説明

背負子

【課題】背負子に積んだ荷物を担いで人力により運搬する際の運搬者への負担を軽減する。特に荷物が液体物を収容した容器を運搬する際に有効な背負子を提供する。
【解決手段】箱型の荷物(W)を取り付けるために最適化された枠状の積載体(14)と、軽量な材料で枠組みされ、運搬者の背側に位置して倒立する背面部(16)と該背面部の上部側において運搬者の背側から離れる方向に屈曲して伸長する上側屈曲部(18A)と、を備えた背負子本体(22)と、を有し、前記積載体は前記上側屈曲部に取り付けられた弾性体(24)により吊り下げられ、背負子本体が揺れ動く場合にも、積載体の揺れが前記弾性体により吸収されるようにした。また前記背負子本体の背面部が、その下部側において運搬者の背側から離れる方向に屈曲して伸長する下側屈曲部(18B)をさらに有し、前記積載体は前記下側屈曲部に取り付けられた引き下げ体(26)により引き下げられるようにすることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は背負子に関し、より詳細には、背負子を用いて背中に担いだ荷物を人力により運搬する際の運搬者への負担を軽減することができる背負子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
山間部などの車両や台車が進入することができない場所での作業のために荷物を人力で運搬する必要がある場合がある。例えば本願出願人の業務においては、山間部に建設された送電用鉄塔の再塗装作業のために、塗料を収めた一斗缶を背負子に乗せ、これを担いで山道を運搬しなければならない場合がある。
【0003】
ここで山間部は一般にその足元が悪く、背負子に乗せた荷物が10kg程度以上の重量物である場合には、運搬者の歩行に伴う上体の上下動による荷物の揺れが運搬者への負担増となっていた。特に荷物が容器に収められた塗料等である場合などには、中身が液体であるがゆえに、歩行に伴い容器内に収容した液体が容器内で暴れる。そのため運搬者は転倒しないように、足をしっかりと踏ん張る必要があり、このような動作は運搬者にとっては大きな負担となっており、作業者の疲労増大の原因ともなっていた。
【0004】
これまでも例えば特許文献1の「リュックサックの上下動負荷軽減装置」のように、リュックサック(背負子)にショックアブソーバーを取り付けたものや、特許文献2の「休憩用脚付き背負子および背負子用脚」や特許文献3の「運搬具」のように、背負子に脚や車輪を設けたものなどが創案されている。
【特許文献1】特開2005−46561号公報
【特許文献2】特開平11−32544号公報
【特許文献3】実開平06−70624号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では荷物の上下動は抑えることができるものの、ショックアブソーバー等の付帯装置の重量が大きく、かえってこれを担ぐ運搬者への負担が増大する虞があった。また特許文献2や特許文献3に記載の発明は平坦地においては運搬者の負担軽減に資することができるものの、足元の悪い山間部の山道においてはその使用は不可能であった。
【0006】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、荷物を背負子を用いて背中に担いで人力により運搬する際の運搬者への負担を軽減することができる背負子、特に一斗缶や燃料が収めたポリタンクなど液体物を収容した容器を運搬する際に、運搬者への負担を軽減することができる背負子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明の背負子は、箱型の荷物(W)を取り付けるために最適化された枠状の積載体(14)と、軽量な材料で枠組みされ、運搬者の背側に位置して倒立する背面部(16)と、該背面部の上部側において運搬者の背側から離れる方向に屈曲して伸長する上側屈曲部(18A)と、を備えた背負子本体(22)と、を有し、前記積載体は前記上側屈曲部に取り付けられた弾性体(24)により吊り下げられ、背負子本体が揺れ動く場合にも、積載体の揺れが前記弾性体により吸収されるようにした、ことを特徴とする。
【0008】
ここで、前記背負子本体(22)の背面部(16)は、その下部側において運搬者の背側から離れる方向に屈曲して伸長する下側屈曲部(18B)をさらに有し、前記積載体(14)は前記下側屈曲部に取り付けられた引き下げ体(26)により引き下げられる、ようにすることも好ましい。
【0009】
また、前記背負子本体(22)の背面部(16)をなす運搬者の背の両脇側に倒立する縦枠材(16a)間には、運搬者の背と面接することとなる帯状体(16b)が張設されている、ことも好ましい。
【0010】
ここで、前記帯状体(16b)の全部又は一部は一連につながる長帯又は長紐であり、前記背負子本体(22)の背面部(16)をなす縦枠材(16a)間に螺旋状に架け渡されて張設され、運搬者の背に当接する面を形成する、ようにすることも好ましい。
【0011】
さらに、前記背負子本体(22)又は前記積載体(14)には、トラックの荷台のあおり等の構造体に引っ掛けるためのフック(32)が設けられている、ことも好ましい。
【0012】
また、前記背負子本体(22)の背面部の一部をなす縦枠材(16a)に伸縮機構(34)を設け、その長さの調節を可能とする、ことも好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の背負子では、箱型の荷物を取り付けるために最適化した積載体を、弾性体によって背負子本体の上側屈曲部に吊り下げることで、運搬者の歩行に伴う背負子本体の揺れを弾性体が吸収して、積載体が大きく揺れることを防止することができる。これにより荷物を担ぐ運搬者の負担が軽減される。
【0014】
また積載体を背負子本体の下側屈曲部に取り付けた引き下げ体により引き下げることで、背負子本体に対する積載体の動きを適度に制限し、運搬者の歩行中に積載体が振り子のように揺れ動くことを防止することができる。なおこの引き下げ体の張力を調節することで、積載体の揺れ具合を適当に変更してやることができる。
【0015】
ここで、背負子本体の背面部の両脇側に倒立する枠材の間に、運搬者の背と面接する帯状体を張設してやれば、そのクッション性により、運搬者が背負子を背負った際の背負い心地を向上させることができる。
【0016】
また、帯状体に一連につながる長帯又は長紐を用い、これを運搬者の背の両脇側に倒立する縦枠材間に螺旋状に複数回折り返した状態で架け渡して張設してやれば、帯状体は運搬者の背の形状に対応して折り返し位置でずれるため部位ごとにその長さが調節され、運搬者の背面との密着性をより一層向上させることができる。
【0017】
さらに、背負子本体又は積載体に、トラックの荷台のあおり等に引っ掛けるためのフックを設けてやれば、荷物を載せた状態の背負子を適当な構造体に引っ掛けることで、運搬者は立ったまま楽な姿勢で背負子を背負うことができるようになる。
【0018】
また、背負子本体の背面部を伸縮するようにしてやれば、各種荷物に最適化した各々の積載体の大きさ(高さ)が異なる場合などにも、ひとつの背負子で各種積載体に対応することができるようになる。またかかる伸縮機構により積載体に取り付けた弾性体および引き下げ体の張力を容易に調節することができ、弾性体による揺れの吸収量を簡易に調整してやることができるようになる。なお荷物を取り付けた積載体を背負子本体に取り付ける際にも、この伸縮機構を利用することで、その取り付けを容易に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の背負子は、背負子を用いて荷物を背中に担いで人力により運搬する際の運搬者への負担を軽減すること、特に一斗缶や燃料が収めたポリタンクなどの液体物を収容した容器を運搬する際の運搬者への負担を軽減することを目的としたものである。以下に説明する本実施例では、塗料が収められた直方体形状の一斗缶を背負って運ぶ際に使用するための背負子について説明する。
【実施例1】
【0020】
以下、本実施例の背負子を図1および図2を参照して説明する。図1は背負子を構成する積載体と背負子本体とを分離して表した図であり、図2は実施例1の背負子を表した斜視図である。
【0021】
積載体14は、軽量なプラスティック樹脂により一体成形された、一斗缶Wよりも一回り大きな外形を有する直方体形の枠体であり、一斗缶の底面側および上面側に配置される矩形枠14aと、底面側および上面側の矩形枠をその四つ角において連結する4本の縦枠14bとから構成されている。この積載体14は一斗缶Wを取り付けるために最適化されており、縦枠14bはその水平方向断面が90°屈曲してL字型形状のレールをなし、一斗缶はこのレールに沿って上方から差し入れられて、積載体14に取り付けられる。なお上面側の矩形枠14aはその内側空間への一斗缶Wの通過を許容する一方、底面側の矩形枠はその内側空間への一斗缶の通過を許容しないようになっている。
また積載体14の上面側の矩形枠14aの四隅(または縦枠14b)には後述する弾性体24を取り付けるための環31aがそれぞれ形成されている。
なお積載体14の全部又は一部を、樹脂材料の他、軽量なアルミなどの金属材料や木材を用いて構成してやることも可能である。
【0022】
背負子本体22は、直径が2cm程度の軽量なアルミパイプによって形成され、運搬者の背側に位置して両脇側で倒立する一対2本の背面部16および背面部16の上部側において運搬者の背側から離れる方向に90°屈曲して伸長する平面形状がコの字型の上側屈曲部18Aと、左右の背面部16をその上端および下端において連結する水平方向に伸びる2本の補強材(上側補強材33aおよび下側補強材33b)から枠組みされており、背負子本体22の側面形状は逆L字型をなしている。ここで2本の補強材は、運搬者が背負子10を背負った際に、運搬者の腰や肩に当たることのないように、その両端が背面部16に溶接され中央部が背から離れる方向に湾曲している。なお背負子本体22の全部又は一部を、アルミパイプの他、軽量な樹脂材料や木材を用いて構成してやることも可能である。
また上側補強材33aと下側補強材33bとの間には、背負子10を背負うための肩紐35が2本取り付けられている。なおこの肩紐35には運搬者の使用感を向上させるためのクッション材が設けられている。さらに背負子本体22の背面部16を構成する運搬者の背側に位置して両脇側で倒立する2本の縦枠材16a間には、幅5cm程度の布製の帯状体16bが水平方向に複数本等間隔に並んで張設されて、運搬者の背面と当接する面を形成している。
なお背負子本体22の上側屈曲部18Aには、後述する弾性体24を取り付けるための環31bが、上側屈曲部18Aの四隅近傍にそれぞれ設けられている。
【0023】
一斗缶Wを取り付けた積載体14を、背負子本体22の上側屈曲部18Aに吊り下げるための弾性体24は、両端に鉤状金物などが設けられた直径1cm前後、長さ10cm前後のゴムや、両端に鉤が形成された軽量な長さ10cm前後のバネ、両端に鉤が形成された軽量なエアダンパーやオイルダンパーなどを用いることができる。
【0024】
背負子本体22への一斗缶Wを取り付けた積載体14の取り付けは、地上に立てて置いた積載体の上側又は横側から背負子本体を被せるように配置し、積載体14の環31aとこれに対応した背負子本体22の上側屈曲部18Aの環31bのそれぞれに弾性体24の鉤状金物を引っ掛けることで行われる。地上に置いた状態では、弾性体24はたるんだ状態となっているが、これを持ち上げることで弾性体24が引き伸ばされ、一斗缶Wが取り付けられた積載体14は背負子本体22の上側屈曲部18Aに吊り下げられる。
なお運搬者は屈んだ姿勢で肩紐に手を通し、両肩に掛けた肩紐を握って支えながら立ち上がることで、一斗缶Wを載せた背負子を担ぐことになる。
ここで弾性体24に、例えば、運搬者の背中に近い方の2本の弾性体には縦弾性係数が小さく短いものを、運搬者の背中から遠い方の2本の弾性体には縦弾性係数が大きく長いものを使用してやることも好ましい。こうすることで、一斗缶Wは静置状態では傾かず、揺れが加わった状態ではその底面側が運搬者の背面から離れる方向に優先して傾くため、歩行に伴う揺れによって一斗缶Wが運搬者にぶつかることを防止することができる。
【0025】
以上に説明した本実施例の背負子10によれば、背負子本体22の上側屈曲部18Aに積載体14を弾性体24により吊り下げることで、運搬者の歩行に伴う背負子本体の揺れを弾性体が吸収して、積載体に取り付けた荷物Wが大きく揺れることを防止することができる。特に荷物が一斗缶に収めた塗料などの液体の場合には、歩行による液体の容器内での暴れを有効に抑えることができ、運搬者の負担を軽減することができる。
また積載体14が箱型の荷物である一斗缶Wを取り付けるために最適化されているので、一斗缶の取り付け・取り外しを非常に容易に行うことができ作業効率も向上する。
さらに背負子本体の両側に倒立する枠材の間に張設した帯状体により、運搬者が背負子を背負った際の背負い心地を向上させることができる。
【実施例2】
【0026】
本実施例の背負子10は、荷物Wを取り付けた積載体を下側にも引き下げるように構成されている点や、背負子をトラックの荷台のあおり等の構造体に引っ掛けるためのフックが設けられている点が上述した実施例1の背負子とは異なっている。
図3および図4は本実施例の背負子を示した図であり、図3は背負子を構成する積載体と背負子本体とを分離して表した図、図4は実施例2の背負子を表した斜視図である。なお本実施例において、実施例1と同様の部分については同一の符号を付することで重複した説明を省略する。
【0027】
本実施例の積載体14は、実施例1の積載体とほぼ同様のものであるが、積載体14を構成する枠材のうち隣接する2本の縦枠材16aには、トラックの荷台のあおり等の構造体(図示せず)に引っ掛けるためのフック32が設けられている。
このフック32は、各辺が7cm程度で屈曲して下向きに伸長するL字型をなしており、枠材とともにプラスティック樹脂により一体成形されている。なおフック32を枠材とともに一体成形せずに、枠材にあとから取り付ける構造とすることも勿論可能である。その際にはこのフック32をプラスティック樹脂以外の比較的軽い金属を用いて作成することや、フックを枠材に着脱可能とすること、縦枠14bの軸に対して回動・上下動可能とすることもできる。このようにしてやることで、十分な強度を確保し、また、フック32を縦枠14bに対して自由な位置・角度に取り付けることができ、さらに、フック32が不要な場合にはその取り外しや移動・収納が可能となる。
また積載体14の下面側の矩形枠14a(または縦枠14b)には後述する引き下げ体26を取り付けるための環31cが四隅にそれぞれ形成されている。
【0028】
一方、本実施例の背負子本体22は、実施例1の背負子本体22とほぼ同様のものであるが、背面部16の下部側には、運搬者の背側から離れる方向に90°屈曲して伸長する下側屈曲部18Bが形成されており、背負子本体22の側面形状はコの字型をなしている。
また背負子本体22の下側屈曲部18Bには引き下げ体26を取り付けるための環31dが、下側屈曲部18Bの四隅近傍にそれぞれ設けられている。
なお上記積載体14にフック32を設ける代わりに、背負子本体22の例えば上側屈曲部18Aに同様のフックを設けてやることも可能である。
【0029】
背負子本体22の上側屈曲部18Aに吊り下げた積載体14を引き下げる引き下げ体26は、上記弾性体24と同様の構成を有するものであっても良いし、両端に鉤状金物などが設けられた長さ10cm前後の弾性に乏しい紐などであっても良い。なお引き下げ体26に軽量なエアダンパーやオイルダンパーなどを用いてやれば、これを最適に調整することでより効果的に積載体14の揺れを吸収させることができる。
【0030】
なお上述したフック32は次のように使用される。
一斗缶Wを取り付けた積載体14をまず、地上から1メートル程度の高さにあるトラックの荷台のあおり等の構造体に引っ掛け、その後に横側から積載体14に被さるように背負子本体22を配置する。そして積載体14をその上側の各環31aとそれに対応した背負子本体22の上側屈曲部18Aの各環31bとを弾性体24により連結し、また、積載体14の下側の各環31cとそれに対応した背負子本体22の下側屈曲部18Bの各環31dとを引き下げ体26により連結する。最後に荷物Wを載せた背負子の肩紐に、運搬者が少しだけかがんだ立姿勢で腕を通した後に立ち上がることで、楽な姿勢で背負子を背負うことができる。
【実施例3】
【0031】
本実施例の背負子10は、背負子本体を構成する背面部の縦枠材が伸縮機構を有している点と、運搬者の背面と当接する帯状体に長帯又は長紐を用いた点が、上述した実施例2の背負子とは異なっている。
図5は本実施例の背負子本体のみを示した図である。積載体については実施例2の積載体と変わるところがないため、その記載を省略する。なお本実施例において、実施例2と同様の部分については同一の符号を付することで重複した説明を省略する。
【0032】
本実施例の背負子本体22は、実施例2の背負子本体22とほぼ同様のものであるが、運搬者の背側に位置して両脇側で倒立する2本の縦枠材16aが入れ子式の伸縮機構34を有し、その全長が調節できるようになっている。なお縦枠材16aには、調節した縦枠材の長さを固定するためのストッパー機構(例えば縦枠材16aに一定の間隔で形成された孔と、孔を位置合わせしてできた一連の穴に挿し入れられるピンなど)が設けられている。
このように背負子本体22の背面部16の縦枠材16aを伸縮機構34とすることで、一斗缶Wを取り付けた積載体14の大きさ(高さ)が異なる場合にもこれに対応してひとつの背負子で各種の一斗缶Wを運ぶことができる。
また背面部16の縦枠材16a長さを調整することで、積載体14を吊り下げる弾性体24や積載体14を引き下げる引き下げ体26にかかる張力をあとから変化させることができるので、一斗缶Wの重さなどに対応して、運搬者の歩行に伴う背負子本体22の揺れが弾性体24によって最も吸収されるように調整してやることができる。
さらに、背負子本体22に一斗缶Wを取り付けた積載体14を載せ、それらを弾性体24及び引き下げ体26により連結する際にも、いったん縦枠材16aを一斗缶Wの高さ程度の長さに短くしておくことで、張力が働かない状態でこれを取り付けることができる。そして、取り付けた後に縦枠材16aを引き伸ばして固定してやれば、積載体14を上側屈曲部18Aに吊り下げることができ、背負子本体22への積載体14の取り付けを楽に行うことができる。
【0033】
また背負子本体22の運搬者の背側に位置して両脇側で倒立する2本の背面部16の縦枠材16a間には、幅1cm程度の布製の長紐である帯状体16bが螺旋状に架け渡されて張設されており、運搬者の背面と当接する面を形成している。
帯状体16bに一連につながる長帯又は長紐を用いこれを枠材間に螺旋状に張設することで、運搬者の背の形状に対応して折り返し位置で帯状体16bがずれるため、運搬者の背面との密着性が向上し背負子を背負った際の使用感も向上する。
【0034】
以上説明したように本発明の背負子によれば、運搬者の歩行に伴う背負子本体の揺れがそのまま積載体に伝わることを防止するこができるので、これにより荷物を担ぐ運搬者の負担を軽減することができる。
【0035】
なお、本発明の構成は上述した実施の形態に限定されるものではなく、積載体の揺れを抑えて運搬者の負担を軽減できるものであれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】実施例1の背負子を構成する積載体と背負子本体とを分離して表した図である。
【図2】実施例1の背負子を表した斜視図である。
【図3】実施例2の背負子を構成する積載体と背負子本体とを分離して表した図である。
【図4】実施例2の背負子を表した斜視図である。
【図5】実施例3の背負子本体のみを示した図である。
【符号の説明】
【0037】
14 積載体
16 背面部
16a 縦枠材
16b 帯状体
18A 上側屈曲部
18B 下側屈曲部
22 背負子本体
24 弾性体
26 引き下げ体
32 フック
33a 上側補強材
33b 下側補強材
34 伸縮機構
W 荷物(一斗缶)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱型の荷物(W)を取り付けるために最適化された枠状の積載体(14)と、
軽量な材料で枠組みされ、運搬者の背側に位置して倒立する背面部(16)と該背面部の上部側において運搬者の背側から離れる方向に屈曲して伸長する上側屈曲部(18A)と、を備えた背負子本体(22)と、を有し、
前記積載体は前記上側屈曲部に取り付けられた弾性体(24)により吊り下げられ、背負子本体が揺れ動く場合にも、積載体の揺れが前記弾性体により吸収されるようにした、ことを特徴とする背負子。
【請求項2】
前記背負子本体(22)の背面部(16)は、その下部側において運搬者の背側から離れる方向に屈曲して伸長する下側屈曲部(18B)をさらに有し、
前記積載体(14)は前記下側屈曲部に取り付けられた引き下げ体(26)により引き下げられる、ことを特徴とする請求項1に記載の背負子。
【請求項3】
前記背負子本体(22)の背面部(16)をなす運搬者の背の両脇側に倒立する縦枠材(16a)間には、運搬者の背と面接することとなる帯状体(16b)が張設されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の背負子。
【請求項4】
前記帯状体(16b)の全部又は一部は一連につながる長帯又は長紐であり、前記背負子本体(22)の背面部(16)をなす縦枠材(16a)間に螺旋状に架け渡されて張設され、運搬者の背に当接する面を形成する、ことを特徴とする請求項3に記載の背負子。
【請求項5】
前記背負子本体(22)には、トラックの荷台のあおり等の構造体に引っ掛けるためのフック(32)が設けられている、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の背負子。
【請求項6】
前記積載体(14)には、トラックの荷台のあおり等の構造体に引っ掛けるためのフック(32)が設けられている、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の背負子。
【請求項7】
前記背負子本体(22)の背面部の一部をなす縦枠材(16a)に伸縮機構(34)を設け、その長さの調節を可能とした、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の背負子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−23053(P2008−23053A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−198650(P2006−198650)
【出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(591124167)中電工業株式会社 (19)
【Fターム(参考)】