説明

膝掛け

【課題】 膝掛けとしてはもちろん肩掛けとして使用しても見栄えがよく、その作成にあたっても生地素材に無駄を生じない膝掛けを提供する。
【解決手段】 織地や編地あるいは不織布のような布体(2)を全体として略長方形状に形成し、この略長方形状の布体(2)における長辺(3)での略中央部に、短辺(5)の長さの1/3から2/3の長さの切込み(4)を長辺(3)の端縁(6)に開口する状態に形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肩にかけて使用することのできる保温または防寒用の膝掛けに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、保温または防寒用の膝掛けとしては、毛布やキルティングで長方形状に形成されたものが多用されている。ところが、この場合、全体が長方形状であることから、いわゆる膝掛けとして使用することはできるが、肩にかけて使用した場合に肩から首にかけての箇所手たぐなり、使用感や見栄えがあまりよくなかった。
【0003】
そこで、保温性を有する布体で、幅広な帯状巻付部と、この巻付部の長辺部分から延出する広がり部と、広がり部の両端先端部に形成した舌片部とからなる特殊な形状に形成した、肩かけにも利用できる膝掛けが提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−19071
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記、従来のものでは、布体を特殊な形状に形成していることから、1枚物で造るにしても、縫合して造るにしても、生地素材に無駄を生じるという問題がある。また、肩掛けとして使用する場合に、帯状巻付部が胴部に巻きついていることから、見栄えに問題があった。
【0005】
本発明は、このような点に着目して、膝掛けとしてはもちろん肩掛けとして使用しても見栄えがよく、その作成にあたっても生地素材に無駄を生じない膝掛けを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、長方形状に形成した布体における長辺での略中央部に、短辺長さの1/3から2/3の長さの切り込みを長辺の端縁に開口する状態に形成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、長方形状に形成した布体における長辺での略中央部に、短辺長さの1/3から2/3の長さの切り込みを長辺の端縁に開口する状態に形成してあることから、膝掛けとしての使用時には、長辺を二つ折にした状態で大腿部の上に掛けたり、長方形状の布体を広げたまま、切り込みの開口部が形成されていないほうの長辺を腰に巻付けた状態にすることで、腰及び大腿部を覆ったりすることができる。このとき、切りこみが脚側にくることにより、脚の動きを阻害することを抑制できる。
【0008】
また、肩掛けとして使用する場合には、首部に切り込み部分を位置させることにより、あたかもポンチョや貫頭衣のように肩を中心として前後に垂れる状態となり、肩から上腕部までを覆うことができるうえ、首や肩部でのたぐなりが少なくなることから、ファッション性を損なうことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図は本発明の一実施形態を示し、図1は斜視図である。
この膝掛け(1)は、略長方形状に形成した布体(2)からなっており、この略長方形に形成した布体(2)の長辺(3)での中央部にその長辺(3)と直交する状態に切込み(4)が形成してある。この切込み(4)の深さは短辺(5)の長さの略1/2に形成してあり、一方の長辺(3)の端縁(6)に開口している。
【0010】
上述の構成からなる膝掛け(1)は、図2に示すように椅子に腰掛けている場合には、切り込み(4)の部分を折曲げ部として二つ折にし、大腿部の上において使用したり、図3に示すように、切込み(4)を首の部分にあてがって、着用することにより、肩から上腕部までを覆うケープとして使用したりする。
【0011】
また、図示は省略したが、切込み(4)が開口していない長辺(3)を腰の部分に巻き付け、スカートのようにして使用することも可能である。このようにして使用した場合、切込み(4)が膝部近傍に位置することから、脚の自由度を損なうことがない。
【0012】
図4は、本発明の別の実施形態を示し、これは、2パーツに形成した布体(2)をそれぞれの端部で縫合連結することにより、全体として略長方形状に形成したものである。
【0013】
上記各実施形態では、切込み(4)の深さを布体短辺長さの略1/2としているが、この切り込み深さは、布体短辺長さの1/3〜2/3程度の長さにしておくことが望ましい。
【0014】
さらに、前記実施形態では、切込み(4)の間口幅が殆どないスリット状に形成してあるが、この切込み(4)の開口幅は、10cm以下の開口幅に形成することが望ましい。
【0015】
本発明の布体(2)の素材としては、梳毛織物や紡毛織物などの毛織物やその他の天然繊維の織物、化学繊維織物、混紡織物、あるいは、編物、フェルトなどの不織布を使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本発明は、家庭や事務所のみならず、交通機関内でも使用するなど、広範な使用範囲を気体することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明にかかる膝掛けの一使用例を示す斜視図である。
【図3】本発明にかかる膝掛けの別の使用例を示す斜視図である。
【図4】本発明の他の実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0018】
1…膝掛け、2…布体、3…布体の長辺、4…切込み、5…布体の短辺、6…長辺の端縁。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形状に形成した布体(2)における長辺(3)での略中央部に、短辺(5)の長さの1/3から2/3の長さの切込み(4)を長辺(3)の端縁(6)に開口する状態に形成したことを特徴とする膝掛け。
【請求項2】
長方形状の布体(2)を1枚の生地で形成した請求項1に記載した膝掛け。
【請求項3】
長方形状の布体(2)を複数枚の生地で形成した請求項1に記載した膝掛け。
【請求項4】
布体(2)が織物である請求項1〜3のいずれか1項に記載した膝掛け。
【請求項5】
布体(2)が編物である請求項1〜3のいずれか1項に記載した膝掛け。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−154383(P2007−154383A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−354619(P2005−354619)
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(592050283)住金物産株式会社 (10)
【Fターム(参考)】