説明

耐摩耗性被覆層を有する切削工具部品

切削工具部品用の耐摩耗性被覆層。切削工具は、バイトホルダ(12)と、インサート(22)をバイトホルダ(12)に解放可能に固定するように構造化および配置されたクランプ(34)とを含む。切削工具はまた、クランプ(34)の少なくとも一部にろう付けされ、かつ/またはバイトホルダ(12)の少なくとも一部にろう付けされた耐摩耗性被覆層(50)を含み、その耐摩耗性被覆層(50)は、硬質粒子およびろう付け材料を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切削工具部品に関し、より詳細には、切削工具部品用の耐摩耗性被覆層に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、被加工物から材料を除去する金属切削工具などの切削工具は周知である。通常、切削工具は、バイトホルダと、インサートをバイトホルダに解放可能に固定するクランプ装置とを含む。そのようなクランプ装置に関する種々の形態が提案されてきた。例えば、ジョーンズ(Jones)らに付与された米国特許第3,754,309号明細書は、切削インサートおよびクランプ装置を開示しており、クランプ部材は、切削インサートに形成された溝と係合するのに適した丸いノーズを含む。マクリーリ(McCreery)らに付与された米国特許第3,864,799号明細書は、インサートをバイトホルダシャンクに固定(クランプ)するためのクランプ部材を含むバイトホルダを開示している。
【0003】
切削工具による旋削作業において、インサートによって生成された切り屑が、切削作業の邪魔をすることがある。マクリーリ(McCreery)らに付与された’799号特許では、クランプ部材の切刃に面する部分が面取りされて、チップブレーカまたは切り屑そらせ部材として機能し、切り屑を切削領域から遠ざける助けとなる。これにより、クランプ部材の切り屑破断面、さらには、クランプおよび切刃を囲む隣接領域が深刻な摩耗および摩滅を受けることになる。マクリーリ(McCreery)らに付与された’799号特許では、クランプ部材に焼入れ処理および/または摩擦低減処理を施すことができる。具体的には、これは、クランプ部材を空気焼入れ鋼で形成するか、蒸着法(例えば、物理蒸着(PVD)など)を使用して、切り屑破断面に比較的薄い炭化チタンコーティングを施すか、またはクランプ部材の切り屑破断面にホウ化処理(boradizing treatment)を施すことにより行うことができる。しかし、そのような焼入れ処理および/または摩擦低減処理では、十分な耐摩耗および摩滅性を付与することができないと分かった。
【0004】
本発明は、上記を考慮して発案された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第3754309号
【特許文献2】米国特許第3864799号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、切削工具部品用の耐摩耗性被覆層を提供する。切削工具による旋削作業時に、切削工具の様々な部品が、例えば、切削工具の切削インサートによって生成された切り屑によりアブレシブ摩耗を受ける。したがって、耐摩耗および摩滅性を改善した切削工具および/または切削工具の部品を有することは有益である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様では、バイトホルダと、インサートをバイトホルダに解放可能に固定するように構造化および配置されたクランプとを含む切削工具が提供される。切削工具はまた、クランプの少なくとも一部にろう付けされ、かつ/またはバイトホルダの少なくとも一部にろう付けされた耐摩耗性被覆層を含み、その耐摩耗性被覆層は、硬質粒子およびろう付け材料を含む。
【0008】
本発明の別の態様では、インサートを固定するためのバイトホルダが提供され、このバイトホルダは、インサート受け入れポケットを有するバイトホルダ本体と、インサートをそのバイトホルダ本体に解放可能に固定するように構造化および配置されたクランプとを含む。さらに、インサートを固定するためのバイトホルダは、クランプの少なくとも一部にろう付けされ、かつ/またはバイトホルダ本体の少なくとも一部にろう付けされた耐摩耗性被覆層を含み、その耐摩耗性被覆層は、硬質粒子およびろう付け材料を含む。
【0009】
本発明のさらなる態様では、インサートをバイトホルダに解放可能に固定するためのクランプが提供され、このクランプは、バイトホルダに取り付けられるように構造化および配置されたクランプ本体と、そのクランプ本体の少なくとも一部にろう付けされた耐摩耗性被覆層とを含む。耐摩耗性被覆層は、硬質粒子およびろう付け材料を含む。
【0010】
本発明のさらなる態様では、切削工具部品と、切削工具部品の少なくとも一部にろう付けされた耐摩耗性被覆層とを含む切削工具が提供される。耐摩耗性被覆層は、硬質粒子およびろう付け材料を含む。切削工具部品には、例えば、クランプ、座部材、またはバイトホルダがあり得る。当然のことながら、切削工具部品には、耐摩耗および摩滅性を改善するために、耐摩耗性被覆層が施されるのが望ましい、通常切削工具に付属する他の部品を含めることもできる。
【0011】
本明細書および図面を再検討した後、本発明のこれらおよび他の態様がより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の態様によるバイトホルダの側部分解斜視図である。
【図2】本発明の態様による、図1の2−2切断線で切り取ったクランプの断面図である。
【図2a】本発明の態様による、図2に示す領域2aの拡大図である。
【図3】本発明の態様による、図1の3−3切断線で切り取った座部材の断面図である。
【図4】本発明の態様による、図1の4−4切断線で切り取ったバイトホルダ本体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の一態様によるバイトホルダアセンブリ10の側部分解斜視図である。バイトホルダアセンブリ10は、その前端部分のかど部で、その上側面16にインサート受け入れポケット14が形成されたバイトホルダ本体12を含む。インサート受け入れポケット14は、底部18および側壁20を有する。貫通して形成された取付穴24を有するインサート22は、座部材26を介してポケット14の底部18に配置される。インサート22は任意の形状とすることができるが、図示したインサート22は、上面22aを有する略正方形形状である。雌ねじが切られた穴28がポケット14の底部18に形成され、上側部分が下方に先細りとなった穴30が、座部材26を貫通して形成されている。座部材26は、穴30に挿入され、ねじ穴28に螺入される皿ねじ32を用いて、インサート受け入れポケット14に動かないように固定される。
【0014】
図1をさらに参照すると、クランプ34が、バイトホルダ本体12の上側面16に配置される。バイトホルダ本体12に形成されたクランプ固定穴38とほぼ同じ直径を有する開孔36が、クランプ本体35内でクランプ34のほぼ中心に形成されている。開孔36は、その軸が、クランプ固定穴38の軸と同軸になるように形成されている。クランプ34は、対向するねじ部42、44を有する両ねじのクランプねじ40を用いてバイトホルダ本体12に固定され、クランプねじ40は、ねじの切られたクランプ固定穴38およびクランプ34の開孔36に螺入される。クランプ本体35の前方部分46の下側面は、周知のように、インサート22の取付穴24の内側面と係合した状態で保持される、全体として下方に突出したノーズ部分48を含む。
【0015】
図2は、本発明の一態様による、図1の2−2切断線で切り取ったクランプ34の断面図である。図2に示すように、クランプ34のクランプ本体35の周縁部の少なくとも一部に耐摩耗性被覆層50が設けられている。図2は、基本的にクランプ本体35の全周縁部に施された被覆層50を示しているが、当然のことながら、被覆層50は、所望通りに耐摩耗性を付与するために、クランプ本体の周縁部の一部のみに施すこともできる。さらに、被覆は、他のバイト保持用途において、他のバイト保持部品に対して有用であると考えられる。
【0016】
図2aに示すように、耐摩耗性被覆層50は、約0.003インチ〜約0.100インチの範囲、例えば、約0.007インチ〜約0.030インチとすることができる厚さTを有する。
【0017】
被覆層50は、柔軟性布を利用してクランプ本体35に固着される硬質粒子およびろう付け材料を含む。一態様では、硬質粒子およびろう付け材料は、同じ柔軟性布内に一緒に加えることができる。別の態様では、硬質粒子か、またはろう付け材料のいずれかを別々に含む交互配置の布層が使用される。硬質粒子およびろう付け材料を含有する布の層を有するクランプ本体35は、不活性雰囲気または還元性雰囲気の炉内に置かれ、次いで、ろう付け材料のろう付け温度まで、すなわち、ろう付け材料の固相線温度より高く加熱される。ろう付け材料は硬質粒子に浸透し、これら硬質粒子を互いにおよびクランプ本体35にろう付けする。
【0018】
硬質粒子として、例えば、超硬合金、窒化物、ホウ化物、および/または炭窒化物があり得る。適切な硬質粒子の一例は、コバルトで結合された炭化タングステン粒子である。例えば、これらの粒子は、約5重量%〜約11重量%のコバルトと、約89重量%〜約95重量%の炭化タングステンとを含む。焼結炭化タングステン粒子は、通常約2μm〜約500μmの範囲の粒径を有する。焼結炭化タングステン以外の適切な焼結硬質粒子の他の例には、焼結炭化バナジウム、焼結炭化ニオブ、焼結炭化クロム、焼結炭化チタン、焼結炭化タンタル、焼結炭化モリブデン、焼結炭化ハフニウム、焼結炭化ケイ素、および焼結炭化ホウ素が含まれる。酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、および酸化ハフニウムなどの焼結酸化物も硬質粒子として使用することができる。
【0019】
ろう付け材料として、クロム、ホウ素、ケイ素、タングステン、チタン、モリブデン、鉄、および/またはコバルトといった合金添加物を有するニッケル系合金があり得る。本明細書では、「ニッケル系」という用語は、ニッケルを少なくとも50重量%含む合金を意味する。本発明の一態様では、ニッケル系ろう付け材料は、5〜20重量%のCr、2〜5重量%のB、および残量分のNiを含む。一般的なニッケル系のろう付け材料は、次の組成、すなわち、15.5重量%のCr、4.0重量%のB、および残量分のNiを有するニッケル−クロム−ホウ素ろう付け合金である。ろう付け合金はまた、例えば、所望の溶融特性を得るために適切な量のシリコンおよびリンを含む融点抑制剤を含有することもできる。
【0020】
被覆材料には、高分子剤などの有機結合剤をさらに含めることができる。好ましい結合剤には、テフロン(登録商標)(Teflon)という名称でデュポン社(Dupont)から販売されているポリテトラフルオロエチレンがある。
【0021】
硬質粒子を含浸した布を所定の厚さに圧延して、均一な重量を維持し、部品、例えば、クランプ34の形状と容易に合致できる柔軟性布を形成することができる。次いで、形をなすように布を切断し、低温接着剤を布に加える。次いで、ろう付け材料粉末を含む別の布を硬質粒子布の層にあてがう。硬質粒子で含浸された布層を部品にあてがった後、これらの布層をろう付け材料のろう付け温度まで加熱して、硬質粒子を互いにおよび部品に冶金的に結合する。溶融したろう付け合金は、硬質粒子の層内まで下方に浸透して(capilate)、硬質粒子を互いにおよび部品に冶金的に結合し、耐摩耗性被覆を形成する。加熱ステップは、耐摩耗性コーティングになる布層を部品に接合する。
【0022】
本発明の別の態様では、単一の柔軟性布が、硬質粒子およびろう付け材料の混合物で作られ、次いで、部品、例えば、クランプ34にあてがわれる。上記に説明したように、ろう付け材料のろう付け温度まで加熱することで、硬質粒子が互いにおよび部品にろう付けされる。
【0023】
ろう付け温度は、ろう付け材料の特性に応じて変わりうるが、典型的な温度は、下限値約550℃〜上限値約1,230℃の範囲である。当然のことながら、冶金的結合に影響を及ぼす加熱プロセスは、複数のステップを含むことができる。
【0024】
本発明の耐摩耗性切削工具部品は、非常に高い耐摩耗性を持つと判明しており、例えば、耐摩耗性は、通常100ARFを超える。本明細書では、ARFは「耐摩耗性因子」を指す。
【0025】
図3は、本発明の一態様による、図1の3−3切断線で切り取った座部材26の断面図である。図3に示すように、座部材26の周縁部の少なくとも一部に耐摩耗性被覆層50が設けられている。座部材26に設けた耐摩耗性被覆層50は、クランプ本体35に設けた被覆層50に関して本明細書で説明したのと同じ範囲の厚さを有する。座部材26に設けた耐摩耗性被覆層50は、クランプ本体35に形成した被覆層50に関して説明したのと同じ態様で座部材26に形成される。
【0026】
図4は、本発明の一態様による、図1の4−4切断線で切り取ったバイトホルダ本体12の断面図である。図4に示すように、バイトホルダ本体12の周縁部の少なくとも一部に耐摩耗性被覆層50が設けられている。バイトホルダ本体12に設けた耐摩耗性被覆層50は、クランプ本体35に設けた被覆層50に関して本明細書で説明したのと同じ範囲の厚さを有する。バイトホルダ本体12に設けた耐摩耗性被覆層50は、クランプ本体35に形成した被覆層50に関して説明したのと同じ態様で座部材26に形成される。
【0027】
図2〜4に示すように、耐摩耗性被覆層は、バイトホルダアセンブリ10の1つまたは複数の部品(例えば、クランプ本体35、座部材26、および/またはバイトホルダ本体12)に設けられて、切削工具の旋削作業時にインサートによって生成される切り屑による摩耗および摩滅に対する高い耐性をこれらの部品に付与する。当然のことながら、耐摩耗性被覆層は、耐摩耗性および耐摩滅性を所望通りに高めるために、本明細書で図示および説明した特定の部品のほかに、切削工具の他の部品、または切削工具もしくは旋削作業に関連する部品に施すことができる。
【0028】
一態様では、本明細書で説明した本発明は、厚さが比較的厚いことと、ろう付けによりなされる冶金的結合と、炭化タングステン摩耗粒子の高い含有量と、硬質の母材(>55HRc)とにより、より長い寿命の切削工具部品を提供する。例えば、PVDコーティングなどの他の技術はコーティングが薄く、ARFが通常100を超える、本明細書で説明したコーティング策と比べてARF値が50未満である。また、本明細書で説明したコーティングでは、コーティングが基材に冶金的に結合され、この結合により、過酷な使用中にコーティングが無傷のままであることを保証する強度が付与される。
【0029】
表1は、本明細書で説明したクランプ34などのクランプの比較試験結果を示している。具体的には、表1は、未コーティングクランプと、PVDコーティングクランプと、それぞれが本発明による耐摩耗性被覆層を有し、第1の被覆クランプおよび第2の被覆クランプとそれぞれ名付けた2つのクランプとの試験結果を示している。オークマ(Okuma)(登録商標)LC50およびLU45旋盤を使用して、鋳鉄製のトラック用ブレーキドラムを機械加工する試験を行った。示すように、本発明の耐摩耗性被覆層を有するクランプは非常に良好に働き、未コーティングクランプおよびPVDコーティングクランプよりも工具寿命が大幅に延びている。具体的には、未コーティングクランプは、430個のブレーキドラムを機械加工後に不良になり(すなわち、その意図した用途に対してもはや機能不能になった)、PVDコーティングクランプは、1,300個のブレーキドラムを機械加工後に不良になった。それに対して、第1の被覆クランプは、3,375個のブレーキドラムを機械加工後も不良にはならず、第2の被覆クランプは、2,345個のブレーキドラムを機械加工後も不良にならなかった。
【表1】

【0030】
したがって、当然のことではあるが、本明細書で説明した耐摩耗性被覆層を施すことにより、様々な部品の機械での使用時間が延び、その結果、交換部品および機械中断時間にかかわるコストが低減される。耐摩耗性被覆層はまた、早期破壊を阻止する長い部品寿命により、安全な作業環境をもたらす。本明細書で示したように、コーティングされた部品は、試験において、耐摩耗性被覆層を含まない部品よりも大幅に長持ちすることを証明した。
【0031】
本発明の特定の実施形態が、例示を目的として上記に説明されたが、添付の特許請求の範囲に定義した本発明から逸脱することなく、本発明の細部を様々に変形できることが当業者には明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイトホルダと、
インサートを前記バイトホルダに解放可能に固定するように構造化および配置されたクランプと、
前記クランプの少なくとも一部にろう付けされ、かつ/または前記バイトホルダの少なくとも一部にろう付けされた耐摩耗性被覆層であって、硬質粒子およびろう付け材料を含む耐摩耗性被覆層と、
を含む切削工具。
【請求項2】
前記耐摩耗性被覆層は、約0.003インチ〜約0.100インチの厚さを有する、請求項1に記載の切削工具。
【請求項3】
前記ろう付け材料には、ニッケル系ろう付け合金が含まれる、請求項1に記載の切削工具。
【請求項4】
前記ニッケル系ろう付け合金は、約5〜約20重量%のCr、約2〜約5重量%のB、および残量分のNiと、付随する不純物とを含む、請求項3に記載の切削工具。
【請求項5】
前記硬質粒子には超硬合金が含まれる、請求項1に記載の切削工具。
【請求項6】
前記硬質粒子には、コバルトで結合された炭化タングステンが含まれる、請求項1に記載の切削工具。
【請求項7】
前記耐摩耗性被覆層は、前記硬質粒子または前記ろう付け材料の一方を含有する第1の層と、前記第1の層に含有されない、前記硬質粒子または前記ろう付け材料のもう一方を含有する第2の層とを含む、請求項1に記載の切削工具。
【請求項8】
インサートを固定(クランプ)するためのバイトホルダであって、
インサート受け入れポケットを含むバイトホルダ本体と、
前記インサートを前記バイトホルダ本体に解放可能に固定するように構造化および配置されたクランプと、
前記クランプの少なくとも一部にろう付けされ、かつ/または前記バイトホルダ本体の少なくとも一部にろう付けされた耐摩耗性被覆層であって、硬質粒子およびろう付け材料を含む耐摩耗性被覆層と、
を含むバイトホルダ。
【請求項9】
前記耐摩耗性被覆層は、約0.003インチ〜約0.100インチの厚さを有する、請求項8に記載のバイトホルダ。
【請求項10】
前記ろう付け材料には、ニッケル系ろう付け合金が含まれる、請求8に記載のバイトホルダ。
【請求項11】
前記ニッケル系ろう付け合金は、約5〜約20重量%のCr、約2〜約5重量%のB、および残量分のNiと、付随する不純物とを含む、請求項10に記載のバイトホルダ。
【請求項12】
前記硬質粒子には超硬合金が含まれる、請求項8に記載のバイトホルダ。
【請求項13】
前記硬質粒子には、コバルトで結合された炭化タングステンが含まれる、請求項8に記載のバイトホルダ。
【請求項14】
前記インサート受け入れポケットに動かないように固定され、前記インサートと前記インサート受け入れポケットとの間に配置された座部材をさらに含み、前記座部材は、それの少なくとも一部にろう付けされた別の耐摩耗性被覆層を含む、請求項8に記載のバイトホルダ。
【請求項15】
インサートをバイトホルダに解放可能に固定するクランプであって、
前記バイトホルダに取り付けられるように構造化および配置されたクランプ本体と、
前記クランプ本体の少なくとも一部にろう付けされ、硬質粒子およびろう付け材料を含む耐摩耗性被覆層と、
を含むクランプ。
【請求項16】
前記耐摩耗性被覆層は、約0.003インチ〜約0.100インチの厚さを有する、請求項15に記載のクランプ。
【請求項17】
前記ろう付け材料には、ニッケル系ろう付け合金が含まれる、請求15に記載のクランプ。
【請求項18】
前記ニッケル系ろう付け合金は、約5〜約20重量%のCr、約2〜約5重量%のB、および残量分のNiと、付随する不純物とを含む、請求項17に記載のクランプ。
【請求項19】
切削工具部品と、
前記切削工具部品の少なくとも一部にろう付けされ、硬質粒子およびろう付け材料を含む耐摩耗性被覆層と、
を含む切削工具。
【請求項20】
前記切削工具部品には、クランプ、座部材、またはバイトホルダのうちの1つが含まれる、請求項19に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図2a】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−517912(P2012−517912A)
【公表日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−551128(P2011−551128)
【出願日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/023879
【国際公開番号】WO2010/096327
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(399031078)ケンナメタル インコーポレイテッド (182)
【氏名又は名称原語表記】Kennametal Inc.
【住所又は居所原語表記】1600 Technology Way Latrobe PA 15650−0231, USA
【Fターム(参考)】