説明

脱臭材及びこれを用いた電気掃除機

【課題】電気掃除機に搭載される脱臭用のための脱臭材において、その取り扱い性を向上すること。
【解決手段】塵埃を収集する集塵部と、電動送風機と、電源コード巻取り装置と、前記集塵部より通気上流部に設けた固形体の脱臭材42を収納する脱臭材収納部と、前記脱臭材収納部に設けた切削体65とを備え、脱臭材42は少なくとも長手方向の各稜線にR付けを施して略直方体状に形成したもので、装着時に脱臭材を、脱臭材収納部の端部と当接させたり、誤って落下させたりした場合に、角部に欠けが発生することを防止でき、取り扱い性が向上するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扱い易く生産性の高い脱臭材と、この脱臭材を用いて吸引した塵埃の臭気を除去し、排気の臭気を低減することができる電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から電気掃除機の排気脱臭に関しては、排気経路に脱臭フィルターを搭載する構成のものが提案されており、近年では光触媒の酸化作用により脱臭する思想のものが見受けられる(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3238055号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の排気経路に脱臭フィルターを搭載する方法では、電気掃除機の吸引量が大きいため、脱臭フィルターと臭気を含む排気空気との接触時間が短くなり、脱臭効率が小さく臭気の低減も小さいという課題を有するものであった。
【0004】
本発明は、上記の課題を解決するものであり、扱い易く生産性が高い脱臭材とこの脱臭材を直接集塵部に投入し、塵埃の臭気を除去することにより、排気の臭気を大幅に低減できる電気掃除機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従来の課題を解決するために、本発明は、塵埃を収集する集塵部と、電動送風機と、電源コード巻取り装置と、前記集塵部より通気上流部に設けた固形体の脱臭材を収納する脱臭材収納部と、前記脱臭材収納部に設けた切削体とを備え、前記脱臭材は少なくとも長手方向の各稜線にR付けを施した略直方体に形成したもので、装着時に収納部の端部と当接させたり、誤って落下させたりした場合に角部のかけ発生を防止できるので取り扱い性が良いものである。
【0006】
そして、電源コード巻取り装置の巻取り動作あるいは引き出し動作に連動して前記切削体を摺動させ、前記固形体の脱臭材を前記切削体で切削して粉化し、粉化した固形体脱臭材を集塵部の吸引した塵埃に直接投入することで、強力に塵埃の臭気を除去し、使用時だけでなく静置時にも脱臭できるため、集塵部内での臭気の滞留が低減され、次回の掃除機使用時、特に臭気レベルの高い使用の初期時にも排気臭気の低減を図ることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の脱臭材は扱い易く、又電気掃除機は、簡便な手段により塵埃の臭気を除去することにより、排気の臭気を大幅に低減する電気掃除機とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、少なくとも長手方向の各稜線にR付けを施した、粉末脱臭材をバインダーにより略直方体に固形化した脱臭材であり、装着時に収納部の端部と当接させたり、誤って落下させたりした場合に角部のかけ発生を防止できるので取り扱い性が良いものである。
【0009】
第2の発明は、第1の発明における脱臭材を押し出し成型により前記長手方向に押し出して製造したものであり、成型と同時に稜線へのR付けが可能となり生産性を著しく高めることができる。
【0010】
第3の発明は、塵埃を収集する集塵部と、電動送風機と、電源コード巻取り装置と、前記集塵部より通気上流部に設けられ、第1または第2の発明の脱臭材を収納する脱臭材収納部と、前記脱臭材収納部に設けられた切削体とを備え、前記電源コード巻取り装置の巻取り動作あるいは引き出し動作に連動して前記脱臭材を切削体により切削し、吸引した塵埃に直接前記切削された脱臭材を投入する構成としたもので、電源コード巻取り装置の巻取り動作あるいは引き出し動作に連動して、吸引した塵埃に直接脱臭材を投入することで、強力に塵埃の臭気を除去し、使用時だけでなく静置時にも脱臭するため、集塵部内での臭気の滞留が低減され、次回に掃除機を使用する時、特に臭気レベルの高い使用の初期時にも排気臭気の低減を図ることができる。
【0011】
第4の発明は、第3の発明の脱臭材収納部の脱臭材と相対する面に、合成樹脂からなる弾性体を設けたので、脱臭材が直接収納部の端面に当接する構成に比較して装着時や切削時に端部がかけるのを防ぐ構成とすることができる。
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0013】
(実施の形態1)
本発明の第1の実施の形態における電気掃除機について、図1〜図12を用いて説明する。図1は、本実施の形態における電気掃除機の全体斜視図、図2は、同電気掃除機の断面図である。
【0014】
図1において、1は掃除機本体で、後部に電動送風機2を内蔵した電動送風機室3が配され、前部に、着脱自在で塵埃を分離捕集するダストボックスユニット4を収納するダストボックス収納部5が配され、後方下部の両側に1対の走行用の車輪6が回転自在に取着され、底面前部には、同じく走行用のキャスター7が取着されている。掃除機本体1の前部には、ホース8の一端に設けた接続パイプ9が着脱自在に接続される吸気口10が設けられている。
【0015】
ホース8の他端には、掃除の際に握る把手11を備えた先端パイプ12が設けられている。13は、伸縮自在或いは継ぎ自在の延長管で、下流側端部が前記先端パイプ12に着脱自在に接続され、他端は、塵埃掻き揚げ用の回転ブラシ14と、その回転ブラシ14を回転駆動するモータ15を内蔵した吸い込み具16に着脱自在に接続される。
【0016】
17は、掃除機本体1の両側面に設けられた透明部で、ダストボックス収納部5に装着されたダストボックスユニット4の透明材料で形成された外郭側面が外から見えるようになっている。
【0017】
18は、弾性材料から形成され掃除機本体1の前側から両側に延設されたバンパーで、掃除機本体1の走行時に家具、柱などに衝突してもそれらに傷をつけないようにするためのもので、また、掃除機本体1に設けた透明部17の外周部分が図に示されるように、弾性材料で形成されている。
【0018】
19は、掃除機本体1を持ち運ぶ際に立てて使用する本体ハンドルで、掃除機本体1の重心を通る垂直線上に回動中心が位置するように掃除機本体1の上部に回動自在に取り付けられている。
【0019】
20は、ダストボックスユニット4を収納する集塵部カバーで掃除機本体1に開閉自在に軸支されている。
【0020】
図2〜3において、掃除機本体1の外郭は、その下部を形成すると共に後方にコードリール(電源コード巻取り装置)22を収納するコードリール収納部23を形成した下ボディ1aと、後部に電動送風機室3を形成した上ボディ1bからなり、電動送風機室3の底部は下ボディ1aで覆われる。21は電動送風機室3とコードリール収納部23を仕切る隔壁であり、隔壁21に軸支部25でコードリール22が回動自在に軸支されている。
【0021】
コードリール22は、図3に示すように電源コード26を巻き付けると共に上下にフランジ部22aを有するドラム部22bと、前記ドラム部22bを電源コード26が巻き取られる方向に付勢するバネ材22cから構成されている。
【0022】
27は、コードリール22に内蔵されたバネ材22cの付勢力に抗して外部に引き出された電源コード26を、コードリール22内に巻き戻す際に操作する巻き戻し釦で、その巻き戻し釦27を下方に押すことにより、ブレーキローラー28によるコードリール22の回動阻止が解除され、コードリール22がバネ材22cの付勢力で電源コード26を巻き上げるようになっている。
【0023】
電動送風機2の前部は、弾性材料からなるサポート前(図示せず)で、後部は、同じく弾性材料からなるサポート後(図示せず)で、電動送風機室3内に支持されている。29は、電動送風機室3とダストボックス収納部5とを仕切る隔壁で、略中央に電動送風機2の吸入開口(図示せず)と連通する格子状の隔壁開口部(図示せず)が設けられている。
【0024】
吸気口10の上方には脱臭材収納部(以下収納部という)30、後方にはパッキン31が設けられ、ダストボックス収納部5の後方下部で隔壁29の側面には、コードリール22の一方のフランジ部22aの外周面に円環状に配された歯車22dと噛み合う伝達ギヤー32が設けられている。そしてギヤーボックス33には伝達ギヤー32と噛み合う偏芯ギヤー34とクランクアーム35が取り付けてあり、クランクアーム35の一端はギヤーボックス33と収納部30に両端を固定したアウターチューブ36の中に収められた連結体としてのワイヤー37に連結されている。そして電源コード26の引き出し動作に連動してコードリール22のフランジ22aが回転すると、その回転力が歯車22d、伝達ギヤー32、偏芯ギヤー34、クランクアーム35に伝達されワイヤー37を往復駆動するようになっている。
【0025】
次に、収納部30の構成について図4〜11を用いて説明する。
【0026】
収納部30は合成樹脂からなる下フレーム38と上フレーム39及び蓋体40を主な構成部品としている。上フレーム39に形成した受け部41には略直方体の脱臭材42が収納されている。脱臭材42は平均粒径20マイクロメートルの粉末状活性炭をコロイダルシリカのバインダーで固めたものである。又脱臭材42は図5及び図6に示す様に押し出し成型により形成し長手方向の稜線にはR付けをしてある、これにより装着時に稜線部が受け部41の端面に当たってかけを発生させるのを防ぐことができる。特に、挿入操作時に持つ手で隠れて端面に当たり易く同一角度でも変異量が大きくなる長手方向の稜線にR付けすることで、生産性の高い押し出し成型工法を可能にしながら、かけの発生を効果的に防止できるものである。本実施の形態では長手方向の稜線にのみR付けしたが圧縮成型工法により全周にR付けしても同様の効果を発揮できる。
【0027】
蓋体40にはバネ43で付勢されて脱臭材42の上面を平面部44で押し圧する押し圧体45が、溝46と突起47で案内されて上下に摺動自在に取り付けられている。そして平面部44には発泡ウレタンゴム等の弾性材で構成した押し圧部48が押し圧体45の平面部44に平行な面を形成して設けてある。この構成によりバネ43の力は脱臭材42の上面に均一に分散されて集中しないので切削中に脱臭材42が割れたり、傾いたまま切削され片減りしたりすることなく均一な切削が可能になる。又、押し圧部48は脱臭材42に密着してこれを保持するので、脱臭材42と切削体との間の摺動抵抗より大きな保持力を発生し、脱臭材42の外形寸法と受け部41の寸法差で生じる隙間で切削中に脱臭材42が変位して切削量が減少したり、受け部41に衝突して破損したりするのを防止する。
【0028】
そして蓋体40は図7に示すように上フレーム39に形成した案内部50に軸部51を嵌合させて上下方向に摺動変位可能に保持されている。さらに蓋体40の両側面には上フレーム39に形成した2箇所の係合爪52と係合する係合部53と図7に詳細な動作状態を示すように押し動作によって前記係合爪52を係合部53から解除する解除体54が揺動自在に取り付けてある。この構成により蓋体40の開閉時、押し圧体45をいつでも脱臭材42に対して上方からまっすぐに当接させられこじることがないので操作力を軽減するとともに脱臭材42を割ったりすることがない。そして蓋体40は常に上フレーム39に取り付いているので着脱操作がやりやすいものである。さらに解除体54を押すことで係合を解除し、そのまま持ち上げることで蓋体40を開けることができるので1回の動作ですませられ使用性が良いと同時に脱臭材42の装着側(前部)の空間を塞がないので、脱臭材42の装着空間を確保することができる。
【0029】
又前記蓋体40は軸部51により案内部50の上端では回動自在であり、さらに図8に示すように案内部50の後ろ端面55と当接して蓋体40を上フレーム39に対して傾斜させて固定できるロック部56を設けてあり、上端より下方では案内部50の前壁57を挟む規制部58を設けているので蓋体40は上フレーム39に対して前後に回動できない構成になっている。そして前記係合部には図6に詳細を示すように係合が完了する直前に外力によらずに自己結合できるさそい面59を設け、集塵部カバー20には図9に示すように蓋体40が傾斜して固定されている状態で閉じた時、蓋体40の軸部51の前方で当接し、蓋体40を前記係合部53のさそい面59を超えて押し下げる当接部60を形成してある。この構成により、蓋体40を開けた状態で脱臭材42の装着空間を広くすることができ装着がし易いとともに、蓋体40を開けたまま誤って集塵カバー20を閉めても蓋体40は自動的に異常なく閉まり、使用性が極めて高くなっている。
【0030】
さらに前記蓋体40は透明の合成樹脂で構成して脱臭材42及び押し圧体45は青色等の異なる色で着色してある。これにより脱臭材42の残量を蓋体40の前方外側から押し圧体45の高さ位置で確認して知ることができ、着色しているので蓋体40の内面が汚れても視認性が高いものである。
【0031】
また下フレーム38はパッキン31に圧入嵌合する投入口61を左右2箇所有しており、内面は前記投入口61に向かって最大傾斜角度が得られるように中央部を最大高さにした傾斜面で構成してある。これにより切削された脱臭材は下フレームの内面に残ることなく自重や走行時の振動で投入口61からパッキン31に落下し、吸引によってダストボックスユニット4に投入され効率的に脱臭効果を発揮させることができる。
【0032】
そして脱臭材42の下方で上フレーム39と下フレーム38との間に形成した空間に合成樹脂製の枠体62に爪部63で挟んで端部を熱溶着(図示せず)して固定されたエキスパンドメタル64からなる切削体65が横方向に摺動自在に保持されている。エキスパンドメタル64は汎用品であり製造原価を低減できる。
【0033】
さらに蓋体40の下側端面は平面とし、上フレーム39の受け部41の外側に合成樹脂からなる平板状の気密性を有する弾性体66を接着材で固定して装着してある。弾性体66はトムソン型等で制作可能であり、インサート成形等の金型投資に比較して投資コストを削減できる。そして弾性体66は図4及び図6に示す様に受け部41の左右両側の一部を受け部41端面の内側に突出させ直接脱臭材42に当てる構成にしている。
【0034】
これにより、脱臭材42は弾性体66の弾性力で保持され、切削体65の変移に追随して受け部41の端面に衝突してかけを生じさせるのを防ぐことができる。本実施の形態では弾性体66は左右両側のみ受け部41内面に突出させているが全周を突出させても同様にかけを防止できるものである。
【0035】
また、枠体62はワイヤー37の一端をボール67とネジ68で固定した断面が円筒形状の連結部69で結合されており、連結部69の外周と圧接する圧接部70−1を有するパッキン70が下フレーム38と上フレーム39の間で圧接して固定されている。71は連結部68を保持し、かつ連結部69と枠体62の結合状態を切り替えて切削体65の変位量を変えて切削量を調整する切り替え部であり、72は前記切り替え部71を外から操作するための切り替え操作部で、切り替え部71と切り替え操作部72は互いに図示しないバネ体で連結されている。この構成により切削体65の駆動部に通じる気密は全てパッキン体70のみで実現できパッキン体70の外側に切り替え操作部72を配することで気密部品を最少にでき、パッキン体70は形状も単純なので簡単な金型でエラストマー材により製作でき投資コストも最小にできる。73は枠隊62と下フレーム38とで挟んで装着されたステンレス製金属板であり、脱臭材の切削粉による磨耗を防ぐものである。
【0036】
上記構成による作用は以下の通りである。
【0037】
電源コード26の引き出し動作に連動してコードリール22のフランジ22aが回転すると、その回転力が歯車22d、伝達ギヤー32、偏芯ギヤー34、クランクアーム35に伝達されワイヤー37を往復駆動し、連結部69が切削体65を往復駆動するようになっている。
【0038】
よって切削刃を構成するエキスパンドメタル64は、脱臭材42の底面を削りながら往復運動することになる。切削された脱臭材の切削粉はエキスパンドメタル64の開口穴から落下し、枠体62を通り、投入口61からパッキン31に溜まる。パッキン31に溜まった粒状化した脱臭材42は掃除機本体1が運転されるとパッキン31側面に設けられた開口穴31aから吸引され、ダストボックスユニット4内に塵埃と吸引される。
【0039】
以上の構成の電気掃除機を用いて、本発明の効果を調べる。
【0040】
上記の掃除機を用いて実部屋の掃除を15分間行った。対照実験として脱臭材なしでも実部屋の掃除を15分間行った。排気臭気に気をつけながら、この掃除実験を10日間続けた。結果は対照実験のものは5日目くらいから排気の臭気が気になったが、本実施の形態のものは10日目の終了時までほとんど気にならなかった。
【0041】
掃除機に吸引された塵埃量を比べてみたところ、10日間の掃除で、本実施の形態も対照実験も、どちらもほぼ30g吸引していた。また本実施の形態の掃除機に設置した脱臭材40は1.2g減量していた。よって、1日あたり平均3gの塵埃を吸引し、0.12gの脱臭材が投入されたことになる。
【0042】
このとき、吸引により収集された塵埃を観察したところ、脱臭材40が粉体として塵埃にまとわりつき、また塵埃と混合されていることが確認された。これは、脱臭材が粉体として投入され、吸引した塵埃と接触、混合されているものである。
【0043】
次に、塵埃を30g吸引したこの状態で1日静置した後、1mの密閉チャンバ内に掃除機をセットし30秒間運転させた。チャンバ内に排気された臭気をパネル6名で実際ににおいをかぎ官能評価した。結果は、本実施の形態は平均の臭気強度が1.8であったのに対して、対照実験は3.0であり、大幅な臭気の低減効果が確認された。
【0044】
臭気強度2がにおいの認知閾値であることを考慮に入れると、臭気強度1.8はにおいとしては検知できても何のにおいかわからないレベルで、高いレベルで臭気の低減ができていることがわかる。
【0045】
以上から、本実施の形態のように、吸引した塵埃に直接脱臭材を投入することで、強力に塵埃の臭気を除去し、使用時だけでなく、静置時にも脱臭するため集塵部内での臭気の滞留が低減し、特に臭気レベルの高い掃除機使用初期時にも排気臭気の低減を図ることができる。また、簡単な構成で脱臭材のかけを防止でき使い勝手の良い切削機構にすることができる。
【0046】
また本実施の形態では、切削刃により固形体の脱臭材を主に粉状にする説明を中心に行ってきたが、粒状にするものでも、問題ないものである。
【0047】
なお、本実施の形態では脱臭材として活性炭を使用したが、活性炭以外にも、シリカ、アルミナ、ゼオライトなどでも、掃除塵埃のような複合臭気を低減させ、同様の効果があるものである。
【0048】
また、切削体と電源コード巻取り装置とを連結する連結体としてワイヤーを例示したが、これに限定されるものではなく、これら両者を連結できるものであれば、どのようなものを用いても問題ない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上のように、本発明にかかる脱臭材及びこれを用いた電気掃除機は、欠けが発生し難く使い勝手が良く又生産性が高い脱臭材であり、切削条件の安定した切削機構を備え、塵埃の臭気を除去して大幅に排気の臭気を低減できるので、各種家庭用、業務用電気掃除機等に広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態1における電気掃除機の全体斜視図
【図2】同電気掃除機の断面図
【図3】同電気掃除機のコードリールの断面図
【図4】同電気掃除機の収納部の構成を示す横断面図
【図5】同電気掃除機の収納部の縦断面図
【図6】同電気掃除機の収納部の受け部を示す図4のA部の拡大図
【図7】(a)同電気掃除機の蓋体の係合状態を示す図4のB部の拡大図(b)同B部の他の拡大図(c)同B部の他の拡大図
【図8】同電気掃除機の蓋体を開けた状態を示す側面図
【図9】同電気掃除機の集塵部カバーを開けた状態を示す部分断面図
【図10】同電気掃除機の蓋体まわりの要部斜視図
【図11】同電気掃除機の蓋体まわりの要部分解斜視図
【符号の説明】
【0051】
1 掃除機本体
2 電動送風機
10 吸気口
22 コードリール(電源コード巻取り装置)
30 脱臭材収納部
37 ワイヤー(連結体)
40 蓋体
42 脱臭材
45 押し圧体
50 案内部
51 軸部
52 係止爪
53 係合部
54 解除体
56 ロック部
58 規制部
59 さそい面
60 当接部
62 枠体
64 エキスパンドメタル
65 切削体
66 弾性体
70 パッキン体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末脱臭材をバインダーにより略直方体に固形化し、少なくとも前記略直方体の長手方向の各稜線にR付けを施した脱臭材。
【請求項2】
押し出し成型により、略直方体の長手方向に押し出して製造した請求項1に記載の脱臭材。
【請求項3】
塵埃を収集する集塵部と、電動送風機と、電源コード巻取り装置と、前記集塵部より通気上流部に設けられ、請求項1または2記載の脱臭材を収納する脱臭材収納部と、前記脱臭材収納部に設けられた切削体とを備え、前記電源コード巻取り装置の巻取り動作あるいは引き出し動作に連動して前記脱臭材を切削体により切削し、吸引した塵埃に直接前記切削された脱臭材を投入する構成とした電気掃除機。
【請求項4】
脱臭材収納部の脱臭材と相対する面に、合成樹脂からなる弾性体を設けた請求項3記載の電気掃除機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−50141(P2007−50141A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−238147(P2005−238147)
【出願日】平成17年8月19日(2005.8.19)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】