説明

脱キャップシステム

【課題】 蓋体(82)により封止された試薬容器又はカートリッジシステム(28)を開口又は封止するためのねじ締め/脱キャップシステム(10)を提供する。
【解決手段】 蓋体(82)が回転動作により除去及び固定されるようになっており、該システム(10)はセンタリング・ユニット(60,62,78)を具備してなり、該センタリング・ユニット(16,78)はその下端に蓋体(82)と係合するスナップ嵌め部材を備えており、ここで該ねじ締め/脱キャップシステム(10)は、処理されるべきカートリッジシステム(28)の可変性高さ(30)及び/又はサイズを補償する複数の同時被動/垂直動自在のスクリューイング・ヘッド(36)を具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多数の試薬を多くの場合、同時に収容、処理することができる自動分析装置の技術分野に関する。この関係において、サンプル及び試薬を分析装置内でできる限り完全に自動的取扱いを可能とし、手動での取扱い工程を不必要にすることが望ましい。それにより、多くの分析手法の簡略化及び加速が可能となる外、更に分析手法におけるヒトの錯誤により間違いを少なくすることができる。
【背景技術】
【0002】
特に、高いサンプリング速度が要求される大規模研究所においては、自動分析装置に対し厳しい要求が課せられる。この場合、分析装置は異なるサンプルを有する多数の反応容器を搬送し、異なる試薬容器にそれらを割り当てることができなければならない。この点において、とりわけピペット装置は、対応する試薬の添加によりサンプルの分析を行うと共に、更なるサンプリング処理工程を行うのに使用される。それゆえ、試薬及びサンプルの完全な自動化処理が行われる場合は、特殊の分析手法のための専門家の関与を要することなく、労働集約的分析手法を信頼性良く、かつ、迅速に行うことができる。完全又は部分的自動化分析手法について要求されていることは、例えば、対応する量の試薬を必要とする異なるサイズのサンプル量の取扱いである。完全自動分析システムにおいては広範な種類の要求を満足させるものでなければならない。以下に簡単に概説するように、高いスループットの分析システムもあれば、低いスループットの分析システムも存在する。
【0003】
試薬の低いスループットの分析システムにおいては、液体取出しのためのサイクル時間は約4ないし10秒であり、各液体取出し時においてピペット針は容器の蓋を貫通した状態にある。低いスループットのため、試薬カートリッジは比較的長い滞留時間、装置上に置かれる。試薬カートリッジがめったに要求されない稀にしか使用されない試薬を収容し、そして、試薬カートリッジがめったに要求されない稀にしか使用されない試薬を収容し、それゆえ試薬が低いスループットにより分析システム内に4週間までの期間留まることがある場合、この滞留時間は更に引き延ばされる。これらの試薬カートリッジにおいては、蒸発に対する高いレベルの保護の必要性がある。
【0004】
試薬の高いスループットにより特徴づけられる分析システムにおいては、ピペット操作、試薬ロータ及びピペット針の位置決めについてのサイクル時間は、一般に1ないし4秒の短い時間である。この短いサイクル時間のため、ピペット針による漏斗の刺通は不可能である。試薬の高いスループットのため、この分析システム上での各試薬カートリッジの滞留時間は僅か1ないし2日であり、そのため、開放フラスコからの蒸発はここでは許容される。
【0005】
非常に小さな容量の取扱いについて、例えば、EP 0 504 967(特許文献1)に記述されている。この文献には、小量の取出しを可能とする試薬容器であって、更なる処理工程中、容器中に残留する液体の蒸発及び老化が避けられる試薬容器が開示されている。
【0006】
この目的のため、試薬容器には適当に設計された蓋が用いられ、これは一方において、液体の取出しに適したものとなっており、他方において、容器の内容物の蒸発を抑制するようになっている。この蓋は、その基部の中間部に円形の開口部が設けられ、この開口部は蓋内部に向けられており、円錐状先端にて開放されるようになっている。サンプルの取出しの際は、この円錐状先端が最初に貫通され、ついで、極めて少量のサンプルを取出すためのピペット針が容器内に導入される。
【0007】
容器から試薬を取り出したとき、小さな開口部がシリンダーの先端にのみ残される。サンプルを取り出した後、このシリンダー先端の小さな開口部が試薬容器から液体が蒸発するのを殆ど抑制させ、かつ、容器の内容物が、例えば大気中の湿気又は周囲環境内の酸素との接触により変化するのを防止するものとなる。この容器蓋体の更なる詳細については、この従来技術から知ることができよう。
【0008】
しかし、より高いスループットと、より短い処理時間が必要な場合は、サンプルの効率的取扱いを行おうとするピペット装置は液体を分取するため、対応して大きいピペット用先端を有するものとなる。この場合も、より大きいピペット用先端を試薬容器内部に挿入させるため、蓋に、より大きい開口部が必要となる。
【0009】
US 6,225,101(特許文献2)及びUS 3,991,896(特許文献3)に記載されているように、試薬容器の蓋内の開口部を、ピンの助けを借りて、試薬容器の蓋のシャフトを通してプレスされるようにしたボール手段により行うこともできる。この場合、液状試薬はこのシャフトを介して取り出される。他の可能性として、WO 83/01912(特許文献4)に記載されているように、例えばカニューレにより蓋体を刺通させることも考えられる。その開口部の直径はシャフト又はカニューレのサイズに従って選択することができる。
【0010】
従来技術において、この種のサンプル処理は、生物学的サンプルの臨床的化学分析の分野での分析システムで採用されている。液状試薬の所望量を取り出すため、この試薬は開放試薬容器から取り出され、自動ピペット装置を介して反応用キュベット内に移される。各ピペット手法について、ピペット装置の電気機械的駆動アームが開放試薬容器に案内され、サンプルの取扱いを所望の様式で行うことができる。標準的試薬容器の内容物の量は、この場合、多数のピペット手法を可能にするのに十分な量である。これに関連して、その液体が完全に使い尽くされる前に分析処理の間に蒸発することが見出されている。これは、一方において、試薬の蓋体の除去を介してなされ、他方において、蓋体中の大きな開口部の形成を介してなされるものである。特に、大気湿度の低い部屋において、可なりの量の試薬溶液が蒸発を介して失われることがしばしばある。その結果の一つとして、その蒸発は溶液中の試薬の濃度増加をもたらす。対照的に、大気湿度の比較的高い部屋において開放試薬容器を使用する場合は、試薬溶液の量が増大する。すなわち、冷却した試薬を使用するとき、凝縮水形成により試薬溶液の量が増大し、時間が経つにつれて試薬の濃度が減少する。更に、開放試薬容器が使用される場合、周囲の空気とのガス交換がなされ、とりわけ、試薬の老化を生じさせる。試薬に対するこのような作用、特に試薬濃度に対する作用は、結果として分析の正確性の悪化をもたらすものとなる。更に、試薬の蓋体の除去をしばしば手動で行わなければならないことが見出された。このような状況下で、実験担当者は、包装から新たな試薬容器を取り出し、最初に蓋体を除去し、ついで、その開放試薬容器を空の試薬容器に代って、分析システム内に配置させなければならない。一つの同じ分析システムにおいて多くの異なる試薬を異なる時間で必要とすることがしばしば起きるから、実験担当者による手動での取扱いは可なりの労働及び時間を要することになる。容器を再度、閉じるとき、蓋体が混同しないように更に注意する必要がある。手動で行う手法において、蓋体の混同の可能性は不確実性の要因でもある。
【0011】
したがって、従来技術において、試薬容器蓋体を自動的に取除くことができる種々の方法が記述されている。EP 0 930 504(特許文献5)には、サンプル容器上の蓋の自動的取扱いを意図した蓋体握持装置が開示されている。この場合、サンプル容器の蓋体には釘状物が設けられ、その外周部を蓋体握持装置が握持するようにしている。チャックにより蓋体が確実に保持され、それゆえ、蓋体握持装置が上昇したとき、この蓋体は完全に容器から離脱され、他方、据付スリーブが容器を下向きに保持し、容器が上昇するのを防止している。
【0012】
US 5,846,489(特許文献6)にも同じく、試薬容器開口のための自動システムが開示されている。その方式によれば、握持装置のピンが、蓋内にその目的のために設けられた溝内に挿入されるようになっている。このピンは一端にビードを有し、これがピンをこの蓋の溝内に掴せるようにしている。ついで、ピンを上昇させることにより、この蓋が試薬容器から除去されることになる。
【0013】
更に、US 5,064,059(特許文献7)にも、試薬容器から蓋を取除くための装置が記載されている。しかし、この従来技術で記載されているものは、ストッパーにより閉じられている試薬容器の自動的開放についてのみである。通常、ストッパーは試薬容器ではなく、単に試験管を閉じるために使用されるものであり、この試験管にはヒト又は動物からの血液又は他の体液が収容されている。この場合、この従来技術の欠点は、そこに記載されている機構は試薬容器のねじタイプの蓋の開放を可能にするものではないことである。しかし、実際には、揮発性液体をしばしば収容することのある試薬容器については、ねじタイプの蓋が特に適している。なぜならば、ねじタイプの蓋は容器の確実な封止を保障するからである。
【0014】
従来技術として、US 6,216,340(特許文献8)にも、ねじにより容器に固定された試薬用蓋の除去について開示されている。この場合、開口具及び試薬蓋体は差込み閉被のようにして相互作用する。試薬蓋体に形成された案内溝を介して、自動開口具がピンを回転によりこの案内溝に沿って蓋体内に挿入され、これが案内溝の終点まで装着されるようになっている。この回転式動きがこの方向に継続されることにより、試薬容器から蓋体を回転、離脱させることが可能になる。この開口具を逆方向に回転させることにより、蓋体と開口具との接続が再び開放されることになる。この従来技術の欠点は、蓋体に対する差込み閉被の正確な作りが、このシステムの機能的信頼性を確保するために必須要件となることである。容器への充填の後の、このねじ操作は差込み閉被の僅かな許容角度位置を保障するものでなければならず、同時に、良好な封止作用を有するものでなければならない。
【0015】
更に、開口具は各試薬容器に対し正確に案内され、バイオネット閉じ口内に開口具のピンが係合することを可能にしなければならない。これは分析システムにおける試薬容器の正確な配置又は分析システムによる各試薬容器のため位置検出が要求される。更に、試薬蓋体を製造するのに複雑な道具が必要となり、その結果、製造コストの増大を招くことになる。
【0016】
特に試薬容器が使い捨て物品として取り扱われる場合、このことはかなりの不利なものとなる。最初の蓋体の除去の後、開口具を試薬容器を再び開口するのに使用する前に、蓋体は更に開口具から除去しなければならない。記載されている実施例では、これを行うため更なる対策が必要となり、この対策は蓋体を逆方向に回転させ、蓋体を開口具から除去できるようにするものである。
【0017】
EP 1 452 869 A2(特許文献9)には試薬容器の自動開口システムが記載されている。試薬容器を開口させるための試薬カートリッジ開口モジュールは、キャリアを具備し、その下端にキャッチ部材が設けられている。このキャッチ部材は試薬容器蓋体を回転しないように確実に固定するものである。更に、センタリングユニットが基本的にキャリア内に案内されるようになっている。このセンタリングユニットは、その下端にスナップ嵌め部材を有し、これが、この目的のために設けられた試薬容器蓋体とスナップ嵌め接続で係合するようになっている。それゆえ、試薬容器蓋体がスナップ嵌め部材に付着し、少なくとも部分的にスナップ嵌め部材の動きに従うことになる。
【0018】
EP 0 383 564 A2(特許文献10)にはストッパー除去装置が記載されている。ストッパー除去装置は容器内のストッパーを自動的に除去するのに使用される。このストッパー除去装置は、ストッパーを握持するためのストッパー握持手段内にて容器を握持するための容器握持手段を有する。このストッパー握持手段は、ストッパーを握持しつつ、モータにより、その軸を中心として回転するようになっている。この除去装置は環状リングを有し、その内側表面から複数のスパイクが延出し、これらは尖端として終わっている。更に、このスパイクは大略的に非半径的に整合するように上記リング上に配置されている。その結果、スパイクは一方向に回転したときにのみストッパーを積極的に握持し、反対方向に回転したときにストッパーを摺動させることになる。
【0019】
US 3,830,390(特許文献11)には、薬剤ビン等のための安全蓋体が記載されている。容器のための、この安全蓋体はねじの付いた首部を有する。この蓋体は、比較的硬直な内側ねじの付いたキャップと、比較的柔軟な外側原動節とを有する。この内側キャップは円形頂部と、円筒状裾部とを有する。頂部周辺のキャップ裾部の外側には複数のリブが形成されている。原動節は円筒状裾部と、頂部とを有し、キャップ上に入れ子式に嵌合している。頂部と、原動節の裾部との結合部の内側に一連の内側下方に延出する複数のラグが設けられている。キャップの中心頂部でスペーサが原動節を垂直方向に離間した位置にて保持している。上記ラグは垂直前方エッジを有し、キャップを容器首部へと駆動させるため、リブ間にてリブと係合するのに十分な距離を以って下方に延出している。これらラグは更に、垂直バックエッジを有し、これらは、原動節が通常の位置にあるときは、それほど下方には延出しない。キャップは、原動節の周囲を曲げ、ラグのバックエッジをキャップ上のグリップと係合させることにより容器から除去される。他の具体例において、スペーサは環状のものであって、原動節のリムを保持している。ラグ及びリブはそれぞれオーバーキャップ及び原動節の内側環状領域に位置し、オーバーキャップの頂部の中心部は下方に曲げられていて、キャップのねじを緩めて開けるため、ラグのバックエッジをグリップと係合させている。
【0020】
US 5,826,934(特許文献12)には、液状試薬のための包装システムが記載されている。この液状試薬のための包装システムによれば、保持領域を有する2以上の容器が、プラグオン・プレートをこれら容器の保持領域上にプレスすることにより接合されている。この目的のため、プラグオン・プレートは2以上の孔を有し、その断面は容器の保持領域の断面と基本的に対応している。プラグオン・プレート及び/又は容器の保持領域には、ストッパー部材を設けることができる。これは、上記接合の後、容器とプラグオン・プレートとの分離を妨げるものである。
【0021】
上記EP 1 452 869 A2(特許文献9)による従来技術の解決法はスナップ嵌めボール固定を有する試薬容器の脱キャップに関するものである。このシステムによれば、カートリッジシステムは少なくとも一つの容器を有し、この容器には、開口され、ねじを緩められるねじ固定の蓋を有し、その後、処分されるようになっている。このEP 1 452 869 A2(特許文献9)によるシステムは、その解決法によれば、僅か1個のねじの付いた蓋体のみが一度にシステムにより係合されるよう限定されている。これはパフォーマンスを制限するものであり、平行処理を可能にするものではない。更に、僅か一つの高さのカートリッジシステム並びに僅か一つの高さの開放用容器が処理されるようになっている。これは同じく、EP 1 452 869 A2(特許文献9)によるシステムのパフォーマンスを制限するものとなる。ねじを緩められた後に蓋体を捉えるのに使用されるセンタリングピンは基本的に保護されておらず、それゆえ損傷を受けやすい。スクリューイング・ヘッドは正常に機能させるため、正確な位置決めを要し、カートリッジシステムの製造において潜在的な許容度など、より大きな許容度を補償するものではない。更に、上記EP1 452 869 A2(特許文献9)による解決法は、ねじを緩める間、すなわち、ねじの付いた蓋体を備えた単一容器の開口プロセスにおいて、能動的握持からカートリッジの位置決め及び保持を提供するものではない。更に、ねじを緩められた蓋体を取除くため並びにスクリューイング・ヘッドの垂直な動きを行うため、屑用開口部上でスクリューイング・ヘッドの更なる水平移動又は回転移動が要求される。
【特許文献1】欧州特許公開第0 504 967号
【特許文献2】米国特許第6,225,101号
【特許文献3】米国特許第3,991,896号
【特許文献4】国際公開83/01912
【特許文献5】欧州特許公開第0 930 504号
【特許文献6】米国特許第5,846,489号
【特許文献7】米国特許第5,064,059号
【特許文献8】米国特許第6,216,340号
【特許文献9】欧州特許公開第1 452 869号A2
【特許文献10】欧州特許公開第0 383 564号A2
【特許文献11】米国特許第3,830,390号
【特許文献12】米国特許第5,826,934号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は以上のような従来技術の解決法に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、試薬で充填される容器の可撓性開口部を提供するものであり、これは容器及びカートリッジシステムの平行処理を、一度に処理されるカートリッジシステムの容器の数に関係なく、試薬を収容する容器の高さ及びサイズに関係なく、更にカートリッジシステムのサイズ及び高さに関係なく、行うことを可能にするものである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本願発明は脱キャップシステムを提供するものであり、そのスクリューイング・ヘッドの形状及び構成によりカートリッジシステム内に貯蔵されている多数の容器を平行処理することができる。特に、このカートリッジシステムは、その中にランダムに位置する2以上試薬収納容器を含んでいる。本発明による脱キャップ装置は、1サイクル内で任意数の容器を有する全カートリッジシステムを同期的に処理することを可能にする。本発明の脱キャップシステムの少なくとも一つのスクリューイング・ヘッドがランダムな数の容器を有するカートリッジシステムの処理を単一処理サイクルで同期的に行うことを可能にするものであり、特に、全てのねじの付いた蓋体のねじを緩め、種々の理由から最早使用されないこのねじの付いた蓋体を廃棄することを可能にする。
【0024】
本発明の主な利点は、この脱キャップシステムが、単一の容器のみ、あるいは平行に処理されるべき多数の容器を収容することがあるカートリッジシステムの平行処理を可能にするという事実である。更に、試薬を収容した容器が配置されているこのカートリッジシステム内の位置については重要ではない。本発明によるこの少なくとも一つのスクリューイング・ヘッド又は複数のスクリューイング・ヘッドはカートリッジシステムの可変サイズ、特に可変高さを自動的に検出し、その後、カートリッジシステムの高さ並びにカートリッジシステムでの試薬容器の順序に関係なくカートリッジシステムを処理するようになっている。
【0025】
他の実施例において、異なるサイズ及び特に異なる高さを有するカートリッジシステムの処理が適当なアダプターの使用により実現されるようになっている。この他の実施例のカートリッジシステムはカートリッジシステムが小さ過ぎること、すなわち、高さが低いことを識別し、先に識別したカートリッジユニットを更に処理することをしない。更に、このアダプター装置は経済的に取り扱われる。すなわち、このアダプター装置は磁気力で固定することができる。このことは、故障の場合、例えばねじの付いた蓋体がこのシステム内の何処かでブロックされている場合、このアダプター装置を最初に移動させ、処理されているカセット及び/又は上記ねじの付いた蓋体を移動させることを可能にする。異なる数のアダプター装置を用いて、異なる高さのカートリッジシステムを、そのアダプター装置を交換するだけで非常に容易に処理することができる。このカートリッジシステムは保持機構により固定され、本発明のシステムのユーザーが、現に処理されつつあるカートリッジシステムの処理を中断するのを抑止するようになっている。
【0026】
更に、本発明の双方の実施例における少なくとも一つのスクリューイング・ヘッドは、少なくとも一つのバネ部材により偏倚されるようになっており、それにより上記の少なくとも一つのスクリューイング・ヘッドに対し張力(テンション)が働くと共に、異なる高さのねじの付いた蓋体を有するカートリッジシステムの握持を可能にしている。更に、この少なくとも一つのバネ部材により偏倚されたスクリューイング・ヘッドはねじの付いた蓋体の処理において該蓋体に対し力を加え、この少なくとも一つのスクリューイング・ヘッドと、処理されるべきねじの付いた蓋体との間の緊密な接触を生じさせる。ねじ締めを解かれた蓋体は環状剥離部材により処理される。上記環状剥離部材のジオメトリーに相当する形状の剥離用フォークなどの装置が上記少なくとも一つのスクリューイング・ヘッドからねじ締めを解かれた蓋体を取除くようになっている。このねじ締めを解かれた蓋体は、センタリングピンの保持部材により剥離され、カートリッジシステムの下方に配置された容器内に廃棄される。これは、スクリューイング・ヘッドの廃棄位置への更なる動きを回避させ、複雑化の軽減をもたらすものである。
【0027】
本発明によりスクリューイング・ヘッドは、ソケットレンチと同様のバネ偏倚王冠形部材を具備し、これがねじの付いた蓋体の外側歯部と係合し、その回動によりねじの付いた蓋体を除去するようになっている。このスクリューイング・ヘッドはねじの付いた蓋体との関連でセンタリングする目的から、中央に配置されるセンタリングピンを具備し、これが、ねじの付いた蓋体の漏斗状キャビティ内にてスクリューイング・ヘッドをセンタリングさせ、更にスナップ嵌め動作によりねじの付いた蓋体の一部と係合させるようになっている。このように、ねじの付いた蓋体は少なくとも一つのスクリューイング・ヘッドに固定される。このセンタリングピンの上記偏倚部材、すなわちユニバーサル・ボールジョイントなどは外側に向う半径方向の引張りツールとして作用し、ねじの付いた蓋体の製造公差を補償するものである。
【0028】
更に、本発明の脱キャップシステムは適当数のスクリューイング・ヘッド、好ましくは2ないし3個のスクリューイング・ヘッドを具備している。これらスクリューイング・ヘッドはバネ部材により支持されており、それによりねじの付いた蓋体及びカートリッジシステムの異なるサイズ及び高さの処理を可能にしている。ねじの付いた蓋体の不存在は、全バネ装着スクリューイング・ヘッドの後方への動きにより補償される。このスクリューイング・ヘッドに予め張力(テンション)を加えておくことにより、ねじ締めプロセスにおいて、スクリューイング・ヘッドを、垂直方向のねじのピッチに同期させて移動させる必要はなくなる。更に、スクリューイング・ヘッドのバネ偏倚構成のため、上記ねじ締めプロセスを静止位置で行うことができる。センタリングピンは弾性蓋体保持装置を具備している。好ましい実施例において、この蓋体保持装置は、スリット付き偏倚張力を与えるツール、例えばチャックとして作られていて、O-リングバネ装置として配置されている。
【0029】
保護ピンを含めて全センタリングピンはスクリューイング・ヘッド内に分離して配置されていて、バネ駆動され、ねじの付いた蓋体の製造公差を補償するようになっている。更に、ねじの付いた蓋体の窪み内にての張力を与えるツールの確実な係合を確保するものである。
【0030】
このセンタリングピン内に上記保護ピンが設けられ、これはチャックのような張力を与えるツールから突出している。この保護ピンは一般的にセンタリングピンの張力を与えるツールを変形及び破損から保護するためのものである。このような変形等は、センタリングピン及び張力を与えるツール又はチャックによる固体表面(例えば各位置でのねじの付いた蓋体の欠落した状態でのカートリッジシステムの上面)への意図しない又は意図する接触により発生する。
【0031】
カートリッジシステムの或る位置への固定は固定ピンにより行われる。すんわち、固定ピンがカートリッジシステムの開口部と係合し、それゆえカートリッジシステムの処理に際し、カートリッジシステムとの接続がなされる。カートリッジシステムの容器から蓋体のねじ締めを解いた後、カートリッジシステムは上記固定ピンにより開放される。その他、この固定ピンを、上記カートリッジシステムをその外側表面と接触する摺動部材として形成してもよい。
【0032】
容器からねじ締めを解いたねじの付いた蓋体を破棄するための環状剥離部材は、スクリューイング・ヘッドの外側から作動可能となっており、その弾性により、ねじの付いた蓋体の破棄の後、出発位置へと自動的に戻るようになっている。先にねじ締めを解かれた蓋体の除去は、環状剥離部材と、静止状態に配置された剥離用フォークとの間の接触により上記の少なくとも一つのスクリューイング・ヘッドの垂直方向の動きにより行われる。この剥離用フォークの逆の垂直方向への動きも考えられ、その場合、環状剥離部材は静止状態に装着される。スクリューイング・ヘッドの下方に配置された容器内へのねじ締めを解かれた蓋体の廃棄は、このスクリューイング・ヘッドの下のディスクトップからカートリッジシステムが除去された後に実行される。
【0033】
本発明による半自動ねじ締めシステムの手法について、二つの実施例が考えられる。
【0034】
第1に、制御がマイクロスイッチの使用により行われる。全サイクル及びカートリッジシステムの存否の検出、特にその高さ及びサイズの検出がマイクロスイッチによってのみ管理される。第2にソフトウエアを介しての制御も考えられる。回転速度、移動通路、速度などがソフトウエア・システム内で構成される。
【0035】
蓋付き容器のレベルを検出するのに光学装置を用いることができ、これは特にLED技術で実現することができる。このLED技術はシステムの前方部での追加のディスプレーを節約するものとなり、スクリューイング・ヘッドの下に配置させた容器、すなわち、トラッシュビンのレベルの検出を容易にするものである。蓋付き容器の前方部は透明材料で作られており、蓋付き容器の充填レベルの迅速、かつ、容易な検出を可能にする。更に、この光学装置は装置の操作準備を指示するものとなり、システムの前方部の追加のディスプレーを節約するものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
【0037】
図1.1及び図1.2は本発明の第1の実施例の異なる斜視図を示している。
【0038】
図1.1は脱キャップシステム10を示している。これはテーブルを具備してなり、その表面は参照符号12が付されている。垂直方向のリニアガイド14が脱キャップシステム10の表面12に装着されている。リニアガイド14に沿って垂直に移動自在なリニア駆動装置16により、複数のスクリューイング・ヘッド36が垂直方向に移動するようになっている。このリニア駆動装置16からスクリューイング・ヘッド駆動装置24が装着されていて、スクリューイング・ヘッド・ギア26を駆動するようになっている。
【0039】
スクリューイング・ヘッド・ギア26は好ましくはウォームギア構成を有し、これにより複数のスクリューイング・ヘッド36が回転駆動されるようになっている。リニア駆動装置16に関連して、複数のスクリューイング・ヘッド36が実質的に垂直方向に装着されている。すなわち、リニア駆動装置の垂直移動方向、すなわち、Z方向と平行に装着されている。複数のスクリューイング・ヘッド36が取着されているリニア駆動装置16の垂直方向の動きが、上記表面12の下方にて上記リニアガイド14に装着されている駆動装置18により行われる。図1.1に示すように、脱キャップシステム10の表面12に開口部34が設けられている。この開口部34は、表面12の下方に装着されている蓋付き容器20へのアクセスを可能するものである。カートリッジシステム28内に配置された多数の試薬収容容器から、複数のスクリューイング・ヘッド36により、ねじを緩められたねじの付いた蓋体82が、ねじを緩められた後に蓋付き容器20内に自動的に除去される。
【0040】
図1.1に模式的に示すように、マイクロスイッチ22が配置されており、これはリニア駆動装置16の垂直移動を制限するものである。このリニア駆動装置16に対し、複数のスクリューイング・ヘッド36が垂直方向、すなわち、Z方向に配置されている。
【0041】
図1.2は、図1.1に示す本発明のねじ締め/脱キャップシステムの第1の実施例の異なる斜視図を示している。
【0042】
図1.2は、脱キャップシステム10の表面12上に配置された高さ30を有するカートリッジシステム28を示している。試薬又は液体容器のねじを緩めるために使用することが好ましいが、この脱キャップシステム10はねじの付いた蓋体を容器上にねじ締めし、封止を行うのに適宜使用することができる。上方カートリッジ表面32はカートリッジシステム28の高さ30に従って垂直方向に延びている。図1.1で既に示したように、駆動装置18を有するリニアガイド14は脱キャップシステム10の表面12上に配置されている。
【0043】
図1.2は、剥離用フォーク40のような剥離装置を示している。これはリニア駆動装置16とは反対側に配置されている。このリニア駆動装置16は複数のスクリューイング・ヘッド36を垂直方向、すなわち、上方又は下方に移動させるものである。図1.1に示す本発明の第1の実施例において、この剥離装置40は静止状態に配置され、複数のスクリューイング・ヘッド36は剥離装置40との関連で移動自在となっている。この剥離装置40により、カートリッジシステム28内に収容された容器からねじを緩められた蓋体82は重力により引っ張られ、複数のスクリューイング・ヘッド36の尖端から除去され、開口部34を介して、脱キャップシステム10の表面12の下方に配置された蓋付き容器20内に破棄されるようになっている。
【0044】
図1.1に示したスクリューイング・ヘッド・ギア26はウォームギア機構38を有し、回転動作をリニア駆動装置16に割り当てられた複数のスクリューイング・ヘッド36に伝達するようになっている。更に、図1.1には、基本的に水平に延出するウォーム38に割り当てられたスクリューイング・ヘッド駆動装置24が示されている。このウォーム38は、本発明の第1の実施例である図1.1及び図1.2に示した複数のスクリューイング・ヘッド36の夫々の対応する形状のギアと噛合している。
【0045】
図1.1及び図1.2にそれぞれ示した第1の実施例から分かるように、このスクリューイング・ヘッド36により、カートリッジシステム28内に配置したランダムな数の容器が1度に処理されるようになっている。これら容器はカートリッジシステム28内のランダムに選択された位置に配置されている。本発明による装置は多数の容器を収容する全カートリッジシステム28を同期的に処理するものである。図1.1及び図1.2に示した第1の実施例における脱キャップシステム10はカートリッジシステム28を単一サイクルで処理し、そのサイクルにおいて全てのねじの付いた蓋体82がカートリッジシステム28内に配置された容器から取除かれる。本発明のこのシステムでは、カートリッジシステム28が試薬で満たされた1個の容器のみを収容しているか、あるいは多数の容器を収容しているかは重要ではない。更に、試薬で満たされたこれら容器がカートリッジシステム28内で配置されている位置についても有意なものではない。本発明のこのシステムは、上方カートリッジ面32が延出しているカートリッジシステム28の各高さ30を自動的に検出するものである。このようにして、異なる高さの液体収容容器が設けられたカートリッジシステム28が処理される。
【0046】
図2は1個のスクリューイング・ヘッドを示している。
【0047】
図2に示すように、スクリューイング・ヘッド36はスクリュー支持部42を有し、これは例えばジャケットのような形状をなしている。このスクリューイング・ヘッド36は、その上端にウォームギア48を有し、それがスクリューイング・ヘッド・ギア26のウォーム38と歯合している。参照符号46はベアリングを示し、これにより図1.1及び図1.2にそれぞれ示すように、前記スクリューイング・ヘッド36がリニア駆動装置16内に装着されている。このスクリューイング・ヘッド36の外周面74には、環状除去用部材(特にリング状部材)66が配置されている。この除去用装置66の下方に、スクリューイング・リング56が配置されており、これは周縁に沿って多数の歯形突起58が設けられていて、図8.2に最もはっきり示すように、ねじの付いた蓋体82の外周縁に設けられている溝86と歯合するようになっている。このスクリューイング・リング56の中央にセンタリング・コーン78が示されている。
【0048】
図3は、図2に示したスクリューイング・ヘッドの断面を示している。
【0049】
図3に示すように、スクリューイング・ヘッド36は、対称ジャケット形スクリュー支持部42内に、ベアリング46で囲まれた軸44を具備している。この軸44の下には、張力を与えるツール又はチャック60が配置されている。この張力を与えるツール又はチャック60は対称形状をなし、その細部は以下に説明するように図6及び6.1に夫々示されている。この軸44上にはウォームギア48が装着されており、それを介して回転動作が、図3に断面で示すスクリューイング・ヘッド36に伝達されるようになっている。ウォームギア48が装着された軸44と、張力を与えるツール又はチャック60の上面との間に、第1の張力バネ50が配置されている。この張力バネ50の形状については、その他、当業者が適宜設計し得るであろう。この第1の張力バネ50により偏倚された張力を与えるツール又はチャック60は第2の張力バネ52により囲まれている。この第2の張力バネ52は図3のスクリューイング・ヘッド36の実施例では螺旋状となっている。この第1の張力バネ50は王冠形スクリューイング・リング56をテンションを与えるものである。このスクリューイング・リング56は、スクリューイング・ヘッド36の下方への動きにより蓋体82のリムと係合する。この王冠形スクリューイング・リング56上に設けられた複数の突起58は蓋体82の溝86と係合する。この王冠形スクリューイング・リング56はスクリュー支持部42との関連で移動自在となっている。
【0050】
図3に詳細に示したスクリューイング・ヘッド36の断面から分かるように、リング形の除去用装置66はスクリューイング・ヘッド36内にてボルト形部材により固定されている。このボルトは、除去用装置66の下方にて王冠形スクリューイング・リング56の垂直移動を可能にしている。図2に示すように、開口部218が王冠形スクリューイング・リング56の表面に設けられている。これは除去用装置66を固定するボルト部材216との関連での王冠形スクリューイング・リング56の動きを可能にするものである。図3には更に、第3の張力バネ54が示されており、これによりスクリューイング・リング56がリムーバー・チューブ64に対し偏倚されている。王冠形スクリューイング・リング56の下端外周には、図8.1及び8.2にそれぞれ示すように蓋体82の溝86と係合する歯形突起58が示されている。図3に示すように、張力を与えるツール又はチャック60はセンタリングピン62を有し、そのセンタリング・コーン78が図8.1及び8.2にそれぞれ示すように、張力を与えるツール又はチャック60により係合されるべき蓋体82を、スクリューイング・リング56の突起58と、蓋体82の周縁の溝86との関連で、センタリングさせるようになっている。
【0051】
第3の張力バネ54は、王冠形スクリューイング・リング56との関連でリムーバー・チューブ64の垂直方向の動きを可能にしている。第2の張力バネ52は王冠形スクリューイング・リング56とスクリュー支持部42との間の相対的動きを可能にする。最後に、張力を与えるツール又はチャック60は、それと、軸44との間に配置された第1の張力バネ50により予め引張り応力が与えられている。
【0052】
図4は、複数のスクリューイング・ヘッドを有する脱キャップシステムを示している。
【0053】
図4に示す実施例において、リニアガイド14はその下端に駆動装置18を備えていて、リニア駆動装置16の垂直方向の動きを可能にしている。このリニア駆動装置16上にはスクリューイング・ヘッド駆動装置24が配置されている。これはスクリューイング・ヘッド・ギア26を介して、並列するスクリューイング・ヘッド36を同時に駆動するものである。スクリューイング・ヘッド36の下端には、先の図2及び図3に詳しく示したように王冠形スクリューイング・リング56が設けられている。
【0054】
王冠形スクリューイング・リング56下方周縁には、複数の歯形突起58が蓋体82の溝86と歯合している。図4の斜視図に示すように、リニア駆動装置16は第1のマイクロスイッチ68を具備し、これはZ−頂部ストップとして使用される。この第1のマイクロスイッチ68を介して、先に係合していた蓋体82の突き落としが開始される。第2のマイクロスイッチ70Z−底部1を介して、上方カートリッジ表面62の存在が検出され、複数のスクリューイング・ヘッド36の回転駆動が活性化される。図4に示す実施例による第3のマイクロスイッチ72を介して、ねじ締め、すなわち、各スクリューイング・ヘッド36の王冠形スクリューイング・リング56の回転動作が開始される。
【0055】
図5は、斜め下方角度から見た図である図4の複数のスクリューイング・ヘッドの斜視図を示している。
【0056】
図5に示すように、直線状ガイド14は多数の溝を有し、これに垂直方向(Z方向)に移動するリニア駆動装置16が案内されるようになっている。図5に示すように、スクリューイング・ヘッド・ギア26を介して、スクリューイング・ヘッド駆動装置24がウォーム38と係合し、このウォーム38は図2及び3に示すスクリューイング・ヘッド36の夫々のウォームギア48と歯合している。この駆動装置26,38,48を介して、回転動作が、スクリューイング・ヘッド36の底部に配置された王冠形スクリューイング・リング56に伝達される。図5の斜視図に示すように、第1のマイクロスイッチ68(Z−頂部ストップ)が接触することにより、王冠形スクリューイング・リング56により先に係合された蓋体82の除去が開始されている。
【0057】
図6,6.1及び7は張力を与えるツール又はチャックが詳細に示されており、これは図2及び3にそれぞれ詳細に示すスクリューイング・ヘッド36内に配置されている。
【0058】
図6に示すように、張力を与えるツール又はチャック60は、その底部に上記センタリング・コーン78及びほぼ環状に延出するリングである保持用突起76が設けられている。この張力を与えるツール又はチャック60には複数の長手方向に延出するスリット80が設けられていて、張力を与えるツール又はチャック60の舌部に弾性を付与している。
【0059】
図6.1は、図6に示す張力を与えるツール又はチャック60の他の実施例を示している。
【0060】
図6.1に詳細に示す実施例において、センタリング・コーン78上に配置された保持用突起36は1例として弾性ゴム製のO−リングからなっている。このO−リングを介して、図8.1及び8.2に夫々明示するように、ねじの付いた蓋体82がバネ付勢の張力を与えるツール又はチャック60により係合される。円錐状領域78には長手方向のスリット80は形成されていない。なぜならば、図8.1及び8.2に夫々明示するように、蓋体82と係合するための弾性がO−リングを構成するゴム材料の弾性から提供されるからである。すなわち、図6.1に示す実施例においては、張力を与えるツール又はチャック60の長手方向のスリットは必要ではない。
【0061】
図7に明示するように、張力を与えるツール又はチャック60には4つの長手方向のスリット80が形成されており、それにより互いに離間する4つの舌部が形成されている。本発明のスクリューイング・ヘッド36の垂直下方動により、環状に延出する保持用突起76を備えたセンタリング・コーン78が、図8.1に明示するように蓋体82の漏斗状キャビティ84と係合している。
【0062】
張力を与えるツール又はチャック60の断面はナット形状のものであり、それにより、図3に示すように、スクリューイング・ヘッド36内に使用さる張力を与えるツール又はチャック60内の張力バネ50,52により予め張力を与えられたとき、張力を与えるツール又はチャック60の正確な案内が可能となる。
【0063】
図8.1及び8.2は、本発明の脱キャップシステム10によりねじ締めされ、又はねじを緩められる蓋体82を示している。図8.1に断面として明示するように、蓋体82は軸90を中心として対称となっており、内側ねじ88を有する。試薬で或る程度充填された容器は上方開口部を囲むねじを有し、この容器のねじが蓋体82の内側ねじ88のピッチと合致している。更に、蓋体82は漏斗状キャビティ84を有し、これが張力を与えるツール又はチャック60のセンタリング・コーン78により係合されるようになっている。夫々図6及び6.1の実施例に示す各環状保持用突起(76)が、蓋体82内の漏斗状キャビティ84を制限する壁部92と係合するようになっている。したがって、センタリング・コーン78は、蓋体82の漏斗状キャビティ84の壁部92の内側の内側突起94に環状保持用突起76が係合するまで、蓋体82の漏斗状キャビティ84内に挿入される。本発明のスクリューイング・ヘッド36の張力を与えるツール又はチャック60及び王冠形スクリューイング・リング56(バネ荷重され、垂直動を補償することができる)のため、容器との関連での蓋体82の回転動作の間で、王冠形スクリューイング・リング56により係合された蓋体82の垂直動(容器との関連で)が補償される。それゆえ、スクリューイング・ヘッド36の調整は必要ではない。更に、スクリューイング・ヘッド36をリニアガイド16に固定することができ、張力を与えるツール又はチャック60及び王冠形スクリューイング・リング56は夫々、蓋体82の垂直動を補償することができる。このバネ荷重された張力を与えるツール又はチャック60及び王冠形スクリューイング・リング56のため、王冠形スクリューイング・リング56の突起58の、蓋体82の外側壁部の周囲の溝86との係合時の強固な接触が維持されることになる。
【0064】
図8.2は蓋体82が軸90を中心として対称となっていることを示している。蓋体82の上方リムの周縁に沿って互いに離間する溝86は、図2及び3に夫々示す王冠形スクリューイング・リング56のピッチと同じに互いに離間して配置された歯形突起58と歯合している。
【0065】
図1.1ないし図8.2に示した本発明の第1の実施例の操作は以下のようにして行われる。
【0066】
図8.1及び図8.2に夫々示した蓋体82で封止された多数の試薬充填容器を具備してなるカートリッジシステム28をスクリューイング・ヘッド36の下に導入したとき、そのカートリッジシステム28の存在が図1.1に模式的に示した少なくとも一つのマイクロスイッチ22により検出される。このマイクロスイッチ22は、カートリッジシステム28の各側壁と接触したときのみ、始動される。このカートリッジシステム28の存在により蓋体のねじを緩めるサイクルが開始される。複数のスクリューイング・ヘッド36がリニア駆動装置16により下方向に移動する。第2のマイクロスイッチ70及び上方カートリッジ面32と接触したときに、スクリューイング・ヘッド駆動装置24が始動し、スクリューイング・ヘッド36の夫々の王冠形スクリューイング・リング56の夫々に対する回転が課せられる。カートリッジシステム28の高さに到達したことの検出によりスクリューイング・ヘッド駆動装置24の始動がなされる。それゆえ、本発明のシステムは、可変高さ30を有するカートリッジシステム28を処理することができる。
【0067】
複数のスクリューイング・ヘッド36の王冠形スクリューイング・リング56が回転し、カートリッジシステム28の上面32と接触し、スクリューイング・ヘッド36の張力を与えるツール又はチャック60が、センタリング・コーン78を介して漏斗状キャビティ84内の蓋体82と係合する。同時に、王冠形スクリューイング・リング56の上方周縁に設けられた複数の突起58が、図8.1に明示するように蓋体82の複数の溝86と係合する。第3のマイクロスイッチ72により、リニアガイド16の下方向の動きが停止される。
【0068】
この位置において、蓋体82のねじは各容器から緩められる。蓋体82の回転動作における内側ねじ88のピッチは、王冠形スクリューイング・リング56及び張力を与えるツール60の夫々のバネ荷重構成により、補償される。
【0069】
三つの可能なねじ締め位置の一つにおける蓋体82の不存在の場合、王冠形スクリューイング・リング56、特にセンタリング・コーン78又は保護ピンがカートリッジシステム28の表面32と接触する。このように、バネ付勢スクリューイング・リング56は、この位置において、リニア駆動装置16の更なる垂直方向の動きを補償している。王冠形スクリューイング・リング56、特にセンタリング・コーン78又は保護ピンが空所(すなわち、容器が収容されていないカートリッジシステム28のスペース)と係合した場合、意図した、又は意図しない垂直動が部材(36,56,58)を損傷させることはない。なぜならば、この場合は、他の固定及び静止部材との接触が生じないからである。
【0070】
蓋体82のねじが緩められたとき、そのねじが緩められた蓋体82は王冠形スクリューイング・リング56により、特に蓋体82の溝86と係合する突起58により係合されることになる。リニア駆動装置16が垂直方向に移動し、ねじが緩められた蓋体82をカートリッジシステム28上の距離に移動させる。カートリッジシステム28は今や表面12から除去され、カートリッジシステム28の上方カートリッジ表面32をその高さに従って検出しスクリューイング・ヘッド駆動装置24を始動させるマイクロスイッチが当初の位置に移動することになり、そこで、スクリューイング・ヘッド駆動装置24はオフにスイッチされる。ここで、容器のねじが緩められたカートリッジシステム28は除去される。本発明の脱キャップシステム10からのカートリッジシステム28の完全な除去は、更なるマイクロスイッチにより検出される。
【0071】
駆動装置18によりリニア駆動装置16は更に垂直方向に移動される。リムーバー装置66の剥離装置(例えば剥離フォーク)40との接触により、容器から先にねじを緩められた蓋体82が、張力を与えるツール又はチャック60のセンタリング・コーン78及び保持用突起76の夫々から剥離される。脱キャップシステム10の表面12の開口部34を介して蓋体82が重力により下方に配置された蓋突き容器20へと落下される。リニア駆動装置16の上方位置が同じくマイクロスイッチにより検出される。このリニア駆動装置16の上方位置は、後の操作サイクルのための“スタート”及び“リセット位置”を構成するものである。このスタート/リセット位置(すなわち、リニア駆動装置16の上方位置)は脱キャップシステム10のスイッチ・オンにより自動的に到達されるものである。図5に示すように、スクリューイング・リング56のための回転動作はウォーム/ギア構成38/48により行われる。その他、ベルト駆動を使用することもできる。駆動装置18により駆動されるリニア駆動装置16の直線移動はねじ突きスピンドルにより行われる。その他、他の駆動手段も同じく考えられる。脱キャップシステム10の変形例として、ねじを緩めるサイクルにおいて容器からねじを緩められた蓋体82を、蓋封止のないカートリッジシステム28内に配置された容器に置くこともできる。このように、本発明のシステムは同じく、蓋体82などのねじを、試薬を収容した容器上に締めたり、その逆に緩めたりするのに使用することができる。
【0072】
図9は本発明の脱キャップシステムの第2の実施例を示している。
【0073】
図9に示した第2の実施例において、脱キャップシステム10はアダプター装置200を具備している。このアダプター装置は脱キャップシステム10の案内路201の下に配置される。本発明の脱キャップシステム10で、参照符号202で示す非作動位置において、アダプター装置200は、処理されるべき異なるカートリッジシステム28の異なる高さ30を補償するのに使用される。このアダプター装置200の使用により、異なる高さ30を有する種々のカートリッジシステム28の処理高さを増大させることができる。
【0074】
更なる高さ/サイズ補償が図9に参照符号206として示されている。本発明の脱キャップシステム10により処理されるべき種々のカートリッジシステム28に応じて、異なる高さ/サイズ補償206のために構成された対応する数のアダプター装置200が使用される。図9に示す脱キャップシステム10は、少なくとも一つのスクリューイング・ヘッド36の垂直動のためのリニアガイド14を具備している(図9の第2の実施例に示すように)。スクリューイング・ヘッド駆動装置24はベルト駆動208を有し、それを介して、回転動作がスクリューイング・ヘッド36の王冠形スクリューイング・リング56へと伝達される。カートリッジシステム28の位置決め開口部204内に延出する位置決め部材205を介して、処理されるべきカートリッジシステム28の存在が検出される(図10参照)。本発明のスクリューイング・ヘッド36の王冠形スクリューイング・リング56の下方には、フォーク状部材として形成された剥離装置40が配置されている。アダプター装置200上に配置されたカートリッジシステム28の案内路201内の位置は、その処理において維持される。参照符号18は、リニアガイド14に対し垂直動を課す駆動装置を示している。このリニアガイド14上に少なくとも一つのスクリューイング・ヘッド36が配置される。王冠形スクリューイング・リング56は本発明の第1の実施例における図2及び3に夫々詳細に示す歯形突起58を具備している。脱キャップシステム10の表面12には開口部34が設けられていて、これを介して、処理されるべきカートリッジシステム28の容器からねじを緩められた蓋体82が、脱キャップシステム10の表面12の下方に配置された蓋付き容器20内に廃棄される。
【0075】
図10は、図9に示した第2の実施例のカートリッジシステム装着領域を示している。
【0076】
図10の詳細な斜視図に示すように、カートリッジシステム28は案内路201内に導入される。このカートリッジシステム28は、参照符号206で示す高さ補償を有するアダプター装置200上に配置されている。このアダプター装置200を介して、上方カートリッジ表面32が、王冠形スクリューイング・リング56の方向に移動される。このスクリューイング・リング56には、その外周縁に沿って多数の歯形突起58が形成されている。案内路201内のカートリッジシステム28は、作動自在なピン形位置決め部材205により固定されている。なお、この位置決め部材205は、処理されるべきカートリッジシステム28の上方カートリッジ表面32の位置決め開口部204と係合している。スクリューイング・ヘッド36の下方の案内路201内へのカートリッジシステム28の完全なる導入は、マイクロスイッチ22,68,70,72により検出される。これらマイクロスイッチは更に、王冠形スクリューイング・リング56の回転動作及びスクリューイング・ヘッド36のリニアガイド14に沿う垂直動の開始、停止を行うものである。
【0077】
図10において、位置決め部材205は、カートリッジシステム28の上面32の位置決め開口部と未だに係合していない。図10において、除去用装置66は、剥離用フォークの形状をなす剥離装置40の開口部と嵌合している。回転動作は、ベルト駆動208を介して、図10の二つのスクリューイング・ヘッド36の王冠形スクリューイング・リング56に伝達される。なお、この実施例におけるベルト駆動208は第1の実施例のスクリューイング・ヘッド・ギア26に対する変形例である。スクリューイング・ヘッド36の垂直動は、リニアガイド14の下方又は上方に向けての垂直動を生じさせる駆動装置18によって強制される。なお、これらはマイクロスイッチ22,68,70,72の夫々により始動される。
【0078】
図11は図9の第2の実施例のスクリューイング・ヘッド駆動装置を詳細に示すものである。
【0079】
回転動作をスクリューイング・ヘッド36の王冠形スクリューイング・リング56に伝達するためのスクリューイング駆動装置は、ベルト駆動208を備えたスクリューイング・ヘッド駆動装置24を備えている。このベルト駆動208は、本発明の第1の実施例のウォーム/ギア駆動機構38,48の変形例を構成する(図5参照)。図11に示すように、この図示の双方のスクリューイング・ヘッド36は、図8.1及び8.2に夫々詳細に示すように蓋体82の漏斗状キャビティ84との係合のため長手方向のスリット付き張力を与えるツール又はチャック60を具備している。
【0080】
図11に示すスクリューイング・ヘッド36の王冠形スクリューイング・リング56は、センタリング・ピン62及び蓋体82の漏斗状キャビティ84の内側突起74との係合のための前記センタリング・コーン78を備えた張力を与えるツール又はチャック60を囲むようにして設けられている。カートリッジシステム28の表面は参照符号32が付されている。参照符号58はスクリューイング・ヘッド36の下方リムの歯形突起を示している。このスクリューイング・ヘッド36は図12.1ないし12.4に詳細に示すようにバネ付勢されている。
【0081】
図12.1ないし12.4は、本発明の第1及び第2の実施例で使用されるスクリューイング・ヘッドの詳細を夫々示すものである。
【0082】
図12.1ないし12.4に夫々示すスクリューイング・ヘッドは本発明の双方の実施例で使用することができる。すなわち、図1.1ないし7に示す脱キャップシステム10及び以下に説明する本発明の第2の実施例、すなわち、図9ないし11に夫々示す第2の実施例で使用することができる。図12.1ないし12.4に夫々詳細に示すスクリューイング・ヘッド36は、より経済的な実施例を提供するものである。なぜならば、図3に示した第1の張力バネ50が省略されているからである。図12.1ないし12.4の実施例による張力を与えるツール又はチャック60はバネ付勢されていない。図6及び6.1の実施例において、王冠形スクリューイング・リング56の歯形リム58から保持用突起76までの距離は固定されている。図3の実施例において張力を与えるツール又はチャック60に割り当てられた第1の張力バネ50はここでは省略されている。
【0083】
図12.1はピストン214を備えたスクリューイング・ヘッド36を示している。中空内部を有するピストン214及びねじ支持部42はボルト216を介して互いに係合している。ボルト216は、ねじ支持部42の外側周縁に設けられた長手方向のスリット状孔218内を移動する。ねじ支持部42内には第2の張力バネ52が配置されている。この第2の張力バネ52はねじ支持部42を長手方向、すなわちZ方向のプレストレスを与えるものである。それゆえ、王冠形スクリューイング・リング56はバネ付勢され、軸方向動を補償を可能にしている。本実施例では保護ピン210を有する張力を与えるツール又はチャック60が王冠形スクリューイング・リング56に囲まれるようにして設けられている。この保護ピン210は、下向きリムに設けられた歯形突起58の下方に向けて保護距離212を以って突出している。すなわち、張力を与えるツール又はチャック60に割り当てられた保護ピン210を介して、カートリッジシステム28の上方カートリッジ表面32との接触の際における王冠形スクリューイング・リング56の損傷が防止されるようになっている。なぜならば、王冠形スクリューイング・リング56が上方カートリッジ表面32と接触する前に、保護ピン210が上方カートリッジ表面32と接触することになるからである。王冠形スクリューイング・リング56の外周には、リング形状の除去装置66が設けられている。
【0084】
図12.1には、スクリューイング・ヘッド36が示されている。図12.2から明らかなように、ボルト216の端部は、スクリューイング・ヘッド36の外周に設けられた垂直に配向した孔218内に案内される。ねじ支持部42は、第2の張力バネ52によりバネ荷重が付加され、王冠形スクリューイング・リング56は保護ピン210が設けられた張力を与えるツール60のセンタリング・コーン78を囲むように設けられている。
【0085】
図12.3及び12.4には夫々、他の実施例のスクリューイング・ヘッドが示されている。図12.3に示した実施例においては、スクリューイング・ヘッド36はピストン214及びボルト216を有し、これを介してねじ支持部42の外周74と、その円筒部214が互いに結合している。第3の張力バネ54が設けられており、これは、張力を与えるツール又はチャック60との関連の王冠形スクリューイング・リング56の相対的動きにより、蓋体82が突き落とされた際にスクリューイング・ヘッド36を当初の位置にリセットするためのものである。図1.1ないし7に示す実施例においては、ねじを緩められた蓋体82はセンタリングピン62との関連でのリムーバー・リング66の相対的動きによりスクリューイング・ヘッド36から除去される。図1.1ないし7に示す実施例における本発明の脱キャップシステム10においては、ねじを緩められた蓋体82は、蓋体の溝86と、王冠形スクリューイング・リングの歯形リムとの係合から押出される。
【0086】
ねじ支持部42の下には、長手方向に延出する張力を与えるツール又はチャック60が示されている。センタリング・コーン78を有する張力を与えるツール又はチャック60内に保護ピン210が設けられている。この保護ピン210は、王冠形スクリューイング・リング56の歯形突起58の下方に向けて保護距離212を以って突出している。その結果、カートリッジシステム28との接触の際の、この保護距離212のため、回転時における王冠形スクリューイング・リング56の損傷が防止されるようになっている。この保護距離212のため、王冠形スクリューイング・リング56の下方リングの歯形突起58が接触する前に、保護ピン210がスクリューイング・ヘッド36の下方に配置されたカートリッジシステム28と接触することになる。張力を与えるツール又はチャック60は第2の張力を与える部材52によりバネ荷重が付加されている。
【0087】
王冠形スクリューイング・リング56の外周には、除去装置66が配置されている。図12.3に示す実施例において、保護ピン210は、第2の張力を与える部材52によりバネ荷重が付加された張力を与えるツール又はチャック60内に押圧されている。図12.3及び12.4に示す実施例において、除去装置66は王冠形スクリューイング・リング56内に一体化されていて固定手段の節減がなされている。
【0088】
図12.4は図12.3に示したスクリューイング・ヘッド36を約90度回転させた状態を示している。図12.4の斜視図から明らかなように、スクリューイング・ヘッド36のねじ支持部42の外周に設けられた孔218内にボルト216の端部が案内されるようになっている。ねじ支持部42の外周に設けられた長手方向のスロット孔218内をボルト216の端部が移動するようになっている。王冠形スクリューイング・リング56は第2の張力バネ52により付勢されている。同様に、張力を与えるツール又はチャック60が第3の張力バネ54により付勢されている。保護ピン210は、歯を有する王冠形スクリューイング・リング56の下降との関連で保護距離212を以って配置されている。
【0089】
図9ないし11に詳細に示した脱キャップシステム10の第2の実施例では、処理されるべきカートリッジシステム28の位置決め開口部204と係合する位置決め部材205が示されている。それゆえ、カートリッジシステム28は操作サイクルが開始する前に固定され、オペレータの安全を図っている。
【0090】
図9ないし11に詳細に示した第2の実施例において、高さ補償206はアダプター装置200により行われる。スクリューイング・ヘッド36の下方への動きの後、処理されるべきカートリッジシステム28の存在が案内路201に設けられたマイクロスイッチにより検出されたとき、ねじ締め操作が常に同じ位置で、あるいは横方向の位置で開始される。
【0091】
余りにも大きすぎ、過度の高さ30を有するカートリッジシステム28は、図9ないし11に示した脱キャップシステム10では処理できない。なぜならば、それが、図9ないし11の脱キャップシステム10の案内路201内に嵌合し得ないからである。しかし、カートリッジシステム28が余りにも低過ぎるときは、操作サイクルは開始されない。なぜならば、低過ぎるカートリッジシステム28は案内路201内でマイクロスイッチと接触しないからである。
【0092】
その他、本発明の脱キャップシステム10の表面12の下方に配置された蓋突き容器20内に蓋体82を廃棄せずに、代わりに、後のサイクルで新たな蓋体をカートリッジシステム28にねじを締めたり、あるいはカートリッジシステム28と共に容器にねじを締めたりすることも考えられる。処理されるべきカートリッジシステム28に向けてのスクリューイング・ヘッド36の移動の代りに、逆に、カートリッジシステム28を本発明の脱キャップシステム10のスクリューイング・ヘッド26に向けて移動させてもよい。このような変形例では、スクリューイング・ヘッド36は静止状態に装着される。処理されるべきカートリッジシステム28の搬送及び除去は図示のようにリニア駆動装置により自動的に行われ、それにより、多数のカートリッジシステム28の完全な自動処理が実現されることになる。
【0093】
本発明の上記実施例による脱キャップシステム10では、夫々マイクロスイッチ22,68,70,72を介して検出された王冠形スクリューイング・リング56及びスクリューイング・ヘッド36の回転動作及び摺動が示されている。これらマイクロスイッチ22,68,70,72の代わりに、ホール(hall)センサーなどのセンサー又はライトバリアなどの光学装置を代替として使用してもよい。上述の双方の実施例による脱キャップシステム10は、1個のみのスクリューイング・ヘッド36を使用して実行することもでき、これにより脱キャップシステム10設定のためのスペースを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1.1】本発明の第1の実施例の第1の斜視図。
【図1.2】本発明の第1の実施例の第2の斜視図。
【図2】単一のスクリューイング・ヘッドを示す図。
【図3】図2のスクリューイング・ヘッドの断面図。
【図4】複数のスクリューイング・ヘッドを備えたねじ締め構成を示す図。
【図5】図4の複数のスクリューイング・ヘッドの斜視図。
【図6】張力を与えるツールを詳細に示す図。
【図6.1】張力を与えるツールの他の実施例、例えばチャックを示す図。
【図7】図6の張力を与えるツールの尖端を示す図。
【図8.1】ねじを切られた蓋体を示す図。
【図8.2】ねじを切られた蓋体を示す図。
【図9】本発明のねじ締め/脱キャップシステムの第2の実施例を示す図。
【図10】図9の第2の実施例のカートリッジシステム装着領域を示す図。
【図11】図9の第2の実施例のねじ締め装置を示す図。
【図12.1】本発明の第1又は第2の実施例で使用されるスクリューイング・ヘッドの細部を示す図。
【図12.2】本発明の第1又は第2の実施例で使用されるスクリューイング・ヘッドの細部を示す図。
【図12.3】本発明の第1又は第2の実施例で使用されるスクリューイング・ヘッドの細部を示す図。
【図12.4】本発明の第1又は第2の実施例で使用されるスクリューイング・ヘッドの細部を示す図。
【符号の説明】
【0095】
10 脱キャップシステム
12 表面
14 リニアガイド
16 リニア駆動装置(Z方向)
18 駆動装置(Z方向)
20 蓋付き容器
22 マイクロスイッチ
24 スクリューイング・ヘッド駆動装置
26 スクリューイング・ヘッド・ギア
28 カートリッジシステム
30 カートリッジシステムの高さ
32 上方カートリッジ面
34 開口部
36 スクリューイング・ヘッド
38 ウォームギア
40 剥離用フォーク
42 ねじ支持部
44 軸
46 ベアリング
48 ウォームギア
50 1.張力バネ
52 2.張力バネ
54 3.張力バネ
56 スクリューイング・リング
58 突起
60 張力を与えるツール
62 センタリング・ピン
64 リムーバー・チューブ
66 リムーバーリング
68 1.マイクロスイッチ(Z−頂部、ストップ)
70 2.マイクロスイッチ(Z−底部1)
72 3.マイクロスイッチ(Z−底部2)
74 外周縁
76 保持用突起
78 センタリング・コーン
80 長手方向スリット
82 蓋体
84 漏斗状キャビティ
86 溝
88 内側ねじ
90 軸
92 壁部
94 内側突起
200 アダプター装置
201 案内路
202 非作動位置
204 位置決め開口部
205 位置決め部材
206 高さ/サイズ補償
208 ベルト駆動
210 保護ピン
212 保護距離
214 ピストン
216 ボルト
218 孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋体(82)が回転動作により除去及び固定されるようになっており、脱キャップシステム(10)がセンタリング・ユニット(60,62,78)を具備してなり、該センタリング・ユニット(16,78)がその下端に蓋体(82)と係合する部材(60,78)を備えた、蓋体(82)により封止された試薬容器又はカートリッジシステム(28)を開口するための脱キャップシステム(10)であって、
該脱キャップシステム(10)が、処理されるべきカートリッジシステム(28)の可変性高さ(30)及び/又はサイズを補償する少なくとも一つの駆動される垂直動自在のスクリューイング・ヘッド(36)を具備してなる脱キャップシステム(10)。
【請求項2】
少なくとも一つのスクリューイング・ヘッド(36)が、リニア駆動装置(16)上にて垂直方向移動自在に配置されている請求項1記載の脱キャップシステム。
【請求項3】
前記スクリューイング・ヘッド(36)を少なくとも2つ、好ましくは3つ備えている請求項1記載の脱キャップシステム(10)。
【請求項4】
前記スクリューイング・ヘッド(36)の夫々が、少なくとも一つの張力バネ(52)によりバネ荷重された王冠形スクリューイング・リング(56)を具備してなる請求項1記載の脱キャップシステム(10)。
【請求項5】
前記王冠形スクリューイング・リング(56)が、そのリムの周縁に沿って配置された複数の歯形突起(58)を有する請求項4記載の脱キャップシステム(10)。
【請求項6】
除去装置(66)、特にリング部材が王冠形スクリューイング・リング(56)に配置され、又は一体化されている請求項4記載の脱キャップシステム(10)。
【請求項7】
前記スクリューイング・ヘッド(36)が、処理されるべき蓋体(82)と係合するセンタリング・コーン(78)を備えた張力を与えるツール又はチャック(60)を具備している請求項1記載の脱キャップシステム(10)。
【請求項8】
前記張力を与えるツール又はチャック(60)がスクリューイング・ヘッド(36)内で張力バネ(50)により予め荷重が付加されている請求項7記載の脱キャップシステム(10)。
【請求項9】
前記張力を与えるツール又はチャック(60)がセンタリング・コーン(78)を有し、このセンタリング・コーン(78)が円環状に延びたリング形保持用突起(76)を有する請求項7記載の脱キャップシステム(10)。
【請求項10】
前記張力を与えるツール又はチャック(60)の端部に、半径方向に張力を生じさせるための複数の長手方向に延出するスリット(80)を具備してなる請求項7記載の脱キャップシステム(10)。
【請求項11】
前記張力を与えるツール又はチャック(60)が保護ピン(210)を備えたものである請求項7記載の脱キャップシステム(10)。
【請求項12】
前記保護ピン(210)が、王冠形スクリューイング・リング(56)の突起(58)に対しほぼ保護距離(212)を以って突出している請求項11記載の脱キャップシステム(10)。
【請求項13】
センタリング・ピン(62)を含めて張力を与えるツール又はチャック(60)が、スクリューイング・ヘッド(36)のスクリュー支持部(42)との関連で第1のバネ部材(50)により偏倚され、及び/又は、スクリューイング・リング(56)との関連で第3の張力を与える部材(54)によりバネ荷重が加えられている請求項7記載の脱キャップシステム(10)。
【請求項14】
処理されるべきカートリッジシステム(28)が位置決め機構(204,205)により固定されている請求項1記載の脱キャップシステム(10)。
【請求項15】
処理されるべきカートリッジシステム(28)の表面(32)の、スクリューイング・ヘッド(36)のスクリューイング・リング(56)に対する相対位置が、アダプター装置(200)により調整自在になっている請求項1記載の脱キャップシステム(10)。
【請求項16】
前記アダプター装置(200)が可変高さ(206)について補償するようになっている請求項15記載の脱キャップシステム(10)。
【請求項17】
脱キャップシステム(10)が表面(12)を有し、その上にリニア駆動装置(16)のためのリニアガイド(14)が配置され、開口部(34)が設けられ、その下方に、廃棄された蓋体(82)を収容する蓋付き容器20が配置されている請求項1記載の脱キャップシステム(10)。
【請求項18】
スクリューイング・ヘッド(36)の夫々が剥離装置(40)を備え、該装置が、以前に係合していた蓋体(82)が除去されたのち、その非活動位置に自動的に戻るようになっている請求項1記載の脱キャップシステム(10)。
【請求項19】
スクリューイング・ヘッド(36)により係合された蓋体(82)が、静止固定された剥離装置、特に剥離用フォーク(40)の剥離用フレームにより剥離されるようになっている請求項18記載の脱キャップシステム(10)。
【請求項20】
カートリッジシステム(28)から、又はカートリッジシステム(28)内のランダムな位置に収容された容器から蓋体(82)のねじを緩めるための方法であって、
a)処理されるべきカートリッジシステム(28)を、複数のスクリューイング・ヘッド(36)の下方に配置された表面(12)上に積載する工程、
b)複数のスクリューイング・ヘッド(36)をカートリッジシステム(28)の上面(32)に向けて移動させ、あるいは積載されたカートリッジシステム(28)を複数のスクリューイング・ヘッド(36)に移動させる工程、
c)一つの操作サイクルでカートリッジシステム(28)を処理する工程、
d)前記カートリッジシステム(28)から又は前記カートリッジシステム(28)内に収容されている容器から、ねじを緩められた蓋体(82)を、処理の後に前記表面(12)の下方に配置された蓋付き容器(20)内に移動させる工程、
を具備してなることを特徴とする方法。
【請求項21】
カートリッジシステム(28)内に配置されたランダムな数の容器を同時に処理する請求項20記載の方法。
【請求項22】
全カートリッジシステム(28)が一つのねじを緩めるプロセスサイクルで同時に処理されるようになっている請求項20記載の方法。
【請求項23】
処理されるべきカートリッジシステム(28)の高さ(30)を検出し、この検出されたカートリッジシステム(28)の高さ(30)に従って、複数のスクリューイング・ヘッド(36)の下方方向の所定の垂直動が行われるようになっている請求項20記載の方法。
【請求項24】
アダプター装置(200)が前記システム(10)の表面(12)上に磁気的に固定される請求項20記載の方法。
【請求項25】
処理されるべきカートリッジシステム(28)が、その位置決め開口部(204)と係合するピン形位置決め部材(205)により案内路(201)内に固定され、該カートリッジシステム(28)の存在がマイクロスイッチ(22,68,70,72)又はセンサーにより検出されるようになっている請求項20記載の方法。
【請求項26】
蓋体(82)の異なるねじ締め高さ、蓋体(82)の不存在、試薬を収容した容器の封止、カートリッジシステム(28)の封止が、スクリューイング・ヘッド(36)のバネ荷重後退動作により補償されるようになっている請求項20記載の方法。
【請求項27】
スクリューイング・ヘッド(36)の夫々のスクリューイング・リング(56)のねじ締め操作の間、スクリューイング・ヘッド(36)が所定位置にて保持され、その所定位置はねじを緩めるプロセスの間でも不変に保たれるようにした請求項20記載の方法。
【請求項28】
スクリューイング・ヘッド(36)の張力を与えるツール(60)が、センタリング・ピン(62)及び/又は張力を与えるツール(16)の固体表面との意図した、又は意図しない接触から損傷ないし変形されないよう、センタリング・ピン(62)により保護されている請求項20記載の方法。
【請求項29】
ねじを緩められた蓋体(82)の除去のための円環状除去装置(66)が、スクリューイング・ヘッド(36)との関連で外側から作動自在となっており、蓋体(82)を除去した後、その非作動位置に自動的に移動するようになっている請求項200記載の方法。
【請求項30】
複数のスクリューイング・ヘッド(36)の上向きの垂直移動の際に、除去装置(66)が据置き剥離装置(40)と接触するようになっている請求項29記載の方法。
【請求項31】
剥離装置(40)の下向きの垂直移動の際に、ねじを緩められた蓋体(82)が、スクリューイング・ヘッド(36)に取着された、又は一体化された据置きリムーバーリング(66)により剥離されるようになっている請求項29記載の方法。
【請求項32】
処理されるべきカートリッジシステム(28)の存在又は不存在を検出し、処理されるべきカートリッジシステム(28)の高さ(30)を検出し、処理されるべきカートリッジシステム(28)の表面(32)との関連でスクリューイング・ヘッド(36)の動きを検出するようにしたマイクロスイッチによりプロセスを制御するようにした請求項20記載の方法。
【請求項33】
回転速度、水平又は垂直移動路速度、ソフトウエア履行によるエラーの検出に合せてソフトウエア履行制御を行うようにした請求項20記載の方法。
【請求項34】
脱キャップシステム(20)の操作性が、蓋付き容器(20)内に配置されたLED照明により表示され、該照明システムが脱キャップシステム(20)の操作性を示し、該蓋付き容器(20)が透明前面を備えたものとする請求項20記載の方法。
【請求項35】
蓋付き容器(20)の位置が、脱キャップシステム(10)の少なくとも一つのスクリューイング・ヘッド(36)によるカートリッジシステム(28)からの蓋体(82)のねじを緩める位置に対応するようにした請求項20記載の方法。

【図1.1】
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【図1.2】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6.1】
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【図7】
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【図8.1】
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【図8.2】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12.1】
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【図12.2】
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【図12.3】
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【図12.4】
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【公開番号】特開2009−58509(P2009−58509A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−218920(P2008−218920)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】