説明

美容における電気活性材料アクチュエータの使用

本発明は、美容整形方法に関し、この美容整形方法は、a1)電気活性材料、好ましくは電気活性ポリマー材料の少なくとも1つのアクチュエータ(1)を角質物質に設置する工程と、b1)アクチュエータ(1)を刺激して角質物質に対して力をかける工程であって、この力が、角質物質とほぼ並行でありかつ角質物質の変位を引き起こし、変位が、少なくともアクチュエータ(1)が処置位置にある間持続する、工程と、を備える、または、a2)アクチュエータ(1)を刺激してアクチュエータに変位を引き起こす工程と、b)特にアクチュエータ(1)を角質物質に固定することによって、アクチュエータ(1)を設置する工程と、c2)アクチュエータ(1)の刺激を変更してアクチュエータ(1)が角質物質の変位を引き起こす工程と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に人間の外観を改善することを可能とする方法及びデバイスに関し、角質物質への組成物の塗布に関係する方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
皺の目立ちを軽減させるために皮膚に張力効果を有する組成物を塗布することが知られている。
【0003】
このような組成物の効果は、所望するほど長くは持続しないことがある。
【0004】
さらに、これら効果は、所定量収縮した後に張力物質にヒビが入り始めるため、制限される。このため、張力は、主として数ミリメートルの小さい領域に限定される。
【0005】
さらに、張力材料は、収縮力のみをかける。これら力は、伸張効果を生じさせることができない。
【0006】
最後に、これら効果は、可変でなく調整可能でもない。その結果、新たな形状が所望の形状でない場合、効果を増大させるまたは減少させる方法がない。
【0007】
美容整形手術は、顔または身体を永続的に変形することが可能である。それにもかかわらず、例えばショーに参加しているときなど、人間の外観における一時的な改善で十分となる多くの状況がある。
【0008】
特許文献1は、皮膚に電気機械的に作用する電歪ポリマーを有するパッチを開示している。周期的な電圧でポリマーを刺激することによって皺を治療する用途が開示されている。
【0009】
特許文献2は、傷の治癒を促進させるための超音波変換器が設けられた包帯を開示している。
【0010】
特許文献3は、人間による動作を目的どおりに支援するまたは引き起こすための着用可能な人間動作アプリケータを開示している。
【0011】
特許文献4は、身体部分を少なくとも部分的に囲んで身体部分に圧力をかけるように構成された電気活性収縮包帯を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第6937893号明細書
【特許文献2】国際公開第99/56829号パンフレット
【特許文献3】欧州特許第1324403号明細書
【特許文献4】欧州特許第1645255号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2007/0114116号明細書
【特許文献6】米国特許第6109852号明細書
【特許文献7】米国特許第5389222号明細書
【特許文献8】米国特許第5250167号明細書
【特許文献9】米国特許第6475639号明細書
【特許文献10】国際公開第01/80284号パンフレット
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】IEEE transactions on dielectrics and electrical insulation, Vol. 12, No. 4, 2005
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
人間の外観を改善することが可能な新規な手段の利益を享受する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の例示的な形態は、人間の外観を一時的に改善することが可能な解決法を提供しており、本発明の他の例示的な形態は、例えば組成物、特に美容品を塗布するために、角質物質に作用する新規な方法を提供する。
【0016】
概括すると、本発明は、少なくとも1つのアクチュエータ、特に電気活性ポリマーアクチュエータを使用することに依存している。
【0017】
電気活性ポリマーアクチュエータは、例えば人工器官またはロボットのための制御可能なカテーテルまたは人工筋肉を形成するため、以下の文献、米国特許出願公開第2007/0114116号明細書、米国特許第6109852号明細書、米国特許第5389222号明細書、米国特許第5250167号明細書、米国特許第6475639号明細書及び国際公開第01/80284号パンフレットを含むさまざまな公報で開示されている。
【0018】
本発明の例示的な形態は、美容整形術を提供しており、この方法は、a)角質物質に電気活性材料、好ましくは電気活性ポリマー材料からなる少なくとも1つのアクチュエータを設置する工程と、b)アクチュエータを刺激して角質物質の変位を引き起こし、少なくともアクチュエータが所定位置にある間に変位が持続する工程と、を備える。
【0019】
用語「持続する変位」は、変位が所定期間にわたって一定でない強度からなる場合であっても、周期的でない変位を含んで理解されるべきである。
【0020】
アクチュエータを刺激することは、角質物質に対して角質物質にほぼ平行なかつ角質物質の変位を引き起こす力をかける。
【0021】
変位は、例えば一方向性の変位、例えば角質物質を2つの反対方向に交互に移動させる変位とは異なる変位である。
【0022】
引き起こされた変位は、限定的な変位であってもよく、このような限定的な変位は、例えばユーザが着用している衣類を移動させる変位とは異なる。
【0023】
引き起こされた変位は、人間の身体の部分、特に肢部の変位を支援するまたは引き起こすための変位とは異なってもよい。角質物質は、例えば骨を含む肢部に位置しており、引き起こされた変位は、上記骨を動かすことはない。
【0024】
アクチュエータを刺激することは、関節の骨を変位させることなく身体の関節の周辺における角質物質の変位を引き起こす。
【0025】
角質物質は、所定面を画定してもよく、かけられた力は、上記面にほぼ入っている。
【0026】
変形例において、角質物質は、局所的に連続する面を画定する複数の部分を備える凹形状または凸形状を有してもよく、角質物質の所定部分にかけられた力は、上記部分によって画定される面に入っている。
【0027】
角質物質の面にほぼ入っている力は、例えば角質物質の面に位置する接線成分と垂直成分とに分解される場合に、接線成分が垂直成分のノルム(norm)よりも大きなノルムを示すような力である。
【0028】
角質物質を移動させることは、人間の外観における変化をもたらし、この変化は、アクチュエータが所定位置にあるときに見られる。
【0029】
変位は、周期的でなくかつ不変の極性からなる電圧をアクチュエータにかける結果として得られる。
【0030】
明細書の記載にわたって、用語「美容整形術」は、特に角質物質の外観への変化を含むように、幅広く理解されるべきである。
【0031】
アクチュエータは、アクチュエータを接着剤でまたは例えば吸引カップなど別の手段で固定することによって角質物質に設置される。
【0032】
角質物質は、皮膚、粘膜及びケラチン繊維、特に髪または睫毛から選択されてもよい。
【0033】
刺激は、電気由来または例えば光、生物学的、化学的もしくは熱的由来など別の由来からなってもよい。
【0034】
例として、アクチュエータは、例えば光放射、熱の供給または機械的応力などの外部刺激をアクチュエータの刺激をもたらす電位差に変換することが可能な1以上の化合物を有してもよい。このために、光が照射されると電界を生成する1以上の光電セルを使用してもよい。
【0035】
アクチュエータを刺激した後、角質物質は、アクチュエータがとる構造にほぼ保持され、アクチュエータは、保持フィルムを角質物質に貼り付けることによって、またはフィルムを形成することによって角質物質が移動することを防止するフィルム状の組成物を付けることによって、この構造をとっている。例えば、Scotch(登録商標)からなる接着ストリップ、接着包帯剤、樹脂タイプのポリマー、溶剤及び高圧ガスを含有する主としてヘアスプレーのようなスプレー、液体包帯剤、または、例えばシアノアクリレート接着剤などの接着剤からなる溶液などを用いることが可能である。
【0036】
保持フィルムまたはフィルム状の組成物を付けた後、アクチュエータは、可能であれば状況に応じて除去されてもよい。同様に、アクチュエータは、所定位置に残されてもよい。それでも、アクチュエータに給電するための導電体を除去することが可能である。
【0037】
角質物質に配置する前に、アクチュエータは、治療される角質物質に応じた形状に切断されてもよい。
【0038】
アクチュエータは、例えばユーザがアクチュエータの刺激の度合いであって所望の結果を得るのに適した度合いを視認することを可能とするために、またはアクチュエータの伸張または収縮の度合いを最終的に調整することを可能とするために、漸次的に刺激されて、対応する力及び/または変位を漸進的に引き起こしてもよい。
【0039】
本発明の他の例示的な形態は、人間を整形治療する方法を提供しており、この方法は、a)少なくとも1つの電気活性材料アクチュエータ、好ましくは電気活性ポリマーアクチュエータを漸次的に刺激し、対応する力及び/または変位を角質物質に漸進的に引き起こす工程を有する。
【0040】
アクチュエータは、例えばノブもしくはスライダを移動させるまたはキーパッドもしくはタッチスクリーンを介してデータを入力する制御手段へのユーザの行為に反応して刺激されてもよい。制御手段は、刺激電圧の強度及び/もしくは刺激の極性及び/もしくは刺激の周波数、またはいくつかの他のパラメータを制御してもよい。
【0041】
アクチュエータの電気的刺激は、少なくとも一部において自動化されてもよく、事前に取得した例えば顔もしくは身体の画像などの少なくとも1つの人間の類型的特性を踏まえて、または例えば圧力センサ、変位センサ、湿度センサ、感光性センサなどのセンサから伝達する少なくとも1つの信号に反応して、実行されてもよい。
【0042】
このため、方法は、人間の身体または顔の少なくとも1つの画像を取得する工程と、アクチュエータを用いて付与される矯正を自動的に判断する、またはユーザが所望の矯正を入力することを可能とする工程と、アクチュエータを自動的に制御して、予期される矯正に対応する角質物質の外観に改善を生じさせる力及び/または変位を角質物質に引き起こす工程と、を有する。
【0043】
この方法は、人間をより魅力的にするために、人間の外観を変化させるために、歪みを矯正するために、または例えば芝居を目的として人間を老けて見せるために、実行されてもよい。
【0044】
また、方法は、アクチュエータによって角質物質にかけられた力及び/または変位がアクチュエータを除去した後に持続する作用を及ぼすように実行されてもよい。例えば、アクチュエータは、皺の両側において局所的に皮膚を引っ張るために使用されてもよく、皺の深さを低減しかつ/または組織を特定の形態に再現することを可能とする。機械的応力は、例えば皺を日中においてより視認しにくくさせるように、皮膚に一晩中かけられてもよい。このような状況の下、使用されるアクチュエータは、例えば電気的に給電されると伸展するアクチュエータであってもよい。
【0045】
本発明の他の例示的な形態は、美容整形法を提供しており、この方法において、少なくとも1つの電気活性材料アクチュエータ、好ましくは電気活性ポリマー材料アクチュエータは、角質物質に、特に皮膚に、10分(min)より長い、好ましくは60minより長い、実際には3時間(h)より長い、さもなければ6hまたは12hの継続期間にわたって付けられ、アクチュエータは、例えば一晩中付けられ、そして日中にわたって除去される。角質物質を長期にわたる機械的作用にさらすことは、例えばコラーゲンを改良することなど組織の再組織化を促進する。
【0046】
本発明の他の例示的な形態は、このような方法を実行するデバイスを提供しており、このデバイスは、上記継続期間にわたって使用中に身に付けられるように構成されたアクチュエータを備えており、対応する電源を有している。
【0047】
また、角質物質にかけられる力及び/または変位は、特に力及び/または変位が時間と共に調節されると、マッサージ作用を実行しようとする。例として、マッサージは、健康の感覚を与えて、筋肉を鍛え、神経末端を刺激し、かつ/または美容品もしくは皮膚科用組成物の作用を増強する。
【0048】
アクチュエータの電気的刺激は、一定でない力及び/または往復動作を皮膚に与えるために、繰返し周期で実行される。電気活性ポリマーアクチュエータを使用することに関連する有利点は、アクチュエータの厚さが薄くなる利益を享受し、このため、衣類の下においてまたは下にある角質物質の外観を有するマスクフィルムの下において治療を実行することが可能となる。
【0049】
アクチュエータは、例えば下瞼など瞼を移動させるために使用されてもよい。電圧が印加されるときに接触するアクチュエータは、例えば、一端部を介して瞼に、その他端部を介して頬に固定される。
【0050】
複数のアクチュエータは、同時に使用されてもよく、アクチュエータそれぞれは、個別に制御可能なレベルで刺激されてもよい。さまざまなアクチュエータの刺激の度合いは、例えば再生に必要な外観に応じており、上記外観は、例えばさまざまな外観の中からユーザによって選択されている。方法は、角質物質を変形するためにアクチュエータそれぞれに印加される電圧を自動的に計算し、予期される外観を得る工程を有してもよい。
【0051】
少なくとも1つのアクチュエータは、下瞼に作用するために使用されてもよく、少なくとも1つの他のアクチュエータは、対応する上瞼に作用するために使用されてもよい。例として、アクチュエータそれぞれは、睫のすぐ下または上それぞれにおいて対応する瞼に固定される一端部を有する。
【0052】
複数のアクチュエータそれぞれは、下瞼に固定される一端部と、頬に固定される反対側の端部と、を有しており、アクチュエータは、収縮されて瞼に必要な変形を得る。
【0053】
電気的に給電されると収縮することが可能なアクチュエータを使用してもよく、アクチュエータは、耳に固定される一端部と、頭に固定される他端部と、を有し、アクチュエータは、例えば一方の耳が他方よりも遠くに突出している場合に耳を対称にさせることを目的として、耳を頭に向けて移動させるために電気的に刺激される。アクチュエータの収縮は、漸進的に行われ、耳は、例えば接着剤を用いて予期する形態で保持されてもよい。
【0054】
また、アクチュエータは、例えばアクチュエータが電気的に刺激されていないときに、力または変位センサとして使用されてもよい。
【0055】
アクチュエータは、整形手術を実行する前に身体または顔の外観を改善するために使用されてもよく、これによって外科手術が実行される人及び/または外科医が手術の結果の目安を得ることができる。
【0056】
一般的には、使用されるアクチュエータは、特にいったん予期する変位が得られると、可能な限り視認されないように、マスクフィルムによってかつ/または化粧によって隠されてもよい。
【0057】
本発明の他の例示的な形態は、角質物質を化粧する方法を提供しており、この方法において、化粧組成物は、角質物質と、電気活性材料、好ましくは電気活性ポリマー材料を有するアクチュエータまたはアクチュエータを被覆する保持フィルムと、に塗布される。
【0058】
また、アクチュエータは、初期的に着色されており、下にある角質物質の色を有する、または粗いまたは多孔性の表面状態を示してファンデーションのような化粧組成物が例えば表面状態に塗布されて表面状態に残ることを可能とする。
【0059】
本発明の他の例示的な形態は、組成物、特に化粧組成物を角質物質に塗布する方法を提供しており、この方法は、
・ 電気活性材料アクチュエータ、好ましくは電気活性ポリマー材料アクチュエータを刺激して、組成物が塗布される領域において力をかけかつ/または角質物質を移動させる工程、
を有する。
【0060】
このような方法は、
・ 例えば組成物が塗布される領域における角質物質に対してマッサージ作用を実行することによって、組成物の浸透を増進させてもよく、かつ/または、
・ 角質物質との界面において組成物の再生を促進させてもよく、かつ/または、
・ 強制的に組成物を角質物質へ浸透させる傾向がある圧力をかけてもよく、かつ/または、
・ 塗布領域の輪郭をぼやかして、これによりファンデーション美容品または自己日焼け剤(self-tanning agent)を塗布するときに便利としてもよい。
【0061】
アクチュエータの変位は、例えば1回/分から500回/分にあるアクチュエータの伸張/収縮周期で、往復動作であってもよい。
【0062】
組成物は、アクチュエータを角質物質と接触させる前に角質物質に塗布されてもよい。変形例において、組成物は、アクチュエータに塗布され、そして、アクチュエータは、角質物質に付けられる。また、アクチュエータは、アクチュエータが所定位置にある間に組成物を角質物質に運ぶことを可能とする少なくとも1つの開口部またはチャネルを有してもよい。必要に応じて、アクチュエータは、塗布するために組成物をあらかじめ染み込ませてあってもよく、例えば密封容器など組成物を保存することが可能な容器にパッケージされてもよい。
【0063】
アクチュエータが刺激されるとき、アクチュエータは、状況に応じて、角質物質に固定されていてもよい。マッサージまたは角質除去作用を実行するためかつ/または組成物を塗布するためには、角質物質に固定されることなくアクチュエータを角質物質と接触させても十分である。例えば、アクチュエータは、ユーザの手に保持されてもよく、または、適切な手段によって角質物質に当接保持されてもよい。
【0064】
アクチュエータは、衣類または下着に組みこまれてもよく、アクチュエータに刺激電位を伝達する装置は、同様に例えば衣類に組み込まれてもよい。
【0065】
1以上のアクチュエータは、顔に配置するためのパッチもしくはマスクに、腰部または大腿部を囲んで配置されるベルトに、またはパンツにもしくはズボンに組みこまれてもよい。
【0066】
アクチュエータがマッサージまたは角質除去作用を与えるためかつ/または組成物を塗布するためのものである場合、アクチュエータによって動き出す皮膚と接触する領域は、フロック加工されてもよく、または、発泡体または状況に応じて組成物が浸透されている織布もしくは不織布によって画定されてもよい。必要に応じて、接触面は、皮膚剥離術を実行するために、わずかに接着性を有してもよい。
【0067】
本発明の他の例示的な形態は、キットを提供しており、このキットは、
・ 少なくとも1つの電気活性材料アクチュエータ、好ましくは電気活性ポリマー材料アクチュエータと、
・ 角質物質に塗布するための少なくとも1つの組成物、特に美容品または皮膚科用組成物と、
を備える。
【0068】
本発明の他の例示的な形態は、キットを提供しており、このキットは、
・ 少なくとも1つの電気活性材料アクチュエータ、好ましくは電気活性ポリマー材料アクチュエータと、
・ 少なくとも1つの保持フィルムまたはフィルム状組成物であってアクチュエータが角質物質にもたらす形態に角質物質を保持するために角質物質に付けるための1つの保持フィルムまたはフィルム状組成物と、
を備える。
【0069】
例として、保持フィルムは、例えばそれぞれが個別の除去可能な保護被覆で被覆されている1以上の接着領域を備える、接着剤である。接着剤は、好ましくは低アレルギー性である。フィルムは、接着剤である必要がなく、キットは、保持フィルムを角質物質に貼り付けるための個別にパッケージされた接着剤を有してもよい。保持フィルムは、状況に応じて、下にある角質物質と同一の外観を有してもよい、かつ/または、保持フィルムは、化粧されるのに適してもよい。
【0070】
これらキットすべてにおいて、アクチュエータは、少なくとも部分的に透光性を有してもよく、下にある角質物質とほぼ同一色を有するまたは化粧されることが可能な面を示してもよい。
【0071】
上記キットそれぞれは、例えば箱、ケースまたはブリスタパックのような単一のパッケージに収容されている。キットは、再使用可能なまたは単一使用のみである1以上のアクチュエータを含んでもよい。アクチュエータは、必要に応じて、殺菌した個別のパッケージに配置されてもよい。アクチュエータは、アクチュエータに給電する導電体にすでに接続されてパッケージされてもよい。
【0072】
本発明の他の例示的な形態は、マッサージデバイスを提供しており、このマッサージデバイスは、少なくとも1つの電気活性材料アクチュエータ、好ましくは電気活性ポリマー材料アクチュエータと、アクチュエータに給電してアクチュエータの周期的な変位を引き起こす器具と、を備える。
【0073】
アクチュエータは、アクチュエータに印加される極性が変化しない電圧に応じて収縮または伸展してもよく、または、アクチュエータは、印加電圧の極性に応じて収縮及び伸展の双方が可能であるアクチュエータであってもよい。
【0074】
必要に応じて、上述のように、マッサージデバイスは、衣類もしくは下着に、またはパッチもしくはマスクに組みこまれてもよい。
【0075】
マッサージデバイスは、アクチュエータを少なくとも1つの衣類に設けられた状態で使用されてもよい。
【0076】
マッサージデバイスは、例えばマッサージオイル、保湿クリーム、美白または角質除去剤、自己日焼け剤などの化粧組成物を塗布する前または後に使用されてもよい。
【0077】
必要に応じて、電気活性ポリマーで熱が放射されるので、または電気活性ポリマーに並列もしくは直列で接続されたもしくは個別の電源に接続された1以上の抵抗加熱素子で熱が放射されるので、アクチュエータは、電気的に給電されて加熱するように構成されてもよい。
【0078】
また、マッサージデバイスは、電気的に給電されると角質物質を冷却するための少なくとも1つのペルチェ効果部材を有してもよい。
【0079】
マッサージデバイスは、角質物質を機械的に刺激することに加えて電気的に刺激することを可能とするために、皮膚と接触する少なくとも1つの電極を有してもよい。
【0080】
本発明の他の例示的な形態は、アクチュエータを製造する方法を提供しており、この方法において、アクチュエータは、状況に応じてバリア形成フィルムを上記構成部材と角質物質との間に介在させた状態で、角質物質に電極及び電気活性ポリマーを連続的に堆積することによって形成されている。
【0081】
本発明の他の例示的な形態は、アクチュエータを製造する方法を提供しており、この方法において、電気活性ポリマーは、加熱中に成形されまたは形付けられ、アクチュエータが配置される角質物質の形状を取る。これにより、アクチュエータによる刺激を受ける身体または顔の領域の形状に、より密接に適合するアクチュエータが得られる。
【0082】
アクチュエータの電極は、このようにして成形されるまたは高温で形付けられるように電気活性ポリマーに形成されてもよく、または、変形例において、電極は、電極が所望形状を与えられるときに電気活性ポリマーにすでに存在してもよい。
【0083】
本発明の他の例示的な形態は、角質物質につけるためのデバイスを提供しており、デバイスは、電気活性材料アクチュエータ、好ましくは電気活性ポリマー材料アクチュエータと、例えばバッテリなどのデバイスに組み込まれた電源であって当該電源が状況に応じて印刷技術によって形成されている電源と、を備えている。バッテリは、アクチュエータと共に例えば伸縮性フィルムなどの支持部に支持されてもよい。印刷によって形成されたバッテリは、既知であり、特に供給者Powerpaper社から入手できる。
【0084】
デバイスは、必要に応じて電気活性ポリマーに供給される電力を管理する制御回路と共に、例えばパッチまたはマスクなどのシートの形態をなしてもよい。制御回路は、例えば、いったんパッチが角質物質に付けられるとパッチの動作を引き起こすことを可能とするシステムを有してもよい。
【0085】
本発明の他の形態は、角質物質に付けるためのシートデバイスを提供しており、このデバイスは、少なくとも1つの電気活性材料アクチュエータ、好ましくは電気活性ポリマー材料アクチュエータを組み込み、少なくとも1つの光学層を提供し、この光学層は、光学効果を生成し、アクチュエータの機械的変位と同時に機械的変形に応じて光学層の外観の変化が発生するように構成されている。
【0086】
例として、光学層は、例えば回折格子内における回折パターン間の距離を変化させることによって、アクチュエータが伸展するまたは収縮する範囲に応じて変化する着色からなる干渉構造を備えている。光学層は、デバイスの外面を画成してもよい。
【0087】
角質物質に付けられた後、アクチュエータの変位は、例えば光学層の外観が隣接する角質物質の外観に対応するように調節され、このため、欠陥を効果的に隠す。
【0088】
本発明の他の例示的な形態は、デバイスを提供しており、このデバイスは、
・ 電気活性材料アクチュエータ、好ましくは電気活性ポリマー材料アクチュエータと、
・ センサと、
・ センサによって伝達される少なくとも1つの信号に応じてアクチュエータを制御するための回路と、
を備え、アクチュエータは、角質物質に固定されるように構成されている。
【0089】
センサは、角質物質に固定されるように構成されてもよく、例えば皮膚の弛緩を検出するように構成されてもよく、デバイスは、このような弛緩の検出に応じてアクチュエータを刺激して皮膚を再度引っ張るように構成された回路を有してもよい。アクチュエータは、皺が現れることを阻止するために、例えば目の周りに皺を生じさせる危険性がある領域に配置されてもよい。
【0090】
本発明の他の例示的な形態は、美容整形方法を提供しており、この方法は、a)少なくとも1つの電気活性材料アクチュエータを刺激して、アクチュエータの変位を引き起こす工程と、b)角質物質に、特にアクチュエータを角質物質に固定することによって、アクチュエータを設置する工程と、c)アクチュエータの刺激を変更し、アクチュエータが角質物質の変位を引き起こす工程と、を備える。
【0091】
アクチュエータは、弾性変位可能であってもよく、角質物質の初期形態に復帰させることによって角質物質の変位を引き起こしてもよい。
【0092】
上記工程c)における刺激の変更は、刺激することを停止することに対応していてもよい。アクチュエータの電気的刺激を停止することは、アクチュエータに給電する導電体を接続解除することに伴って生じてもよい。
【0093】
アクチュエータは、胸部の外観を変更するように、身体に固定される間に使用されてもよい。
【0094】
変形例において、アクチュエータは、顔に固定されてもよく、顔の輪郭の回りにある皮膚を引き上げる。
【0095】
また、アクチュエータは、特に目を大きくするために、上側または下側の瞼に作用する方法で顔に固定されもよい。
【0096】
アクチュエータは、状況に応じて、皮膚と接触してもよい。
【0097】
アクチュエータは、皮膚に貼り付けられてもよく、アクチュエータは、衣類または下着に固定されてもよい。例えば、アクチュエータの端部領域のみを皮膚に貼り付けることは可能である。
【0098】
アクチュエータは、感圧型接着剤を用いて皮膚に貼り付けられてもよい。
【0099】
アクチュエータは、筋肉を鍛えるように、皮膚に機械的に作用するために使用されてもよい。
【0100】
本発明の他の例示的な形態は、顔または身体の皮膚に美容整形効果を形成する方法を提供しており、この方法において、電気活性材料アクチュエータは、アクチュエータに電圧を印加することによって延伸され、そして、アクチュエータは、皮膚に固定され、アクチュエータの電気的刺激は、変更され、特に中断されて、アクチュエータを縮小させることを可能とする。
【0101】
そして、アクチュエータは、化粧で隠されてもよい。
【0102】
このような方法は、治療のための人間において、予期する結果を達成するために必要なアクチュエータの収縮度を評価することと、電気的刺激を中断した後に所望の伸張及び収縮を得るように電圧を調節することと、からなる工程を有してもよい。
【0103】
アクチュエータは、電気的刺激を中断する前に皮膚に貼り付けられることによって皮膚に固定されてもよく、固定は、アクチュエータの2つの反対側の端部を介して行われてもよい。
【0104】
この方法は、特に顔の輪郭を引き上げるための用途からなってもよい。皮膚が引き上げられる必要がある長さは、例えば顎部の角に指を当てて指をこめかみに向けて移動させることによって推測されてもよい。例として、指が皮膚を移動させる全距離の例えば半分など1/3から2/3の範囲にある距離にわたって皮膚を引き上げるためにアクチュエータを使用することを決めてもよい。
【0105】
アクチュエータを使用することに関連する有利点は、アクチュエータが皮膚を持ち上げる距離が比較的正確に調節されることである。
【0106】
また、本発明の他の例示的な形態は、胸部、特に少なくとも一方の胸部を上げる方法を提供しており、この方法において、アクチュエータは、電圧がアクチュエータを伸張させるために印加されることに使用され、そして、アクチュエータは、身体の領域に固定されるアクチュエータの端部を有し、そして、アクチュエータの電気的刺激は、調節されて、特に電気的刺激は、中断されて、アクチュエータを収縮させて胸部の予期する引き上げを得る。
【0107】
アクチュエータは、アクチュエータの中間領域において胸部を例えば自由なままとしながら、身体の硬質な領域に固定されるアクチュエータの端部を有してもよい。
また、アクチュエータは、身体の軟質な領域に固定されるアクチュエータの端部を有してもよい。
【0108】
アクチュエータは、拡大されたかつ/またはより厚い端部領域であってアクチュエータを固定しやすくする端部領域を示してもよい。
【0109】
本発明の他の例示的な形態は、目の輪郭を修正する方法を提供しており、この方法において、電圧は、アクチュエータを細長くさせるためにアクチュエータに印加され、アクチュエータは、目の周辺にある領域に固定され、そして、アクチュエータの電気的刺激は、修正され、特に中断され、アクチュエータを収縮させて目の周辺の外観を修正させる。
【0110】
例として、この例において使用されるアプリケータは、電気刺激の前において、例えば約20ミリメートル(mm)の長さ及び約20mmの幅のような30mm以下の長さと30mm以下の幅とを呈する。アクチュエータは、50マイクロメートル(μm)未満の厚さの中央層と例えばそれぞれが15μm厚さ未満のような電極層及び外層とを呈する。
アクチュエータは、釣り目の瞼(slanting eyelid)を持ち上げるために使用されてもよい。
【0111】
本発明の他の例示的な形態は、個人の身体の所定領域に機械的に作用するためのアクチュエータの用途を提供しており、この方法において、アクチュエータは、皮膚に配置されている間に収縮及び伸張のサイクルを実行して、皮膚は、少なくとも一部において、アクチュエータの変位に付随する。
【0112】
これは、頬または目の下の領域を治療するために使用されてもよい。
【0113】
本発明の他の例示的な形態は、美容整形術を提供しており、この美容整形術において、電気活性材料アクチュエータ、好ましくは電気活性ポリマー材料アクチュエータは、周期的に刺激されて身体または顔の所定領域に作用し、刺激の強度または周期の少なくとも一方は、アクチュエータが配置される対象から伝達される情報に応じて決定される。
【0114】
方法は、機械的動作の強度及び周期を決定して強度及び周期がユーザに対して不快を生じさせないようにする工程を有してもよい。
【0115】
前段階において、例えば0.001ヘルツ(Hz)から5000Hzの範囲にわたって周期を変化させ、同様に、例えば0ボルト(V)から10000Vの範囲にわたって印加される電圧を変化させることは可能である。
【0116】
周期及び電圧は、アクチュエータによる機械的作用を受けるユーザから提供される情報に応じて変更して、どの値が最も快適であるか決定してもよい。例として、ユーザにとって好ましい値は、アクチュエータの刺激を制御するデバイスに記録されてもよい。複数の周波数及び/または電圧の値は、連続的に適用されて状況に応じてユーザに選択させてもよい。
【0117】
本発明の他の例示的な形態は、妊娠線(stretch mark)を防止するための電気活性材料アクチュエータ、特に電気活性ポリマー材料アクチュエータの用途を提供する。
【0118】
アクチュエータは、妊娠線を患いやすい所定領域に使用されてもよい。
【0119】
特に、アクチュエータは、有利には体重を監視することに関連付けて使用されながら、身体が大きくなりやすい期間中の女性に使用されてもよい。
【0120】
アクチュエータは、例えば大腿部、臀部、胸部及び腹部のような身体の部分に付けられてもよい。アクチュエータは、治療する領域に付けられてもよく、アクチュエータの電気的刺激は、アクチュエータが収縮及び伸張サイクルを受けるように変化されてもよい。
【0121】
例として、電圧は、少なくとも1分の期間印加され、少なくとも1分の期間中断されてもよい。
【0122】
本発明の例示的な形態は、紅斑が現れた後の期間中に紅斑が消失するまで伸張及び/または収縮サイクルを実行するためのアクチュエータを使用しながら、痛みのある皮膚、特に太陽によって痛む皮膚を治療するために使用されてもよい。
【0123】
必要に応じて、伸張及び収縮サイクルを用いた皮膚の治療は、皮膚がさらされた後だが紅斑が現れる前に実行されてもよい。
【0124】
アクチュエータは、追加の組成物を用いてまたは追加の組成物を用いずに使用されてもよい。
【0125】
アクチュエータは、少なくとも1つの穴部を有してもよく、この穴部は、例えば組成物をこの穴部を通じて付けられることと脂質流体(fatty fluid)などをこの穴部を通じて拡散を例えば皮膚に向けて行う状態で拡散することとを可能とする。
【0126】
アクチュエータは、皮膚に貼り付けるための接着剤を有してもよく、接着剤は、例えば鎮痛剤など皮膚に作用する少なくとも1つの薬剤を含んでいる。
【0127】
アクチュエータは、衣類または下着に組み込まれてもよい。
【0128】
本発明の他の例示的な形態は、脱毛方法を提供しており、この方法において、電気活性材料アクチュエータ、特に電気活性ポリマー材料アクチュエータは、皮膚と接触させられており、この刺激器は、パッチ、特に布状パッチであってアクチュエータの変位によって引き起こされる上記パッチの変位、特に周期的変位の作用を受けて皮膚に脱毛効果を付与するのに適したパッチに固定されている。
【0129】
本発明の他の例示的な形態は、美容整形方法を提供しており、この方法において、電気活性材料アクチュエータは、周期的に刺激されて身体または顔の所定領域に作用し、刺激の強度及び周波数の少なくとも一方は、アクチュエータが配置される対象から伝達される情報に応じて決定される。
【0130】
本発明の他の例示的な形態は、美容整形方法を提供しており、この方法において、電気活性材料アクチュエータは、紅斑をもたらすことがある太陽への露出後に機械的に皮膚に作用するために使用される。
【0131】
本発明の他の例示的な形態は、個人によって着用される布状物品、特に織布物品を提供しており、この布状物品は、織糸、特にストリップの形態をなす織糸の形態をなす複数のアクチュエータであって布状パッチに、特に布地の織物に、場合によってはアクチュエータを刺激する電源と共に組み込まれかつ布状物品によって支持される複数のアクチュエータを備える。
【0132】
本発明の他の例示的な形態は、対象に美容整形術を適用する方法を提供しており、この方法において、上述した布状物品は、対象に付与され、アクチュエータは、このような態様、すなわち、
・ 例えば、布状物品を伸展させるように布状物品を設置する前にアクチュエータを刺激する状態で、かつ、いったん布状物品を設置すると布状物品と接触する領域に所定量の収縮を伝達するように状況に応じて刺激を停止し、そして状況に応じて布状物品を取り外す前にアクチュエータを新たに刺激してこのような取り外しを容易にする状態で、また、いったん布状物品が所定位置に設置されるとアクチュエータを必要に応じて周期的に刺激する状態で、周期的または別の方法で皮膚を移動させるまたは皮膚に圧力をかける、
ように刺激される。
【0133】
本発明は、本発明の非限定的な実施における以下の詳細な説明を読むことによって、かつ添付の図面を考察することによって、より理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】アクチュエータの例を示す平面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】アクチュエータの別の例を示す平面図である。
【図4】アクチュエータの変形例を示す図3に類似する図である。
【図5】アクチュエータの他の例を示す断面斜視図である。
【図6】アクチュエータの他の例を示す断面斜視図である。
【図7】下瞼に作用するアクチュエータの用途を示す図である。
【図8】図7のアクチュエータによって変位を刺激した後にフィルムをつけることによって安定的に保持された下瞼を示す図である。
【図9】瞼それぞれのための複数のアクチュエータを用いた方法の変形実施例を示す図である。
【図10】頬部に配置されたアクチュエータの用途を示す図である。
【図11】腕部にあるアクチュエータの用途を示す図である。
【図12】アクチュエータを被覆するために配置されたマスクフィルムを示す図11に類似する図である。
【図13】耳部を移動させる方法の例示的な実施形態を示す図である。
【図14】下瞼及び上瞼に同時に作用するアクチュエータの用途を示す図である。
【図15】本発明の例示的な実施形態における方法のさまざまな工程を示すブロックダイアグラムである。
【図16】同じく、本発明の例示的な実施形態における方法のさまざまな工程を示すブロックダイアグラムである。
【図17】同じく、本発明の例示的な実施形態における方法のさまざまな工程を示すブロックダイアグラムである。
【図18】同じく、本発明の例示的な実施形態における方法のさまざまな工程を示すブロックダイアグラムである。
【図19】同じく、本発明の例示的な実施形態における方法のさまざまな工程を示すブロックダイアグラムである。
【図20】同じく、本発明の例示的な実施形態における方法のさまざまな工程を示すブロックダイアグラムである。
【図21】同じく、本発明の例示的な実施形態における方法のさまざまな工程を示すブロックダイアグラムである。
【図22】同じく、本発明の例示的な実施形態における方法のさまざまな工程を示すブロックダイアグラムである。
【図23】同じく、本発明の例示的な実施形態における方法のさまざまな工程を示すブロックダイアグラムである。
【図24】アクチュエータの別の例を示す平面図である。
【図25】図24のアクチュエータを示す断面図である。
【図26】胸部に作用するアクチュエータのさまざまな配置方法を示す図である。
【図27】同じく、胸部に作用するアクチュエータのさまざまな配置方法を示す図である。
【図28】同じく、胸部に作用するアクチュエータのさまざまな配置方法を示す図である。
【図29】顔部に作用するアクチュエータの用途を示す図である。
【図30】目を囲む領域に作用するアクチュエータの用途を示す図である。
【図31】同じく、目を囲む領域に作用するアクチュエータの用途を示す図である。
【図32】アクチュエータを組み込む下着の例を示す図である。
【図33】身体に固定されたアクチュエータを有する物品を示す図である。
【図34】アクチュエータをどのように位置決めするかの別の例を示す図である。
【図35】アクチュエータを組み込んだ布状構造体の例を示す図である。
【図36】同じく、アクチュエータを組み込んだ布状構造体の例を示す図である。
【図37】同じく、アクチュエータを組み込んだ布状構造体の例を示す図である。
【図38】アクチュエータの構造の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0135】
[アクチュエータ]
本発明は、好ましくは電気活性ポリマーで形成されかつEAPアクチュエータとして知られる電気活性材料アクチュエータの使用に関する。
【0136】
用語「電気活性材料アクチュエータ」は、電気エネルギーを機械エネルギーに変換可能な少なくとも1つの電気活性材料がアクチュエータ内に存在するために、少なくとも一方向に収縮または伸展することが可能なアクチュエータを指して使用される。
【0137】
電気活性材料アクチュエータは、第1に、例えば高分子電解質ゲル、イオン複合材料、共役ポリマーまたはカーボンナノチューブなどに依存する「イオン的」と称されるアクチュエータと、第2に、圧電ポリマー、電歪ポリマー、誘電性エラストマまたは液晶及び導電性ポリマーを有するエラストマの使用に依存する「電気的」と称されるアクチュエータと、を含む。
【0138】
電気活性材料は、好ましくは、電圧または電流に反応するだけでなく例えばエラストマと同一の機械的挙動を有する伸縮性を示す。
【0139】
例として、高分子電解質ゲルは、液体が充填されたエラストマ基質で形成されている。
【0140】
例として、イオン性複合材料は、例えばイオン液体を有しかつ金属電極で被覆された高分子薄膜を備えるイオン交換ポリマー金属複合材料(IPMC)で形成されてもよく、電界の付与は、イオンを電気泳動させ、これにより薄膜を屈曲させる。
【0141】
アクチュエータは、少なくとも1つの導電性ポリマー(CP)を有してもよい。導電性ポリマーアクチュエータは、例えば、導電性ポリマーで構成された電極を有する電気化学セルを備えており、セルを横断して電圧を印加することにより、イオンが電解質内で交換されることに起因してセルを変形させる。
【0142】
導電性ポリマーアクチュエータの例として、特に螺旋状ポリピロール−金属アクチュエータ、固体電解質ポリマー及び銅で被覆されたポリアニリン繊維を備えるアクチュエータ、または、ポリピロールフィルムで被覆されたポリアニリン繊維を備えるアクチュエータがある。
【0143】
誘電性エラストマアクチュエータは、2つの電極間に挟まれた薄いエラストマフィルムを備えており、電圧の印加は、ポリマーフィルムを面の全寸法において伸張させる。誘電性エラストマは、状況に応じて、1以上の折畳部を形成するようにまたは例えば螺旋状に巻回されるように形付けられてもよい。
【0144】
一般的に、保持される電気活性ポリマーに応じて、アクチュエータの変形は可逆または非可逆的であってもよく、基本的に拡大すること、屈曲すること、収縮すること、一方向において、一面において、または所定の体積において行われる。
【0145】
用語「可逆的変形」は、例えば電気活性ポリマー特有である弾性に関連する弾性復帰力に自発的に起因してまたは例えば電極などアクチュエータの別の活性構成部材に起因して、アクチュエータが電圧を印加することによって引き起こされた方向とは逆方向に移動できることを意味すると理解されるべきである。また、復帰力は、アクチュエータに組み込まれた弾性復帰部材によって発生される。
【0146】
また、逆変形は、逆刺激電位の効果を受けて行われてもよい。
【0147】
アクチュエータが電気的に刺激されていない場合、アクチュエータは、例えば力または変位センサとして使用されてもよい。このような状況の下、アクチュエータによって形成された電流または電位差は、解析され、アクチュエータが感知する機械的応力を評価する。
【0148】
この情報は、皮膚を監視するため及び/またはアクチュエータの活動を開始させるために使用されてもよい。
【0149】
また、この情報は、感知した機械的応力に適した治療を決定するために使用されてもよい。アクチュエータがフィルムの形態を呈している場合、電気活性ポリマーの厚さは、例えば1μmから2mmの範囲にあり、必要に応じて、電気活性ポリマーは、1または2軸に沿って延伸されることが可能である。
【0150】
例として、電気活性ポリマーは、電位差が付与される2つの電極間に配置される。電極は、例えば、グラファイト、カーボンブラック、コロイド懸濁液、例えば金及び銀を含む金属の薄層、例えば銀または炭素などの導電性微粒子からなるフィラーを有する導電性ポリマーなどの導電性ポリマーのような、さまざまな材料で形成されてもよい。電極材料の選択は、電気活性ポリマーに起因する。
【0151】
電極は、電気活性ポリマーの全面または変形例において電気活性ポリマーの所定領域のみを被覆してもよい。
【0152】
必要に応じて、アクチュエータは、電気活性ポリマーの対応する領域を刺激することを可能とする複数の電極を有してもよい。電極は、例えばアレイ状に配置されてもよい。
【0153】
電極は、角質物質から電気的に絶縁されてもよい。変形例において、少なくとも1つの電極は、例えば状況に応じて電気活性ポリマーの刺激と同時に電気刺激を実行する目的で、角質物質と接触してもよい。
【0154】
電気活性ポリマーを活性化させるのに適した電圧は、電気活性ポリマーの特性、特に電気活性ポリマーの誘電率及び電気活性ポリマーの寸法に依存する。例えば、刺激電圧は、300V以下、好ましくは150V以下、例えば0Vから25Vの範囲にあってもよい。この電圧は、好ましくは、角質物質の周囲に存在する電圧に対応する低電圧である。そして、高電圧を用いる場合、電流が一定の限界値を越えないことが確実にされ、有利には漏電時に停止する手段をシステムに設けるという対策がなされる。
【0155】
刺激電圧に対するアクチュエータの反応は、線形または非線形であってもよい。
【0156】
アクチュエータは、例えば角質物質とアクチュエータの活性化合物との間の接触を防止する目的で、アクチュエータの活性構造体と外部との間のバリアを形成する少なくとも1つのフィルムを有してもよい。例として、バリア形成フィルムは、例えばポリオレフィン、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、セルロースなどの熱可塑性材料のフィルムであってもよい。
【0157】
アクチュエータは、状況に応じて、例えばその周辺部において熱可塑的に密封された材料からなり例えば透光性熱可塑性材料からなるフィルムなどの薄いフィルムで構成された容器のような密封容器内に完全に収容されてもよい。
【0158】
必要に応じて、バリア形成フィルムは、角質物質と同一色を有してもよく、バリア形成フィルムは、化粧を受けることが可能であってもよい。
【0159】
アクチュエータは、例えば接着などさまざまな方法で角質物質に固定されてもよい。
【0160】
固定領域は、電気活性ポリマーと重ねられている、または変形例において、ずらされており、アクチュエータは、アクチュエータと一列になっている1以上のフィラメントまたはフィルムまたは他の伝達部材を介して力または変位を伝達する。
【0161】
バリア形成フィルムは、例えば使用前に保護被覆で被覆されている接着剤であってもよい。変形例において、フィルムは、その場で塗布された接着剤を用いて貼り付けられてもよい。
【0162】
アクチュエータは、機械的力を増加させるために複数の電気活性ポリマー層を備える層の積重体を備えてもよい。
【0163】
アクチュエータは、
・ 弾性変形可能な誘電体材料からなる中央層と、
・ 誘電体材料層の両側にある、好ましくは同様に弾性変形可能な材料で形成された少なくとも2つの電極層と、
を備える。
【0164】
電極層は、絶縁層、好ましくは弾性変形可能な層で被覆されてもよい。
【0165】
絶縁層は、中央層と同一の誘電体材料で形成されてもよい。
【0166】
誘電体材料は、シリコーンであってもよい。
【0167】
アクチュエータは、衣類または下着に組み込まれてもよい。
【0168】
アクチュエータは、ブラジャー、パンティガードル、ストッキング、靴下、パンツまたは腹部もしくは肢部を囲んで配置するためのベルトに組みこまれてもよい。
【0169】
図1及び図2は、本発明の例示的な実施形態における用途に適したアクチュエータ1の例を示している。
【0170】
アクチュエータ1は、全体的にストリップ状をなしており、アクチュエータは、電圧がアクチュエータに印加されると反応する。
【0171】
これら図において示されるアクチュエータ1は、Nafionの商標で供給者Dupontによって販売されているような−SOHまたは−COHの群を含む4フッ化エチレン及びペルフルオロビニルエーテルのコポリマーのようなペルフルオロポリマーなどのイオン交換ポリマーからなる薄膜10を備えている。
【0172】
イオン伝導性ポリマーからなる薄膜10は、薄膜の両面において、例えばポリアニリンなど導電性ポリマー層11で被覆されてもよい。この導電性ポリマーは、例えば硫酸塩など固体電解質層12で被覆されている。
【0173】
このように形成された活性構造体14は、少なくとも一方の面において、保護フィルム15で被覆されてもよく、保護フィルムは、例えば2つの両端部16及び17を介して接着剤18を用いて構造体14に固定される。
【0174】
例として、このようなアクチュエータは、以下のように形成されてもよい。
【0175】
[実施例1]
厚さ0.15mm、幅10mm、長さ30mmを有するNafion(供給者Dupont)からなるフィルム117は、例えば硫酸カリウムなどの固体電解質を2%含むエチルアルコールに30分浸漬される。浸漬後、フィルムは、引き上げられて乾燥される。ポリアニリン層は、フィルムをポリオアニリンの(n−メチルピロリドン)有機溶液に浸漬することによって堆積される。フィルムは、600℃で5h乾燥されて、溶媒を除去する。その後、フィルムは、上述と同一の手順を用いて固体電解質層で被覆される。固体電界質層は、ポリアニリンフィルム全体を被覆する。
【0176】
図3は、伸張したときに作用するように構成されたアクチュエータの別の例を示しており、アクチュエータは、中央領域21において両面が被覆された誘電体タイプの電気活性ポリマー20を備えており、何もない周辺余白部23を脂肪族の導電性化合物24のままとしている。
【0177】
アクチュエータは、両面が例えば銅で形成された金属電極で被覆されており、金属電極は、化合物24と余白部23に貼り付けられたバリア形成伸縮性フィルムとに接触している。
【0178】
バリア形成フィルムは、アクチュエータの活性構造体を被覆しており、角質物質に貼り付けられることによって、アクチュエータの伸張が角質物質に伝達されることを可能とする。
【0179】
バリア形成フィルムがない場合、アクチュエータは、例えば余白部23など活性構造体を介して直接角質物質に固定されてもよい。
【0180】
このようなアクチュエータは、以下のように形成される。
【0181】
[実施例2]
材料は、分散された酸化チタンを有する誘電性シリコーンエラストマの混合物を含んで用意される。これは、文献「IEEE transactions on dielectrics and electrical insulation, Vol. 12, No. 4, 2005」に記載されている方法を実行することによってなされており、この文献は、参照として本明細書に組み込まれる。
【0182】
誘電性シリコーン(参考 Cine-skin(A/B/C50% シリコーン)、供給者 米国Burman Industries)は、酸化チタン(重量30%)(Titanio Biossio−コード488257、供給者 イタリアCarlo Erba)と混合され、あらかじめ1000℃で乾燥される。誘電性シリコーンは、攪拌することによって分散され、ついで、架橋結合は、混合物を辺が50mmである1mmの厚さを有するフィルムの形態に安定化させる。
【0183】
その後、材料は、一辺40mmを有する正方形において脂肪質の導電性化合物である米国Technolube sealのNyogel 755Gで両面が被覆される。
【0184】
平坦な銅電極は、幅2mm及び厚さ200μmを有しており、2つの導電層を電圧源に接続する。
【0185】
そして、このように形成されたアクチュエータは、両面がバリア形成伸縮性プラスチックフィルムで被覆され、フィルムは、アクチュエータの全面を被覆し、単独で端部に貼り付けられている。また、平坦な電極は、同一の絶縁フィルムで被覆されている。
【0186】
図4に示す変形例において、導電性の脂肪族化合物層は、同様に島状と称されるギャップ24を残して配置されており、バリア形成電気絶縁フィルムは、脂肪族化合物層に貼り付けられている。島部の数は、例えば1から20の間にある。
【0187】
島があることにより、電気活性ポリマーの伸張がバリア形成フィルムにそしてフィルムが固定される角質物質により均一に伝達される。
【0188】
図5に示すように、アクチュエータは、同様にフィラメント状をなしている。
【0189】
アクチュエータは、例えば、ポリアニリンがドープされたコア部のような導電性ポリマーからなるコア部30を備えてもよく、コア部は、固体電解質基質31として機能する材料で被覆されており、一方の電極は、例えばシース31に螺旋状に巻回された銅線のようなワイヤ32の形態をなしている。他方の電極は、ポリアニリンコア部に接続している。
【0190】
このようなアクチュエータは、以下のように形成される。
【0191】
[実施例3]
以下の手順は、Proceedings of the 3rd Italian Conference on Sensors and Microsystems, World Scientific Publication 1999, Di Natale and D'Amico Editors, pp. 345 to 350のA. Mazzoldi等による論文"All polymer actuators for microsystems"に記載された手順であり、この論文は、参考として本明細書に組み込まれる。
【0192】
この例において、アクチュエータは、ドープされたポリアニリンコア部を備えており、コア部は、固体電解質基質として機能する材料、すなわち、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ポリアクリロニトリル及び過塩素酸銅の混合物であってそれぞれ以下の比率、8%、38%、13%及び11%を有する混合物からなるシースで被覆されている。構造物全体は、シースに螺旋状に巻回された銅フィラメントで被覆されている。
【0193】
また、図6に示すように、アクチュエータは、螺旋状形状を呈してもよく、例えば螺旋状を有するようにエラストマーポリマーから成形されたテープ40の形態にあり、絶縁体で被覆されたそれ自体が電極として機能する材料41の両面を被覆されている。
【0194】
例として、このようなアクチュエータは、以下のようにして形成される。
【0195】
[実施例4]
米国BJB Enterprises Inc.のTC 5005, A/B-Cなどのエラストマのシリコーンが使用される。シリコーンは、文献Smart structures and materials 2005: electroactive polymer actuators and devices, edited by Yoseph Bar-Cohen, Proceedings of SPIE, Vol. 5759, p. 65に記載されている方法で螺旋状コイルの形状に成形されかつ切断され、この文献は、参考として本明細書に組み込まれる。シリコーン中のカーボンブラックの混合物などの電極として機能する材料は、螺旋状コイルの2面に付けられる。全体構造は、例えばニスなどの絶縁体で被覆される。これにより、ほぼシリンダ状のアクチュエータが製造される。
【0196】
[用途]
身体及び顔のさまざまな領域に1以上の電気活性ポリマーアクチュエータを使用することが可能である。
【0197】
図15に示すように、例示的な方法は、1以上のアクチュエータを身体または顔に関する領域に配置する工程100を備えてもよい。
【0198】
この位置決めは、当該人間によって、または例えば美容協会内でこの目的のために訓練されたスタッフによって、実行されてもよい。
【0199】
アクチュエータは、角質物質に固定されてもよく、特に角質物質に貼り付けられてもよい。
【0200】
アクチュエータは、角質物質に直接貼り付けられている必要はなく、単に角質物質と接触保持されている。
【0201】
角質物質に貼り付ける場合、接着剤は、好ましくは低刺激性接着剤であり、接着剤は、アクチュエータを設置するときに角質物質にかつ/またはアクチュエータに配置される。
【0202】
変形例において、接着剤は、アクチュエータにすでに存在していてもよく、接着剤は、例えば感圧性及び感熱性であり、使用前において、除去可能な保護被覆で被覆されている。
【0203】
アクチュエータが角質物質に貼り付けられることなく角質物質に当接して所定位置に保持されている場合、保持は、例えば衣類または包帯を用いてなされる。
【0204】
アクチュエータを角質物質に固定することは、角質物質を引っ張る、折り曲げるもしくは曲げる傾向のある力を角質物質にかけること、または力が角質物質に圧力をかけること、を可能としてもよい。
【0205】
かけられた力は、例えば0.2mmから4センチメートル(cm)の範囲、好ましくは0.5mmから1cmの範囲の距離にわたって特に例えば皮膚または肉体などの角質物質を移動させることによって、角質物質の外観を修正しようとしてもよい。
【0206】
変位は、皺または例えばセルライト(orange skin)もしくは脂肪の塊のような他の欠陥の外観を減少させる目的で、皮膚を引っ張ろうとしてもよい。変位は、例えば下垂症などに対抗しようとしてもよい。
【0207】
また、変位は、例えばタフト(tuft)に対抗するために髪に付与されてもよい。
【0208】
また、アクチュエータが角質物質に固定されている場合、アクチュエータは、マッサージまたは角質除去作用を与えるように機能してもよい。
【0209】
アクチュエータが角質物質に固定されることなく単に角質物質に当接保持されている場合、アクチュエータの刺激は、アクチュエータと下にある角質物質との間の相対変位の効能によって、例えばマッサージ効果を与える目的及び/または摩擦を与える目的を有してもよく、マッサージまたは摩擦作用は、場合により、活性物質または美容複合物の浸透を促進し、または角質物質に角質除去作用を実行する機能を果たす。
【0210】
複数のアクチュエータは、マッサージを実行するために連続的に刺激されてもよく、アクチュエータは、例えば隣り合って配置され、状況に応じて共通の支持部に固定される。
【0211】
少なくとも1つのアクチュエータは、瞼、特に下瞼または上瞼に、額に、頬に、唇に、首に、腕部に、胴部に、腹部に、胸部に、臀部に、または脚部に当接して付けられまたは少なくとも一時的に固定されてもよい。
【0212】
アクチュエータは、顔の外観を修正するために顔に設置されてもよい。このような状況の下、かつ好ましくは、アクチュエータは、サイズが小さくかつほとんど視認されず、例えば少なくとも部分的に透光性でありもしくは角質物質と同一色を有するマスクフィルムで被覆されており、または実際には角質物質と同一色を有する面を提供している。
【0213】
図15に戻ると、アクチュエータを配置する工程には、刺激工程110が続き、刺激は、適切な電圧を伝達する器具を用いて実行され、器具は、例えばアクチュエータが使用されている間に人間の横に配置されており、または、変形例において、この工程は、人間によって担持されており、例えば、器具は、ベルトもしくは器具をベルトに固定することを可能とするクリップのような人間に固定するための手段を有してもよい。
【0214】
器具は、例えば1以上の状況に応じて再充電可能なバッテリのような個別の電気エネルギー源を有してもよく、または、変形例において、器具は、主電源に給電される(mains powered)ように構成されてもよい。また、アクチュエータのための電力源は、上述のように、アクチュエータと同一支持部上にあってもよい。
【0215】
アクチュエータは、引き起こされる変位に応じて電位差を大きくまたは小さくすることによって、単一極性を用いて刺激されてもよい。
【0216】
また、使用されるアクチュエータに応じて、刺激は、極性が周期的に変化する交流電圧を用いて実行されてもよく、これにより、アクチュエータの一連の伸張及び収縮または一連の交互の方向における曲げを実行することが可能となる。
【0217】
複数のアクチュエータは、これらの力を組み合わせてより大きな変位またはより大きな牽引力を引き起こすような方法で刺激されてもよい。
【0218】
アクチュエータは、漸進的である変位を引き起こしてアクチュエータが付けられる身体の領域に漸進的な変更が結果として得られるように、電力で漸次的に給電されてもよく、どの変更が所望の結果に最も適しているかをユーザが判断することを可能とする。
【0219】
いったん所望の変位が達成されると、接着フィルムまたはフィルム生成ポリマーのような固定手段は、問題としている領域に付けられ、固定手段は、アクチュエータによって取られた状態に保持されており、これは、図16の工程120に対応する。
【0220】
保持手段は、特に問題としている角質物質に応じて多様性があってもよい。
【0221】
物質が皮膚である場合、保持手段は、角質物質に貼り付けるための接着フィルムを備えていてもよい。フィルムは、人間にとって不快となることを避けるようにできるだけ小さいことが好ましく、フィルムは、透光性を有するまたは化粧されるのに適していてもよい、すなわち、角質物質から離間するフィルムの面が美容複合物、特にファンデーションをこの面に付着することを可能とする表面外観を呈する。
【0222】
また、保持手段は、フィルム生成複合物を備えてもよく、フィルム生成複合物は、流体状態において角質物質に塗布される一方で、フィルム生成複合物はアクチュエータがフィルム生成複合物を保持する状態にある。
【0223】
硬化時または乾燥時に、複合物は、角質物質に貼り付くフィルムを形成し、アクチュエータが角質物質にもたらす形態に角質物質を保持することを可能とする。
【0224】
いったん保持手段が設置されると、アクチュエータは、図17に示すように、状況に応じて工程130において除去され、このような除去するが、ユーザがそれを残すことを望む位置において保持されている角質物質と干渉しないようにする。
【0225】
ユーザは、状況に応じてアクチュエータに給電する導電体のみを除去する。例として、導電体は、非常に小さく、導電体は、導電体がアクチュエータに接続するところで破損されるまたは切断されることによって分離されてもよい。
【0226】
変形例において、小型の電気コネクタを、アクチュエータの電源ワイヤを接続するために使用してもよい。
【0227】
別の変形例において、アクチュエータの給電は、アクチュエータの2つの両面に当接して押し付けるクリップを介してなされ、クリップは、対応する電極を有している。いったんアクチュエータが電気的に刺激されると、クリップは、除去することができる。このようなクリップの使用は、フィルムの形態をなすアクチュエータに特に適している。
【0228】
また、電力は、接触せずに、アクチュエータに接続されたコイルを用いる誘導によってアクチュエータに供給されてもよく、コイルは、例えばシルクスクリーン印刷によって、または電気ワイヤを堆積することによって、またはアクチュエータと同一支持部の金属層をエッチングすることによって、形成されている。
【0229】
変形例において、アクチュエータは、身体または皮膚の領域を所望の状態に恒久的に保持するように機能し、保持手段を設置する必要がない。
【0230】
アクチュエータに印加される電圧は、刺激器具における例えばノブまたはスライダなどの制御部材にしたがって、ユーザによって調節される。変形例において、刺激電圧は、アクチュエータを給電する器具によって、または共通の支持部にアクチュエータと共に実装された回路によって、自動的に決定される。
【0231】
例として、電圧は、プログラム可能な傾斜(ramp)を受けて刺激器具によって漸進的に増大される。このような状況の下、ユーザは、動作を開始し、アクチュエータは、漸進的に刺激される。ユーザは、所望の結果に達すると、例えば刺激器具のボタンを押下することによって、印加電圧の変化を停止してもよい。
【0232】
また、アクチュエータは、図18に示すように、予期する外観を選択する工程140の後に刺激されてもよい。この選択は、アクチュエータの刺激の異なる度合いに応じて、角質物質についてのさまざまな外観をユーザに提案しながら、例えば刺激器具のスクリーンを用いて実行される。
【0233】
いったん外観を選択すると、方法は、予期する外観を得るために提供される修正、特に角質物質に付与される変位を計算する工程150を有する。
【0234】
この計算は、アクチュエータが固定されている人間の少なくとも1つの画像に基づいてかつ必要に応じて例えば皮膚など角質物質になされた測定に基づいて、マイクロコンピュータによって実行される。
【0235】
いったん計算を実行すると、適切な電圧は、工程160において、アクチュエータに印加されて予期する修正を引き起こす。
【0236】
図19は、所定の方法を示しており、この方法において、アクチュエータを身に着けている人間は、工程200においてカメラによって観察され、画像は、アクチュエータによって引き起こされた変位の結果として人間によって所望される外観が達成されたか否かを決定するために、工程210において解析される。
【0237】
工程220において、アクチュエータの刺激は、人間によって予期された修正された外観にできるだけ近づかせるために、このような方法で実行されるように、解析の機能として継続される。このため、アクチュエータは、反復プロセスを用いて刺激され、外観が予期する外観に可能な限り上手く対応すると、保持手段は、工程230を実行してもよく、そして、アクチュエータの刺激は、中断されてもよい。
【0238】
また、アクチュエータによって付与された作用は、例えば皮膚の変位に応答するセンサなどのセンサの反応によって決まってもよい。例えば、アクチュエータは、皮膚の変位を検出する機能として刺激され、上記変位に対抗する、または変位の強度を制御してもよい。
【0239】
図20は、このような方法を示している。方法は、角質物質に例えば皮膚の変位を感知するセンサなどのセンサを配置する工程300を備えている。工程310は、工程320において上記変位に対抗するために、所望の方法でアクチュエータを刺激するように機能するように、センサからの信号を解析する工程からなっていてもよい。アクチュエータは、活性薬剤の浸透を促進させるために、例えば皮膚などの角質物質に圧力をかけるために使用されてもよい。
【0240】
アクチュエータは、所定期間にわたって一定の、一時的な、または可変である圧力をかけてもよい。
【0241】
使用されるアクチュエータは、特に、印加電圧の極性に基づいて収縮及び伸張が可能であるアクチュエータである。
【0242】
これにより、皮膚に振動を付与すること及び/またはマッサージ作用もしくは複合物を拡げる作用を実行することができる。
【0243】
図21は、1以上のアクチュエータを用いることによって複合物を付ける方法における工程を示している。
【0244】
アクチュエータを設置する工程400の後、アクチュエータは、例えば血流を活性化させるため、脱水作用を与えるため、または皮膚剥離術を実行するためなど、角質物質を整備するために、工程410において刺激される。
【0245】
その後、工程420において、複合物は、アクチュエータを取り除いた後に付けられる。
【0246】
図22は、方法の別の例を示しており、複合物は、工程500において初期的に付けられており、次いで、アクチュエータは、工程510において複合物が付けられた領域に設置される。
【0247】
アクチュエータは、工程520において刺激され、これにより、場合によっては複合物の浸透を促進させ、その後、アクチュエータは、工程530において取り外される。
【0248】
さまざまな用途を以下で説明する。
【0249】
[実施例5]
例として、実施例1で説明したように形成されたアクチュエータを使用しているが、電圧が印加されると収縮する他のアクチュエータも適当である。
【0250】
アクチュエータは、例えばシアノアクリレートに基づいた接着剤を用いて、アクチュエータの2つの長手方向端部の一方においてバリア形成フィルム15の外面を介して頬に貼り付けられており、アクチュエータの他端部は、図7に示すように、例えば下瞼の0.5cm下方において、瞼に貼り付けられている。
【0251】
電圧は、調節されるアクチュエータそれぞれに電圧を印加する器具3を用いて印加されてもよく、この器具は、例えば、アクチュエータそれぞれの個別のボタン60のような制御手段を有する。
【0252】
例として、電圧は、0Vから3Vにわたって変化してもよく、電圧は、例えば約0mmから3mmの範囲で収縮させて、瞼の下方において皮膚を引っ張るように調節されてもよい。
【0253】
ユーザが所望の位置を達成したと考えると、この位置は、図8に示すように、接着保持フィルム5を配置することによって固定することができ、例えばScotch(登録商標)の3M(登録商標)などの接着保持フィルムには、基礎化粧をその後に行ってもよい。接着フィルムは、アクチュエータの形状にあらかじめ切断して、アクチュエータを完全に被覆してもよい。導電体は、その後にアクチュエータから分離されてもよい。
【0254】
[実施例6]
図9の例において、複数のアクチュエータ1は、各下瞼に作用するために使用される。
【0255】
一連のアクチュエータ1は、実施例1にしたがって形成されており、それぞれが長さ30mm及び幅4mmを有する。
【0256】
実施例1と同一方法で、アクチュエータそれぞれは、活性構造体の2つの端部に貼り付けられる伸縮性バリア形成フィルムを有する。
【0257】
4つのこのようなアクチュエータは、各瞼の下方に貼り付けられ、それぞれは、垂直方向に延在しており、4つのアクチュエータは、ほぼ一直線上にかつ平行に配置されている。
【0258】
第1のアクチュエータは、目のほぼ隅において左目の瞼の下方に取り付けられている。第2のアクチュエータは、若干左にずらされており、目の隅の8mm左において瞼に取り付けられている。第3のアクチュエータは、第2のアクチュエータに対して左にずらされており、目の隅の16mm左において瞼に取り付けられている。最後に、第4のアクチュエータは、第3のアクチュエータに対して左にずらされており、目の隅の24mm左において瞼に取り付けられている。
【0259】
同一の配置は、対称の形態で他方の目に対して4つの他のアクチュエータを用いて実行される。
【0260】
8つのアクチュエータそれぞれは、アクチュエータそれぞれに電圧を供給することが可能な刺激器具3に電気的に接続されており、電圧は、0Vから2.5Vにわたって調節されている。
【0261】
アクチュエータそれぞれは、目の輪郭を修正して所望形状に一致させるために、異なる電圧で活性化される。8つのポテンショメータ60は、例えばアクチュエータそれぞれに印加される電圧を個別に調節するために、使用されている。
【0262】
ユーザが所望形状を得たという判定である場合、瞼は、皮膚色の接着保持フィルムを設置することによってこの位置に固定されており、ワイヤは、取り外すことができる。
【0263】
[実施例7]
この例において、図11及び図12に示すように、アクチュエータは、例えば腕部の贅肉など身体の軟質領域における贅肉を引き上げて腕部の弛緩した外観を改善するために使用される。
【0264】
例として、実施例4のアクチュエータ40を使用する。
【0265】
これらアクチュエータは、長さ20cmかつ直径3mmであり、腕部の上側部分における贅肉の周囲に配置される。
【0266】
これらアクチュエータのうち約10個は、一端部において例えば肩部と同じ高さである硬質部分に貼り付けられており、これらは、腕部の上側部分の贅肉を囲んで下方に延在する。
【0267】
刺激電圧の効果の下、アクチュエータは、引っ張られ、アクチュエータは、腕部の上側部分の贅肉を引き上げる。必要に応じて、アクチュエータは、皮膚と同一色を有しかつ図9に示すようなマスクフィルム8の下に隠されてもよい。
【0268】
[実施例8]
この例は、例えば一方の耳が他方よりも突き出ている場合において両耳の間の対称性を確立するため、1以上のアクチュエータを使用して人間の耳の少なくとも一方に作用する。
【0269】
このため、図13に示すように、アクチュエータは、耳の一端部と他端部とにおいて耳の後方の頭部に固定される。
【0270】
アクチュエータは、American suppler ERIから販売されている、2Vから9Vにわたって変化させることができ、かつ周波数を変化させることができる電圧で給電されるのに適している、例えば幅0.5cm、長さ2cm及び厚さ約0.25mmを有するイオン性ポリマー型としてもよく、これは"Deluxe Complimentary Package"と称するキットで実在する。
【0271】
電気的に絶縁されたアクチュエータは、水とポリアクリル酸樹脂のアルコール(エタノール)との溶液を用いて、耳の背後において耳に沿って貼り付けられかつ頭部に貼り付けられている。
【0272】
電極は、アクチュエータの基部に配置されている。電圧は、耳が所望位置を取るように、例えば2つの耳の対称性を得るように調節されている。
【0273】
変形例において、アクチュエータは、ユーザの皮膚と同一色を有する有色クリームを追加することによって形成されている。
【0274】
別の変形例において、いったん耳が所望位置を取ると、接着保持フィルムまたは例えばシアノアクリレートタイプのフィルム生成複合物は、耳をその新たな位置に保持するために設置される。
【0275】
[実施例9]
この例において、実施例3で説明したようなファイバ型アクチュエータは、図14に示すように、下瞼及び上瞼に作用させるために使用される。例として、アクチュエータ33は、それぞれ一端部において、上瞼の睫の直下に固定されている。アクチュエータは、マスクされてもよい。アクチュエータは、その他端部を頬と眼窩上縁(eyebrow ridge)とに固定される。例えば−1Vから+1Vの範囲にある非常に低い電圧を印加することによって、アクチュエータを引っ張り及び弛緩させることが可能となり、これにより、瞼の形状を変更させる。
【0276】
[実施例10]
この例において、アクチュエータは、流体複合物を付与するために使用される。
【0277】
アクチュエータは、図10に示すように、例えば頬もしくは唇(変形例図示略)またはその他に配置されている。
【0278】
例として、複合物は、抗加齢薬(anti-aging agent)を含む複合物である。
【0279】
例として、アクチュエータは、例えば図3及び図4を参照した実施例で説明されたように、伸張または電圧を変化させることによって得られる交互の伸張/収縮変位を生成することが可能なタイプである。
【0280】
本発明は、上述した実施例に限定されない。特に、他のタイプの電気活性ポリマーアクチュエータを用いることが可能である。
【0281】
複合物を付与する場合、複合物は、特に、抗皺物質(anti-wrinkle agent)、保湿剤、減量薬、ビタミンなどの例えば美容品で通常使用される任意の活性物質を含んでもよく、複合物は、幅広い形態で提供されてもよい。
【0282】
複合物は、自己日焼け剤、色素、着色剤、充填剤などを含んでもよい。
【0283】
複合物は、例えば水中油型(oil in water)乳液などの乳液であってもよい。
【0284】
以下の実施例において、図23のダイアグラムにおける工程800に示されるように、アクチュエータ自体の弾性を示しかつ電圧を印加することによって伸展するアクチュエータを使用する。印加電圧は、アクチュエータの伸長度合いとアクチュエータの弾性効果を受けたその後の収縮度合いとを制御するために調節されてもよい。
【0285】
アクチュエータは、図23の工程802に対応して、伸展状態で設置される。その後、工程804に対応して、アクチュエータの刺激は、中断され、アクチュエータを弾性復帰によって収縮させることが可能となり、収縮することによって身体に作用する力をかける。
【0286】
電気的刺激は、アクチュエータが身体に配置されている間に所定継続期間にわたって維持される、または変形例において、アクチュエータの電気刺激の中断に続くアクチュエータの収縮が直後に起こらない場合に、刺激は、アクチュエータを設置する前に中断される。
【0287】
[実施例11]:顔の輪郭を引き上げるためのアクチュエータ
アクチュエータは、図38に示すように、例えば5層の誘電体エラストマから形成されたフィルム700の形態をなしている。
【0288】
中央層600は、例えば厚さ50μmを有する。例として、中央層は、誘電体シリコーンエラストマと分散酸化チタンとの混合物で形成されている。これは、文献"IEEE transactions on dielectrics and electrical insulation, Vol. 12, No. 4, 2005"に記載された手順に従うことによってなされている。
【0289】
一例において、誘電体シリコーン(供給者 米国Burman IndustriesのCine-skin A/B/C 50% silicone)は、酸化チタン(30重量%)(供給者 イタリアCarlo ErbaのTitanio Biossio - code 488257)が混合されており、1000℃であらかじめ乾燥されている。酸化チタンは、攪拌することによって分散されており、そして、架橋結合は、混合物を100mmの長さ及び20mmの幅を有するフィルムの形態に安定させる。
【0290】
中央層600は、同一の誘電体シリコーンからなるがカーボンブラックの微粒子を含む層602それぞれによって両面が被覆されている。これら2層は、例えば20μmの厚さを有する伸縮性電極を形成する。
【0291】
層602は、外側層604を形成するために、同一の誘電体シリコーンからなる20μm厚の層それぞれによって層602の両外面が被覆されており、外側層は、例えば20μm厚である。
【0292】
この例におけるフィルムが顔の輪郭を構成する皮膚を引き上げるためのものであるので、引き上げる必要がある皮膚の長さを予測してもよい。このため、例えば顎部の隅に当接して指を押し付け、こめかみに向けて指を引き上げることが可能である。この上方への変位中に指が皮膚を高さ2cmにわたって移動させる場合、その距離の約半分、すなわち1cmにわたって顔の引き上げを実行すると定めてもよい。
【0293】
2つの導電ワイヤは、フィルムに配置されており、伸縮性電極層602と接触する。
【0294】
その後、例えばAC 1350(Eastman Chemical)の40%溶液であるタイプの感圧接着剤である粘着性のある被覆は、2つの外側層604の一方に塗布される。
【0295】
待つことなく、2つのワイヤは、0Vから10000Vの範囲にある電圧を供給することが可能である電圧源Gの端子に接続される。
【0296】
電位差を受けて、フィルムは、伸張する。
【0297】
そして、印加電圧Vは、調節され、皮膚を移動させる所望距離、具体的にはこの例において1cmだけフィルムを伸ばす。
【0298】
その後、アクチュエータは、例えば、図29に示すように、アクチュエータの接着面を皮膚に当接させた状態で顔の輪郭を囲むように皮膚に配置されている。5分待った後、電気ワイヤは、引き抜かれる。
【0299】
この時点で、フィルム700は、顔の皮膚に穏やかな顔の引き上げを形成する。
【0300】
最後に、フィルムは、フィルムを隠すために化粧される。
【0301】
[実施例12]:胸部を引き上げるためのアクチュエータの用途
図24に示すようにアクチュエータの形状が矩形状でなく例えば長さLにわたって一定幅の中央部分701を有しかつそれぞれ長さLeである台形の2つの端部部分703を有することを除いて実施例11と同一構造のアクチュエータを形成する。端部の最大幅は、例えば中央部分701の幅の2倍としてもよい。
【0302】
また、端部領域の厚さは、増大されており、例えば150μmである。
【0303】
フィルム700は、柔らかいと考えられている身体の部分、具体的には胸部が十分に硬くない場合に胸部に付けられる。
【0304】
2つの取り組みが可能であり、すなわち、第1は、図26に示すように、硬質の領域に固定することからなる。このような状況の下、アクチュエータの端部領域703のみは、接着剤で被覆されている。電位差は、2つの電極層に印加される。そして、フィルム700は、2つの端部領域703の一方が硬質の領域、具体的には肋骨の部分に貼り付けられて他方が胸骨の下部分に貼り付けられるように設置されており、胸部は、アクチュエータの中間領域701に当接して位置する。
【0305】
いったんフィルムが設置されると、電源ワイヤは、数分待機した後に取り外される。これにより、胸部が引き上げられる。
【0306】
第2の取り組みは、身体の軟質部分に固定することからなる。
【0307】
このような状況の下、アクチュエータの2つの端部領域は、図27及び図28に示すように、軟質領域、具体的には胸部の下または胸部の上下に直接貼り付けられる。
【0308】
貼り付けるため、端部部分703は、接着剤で被覆されている。より大きな有効性のため、中間領域701は、同様に接着剤で被覆されていてもよい。電位差は、電極層602に印加される。フィルム700が設置され、次いで、ワイヤが引き抜かれる。
【0309】
[実施例13]:下瞼に作用することによって目を大きくするためのアクチュエータの用途
フィルム700が20mmの長さかつ20mmの幅のみであることを除いて実施例11と同一構造のアクチュエータを形成する。
【0310】
中央層600は、40μm厚さしか有さず、電極層602及び外側層604は、10μm厚さしか有していない。
【0311】
開口部の端部における所望の拡大量は、予測される。
【0312】
主として、開口量は、500μmから2mmの範囲で選択される。
【0313】
電位差は、2つの電極層602の端子に印加され、フィルム700を瞼に必要な予期する変位の約2倍だけ伸張させる。このため、所望の伸張が500μmである場合、電圧は、フィルムが1000μmだけ伸張するように調節される。具体的には、約1000Vの電位差(pd)が必要とされる場合がある。
【0314】
接着剤、好ましくは速硬化型(fast-setting)接着剤(例えばシアノアクリレートタイプなど)は、2つの外側層604の一方に塗布される。
【0315】
その後、図30に示すように、電源ワイヤは、引き抜かれる。
【0316】
そして、目は、約500μmにわたって開口する。デバイスの弾性により、例えば瞬きをするために皮膚を移動させることが可能である。
【0317】
そして、アクチュエータは、化粧される。
【0318】
[実施例14]:上瞼に作用することによって釣り目(slanting eye)を大きくするためのアクチュエータの用途
アクチュエータは、フィルムが長さ30mmかつ幅8mmのみであることを除いて、実施例13と同様の構造を有して形成される。
【0319】
電位差は、2つの電極層の端子に印加され、約20%の伸張を生じさせる。接着剤、好ましくは速硬化型接着剤は、2つの外側層の一方に塗布される。
【0320】
そして、フィルムは、図31に示すように、上瞼に付けられ、釣り上がっている部分(slanting portion)を引き上げる。瞼の形状がこれを可能とする場合、第2外側層は、接着剤で被覆され、フィルムは、二重瞼の折り畳み部分(fold of the eyelid)内に収容される。付けた後、ワイヤは、引き抜かれる。アクチュエータが収縮する効果を受けて、目は開き、柔軟性を保持しながら、部分的に目の釣り上がっている外観を隠す。
【0321】
例えば顔などの皮膚にアクチュエータを固定する用途からなってもよく、アクチュエータは、電気的に駆動され、一連の伸張及び収縮サイクルを皮膚にかける。
【0322】
アクチュエータは、感圧接着剤を用いて皮膚に固定されてもよい。
【0323】
[実施例15]:顔を良い状態に維持するのに適したデバイス
アクチュエータは、中央層600が例えば250μmまで増大されていることを除いて、実施例11で説明したように形成される。さらに、中央層の長さ及び幅は、60mmと同等になっている。
【0324】
治療は、練習段階から開始する。これは、皮膚を感圧接着剤で被覆した後に対象の皮膚にアクチュエータを配置することからなる。
【0325】
電極層は、0Vから1000Vの範囲にある電圧を供給することが可能でありかつ電圧が交互に起こるように電圧を変調することが可能である発電機に接続されている。また、周波数は、例えば0.001Hzから5000Hzの範囲にわたって変調されてもよい。
【0326】
電圧は、1000Vのピーク電圧で例えば1Hzの開始電圧で印加される。その後、ピーク電圧及び周波数は、変化され、対象は、どの特性が快適と思われるかについて操作者に通知する。
【0327】
例えば定期的に毎晩など、不快をもたらさないと分かるモードを用いて頬にまたは目の下にある対象を治療することによって続けられてもよい。
【0328】
皮膚の内側層及び皮膚の筋に応力をかけることは、皮膚を強化する機能を果たす。
【0329】
[実施例16]:妊娠線を回避するためのアクチュエータの用途
アクチュエータは、実施例11のように形成される。アクチュエータは、身体、より具体的には妊娠線を患いやすい領域における皮膚に付けられる。
【0330】
アクチュエータは、身体が大きくなる期間中に使用され、アクチュエータの使用は、体重のモニタリングに関連付けられていてもよい。
【0331】
体重のモニタリングは、特に年齢及びサイズに応じて、アクチュエータを使用すべきであるか否かを判断する機能を果たしてもよい。アクチュエータは、例えば大腿部、臀部、胸部または腹部など身体の特定部分にわたって体重が増えたときに推奨される。
【0332】
さらに、アクチュエータは、モデルの体重が増加しない場合においても生理中において、胸部に推奨される。
【0333】
アクチュエータは、以下のようにして使用される。アクチュエータの一面を接着剤で被覆する。電極層に接続されたワイヤを用いて、数百Vから数千Vと同程度の電圧を印加する。そして、妊娠線を患いがちと考えられている身体の所定部分にアクチュエータを貼り付ける。
【0334】
数分後、電圧を落とす。ワイヤは、取り外される、または設置されたままとすることができる。ワイヤを設置したままである場合、電圧は、定期的に再び印加されてアクチュエータを伸張させる。この状態で数分経過させた後、電圧は再び落とされる。これらサイクルは、伸張されない制限領域をまず抑え、これら筋肉を鍛える機能を果たす。
【0335】
[皮膚を機械的に作用させること:痛みのある皮膚を治療して皮膚を再生させることを補助するため]
皮膚が焼けたとき、皮膚をマッサージして皮膚を伸張させるまたは皮膚を収縮させることによる治療を皮膚が必要とすることは知られている。これは、再生している皮膚が硬化することを制限する機能を果たす。
【0336】
この原理は、太陽によって痛む皮膚を解放することに使用される。このため、特定の変位、特に伸張または収縮変位は、紅斑(erythemia)の出現から紅斑が消えるまでの期間中に、実行される。実際には、紅斑が出現するまで待つ必要はなく、これら変位は、太陽への露出が終了するとすぐ実行されてもよい。
【0337】
原理は、皮膚に付けられるアクチュエータを使用することであり、皮膚は、引き伸ばしかつ収縮させるように拘束されている。このような伸張または収縮は、所定期間にわたって維持されてもよく、または、伸張または収縮は、定期的に緩和されてもよい。
【0338】
伸張/解放または伸張/収縮または収縮/開放サイクルを実行することは可能である。また、マッサージ作用を生成するために電位差を周期的に変化させて印加することは可能である。
【0339】
これら方法は、追加の組成物を用いてまたは追加の組成物を用いずに使用してもよい。このため、アクチュエータフィルムには、例えば脂質流体を付与しかつ脂質流体が皮膚に向けて拡散することを可能とする機能を果たす穴部が穿孔されてもよい。
【0340】
麻酔薬のような少なくとも1つの活性薬剤を含む接着剤を用いて皮膚に貼り付けさせることは可能である。
【0341】
[実施例17]:伸張モードで痛みのある皮膚を治療すること
例えば実施例11のフィルムを用いてかつ例えば数cmから数十cmにある治療される領域に一致する幅及び長さに関する形状に形成されたアクチュエータなどのアクチュエータが使用される。
【0342】
アクチュエータは、一面において接着剤で被覆されている。そして、2つのワイヤは、電極層に接続されている。
【0343】
アクチュエータは、皮膚に貼り付けられている。電圧は、例えば数100Vで印加される。皮膚は、この方法で数時間保持される。
【0344】
[実施例18]:マッサージモードで痛みのある皮膚を治療すること
この方法は、電圧が0.001Hzから5000Hzまでにある周波数で変化されることを除いて、上記実施例とほぼ同一である。
【0345】
このような方法は、例えば対象が着席または伏臥姿勢にあるなどのために自然に血管が若干新生した領域を治療する目的で、動けない人もしくは旅行中の人に、及び/または熱、電気、強烈な光、日射病、手術もしくは液浸(immersion)によって痛む領域に、適用するように、皮膚の圧縮を回避するために及び特定の状況により引き起こされる酸素不足を回避するために使用される。
【0346】
また、これら方法は、例えば麻酔薬、鎮痛薬、抗炎症薬、ボトックスなどを施すまたは付与することに関連する治療などの前処理または後処理と共に使用されてもよい。
【0347】
[皮膚ケアのための衣類]
マッサージ及び/または拘束作用を付与するように、状況に応じて皮膚と接触するように配置された少なくとも1つのアクチュエータを組み込んだ下着のような衣類を提供することは可能である。
【0348】
[皮膚ケアのための下着]
例えば実施例11にしたがって形成されたアクチュエータは、例えば編地または伸縮性のあるレースで形成された下着の伸縮性のある部分に組み込まれている。
【0349】
アクチュエータは、織物の内面に貼り付けられている。
【0350】
アクチュエータは、下着部分の全部または一部と同一面積を覆っていてもよい。
【0351】
ブラジャータイプの下着について、アクチュエータは、図32に示すように、カップ領域を覆っていてもよい。パンティまたはパンティガードルタイプの下着について、アクチュエータは、臀部部分、特に図34に示すように臀部が大腿部に結合する領域を覆っていてもよい。
【0352】
また、腹部を囲む織物であって図33に示すように例えば編地など十分に伸縮性のある織物で形成された織物のシートからなる下着に腹部を覆わせることは可能である。
【0353】
例えばブラジャーのストラップ近傍またはパンティガードルの胴回りなど下着の隠れた部分において、2つの導電ワイヤを2つの電極層に接続することができる。
【0354】
必要に応じてかつ図33に示すように、電源は、布状物品に組みこまれてもよい。
【0355】
下着のサイズを身体にぴったりとフィットさせる必要はない。例えば、モデルが図34Aに対応するサイズである場合、例えば図36Bなど、大きいサイズのブラジャーを選択すべきである。そして、モデルが10号のサイズである場合、12号のサイズのパンティガードルを選択すべきである。
【0356】
下着を着ける直前に、アクチュエータは、約1000Vを印加することによって充電される。下着を付けた後、ワイヤは、取り除かれる。これは、皮膚の弾性に依存しかつ皮膚の伸張を防止する作用を生じさせる。これは、特に妊娠線に患いやすい領域に対して適切であり、下着は、体重が増加している期間について特に適している。
【0357】
下着を脱ぐため、状況に応じて、アクチュエータを拡大させるために電圧を再び接続することが適切である場合がある。これにより、下着がその初期サイズに戻るため、下着を取り外しやすくなる。
【0358】
また、これは、靴下、タイツ、ストッキング、靴、Tシャツ、シャツまたは手袋に適用可能であると共に、アクチュエータは、例えばストッキング、タイツまたは手袋などのように所定位置のままとするために身体にきつく当接する必要がある下着に特に適している。
【0359】
[実施例19]:脱毛効果を有する脚部及び腕部の下着
図25に示すように、実施例11にしたがって形成されたフィルム700は、例えば編地または伸縮性を有するレースなど伸縮性を有する衣類部分900に組み込まれている。フィルム700は、布地900の外面に貼り付けられてもよい。第2布地層905は、これ自体同様に伸縮性を有しており、フィルムに付けられていてもよい。このような状況の下、フィルム700は、図25の実施例で示されるように、2つの布地層で挟まれている。
【0360】
フィルムは、衣類部分の全体または一部と同一領域を覆っていてもよい。
【0361】
靴下について、フィルムは、布地領域全体を覆っていてもよい。ストッキングまたはタイツについて、フィルムは、底部領域、すなわち膝の下方のみを覆っていてもよい。腕部に達する長手袋について、フィルムは、全領域または手首から手袋の頂部までの領域のみを覆っていてもよい。
【0362】
フィルムは、電源に接続される2つのワイヤを有している。
【0363】
内面、すなわち皮膚と接触する面の布地は、体毛を掴むように選択されている。このため、特定の編物または織物は、布地に体毛を挟ませることが可能にすることに使用される。
【0364】
内面の布地は、例えば接着剤によって、アクチュエータのフィルムに固定されている。
【0365】
いったん衣類が所定位置に位置すると、例えばいったん靴下または手袋が身に着けられると、ワイヤは、電源に接続される。電源は、電圧を定期的に変化させる。サイクルは、例えば1Hzのオーダーにおけるさまざまな周波数で、(例えば−1000Vから+1000までの)正弦波振動の形態をなしてもよい。
【0366】
サイクルは、(例えば1ミリ秒(ms)で)電圧を急激に変化させる形態をなしてもよく、その後、電圧が一定で保持される安定期が続く。
【0367】
これら変位は、体毛の目立ちを抑制しかつ少量の皮膚剥脱をもたらす効果を形成し、血液循環を促進させることによって、皮膚の外観を改善する。
【0368】
処置を実行する組成物(オイル、保湿剤など)に皮膚剥脱をもたらす組成物(アルミナのような研磨剤)または化学的に皮膚剥脱をもたらす組成物(溶液中のグリコール酸)または(メルカプタンに基づく)化学的キャピラリー組成物(capillary composition)を組み合わせることは可能である。
【0369】
[実施例20]:織布
フィルムは、10cmの長さ及び3mmの幅を有するアクチュエータフィルムのストリップで形成されている。
【0370】
そして、織物は、アクチュエータ700とアクチュエータ以外の織糸750とを結合しながら、図35に示すように形成されている。これら織糸は、綿、セルロース、亜麻、ポリアミド樹脂、ウール及び他の化学繊維もしくは混合繊維で形成されている。
【0371】
そして、アクチュエータ700は、図36に示すように、電気的に接続される。
【0372】
電圧を印加することによって、アクチュエータ700の長手方向において一方向に伸張を発生させる。
【0373】
この布地は、(身体の表面に接着させながら)身体に直接付けられてもよく、または布地は、衣類の全体または一部を形成してもよい。
【0374】
また、アクチュエータ700は、図37に示す方法で、アクチュエータ700それぞれに個別にアドレスすることを可能とする電源システムにアクチュエータを接続することによって、相互接続されてもよい。そして、電気的制御システムは、一部の繊維を収縮させながら他の繊維を収縮させずに、布地をさまざまな方法で変形することを可能とする。
【0375】
最後に、使用される織物は、付与される圧力に対してより大きな制御をもたらすため、例えば2軸に沿ってアクチュエータを組み込むなど、図35から図37に示す織物と異なってもよい。
【0376】
用語「備える」は、「少なくとも1つを備える」と同義語と理解されるべきである。
【符号の説明】
【0377】
1 アクチュエータ、3 刺激器具,器具、5 接着保持フィルム、8 マスクフィルム、10 薄膜、11 導電性ポリマー層、12 固体電解質層、14 活性構造体,構造体、15 バリア形成フィルム,保護フィルム、16 両端部、18 接着剤、20 電気活性ポリマー、21 中央領域、23 周辺余白部,余白部、24 導電性化合物,化合物、25 ギャップ、30 コア部、31 シース,固体電解質基質、32 ワイヤ、33 アクチュエータ、40 アクチュエータ,テープ、41 材料、60 ポテンショメータ,ボタン、117 フィルム、600 中央層、602 伸縮性電極層,電極層,層、604 外側層、700 アクチュエータ,フィルム、701 中央部分,中間領域、703 端部部分,端部領域、750 織糸、900 衣類部分,布地、905 布地層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a1) 電気活性材料、好ましくは電気活性ポリマー材料の少なくとも1つのアクチュエータを角質物質に設置する工程と、
b1) 前記アクチュエータを刺激して前記角質物質に対して力をかける工程であって、前記力が、前記角質物質とほぼ平行でありかつ前記角質物質の変位を引き起こし、変位が、少なくとも前記アクチュエータが所定位置にある間持続する、工程と、を備える、または、
a2) アクチュエータを刺激して前記アクチュエータに変位を引き起こす工程と、
b2) 特に前記アクチュエータを角質物質に固定することによって、前記アクチュエータを設置する工程と、
c2) 前記アクチュエータの刺激を変更して、前記アクチュエータが前記角質物質の変位を引き起こす工程と、
を備えることを特徴とする美容整形方法。
【請求項2】
工程a2)から工程c3)を備えることを特徴とする請求項1に記載の美容整形方法。
【請求項3】
前記アクチュエータは、弾性変形可能であり、
前記アクチュエータは、当該アクチュエータの初期形態に復帰する際に前記角質物質の変位を引き起こすことを特徴とする請求項2に記載の美容整形方法。
【請求項4】
工程c2)における刺激の変更は、刺激を停止することに対応することを特徴とする請求項3に記載の美容整形方法。
【請求項5】
刺激を停止することは、前記アクチュエータに給電する導電体を接続解除することに付随して起こることを特徴とする請求項4に記載の美容整形方法。
【請求項6】
前記アクチュエータは、特に身体に固定されて使用され、胸部の外観を修正することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の美容整形方法。
【請求項7】
前記アクチュエータは、顔に固定されており、顔の輪郭の皮膚を引き上げることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の美容整形方法。
【請求項8】
前記アクチュエータは、顔に固定されており、上瞼または下瞼に作用して、特に目を大きくすることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の美容整形方法。
【請求項9】
前記アクチュエータは、皮膚と接触することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の美容整形方法。
【請求項10】
前記アクチュエータは、皮膚と接触しないことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の美容整形方法。
【請求項11】
前記アクチュエータは、皮膚に貼り付けられている、または衣類もしくは下着に固定されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の美容整形方法。
【請求項12】
前記アクチュエータは、端部領域のみを介して皮膚に貼り付けられていることを特徴とする請求項9に記載の美容整形方法。
【請求項13】
前記アクチュエータは、感圧接着剤を用いて皮膚に貼り付けられていることを特徴とする請求項11または12に記載の美容整形方法。
【請求項14】
前記アクチュエータは、筋肉を鍛えるために皮膚を機械的に動かすために使用されることを特徴とする請求項9に記載の美容整形方法。
【請求項15】
前記アクチュエータは、衣類または下着に組み込まれていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の美容整形方法。
【請求項16】
前記アクチュエータは、ブラジャー、パンティガードル、ストッキング、靴下、パンツまたは腹部もしくは肢部を囲んで配置するためのベルトに組み込まれていることを特徴とする請求項15に記載の美容整形方法。
【請求項17】
電気活性材料、特に電気活性ポリマー材料のアクチュエータが皮膚と接触して配置され、
前記アクチュエータが、パッチ、特に布状パッチであって当該アクチュエータの変位、特に周期的な変位によって引き起こされる当該パッチの変位の作用を受けて皮膚に脱毛効果を付与するのに適したパッチに固定されることを特徴とする脱毛方法。
【請求項18】
前記アクチュエータは、
・ 弾性変形可能な誘電体材料からなる中央層と、
・ 誘電体からなる前記中央層の両側にあり、好ましくは同様の弾性変形可能な材料からなる少なくとも2つの電極層と、
を備えることを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記電極層は、絶縁層、好ましくは弾性変形可能な層で被覆されていることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記絶縁層は、前記中央層と同一の誘電体材料で形成されていることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記誘電体層は、シリコーンを備えることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項22】
電気活性材料のアクチュエータは、周期的に刺激されて、身体または顔の所定領域に作用し、
強度及び周波数の少なくとも一方は、前記アクチュエータが配置される対象からの情報に応じて決定されることを特徴とする美容整形方法。
【請求項23】
電気活性材料アクチュエータは、紅斑を引き起こすことがある太陽への露出後に機械的に皮膚に作用するために使用されることを特徴とする美容整形方法。
【請求項24】
個人によって着用される布状物品、特に織布物品であって、
織糸、特に当該布状物品、特に当該織糸の織物に組み込まれるストリップの形態をなす織糸の形態をなす複数のアクチュエータを備え、状況に応じて、当該布状物品によって担持された前記アクチュエータを刺激するための電源を有することを特徴とする布状物品。
【請求項25】
対象を美容整形する方法であって、
前記対象には、請求項24に記載の布状物品が設けられ、
前記アクチュエータは、
・ 例えば前記布状物品を設置する前に当該アクチュエータを刺激した状態で、前記布状物品を伸展させ、そして、状況に応じていったん前記布状物品が所定位置にあると刺激を停止した状態で、前記布状物品と接触している領域に所定量の収縮を伝達させ、そして、前記布状物品を除去する前に状況に応じて前記アクチュエータを新たに刺激し、このような除去を容易にさせ、必要に応じて、いったん前記布状物品が所定位置にあると前記アクチュエータが周期的に刺激される、
という方法で刺激されることを特徴とする方法。
【請求項26】
前記角質物質は、皮膚、粘膜またはケラチン繊維、特に髪もしくは睫から選択されることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記アクチュエータは、電気活性ポリマーアクチュエータであることを特徴とする請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
複合物、特に美容複合物を角質物質に塗布する方法であって、当該方法は、
・ 電気活性材料アクチュエータ、好ましくは電気活性ポリマー材料アクチュエータを刺激し、前記複合物が塗布される領域の前記角質物質に力をかけるかつ/または前記角質物質を移動させることを特徴とする方法。
【請求項29】
・ 少なくとも1つの電気活性材料アクチュエータ、好ましくは電気活性ポリマー材料アクチュエータと、
・ 角質物質に塗布するための少なくとも1つの複合物、特に化粧用または皮膚科用複合物と、
を備えることを特徴とするキット。
【請求項30】
・ 少なくとも1つの電気活性材料アクチュエータ、好ましくは電気活性ポリマー材料アクチュエータと、
・ 角質物質に塗布するための少なくとも1つの保持フィルムまたはフィルム状複合物であって、前記アクチュエータが当該保持フィルムまたはフィルム状複合物を、前記アクチュエータが当該保持フィルムまたはフィルム状複合物にもたらす形態に保持する、保持フィルムまたはフィルム状複合物と、
を備えることを特徴とするキット。
【請求項31】
少なくとも1つの電気活性材料アクチュエータ、好ましくは電気活性ポリマー材料アクチュエータと、
前記アクチュエータを電気的に給電することを可能とする器具であって、周期的な変位を前記アクチュエータに引き起こす、器具と、
を備えることを特徴とするマッサージデバイス。
【請求項32】
アクチュエータの製造方法であって、
前記アクチュエータが、角質物質に電極と電気活性ポリマーとを、状況に応じてバリア形成フィルムを前記電極と前記角質物質との間に介在させた状態で、連続的に堆積することによって形成されることを特徴とする製造方法。
【請求項33】
アクチュエータの製造方法であって、
前記電気活性ポリマーは、高温中に形作られまたは形付けられ、前記アクチュエータが配置される前記角質物質の形状を取ることを特徴とする製造方法。
【請求項34】
角質物質に付けるためのデバイスであって、当該デバイスは、
電気活性材料アクチュエータ、好ましくは電気活性ポリマー材料アクチュエータと、
例えばバッテリなどの当該デバイスに組み込まれる電源であって、当該電源が、状況に応じて印刷技術によって形成されている、電源と、
を備えることを特徴とするデバイス。
【請求項35】
角質物質に付けるためのシートデバイスであって、当該シートデバイスは、
少なくとも1つの電気活性材料アクチュエータ、好ましくは電気活性剤ポリマー材料アクチュエータを組み込み、かつ、光学効果を生成する少なくとも1つの光学層であって、前記変位に応じて前記光学層の外観を変化させながらアクチュエータの機械的変位を付随して起こすように構成された光学層を提供することを特徴とするシートデバイス。
【請求項36】
・ 電気活性材料アクチュエータ、好ましくは電気活性ポリマー材料アクチュエータと、
・ センサと、
・ 前記センサから伝達した少なくとも1つの信号に応じて前記アクチュエータを制御する回路と、
を備え、
前記アクチュエータは、角質物質に固定されるように構成されていることを特徴とするデバイス。
【請求項37】
顔または身体の皮膚に引き上げ効果を形成する方法であって、
電気活性材料アクチュエータが、当該電気活性材料アクチュエータに電圧を印加することによって伸張させられ、
そして、前記電気活性材料アクチュエータが、皮膚に固定され、
前記電気活性材料アクチュエータの電気刺激が変更され、特に中断され、前記電気活性材料アクチュエータを収縮させることを可能とすることを特徴とする方法。
【請求項38】
胸部、特に少なくとも一方の胸部を持ち上げる方法であって、
アクチュエータが、電圧が印加されて当該アクチュエータを伸張させるために使用され、前記アクチュエータは次いでその両端部を体の領域に固定され、
そして、電気アクチュエータの電気刺激が、変更され、特に中断され、前記アクチュエータを収縮させて予期する胸部の引き上げを得ることを特徴とする方法。
【請求項39】
目の外観を修正する方法であって、当該方法は、
アクチュエータを拡大させるために前記アクチュエータに電圧を印加し、
前記アクチュエータが、目の周辺の領域に固定され、
そして、前記アクチュエータの電気刺激が変更され、特に中断され、前記アクチュエータを収縮させて目の周辺の外観を修正することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公表番号】特表2011−505897(P2011−505897A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536575(P2010−536575)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【国際出願番号】PCT/IB2008/055124
【国際公開番号】WO2009/072085
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】