及びR12のそれぞれがフッ素原子である。R、R、R、R、R、R、R10、R11、R13及びR14のそれぞれが水素である。
【0088】
1つの実施形態において、構造(II)は、メチル基であるRを含み、Rがt−ブチル基である。R及びR12のそれぞれが塩素原子である。R、R、R、R、R、R、R10、R11、R13及びR14のそれぞれが水素である。
【0089】
1つの実施形態において、構造(II)は、メチル基であるRを含み、Rがt−ブチル基である。R及びR12のそれぞれが臭素原子である。R、R、R、R、R、R、R10、R11、R13及びR14のそれぞれが水素である。
【0090】
1つの実施形態において、構造(II)は、メチル基であるRを含み、Rがt−ブチル基である。R及びR12のそれぞれがヨウ素原子である。R、R、R、R、R、R、R10、R11、R13及びR14のそれぞれが水素である。
【0091】
1つの実施形態において、構造(II)は、メチル基であるRを含み、Rがt−ブチル基である。R、R、R11及びR12のそれぞれが塩素原子である。R、R、R、R、R、R10、R13及びR14のそれぞれが水素である。
【0092】
1つの実施形態において、構造(II)は、メチル基であるRを含み、Rがt−ブチル基である。R、R、R11及びR13のそれぞれが塩素原子である。R、R、R、R、R、R10、R12及びR14のそれぞれが水素である。
【0093】
1つの実施形態において、構造(II)は、メチル基であるRを含み、Rがt−ブチル基である。R及びRのそれぞれが水素である。R〜R14のそれぞれがフッ素原子である。
【0094】
1つの実施形態において、構造(II)は、メチル基であるRを含み、Rがt−ブチル基である。R及びR12のそれぞれがトリフルオロメチル基である。R、R、R、R、R、R、R10、R11、R13及びR14のそれぞれが水素である。
【0095】
1つの実施形態において、構造(II)は、メチル基であるRを含み、Rがt−ブチル基である。R及びR12のそれぞれがエトキシカルボニル基である。R、R、R、R、R、R、R10、R11、R13及びR14のそれぞれが水素である。
【0096】
1つの実施形態において、構造(II)は、メチル基であるRを含み、Rがt−ブチル基である。R及びR12のそれぞれがジエチルアミノ基である。R、R、R、R、R、R、R10、R11、R13及びR14のそれぞれが水素である。
【0097】
1つの実施形態において、構造(II)は、メチル基であるRを含み、Rが2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル基である。R、R及びR〜R14のそれぞれが水素である。
【0098】
1つの実施形態において、構造(II)は、それぞれがsec−ブチル基であるR及びRを含む。R、R及びR〜R14のそれぞれが水素である。
【0099】
1つの実施形態において、構造(II)は、2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル基であるRを含む。
【0100】
1つの実施形態において、構造(II)は、R及びR12の1つが、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基、又は、ハロゲンであることを含む。
【0101】
1つの実施形態において、構造(II)は、R及びR12のそれぞれがメチル基であり、且つ、R〜R、R〜R11及びR13〜R14のそれぞれが水素であることを含む。
【0102】
1つの実施形態において、構造(II)は、R及びR12のそれぞれがフッ素原子又は塩素原子であり、且つ、R〜R、R〜R11及びR13〜R14のそれぞれが水素であることを含む。
【0103】
好適な置換された1,2−フェニレンジベンゾアートの限定されない例としては、下記の化合物、同様にまた、R〜R14の置換基が上記で定義される通りであるそれらの誘導体が挙げられる:3,5−ジメチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−エチル−3−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−メチル−5−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−イソプロピル−3−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−ブチル−3−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−イソブチル−3−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−tert−ブチル−3−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−シクロペンチル−3−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−シクロヘキシル−3−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−メチル−5−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−メチルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;3−エチル−5−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3,5−ジエチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−エチル−5−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−エチル−5−イソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−ブチル−3−エチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−エチル−5−イソブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−tert−ブチル−3−エチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−シクロペンチル−3−エチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−シクロヘキシル−3−エチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−エチル−5−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−エチルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;5−メチル−3−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−エチル−3−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3,5−ジプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−イソプロピル−3−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−ブチル−3−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−イソブチル−3−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−tert−ブチル−3−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−シクロペンチル−3−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−シクロヘキシル−3−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−プロピル−5−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−プロピルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;3−イソプロピル−5−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−エチル−3−イソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−イソプロピル−5−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3,5−ジイソプロピルプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;及び/又は5−ブチル−3−イソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−イソブチル−3−イソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−tert−ブチル−3−イソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−シクロペンチル−3−イソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−シクロヘキシル−3−イソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−イソプロピル−5−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−イソプロピルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;3−ブチル−5−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−5−エチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−5−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−5−イソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3,5−ジブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−5−イソブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−tert−ブチル−3−ブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−5−シクロペンチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−5−シクロヘキシル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−5−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−ブチルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;3−イソブチル−5−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−エチル−3−イソブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−イソブチル−5−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−イソブチル−5−イソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−ブチル−3−イソブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3,5−ジイソブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−tert−ブチル−3−イソブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−シクロペンチル−3−イソブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−シクロヘキシル−3−イソブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−イソブチル−5−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−イソブチルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;3−シクロペンチル−5−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロペンチル−5−エチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロペンチル−5−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロペンチル−5−イソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−ブチル−3−シクロペンチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロペンチル−5−イソブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−tert−ブチル−3−シクロペンチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3,5−ジシクロペンチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−シクロヘキシル−3−シクロペンチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロペンチル−5−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−シクロペンチルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;3−シクロヘキシル−5−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−5−エチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−5−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−5−イソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−ブチル−3−シクロヘキシル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−5−イソブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−tert−ブチル−3−シクロヘキシル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−5−シクロペンチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3,5−ジシクロヘキシル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−5−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)−1,2−フェニレンジベンゾアート;5−シクロヘキシルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;5−メチルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;5−エチルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;5−プロピルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;5−イソプロピルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;5−ブチルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;5−イソブチルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;5−tert−ブチルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;5−シクロペンチルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;5−シクロヘキシルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;5−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)ビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;及び/又は3,5−ジフェニル−1,2−フェニレンジベンゾアート。
【0104】
本開示は別の組成物を提供する。1つの実施形態において、下記の構造(II)の置換フェニレン芳香族ジエステルが提供される:
【化18】


式中、R〜R14は同じであるか、又は異なり、Rは、2個〜20個の炭素原子を有するアルキル基であり、且つ、R〜Rのそれ以外のR基のそれぞれが水素である。R〜R14のそれぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せから選択される。R、R及びR12のそれぞれが同時にt−ブチル基ではない。
【0105】
1つの実施形態において、Rが、t−ブチル基及び2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル基から選択される。
【0106】
1つの実施形態において、R及びR12の1つが、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基、又は、ハロゲン原子である。
【0107】
1つの実施形態において、R及びR12のそれぞれがメチル基であり、R〜R、R〜R11及びR13〜R14のそれぞれが水素である。
【0108】
1つの実施形態において、R及びR12のそれぞれがフッ素又は塩素である。R〜R、R〜R11及びR13〜R14のそれぞれが水素である。
【0109】
本開示は別の組成物を提供する。1つの実施形態において、下記の構造(II)の置換フェニレン芳香族ジエステルが提供される:
【化19】


式中、R〜R14は同じであるか、又は異なる。R、R、Rのそれぞれが水素であり、Rは、1個〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である。R及びR12の少なくとも1つが、ハロゲン、或いは、ハロゲン、ケイ素又はアルコキシ基により場合により置換され得る、1個〜20個の炭素原子を有する第一級又は第二級のヒドロカルビル基である。R〜R、R〜R11及びR13〜R14のそれぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せから選択される。
【0110】
1つの実施形態において、Rは、1個〜20個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0111】
1つの実施形態において、R及びR12のそれぞれが、ハロゲン、又は、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0112】
1つの実施形態において、Rはメチル基である。R及びR12のそれぞれがハロゲン又はメチル基である。残るR基は水素である。
【0113】
1つの実施形態において、R及びRのそれぞれがメチル基である。R及びR12のそれぞれがハロゲン又はメチル基である。残るR基は水素である。
【0114】
本開示は別の組成物を提供する。1つの実施形態において、下記の構造(II)の置換フェニレン芳香族ジエステルが提供される:
【化20】


式中、R〜R14は同じであるか、又は異なる。Rは、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基である。R〜Rが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せから選択される。R〜R14のそれぞれが、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せから選択される。
【0115】
本開示は別の組成物を提供する。1つの実施形態において、下記の構造(II)の置換フェニレン芳香族ジエステルが提供される:
【化21】


式中、R〜R14は同じであるか、又は異なる。Rは、2個〜20個の炭素原子を有するアルキル基である。R〜Rの他のR基はそれぞれが水素である。R〜R14のそれぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せから選択される。R、R及びR12は同時にt−ブチル基ではない。別の言い方をすれば、Rがt−ブチル基であるとき、R及びR12はt−ブチル基ではない(又は、Rがt−ブチル基であるとき、R及びR12はt−ブチル基ではない;又は、R12がt−ブチル基であるとき、R及びRはt−ブチル基ではない)。
【0116】
1つの実施形態において、構造(II)は、エチルであるRを含み、R〜R14のそれぞれが水素である。
【0117】
1つの実施形態において、構造(II)は、t−ブチルであるRを含み、R〜R14のそれぞれが水素である。
【0118】
1つの実施形態において、構造(II)は、2,4,4−トリメチルペンタン−2−イルであるRを含み、R〜R14のそれぞれが水素である。
【0119】
好適な置換された1,2−フェニレンジベンゾアートの限定されない例としては、4−エチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−イソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−ブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−イソブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロペンチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロヘキシル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)−1,2−フェニレンジベンゾアート;及び/又はビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアートが挙げられる。
【0120】
1つの実施形態において、R〜Rの2つ以上が置換される。R〜Rの置換されたR基のそれぞれが、2個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基から選択される。Rは第三級アルキル基ではない。
【0121】
本開示は別の組成物を提供する。1つの実施形態において、置換されたフェニレン芳香族ジエステルが提供される。この置換された1,2−フェニレン芳香族ジエステルは下記の構造(II)を有する:
【化22】

【0122】
〜R14は同じであるか、又は異なる。R、R、Rのそれぞれが水素である。Rは、1個〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である。R及びR12の少なくとも1つがハロゲンである。R〜R、R〜R11及びR13〜R14のそれぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せから選択される。
【0123】
1つの実施形態において、C、H、Si及び/又はハロゲンから選択される原子のみが、構造(II)の置換基点(R〜R14)においてフェニル基に結合する。
【0124】
1つの実施形態において、Rは、1個〜20個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0125】
1つの実施形態において、R及びR12のそれぞれがハロゲンである。さらなる実施形態において、R、R、R10及びR12のそれぞれが水素である。
【0126】
1つの実施形態において、構造(II)は、メチルであるR、並びに、塩素であるR及びR12を含む。R基〜R14基の他のR基はそれぞれが水素である。
【0127】
1つの実施形態において、構造(II)は、t−ブチルであるR、並びに、塩素であるR及びR12を含む。R基〜R14基の他のR基はそれぞれが水素である。
【0128】
本開示は別の組成物を提供する。1つの実施形態において、下記の構造(II)を有する置換フェニレン芳香族ジエステルが提供される:
【化23】


式中、R〜R14は同じであるか、又は異なる。R、R、Rのそれぞれが水素である。Rは、1個〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である。R〜R14のそれぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せから選択される。R〜R、R〜R11及びR13〜R14の少なくとも1つが、C〜Cアルキル基、ハロゲン及びそれらの組合せから選択される。
【0129】
1つの実施形態において、C、H、Si及び/又はハロゲンから選択される原子のみが、構造(II)の置換基点(R〜R14)においてフェニル基に結合する。
【0130】
1つの実施形態において、Rは、1個〜20個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0131】
1つの実施形態において、R及びR12のそれぞれがメチル基である。さらなる実施形態において、R、R、R10及びR12のそれぞれがメチル基である。
【0132】
1つの実施形態において、構造(II)は、R、R及びR12のそれぞれをメチル基として含む。R〜R14の他のR基はそれぞれが水素である。
【0133】
1つの実施形態において、構造(II)は、t−ブチル基であるRを含み、R及びR12のそれぞれがメチル基である。R〜R14の他のR基はそれぞれが水素である。
【0134】
1つの実施形態において、構造(II)は、メチル基であるRを含み、R及びR12のそれぞれがジメチルアミノ基である。R〜R14の他のR基はそれぞれが水素である。
【0135】
1つの実施形態において、構造(II)は、t−ブチル基であるRを含み、R及びR12のそれぞれがジメチルアミノ基である。R〜R14の他のR基はそれぞれが水素である。
【0136】
好適な置換された1,2−フェニレンジベンゾアートの限定されない例としては、3−エチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−イソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−イソブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロペンチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)−1,2−フェニレンジベンゾアート及び/又はビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアートが挙げられる。
【0137】
本開示は別の組成物を提供する。1つの実施形態において、下記の構造(II)の置換された1,2−フェニレン芳香族ジエステルが提供される:
【化24】


式中、R〜R14は同じであるか、又は異なる。Rは第二級アルキル基又は第三級アルキル基ではない。R及びRのそれぞれが、2個〜20個の炭素原子を有する非置換のアルキル基、2個〜20個の炭素原子を有する非置換のアルケニル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せから選択される。R〜Rのそれぞれ、及び、R〜R14のそれぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せから選択される。
【0138】
1つの実施形態において、構造(II)は、それぞれが水素であるR及びRを含む。
【0139】
1つの実施形態において、構造(II)は、それぞれがi−プロピル基であるR、R及びRを含む。R、R〜R及びR10〜R14のそれぞれが水素である。
【0140】
好適な置換された1,2−フェニレンジベンゾアートの限定されない例としては、下記の化合物、同様にまた、R〜R14の置換基が上記で定義される通りであるそれらの誘導体が挙げられる:3−エチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−メチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−イソブチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロペンチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−メチルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;3,6−ジエチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−エチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−エチル−6−イソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−6−エチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−エチル−6−イソブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロペンチル−6−エチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−6−エチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−エチルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;3,6−ジプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−イソプロピル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−イソブチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロペンチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−プロピルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;3,6−ジイソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−6−イソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−イソブチル−6−イソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロペンチル−6−イソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−6−イソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−イソプロピルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;3,6−ジブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−6−イソブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−6−シクロペンチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−6−シクロヘキシル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−ブチルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;3,6−ジイソブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロペンチル−6−イソブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−6−イソブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−イソブチルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;3,6−ジシクロペンチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−6−シクロペンチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロペンチルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;3,6−ジシクロヘキシル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロヘキシルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;及び/又は3,6−フェニル−1,2−フェニレンジベンゾアート。
【0141】
本開示は別の組成物を提供する。1つの実施形態において、下記の構造(II)の置換された1,2−フェニレン芳香族ジエステルが提供される:
【化25】


式中、R〜R14は同じであるか、又は異なる。R、R及びRのそれぞれが、2個〜20個の炭素原子を有するアルキル基、2個〜20個の炭素原子を有するアルケニル基、ハロヒドロカルビル基、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せから選択される。R〜R14のそれぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せから選択される。
【0142】
1つの実施形態において、R、R及びRのそれぞれが、2個〜20個の炭素原子を有するアルキル基、2個〜20個の炭素原子を有するアルケニル基、ハロヒドロカルビル基、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せから選択される。
【0143】
1つの実施形態において、Rは水素である。R、R及びRのそれぞれが、2個〜20個の炭素原子を有する炭化水素から選択される。R及びRのそれぞれが第三級アルキル基ではない。R〜R14のそれぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せから選択される。
【0144】
好適な置換された1,2−フェニレンジベンゾアートの限定されない例としては、下記の化合物、同様にまた、R〜R14の置換基が上記で定義される通りであるそれらの誘導体が挙げられる:3,4,6−トリメチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−エチル−4,6−ジメチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4,6−ジメチル−3−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−イソプロピル−4,6−ジメチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−4,6−ジメチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−イソブチル−4,6−ジメチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロペンチル−4,6−ジメチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−4,6−ジメチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4,6−ジメチルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;4−エチル−3,6−ジメチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3,4−ジエチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−エチル−6−メチル−3−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−エチル−3−イソプロピル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−4−エチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−エチル−3−イソブチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロペンチル−4−エチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−4−エチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;6−エチル−4−メチルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;3,6−ジメチル−4−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−エチル−6−メチル−4−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;6−メチル−3,4−ジプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−イソプロピル−6−メチル−4−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−6−メチル−4−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−イソブチル−6−メチル−4−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロペンチル−6−メチル−4−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−6−メチル−4−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−メチル−6−プロピルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;4−イソプロピル−3,6−ジメチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−エチル−4−イソプロピル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−イソプロピル−6−メチル−3−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3,4−ジイソプロピル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−4−イソプロピル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−イソブチル−4−イソプロピル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロペンチル−4−イソプロピル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−4−イソプロピル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;6−イソプロピル−4−メチルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;4−ブチル−3,6−ジメチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−ブチル−3−エチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−ブチル−6−メチル−3−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−ブチル−3−イソプロピル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3,4−ジブチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−ブチル−3−イソブチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−ブチル−3−シクロペンチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−ブチル−3−シクロヘキシル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−ブチル−6−メチル−3−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)−1,2−フェニレンジベンゾアート;6−ブチル−4−メチルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;4−イソブチル−3,6−ジメチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−エチル−4−イソブチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−イソブチル−6−メチル−3−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−イソブチル−3−イソプロピル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−4−イソブチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3,4−ジイソブチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロペンチル−4−イソブチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−4−イソブチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;6−イソブチル−4−メチルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;4−tert−ブチル−3,6−ジメチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−tert−ブチル−3−エチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−tert−ブチル−6−メチル−3−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−tert−ブチル−3−イソプロピル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−tert−ブチル−3−ブチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−tert−ブチル−3−イソブチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−tert−ブチル−3−シクロペンチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−tert−ブチル−3−シクロヘキシル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロペンチル−3,6−ジメチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロペンチル−3−エチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロペンチル−6−メチル−3−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロペンチル−3−イソプロピル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−4−シクロペンチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロペンチル−3−イソブチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3,4−ジシクロペンチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−4−シクロペンチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;6−シクロペンチル−4−メチルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;4−シクロヘキシル−3,6−ジメチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロヘキシル−3−エチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロヘキシル−6−メチル−3−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロヘキシル−3−イソプロピル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−4−シクロヘキシル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロヘキシル−3−イソブチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロヘキシル−3−シクロペンチル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3,4−ジシクロヘキシル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;6−シクロヘキシル−4−メチルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;2,5−ジメチルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;2−エチル−5−メチルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;5−メチル−2−プロピルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;2−イソプロピル−5−メチルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;2−ブチル−5−メチルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;2−イソブチル−5−メチルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;2−シクロペンチル−5−メチルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;2−シクロヘキシル−5−メチルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;3,4−フェニル−6−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;6−エチル−3,4−ジメチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3,6−ジエチル−4−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;6−エチル−4−メチル−3−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;6−エチル−3−イソプロピル−4−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−6−エチル−4−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;6−エチル−3−イソブチル−4−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロペンチル−6−エチル−4−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−6−エチル−4−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−エチル−6−メチルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;4,6−ジエチル−3−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3,4,6−トリエチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4,6−ジエチル−3−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4,6−ジエチル−3−イソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−4,6−ジエチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4,6−ジエチル−3−イソブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロペンチル−4,6−ジエチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−4,6−ジエチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4,6−ジエチルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;6−エチル−3−メチル−4−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3,6−ジエチル−4−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;
6−エチル−3,4−ジプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;6−エチル−3−イソプロピル−4−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−6−エチル−4−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;6−エチル−3−イソブチル−4−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロペンチル−6−エチル−4−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−6−エチル−4−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−エチル−6−プロピルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;6−エチル−4−イソプロピル−3−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3,6−ジエチル−4−イソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;6−エチル−4−イソプロピル−3−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;6−エチル−3,4−ジイソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−6−エチル−4−イソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;6−エチル−3−イソブチル−4−イソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロペンチル−6−エチル−4−イソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−6−エチル−4−イソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−エチル−6−イソプロピルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;4−ブチル−6−エチル−3−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;
4−ブチル−3,6−ジエチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−ブチル−6−エチル−3−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−ブチル−6−エチル−3−イソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3,4−ジブチル−6−エチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−ブチル−6−エチル−3−イソブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−ブチル−3−シクロペンチル−6−エチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−ブチル−3−シクロヘキシル−6−エチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;6−ブチル−4−エチルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;6−エチル−4−イソブチル−3−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3,6−ジエチル−4−イソブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;6−エチル−4−イソブチル−3−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;6−エチル−4−イソブチル−3−イソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−6−エチル−4−イソブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;6−エチル−3,4−ジイソブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロペンチル−6−エチル−4−イソブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−6−エチル−4−イソブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−エチル−6−イソブチルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;4−tert−ブチル−6−エチル−3−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−tert−ブチル−3,6−ジエチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−tert−ブチル−6−エチル−3−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−tert−ブチル−6−エチル−3−イソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−tert−ブチル−3−ブチル−6−エチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−tert−ブチル−6−エチル−3−イソブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−tert−ブチル−3−シクロペンチル−6−エチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−tert−ブチル−3−シクロヘキシル−6−エチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロペンチル−6−エチル−3−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロペンチル−3,6−ジエチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロペンチル−6−エチル−3−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロペンチル−6−エチル−3−イソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−4−シクロペンチル−6−エチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロペンチル−6−エチル−3−イソブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3,4−ジシクロペンチル−6−エチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−4−シクロペンチル−6−エチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;6−シクロペンチル−4−エチルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;4−シクロヘキシル−6−エチル−3−メチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロヘキシル−3,6−ジエチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロヘキシル−6−エチル−3−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロヘキシル−6−エチル−3−イソプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−4−シクロヘキシル−6−エチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロヘキシル−6−エチル−3−イソブチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロヘキシル−3−シクロペンチル−6−エチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3,4−ジシクロヘキシル−6−エチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;6−シクロヘキシル−4−エチルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;5−エチル−2−メチルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;2,5−ジエチルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;5−エチル−2−プロピルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;5−エチル−2−イソプロピルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;2−ブチル−5−エチルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;5−エチル−2−イソブチルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;2−シクロペンチル−5−エチルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;2−シクロヘキシル−5−エチルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート、5−エチル−2−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)ビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;3,4−ジフェニル−6−エチル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3,4−ジメチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−エチル−4−メチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−メチル−3,6−ジプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−イソプロピル−4−メチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−4−メチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−イソブチル−4−メチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロペンチル−4−メチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−4−メチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;6−メチル−4−プロピルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;4−エチル−3−メチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3,4−ジエチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−エチル−3,6−ジプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−エチル−3−イソプロピル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−4−エチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−エチル−3−イソブチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロペンチル−4−エチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−4−エチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;6−エチル−4−プロピルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;3−メチル−4,6−ジプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−エチル−4,6−ジプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3,4,6−トリプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−イソプロピル−4,6−ジプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−4,6−ジプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−イソブチル−4,6−ジプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロペンチル−4,6−ジプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−4,6−ジプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4,6−ジプロピルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;4−イソプロピル−3−メチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−エチル−4−イソプロピル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−イソプロピル−3,6−ジプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3,4−ジイソプロピル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−4−イソプロピル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−イソブチル−4−イソプロピル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロペンチル−4−イソプロピル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−4−イソプロピル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;6−イソプロピル−4−プロピルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;4−ブチル−3−メチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−ブチル−3−エチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−ブチル−3,6−ジプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−ブチル−3−イソプロピル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3,4−ジブチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−ブチル−3−イソブチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−ブチル−3−シクロペンチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−ブチル−3−シクロヘキシル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;6−ブチル−4−プロピルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;4−イソブチル−3−メチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−エチル−4−イソブチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−イソブチル−3,6−ジプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−イソブチル−3−イソプロピル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−4−イソブチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3,4−ジイソブチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロペンチル−4−イソブチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−4−イソブチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;6−イソブチル−4−プロピルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;4−tert−ブチル−3−メチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−tert−ブチル−3−エチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−tert−ブチル−3,6−ジプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−tert−ブチル−3−イソプロピル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−tert−ブチル−3−ブチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−tert−ブチル−3−イソブチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−tert−ブチル−3−シクロペンチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−tert−ブチル−3−シクロヘキシル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロペンチル−3−メチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロペンチル−3−エチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロペンチル−3,6−ジプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロペンチル−3−イソプロピル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−4−シクロペンチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロペンチル−3−イソブチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3,4−ジシクロペンチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−シクロヘキシル−4−シクロペンチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;6−シクロペンチル−4−プロピルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;4−シクロヘキシル−3−メチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロヘキシル−3−エチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロヘキシル−3,6−ジプロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロヘキシル−3−イソプロピル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3−ブチル−4−シクロヘキシル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロヘキシル−3−イソブチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;4−シクロヘキシル−3−シクロペンチル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;3,4−ジシクロヘキシル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート;6−シクロヘキシル−4−プロピルビフェニル−2,3−ジイルジベンゾアート;2−メチル−5−プロピルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;2−エチル−5−プロピルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;2,5−ジプ


ロピルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;2−イソプロピル−5−プロピルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;2−ブチル−5−プロピルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;2−イソブチル−5−プロピルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;2−シクロペンチル−5−プロピルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;2−シクロヘキシル−5−プロピルビフェニル−3,4−ジイルジベンゾアート;及び/又は3,4−ジフェニル−6−プロピル−1,2−フェニレンジベンゾアート。
【0145】
別の組成物が提供される。1つの実施形態において、下記の構造(II)の置換フェニレン芳香族ジエステルが提供される:
【化26】


式中、R〜R14は同じであるか、又は異なる。R〜R14のそれぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せから選択される。R〜Rの少なくとも1つがそのそれぞれの対応する片方のR10〜R14と異なる。
【0146】
1つの実施形態において、R〜Rの少なくとも1つが置換され、且つ、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有する置換されたヒドロカルビル基及びハロゲンから選択される。
【0147】
別の組成物が提供される。1つの実施形態において、下記の構造(IV)を有する置換フェニレン芳香族ジエステルが提供される:
【化27】

【0148】
上記式において、R5〜14は同じであるか、又は異なる。R、R及びR〜R14のそれぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、1個〜20個の炭素原子を有する置換されたヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せから選択される。
【0149】
1つの実施形態において、水素でない、R、R及びR5〜14のR基はどれも、非置換のヒドロカルビル基である。さらなる実施形態において、ヒドロカルビル基はアルキル基である。
【0150】
1つの実施形態において、R及びRのそれぞれが水素である。R5〜14は同じであるか、又は異なる。R〜R14の少なくとも1つが、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せからなる群より選択される。R及びR12は同時にメチル基ではない。別の言い方をすれば、Rは、R12がメチル基であるとき、メチル基ではない(逆に、R12は、Rがメチル基であるとき、メチル基ではない)。
【0151】
2,3−ナフタレン成分は置換されてもよく、又は置換されなくてもよい。1つの実施形態において、2,3−ナフタレン成分は、1つ又はそれ以上のC〜C20アルキル基、或いは、2つを超えるメチル基により置換され得る。別の実施形態において、2,3−ナフタレン成分は非置換である(すなわち、R及びRが水素である)。
【0152】
1つの実施形態において、R〜R14のR基はそれぞれが非環式構造である。
【0153】
本明細書中に開示される組成物のどれもが、本明細書中に開示される2つ以上の実施形態を含むことができる。
【0154】
本明細書中に開示される組成物のどれもが、本明細書中に開示される1つ又はそれ以上の方法によって作製され得る。
【0155】
1つの実施形態において、前記組成物の1つ、前記組成物のいくつか、又は、前記組成物のすべてが、活性水素を含有する置換基を全く含まない。活性水素を有する置換基の限定されない例としては、ヒドロキシル基及びカルボン酸基が挙げられる。何らかの特定の理論によってとらわれることを望まないが、活性水素が触媒合成の期間中にTiCl及び/又は他の触媒成分と反応し、生じた触媒の性能を損ない得ることが考えられる。R〜R14の置換基における電子供与基の数を最小限に抑えることもまた好ましい。必要以上の電子供与基は触媒の活性部位を被毒し得ることが考えられる。
【0156】
本発明の組成物は、本明細書中に開示される2つ以上の実施形態を含むことができる。
【0157】
本発明の置換フェニレン芳香族ジエステルは、オレフィン系ポリマーの重合のためのプロ触媒組成物及び/又は触媒組成物において使用することができる。例えば、本発明の置換フェニレン芳香族ジエステルは、チーグラー・ナッタ触媒系において内部電子供与体及び/又は外部電子供与体として使用することができる。本発明の置換フェニレン芳香族ジエステルを触媒系において提供することにより、好都合なことに、触媒の立体選択性及び触媒の活性が高まる。本発明の置換フェニレン芳香族ジエステルを含む触媒系は好都合なことに、広い分子量分布を有するオレフィン系ポリマー(具体的にはプロピレン系ポリマー)、及び、大きい触媒活性を生じさせる。
【0158】
本明細書中に開示される置換フェニレン芳香族ジエステルのどれもが、2008年12月31日出願の米国特許出願第61/141,902号(代理人文書番号67797)に開示されるようなプロ触媒組成物及び/又は触媒組成物の成分であり得る(その全内容が参照によって本明細書中に組み込まれる)。
【0159】
定義
【0160】
本明細書中における元素周期表に対するすべての参照は、CRC Press,Inc.が2003年に発行し、版権を有する元素周期表を参照しなければならない。同様にまた、族(1つ又はそれ以上)に対する参照はどれも、族に番号を与えるためのIUPACシステムを使用してこの元素周期表に反映される当該族(1つ又はそれ以上)に対するものでなければならない。反することが述べられる場合、文脈から暗黙的である場合、又は、当分野において慣例的である場合を除き、すべての部及びパーセントが重量に基づく。米国特許実務の目的のために、本明細書中で参照される特許、特許出願又は公開物はどれもその内容が、とりわけ当分野における合成技術、定義(本明細書中に提供されるどの定義とも矛盾にしない程度に)及び一般的知識に関して、本明細書によりそれらの全体において参照によって組み込まれる(或いは、それらの相当する米国対応版が参照によってそのように組み込まれる)。
【0161】
用語「comprising」(含む)及びその派生形は、何らかのさらなる成分、工程又は手順が本明細書中に開示されるか否かにかかわらず、何らかのさらなる成分、工程又は手順の存在を除外することが意図されない。何らかの疑念を避けるために、用語「comprising」の使用により本明細書中で主張されるすべての組成物は、反することが述べられる場合を除き、ポリマー又は非ポリマーであろうとも、何らかのさらなる添加物、補助物又は化合物を含むことができる。対照的に、用語「consisting essentially of」(から本質的になる)では、実施可能性に不可欠でないものを除いて、何らかの他の成分、工程又は手順が、どのような列挙の範囲であれ、その後に続く列挙の範囲から除外される。用語「consisting of」(からなる)では、どのような成分、工程又は手順であれ、具体的に記述又は列挙されない成分、工程又は手順は除外される。用語「or」(又は/或いは/若しくは)は、別途述べられない限り、列挙されている要素を個々に、同様にまた、任意の組合せで示す。
【0162】
本明細書中に列挙される数値範囲はどれは、少なくとも2単位の隔たりが、どのような下方値であれ、下方値と、どのような上方値であれ、上方値との間に存在する場合、1単位の刻みで下方値から上方値までのすべての値を含む。一例として、ある成分の量、或いは、ある組成特性又は物理的特性(例えば、ブレンド成分の量、軟化温度、メルトインデックスなど)の値が1〜100の間であると述べられる場合、すべての個々の値(例えば、1、2、3など)及びすべての部分範囲(例えば、1〜20、55〜70、197〜100など)が本明細書において明示的に列挙されることが意図される。1よりも小さい値については、1単位が、適宜、0.0001、0.001、0.01又は0.1であると見なされる。これらは、具体的に意図されることの単なる例に過ぎず、列挙される最低値及び最大値の間における数値のすべての可能な組合せが、本出願において明示的に述べられると見なされなければならない。別の言い方をすれば、本明細書中に列挙される数値範囲はどれも、述べられた範囲に含まれる任意の値又は部分範囲を含む。様々な数値範囲が、メルトインデックス、メルトフローレイト及び他の性質に関して、本明細書中で議論されるように列挙されている。
【0163】
用語「ブレンド」又は用語「ポリマーブレンド」は、本明細書中で使用される場合、2つ以上のポリマーのブレンドである。そのようなブレンドは、(分子レベルで相分離しない)混和性であってもよく、又は、混和性でなくてもよい。そのようなブレンドは相分離してもよく、又は、相分離しなくてもよい。そのようなブレンドは、当分野で公知である透過型電子顕微鏡観察、光散乱、x線散乱及び他の方法から求められるような1つ又はそれ以上のドメイン形態を含有してもよく、或いは、ドメイン形態を含有しなくてもよい。
【0164】
用語「組成物」は、本明細書中で使用される場合、組成物を構成する物質の混合物、同様にまた、組成物の物質から形成される反応生成物及び分解生成物を含む。
【0165】
用語「ポリマー」は、同じタイプ又は異なるタイプのモノマーを重合することによって調製される高分子化合物である。「ポリマー」には、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー及びインターポリマーなどが含まれる。用語「インターポリマー」は、少なくとも2つのタイプのモノマー又はコモノマーの重合によって調製されるポリマーを意味する。インターポリマーには、コポリマー(これは通常、2つの異なるタイプのモノマー又はコモノマーから調製されるポリマーを示す)、ターポリマー(これは通常、3つの異なるタイプのモノマー又はコモノマーから調製されるポリマーを示す)、及び、テトラポリマー(これは通常、4つの異なるタイプのモノマー又はコモノマーから調製されるポリマーを示す)などが含まれるが、これらに限定されない。
【0166】
用語「オレフィン系ポリマー」は、ポリマーの総重量に基づいて過半重量パーセントのオレフィン(例えば、エチレン又はプロピレンなど)を重合形態で含有するポリマーである。オレフィン系ポリマーの限定されない例としては、エチレン系ポリマー及びプロピレン系ポリマーが挙げられる。
【0167】
用語「プロピレン系ポリマー」は、本明細書中で使用される場合、(重合可能なモノマーの総量に基づいて)過半重量パーセントの重合したプロピレンモノマーを含み、且つ、場合により、少なくとも1つの重合したコモノマーを含むことができるポリマーを示す。
【0168】
用語「アルキル」は、本明細書中で使用される場合、分岐又は非分岐の、飽和又は不飽和の非環式炭化水素基を示す。好適なアルキル基の限定されない例としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、2−プロペニル(又はアリル)、ビニル、n−ブチル、t−ブチル、i−ブチル(又は2−メチルプロピル)などが挙げられる。アルキルは1個〜20個の炭素原子を有する。
【0169】
用語「置換(された)アルキル」は、本明細書中で使用される場合、アルキルのいずれかの炭素に結合する1個又はそれ以上の水素原子が別の基(例えば、ハロゲン、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、アミノ、ホスフィド、アルコキシ、アミノ、チオ、ニトロ及びそれらの任意の組合せなど)によって置換されるちょうど記載されたようなアルキルを示す。好適な置換されたアルキルには、例えば、ベンジル及びトリフルオロメチルなどが含まれる。
【0170】
用語「アリール」は、本明細書中で使用される場合、縮合して一緒になるか、又は、共有結合により連結されるか、又は、共通の基(例えば、メチレン成分又はエチレン成分など)に連結される単環芳香族環又は多環芳香族環であり得る芳香族置換基を示す。そのような芳香族環には、とりわけ、フェニル、ナフチル、アントラセニル及びビフェニルが含まれ得る。アリールは1個〜20個の炭素原子を有する。
【0171】
限定としてではなく、例として、本開示の実施例が次に提供される。
【0172】
1.1,2−フェニレン芳香族ジエステルの合成
【0173】
方法A:250mlの丸底フラスコに、カテコール(0.025mol)、ピリジン(0.05mol、1.0当量)及びジクロロメタン(50ml)を装荷する。フラスコを氷水浴で冷却し、アシルクロリド(0.05mol、1.0当量)を滴下して加える。添加が完了したとき、反応混合物を室温に加温し、一晩撹拌する。混合物をさらなるジクロロメタンにより希釈し、飽和NHCl/1N HCl、水、飽和重炭酸ナトリウム及びブラインにより順次洗浄する。有機層を集め、硫酸マグネシウムで乾燥する。ろ過後、ろ液を濃縮し、残渣を真空中で乾燥する。粗生成物のほとんどが十分に純粋である。だが、粗生成物はまた、生成物を白色〜黄色の固体/液体として得るために、(固体については)エタノールからの再結晶によって、又は、真空蒸留によってさらに精製することができる。
【0174】
方法B:250mlの丸底フラスコに、カテコール(68.0mmol、1.0当量)、ピリジン(0.14mol、2.0当量)及び50mlの塩化メチレンを装荷した。フラスコを氷水浴で0℃に冷却し、アシルクロリド(0.14mol、2.0当量)を滴下して加える。反応混合物を室温で一晩撹拌する。溶媒を真空下で除き、残渣を200mlのエーテルに溶解し、ろ過して、固体を除く。ろ液を、100mlの0.1N HCl、水及びブラインにより順次洗浄し、NaSOで乾燥する。ろ過後、ろ液を濃縮して、粗生成物を得る。粗生成物をエタノールにおける再結晶によって精製して、最終生成物を得る。
【0175】
方法C:250mlの丸底フラスコに、4−tert−ブチルベンゼン−1,2−ジオール(0.03mol)、ベンジルクロリド(0.066mol、2.2当量)、ビスマストリフラート(1.05mmol、0.035当量)及びジクロロメタン(100ml)を装荷する。反応混合物を室温で一晩撹拌する。溶媒を真空下でエバポレーションにより除く。残渣を酢酸エチルに溶解し、KCO水溶液、水及びブラインにより順次洗浄する。有機層を集め、硫酸ナトリウムで乾燥する。ろ過後、ろ液を濃縮する。粗生成物を酢酸エチル及びヘキサン(hexanes)からの再結晶によって精製する。
【0176】
方法D:250mlの丸底フラスコに、5−tert−ブチル−3−メチルベンゼン−1,2−ジオール(0.02mol)、アシルクロリド(0.044mol、2.2当量)、ビスマストリフラート(0.7mmol、0.035当量)及びジクロロメタン(100ml)を装荷する。反応混合物を室温で一晩撹拌する。溶媒を真空下でエバポレーションにより除く。残渣を酢酸エチルに溶解し、KCO水溶液、水及びブラインにより順次洗浄する。有機層を集め、硫酸ナトリウムで乾燥する。ろ過後、ろ液を濃縮する。粗生成物を酢酸エチル及びヘキサン(hexanes)からの再結晶によって精製する。
【0177】
前述の合成を経由して製造される化合物の限定されない例が下記の表1に提供される。
【表1A】

(表1Aの続き)
【表1B】

(表1Bの続き)
【表1C】

(表1Cの続き)
【表1D】

(表1Dの続き)
【表1E】

【0178】
本開示は、本明細書中に含有される様々な実施形態及び例示に限定されず、下記の特許請求の範囲に含まれるような、そのような実施形態の一部及び異なる実施形態の要素の組合せを含むそれらの実施形態の改変された形態を包含することが特に意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の構造(II):
【化28】


(式中、R〜R14は同じであるか、又は異なり、Rはイソプロピル基又は第三級アルキル基ではなく、且つ、R及びRのそれぞれが、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のアルキル基、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のアルケニル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せからなる群より選択される;並びに
、R及びR〜R14のそれぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン及びそれらの組合せからなる群より選択される)
の置換フェニレン芳香族ジエステル。
【請求項2】
及びRのそれぞれが水素である、請求項1に記載の置換フェニレン芳香族ジエステル。
【請求項3】
がメチル基であり、且つ、Rが分岐アルキル基である、請求項1または2に記載の置換フェニレン芳香族ジエステル。
【請求項4】
下記の構造(II):
【化29】


(式中、R〜R14は同じであるか、又は異なり、Rは、2個〜20個の炭素原子を有するアルキル基であり、且つ、R〜Rのそれ以外のR基のそれぞれが水素である;
〜R14のそれぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せからなる群より選択される;並びに
、R及びR12のそれぞれが同時にt−ブチル基ではない)
の置換フェニレン芳香族ジエステル。
【請求項5】
下記の構造(II):
【化30】


(式中、R〜R14は同じであるか、又は異なり、R、R、Rのそれぞれが水素であり、Rは、1個〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である;
及びR12の少なくとも1つが、ハロゲン、ハロゲン、ケイ素又はアルコキシ基により場合により置換され得る、1個〜20個の炭素原子を有する第一級ヒドロカルビル基、及び、ハロゲン、ケイ素又はアルコキシ基により場合により置換され得る、1個〜20個の炭素原子を有する第二級ヒドロカルビル基からなる群より選択される;並びに
〜R、R〜R11及びR13〜R14のそれぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せからなる群より選択される)
の置換フェニレン芳香族ジエステル。
【請求項6】
下記の構造(II):
【化31】


(式中、R〜R14は同じであるか、又は異なり、R、R、Rのそれぞれが水素であり、Rは、1個〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である;
〜R14のそれぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せからなる群より選択される;並びに
〜R、R〜R11及びR13〜R14の少なくとも1つが、C〜Cアルキル基、ハロゲン及びそれらの組合せからなる群より選択される)
の置換フェニレン芳香族ジエステル。
【請求項7】
下記の構造(II):
【化32】


(式中、R〜R14は同じであるか、又は異なり、R、R及びRのそれぞれが、2個〜20個の炭素原子を有するアルキル基、2個〜20個の炭素原子を有するアルケニル基、ハロヒドロカルビル基、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せからなる群より選択される;並びに
及びR〜R14のそれぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せからなる群より選択される)
の置換フェニレン芳香族ジエステル。
【請求項8】
下記の構造(II):
【化33】


(式中、R〜R14は同じであるか、又は異なり、R〜Rのそれぞれが、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せからなる群より選択される;並びに
〜R14のそれぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せからなる群より選択される)
の置換フェニレン芳香族ジエステル。
【請求項9】
下記の構造(II):
【化34】


(式中、R〜R14は同じであるか、又は異なり、R〜R14のそれぞれが、水素、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せからなる群より選択される;並びに
〜Rの少なくとも1つがそのそれぞれの対応する片方のR10〜R14と異なる)
の置換フェニレン芳香族ジエステル。
【請求項10】
下記の構造(II):
【化35】


(式中、R〜R14は同じであるか、又は異なり、R及びRのそれぞれが水素である;並びに
〜R14の少なくとも1つが、1個〜20個の炭素原子を有する非置換のヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基、ハロゲン、ケイ素含有ヒドロカルビル基及びそれらの組合せからなる群より選択され、且つ、R及びR12のそれぞれが同時にメチル基ではない)
の置換フェニレン芳香族ジエステル。

【公表番号】特表2012−514600(P2012−514600A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544627(P2011−544627)
【出願日】平成21年12月31日(2009.12.31)
【国際出願番号】PCT/US2009/069954
【国際公開番号】WO2010/078519
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】