腕時計
【課題】視覚的な時刻の強調を視認しやすく、かつ複数の時刻において同時に実現すると共に、デザインの自由度を損なわない腕時計を提供する。
【解決手段】本発明にかかる腕時計は、時刻を示す為に用いられる複数のインデックスが備えられた文字盤と、インデックスのそれぞれが設けられた領域のうち、少なくとも2以上の領域にインデックスを強調するインデックス強調部と、インデックス強調部のそれぞれを制御する制御部と、を備えることを特徴とするものである。
【解決手段】本発明にかかる腕時計は、時刻を示す為に用いられる複数のインデックスが備えられた文字盤と、インデックスのそれぞれが設けられた領域のうち、少なくとも2以上の領域にインデックスを強調するインデックス強調部と、インデックス強調部のそれぞれを制御する制御部と、を備えることを特徴とするものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アナログ表示式の腕時計の時刻を視覚的に強調する構造およびその機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
時刻を強調する腕時計としては、アラーム機能付き腕時計が知られている。アラーム機能付き腕時計は、強調したい時刻またはその直前直後に、聴覚的に時刻を強調することで時刻に特別性を付加し、強調した時刻が何かしらの用事の開始または終了時刻などであることを示すものである。アナログ式腕時計(機械式、電気式の両方を含む)の場合には、単一の時刻を強調するものが多いが、複数の時刻を強調できるものもある。
【0003】
アナログ式腕時計のアラーム機能付き腕時計は、聴覚的に時刻を強調するものであるが、アラーム時刻を設定するために、一時的または長時間において視覚的にも時刻を強調するものがある。例えばアナログ式腕時計の場合は、通常の時針、分針および秒針(秒針は備えていない場合もある)に加えて、1本のアラーム時刻設定針を備え、アラーム時刻設定針をアラーム時刻に合わせることにより、アラームの設定を行うと共に視覚的に時刻を強調することができる。しかしながら、このような強調手段の場合、現在時刻の誤認を防ぐためにアラーム時刻設定針が時針、分針および秒針よりも細く目立たないように作られているため、読み取り難く、また、アラーム時刻設定針は1本のみのため、強調できる時刻は1回に限定された。
【0004】
そこで、時刻の視覚的な強調を複数の時刻において行えるものとして、特許文献1の構造がある。特許文献1は、文字盤の外円周上に複数個のアラーム時刻設定用のボタンスイッチが配設されており、さらにアラーム設定がオンになるとボタンが発光するため、アラーム時刻設定針よりも明確に、そして複数の時刻を同時に、視覚的に強調することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−198880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、アナログ式腕時計は、機械式と、クオーツ式に代表される電気式の物が存在するが、共に文字盤の内部に複数の輪列などの複雑な機構が存在している。ゆえに特許文献1のようにボタンを発光させるなどの電気的な時刻の強調手段を実施しようとした場合、文字盤内部の計時機構への弊害を避けるため、文字盤の外側に時刻の強調手段を設ける必要があった。しかしながら、文字盤の外側に時刻の強調手段を設けた場合、腕時計が大型化し、デザインの自由度を下げるという問題があった。
【0007】
そこで、本発明はこのような事情に考慮してなされたもので、その目的は、視覚的な時刻の強調を視認しやすく、かつ複数の時刻において同時に実現すると共に、デザインの自由度を損なわない腕時計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の目的を達成するために、以下の手段を提供する。
本発明にかかる腕時計は、時刻を示す為に用いられる複数のインデックスが備えられた文字盤と、インデックスのそれぞれが設けられた領域のうち、少なくとも2以上の領域にインデックスを強調するインデックス強調部と、インデックス強調部のそれぞれを制御する制御部と、を備えることを特徴とするものである。
係る腕時計は、文字盤に供えられたインデックスの領域にインデックス強調部を備えることにより、腕時計を大型化することなく時刻を視覚的に強調することができる。ゆえにデザインの自由度を保つことができる。
【0009】
本発明にかかる腕時計のインデックス強調部は、インデックスを備えることを特徴とするものである。
係る腕時計は、インデックスが時刻の指示と時刻の強調の両方の役割を果たすことにより、インデックスに加えてインデックスの領域に付加的な構造物を設けずに時刻を強調できるため、デザインの自由度をより保つことができる。
【0010】
本発明にかかる腕時計の文字盤は、開口部を備え、インデックス強調部は、第1色彩部分と第2色彩部分を有する色彩部材を備え、制御部は、色彩部材を動かすことにより、開口部における色彩部材の色彩を、第1色彩部分または第2色彩部分に変更するものであり、インデックスは、開口部と開口部における第1色彩部分または第2色彩部分とにより構成されることを特徴とする。
係る腕時計は、文字盤におけるインデックスの色彩を変化させることにより、インデックスを強調できるので、強調された時刻の視認がし易くなる。また、インデックスの色彩のみを変化させて時刻を強調することにより、デザインの自由度をより保つことができる。
【0011】
本発明にかかる腕時計の色彩部材は、回転部材であり、制御部は、回転部材を回転させることにより、第1色彩部分または第2色彩部分の何れかを開口部に選択的に移動させることを特徴とするものである。
係る腕時計は、色彩部分を回転部材とすることで、歯車などを使った簡易な構造設計で制御することが可能になる。
【0012】
本発明にかかる腕時計の回転部材は、文字盤に対して垂直方向に回転する歯車であり、第1色彩部分と第2色彩部分とは、歯車の文字盤に対向する面に配色されていることを特徴とするものである。
係る腕時計は、歯車自体をインデックスとすることで、部品数を減らすことができると共に、より簡易な構造設計で制御することが可能になる。
【0013】
本発明にかかる腕時計の回転部材は、文字盤に対して平行方向に回転する歯車であり、第1色彩部分と第2色彩部分とは、歯車の文字盤に対向する面に配色されていることを特徴とするものである。
係る腕時計は、歯車自体をインデックスとすることで、部品数を減らすことができると共に、より簡易な構造設計で制御することが可能になる。
【0014】
本発明にかかる腕時計の回転部材は、文字盤に対して垂直方向に回転面を有し、長手方向を軸として回転する回転棒であり、第1色彩部分と第2色彩部分とは、回転棒の文字盤に対向しうる面に配色されていることを特徴とする。
係る腕時計は、インデックスをバーインデックスとすることで、バーの形状(長さや柱状)においてデザインの自由度があるため、よりデザインの自由度を保つことができる。
【0015】
本発明にかかる腕時計の回転部材は、文字盤に対して平行方向に回転する回転羽根であり、第1色彩部分と第2色彩部分とは、回転羽根の文字盤に対向する面に配色されていることを特徴とするものである。
係る腕時計は、二色に配色された回転羽根を動かすことにより、インデックスの色を変化させることで、インデックスの強調を容易に行うことができる。
【0016】
本発明にかかる腕時計の色彩部材は、第1色彩部分または第2色彩部分のいずれか一方を固定部材とし、他方を可動部材とし、制御部は、可動部材を可動し、開口部に固定部または可動部を配置し、開口部における色彩部材の色彩を、第1色彩部分または第2色彩部分に変更するものであることを特徴とするものである。
係る腕時計は、第1色彩部分と第2色彩部分をそれぞれ別の部材とすることで、可動部材が着色や細かな配色が困難な材料であっても利用することができる。また、固定部材や可動部材そのものの色彩を活かすことができるため、デザインや材料選択の自由度が向上する。
【0017】
本発明にかかる腕時計のインデックス強調部は、文字盤に対して垂直方向に可動であり、制御部は、インデックス強調部の文字盤からの高さを制御することを特徴とするものである。
係る腕時計は、インデックスを文字盤から盛り上がらせる、もしくは凹ませることで立体的にインデックスを強調することができるため、視認性を向上させることができる。
【0018】
本発明にかかる腕時計のインデックス強調部は、カムを備え、制御部は、カムを回転させることにより、インデックス強調部の文字盤からの高さを制御することを特徴とするものである。
係る腕時計は、カムを備えることで、インデックスの高さを容易に変化させることができる。ゆえに設計を簡素化できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明による腕時計は、文字盤に供えられたインデックスの領域にインデックス強調部を備えることにより、腕時計を大型化することなく時刻を視覚的に強調することができる。ゆえにデザインの自由度を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る腕時計を文字盤2の上面から見た図。
【図2】腕時計の上位四層を分解して示した図。
【図3】第1実施形態におけるポインタ盤7と制御部19の構造を拡大して示した図。
【図4】第1実施形態におけるポインタ盤7と制御部19の断面を示した図。
【図5】第2実施形態におけるポインタ盤7と制御部19の構造を拡大して示した図。
【図6】第2実施形態におけるポインタ盤7と制御部19の断面を示した図。
【図7】第3実施形態におけるポインタ盤7と制御部19の構造を拡大して示した図。
【図8】第3実施形態におけるポインタ盤7と制御部19の断面を示した図。
【図9】第4実施形態におけるポインタ盤7と制御部19の構造を拡大して示した図。
【図10】第4実施形態におけるポインタ盤7と制御部19の断面を示した図。
【図11】第5実施形態におけるポインタ盤7と制御部19の構造を拡大して示した図。
【図12】第5実施形態におけるポインタ盤7と制御部19の断面を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
以下、本発明にかかる第1実施形態の構造を図1から図4を参照して説明する。
図1は、本発明に係る腕時計を文字盤2の上面から見た図である。なお、この腕時計は図示しない従来同様のアナログクオーツムーヴメントの内部機構を有し、ステッパーモーター、歯車の輪列、電子回路(発振回路、分周回路、駆動回路)、水晶振動子、電池で駆動する。ただし、内部の計時機構はこの限りではなく、機械式腕時計の計時機構を内蔵していてもよく、またクオーツ式以外の電気式腕時計の計時機構を内蔵していてもよい。
【0022】
本実施形態の腕時計は、ケース1の内部にアナログ表示式の文字盤2が備えられている。文字盤2は中抜きのドーナツ状の円盤であり、円周上には円周を十二等分するように十二か所に棒状の開口窓11が開けられている。ただし、開口窓11は十二か所に限定する必要はなく、また、必ずしも円周上を均等分するように設ける必要はない。開口窓11の内部(Z方向)下側にはインデックス歯車9が設けられており、開口窓11からインデックス歯車9の一部を見ることができる。インデックス歯車9は、その側面外周を二色に配色された歯車となっており、ポインタ調整・マーカー設定部10を文字盤2の中心方向に向かって押しながら操作することにより、回転させることができ、開口窓11から見える色彩を変化させることができる。インデックス歯車9の二色の色彩のうち、一色を文字盤2の色彩に対して非常に目立つ色(強調色)とすることで、強調色になっている時刻を強調させることができ、強調された時刻に特別性を付加することができる。文字盤2の中抜き部分の一段下にはマーカー設定用ポインタ8を備えた円盤状のポインタ盤7が備えられている。マーカー設定用ポインタ8は、ポインタ調整・マーカー設定部10を操作することにより、ポインタ盤7と同心円上を回転できるようになっている。ポインタ盤7の中心には、時針4、分針5、秒針6が備えられている。時針4、分針5、秒針6は、竜頭3を操作することにより、時刻を調整することができるようになっている。
【0023】
図2は、図1に示した腕時計の上位四層を分解して示した図(ケース1を除く)である。まず最上層である一層目に時針4、分針5、秒針6が配置される。その下の層である二層目に、開口窓11が設けられた文字盤2が配置される。さらにその下の層である三層目にマーカー設定用ポインタ8が備えられたポインタ盤7が配置される。四層目には、開口窓11から見えるインデックス歯車9の色彩を制御する制御部19が配置される。
【0024】
図3は、ポインタ盤7と制御部19の構造を拡大して示した図である。ポインタ盤7のZ方向下側には、順に二番大歯車13と一番大歯車14が配置される。(状態A)は、マーカー設定用ポインタ8を動かせる状態である。(状態B)は、インデックス歯車9を動かせる状態である。
【0025】
(状態A)から(状態B)への移行について説明する。ポインタ調整・マーカー設定部10は、ケース1(図1参照)から露出した部分を文字盤2の中心方向に向かって押し込むことにより、ポインタ調整・マーカー設定部10の中心と文字盤の中心を結んだ直線上において、ポインタ調整・マーカー設定部10の中心軸を動かすことができるようになっている。これにより、押し込まれた力で、第一レバー17によりポインタ調整・マーカー設定部10と繋がった一番ピニオン15が逃げ、第二レバー18により一番ピニオン15と繋がった二番ピニオン16がポインタ盤7側に引き寄せられ、一番ピニオン15との噛み合いである(状態A)から、二番ピニオン16との噛み合いである(状態B)に移行することができるようになっている。
【0026】
(状態A)において、一番ピニオン15は、一番大歯車14と噛み合う。ポインタ盤7と一番大歯車14は、中心軸において繋がっており、連動するようになっている。また中歯車12は、一番大歯車14のZ方向上部において、その中心軸が固定されており、中歯車12のZ方向直上にマーカー設定用ポインタ8が同時に動くように備えられている。(状態B)において、二番ピニオン16は、二番大歯車13と噛み合う。二番大歯車13は、さらに中歯車12と噛み合い、中歯車12はインデックス歯車9とも噛み合っている。インデックス歯車9は、十二か所の開口窓11(図2参照)のZ方向下側にそれぞれ備えられており、全部で十二個ある。
【0027】
図4は、図3のポインタ盤7と制御部19の断面を示した図である。(状態A)は、ポインタ8を、色彩を変化させたいインデックス歯車9に位置させた状態である。(状態A)においては、ポインタ調整・マーカー設定部10は、一番ピニオン15と噛み合っている。一番ピニオン15は、一番大歯車14と噛み合っている。さらに、一番大歯車14とポインタ盤7は中心軸において連結されているので、ポインタ調整・マーカー設定部10を回すと、一番ピニオン15を介して一番大歯車14が回転し、さらにポインタ盤7が回転する。マーカー設定用ポインタ8と中歯車12は、Z軸上において同じ位置にあるので、マーカー設定用ポインタ8を見ながら色彩を変化させたいインデックス歯車9の位置に中歯車12を位置させることで、インデックス歯車9の色彩を変化させる準備が整う。準備が整った状態で、ポインタ調整・マーカー設定部10を内側に押し込むと、(状態B)となる。(状態B)では、ポインタ調整・マーカー設定部10と二番ピニオン16が噛み合っており、さらに二番ピニオン16は二番大歯車13と噛み合っている。二番大歯車13は、クラウン歯車と平歯車の両構造をもつ中歯車12の平歯車部分と噛み合う。中歯車12のクラウン歯車部分はインデックス歯車9と噛み合うので、ポインタ調整・マーカー設定部10を押しながら回すと、二番ピニオン16と二番大歯車13と中歯車12とを介して、インデックス歯車9が回転する。インデックス歯車9が回転することで、開口窓11から見える色彩が変化するので、これにより時刻の強調またはその解除を行うことができる。
【0028】
(第2実施形態)
次に、図5と図6に基づいて第2実施形態について説明する。本実施形態は、制御部19の構造について第1実施形態と相違しており、それ以外の構成、動作手順は第1実施形態とほぼ同様である。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明は省略する。
【0029】
図5は、本実施形態におけるポインタ盤7と制御部19の構造を示した図である。開口窓11(図1,2参照)のZ方向直下には、文字盤2に対して平行方向に回転する二色歯車21がある。二色歯車21は中歯車20と噛み合う平歯車であり、歯車の文字盤2に対向する面が二色に配色されている。配色は、二色のうち一色を強調色にすることで、時刻を強調することができる。例えば、文字盤2が白色である場合、二色歯車21の一色を黒などのインデックスに適当な色とし、もう一色を赤などの強調色にすると、目立ちやすい。二色歯車21は、開口窓11と同数備えられており、全部で十二個ある。ただし、第1実施形態で述べたように、開口窓11の数は必ずしも十二個である必要はなく、二色歯車21の数もまた開口窓11の数に合わせ、十二個でなくてもよい。
【0030】
図6は、図5のポインタ盤7と制御部19の断面を示した図である。(状態A)は、ポインタ8を、色彩を変化させたい二色歯車21に位置させた状態である。(状態A)では、ポインタ調整・マーカー設定部10は、一番ピニオン15を介して一番大歯車14と連動したポインタ盤7を動かすことができる。
【0031】
一方(状態B)では、ポインタ調整・マーカー設定部10は、二番ピニオン16と二番大歯車13と中歯車20を介して二色歯車21を動かすことができる。二色歯車21が回転することで、開口窓11から見える色彩が変化するので、これにより時刻の強調またはその解除を行うことができる。
【0032】
(第3実施形態)
次に、図7と図8に基づいて第3実施形態について説明する。本実施形態は、制御部19の構造について第1実施形態と相違しており、それ以外の構成、動作手順は第1実施形態とほぼ同様である。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明は省略する。
【0033】
図7は、本実施形態におけるポインタ盤7と制御部19の構造を示した図である。ポインタ盤7のZ方向下側には大カム26を挟んで大歯車25が配置してある。ポインタ調整・マーカー設定部22は、現在時刻設定用竜頭3(図1参照)と同様の竜頭形状となっており、(状態A)では一番冠ピニオン23と噛み合うようになっている。ポインタ調整・マーカー設定部22を引くと(状態B)に切り替わり、ポインタ調整・マーカー設定部22と二番冠ピニオン24と噛み合う構造となっている。本実施形態では省略しているが、上記のような竜頭の切り替えを行う際には、ツヅミ車、オシドリ、カンヌキといった切り替え構造を備えている方が望ましい。一番冠ピニオン23とポインタ盤7は噛み合っており、さらにポインタ盤7と大カム26は中心軸において連結している。大カム26はインデックス回転バー27の位置に一致すると、インデックス回転バー27を、中心から外側に向かって押し出すようになっている。インデックス回転バー27は大カム26が外れると元の位置に戻るように構成されている。インデックス回転バー27の外側には中抜き柱状の回転インデックス28が配設されており、インデックス回転バー27が大カム26により外側に押し出されると、インデックス回転バー27の先端部分が回転インデックス28の中空内部に挿入される。インデックス回転バー27及び回転インデックス28は、多角柱であり、インデックス回転バー27が回転インデックス28の内部で回転すると、多角形の角が引っかかることにより、回転インデックス28が回転するようになっている。インデックス回転バー27と回転インデックス28はともに開口窓11(図1,2参照)と同数それぞれ十二個ずつ備えられており、回転インデックス28は、開口窓11の直下になるように配設されている。回転インデックス28の外周側面は、回転インデックス28の回転に伴い開口窓11から見える色彩が変化するように二色に配色されている。
【0034】
図8は、図7のポインタ盤7と制御部19の断面を示した図である。(状態A)は、ポインタ8と大カム26が可動状態であり、ポインタ8が色彩を変化させたいインデックス回転バー27の位置に一致していない状態である。(状態A)においては、ポインタ調整・マーカー設定部22が一番冠ピニオン23と噛み合っている状態である。一番冠ピニオン23は、クラウン歯車と平歯車の両構造をもっており、そのクラウン歯車部分がポインタ調整・マーカー設定部22と噛み合っている。平歯車部分は、ポインタ盤7と噛み合っており、ポインタ盤7は大カム26と連動するので、ポインタ調整・マーカー設定部22を操作すると、マーカー設定用ポインタ8と大カム26が同時に動く。マーカー設定用ポインタ8を見ながら、大カム26を、色彩を変化させたい開口窓11(図1,2参照)に位置させることで、回転インデックス28の色彩を変化させる準備が整う。準備が整った状態で、ポインタ調整・マーカー設定部22を引くと、(状態B)となる。(状態B)では、ポインタ調整・マーカー設定部22と二番冠ピニオン24が噛み合っている。二番冠ピニオン24は、一番冠ピニオン23と同様、クラウン歯車と平歯車の両構造をもっており、そのクラウン歯車部分がポインタ調整・マーカー設定部22と噛み合っている。平歯車部分は、大歯車25と噛み合っている。大歯車25もまたクラウン歯車と平歯車の両構造をもっており、その平歯車部分が二番冠ピニオン24と噛み合っている。大歯車25のクラウン歯車部分は、インデックス回転バー27と噛み合っており、ポインタ調整・マーカー設定部22を操作すると、インデックス回転バー27と回転インデックス28を回すことができる。インデックスバーが回転することで、開口窓11から見える色彩が変化するので、これにより時刻の強調またはその解除を行うことができる。
【0035】
(第4実施形態)
次に、図9と図10に基づいて第4実施形態について説明する。本実施形態は、制御部19の構造について第1実施形態と相違しており、それ以外の構成、動作手順は第1実施形態とほぼ同様である。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明は省略する。
【0036】
図9は、本実施形態におけるポインタ盤42と制御部19の構造を示した図である。ポインタ盤42のZ方向下側には摩擦車35を挟んで可動羽根39が備えられている。ポインタ調整・マーカー設定部29は、現在時刻設定用竜頭3(図1参照)と同様の竜頭形状となっており、軸には外側から順に一番軸車30と二番軸車31及び開閉式のスペーサー40が備わっている。(状態A)では、一番軸車30が中歯車32と噛み合うようになっている。ポインタ調整・マーカー設定部29を引くと(状態B)に切り替わり、二番軸車31と摩擦車35が噛み合う構造となっている。本実施形態では省略しているが、上記のような竜頭の切り替えを行う際には、ツヅミ車、オシドリ、カンヌキといった切り替え構造を備えている方が望ましい。中歯車32とポインタ盤42は噛み合うようになっている。ポインタ盤42においては、クラウン歯車と、ポインタ盤ゴム41による摩擦動力伝達と、の両構造を備えており、クラウン歯車部分が中歯車32と噛み合う。ポインタ盤ゴム41は、摩擦車35に備えられた一番摩擦車ゴム33と接触すると連動するようになっている。スペーサー40は、摩擦車35を昇降する役割を担っている。摩擦車35のZ方向下側には二番摩擦車ゴム34が備えられており、これは可動羽根39に備えられた羽根ゴム36と接触すると連動するようになっている。可動羽根39は、羽根軸37を軸に回転することで開口窓11(図1,2参照)から見える色彩が変化するように二色に配色されている。一方の配色を強調色にすることで、時刻を強調することができる。また、可動羽根39のXY平面上の両側には羽根ストッパー38が備えられており、可動羽根39は羽根ストッパー38を越えては回転できないようになっている。可動羽根39と羽根ストッパー38は、開口窓11と同数、それぞれ十二個備えられており、可動羽根39においては開口窓11のZ方向直下に備えられている。
【0037】
ここで、可動羽根39は、必ずしも二色に配色されていなくてもよく、単一色であってもよい。例えば、可動羽根39を単一の強調色とし、可動羽根39の幅を少し狭くする。この場合、可動羽根39が開口窓11の直下にある場合には、開口窓11からは強調された色彩が視認できる。一方、可動羽根39が開口窓11の直下から外れた場合には、可動羽根39よりもZ方向下側の構造色が見える。その構造色が、時刻が強調されていない場合の時刻の色彩を担っていてもよい。
【0038】
図10は、図9のポインタ盤42と制御部19の断面を示した図である。(状態A)は、ポインタ8と摩擦車35が可動状態である。(状態A)においては、ポインタ調整・マーカー設定部29と中歯車32が噛み合っている状態であり、この中歯車32を介してポインタ盤42が回転する。さらに、スペーサー40が開いている状態なので、摩擦車35がZ方向正側に持ち上がっており、摩擦車35に備えられた一番摩擦車ゴム33とポインタ盤42に備えられたポインタ盤ゴム41が接触し、ポインタ盤42と連動して摩擦車35が回転するようになっている。色彩を変化させたい開口窓11(図1,2参照)にポインタ8を位置させると、摩擦車35に備えられた二番摩擦車ゴム34が色彩を変化させたい開口窓11の直下の可動羽根39上に位置するので、開口窓11から見える色彩を変化させる準備が整う。準備が整った状態で、ポインタ調整・マーカー設定部29を引くと、(状態B)となる。(状態B)では、二番軸車31が摩擦車35に噛み合っている。また、スペーサー40が閉じた状態になるので、摩擦車35がZ方向負側に沈んでおり、摩擦車35に備えられた二番摩擦車ゴム34と、可動羽根39に備えられた羽根ゴム36が接触した状態になる。これにより、ポインタ調整・マーカー設定部29を操作すると、摩擦車35を介して可動羽根39が羽根ストッパー38間において回転する。可動羽根39が回転することで、開口窓11から見える色彩が変化するので、これにより時刻の強調またはその解除を行うことができる。
【0039】
(第5実施形態)
次に、図11と図12に基づいて第5実施形態について説明する。本実施形態の構成、動作手順の殆どは第3実施形態と同様であり、制御部19の一部の構成と時刻の強調手段のみ第3実施形態と相違している。なお、以下の説明では、上述した第3実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明は省略する。
【0040】
図11は、本実施形態におけるポインタ盤7と制御部19の構造を示した図である。本実施形態においては、大カム26が小カム回転バー43の位置に一致すると、小カム回転バー43が中心より外側に向かって押し出される仕組みになっている。小カム回転バー43は、大カム26が外れると元の位置に戻るように構成されている。小カム回転バー43の先端側には、小カム42が備えられており、小カム回転バー43が大カム26により外側に押し出されると、小カム回転バー43の先端部分は小カム42の軸穴に挿入されるようになっている。小カム42のZ方向直上には昇降インデックス44が備えられており、小カム42が回転することにより、昇降インデックス44はZ方向に昇降することができる。昇降インデックス44の上面(XY平面)全体は文字盤2(図1,2参照)の開口窓11から見えるようになっており、昇降インデックス44が文字盤2の平面から立体的に盛り上がることで時刻が強調され、盛り上がった時刻に特別性を付加することができる。小カム回転バー43、小カム42及び昇降インデックス44のセットは開口窓11と同数、それぞれ十二個備えられており、昇降インデックス44は開口窓11よりもやや小さめに形成されていることが望ましい。
【0041】
図12は、図11のポインタ盤7と制御部19の断面を示した図である。(状態A)は、ポインタ8と大カム26が可動状態であり、ポインタ8が昇降させたい開口窓11の位置に一致していない状態である。(状態A)においては、第3実施例の図8(状態A)とほぼ同様の状態であり、ポインタ調整・マーカー設定部22を操作すると、マーカー設定用ポインタ8と大カム26が同時に動く。マーカー設定用ポインタ8を強調させたい時刻の開口窓11(図1,2参照)に位置させると、強調させたい時刻の小カム42の軸穴に小カム回転バー43が挿入されるので、昇降インデックス44を盛り上がらせる準備が整う。準備が整った状態で、ポインタ調整・マーカー設定部22を引くと、(状態B)となる。(状態B)では、ポインタ調整・マーカー設定部22と二番冠ピニオン24、二番冠ピニオン24と大歯車25および大歯車25と小カム回転バー43が噛み合った状態である。小カム回転バー43の先端は小カム42の軸穴にセットされているので、ポインタ調整・マーカー設定部22を操作すると、小カム42が回転し、昇降インデックス44を元の位置からZ方向に盛り上がらせることができる。昇降インデックス44が開口窓11から文字盤2の平面より立体的に変化することで、時刻の強調またはその解除を行うことができる。
【符号の説明】
【0042】
1:ケース
2:文字盤
3:現在時刻設定用竜頭
4:時針
5:分針
6:秒針
7,42:ポインタ盤
8:マーカー設定用ポインタ
9:インデックス歯車
10,22,29:ポインタ調整・マーカー設定部
11:開口窓
12,20,32:中歯車
13:二番大歯車
14:一番大歯車
15:一番ピニオン
16:二番ピニオン
17:第一レバー
18:第二レバー
19:制御部
21:二色歯車
23:一番冠ピニオン
24:二番冠ピニオン
15:大歯車
26:大カム
27:インデックス回転バー
28:回転インデックス
30:一番軸車
31:二番軸車
33:一番摩擦車ゴム
34:二番摩擦車ゴム
35:摩擦車
36:羽根ゴム
37:羽根軸
38:羽根ストッパー
39:可動羽根
40:スペーサー
41:ポインタ盤ゴム
42:小カム
43:小カム回転バー
44:昇降インデックス
【技術分野】
【0001】
本発明は、アナログ表示式の腕時計の時刻を視覚的に強調する構造およびその機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
時刻を強調する腕時計としては、アラーム機能付き腕時計が知られている。アラーム機能付き腕時計は、強調したい時刻またはその直前直後に、聴覚的に時刻を強調することで時刻に特別性を付加し、強調した時刻が何かしらの用事の開始または終了時刻などであることを示すものである。アナログ式腕時計(機械式、電気式の両方を含む)の場合には、単一の時刻を強調するものが多いが、複数の時刻を強調できるものもある。
【0003】
アナログ式腕時計のアラーム機能付き腕時計は、聴覚的に時刻を強調するものであるが、アラーム時刻を設定するために、一時的または長時間において視覚的にも時刻を強調するものがある。例えばアナログ式腕時計の場合は、通常の時針、分針および秒針(秒針は備えていない場合もある)に加えて、1本のアラーム時刻設定針を備え、アラーム時刻設定針をアラーム時刻に合わせることにより、アラームの設定を行うと共に視覚的に時刻を強調することができる。しかしながら、このような強調手段の場合、現在時刻の誤認を防ぐためにアラーム時刻設定針が時針、分針および秒針よりも細く目立たないように作られているため、読み取り難く、また、アラーム時刻設定針は1本のみのため、強調できる時刻は1回に限定された。
【0004】
そこで、時刻の視覚的な強調を複数の時刻において行えるものとして、特許文献1の構造がある。特許文献1は、文字盤の外円周上に複数個のアラーム時刻設定用のボタンスイッチが配設されており、さらにアラーム設定がオンになるとボタンが発光するため、アラーム時刻設定針よりも明確に、そして複数の時刻を同時に、視覚的に強調することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−198880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、アナログ式腕時計は、機械式と、クオーツ式に代表される電気式の物が存在するが、共に文字盤の内部に複数の輪列などの複雑な機構が存在している。ゆえに特許文献1のようにボタンを発光させるなどの電気的な時刻の強調手段を実施しようとした場合、文字盤内部の計時機構への弊害を避けるため、文字盤の外側に時刻の強調手段を設ける必要があった。しかしながら、文字盤の外側に時刻の強調手段を設けた場合、腕時計が大型化し、デザインの自由度を下げるという問題があった。
【0007】
そこで、本発明はこのような事情に考慮してなされたもので、その目的は、視覚的な時刻の強調を視認しやすく、かつ複数の時刻において同時に実現すると共に、デザインの自由度を損なわない腕時計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の目的を達成するために、以下の手段を提供する。
本発明にかかる腕時計は、時刻を示す為に用いられる複数のインデックスが備えられた文字盤と、インデックスのそれぞれが設けられた領域のうち、少なくとも2以上の領域にインデックスを強調するインデックス強調部と、インデックス強調部のそれぞれを制御する制御部と、を備えることを特徴とするものである。
係る腕時計は、文字盤に供えられたインデックスの領域にインデックス強調部を備えることにより、腕時計を大型化することなく時刻を視覚的に強調することができる。ゆえにデザインの自由度を保つことができる。
【0009】
本発明にかかる腕時計のインデックス強調部は、インデックスを備えることを特徴とするものである。
係る腕時計は、インデックスが時刻の指示と時刻の強調の両方の役割を果たすことにより、インデックスに加えてインデックスの領域に付加的な構造物を設けずに時刻を強調できるため、デザインの自由度をより保つことができる。
【0010】
本発明にかかる腕時計の文字盤は、開口部を備え、インデックス強調部は、第1色彩部分と第2色彩部分を有する色彩部材を備え、制御部は、色彩部材を動かすことにより、開口部における色彩部材の色彩を、第1色彩部分または第2色彩部分に変更するものであり、インデックスは、開口部と開口部における第1色彩部分または第2色彩部分とにより構成されることを特徴とする。
係る腕時計は、文字盤におけるインデックスの色彩を変化させることにより、インデックスを強調できるので、強調された時刻の視認がし易くなる。また、インデックスの色彩のみを変化させて時刻を強調することにより、デザインの自由度をより保つことができる。
【0011】
本発明にかかる腕時計の色彩部材は、回転部材であり、制御部は、回転部材を回転させることにより、第1色彩部分または第2色彩部分の何れかを開口部に選択的に移動させることを特徴とするものである。
係る腕時計は、色彩部分を回転部材とすることで、歯車などを使った簡易な構造設計で制御することが可能になる。
【0012】
本発明にかかる腕時計の回転部材は、文字盤に対して垂直方向に回転する歯車であり、第1色彩部分と第2色彩部分とは、歯車の文字盤に対向する面に配色されていることを特徴とするものである。
係る腕時計は、歯車自体をインデックスとすることで、部品数を減らすことができると共に、より簡易な構造設計で制御することが可能になる。
【0013】
本発明にかかる腕時計の回転部材は、文字盤に対して平行方向に回転する歯車であり、第1色彩部分と第2色彩部分とは、歯車の文字盤に対向する面に配色されていることを特徴とするものである。
係る腕時計は、歯車自体をインデックスとすることで、部品数を減らすことができると共に、より簡易な構造設計で制御することが可能になる。
【0014】
本発明にかかる腕時計の回転部材は、文字盤に対して垂直方向に回転面を有し、長手方向を軸として回転する回転棒であり、第1色彩部分と第2色彩部分とは、回転棒の文字盤に対向しうる面に配色されていることを特徴とする。
係る腕時計は、インデックスをバーインデックスとすることで、バーの形状(長さや柱状)においてデザインの自由度があるため、よりデザインの自由度を保つことができる。
【0015】
本発明にかかる腕時計の回転部材は、文字盤に対して平行方向に回転する回転羽根であり、第1色彩部分と第2色彩部分とは、回転羽根の文字盤に対向する面に配色されていることを特徴とするものである。
係る腕時計は、二色に配色された回転羽根を動かすことにより、インデックスの色を変化させることで、インデックスの強調を容易に行うことができる。
【0016】
本発明にかかる腕時計の色彩部材は、第1色彩部分または第2色彩部分のいずれか一方を固定部材とし、他方を可動部材とし、制御部は、可動部材を可動し、開口部に固定部または可動部を配置し、開口部における色彩部材の色彩を、第1色彩部分または第2色彩部分に変更するものであることを特徴とするものである。
係る腕時計は、第1色彩部分と第2色彩部分をそれぞれ別の部材とすることで、可動部材が着色や細かな配色が困難な材料であっても利用することができる。また、固定部材や可動部材そのものの色彩を活かすことができるため、デザインや材料選択の自由度が向上する。
【0017】
本発明にかかる腕時計のインデックス強調部は、文字盤に対して垂直方向に可動であり、制御部は、インデックス強調部の文字盤からの高さを制御することを特徴とするものである。
係る腕時計は、インデックスを文字盤から盛り上がらせる、もしくは凹ませることで立体的にインデックスを強調することができるため、視認性を向上させることができる。
【0018】
本発明にかかる腕時計のインデックス強調部は、カムを備え、制御部は、カムを回転させることにより、インデックス強調部の文字盤からの高さを制御することを特徴とするものである。
係る腕時計は、カムを備えることで、インデックスの高さを容易に変化させることができる。ゆえに設計を簡素化できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明による腕時計は、文字盤に供えられたインデックスの領域にインデックス強調部を備えることにより、腕時計を大型化することなく時刻を視覚的に強調することができる。ゆえにデザインの自由度を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る腕時計を文字盤2の上面から見た図。
【図2】腕時計の上位四層を分解して示した図。
【図3】第1実施形態におけるポインタ盤7と制御部19の構造を拡大して示した図。
【図4】第1実施形態におけるポインタ盤7と制御部19の断面を示した図。
【図5】第2実施形態におけるポインタ盤7と制御部19の構造を拡大して示した図。
【図6】第2実施形態におけるポインタ盤7と制御部19の断面を示した図。
【図7】第3実施形態におけるポインタ盤7と制御部19の構造を拡大して示した図。
【図8】第3実施形態におけるポインタ盤7と制御部19の断面を示した図。
【図9】第4実施形態におけるポインタ盤7と制御部19の構造を拡大して示した図。
【図10】第4実施形態におけるポインタ盤7と制御部19の断面を示した図。
【図11】第5実施形態におけるポインタ盤7と制御部19の構造を拡大して示した図。
【図12】第5実施形態におけるポインタ盤7と制御部19の断面を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
以下、本発明にかかる第1実施形態の構造を図1から図4を参照して説明する。
図1は、本発明に係る腕時計を文字盤2の上面から見た図である。なお、この腕時計は図示しない従来同様のアナログクオーツムーヴメントの内部機構を有し、ステッパーモーター、歯車の輪列、電子回路(発振回路、分周回路、駆動回路)、水晶振動子、電池で駆動する。ただし、内部の計時機構はこの限りではなく、機械式腕時計の計時機構を内蔵していてもよく、またクオーツ式以外の電気式腕時計の計時機構を内蔵していてもよい。
【0022】
本実施形態の腕時計は、ケース1の内部にアナログ表示式の文字盤2が備えられている。文字盤2は中抜きのドーナツ状の円盤であり、円周上には円周を十二等分するように十二か所に棒状の開口窓11が開けられている。ただし、開口窓11は十二か所に限定する必要はなく、また、必ずしも円周上を均等分するように設ける必要はない。開口窓11の内部(Z方向)下側にはインデックス歯車9が設けられており、開口窓11からインデックス歯車9の一部を見ることができる。インデックス歯車9は、その側面外周を二色に配色された歯車となっており、ポインタ調整・マーカー設定部10を文字盤2の中心方向に向かって押しながら操作することにより、回転させることができ、開口窓11から見える色彩を変化させることができる。インデックス歯車9の二色の色彩のうち、一色を文字盤2の色彩に対して非常に目立つ色(強調色)とすることで、強調色になっている時刻を強調させることができ、強調された時刻に特別性を付加することができる。文字盤2の中抜き部分の一段下にはマーカー設定用ポインタ8を備えた円盤状のポインタ盤7が備えられている。マーカー設定用ポインタ8は、ポインタ調整・マーカー設定部10を操作することにより、ポインタ盤7と同心円上を回転できるようになっている。ポインタ盤7の中心には、時針4、分針5、秒針6が備えられている。時針4、分針5、秒針6は、竜頭3を操作することにより、時刻を調整することができるようになっている。
【0023】
図2は、図1に示した腕時計の上位四層を分解して示した図(ケース1を除く)である。まず最上層である一層目に時針4、分針5、秒針6が配置される。その下の層である二層目に、開口窓11が設けられた文字盤2が配置される。さらにその下の層である三層目にマーカー設定用ポインタ8が備えられたポインタ盤7が配置される。四層目には、開口窓11から見えるインデックス歯車9の色彩を制御する制御部19が配置される。
【0024】
図3は、ポインタ盤7と制御部19の構造を拡大して示した図である。ポインタ盤7のZ方向下側には、順に二番大歯車13と一番大歯車14が配置される。(状態A)は、マーカー設定用ポインタ8を動かせる状態である。(状態B)は、インデックス歯車9を動かせる状態である。
【0025】
(状態A)から(状態B)への移行について説明する。ポインタ調整・マーカー設定部10は、ケース1(図1参照)から露出した部分を文字盤2の中心方向に向かって押し込むことにより、ポインタ調整・マーカー設定部10の中心と文字盤の中心を結んだ直線上において、ポインタ調整・マーカー設定部10の中心軸を動かすことができるようになっている。これにより、押し込まれた力で、第一レバー17によりポインタ調整・マーカー設定部10と繋がった一番ピニオン15が逃げ、第二レバー18により一番ピニオン15と繋がった二番ピニオン16がポインタ盤7側に引き寄せられ、一番ピニオン15との噛み合いである(状態A)から、二番ピニオン16との噛み合いである(状態B)に移行することができるようになっている。
【0026】
(状態A)において、一番ピニオン15は、一番大歯車14と噛み合う。ポインタ盤7と一番大歯車14は、中心軸において繋がっており、連動するようになっている。また中歯車12は、一番大歯車14のZ方向上部において、その中心軸が固定されており、中歯車12のZ方向直上にマーカー設定用ポインタ8が同時に動くように備えられている。(状態B)において、二番ピニオン16は、二番大歯車13と噛み合う。二番大歯車13は、さらに中歯車12と噛み合い、中歯車12はインデックス歯車9とも噛み合っている。インデックス歯車9は、十二か所の開口窓11(図2参照)のZ方向下側にそれぞれ備えられており、全部で十二個ある。
【0027】
図4は、図3のポインタ盤7と制御部19の断面を示した図である。(状態A)は、ポインタ8を、色彩を変化させたいインデックス歯車9に位置させた状態である。(状態A)においては、ポインタ調整・マーカー設定部10は、一番ピニオン15と噛み合っている。一番ピニオン15は、一番大歯車14と噛み合っている。さらに、一番大歯車14とポインタ盤7は中心軸において連結されているので、ポインタ調整・マーカー設定部10を回すと、一番ピニオン15を介して一番大歯車14が回転し、さらにポインタ盤7が回転する。マーカー設定用ポインタ8と中歯車12は、Z軸上において同じ位置にあるので、マーカー設定用ポインタ8を見ながら色彩を変化させたいインデックス歯車9の位置に中歯車12を位置させることで、インデックス歯車9の色彩を変化させる準備が整う。準備が整った状態で、ポインタ調整・マーカー設定部10を内側に押し込むと、(状態B)となる。(状態B)では、ポインタ調整・マーカー設定部10と二番ピニオン16が噛み合っており、さらに二番ピニオン16は二番大歯車13と噛み合っている。二番大歯車13は、クラウン歯車と平歯車の両構造をもつ中歯車12の平歯車部分と噛み合う。中歯車12のクラウン歯車部分はインデックス歯車9と噛み合うので、ポインタ調整・マーカー設定部10を押しながら回すと、二番ピニオン16と二番大歯車13と中歯車12とを介して、インデックス歯車9が回転する。インデックス歯車9が回転することで、開口窓11から見える色彩が変化するので、これにより時刻の強調またはその解除を行うことができる。
【0028】
(第2実施形態)
次に、図5と図6に基づいて第2実施形態について説明する。本実施形態は、制御部19の構造について第1実施形態と相違しており、それ以外の構成、動作手順は第1実施形態とほぼ同様である。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明は省略する。
【0029】
図5は、本実施形態におけるポインタ盤7と制御部19の構造を示した図である。開口窓11(図1,2参照)のZ方向直下には、文字盤2に対して平行方向に回転する二色歯車21がある。二色歯車21は中歯車20と噛み合う平歯車であり、歯車の文字盤2に対向する面が二色に配色されている。配色は、二色のうち一色を強調色にすることで、時刻を強調することができる。例えば、文字盤2が白色である場合、二色歯車21の一色を黒などのインデックスに適当な色とし、もう一色を赤などの強調色にすると、目立ちやすい。二色歯車21は、開口窓11と同数備えられており、全部で十二個ある。ただし、第1実施形態で述べたように、開口窓11の数は必ずしも十二個である必要はなく、二色歯車21の数もまた開口窓11の数に合わせ、十二個でなくてもよい。
【0030】
図6は、図5のポインタ盤7と制御部19の断面を示した図である。(状態A)は、ポインタ8を、色彩を変化させたい二色歯車21に位置させた状態である。(状態A)では、ポインタ調整・マーカー設定部10は、一番ピニオン15を介して一番大歯車14と連動したポインタ盤7を動かすことができる。
【0031】
一方(状態B)では、ポインタ調整・マーカー設定部10は、二番ピニオン16と二番大歯車13と中歯車20を介して二色歯車21を動かすことができる。二色歯車21が回転することで、開口窓11から見える色彩が変化するので、これにより時刻の強調またはその解除を行うことができる。
【0032】
(第3実施形態)
次に、図7と図8に基づいて第3実施形態について説明する。本実施形態は、制御部19の構造について第1実施形態と相違しており、それ以外の構成、動作手順は第1実施形態とほぼ同様である。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明は省略する。
【0033】
図7は、本実施形態におけるポインタ盤7と制御部19の構造を示した図である。ポインタ盤7のZ方向下側には大カム26を挟んで大歯車25が配置してある。ポインタ調整・マーカー設定部22は、現在時刻設定用竜頭3(図1参照)と同様の竜頭形状となっており、(状態A)では一番冠ピニオン23と噛み合うようになっている。ポインタ調整・マーカー設定部22を引くと(状態B)に切り替わり、ポインタ調整・マーカー設定部22と二番冠ピニオン24と噛み合う構造となっている。本実施形態では省略しているが、上記のような竜頭の切り替えを行う際には、ツヅミ車、オシドリ、カンヌキといった切り替え構造を備えている方が望ましい。一番冠ピニオン23とポインタ盤7は噛み合っており、さらにポインタ盤7と大カム26は中心軸において連結している。大カム26はインデックス回転バー27の位置に一致すると、インデックス回転バー27を、中心から外側に向かって押し出すようになっている。インデックス回転バー27は大カム26が外れると元の位置に戻るように構成されている。インデックス回転バー27の外側には中抜き柱状の回転インデックス28が配設されており、インデックス回転バー27が大カム26により外側に押し出されると、インデックス回転バー27の先端部分が回転インデックス28の中空内部に挿入される。インデックス回転バー27及び回転インデックス28は、多角柱であり、インデックス回転バー27が回転インデックス28の内部で回転すると、多角形の角が引っかかることにより、回転インデックス28が回転するようになっている。インデックス回転バー27と回転インデックス28はともに開口窓11(図1,2参照)と同数それぞれ十二個ずつ備えられており、回転インデックス28は、開口窓11の直下になるように配設されている。回転インデックス28の外周側面は、回転インデックス28の回転に伴い開口窓11から見える色彩が変化するように二色に配色されている。
【0034】
図8は、図7のポインタ盤7と制御部19の断面を示した図である。(状態A)は、ポインタ8と大カム26が可動状態であり、ポインタ8が色彩を変化させたいインデックス回転バー27の位置に一致していない状態である。(状態A)においては、ポインタ調整・マーカー設定部22が一番冠ピニオン23と噛み合っている状態である。一番冠ピニオン23は、クラウン歯車と平歯車の両構造をもっており、そのクラウン歯車部分がポインタ調整・マーカー設定部22と噛み合っている。平歯車部分は、ポインタ盤7と噛み合っており、ポインタ盤7は大カム26と連動するので、ポインタ調整・マーカー設定部22を操作すると、マーカー設定用ポインタ8と大カム26が同時に動く。マーカー設定用ポインタ8を見ながら、大カム26を、色彩を変化させたい開口窓11(図1,2参照)に位置させることで、回転インデックス28の色彩を変化させる準備が整う。準備が整った状態で、ポインタ調整・マーカー設定部22を引くと、(状態B)となる。(状態B)では、ポインタ調整・マーカー設定部22と二番冠ピニオン24が噛み合っている。二番冠ピニオン24は、一番冠ピニオン23と同様、クラウン歯車と平歯車の両構造をもっており、そのクラウン歯車部分がポインタ調整・マーカー設定部22と噛み合っている。平歯車部分は、大歯車25と噛み合っている。大歯車25もまたクラウン歯車と平歯車の両構造をもっており、その平歯車部分が二番冠ピニオン24と噛み合っている。大歯車25のクラウン歯車部分は、インデックス回転バー27と噛み合っており、ポインタ調整・マーカー設定部22を操作すると、インデックス回転バー27と回転インデックス28を回すことができる。インデックスバーが回転することで、開口窓11から見える色彩が変化するので、これにより時刻の強調またはその解除を行うことができる。
【0035】
(第4実施形態)
次に、図9と図10に基づいて第4実施形態について説明する。本実施形態は、制御部19の構造について第1実施形態と相違しており、それ以外の構成、動作手順は第1実施形態とほぼ同様である。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明は省略する。
【0036】
図9は、本実施形態におけるポインタ盤42と制御部19の構造を示した図である。ポインタ盤42のZ方向下側には摩擦車35を挟んで可動羽根39が備えられている。ポインタ調整・マーカー設定部29は、現在時刻設定用竜頭3(図1参照)と同様の竜頭形状となっており、軸には外側から順に一番軸車30と二番軸車31及び開閉式のスペーサー40が備わっている。(状態A)では、一番軸車30が中歯車32と噛み合うようになっている。ポインタ調整・マーカー設定部29を引くと(状態B)に切り替わり、二番軸車31と摩擦車35が噛み合う構造となっている。本実施形態では省略しているが、上記のような竜頭の切り替えを行う際には、ツヅミ車、オシドリ、カンヌキといった切り替え構造を備えている方が望ましい。中歯車32とポインタ盤42は噛み合うようになっている。ポインタ盤42においては、クラウン歯車と、ポインタ盤ゴム41による摩擦動力伝達と、の両構造を備えており、クラウン歯車部分が中歯車32と噛み合う。ポインタ盤ゴム41は、摩擦車35に備えられた一番摩擦車ゴム33と接触すると連動するようになっている。スペーサー40は、摩擦車35を昇降する役割を担っている。摩擦車35のZ方向下側には二番摩擦車ゴム34が備えられており、これは可動羽根39に備えられた羽根ゴム36と接触すると連動するようになっている。可動羽根39は、羽根軸37を軸に回転することで開口窓11(図1,2参照)から見える色彩が変化するように二色に配色されている。一方の配色を強調色にすることで、時刻を強調することができる。また、可動羽根39のXY平面上の両側には羽根ストッパー38が備えられており、可動羽根39は羽根ストッパー38を越えては回転できないようになっている。可動羽根39と羽根ストッパー38は、開口窓11と同数、それぞれ十二個備えられており、可動羽根39においては開口窓11のZ方向直下に備えられている。
【0037】
ここで、可動羽根39は、必ずしも二色に配色されていなくてもよく、単一色であってもよい。例えば、可動羽根39を単一の強調色とし、可動羽根39の幅を少し狭くする。この場合、可動羽根39が開口窓11の直下にある場合には、開口窓11からは強調された色彩が視認できる。一方、可動羽根39が開口窓11の直下から外れた場合には、可動羽根39よりもZ方向下側の構造色が見える。その構造色が、時刻が強調されていない場合の時刻の色彩を担っていてもよい。
【0038】
図10は、図9のポインタ盤42と制御部19の断面を示した図である。(状態A)は、ポインタ8と摩擦車35が可動状態である。(状態A)においては、ポインタ調整・マーカー設定部29と中歯車32が噛み合っている状態であり、この中歯車32を介してポインタ盤42が回転する。さらに、スペーサー40が開いている状態なので、摩擦車35がZ方向正側に持ち上がっており、摩擦車35に備えられた一番摩擦車ゴム33とポインタ盤42に備えられたポインタ盤ゴム41が接触し、ポインタ盤42と連動して摩擦車35が回転するようになっている。色彩を変化させたい開口窓11(図1,2参照)にポインタ8を位置させると、摩擦車35に備えられた二番摩擦車ゴム34が色彩を変化させたい開口窓11の直下の可動羽根39上に位置するので、開口窓11から見える色彩を変化させる準備が整う。準備が整った状態で、ポインタ調整・マーカー設定部29を引くと、(状態B)となる。(状態B)では、二番軸車31が摩擦車35に噛み合っている。また、スペーサー40が閉じた状態になるので、摩擦車35がZ方向負側に沈んでおり、摩擦車35に備えられた二番摩擦車ゴム34と、可動羽根39に備えられた羽根ゴム36が接触した状態になる。これにより、ポインタ調整・マーカー設定部29を操作すると、摩擦車35を介して可動羽根39が羽根ストッパー38間において回転する。可動羽根39が回転することで、開口窓11から見える色彩が変化するので、これにより時刻の強調またはその解除を行うことができる。
【0039】
(第5実施形態)
次に、図11と図12に基づいて第5実施形態について説明する。本実施形態の構成、動作手順の殆どは第3実施形態と同様であり、制御部19の一部の構成と時刻の強調手段のみ第3実施形態と相違している。なお、以下の説明では、上述した第3実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明は省略する。
【0040】
図11は、本実施形態におけるポインタ盤7と制御部19の構造を示した図である。本実施形態においては、大カム26が小カム回転バー43の位置に一致すると、小カム回転バー43が中心より外側に向かって押し出される仕組みになっている。小カム回転バー43は、大カム26が外れると元の位置に戻るように構成されている。小カム回転バー43の先端側には、小カム42が備えられており、小カム回転バー43が大カム26により外側に押し出されると、小カム回転バー43の先端部分は小カム42の軸穴に挿入されるようになっている。小カム42のZ方向直上には昇降インデックス44が備えられており、小カム42が回転することにより、昇降インデックス44はZ方向に昇降することができる。昇降インデックス44の上面(XY平面)全体は文字盤2(図1,2参照)の開口窓11から見えるようになっており、昇降インデックス44が文字盤2の平面から立体的に盛り上がることで時刻が強調され、盛り上がった時刻に特別性を付加することができる。小カム回転バー43、小カム42及び昇降インデックス44のセットは開口窓11と同数、それぞれ十二個備えられており、昇降インデックス44は開口窓11よりもやや小さめに形成されていることが望ましい。
【0041】
図12は、図11のポインタ盤7と制御部19の断面を示した図である。(状態A)は、ポインタ8と大カム26が可動状態であり、ポインタ8が昇降させたい開口窓11の位置に一致していない状態である。(状態A)においては、第3実施例の図8(状態A)とほぼ同様の状態であり、ポインタ調整・マーカー設定部22を操作すると、マーカー設定用ポインタ8と大カム26が同時に動く。マーカー設定用ポインタ8を強調させたい時刻の開口窓11(図1,2参照)に位置させると、強調させたい時刻の小カム42の軸穴に小カム回転バー43が挿入されるので、昇降インデックス44を盛り上がらせる準備が整う。準備が整った状態で、ポインタ調整・マーカー設定部22を引くと、(状態B)となる。(状態B)では、ポインタ調整・マーカー設定部22と二番冠ピニオン24、二番冠ピニオン24と大歯車25および大歯車25と小カム回転バー43が噛み合った状態である。小カム回転バー43の先端は小カム42の軸穴にセットされているので、ポインタ調整・マーカー設定部22を操作すると、小カム42が回転し、昇降インデックス44を元の位置からZ方向に盛り上がらせることができる。昇降インデックス44が開口窓11から文字盤2の平面より立体的に変化することで、時刻の強調またはその解除を行うことができる。
【符号の説明】
【0042】
1:ケース
2:文字盤
3:現在時刻設定用竜頭
4:時針
5:分針
6:秒針
7,42:ポインタ盤
8:マーカー設定用ポインタ
9:インデックス歯車
10,22,29:ポインタ調整・マーカー設定部
11:開口窓
12,20,32:中歯車
13:二番大歯車
14:一番大歯車
15:一番ピニオン
16:二番ピニオン
17:第一レバー
18:第二レバー
19:制御部
21:二色歯車
23:一番冠ピニオン
24:二番冠ピニオン
15:大歯車
26:大カム
27:インデックス回転バー
28:回転インデックス
30:一番軸車
31:二番軸車
33:一番摩擦車ゴム
34:二番摩擦車ゴム
35:摩擦車
36:羽根ゴム
37:羽根軸
38:羽根ストッパー
39:可動羽根
40:スペーサー
41:ポインタ盤ゴム
42:小カム
43:小カム回転バー
44:昇降インデックス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時刻を示す為に用いられる複数のインデックスが備えられた文字盤と、
前記インデックスのそれぞれが設けられた領域のうち、少なくとも2以上の領域に前記インデックスを強調するインデックス強調部と、
前記インデックス強調部のそれぞれを制御する制御部と、
を備えることを特徴とする腕時計。
【請求項2】
前記インデックス強調部は、前記インデックスを備えることを特徴とする請求項1に記載の腕時計。
【請求項3】
前記文字盤は、開口部を備え、
前記インデックス強調部は、第1色彩部分と第2色彩部分を有する色彩部材を備え、
前記制御部は、前記色彩部材を動かすことにより、前記開口部における前記色彩部材の色彩を、前記第1色彩部分または前記第2色彩部分に変更するものであり、
前記インデックスは、前記開口部と前記開口部における前記第1色彩部分または前記第2色彩部分とにより構成されることを特徴とする請求項2に記載の腕時計。
【請求項4】
前記色彩部材は、回転部材であり、
前記制御部は、前記回転部材を回転させることにより、前記第1色彩部分または前記第2色彩部分の何れかを前記開口部に選択的に移動させることを特徴とする請求項3に記載の腕時計。
【請求項5】
前記回転部材は、前記文字盤に対して垂直方向に回転する歯車であり、
前記第1色彩部分と前記第2色彩部分とは、前記歯車の前記文字盤に対向する面に配色されていることを特徴とする請求項4に記載の腕時計。
【請求項6】
前記回転部材は、前記文字盤に対して平行方向に回転する歯車であり、
前記第1色彩部分と前記第2色彩部分とは、前記歯車の前記文字盤に対向する面に配色されていることを特徴とする請求項4に記載の腕時計。
【請求項7】
前記回転部材は、前記文字盤に対して垂直方向に回転面を有し、長手方向を軸として回転する回転棒であり、
前記第1色彩部分と前記第2色彩部分とは、前記回転棒の前記文字盤に対向しうる面に配色されていることを特徴とする請求項4に記載の腕時計。
【請求項8】
前記回転部材は、前記文字盤に対して平行方向に回転する回転羽根であり、
前記第1色彩部分と前記第2色彩部分とは、前記回転羽根の前記文字盤に対向する面に配色されていることを特徴とする請求項4に記載の腕時計。
【請求項9】
前記色彩部材は、前記第1色彩部分または前記第2色彩部分のいずれか一方を固定部材とし、他方を可動部材とし、
前記制御部は、前記可動部材を可動し、前記開口部に前記固定部または前記可動部を配置し、前記開口部における前記色彩部材の色彩を、前記第1色彩部分または前記第2色彩部分に変更するものであることを特徴とする請求項3に記載の腕時計。
【請求項10】
前記インデックス強調部は、前記文字盤に対して垂直方向に可動であり、
前記制御部は、前記インデックス強調部の前記文字盤からの高さを制御することを特徴とする請求項2に記載の腕時計。
【請求項11】
前記インデックス強調部は、カムを備え、
前記制御部は、前記カムを回転させることにより、前記インデックス強調部の前記文字盤からの高さを制御することを特徴とする請求項10に記載の腕時計。
【請求項1】
時刻を示す為に用いられる複数のインデックスが備えられた文字盤と、
前記インデックスのそれぞれが設けられた領域のうち、少なくとも2以上の領域に前記インデックスを強調するインデックス強調部と、
前記インデックス強調部のそれぞれを制御する制御部と、
を備えることを特徴とする腕時計。
【請求項2】
前記インデックス強調部は、前記インデックスを備えることを特徴とする請求項1に記載の腕時計。
【請求項3】
前記文字盤は、開口部を備え、
前記インデックス強調部は、第1色彩部分と第2色彩部分を有する色彩部材を備え、
前記制御部は、前記色彩部材を動かすことにより、前記開口部における前記色彩部材の色彩を、前記第1色彩部分または前記第2色彩部分に変更するものであり、
前記インデックスは、前記開口部と前記開口部における前記第1色彩部分または前記第2色彩部分とにより構成されることを特徴とする請求項2に記載の腕時計。
【請求項4】
前記色彩部材は、回転部材であり、
前記制御部は、前記回転部材を回転させることにより、前記第1色彩部分または前記第2色彩部分の何れかを前記開口部に選択的に移動させることを特徴とする請求項3に記載の腕時計。
【請求項5】
前記回転部材は、前記文字盤に対して垂直方向に回転する歯車であり、
前記第1色彩部分と前記第2色彩部分とは、前記歯車の前記文字盤に対向する面に配色されていることを特徴とする請求項4に記載の腕時計。
【請求項6】
前記回転部材は、前記文字盤に対して平行方向に回転する歯車であり、
前記第1色彩部分と前記第2色彩部分とは、前記歯車の前記文字盤に対向する面に配色されていることを特徴とする請求項4に記載の腕時計。
【請求項7】
前記回転部材は、前記文字盤に対して垂直方向に回転面を有し、長手方向を軸として回転する回転棒であり、
前記第1色彩部分と前記第2色彩部分とは、前記回転棒の前記文字盤に対向しうる面に配色されていることを特徴とする請求項4に記載の腕時計。
【請求項8】
前記回転部材は、前記文字盤に対して平行方向に回転する回転羽根であり、
前記第1色彩部分と前記第2色彩部分とは、前記回転羽根の前記文字盤に対向する面に配色されていることを特徴とする請求項4に記載の腕時計。
【請求項9】
前記色彩部材は、前記第1色彩部分または前記第2色彩部分のいずれか一方を固定部材とし、他方を可動部材とし、
前記制御部は、前記可動部材を可動し、前記開口部に前記固定部または前記可動部を配置し、前記開口部における前記色彩部材の色彩を、前記第1色彩部分または前記第2色彩部分に変更するものであることを特徴とする請求項3に記載の腕時計。
【請求項10】
前記インデックス強調部は、前記文字盤に対して垂直方向に可動であり、
前記制御部は、前記インデックス強調部の前記文字盤からの高さを制御することを特徴とする請求項2に記載の腕時計。
【請求項11】
前記インデックス強調部は、カムを備え、
前記制御部は、前記カムを回転させることにより、前記インデックス強調部の前記文字盤からの高さを制御することを特徴とする請求項10に記載の腕時計。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−79851(P2013−79851A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219510(P2011−219510)
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
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