説明

脊椎骨取付器具

本発明は、脊椎骨取付器具(1)、システム、およびロッド取付用本体(3)と、脊椎骨を取付本体に連結するための可撓性片(4)と、可撓性片を取付本体上に調節可能にロックするための手段(5)とを含む器具によって、脊柱の脊椎骨(25)をロッド(2)上に保持するための方法に関する。取付本体(3)は、U字形断面を有する単一部材から作られ、ロッドが、U字の底面壁(10)と調節可能ロック手段との間に通される。調節可能ロック手段(5)は、U字の二つの腕部(6、7)の対向端部を接続する連結部材(18)からなり、ロッドを上記壁に対して押圧するように構成されている。上記腕部(6、7)はそれぞれ、上記U字の底面側に位置した対向穴(14)を含み、それにより、脊椎骨へ取り付けるためのループを形成するために、上記底面と上記ロッドとの間に上記片の二つの端部が通される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッドに脊柱の脊椎骨を留めるための脊椎骨固定器具であって、ロッド上の固定本体と、脊椎骨を固定本体に連結するための可撓性片と、可撓性片を固定本体上に拘止するための調節可能手段とを含む脊椎骨固定器具に関する。
【0002】
上記器具は、他分野への適用を排除するものではないが、異常湾曲を有する患者の脊柱の矯正の分野に特に重要に適用され得る。
【0003】
この場合、脊椎骨は脊椎軸に対して互いに正しく整合されていないため、相互傾斜を示す。
【0004】
したがって、ある位置では、脊椎骨の外縁は一方の側で互いに近接し、他方の側で互いに離間する。
【0005】
骨集合体をまっすぐに伸ばすために、互いに連結するロッドもしくはネジを用いてそれらを脊椎骨自体に挿入する、又はフックを用いてそれらを脊柱チャンネル(rachidian channel)に沿って導入することにより、脊柱の片側の脊椎骨の外縁を実質的に同等な距離に置き直すことが知られている。
【0006】
しかしながら、そのような器具は欠点を呈する。
【0007】
ネジの使用は、第一に、脊椎骨の状態がいい場合、及び/又は固定される高さでの幅が十分幅広である場合にのみ可能である。
【0008】
フックの使用は、患者を麻痺させる恐れのために手術者は脊髄に触れてはならないことから、非常に細心の注意を要する。
【0009】
これらの欠点を軽減するため、固定ネジ又はフックを回避することが可能なシステムが提案されている(FR 02 09 317)。
【0010】
上記システムは、脊椎骨を連結部分に固定するための可撓連結線を含み、一方で、連結部分は、矯正ロッドに固定される。
【0011】
上記連結部分を上記ロッド上に再閉することにより上記可撓連結線を拘止するための手段が提供されている。しかしながら、ここでもまた、このシステムは欠点を呈する。
【0012】
実際上、上記システムは、一方ではロッド及び可撓連結線が横向きに挿入され得るために連結部分に関節を必要とし、他方では連結部分がロッド上に再閉された後の上記拘止を可能とするために、連結線が連結部分に固定されていることを必要とする。
【0013】
可撓性片をロッド上に固定するための関節型の顎形状の本体を含む脊椎骨固定器具も知られている(EP 2 047 813)。
【0014】
上記顎の各枝部は、上記片が形成するループの二本のストランドの一方を通過させる孔を備えており、一度顎が再閉されて螺着されると、ストランドが顎の底面においてロッドにより拘止されるように設計されている。
【0015】
上記関節型の器具は壊れやすく、可撓性片の容易な調節も可能ではない。
【0016】
同文献は、他のシステムも記載している。今回は、ループ通過のための底孔、及び自由ストランドが通し出される二つの上側細孔を備えた円筒形状部材により形成される。上記部材の長さと実質的に等しい高さの半円筒形状要素、及び上記要素をループのストランド上に押圧するためのネジを用いることにより、上記二本のストランドを上記円筒の内面に対して押し込むことが可能になる。
【0017】
脊椎骨を円柱形状ロッドに留めることとは関係のないことが明らかであるこのようなシステムは、特に設置が容易ではなく、また、特にガイド工具を必要とする。
【0018】
切欠き可撓性片からなる締め留め輪を用いる器具であり、留め輪が、その二つの枝部の間にロッドを固定するために二つ折りにされた部材中に通され、部材の有する開口部において留め輪が切欠きにより取り付けられる、脊柱異常湾曲矯正用システムのための脊椎骨固定器具も知られている(国際公開公報第2009/013397号)。そのような器具は調節が困難であり、一度締め付けられると、締め付けを繰り返すことが不可能である。
【0019】
本発明は、特に、融通性が大幅に拡大され、常に閉塞を起こしやすい機械的関節がないためにより高い剛性が可能となる点、及び調節可能性が大幅に改善される点において、医療行為の要望に対して既知のものよりも優れた対応性を提供し、ならびにこれらすべてがより低コストで実現可能である、脊椎骨固定器具を提供することを目的とする。
【0020】
この目的のため、本発明は本質的に、円柱形状ロッドに脊柱の脊椎骨を留めるための脊椎骨固定器具であり、ロッド上の固定本体と、脊椎骨を固定本体に連結するための可撓性片と、可撓性片を固定本体上に拘止するための調節可能手段とを含み、固定本体は、U字形断面を有し、U字は、そのU字の底面壁と調節可能拘止手段との間にロッドを通過させるためであり、調節可能拘止手段は、U字の二つの枝部の対向端部を連結する連結部材により形成され、枝部のそれぞれは、U字の底面側に位置する対向空孔、すなわち自由端を通すための第一空孔、及び、片を具体的には脊椎骨上に固定ループを形成するために通すための反対側の第二空孔を含む、器具であって、
本体が単一部材から形成されること、及び
連結部材が締めネジにより形成され、ネジが、一方で、U字の第一枝部に通されるヘッドを備え、ヘッドは、螺着されるにつれてロッドを押圧するように構成されたテーパー部を含み、よって可撓性片の二つの端部を壁に対して押圧し、さらにネジが、他方で、U字の反対の枝部上に螺着される端部を備えることを特徴とする、脊椎骨固定器具を提案する。
【0021】
“単一片本体”という表現は、剛性単一片部材の意と理解されたい。
【0022】
固定化のための締め付けの際、ロッドが適所にあり、ループが当初は押圧されていない二本の自由ストランドを有するという事実、すなわち、互いに重なり、押圧されておらず、ロッドに対向した二本のストランドを有するという事実のため、上記連結線が、固定本体に対して相対的に滑動することが可能となり、ならびにこのため、脊椎骨上及び/又は固定本体上にせん断応力を生じない融通性の高い調節が可能となる。また、後者は、外科医及びネジ締め付け工具に向けた配置を保つことができる。
【0023】
そのような適応性のある滑動の可能性は、連結線が固定本体に固定されるため、又は、互いに固定される関節型の顎により、必然的に当初からロッド自体の上に押圧されてしまうため、従来技術では実現されなかった。このことは、不正確な因子として、及びロッド上に連結線が不良に保持される因子として表面化した。
【0024】
本発明によると、特に連結部材により得られる押し込み効果のため、上記のようなことはもはや起こらない。
【0025】
また、有利な実施形態において、下記構成の一つ及び/又は複数が手段として用いられる:
− U字の底面壁が、ロッドの形状を補完する半円筒形状であり、各側の端が縦向フランジ(11)により成り、縦向フランジは、該枝部が変形することによりロッドをU字の底面に挟持することを可能とする。
【0026】
よって、外科医が、ロッドを本体に正確に仮固定することが可能となり、その一方で、本体をロッドに沿って縦方向に摺動させる可能性も与える。実際、上記挟持は軽度であり、把持機能のみを果たし、U字の底面にある棒材及び対向ストランドに圧力を作用させない;
− 締めネジのヘッドが、U字の第一枝部の外面と協働するように設計された肩部をさらに含む。
【0027】
そのような肩部が当接すると、適切な締め付けが得られたことが外科医に示される。肩部は、補足的な締め付けの役割を有していてもよい。
【0028】
U字の枝部は自由であるため、部材は、実際は、締め付けの際に一定の柔軟性を有する。よって、U字の枝部の端部間距離は、挟み効果とともに僅かに調節可能である;
− 固定本体、ロッド及び連結部材がチタン製である;
− 固定本体が高分子材料製である;
− U字の底面が、摩擦により作用する補足的な拘止切欠きを含む;
− 切欠きが、U字の底面の縦軸に(又は、部材の縦対称面に)並行であり、平坦な頂部を有する;
− 切欠きが、U字の縦方向面に並行であり、ループ締め付けの際に摺動が起こる方向に対抗する角度又はその方向に垂直な角度を形成する縁部を有する逆止切欠きである;
− 可撓性片が、高分子製の紐である。
【0029】
また、本発明は、上記のような器具を少なくとも二つ、及び少なくとも一つのロッドを含む脊柱矯正用システムに関する。
【0030】
有利には、上記システムは、二つのロッド、及び少なくとも四つの器具を含む。
【0031】
また、本発明は、脊柱の脊椎骨を、上記のような器具及び/又はシステムを実現するロッドに固定する方法に関する。
【0032】
本発明は、脊柱の脊椎骨をロッドに固定する方法をさらに提案する。この方法は、
− 可撓性片が、脊椎骨の一部の周囲に通され、この一部を締めるループを形成し、ループの自由端が、ロッドへの固定のために保持された側において出され、そして
− 自由端が、上記ロッド上の単一片固定本体の二つの空孔内に通され、この固定本体は、U字形断面を有し、空孔のそれぞれは、U字の各枝部においてU字の底面側に位置している方法であって、
− ロッドが、自由端がロッドとU字の底面との間に拘持されるように、U字の開口部を介して挟持により導入される、
− 脊椎骨の一部上のループの張力が、ストランドを同時に引っ張ることにより調節される、そして
− 調節可能拘止手段によりロッドがストランドに対して徐々に押圧され、並行移動してそれらを拘止し、調節可能拘止手段が、U字の二つの枝部の対向端部を連結する連結部材により形成される、ことを特徴とする。
【0033】
有利には、連結部材が、締めネジにより形成され、ネジが、一方で、上記U字の第一枝部に通されるヘッドを備え、ヘッドは、他方の枝部に向かうテーパー部を含み、ネジが、他方で、U字の反対の枝部に螺着される端部を備え、締めネジは、自身が螺着されるにつれて上記ロッドが上記テーパー部により押圧されるように螺着され、よって可撓性片の二つの端部が、U字の底面壁に対して押圧される。
【0034】
また、有利には、ネジヘッドの肩部がU字の第一枝部の外面上に拘止されることにより、螺着が停止される。
【0035】
有利な実施形態において、ループの各端部を、少なくとも二つの固定本体中に通すことにより、少なくとも二つのループが形成され、次に、それらは、単一及び同一ロッド上に、螺着により挟持及び押圧される。
【0036】
限定しない例として以下に記載される実施形態の説明を読むことにより、本発明はさらに理解されるであろう。
【0037】
説明は、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は、本発明による器具の斜視図である。
【図2】図2は、本発明による、互いに分離された本体、拘止手段及び接合ロッドの実施形態を示す。
【図3】図3は、図1の器具のIII−IIIで切った断面図である。
【図4】図4は、脊椎骨に固定された図1の器具を示す平面図である。
【0039】
以下の説明においては、同一要素を表すために同一参照番号を用いる。
【0040】
図1は、円柱形状ロッド2に脊柱の脊椎骨(図示せず)を留めるための脊椎骨固定器具1を示す。
【0041】
器具は、ロッド上の固定本体3、ならびに編組高分子、例えばポリエステルで作られた、幅6mm及び長さ30センチの可撓性片4を含む。
【0042】
器具は、可撓性片を固定本体3に拘止するための調節可能手段5も含む。
【0043】
さらに具体的には、図2を参照すると、本体3は、U字形断面を有するクランプを形成する単一片部材により形成され、U字は、実質的に半楕円形断面の二つの肉厚枝部6及び7を含み、これらは、縦方向面8に対して対称であり、連結部9により互いに連結されて半トロイド形リングの形状をなし、一方の側でU字の半円筒形状底面10を形成し、他方の側でトロイド面の丸い外壁を形成する。
【0044】
U字の底面壁は、ロッド2の形状を補完する、又は実質的に補完する形状であり、縦リップ又はフランジ11を含み、フランジは、一度紐4が二倍の厚さで通されてループ13を形成すると、U字の底面にロッドを挟持することを可能にする(図1参照)。
【0045】
各枝部6、7は、例えば幅広の細孔形状をした空孔14を含み、その幅は、手術の際の紐の導入を容易にするために、例えば、紐の厚さの5〜10倍の幅である。
【0046】
U字の底面10は、逆止拘止切欠き15をさらに含み、切欠きは、縦方向面8に並行であり、摺動方向に対抗する角度又は該方向に垂直な角度を形成する縁部を、それ自体が公知の形で有し、一度締め付けが行われるとループの緩みに逆らう。
【0047】
各枝部6及び7は、拘止手段5を通すための円筒形状孔16及び17をそれぞれ含む。すなわち、直径Dを有する穿孔16、及び直径d<Dを有する螺着用の円筒形状ネジ孔17を含む。
【0048】
拘止手段5は、連結部材18又はネジにより形成され、一方の側でU字の穿孔16中を通過するヘッド19を備え、他方の側でネジ孔17中に螺着する端部20を備える。
【0049】
部材18のヘッド19は、穿孔16と軽い摩擦で協働する円柱形状上部を含み、該上部は、テーパー下部21と確実に接続されており、底面に向けて細くなり、部材が螺着されるにつれてロッド2を押圧する(図3のベアリング22)ように構成されている。
【0050】
ここでより詳細に記載される実施形態において、ネジのヘッドは、さらに肩部23を含み、肩部は、例えば、テーパーを有しており、U字の第一枝部の外面24と協働するように、及び螺着を停止する当接部としての機能を果たすように設計されている。
【0051】
次に、脊椎骨25上への器具1の装着(図4参照)を、図2、3及び4を参照して説明する。
【0052】
器具1は、脊椎骨25との金属接合2を提供するロッドに、可撓性紐4を機械的に接続することを可能にする。
【0053】
このインプラントは、特に、側弯型の脊柱外科手術に関連させて示されている。
【0054】
紐4は、脊柱構造(この場合、横ブレード(transverse blade)、後弓)の一部26をループ状に囲みながら、本体3に予め導入される。
【0055】
一つの脊椎骨又は複数の脊椎骨に対しても、相互の位置を動かす必要のある側において同じ手術が行われ、この場合では脊柱側弯症を治療する。
【0056】
一度ループが作られると、接合ロッド2が、本体3のU字の開口部27を介する側から挟持によって導入される。
【0057】
以下においては、単一本体の固定についてのみ説明するが、複数本体の固定も、一度ロッドに沿ってそれぞれの位置が決定すると、同様に行われる。
【0058】
ネジ18が、穿孔16に挿入され、次に穿孔17中に螺着が開始される。
【0059】
螺着は、それ自体公知である螺着孔及び/又は空孔28を備える各ネジヘッドを利用する外科医によって行われる(図4の矢印29参照)。
【0060】
一度すべての位置が仮決めされてまだ紐に遊びがある場合、紐を引いてループを各脊椎骨のブレード上に締め付ける。
【0061】
逆止縁部15は、一方向の締め付けを可能にし、可撓性片の二つの端部がまだ若干の移動性を有する時の逆方向への緩みを防止する。
【0062】
次に、ネジ19を螺着することにより、テーパー部21が徐々に接合ロッド2上を進行することが可能となり、進行は、紐4がU字の底面と接合ロッドとの間で締め付けられることで各器具が拘止され、器具集合体がロックされるまで行われる。
【0063】
上記から明らかであり、また上記から結果として分かるように、本発明は、より詳細に説明された上記実施形態に限定されない。反対に、本発明は、すべての変更を包含し、特に、二つ以上のロッドが連続して、又は脊柱の各側に固定される変更を包含する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円柱のロッド(2)に脊柱の脊椎骨(25)を留めるための脊椎骨固定器具(1)であり、該ロッド上の固定本体(3)と、該脊椎骨を固定本体に連結するための可撓性片(4)と、該可撓性片を固定本体上に拘止するための調節可能手段(5)とを含み、前記固定本体(3)は、U字形断面を有し、該U字は、そのU字の底面壁(10)と前記調節可能拘止手段との間に前記ロッドを通過させるためであり、前記調節可能拘止手段(5)は、前記U字の二つの枝部(6、7)の対向端部を連結する連結部材(18)により形成され、前記枝部(6、7)のそれぞれは、前記U字の底面側に位置する対向空孔(14)、すなわち自由端を通すための第一空孔、及び、前記片を、具体的には脊椎骨上に固定ループを形成するために通すための反対側の第二空孔を含む、器具であって、
前記本体が単一部材から形成されること、及び
前記連結部材(18)が締めネジにより形成され、該ネジが、一方で、前記U字の第一枝部(6)に通されるヘッド(19)を備え、該ヘッドは、螺着されるにつれて前記ロッド(2)を押圧するように構成されたテーパー部(21)を含み、よって前記可撓性片の二つの端部を前記壁に対して押圧し、さらに該ネジが、他方で、前記U字の反対の枝部上に螺着される端部(20)を備えることを特徴とする、脊椎骨固定器具。
【請求項2】
前記U字の底面壁(10)が、前記ロッドの形状を補完する半円筒形状であり、各側の端が縦向フランジ(11)により成り、該縦向フランジは、該枝部が変形することにより前記ロッドを前記U字の底面に挟持することを可能とすることを特徴とする、請求項1に記載の器具。
【請求項3】
前記締めネジのヘッドが、前記U字の第一枝部の外面(24)と協働するように設計された肩部(23)も含むことを特徴とする、請求項1〜2のいずれか一項に記載の器具。
【請求項4】
前記固定本体(3)、前記ロッド(2)及び前記連結部材(18)がチタン製であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の器具。
【請求項5】
前記固定本体(3)が、高分子材料で作られていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の器具。
【請求項6】
前記U字の底面(10)が、摩擦により作用する補足的な拘止切欠き(15)を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の器具。
【請求項7】
前記切欠き(15)が、前記U字の底面の縦軸に並行であり、平坦な頂部を有することを特徴とする、請求項6に記載の器具。
【請求項8】
前記切欠きが、前記U字の底面の縦軸に並行であり、ループ締め付けの際に摺動が起こる方向に対抗する角度又は該方向に垂直な角度を形成する縁部を有する逆止切欠きであることを特徴とする、請求項7に記載の器具。
【請求項9】
前記可撓性片(4)が、高分子製の紐であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の器具。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の器具(1)を少なくとも二つ含むロッド上で脊柱を矯正するためのシステムであって、該器具が固定されている該円柱のロッド(2)を含むことを特徴とするシステム。
【請求項11】
二つのロッド(2)、及び少なくとも四つの器具(1)を含むことを特徴とする、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
脊柱の脊椎骨をロッドに固定するための方法において、
− 可撓性片が、脊椎骨の一部の周囲に通され、該一部を締めるループを形成し、該ループの自由端が、前記ロッドへの固定のために保持された側において出され、そして
− 前記自由端が、前記ロッド上の単一片固定本体(3)の二つの空孔内に通され、該固定本体は、U字形断面を有し、該空孔のそれぞれは、前記U字の各枝部(6、7)において前記U字の底面側に位置している方法であって、
− 前記ロッドが、前記自由端が該ロッドと前記U字の底面との間に拘持されるように、前記U字の開口部を介して挟持により導入され、
− 前記脊椎骨の一部上のループの張力が、紐を同時に引っ張ることにより調節され、そして
− 調節可能拘止手段により前記ロッドが前記紐に対して徐々に押圧され、並行移動してそれらを拘止し、該調節可能拘止手段(5)が、前記U字の二つの枝部(6、7)の対向端部を連結する連結部材(18)により形成される、ことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記連結部材(18)が、締めネジにより形成され、該ネジが、一方で、前記U字の第一枝部(6)に通されるヘッド(19)を備え、該ヘッドは、他方の枝部に向かうテーパー部(21)を含み、該ネジが、他方で、前記U字の反対の枝部に螺着される端部(20)を備え、該締めネジは、自身が螺着されるにつれて前記ロッド(2)が前記テーパー部により押圧されるように螺着され、よって前記可撓性片の二つの端部が、前記U字の底面壁に対して押圧されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ネジヘッドの肩部(23)が前記U字の第一枝部の外面(24)上に拘止されることにより、前記螺着が停止されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ループの各端部を、請求項12〜14のいずれか一項に記載の少なくとも二つの固定本体中に通すことにより、少なくとも二つのループが形成される固定方法であって、それらが、単一及び同一ロッド上に、螺着により挟持及び押圧されることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−516259(P2013−516259A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547528(P2012−547528)
【出願日】平成23年1月5日(2011.1.5)
【国際出願番号】PCT/FR2011/000005
【国際公開番号】WO2011/083261
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(509103679)アンプラネ・ソシエテ・アノニム (5)
【氏名又は名称原語表記】IMPLANET,SOCIETE ANONYME
【Fターム(参考)】