説明

美容装置

【課題】シート状脱脂綿を確実に保持することができる美容装置を提供すること。
【解決手段】本体2と、この本体2から突出して設けられた関電極5と、不関電極として作用する筒状蓋体4と、開口部13が設けられたカバー3と、このカバー3を本体2に対して閉状態で保持する係止部9とを有し、前記カバー3の開口部13から前記関電極5を露出可能としたものであり、前記カバー3に、このカバー3の閉状態時に前記本体2に向かって突出する突起部14を、前記開口部13に沿って設けたことで、美容液等を含浸させたシート状脱脂綿Cを前記関電極5に被せ、前記カバー3を前記係止部9によって前記本体2に対し閉状態に保持させると、前記突起部14と前記本体2によって前記シート状脱脂綿Cが保持されるので、前記シート状脱脂綿Cを弛みなく保持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有用物質を静電的に皮膚から人体に導入したり、老廃物を静電的に皮膚から除去したりする美容装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の美容装置として、例えば、導電性ラバーヘッド(本発明の関電極に相当する)と導体(本発明の不関電極に相当する)とを有し、前記ラバーヘッドを被覆したガーゼを前記ラバーヘッドと上カバーとで挟持すると共に、このカバーに設けられた丸孔から前記ガーゼを露出させ、このガーゼに美容液を含浸させて皮膚に押し当てることができるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このような装置において、ガーゼの代わりにシート状に形成された脱脂綿を使用することも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−180901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、シート状脱脂綿は、製品によって厚さや大きさが一定ではない。このため、前述した美容装置は、使用する前記シート状脱脂綿が薄ければ、使用中に前記シート状脱脂綿が動くことで弛んでしまい、良好に使用できないという問題が発生する。逆に、前述した美容装置は、使用する前記シート状脱脂綿が厚ければ、前記カバーを閉じることができないという問題が発生する。このような問題は、専用のシート状脱脂綿を用意すれば一応解決可能であるが、専用品が入手できない場合も考慮されるべきである。
【0005】
本発明は以上の問題点を解決し、シート状脱脂綿を確実に保持することができる美容装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の美容装置は、本体と、この本体から突出して設けられた関電極と、不関電極と、開口部が設けられたカバーと、このカバーを本体に対して閉状態で保持する係止部とを有し、前記カバーの開口部から前記関電極を露出可能な美容装置において、前記カバーに、このカバーの閉状態時に前記本体に向かって突出する突起部を、前記開口部に沿って設けたものである。
【0007】
また、本発明の請求項2に記載の美容装置は、請求項1において、前記突起部を、尖端を有する複数の錐状突起によって構成したものである。
【0008】
また、本発明の請求項3に記載の美容装置は、請求項2において、前記錐状突起を、反開口部側に傾斜させた形状に構成したものである。
【0009】
また、本発明の請求項4に記載の美容装置は、本体と、この本体から突出して設けられた関電極と、不関電極と、開口部が設けられたカバーと、このカバーを本体に対して閉状態で保持する係止部とを有し、前記カバーの開口部から前記関電極を露出可能な美容装置において、前記本体に、前記カバーの閉状態時にこのカバーに向かって突出する突起部を、前記関電極を囲むように設けたものである。
【0010】
また、本発明の請求項5に記載の美容装置は、請求項4において、前記突起部を、尖端を有する複数の錐状突起によって構成したものである。
【0011】
更に、本発明の請求項6に記載の美容装置は、請求項5において、前記錐状突起を、反関電極側が起立した形状に構成したものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1に記載の美容装置は、以上のように構成することにより、美容液等を含浸させたシート状脱脂綿を前記関電極に被せ、前記カバーを前記係止部によって前記本体に対し閉状態に保持させると、前記突起部と前記本体によって前記シート状脱脂綿が挟着されるので、化粧用として一般的に用いられる様々な厚さのシート状脱脂綿に対応できるよう前記本体とカバーの隙間を大きくしたとしても、前記シート状脱脂綿を弛みなく保持することができる。
【0013】
また、前記突起部を、尖端を有する複数の前記錐状突起によって構成することにより、前記シート状脱脂綿の繊維が前記錐状突起に絡んだり、或いは前記シート状脱脂綿に前記錐状突起が刺さったりすることで、前記シート状脱脂綿をより確実に弛みなく保持することができる。
【0014】
また、前記錐状突起を、反開口部側に傾斜させることにより、皮膚上で前記シート状脱脂綿が被せられた関電極を動かす場合、皮膚との摩擦により、前記シート状脱脂綿が弛むように引っ張られるが、逆に、この力によって前記錐状突起が前記シート状脱脂綿に食い込むので、前記シート状脱脂綿を更に確実に弛みなく保持することができる。
【0015】
また、本発明の請求項4に記載の美容装置は、以上のように構成することにより、美容液等を含浸させたシート状脱脂綿を前記関電極に被せ、前記カバーを前記係止部によって前記本体に対し閉状態に保持させると、前記突起部と前記本体によって前記シート状脱脂綿が挟着されるので、化粧用として一般的に用いられる様々な厚さのシート状脱脂綿に対応できるよう前記本体とカバーの隙間を大きくしたとしても、前記シート状脱脂綿を弛みなく保持することができる。
【0016】
また、前記突起部を、尖端を有する複数の前記錐状突起によって構成することにより、前記シート状脱脂綿の繊維が前記錐状突起に絡んだり、或いは前記シート状脱脂綿に前記錐状突起が刺さったりすることで、前記シート状脱脂綿をより確実に弛みなく保持することができる。
【0017】
更に、前記錐状突起を、反関電極側に傾斜させることにより、皮膚上で前記シート状脱脂綿が被せられた関電極を動かす場合、皮膚との摩擦により、前記シート状脱脂綿が弛むように引っ張られるが、逆に、この力によって前記錐状突起が前記シート状脱脂綿に食い込むので、前記シート状脱脂綿を更に確実に弛みなく保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第一の実施形態を示す美容装置の正面図である。
【図2】同、背面図である。
【図3】同、分解図である。
【図4】同、要部の拡大端面図であり、(a)は美容装置のみの状態、(b)はシート状脱脂綿を挟んだ状態である。
【図5】本発明の第二の実施形態を示す美容装置の要部の拡大端面図であり、(a)は美容装置のみの状態、(b)はシート状脱脂綿を挟んだ状態である。
【図6】本発明の第三の実施形態を示す美容装置の要部の拡大端面図であり、(a)は美容装置のみの状態、(b)はシート状脱脂綿を挟んだ状態である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、図1乃至図4に基づいて説明する。なお、以下の説明において、図1及び図2の姿勢を基準として、上下を規定する。1は本発明の美容装置である。この美容装置1は、本体2と、この本体2に対して揺動可能に取り付けられたカバー3と、前記本体2に対して着脱自在に取り付けられた筒状蓋体4とを有して構成される。
【0020】
前記本体2の正面側上部には、導電性ゴムによって構成された関電極5が、前方に突出して設けられる。なお、この関電極5は、正面視で上下に長い長円形となる。そして、前記本体2の正面側には、前記関電極5の左右に、凹溝部6が形成される。また、前記本体2の背面側には、操作ボタン7及び表示部8が設けられる。また、前記本体2の上端部には、係止部9が設けられる。また、前記本体2の下部には、電池Bを収納するための電池収容部10が設けられる。なお、前記電池収容部10の上部には、前記筒状蓋体4を固定するための固定溝部11が形成される。更に、前記本体2の下端部には、前記電池Bと電気的に接続された中間電極12が設けられる。
【0021】
前記カバー3は、その下端部が、前記本体2に対して枢支される。また、前記カバー3には、前記関電極5に対応して開口部13が形成される。そして、前記カバー3の上端部は、前記係止部9によって係止可能に構成される。従って、前記カバー3は、その上端が前記本体2から離れた開状態と、その上端が前記本体2の係止部9と係合した閉状態との何れかの状態にすることができる。そして、前記カバー3の閉状態では、前記開口部13から前記関電極5が露出可能に構成される。また、前記カバー3の閉状態では、前記本体2とカバー3との間には、化粧用として一般的に用いられる様々な厚さのシート状脱脂綿Cを挟むことができるように、適度の間隙が設けられる。更に、前記カバー3の開口部13近傍には、前記本体2の凹溝部6に対応して、突起部14が形成される。なお、この突起部14は、尖端を有する複数の錐状突起15から構成される。そして、これらの錐状突起15は、反開口部13側、即ち外向きに傾斜して形成される。
【0022】
前記筒状蓋体4は、合成樹脂によって有底筒状に形成される。そして、この筒状蓋体4は、その外面及び内面全体が、導電性物質(例えば金属鍍金等)により被覆される。また、前記筒状蓋体4の上部内面には、前記本体2の固定溝部11に対応して、固定突起16が設けられる。そして、この固定突起16と前記本体2の固定溝部11とで、前記筒状蓋体4は、前記本体2の下部に対し、バヨネット式に取り付けられる。この際、前記電池収容部10は、前記筒状蓋体4によって覆われる。また、この際、前記中間電極12は、前記筒状蓋体4の内底部4Aと接触する。そして、前述した通り、前記筒状蓋体4の外面及び内面が導電性物質によって被覆されているので、前記筒状蓋体4は、前記中間電極12を介して前記電池Bと電気的に接続される。これによって、前記筒状蓋体4は、不関電極として作用する。
【0023】
次に、本実施形態の作用について説明する。まず、使用者は、前記筒状蓋体4を、前記本体2の底部側から見て右回りに回動させた後、引き抜くことで、前記本体2から取り外し、前記電池収容部10を露出させる。そして、前記電池収容部10が露出した状態で、この電池収容部10に前記電池Bを収納する。更に、前記筒状蓋体4を前記電池収容部10に被せ、前記本体2の底部側から見て左回りに回動させることで、前記固定溝部11と固定突起16とが係合し、前記筒状蓋体4が前記本体2に取り付けられる。この際、前述したように、前記筒状蓋体4が、前記中間電極12を介して前記電池Bと電気的に接続されることで、前記筒状蓋体4は、不関電極となる。従って、前記電池収容部10の開口を閉塞する構成が、不関電極を兼ねるので、部品点数を削減することができるばかりでなく、前記本体2の表面に、この本体2の外殻体と不関電極の継ぎ目のみが表れ、前記本体2の外殻体と電池蓋との継ぎ目による隙間が表れないので、デザインを良好にすることができる。そして、前述したように、前記筒状蓋体4の外面全体が導電性物質によって被覆されることで、前記本体2の下部を把持すれば、使用者の手は必ず前記筒状蓋体4、即ち不関電極に触れることができる。従って、本発明の美容装置1は、通常の持ち方であれば、確実に不関電極に触れることができる。
【0024】
次に、前記カバー3を開状態とし、前記関電極5に前記シート状脱脂綿Cを被せる。そして、この状態で、前記カバー3を閉じる。すると、前記シート状脱脂綿Cは、前記カバー3の開口部13から露出すると共に、前記突起部14によって引っ張られることによって、前記関電極5の表面に密着する。更に、前記カバー3の上端部を、前記係止部9によって係止することで、前記カバー3を閉じた状態とする。この際、前記シート状脱脂綿Cは、前記凹溝部6と突起部14によって、図4(b)に示すように、S字状に湾曲する。そして、前記シート状脱脂綿Cは、S字状に湾曲した位置における前記突起部14との摩擦によって、保持される。従って、前記カバー3の閉状態において、前述したように、前記本体2とカバー3との間に間隙が設けられたとしても、前記凹溝部6と突起部14によって、前記シート状脱脂綿Cが弛まないように保持することができる。なお、尖端を有する複数の錐状突起15で前記突起部14を構成したことで、前記錐状突起15の尖端が、前記シート状脱脂綿Cに突き刺さったり、前記錐状突起15の尖端が前記シート状脱脂綿Cの繊維と絡んだりすることができる。更に、このようにして固定された前記シート状脱脂綿Cに、導電性の美容液等を含浸させる。このようにして、前記美容装置1が使用可能な状態となる。
【0025】
そして、使用者は、前記美容装置1の下部を把持し、前記操作ボタン7を操作する。更に、前記シート状脱脂綿Cを皮膚に当て、この皮膚に沿って前記美容装置1を動かす。このように、前記シート状脱脂綿Cを皮膚に当てると、この皮膚と手との間の人体を電流が流れる。そして、人体を電流が流れると、皮膚上の老廃物や汚れが帯電し、前記関電極5側に移動する。そして、このように前記関電極5に向かって移動した老廃物や汚れは、前記シート状脱脂綿Cに捕捉される。このようにして、皮膚上の老廃物や汚れが静電的に吸引除去される。
【0026】
なお、前述したように、前記シート状脱脂綿Cは、S字状に湾曲した位置における前記突起部14との摩擦によって保持されるので、皮膚に沿って動かしたとしても、前記関電極5上で弛みにくくすることができる。また、前記錐状突起15の尖端が、前記シート状脱脂綿Cに突き刺さったり、前記錐状突起15の尖端が前記シート状脱脂綿Cの繊維と絡んだりすることができるので、前記シート状脱脂綿Cが前記関電極5上で面方向により一層弛みにくくすることができる。更に前記錐状突起15が、反開口部13側、即ち外側に向かって傾斜しているので、前記シート状脱脂綿Cが前記関電極5上で弛むようにズレたとしても、このズレによって前記錐状突起15の尖端が前記シート状脱脂綿Cに突き刺さったり絡んだりするので、前記シート状脱脂綿Cのズレを食い止め、より一層弛みにくくすることができる。
【0027】
以上のように、本実施形態の美容装置1は、本体2と、この本体2から突出して設けられた関電極5と、不関電極として作用する筒状蓋体4と、開口部13が設けられたカバー3と、このカバー3を本体2に対して閉状態で保持する係止部9とを有し、前記カバー3の開口部13から前記関電極5を露出可能であり、前記カバー3に、このカバー3の閉状態時に前記本体2に向かって突出する突起部14を、前記開口部13に沿って設けたことで、美容液等を含浸させたシート状脱脂綿Cを前記関電極5に被せ、前記カバー3を前記係止部9によって前記本体2に対し閉状態に保持させると、前記突起部14と前記本体2によって前記シート状脱脂綿Cが保持されるので、化粧用として一般的に用いられる様々な厚さのシート状脱脂綿Cに対応できるよう前記本体2とカバー3の隙間を大きくしたとしても、前記シート状脱脂綿Cを弛みなく保持することができるものである。
【0028】
また、本実施形態の美容装置1は、前記突起部14を、尖端を有する複数の前記錐状突起15によって構成することにより、前記シート状脱脂綿Cの繊維が前記錐状突起15の尖端に絡んだり、或いは前記シート状脱脂綿Cに前記錐状突起15の尖端が突き刺さったりすることで、前記シート状脱脂綿Cをより確実に弛みなく保持することができるものである。
【0029】
更に、本実施形態の美容装置1は、前記錐状突起15を、反開口部13側、即ち外向きに傾斜させることにより、皮膚上で前記シート状脱脂綿Cが被せられた関電極5を動かす場合、皮膚との摩擦により、前記シート状脱脂綿Cが弛むように引っ張られたとしても、この力によって前記錐状突起15の尖端が前記シート状脱脂綿Cに食い込むので、前記シート状脱脂綿Cを更に確実に弛みなく保持することができるものである。
【0030】
次に、本発明の第二の実施形態について、図5に基づいて説明する。第二の実施形態の美容装置21では、第一の実施形態の場合とは逆に、本体22の関電極5の左右両側に、突起部23を設けると共に、開口部24を有するカバー25に、前記突起部23に対応させて凹溝部26を形成する。なお、前記突起部23は、前記カバー25の閉状態時において、このカバー25に向かって突出する。また、前記突起部23は、尖端を有する複数の錐状突起27によって構成される。更に、これらの錐状突起27は、反関電極5側、即ち外向きに傾斜して形成される。
【0031】
そして、第二の実施形態でも、前記カバー25を開状態とし、前記関電極5にシート状脱脂綿Cを被せた後、前記カバー25を閉状態とすることで、前記シート状脱脂綿Cは、前記凹溝部26と突起部23によって、図5(b)に示すように、S字状に湾曲する。そして、前記シート状脱脂綿Cは、S字状に湾曲した位置における前記突起部23との摩擦によって、保持される。従って、前記カバー25の閉状態において、前記本体22とカバー25との間に間隙が設けられたとしても、また、前記シート状脱脂綿Cを皮膚に沿って動かしたとしても、前記凹溝部26と突起部23によって、前記シート状脱脂綿Cが弛まないように保持することができる。なお、尖端を有する複数の錐状突起27で前記突起部23を構成したことで、前記錐状突起27の尖端が、前記シート状脱脂綿Cに突き刺さったり、前記錐状突起27の尖端が前記シート状脱脂綿Cの繊維と絡んだりすることができるので、前記シート状脱脂綿Cが前記関電極5上で面方向により一層弛みにくくすることができる。更に、前記錐状突起27が、反関電極5側、即ち外側に向かって傾斜することで、前記シート状脱脂綿Cが前記関電極5上で弛むようにズレたとしても、このズレによって前記錐状突起27の尖端が前記シート状脱脂綿Cに突き刺さったり絡んだりするので、前記シート状脱脂綿Cのズレを食い止め、より一層弛みにくくすることができる。
【0032】
以上のように、本実施形態の美容装置21は、本体22と、この本体22から突出して設けられた関電極5と、不関電極として作用する筒状蓋体4と、開口部24が設けられたカバー25と、このカバー25を本体21に対して閉状態で保持する係止部9とを有し、前記カバー25の開口部24から前記関電極5を露出可能であり、前記本体22に、前記カバー25の閉状態時にこのカバー25に向かって突出する突起部23を、前記関電極5に沿って設けたことで、美容液等を含浸させたシート状脱脂綿Cを前記関電極5に被せ、前記カバー25を前記係止部9によって前記本体22に対し閉状態に保持させると、前記突起部23と前記カバー25によって前記シート状脱脂綿Cが保持されるので、化粧用として一般的に用いられる様々な厚さのシート状脱脂綿Cに対応できるよう前記本体22とカバー25の隙間を大きくしたとしても、前記シート状脱脂綿Cを弛みなく保持することができるものである。
【0033】
また、本実施形態の美容装置21は、前記突起部23を、尖端を有する複数の前記錐状突起27によって構成することにより、前記シート状脱脂綿Cの繊維が前記錐状突起27の尖端に絡んだり、或いは前記シート状脱脂綿Cに前記錐状突起27の尖端が突き刺さったりすることで、前記シート状脱脂綿Cをより確実に弛みなく保持することができるものである。
【0034】
更に、本実施形態の美容装置21は、前記錐状突起27を、反関電極5側、即ち外向きに傾斜させることにより、皮膚上で前記シート状脱脂綿Cが被せられた関電極5を動かす場合、皮膚との摩擦により、前記シート状脱脂綿Cが弛むように引っ張られたとしても、この力によって前記錐状突起27の尖端が前記シート状脱脂綿Cに食い込むので、前記シート状脱脂綿Cを更に確実に弛みなく保持することができるものである。
【0035】
次に、本発明の第三の実施形態について、図6に基づいて説明する。第三の実施形態の美容装置31では、本体32の関電極5の左右両側に、突起部33を設けると共に、開口部34を有するカバー35にも、突起部36を形成する。なお、前記突起部33は、前記カバー35の閉状態時において、このカバー35に向かって突出する。一方、前記突起部36は、前記カバー35の閉状態時において、前記本体32に向かって突出する。また、前記突起部36は、前記カバー35の閉状態時において、前記突起部33よりも前記関電極5側に設けられる。そして、前記突起部33及び36は、それぞれ、尖端を有する複数の錐状突起37及び38によって構成される。更に、前記各錐状突起37は、反関電極5側、即ち外向きに傾斜して形成されると共に、前記各錐状突起38は、反開口部34側、即ち外向きに傾斜して形成される。
【0036】
そして、第三の実施形態でも、前記カバー35を開状態とし、前記関電極5にシート状脱脂綿Cを被せた後、前記カバー35を閉状態とすることで、前記シート状脱脂綿Cは、前記各突起部33,36によって、図6(b)に示すように、S字状に湾曲する。そして、前記シート状脱脂綿Cは、S字状に湾曲した位置における前記突起部33,36との摩擦によって、保持される。従って、前記カバー35の閉状態において、前記本体32とカバー35との間に間隙が設けられたとしても、また、前記シート状脱脂綿Cを皮膚に沿って動かしたとしても、各突起部33,36によって、前記シート状脱脂綿Cが弛まないように保持することができる。なお、尖端を有する複数の錐状突起37で前記突起部33を構成すると共に、尖端を有する複数の錐状突起38で前記突起部36を構成したことで、前記錐状突起37,38の尖端が、前記シート状脱脂綿Cに突き刺さったり、前記錐状突起37,38の尖端が前記シート状脱脂綿Cの繊維と絡んだりすることができるので、前記シート状脱脂綿Cが前記関電極5上で面方向により一層弛みにくくすることができる。更に、前記錐状突起37が、反関電極5側、即ち外側に向かって傾斜すると共に、前記錐状突起38が、反開口部34側、即ち外側に向かって傾斜することで、前記シート状脱脂綿Cが前記関電極5上で弛むようにズレたとしても、このズレによって前記錐状突起37,38の尖端が前記シート状脱脂綿Cに突き刺さったり絡んだりするので、前記シート状脱脂綿Cのズレを食い止め、より一層弛みにくくすることができる。
【0037】
以上のように、本実施形態の美容装置31は、本体32と、この本体32から突出して設けられた関電極5と、不関電極として作用する筒状蓋体4と、開口部34が設けられたカバー35と、このカバー35を本体31に対して閉状態で保持する係止部9とを有し、前記カバー35の開口部34から前記関電極5を露出可能であり、前記本体32に、前記カバー35の閉状態時にこのカバー35に向かって突出する突起部33を、前記関電極5に沿って設けると共に、前記カバー35に、このカバー35の閉状態時に前記本体32に向かって突出する突起部36を前記開口部34に沿って設けたことで、美容液等を含浸させたシート状脱脂綿Cを前記関電極5に被せ、前記カバー35を前記係止部9によって前記本体32に対し閉状態に保持させると、前記突起部33及び36によって前記シート状脱脂綿Cが保持されるので、化粧用として一般的に用いられる様々な厚さのシート状脱脂綿Cに対応できるよう前記本体32とカバー35の隙間を大きくしたとしても、前記シート状脱脂綿Cを弛みなく保持することができるものである。
【0038】
また、本実施形態の美容装置31は、前記突起部33を、尖端を有する複数の前記錐状突起37によって構成すると共に、前記突起部36を、尖端を有する複数の前記錐状突起38によって構成することにより、前記シート状脱脂綿Cの繊維が前記錐状突起37,38の尖端に絡んだり、或いは前記シート状脱脂綿Cに前記錐状突起37,38の尖端が突き刺さったりすることで、前記シート状脱脂綿Cをより確実に弛みなく保持することができるものである。
【0039】
更に、本実施形態の美容装置31は、前記錐状突起37を、反関電極5側、即ち外向きに傾斜させると共に、前記錐状突起38を、反開口部34側、即ち外向きに傾斜させることにより、皮膚上で前記シート状脱脂綿Cが被せられた関電極5を動かす場合、皮膚との摩擦により、前記シート状脱脂綿Cが弛むように引っ張られたとしても、この力によって前記錐状突起37,38の尖端が前記シート状脱脂綿Cに食い込むので、前記シート状脱脂綿Cを更に確実に弛みなく保持することができるものである。
【0040】
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上記各実施形態は、何れも、皮膚上の汚れや老廃物を静電的に吸引除去する美容装置であるが、シート状脱脂綿に含浸させた薬剤等を静電的に経皮導入する美容装置に適用しても良い。
【符号の説明】
【0041】
1,21,31 美容装置
2,22,32 本体
3,25,35 カバー
4 筒状蓋体(不関電極)
5 関電極
9 係止部
13,24,34 開口部
14,23,33,36 突起部
15,27,37,38 錐状突起
C シート状脱脂綿

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、この本体から突出して設けられた関電極と、不関電極と、開口部が設けられたカバーと、このカバーを本体に対して閉状態で保持する係止部とを有し、前記カバーの開口部から前記関電極を露出可能な美容装置において、
前記カバーに、このカバーの閉状態時に前記本体に向かって突出する突起部を、前記開口部に沿って設けたことを特徴とする美容装置。
【請求項2】
前記突起部を、尖端を有する複数の錐状突起によって構成したことを特徴とする請求項1記載の美容装置。
【請求項3】
前記錐状突起を、反開口部側に傾斜させた形状に構成したことを特徴とする請求項2記載の美容装置。
【請求項4】
本体と、この本体から突出して設けられた関電極と、不関電極と、開口部が設けられたカバーと、このカバーを本体に対して閉状態で保持する係止部とを有し、前記カバーの開口部から前記関電極を露出可能な美容装置において、
前記本体に、前記カバーの閉状態時にこのカバーに向かって突出する突起部を、前記関電極を囲むように設けたことを特徴とする美容装置。
【請求項5】
前記突起部を、尖端を有する複数の錐状突起によって構成したことを特徴とする請求項4記載の美容装置。
【請求項6】
前記錐状突起を、反関電極側に傾斜させた形状に構成したことを特徴とする請求項5記載の美容装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−152178(P2011−152178A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−13761(P2010−13761)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(000109325)ツインバード工業株式会社 (176)
【Fターム(参考)】