説明

義歯洗浄剤および義歯洗浄方法

【課題】 義歯に付着した汚垢並びに歯石等を、簡単な操作により効果的に洗浄除去することができる義歯洗浄剤および義歯洗浄方法を得る。
【解決手段】 洗浄剤、界面活性剤、防腐剤、殺菌剤を含めた混合液を封入した噴霧ノズル2を有する密封容器1を備えている。そして、洗浄すべき義歯10を包み込むようなムース状の洗浄液12を直接、該噴霧ノズルから噴霧することにより、義歯の洗浄除去を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、義歯の洗浄に用いられ、該義歯に付着した汚れや歯石等を簡単かつ効果的に洗浄除去することができるムース状の義歯洗浄剤およびこれを用いた義歯洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
義歯(入れ歯)は、総義歯や部分義歯の別に関わらず汚れが付着しやすく、放置しておくと汚れの中に形成された細菌叢に歯石が形成され、それが臭いや歯周病の誘発原因となることがある。このため、従来から義歯を洗浄し、清潔に保つために種々な義歯洗浄剤が開発されて使用されている。
【0003】
従来の義歯洗浄剤は、界面活性剤及び漂白剤を主成分とし、更に酵素や発泡剤等を含有する顆粒剤や錠剤からなるものが主流であり、義歯の洗浄は、通常これらの製剤を、コップ、その他の容器に入れた水やお湯等に投入して調製された義歯洗浄水に義歯を浸漬放置する方法によって行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、上述した顆粒剤や錠剤等といった製剤に代えて、液状の洗浄剤を用い、水等への溶け出しを容易にし、義歯洗浄水を簡単に作ることができるようにしたものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】 特開2001−288062
【特許文献2】 特開2002−020255
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述した従来から知られている義歯洗浄剤は、いずれも水等に溶かして使用する製剤であり、コップ等といった容器が必ず必要となるばかりでなく、該製剤を溶かすことも必要で、使用にあたっての煩雑さが避けられないものであった。
さらに、錠剤等では、溶けにくい場合があり、また決まった容量を使用することが必要で、たとえば部分義歯等の場合には無駄が多いという不具合もあった。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、義歯に付着した汚垢並びに歯石等を、簡単な操作により効果的に洗浄除去することができる義歯洗浄剤および義歯洗浄方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的に応えるために本発明(請求項1記載の発明)に係る義歯洗浄剤は、洗浄剤、界面活性剤、防腐剤、殺菌剤を含めた混合液を封入した噴霧ノズルを有する密封容器を備え、洗浄すべき義歯を包み込むようなムース状の洗浄液を該噴霧ノズルから噴霧するように構成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明(請求項2記載の発明)に係る義歯洗浄剤は、請求項1記載の義歯洗浄剤において、前記混合液は、水、エタノール、LPG、洗浄剤、界面活性剤、防腐剤、殺菌剤などを含んで構成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明(請求項3記載の発明)に係る義歯洗浄方法は、請求項1または請求項2に記載の義歯洗浄剤を用いた義歯洗浄方法であって、洗浄すべき義歯を所定の置き場所に置き、該義歯に対して密封容器の噴霧ノズルからムース状の洗浄液を噴霧して包み込み、一定時間放置することにより、該義歯の洗浄を行うことを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、義歯洗浄剤をムース状にし、義歯に直接噴霧することにより、該義歯を包み込んで、義歯に付いた汚れ等を洗浄、除去を行える。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本発明に係る義歯洗浄剤によれば、義歯に付着した汚垢並びに歯石等を、義歯に対して直接ムース状の洗浄剤を噴霧しこれを包み込むというきわめて簡単な操作により、効果的に洗浄除去することができるという優れた効果がある。
【0013】
特に、本発明によれば、従来の錠剤、顆粒剤タイプの製剤のように水等に溶かすといった面倒な操作は不要であり、コップ等の容器も不要であり、また錠剤等の製剤の包みを開ける手間もなく、ゴミなども生じないという利点がある。
【0014】
また、ムース状の洗浄剤で義歯を包み込むことから、放置時において見た目にもよく、色などをつければさわやか感も得られる等の利点もある。
さらに、本発明による義歯洗浄剤は、義歯を適宜の入れ物の中、あるいは紙、ティッシュ等の上に載せ、ボタンを押してムースを噴霧するだけで使用できるため、だれでもが簡単に使用できるという利点もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は本発明に係る義歯洗浄剤の一実施の形態を示すものであり、図において、符号1はエアゾールタイプの密封容器であり、その上部には内部に封入した義歯洗浄剤(図示せず)をムース状態で噴霧するための噴霧ノズル2が設けられ、押圧部3を押圧操作することで、ムース状の洗浄液を噴霧するように構成されている。
【0016】
前記密封容器1には、洗浄剤、界面活性剤、防腐剤、殺菌剤を含めた混合液としての義歯洗浄剤が封入されている。詳細を述べると、一例としては、水、エタノール、LPG、ポリエチレングリコール等の洗浄剤、ラウリル硫酸ナトリウム等の界面活性剤、さらには適宜の防腐剤や殺菌剤等からなる混合液を密封容器1内に封入し、これをムース状態で噴霧できるようなエアゾールタイプとして準備すればよい。
【0017】
このような義歯洗浄剤は、図1に示すように、洗浄すべき義歯10を所定の置き場所、ここでは紙11を広げてその中央部に置き、該義歯10に対して密封容器1の噴霧ノズル2からムース状の洗浄液12を噴霧することでこれを包み込み、その状態で一定時間放置することにより、該義歯10の洗浄を行うことができるのである。
【0018】
このような本発明に係る義歯洗浄剤によれば、義歯10に付着した汚垢並びに歯石等を、義歯10に対して直接ムース状の洗浄剤12を噴霧しこれを包み込むというきわめて簡単な操作により、だれでもが簡単に使用でき、しかも効果的に洗浄除去することができるのである。
【0019】
そして、このような構成では、従来の錠剤、顆粒剤タイプの製剤のように水等に溶かすといった面倒さはなく、コップ、その他の容器も不要となる。また、錠剤等の製剤の包みを開ける手間もなく、ゴミなども生じない。
【0020】
さらに、ムース状の洗浄剤12で義歯10を包み込んだ状態とすることができるから、放置時において見た目にもよい。たとえばムースに色などをつければさわやか感も得られることになる。
【0021】
なお、本発明は上述した実施の形態で説明した構造には限定されず、各部の形状、構造等を適宜変形、変更し得ることはいうまでもない。
たとえば上述した実施形態では一例を挙げて説明したが、本発明に係る義歯洗浄剤の成分などは必要に応じて適宜変更し得るものである。要は、洗浄剤をムース状(泡状)にして義歯に直接噴霧し、これを包み込むことでその洗浄を行えればよいものである。
【0022】
また、本発明の義歯洗浄剤を噴霧する際に義歯10を載せるものとしては、適宜の容器、入れ物はもちろん、紙、ティッシュ等の適宜のものを用いることができることはいうまでもない。場合によっては、テーブル、その他の置き台上に直に載せてもよいものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】 本発明に係る義歯洗浄剤の一実施の形態を示し、義歯洗浄方法の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0024】
1…密閉容器、2…噴霧ノズル、3…押圧部、10…義歯、11…紙、12…ムース状の義歯洗浄剤。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄剤、界面活性剤、防腐剤、殺菌剤を含めた混合液を封入した噴霧ノズルを有する密封容器を備え、
洗浄すべき義歯を包み込むようなムース状の洗浄液を該噴霧ノズルから噴霧するように構成されていることを特徴とする義歯洗浄剤。
【請求項2】
請求項1記載の義歯洗浄剤において、
前記混合液は、水、エタノール、LPG、洗浄剤、界面活性剤、防腐剤、殺菌剤などを含んで構成されていることを特徴とする義歯洗浄剤。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の義歯洗浄剤を用いた義歯洗浄方法であって、
洗浄すべき義歯を所定の置き場所に置き、
該義歯に対して密封容器の噴霧ノズルからムース状の洗浄液を噴霧して包み込み、
一定時間放置することにより、
該義歯の洗浄を行うことを特徴とする義歯洗浄方法。

【図1】
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【公開番号】特開2006−273830(P2006−273830A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−127051(P2005−127051)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(504408960)イーストジャパン株式会社 (1)
【Fターム(参考)】