説明

脱臭フィルター

【課題】空気調和機で使用される脱臭フィルターに対し、活性炭保持体に一旦添着された活性炭が取り扱いや振動等で脱離して脱臭性能が低下するという課題があり、脱臭基材から活性炭の脱離を防止できる脱臭フィルターを提供することを目的としている。
【解決手段】脱臭基材6はホットメルト4を均一に塗付した活性炭保持体1にヤシ殻の活性炭5を保持させた構成となり、脱臭基材6にオーバーコート剤8を塗付することによって活性炭5に付着したオーバーコート剤8で活性炭5同士を接着して活性炭保持体1あるいは脱臭基材6からの活性炭5脱離を防止して脱離による脱臭性能低下を起こさないようにできる脱臭フィルター13が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機等の空気流路に設け、主として空気中の悪臭物質を吸着除去する脱臭フィルターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の脱臭フィルターの一例として、方形の升目を備えたネットに活性炭を添着して圧力損失を増やすことなく、脱臭効率を増やす脱臭フィルターが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下、その脱臭フィルターについて図9を参照しながら説明する。
【0004】
図に示すように、方形の升目を備えたネット101を構成する線材102の周囲のみに接着剤により活性炭103を添着して構成する脱臭フィルター105において、ネット101の升目の中央に開口部104を設け、この開口部104の位置を複数枚のネット101で同一の位置になるように重ねて脱臭フィルター105を構成する。
【特許文献1】特開2006−43106号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来の脱臭フィルターでは、一旦添着された活性炭が、取り付け、メンテ時等に脱離することがあり、それにより脱臭性能が低下するため、活性炭が脱離しないようにする脱臭フィルターが要求されている。
【0006】
本発明は、このような従来の課題を解決するもので、脱臭基材にオーバーコート剤を塗付して活性炭の脱離を防止する機能を持つ脱臭フィルターを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の脱臭フィルターは上記目的を達成するために、脱臭基材を、接着剤を塗付した活性炭保持体に活性炭を保持して構成し、この脱臭基材にオーバーコート剤を塗付した構成としている。この接着剤には、ホットメルトを使用することができる。
【0008】
この手段により、オーバーコート剤を塗布して活性炭同士を接着して活性炭保持体からの活性炭脱離を防止できる脱臭フィルターが得られる。
【0009】
また、他の手段は、脱臭基材を通気性の良いネット状のカバー材で覆った構成とする。
【0010】
この手段により、活性炭に直接触れることを防ぐことができ、活性炭が脱離した場合でも外部への飛び出しを防止できる脱臭フィルターが得られる。
【0011】
また、他の手段は、カバー材は熱溶着可能な材質として周囲を熱溶着して脱臭基材を閉じ込めた構成とする。
【0012】
この手段により、カバー材の周囲を熱溶着して脱臭基材を閉じ込めることで1枚の脱臭フィルターとすることが可能となる。
【0013】
また、他の手段は、オーバーコート剤で脱臭基材とカバー材を接着した構成とする。
【0014】
この手段により、風に対するカバー材の揺れを抑制して活性炭の脱離防止を可能にする脱臭フィルターが得られる。
【0015】
また、他の手段は、活性炭保持体は格子形状であるものである。この手段により、活性炭をフィルター面に均一に添着することができ、また、格子の密度を変えることによって、添着する活性炭重量、圧力損失を調整することができる。
【0016】
また、他の手段は、活性炭は粒状、粉末あるいはペレット状であるものである。この手段により、活性炭を活性炭保持体に均一に添着することができる。また、活性炭の粒度を変えることによって、添着する活性炭重量、圧力損失を調整することができる。
【0017】
また、他の手段は、活性炭に添着剤を塗付して化学吸着を可能にした構成とする。
【0018】
この手段により、特定臭気の脱臭性能を向上させることを可能にし、異なる添着剤を塗付した活性炭を混ぜ合わせると複数の特定臭気の脱臭性能を向上させることが可能になる脱臭フィルターが得られる。
【0019】
また、他の手段は、脱臭基材を2枚以上重ねた構成とする。
【0020】
この手段により、脱臭性能を向上させることが可能となり、脱臭基材を同一形状にすると格子の開口を合わせれば圧力損失の増加を抑えた脱臭フィルターが得られる。
【0021】
また、他の手段は、複数枚の脱臭基材を固定する固定部材を有した構成とする。
【0022】
この手段により、2枚以上の脱臭基材格子の開口部を合わせて固定部材で固定でき、圧力損失の低減を可能にした脱臭フィルターが得られる。
【0023】
また、他の手段は、固定部材として、活性炭保持体に位置決め用のリブを設け、このリブを複数枚重ねた脱臭基材の格子を通して位置決めを行うものである。
【0024】
この手段により、2枚以上の脱臭基材格子の開口部を合わせて固定部材で固定でき、圧力損失の低減を可能にした脱臭フィルターが得られる。
【0025】
また、他の手段は、固定部材として、カバー材に位置決め用リブを設け、このリブを複数の脱臭基材の格子を通して位置決めを行うものである。
【0026】
この手段により、2枚以上の脱臭基材格子の開口部を合わせて固定部材で固定でき、圧力損失の低減を可能にした脱臭フィルターが得られる。
【0027】
また、他の手段は、1枚の脱臭基材シートを折り返して重ねた構成とする。
【0028】
この手段により、脱臭基材の折り返し側と反対側を固定するだけで位置規制が可能になる脱臭フィルターが得られる。
【0029】
また、他の手段は、活性炭保持体の格子は、開口寸法10〜14mm、線径1〜2.5mmとし、活性炭は、粒度6−10メッシュのものを使用して脱臭基材を構成したものである。
【0030】
この手段により、脱臭基材を2枚重ねた場合、452×202mmあたり活性炭重量250g以上添着し、圧力損失が20Pa以下となる脱臭フィルターが得られる。
【0031】
また、他の手段は、活性炭保持体は、透明である、または、白色、若しくは薄い色を着色したものである。この手段により、活性炭の添着度合いを容易に確認することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、オーバーコート剤を塗布して活性炭同士を接着して活性炭保持体からの活性炭脱離を防止できる脱臭フィルターを提供できる。
【0033】
また、活性炭に直接触れることを防ぐことができ、活性炭が脱離した場合でも外部への飛び出しを防止できる脱臭フィルターを提供できる。
【0034】
また、脱臭基材を閉じ込めた1枚の脱臭フィルターとなる脱臭フィルターを提供できる。
【0035】
また、風に対するカバー材の揺れを抑制して活性炭の脱離防止を可能にした脱臭フィルターを提供できる。
【0036】
また、粒度の大きな活性炭を添着しても脱臭基材を2枚重ねた時の圧力損失が20Pa以下となる脱臭フィルターを提供できる。
【0037】
また、脱臭基材を2枚重ねた場合、活性炭添着重量が452×202mmあたり250g以上で圧力損失が20Pa以下となる脱臭フィルターを提供できる。
【0038】
また、特定臭気の脱臭性能を向上させることを可能にし、更に複数の特定臭気の脱臭性能を向上させることも可能とする脱臭フィルターを提供できる。
【0039】
また、脱臭性能を向上させ、圧力損失の増加を抑えた脱臭フィルターを提供できる。
【0040】
また、2枚以上の脱臭基材格子の開口部を合わせて固定して圧力損失の低減を可能にする脱臭フィルターを提供できる。
【0041】
また、脱臭基材の折り返し側と反対側を固定するだけで位置規制が可能となる脱臭フィルターを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
本発明の請求項1記載の発明は、脱臭基材を、接着剤を塗付した活性炭保持体に活性炭を保持して構成し、この脱臭基材にオーバーコート剤を塗付した構成のものであり、オーバーコート剤を塗布して活性炭同士を接着して活性炭保持体からの活性炭脱離を防止できる脱臭フィルターが得られる。
【0043】
また、本発明の請求項2記載の発明は、接着材としてホットメルトを使用したものであり、オーバーコート剤を塗布して活性炭同士を接着して活性炭保持体からの活性炭脱離を防止できる脱臭フィルターが得られる。
【0044】
また、請求項3記載の発明は、脱臭基材を通気性がよく、活性炭を通過させないネット状のカバー材で覆うことにより、取り扱い時、活性炭に直接触れることを防げ、活性炭が脱臭基材から脱離した場合でもネットを通り抜けて外部へ飛び出すことを防止できるという作用を有する。
【0045】
また、請求項4記載の発明は、カバー材は熱溶着可能な材質として周囲を熱溶着して脱臭基材を閉じ込めて、1枚の脱臭フィルター形状として得られ、また脱臭基材から脱離した場合でも活性炭を外部へ飛び出さないようにできるため脱臭性能を確保すると共に、お客様が活性炭に触れることはないようにできるという作用を有する。
【0046】
また、請求項5記載の発明は、オーバーコート剤で脱臭基材とカバー材を接着して風に対するカバー材の揺れを抑制して活性炭の脱離防止を可能にするという作用を有する。
【0047】
また、請求項6記載の発明は、活性炭保持体は格子形状であるものであり、活性炭をフィルター面に均一に添着することができ、また、格子の密度を変えることによって、添着する活性炭重量、圧力損失を調整することができる。
【0048】
また、請求項7記載の発明は、活性炭は粒状、粉末あるいはペレット状であるものであり、活性炭を活性炭保持体に均一に添着することができる。また、活性炭の粒度を変えることによって、添着する活性炭重量、圧力損失を調整することができる。
【0049】
また、請求項8記載の発明は、活性炭に添着剤を塗付して化学吸着を可能にし、アンモニア、酢酸、アセトアルデヒドの脱臭性能を向上させ、異なる添着剤を塗付した活性炭を混ぜ合わせて更に臭気の脱臭性能を向上させるという作用を有する。
【0050】
また、請求項9記載の発明は、同一形状の脱臭基材を2枚以上重ねることで、脱臭性能の向上を可能にし、格子の開口を合わせれば圧力損失の増加を抑えるという作用を有する。
【0051】
また、請求項10記載の発明は、複数枚の脱臭基材を固定する固定部材を有した構成であり、2枚以上の脱臭基材格子の開口部を合わせて固定部材で固定でき、圧力損失の低減を可能にした脱臭フィルターが得られる。
【0052】
また、請求項11記載の発明は、固定部材として、活性炭保持体に位置決め用のリブを設け、このリブを複数枚重ねた脱臭基材の格子を通して位置決めを行うものであり、2枚以上の脱臭基材格子の開口部を合わせて固定部材で固定でき、圧力損失の低減を可能にした脱臭フィルターが得られる。
【0053】
また、請求項12記載の発明は、固定部材として、カバー材に位置決め用リブを設け、このリブを複数の脱臭基材の格子を通して位置決めを行うものであり、2枚以上の脱臭基材格子の開口部を合わせて固定部材で固定でき、圧力損失の低減を可能にした脱臭フィルターが得られる。
【0054】
また、請求項13記載の発明は、1枚の脱臭基材シートを折り返して重ねて、2枚の脱臭基材を重ねたものと略同一の使用量となるようにし、脱臭基材の折り返し側と反対側を固定するだけで位置規制を可能にするという作用を有する。
【0055】
また、請求項14記載の発明は、活性炭保持体の格子は、開口寸法10〜14mm、線径1〜2.5mmとし、活性炭は、粒度6−10メッシュのものを使用して脱臭基材を構成したものであり、脱臭基材を2枚重ねた場合、452×202mmあたり活性炭重量250g以上添着し、圧力損失が20Pa以下となる脱臭フィルターが得られる。
【0056】
また、請求項15記載の発明は、活性炭保持体は、透明である、または、白色、若しくは薄い色を着色したものであり、活性炭の添着度合いを容易に確認することができる。
【0057】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0058】
(実施の形態)
図1〜図8に示すように、黒色の活性炭保持体1は452×202mmの寸法の格子形状で、格子の開口寸法2を10〜14mm、格子の線径3を1〜2.5mmにする。活性炭保持体1の1本毎の線には、ホットメルト4を塗付して1枚の活性炭保持体1に塗付するホットメルト4は2g以上とする。活性炭5は、ヤシ殻を破砕し、90%以上が6−10メッシュの粒度であるものを使用する。この活性炭5に添着剤を塗布し、活性炭保持体1にホットメルト4により接着して脱臭基材6とする。この脱臭基材6は開口部7が大きく取れ、通気性が良い。次に、脱臭基材6に粘着性のあるホットメルト4のオーバーコート剤8をスプレー式により塗付して活性炭5同士あるいは活性炭保持体1と活性炭5を接着する。脱臭基材6は同一形状のものを2枚以上重ねて脱臭基材6格子の開口部7を合わせるようにする。このとき、複数枚の脱臭基材6を固定するために、紐、樹脂或いは金属製の固定部材9を使用するとよい。また、1枚の脱臭基材シート10を折り返して重ねることによって、位置決めをしやすくすることができる。このように作成した脱臭基材6の周囲は、活性炭5を通過させない目サイズのネット状で熱溶着可能な材質のカバー材11によって覆い、カバー材11の4辺を熱溶着12して閉じ、脱臭基材6を閉じ込める。脱臭基材6とカバー材11は脱臭基材6に塗付したオーバーコート剤8によって接着する。ここで、オーバーコートとは、活性炭の表面を接着剤などでコーティングし、活性炭同士、あるいは活性炭と活性炭保持体1との接着を行うことをいう。
【0059】
上記構成によって、脱臭基材6のオーバーコート剤8が、取り付け、メンテ時や輸送中の振動における活性炭保持体1あるいは脱臭基材6からの活性炭5脱離を防止する効果を発揮し、脱離による脱臭性能低下を起こさないようにする。さらに、風向と平行な方向に更に活性炭5を乗せてオーバーコートすると、圧力損失が上昇せずに活性炭5の量をアップさせることができ、脱臭性能を上げることが可能となる。また、取り扱い時、カバー材11があるため活性炭5に直接触れることを防止し、活性炭5が脱臭基材6から脱離した場合でもカバー材11を通り抜けて外部へ飛び出すことがない。また、複数の脱臭基材6を使用した場合でもカバー材11で覆って1枚の脱臭フィルター13として構成することができる。カバー材11で脱臭基材6を覆っているため、脱臭基材6から活性炭5が脱離した場合でも、活性炭5が外部へ漏れず、使用者が活性炭5に触れることはなく脱臭性能も確保できる。また、脱臭基材6とカバー材11の接着によって、風に対するカバー材11の揺れを抑制して活性炭5の脱離防止を可能にする。
【0060】
また、ヤシ殻を破砕したもので、90%以上が6−10メッシュのような比較的大きな粒度の活性炭5を、前記の1枚452×202mmの脱臭基材6に添着する。1枚あたりの活性炭5添着料は、125g以上で、この脱臭基材6を2枚重ねた場合、活性炭重量が250g以上となって、添着重量が大きくて圧力損失が20Pa以下の低圧力損失の長寿命を実現できる脱臭フィルター13を得ることができる。
【0061】
また、脱臭基材6の開口部7を大きくすることによって、複数枚重ね合わせた時のズレによる圧力損失を小さくすることができ、オーバーコートによる圧力損失上昇の影響も小さくなる。
【0062】
また、添着剤付きの活性炭5を使用することにより、化学吸着でアンモニア、酢酸、アセトアルデヒドの脱臭性能を向上させ、異なる添着剤を塗付した活性炭5を混ぜ合わせて更に脱臭性能を向上させることができる。
【0063】
また、脱臭基材6を同一形状とすることで2枚以上重ねても格子の開口部7が合って、圧力損失の増加を抑えることができる。さらに、固定部材9を使用して2枚以上の脱臭基材6の開口部7を合わせて動かないように固定することにより、いっそう圧力損失の増加を抑えることができる。また、1枚の脱臭基材シート10を折り返して重ねる構成は、2枚の脱臭基材6を重ねる構成と略同一の材料使用量となるが、脱臭基材6作製の作業工程が1工程減ってコスト合理化を実現できると共に、片側は折り返しで固定されているため脱臭基材6が動きにくくなり位置規制がし易くなり、更に脱臭基材6の折り返し側の反対側を固定するだけで確実に位置規制できる。
【0064】
なお、オーバーコート剤8には粘着性のあるホットメルト以外にも接着性を有するものについて適用し、粘着性はなくてもよい。
【0065】
なお、オーバーコートは、スプレー方式以外にオーバーコート剤8を満たした槽に漬けるティップ方式或いはオーバーコート剤8をハケやロール等で塗る方法がある。
【0066】
なお、本実施の形態では、活性炭保持体1は黒色としているが、白色、着色、透明に変えてもよい。このようにすると黒色である活性炭5の付き具合、ムラが識別できる。
【0067】
なお、カバー材11は着色したものにするとフィルターを識別可能にすることができる。
【0068】
なお、本実施の形態では、カバー材11は熱溶着12して接着するとしているが、両面テープ等のシール材を使用して接着してもよい。
【0069】
また、オーバーコート剤8は脱臭基材6に塗布してカバー材11と接着するとしているが、カバー材11にオーバーコート剤8を塗付してもよい。
【0070】
なお、活性炭5の粒度は90%以上が6−10メッシュとしているが添着重量によっては90%以上が8−20メッシュ、6−20メッシュ、10−14メッシュのように粒度を変えたものや、単一の粒度の活性炭5を使用してもよい。この場合、保持体1格子の開口寸法2は3〜10mm、格子の線径3は0.5〜2mmのものが適している。
【0071】
なお、活性炭保持体1は格子形状としているが、開口部の形状が丸、四角、ひし形、歪形状等通気可能な形状であればどのような形状でもよい。
【0072】
なお、活性炭保持体1は通常樹脂を使用するが、金属等別の材質でも良い。
【0073】
なお、活性炭5は破砕した活性炭を使用するとしているが、ペレット、粉末等別の形状でも良い。
【0074】
なお、活性炭5には添着剤を塗付するとしているが、塗付しなくても良い。
【0075】
なお、固定部材9でなくても活性炭保持体1自身に位置決めリブ等を設けても良い。
【0076】
なお、固定部材9でなくても脱臭基材6に塗布したオーバーコート剤8にて脱臭基材6の開口部7を合わせて脱臭基材6同士を接着固定しても良い。
【0077】
なお、脱臭基材6を折り返すのではなく、初めからコの字形状であっても良い。
【0078】
なお、脱臭基材6の折り返しは2重でなくてもそれ以上に折り返しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0079】
空気清浄機などの空調機器に対し、一旦添着された活性炭が取り扱い等で脱離することによって脱臭性能が低下することを防ぐことが必要な場合に、脱臭基材にオーバーコート剤を塗付という構成を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の実施の形態の脱臭フィルターの活性炭保持体の概略図
【図2】同脱臭フィルターの活性炭保持体の拡大図
【図3】同脱臭フィルターの脱臭基材の概略図
【図4】同脱臭フィルターの固定部材を使用したときの概略図
【図5】同脱臭フィルターの脱臭基材シートを折り返したときの断面図
【図6】同脱臭フィルター概略図
【図7】同脱臭フィルターの断面図
【図8】同脱臭フィルターの断面拡大図
【図9】他の従来の脱臭フィルターの構成図
【符号の説明】
【0081】
1 活性炭保持体
2 開口寸法
3 線径
4 ホットメルト
5 活性炭
6 脱臭基材
7 開口部
8 オーバーコート剤
9 固定部材
10 脱臭基材シート
11 カバー材
12 熱溶着
13 脱臭フィルター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱臭基材は、接着剤を塗付した活性炭保持体に活性炭を保持して構成し、前記脱臭基材にオーバーコート剤を塗付した脱臭フィルター。
【請求項2】
前記脱臭基材に塗布する接着剤は、ホットメルトであることを特徴とする請求項1記載の脱臭フィルター。
【請求項3】
脱臭基材はカバー材で覆って外部への飛び出しを防止した請求項1または2記載の脱臭フィルター。
【請求項4】
カバー材は熱溶着可能な材質であり、周囲を熱溶着して脱臭基材を閉じ込めた請求項3記載の脱臭フィルター。
【請求項5】
オーバーコート剤によって脱臭基材とカバー材を接着した請求項3記載の脱臭フィルター。
【請求項6】
活性炭保持体は格子形状であることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の脱臭フィルター。
【請求項7】
活性炭は粒状、粉末あるいはペレット状であることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の脱臭フィルター。
【請求項8】
活性炭に添着剤を塗付して化学吸着を可能にする活性炭を有した請求項1〜7いずれかに記載の脱臭フィルター。
【請求項9】
脱臭基材は2枚以上重ねた構成とした請求項1〜8いずれかに記載の脱臭フィルター。
【請求項10】
2枚以上の脱臭基材は、開口部のずれ防止用としての固定部材を有する請求項9記載の脱臭フィルター。
【請求項11】
固定部材として活性炭保持体に位置決め用のリブを設け、このリブを複数枚重ねた脱臭基材の格子を通して位置決めを行う請求項10記載の脱臭フィルター。
【請求項12】
脱臭基材を2枚以上重ねて構成し、カバー材に位置決め用リブを設け、このリブを複数の脱臭基材の格子を通して位置決めを行う請求項3〜5いずれかに記載の脱臭フィルター。
【請求項13】
脱臭基材は、1枚のシートを折り返して重ねた構成とした請求項1〜8いずれかに記載の脱臭フィルター。
【請求項14】
活性炭保持体の格子は、開口寸法10〜14mm、線径1〜2.5mmとし、活性炭は、粒度6−10メッシュのものを使用して脱臭基材を構成した請求項1〜13いずれかに記載の脱臭フィルター。
【請求項15】
活性炭保持体は、透明である、または、白色、若しくは薄い色を着色したことを特徴とする請求項1〜14いずれかに記載の脱臭フィルター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−212325(P2008−212325A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−52482(P2007−52482)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】