説明

脱毛進行程度の測定方法

【課題】数学的アルゴリズムを通して脱毛の進行程度を正確に把握するための脱毛進行程度の測定方法を提供する。
【解決手段】正常部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて毛髪数を検出するステップS10と、正常部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて毛髪の平均太さを算出するステップS20、及び、脱毛部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて毛髪数を検出するステップS30と、脱毛部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて毛髪の平均太さを算出するステップS40と、正常部位の毛髪数と毛髪の平均太さ、脱毛部位の毛髪数と毛髪の平均太さとに基づいて脱毛部位の脱毛進行程度を測定するステップS50を含む脱毛進行程度の測定方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱毛進行程度の測定方法に関するもので、より詳細には、数学的アルゴリズムを通して脱毛の進行程度を正確に把握するための脱毛進行程度の測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
脱毛は、正常に毛髪が存在すべき部位に毛髪がない状態をいい、一般に、頭皮の硬毛(太くかつ黒い髪の毛)が抜けることをいう。硬毛は、色がなくかつ細い軟毛とは異なって、抜けてしまうと美容上の問題をもたらすおそれがある。西洋人に比べて毛髪の密度が低い韓国人の場合、約5万〜7万本の髪の毛があり、通常、一日に約50〜70本の髪の毛が抜ける。
【0003】
ところが、一日に抜ける髪の毛の数が100本を超えると、脱毛である可能性が非常に高く、脱毛に該当する場合、脱毛の進行程度によって適切な治療を受け、脱毛を効果的に治療しなければならない。
【0004】
すなわち、脱毛の進行によって適切に治療するためには脱毛の進行程度を把握することが重要な問題であって、このために、従来は、測定者が肉眼で正常部位と脱毛部位の毛髪状態を検査し、脱毛の進行程度を把握した。
【0005】
しかし、このような方法によると、測定者の目測及び経験によって脱毛の進行程度を把握することから、精度が非常に低下し、脱毛の進行程度を正確に把握できないので、その結果、適切な治療もできず、脱毛を効果的に治療できないという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、数学的アルゴリズムを通して脱毛の進行程度を正確に把握するための脱毛進行程度の測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本請求項1に係る発明の脱毛進行程度の測定方法は、正常部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて毛髪数を検出するステップと、前記正常部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて毛髪の平均太さを算出するステップと、脱毛部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて毛髪数を検出するステップと、前記脱毛部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて毛髪の平均太さを算出するステップと、及び前記正常部位の毛髪数と毛髪の平均太さ、前記脱毛部位の毛髪数と毛髪の平均太さに基づいて前記脱毛部位の脱毛進行程度を測定するステップとを含む。
【0008】
また、本請求項2に係る発明は、前記脱毛部位の脱毛進行程度を測定するステップが、

に基づいて行うことを特徴とする。
(HLPは、脱毛進行程度を示し、前記Hは、正常部位の毛髪数を示し、前記Hは、脱毛部位の毛髪数を示し、前記Dは、正常部位の毛髪の平均太さを示し、前記Dは、脱毛部位の毛髪の平均太さを示す。)
【0009】
本請求項3に係る発明の脱毛進行程度の測定方法は、正常部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて毛嚢数を検出するステップと、前記正常部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて毛髪の平均太さを算出するステップと、脱毛部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて1本の毛髪を有する毛嚢数と空の毛嚢数を検出するステップと、前記脱毛部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて毛髪の太さが前記正常部位の毛髪の平均太さの1/2以下である毛髪数を検出するステップと、及び前記正常部位の毛嚢数、前記脱毛部位で1本の毛髪を有する毛嚢数、空の毛嚢数及び毛髪の太さが前記正常部位の毛髪の平均太さの1/2以下である毛髪数に基づいて前記脱毛部位の脱毛進行程度を測定するステップとを含む。
【0010】
また、本請求項3に係る発明は、前記脱毛部位の脱毛進行程度を測定するステップが、

に基づいて行うことを特徴とする。
(前記HLP'は、脱毛進行程度を示し、前記Fは、正常部位の毛嚢数を示し、前記Fは、脱毛部位で1本の毛髪を有する毛嚢数を示し、前記Fは、脱毛部位の空の毛嚢数を示し、前記H1/2は、毛髪の太さが前記正常部位の毛髪の平均太さの1/2以下である脱毛部位の毛髪数を示す。)
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、脱毛進行程度を被測定者の毛髪数、毛髪の太さ及び毛嚢数に基づいて数学的アルゴリズムを通して数値的に算出するので、従来の測定者の経験及び目測によって脱毛の進行程度を把握したことに比べて脱毛の進行程度をより正確に把握できるという長所がある。
【0012】
また、脱毛の進行程度を正確に把握することによって、脱毛の進行程度によって適切な治療が可能であるので、脱毛を効果的に治療できるという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る脱毛進行程度の測定方法の一実施例を示したフローチャートである。
【図2】本発明に係る脱毛進行程度の測定方法の他の実施例を示したフローチャートである。
【図3】脱毛進行程度を測定するためのシステムの構成を示したブロック図である。
【図4A】正常部位の毛髪数を検出した結果を示した顕微鏡写真である。
【図4B】正常部位の毛髪の太さを算出した結果を示した顕微鏡写真である。
【図5A】脱毛部位の毛髪数を検出した結果を示した顕微鏡写真である。
【図5B】脱毛部位の毛髪の太さを算出した結果を示した顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、添付の図面を参考にしながら、本発明の実施例について本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態に具現することができ、ここで説明する実施例に限定されるものではない。そして、図面では、本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略しており、明細書全体にわたって類似する部分については、類似する符号を付した。
【0015】
また、明細書全体にわたって、一つの部分が一つの構成要素を「含む」とするとき、これは、特別に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことが可能であることを意味する。
【0016】
図3は、脱毛進行程度を測定するためのシステムの構成を示したブロック図であって、前記システムは、映像撮影部10、映像処理部20及び測定部30を含んで構成される。映像撮影部10は、被測定者の正常部位及び脱毛部位の映像を撮影し、映像処理部20は、映像撮影部10で撮影された映像に基づいて正常部位と脱毛部位の毛髪数、毛髪の平均太さ及び毛嚢数を検出する。測定部30は、映像処理部20で検出された毛髪数、毛髪の平均太さ及び毛嚢数に基づいて数学的アルゴリズムを通して脱毛進行程度を測定する。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明に係る脱毛進行程度の測定方法の一実施例を示したフローチャートであって、脱毛進行程度の測定方法の一実施例は、正常部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて毛髪数(H)を検出するステップ(S10)と、正常部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて毛髪の平均太さ(D)を算出するステップ(S20)と、脱毛部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて毛髪数(H)を検出するステップ(S30)と、脱毛部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて毛髪の平均太さ(D)を算出するステップ(S40)と、正常部位の毛髪数(H)と毛髪の平均太さ(D)、脱毛部位の毛髪数(H)と毛髪の平均太さ(D)に基づいて脱毛部位の脱毛進行程度(HLP)を測定するステップ(S50)とを含む。
【0018】
ステップS10は、正常部位の毛髪数(H)を検出するステップであって、正常部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて明暗認識又は色相認識過程を経て毛髪と頭皮を区別し、区別した毛髪から正常部位の毛髪数(H)を検出する。すなわち、毛髪と頭皮は、コントラストが強いことから映像内で確実に区別され、1本の毛髪と他の毛髪も確実に区別されるので、これに基づいて毛髪をカウンティングし、毛髪数(H)を検出する。
【0019】
ステップS20は、正常部位の毛髪の平均太さ(D)を算出するステップであって、ステップS10で明暗認識又は色相認識過程を経た映像に基づいて各毛髪の太さを検出し、これを平均して毛髪の平均太さ(D)を算出する。すなわち、毛髪と頭皮は、コントラストが強いことから映像内で確実に区別され、1本の毛髪と他の毛髪も確実に区別されるので、これに基づいて各毛髪の太さを検出し、これを平均して毛髪の平均太さ(D)を算出する。
【0020】
また、ステップS20は、正常部位の毛髪をサンプリングするステップ(S200)、サンプリングした毛髪の数を確認するステップ(S210)及びサンプリングした毛髪の平均太さ(D)を算出するステップ(S220)をさらに含むことができる。すなわち、正常部位の毛髪状態を撮影した映像内に存在する全ての毛髪に対して太さを検出し、平均太さ(D)を算出すると、相当のデータ処理量によって多くの時間がかかるので、適正な数の毛髪をサンプリングし、サンプリングした毛髪の平均太さ(D)を算出する。
【0021】
ステップS200は、正常部位の毛髪をサンプリングするステップであって、正常部位の毛髪状態を撮影した映像内で無作為に毛髪をサンプリングする。このとき、毛髪の平均太さ(D)の誤差を減少させるために、少なくとも15本以上の毛髪をサンプリングすることが望ましい。
【0022】
ステップS210は、サンプリングした毛髪の数を確認するステップであって、ステップS200でサンプリングした毛髪の数が15本未満である場合は、再びステップS200を経るようになり、サンプリングした毛髪の数が15本以上である場合は、次の段階であるステップS220に移行する。
【0023】
ステップS220は、サンプリングした毛髪の平均太さ(D)を算出するステップであって、各毛髪の太さを検出し、これを平均して毛髪の平均太さ(D)を算出する。このとき、明暗認識又は色相認識過程を経た映像に基づいて毛髪の太さを検出する。
【0024】
ステップS30は、脱毛部位の毛髪数(H)を検出するステップであって、脱毛部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて明暗認識又は色相認識過程を経て毛髪と頭皮を区別し、区別した毛髪から脱毛部位の毛髪数(H)を検出する。すなわち、毛髪と頭皮は、コントラストが強いことから映像内で確実に区別され、1本の毛髪と他の毛髪も確実に区別されるので、これに基づいて毛髪をカウンティングし、毛髪数(H)を検出する。
【0025】
ステップS40は、脱毛部位の毛髪の平均太さ(D)を算出するステップであって、ステップS30で明暗認識又は色相認識過程を経た映像に基づいて各毛髪の太さを検出し、これを平均して毛髪の平均太さ(D)を算出する。すなわち、毛髪と頭皮は、コントラストが強いことから映像内で確実に区別され、1本の毛髪と他の毛髪も確実に区別されるので、これに基づいて各毛髪の太さを検出し、これを平均して毛髪の平均太さ(D)を算出する。
【0026】
また、ステップS40は、脱毛部位の毛髪をサンプリングするステップ(S400)、サンプリングした毛髪の数を確認するステップ(S410)及びサンプリングした毛髪の平均太さ(D)を算出するステップ(S420)をさらに含むことができる。すなわち、脱毛部位の毛髪状態を撮影した映像内に存在する全ての毛髪に対して太さを検出し、平均太さ(D)を算出すると、相当のデータ処理量によって多くの時間がかかるので、適正な数の毛髪をサンプリングし、サンプリングした毛髪の平均太さ(D)を算出する。
【0027】
ステップS400は、脱毛部位の毛髪をサンプリングするステップであって、脱毛部位の毛髪状態を撮影した映像内で無作為に毛髪をサンプリングする。このとき、毛髪の平均太さ(D)の誤差を減少させるために、少なくとも15本以上の毛髪をサンプリングすることが望ましい。
【0028】
ステップS410は、サンプリングした毛髪の数を確認するステップであって、ステップS400でサンプリングした毛髪の数が15本未満である場合は、再びSステップ400を経るようになり、サンプリングした毛髪の数が15本以上である場合は、次の段階であるステップS420に移行する。
【0029】
ステップS420は、サンプリングした毛髪の平均太さ(D)を算出するステップであって、各毛髪の太さを検出し、これを平均して毛髪の平均太さ(D)を算出する。このとき、明暗認識又は色相認識過程を経た映像に基づいて毛髪の太さを検出する。
【0030】
ステップS50は、脱毛部位の脱毛進行程度(HLP)を測定するステップであって、ステップS10で検出した正常部位の毛髪数(H)、ステップS20で算出した正常部位の毛髪の平均太さ(D)、ステップS30で検出した脱毛部位の毛髪数(H)、及びステップS40で算出した脱毛部位の毛髪の平均太さ(D)を下記の数式(1)に反映し、脱毛部位の脱毛進行程度(HLP)を測定する。
【0031】
【数1】

【0032】
ここで、HLPは、脱毛進行程度を示し、Hは、正常部位の毛髪数を示し、Hは、脱毛部位の毛髪数を示し、Dは、正常部位の毛髪の平均太さを示し、Dは、脱毛部位の毛髪の平均太さを示す。
【0033】
例えば、図4A、図4B、図5A及び図5Bによると、正常部位の毛髪数(H)は74本、脱毛部位の毛髪数(H)は54本、正常部位の毛髪の平均太さ(D)は0.067cm、脱毛部位の毛髪の平均太さ(D)は0.035cmであるので、数式(1)によると、脱毛部位の脱毛進行程度(HLP)は61.8%である。
【0034】
数式(1)によって測定された脱毛進行程度(HLP)の値が大きいほど脱毛が深刻な状態であることを示し、脱毛進行程度(HLP)の値が小さいほど脱毛が初期であることを示す。
【0035】
前記のように、脱毛進行程度(HLP)を数学的アルゴリズムを通して正確に測定できるので、測定した脱毛進行程度(HLP)によって適切な治療が可能であり、脱毛を効果的に治療することができる。
【実施例2】
【0036】
図2は、本発明に係る脱毛進行程度の測定方法の他の実施例を示したフローチャートであって、脱毛進行程度の測定方法の他の実施例は、正常部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて毛嚢数(F)を検出するステップ(S10')と、正常部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて毛髪の平均太さを算出するステップ(S20')と、脱毛部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて1本の毛髪を有する毛嚢数(F)及び空の毛嚢数(F)を検出するステップ(S30')と、脱毛部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて毛髪の太さが正常部位の毛髪の平均太さの1/2以下である毛髪数(H1/2)を検出するステップ(S40')と、正常部位の毛嚢数(F)、脱毛部位で1本の毛髪を有する毛嚢数(F)、空の毛嚢数(F)及び毛髪の太さが正常部位の毛髪の平均太さの1/2以下である毛髪数(H1/2)に基づいて脱毛部位の脱毛進行程度(HLP')を測定するステップ(S50')とを含むことを特徴とする。
【0037】
ステップS10'は、正常部位の毛嚢数(F)を検出するステップであって、正常部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて明暗認識又は色相認識過程を経て毛髪と頭皮を区別し、区別した毛髪から正常部位の毛嚢数(F)を検出する。すなわち、毛髪と頭皮は、コントラストが強いことから映像内で確実に区別され、1本の毛髪と他の毛髪も確実に区別されるので、これに基づいて毛髪の端をカウンティングし、毛嚢数(F)を検出する。
【0038】
ステップS20'は、正常部位の毛髪の平均太さ(D)を算出するステップであって、ステップS10'で明暗認識又は色相認識過程を経た映像に基づいて各毛髪の太さを検出し、これを平均して毛髪の平均太さ(D)を算出する。すなわち、毛髪と頭皮は、コントラストが強いことから映像内で確実に区別され、一つ1本の毛髪と他の毛髪も確実に区別されるので、これに基づいて各毛髪の太さを検出し、これを平均して毛髪の平均太さ(D)を算出する。
【0039】
また、ステップS20'は、正常部位の毛髪をサンプリングするステップ(S200')、サンプリングした毛髪の数を確認するステップ(S210')及びサンプリングした毛髪の平均太さ(D)を算出するステップ(S220')をさらに含むことができる。すなわち、正常部位の毛髪状態を撮影した映像内に存在する全ての毛髪に対して太さを検出し、平均太さ(D)を算出すると、相当のデータ処理量によって多くの時間がかかるので、適正な数の毛髪をサンプリングし、サンプリングした毛髪の平均太さ(D)を算出する。
【0040】
ステップS200'は、正常部位の毛髪をサンプリングするステップであって、正常部位の毛髪状態を撮影した映像内で無作為に毛髪をサンプリングする。このとき、毛髪の平均太さ(D)の誤差を減少させるために、少なくとも15本以上の毛髪をサンプリングすることが望ましい。
【0041】
ステップS210'は、サンプリングした毛髪の数を確認するステップであって、ステップS200'でサンプリングした毛髪の数が15本未満である場合は、再びSステップ200'を経るようになり、サンプリングした毛髪の数が15本以上である場合は、次の段階であるステップS220'に移行する。
【0042】
ステップS220'は、サンプリングした毛髪の平均太さ(D)を算出するステップであって、各毛髪の太さを検出し、これを平均して毛髪の平均太さ(D)を算出する。このとき、明暗認識又は色相認識過程を経た映像に基づいて毛髪の太さを検出する。
【0043】
ステップS30'は、1本の毛髪を有する毛嚢数(F)及び空の毛嚢数(F)を検出するステップであって、脱毛部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて明暗認識又は色相認識過程を経て毛髪と頭皮を区別し、区別した毛髪から脱毛部位の1本の毛髪を有する毛嚢数(F)及び空の毛嚢数(F)を検出する。すなわち、毛髪と頭皮は、コントラストが強いことから映像内で確実に区別され、1本の毛髪と他の毛髪も確実に区別されるので、これに基づいて各毛髪の端及びその端に連結された毛髪数をカウンティングし、1本の毛髪を有する毛嚢数(F)及び空の毛嚢数(F)を検出する。
【0044】
ステップS40'は、正常部位の毛髪の平均太さの1/2以下である脱毛部位の毛髪数(H1/2)を検出するステップであって、ステップS30'で明暗認識又は色相認識過程を経た映像に基づいて各毛髪の太さを検出し、これをステップS20'で算出した正常部位の毛髪の平均太さと比較し、正常部位の毛髪の平均太さの1/2以下である脱毛部位の毛髪数(H1/2)を検出する。
【0045】
ステップS50'は、脱毛部位の脱毛進行程度(HLP')を測定するステップであって、ステップS10'で検出した正常部位の毛髪数(F)、ステップS30'で検出した1本の毛髪を有する毛嚢数(F)及び空の毛嚢数(F)、及びSステップ40'で検出した正常部位の毛髪の平均太さの1/2以下である毛髪数(H1/2)を下記の数式(2)に反映し、脱毛部位の脱毛進行程度(HLP')を測定する。
【0046】
【数2】

【0047】
ここで、HLP'は、脱毛進行程度を示し、Fは、正常部位の毛嚢数を示し、Fは、脱毛部位で1本の毛髪を有する毛嚢数を示し、Fは、脱毛部位の空の毛嚢数を示し、H1/2は、毛髪の太さが正常部位の毛髪の平均太さの1/2以下である脱毛部位の毛髪数を示す。
【0048】
例えば、正常部位の毛嚢数(F)が36個、脱毛部位で1本の毛髪を有する毛嚢数(F)が30個、空の毛嚢数(F)が0個、正常部位の毛髪の平均太さの1/2以下である脱毛部位の毛髪数(H1/2)が26個である場合、数式(2)によると、脱毛部位の脱毛進行程度(HLP')は59.7%である。
【0049】
数式(2)によって測定された脱毛進行程度(HLP')の値が大きいほど脱毛が深刻な状態であることを示し、脱毛進行程度(HLP')の値が小さいほど脱毛が初期であることを示す。
【0050】
前記のように、脱毛進行程度(HLP')を数学的アルゴリズムを通して正確に測定できるので、測定した脱毛進行程度(HLP')によって適切な治療が可能であり、脱毛を効果的に治療することができる。
【0051】
以上説明した本発明の実施例は、装置及び方法を通してのみ具現するものではなく、本発明の実施例の構成に対応する機能を実現するプログラム又はそのプログラムが記録された記録媒体を通して具現することができ、これは、上述した実施例の記載から本発明の属する技術分野の専門家であれば容易に具現可能である。
【0052】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲は、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を用いた当業者の多様な変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0053】
10 映像撮影部
20 映像処理部
30 測定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正常部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて毛髪数を検出するステップと、
前記正常部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて毛髪の平均太さを算出するステップと、
脱毛部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて毛髪数を検出するステップと、
前記脱毛部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて毛髪の平均太さを算出するステップ、及び
前記正常部位の毛髪数と毛髪の平均太さ、前記脱毛部位の毛髪数と毛髪の平均太さに基づいて前記脱毛部位の脱毛進行程度を測定するステップとを含むことを特徴とする脱毛進行程度の測定方法。
【請求項2】
前記脱毛部位の脱毛進行程度を測定するステップが、

に基づいて行うことを特徴とする、請求項1に記載の脱毛進行程度の測定方法。
(HLPは、脱毛進行程度を示し、Hは、正常部位の毛髪数を示し、Hは、脱毛部位の毛髪数を示し、Dは、正常部位の毛髪の平均太さを示し、Dは、脱毛部位の毛髪の平均太さを示す。)
【請求項3】
正常部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて毛嚢数を検出するステップと、
前記正常部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて毛髪の平均太さを算出するステップと、
脱毛部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて1本の毛髪を有する毛嚢数及び空の毛嚢数を検出するステップと、
前記脱毛部位の毛髪状態を撮影した映像に基づいて毛髪の太さが前記正常部位の毛髪の平均太さの1/2以下である毛髪数を検出するステップ、及び
前記正常部位の毛嚢数、前記脱毛部位で1本の毛髪を有する毛嚢数、空の毛嚢数及び毛髪の太さが前記正常部位の毛髪の平均太さの1/2以下である毛髪数に基づいて前記脱毛部位の脱毛進行程度を測定するステップとを含むことを特徴とする脱毛進行程度の測定方法。
【請求項4】
前記脱毛部位の脱毛進行程度を測定するステップが、

に基づいて行うことを特徴とする、請求項3に記載の脱毛進行程度の測定方法。
(HLP'は、脱毛進行程度を示し、Fは、正常部位の毛嚢数を示し、Fは、脱毛部位で1本の毛髪を有する毛嚢数を示し、Fは、脱毛部位の空の毛嚢数を示し、H1/2は、毛髪の太さが前記正常部位の毛髪の平均太さの1/2以下である脱毛部位の毛髪数を示す。)

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【公開番号】特開2012−205873(P2012−205873A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131915(P2011−131915)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(511144424)
【氏名又は名称原語表記】KANG, JIN SOO
【住所又は居所原語表記】B dong 501 Pilgrin villa, 846−7 Bangbae 4−dong, Seocho−gu, Seoul 137−060 Republic of Korea
【Fターム(参考)】