説明

膝関節補助装置

【課題】 膝関節の複雑な動きを忠実に再現することで、膝関節の機能が低下した患者や高齢者等に歩行等の動作を補助することができると共に、軽量で簡単に装着することができる膝関節補助装置を提供することである。
【解決手段】 上腿部に装着される上腿装着部22と、下腿部に装着される下腿装着部23と、前記上腿装着部22及び下腿装着部23のそれぞれの膝関節側端部を回転可能に支持する連結部24とを備え、前記連結部24が前記上腿装着部22に対して下腿装着部23を回転させたときに下腿装着部23の膝関節側端部を前後方向にスライドさせながら回転する回転機構部31を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病気や事故又は老化等に伴って機能が低下した膝関節の動作を補助するための膝関節補助装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
膝関節は人体の中でも非常に複雑な構造を有すると共に複雑な動きをしている。また、この膝関節には、通常、人間の体重の4〜5倍もの荷重がかかるため、起立時や歩行時などの日常動作において最も故障の起きやすい器官の一つである。特に、高齢者にあっては、膝関節の軟骨や半月板が過負荷や、度重なる運動などによってすり減ってしまい、そのために膝の曲げ伸ばしや歩行に支障をきたす変形性膝関節症が非常に多くなってきている。
【0003】
図10に示すように、膝関節1は大腿骨2、脛骨3、膝蓋骨4からなる骨の部分と、半月板からなる軟骨と、前十字靭帯6、後十字靭帯7、内側側副靭帯、外側側副靭帯などの靭帯によって形成されている。大腿骨2の下端は後方に突出しており、いくつもの大きさの違う円を組み合わせたような形状になっている。脛骨3の上面は略平坦でこの上を大腿骨2の下部が転がるようにして回転することで膝の屈伸運動が行われる。このとき、突出した膝蓋骨4はプーリの役割をし、前十字靭帯6によって脛骨3の前方への滑り出しを防ぎ、後十字靭帯7によって後方への落ち込みを防いでいる。このように、大腿骨2は後方に突出していることによって、膝関節1はすべり転がり運動を行う。このようなすべり転がり運動を行うために、大腿骨2は複雑な形状をなしており、単なる蝶番構造ではない。このため、前記大腿骨2の下部は、図11に示すように、回転中心5がずれながら螺旋状の軌跡を描くようにして回転動作することとなる。
【0004】
また、膝関節1は図12に示すように、曲げ伸ばし運動である伸展・屈伸(方向A)と、内側又は外側のねじれ運動(方向B)を伴う。膝をまっすぐにしている状態を0°とすると、前記伸展・屈伸運動の可動域は0°〜130°程度で、歩行時に使用している可動域は大体0°〜60°となっている。この可動域のうち、膝の曲がり始めから10°〜15°の間は、略一軸の転がり運動をし、その後徐々にすべり運動へ移行してすべり転がり運動となる。なお、膝の内側又は外側のねじれ運動に関しては、個人差が大きいため、可動域の特定はなされていないのが現状である。
【0005】
従来、膝関節の機能を補助するための膝装具などに関しては数多く知られており、実際に患者の治療やリハビリテーションに用いられている。その中で、比較的装着が容易で簡易に膝関節の動きを補助する装具として、例えば、特許文献1に開示されているような膝関節用歩行補助具がある。一方、構造は複雑であるが、実際の膝関節の動きに近く、膝関節の動きをさらに強力にサポートする装置に関しては、例えば、特許文献2に示されているような歩行等を補助する電動補助装置が知られている。
【特許文献1】特開2004−167175号公報
【特許文献2】特開平7−163607号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の膝関節補助用の補助装具や補助器具では、膝関節の回転軸が単純な一軸で構成されているものがほとんどである。このため、実際の膝関節の動きに追従するようなすべり転がり運動が再現できないといった問題があり、膝の自然な曲げ伸ばしをかえって阻害するような場合があった。このような問題を改善する手段としては、医者や技師等が患者の症状に合わせて装具を改良したり、回転軸の微調整を行ったりして対応するしかないのが現状である。実際に行われている調整方法としては、前述したような膝関節のすべり転がり運動を近似的に見立てた基本的生理機能における動作軸といったようなものを想定し、この動作軸に装具の軸を手作業で合わせ込むといった手段がとられる。ただし、このような調整を施した場合にあっても、使用しているうちに膝関節の動きと装具との間にズレが生じてしまうといった問題がある。
【0007】
特許文献2に示されているような動力源を備えたものは、構造が複雑で装置自体が重くなるため、高齢者にとってはかえって歩行等に支障をきたす場合がある。また、装置が大掛かりであるため、簡単に着脱ができないといった問題もあった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、膝関節の複雑な動きを忠実に再現することで、膝関節の機能が低下した患者や高齢者等に歩行等の動作を補助することができると共に、軽量で簡単に装着することができる膝関節補助装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の膝関節補助装置は、上腿部に装着される上腿装着部と、下腿部に装着される下腿装着部と、前記上腿装着部及び下腿装着部のそれぞれの膝関節側端部を回転可能に支持する連結部とを備え、前記連結部が前記上腿装着部に対して下腿装着部を回転させたときに下腿装着部の膝関節側端部を前後方向にスライドさせながら回転する回転機構部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の膝関節補助装置によれば、膝関節部を中心にして上腿部及び下腿部にかけて装着することによって、膝関節の実際の動きに近い水平方向のすべり運動と屈伸に伴う回転が連動したすべり転がり運動が再現可能となる。このため、膝関節機能に障害を有する患者や膝関節機能が低下した高齢者にとって無理のない自然な歩行や立ち上がりを補助することができる。
【0011】
また、前記連結部に備わる回転機構部が一対のピン部材と、このピン部材がスライドする直線状及び円弧状の一対の長孔とによって構成されているため、軽量且つコンパクトに形成することができる。このため、患者等に違和感なく装着することができる。
【0012】
さらに、前記回転機構部に小型のモーター、リンク部材からなる駆動機構を備えることで、実際の膝関節の曲げ伸ばしを無理なく且つ膝の痛みを和らげるように補助することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面に基づいて、本発明に係る膝関節補助装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の膝関節補助装置21の構造を示したものである。この膝関節補助装置21は、人体の膝部を中心とした脚部の一部に装着されるもので、図3及び図4に示すように、膝部10から上腿部11にかけて装着される上腿装着部22と、膝部10から下腿部12にかけて装着される下腿装着部23と、膝部10において前記上腿装着部22及び下腿装着部23の一端が回転可能に支持される連結部24とを備えて構成される。
【0015】
図1に示したように、前記上腿装着部22は、膝部10の側方に沿って当接する円盤状の連結板26と、この連結板26から上腿部11の一部にかけて延びる平板状の上腿固定部25とで構成される。また、前記下腿装着部23は、前記連結板26と重なる円盤状の連結板28と、この連結板28から下腿部12の一部にかけて延びる平板状の下腿固定部27とで構成される。前記上腿装着部22及び下腿装着部23は、後述するように脚部の表面に沿って固定するような装具に取り付けられ、ベルトや紐などによって装着する人の体型に合わせて巻き付け固定される。
【0016】
前記連結部24には、上腿装着部22と下腿装着部23の回転を規制するための回転機構部31が設けられる。この回転機構部31は、一方の連結板26に立設される第1のピン部材32及び第2のピン部材33と、他方の連結板28に水平方向に開設される直線状の第1の長孔34及び円弧状の第2の長孔35と、前記第1のピン部材32及び第2のピン部材33の先端を固定し、前記連結板28をカバーする押え板29とを備えている。前記第1のピン部材32は、前記連結板26の略中心部に設けられ、第2のピン部材は、前記第1のピン部材32を中心とした外周側の一端に設けられる。また、前記第1の長孔34は、前記連結板28の略中心部に設けられ、前記第1のピン部材32が貫通して設けられる。第2の長孔35は、前記連結板28の外周に沿って設けられ、前記第2のピン部材33が貫通して設けられる。
【0017】
前記第1の長孔34は、歩行や屈伸によって膝部10内の大腿骨2が水平方向にずれる際の動きを規制するためのもので、前記大腿骨2の中心軸に見立てた第1のピン部材32が前後方向にスライド可能に保持される。また、前記第2の長孔35は、膝部10を折り曲げようとする際に、前記大腿骨2の回転をガイドすると共に、前記第1のピン部材32のスライドを規制するために設けられ、前記第1のピン部材32を中心にした円弧状に形成される。
【0018】
図2は前記回転機構部31の動きを示したものである。前記第2の長孔35を横方向に広がる楕円軌道を描くように円弧状に形成することで、この第2の長孔35に沿ってスライドする第2のピン部材33に連動して、第1のピン部材32が第1の長孔34内を右方向に水平にスライド移動する。このような第2のピン部材33の楕円運動と第1のピン部材32による水平運動によって、実際の膝関節と同じようなすべり転がり運動が実現する。また、この第2の長孔35は、前記第1の長孔34をスライドする第1のピン部材32の水平移動軸Xに対して直交する前記第1のピン部材32の直交軸Yを中心にして右方向(図3(b)、図4(b)に示すような膝部10の折曲げ方向)の平面内に形成される。このように、前記第2の長孔35が前記直交軸Yを中心にした膝部10の折曲げの最大限となる180°以内の回転角度に設定されることで、直立した姿勢から正座した姿勢までの膝部10の動きを障害なくスムーズに行わせることができる。実際の膝関節の動きは、膝がまっすぐな状態から曲がり始めの0°〜15°の間は、すべりのない単純な回転運動を行うことから、例えば、前記第2の長孔35の回転角が0°〜15°の間は、真円状の円弧に形成し、回転角が15°〜90°の間は、横方向に延びる楕円状の円弧に形成することで、実際の膝関節に近似した動きを実現することができる。
【0019】
次に、前記膝関節補助装置21を装着した際の歩行時における動作状態を図3に示す。図3(a)は、膝部10が伸びた状態における膝関節補助装置21の形態を示したものである。この膝を伸ばした状態にあっては、前記第1のピン部材32が第1の長孔34内の左端部でスライドが規制され、第2のピン部材33が第2の長孔35内の上端で止まることによって、前記上腿装着部22と下腿装着部23とが略直線状となる。そして、この膝が伸びた状態から図3(b)に示すように通常の歩行動作によって膝関節1を曲げると、第2のピン部材33が第2の長孔35にガイドされながら円弧状の軌跡を描いて下降すると同時に、前記第1のピン部材32が第1の長孔34を右方向にスライド移動する。このような歩行時における第2のピン部材33の可動域は、0°〜60°の範囲となる。これによって、膝関節1は、上腿部11の大腿骨2が下腿部12の脛骨3に対して、後方に僅かにずれながら右方向に回転するといった本来の膝関節1の自然な動きに合わせた動きを得ることができる。
【0020】
次に、前記膝関節補助装置21を装着し、椅子などに座るときの動作状態を図4に示す。図4(a)は膝部10をまっすぐに伸ばしたときの回転機構部31の状態を示したものであり、図4(b)は椅子に座った際に約90°近辺まで膝関節1を折り曲げた状態における回転機構部31の状態を示したものである。この実施形態の回転機構部31では、膝部10がまっすぐの状態(0°)から椅子に座った状態(90°)までの回転によって第1のピン部材32が第1の長孔34の右端部で停止するため、膝を折り曲げた状態でしばらくその姿勢を保持することができる。また、前記第1の長孔34によって第1のピン部材32のスライドがロックされ、それに伴って第2のピン部材33による回転運動も停止するので、特に膝関節1を保持する筋力の低下した患者や高齢者が膝部10を折り曲げようとした際に、その姿勢を保持できなくなり、急激に膝が崩れるのを防止する安全機能としての役割を有する。
【0021】
図3及び図4に示したように、前記回転機構部31によれば、膝関節1の機能が低下した患者等が通常に歩行する際の動きに応じた0°〜60°の可動域や、椅子に座ったり、立ち上がったりするといった動きに応じた0°〜90°の可動域までの動きを補助することができる。また、前記第1の長孔34を右方向に延長させることによって、第1のピン部材32の右方向へのスライドを開放することができるので、正座するような姿勢までの膝関節1の動きに対応した0°〜130°の可動域まで補助することが可能となる。
【0022】
前記第1の長孔34及び第2の長孔35の長さを規定することによって、その長さ範囲での膝関節1の動きが患者等の各症状に合わせて規制されると共に、その長さの両端部で膝関節1の動きをロックさせることができる。なお、膝関節1の自然な動きは、前述したように、楕円状の回転と水平方法のずれとが組み合わされたものである点で共通するが、前記回転機構部31に設ける第1の長孔34や第2の長孔35は、患者等の体型や年齢あるいは男女の差に応じて適宜設定するのが好ましい。
【0023】
前記回転機構部31は、第1のピン部材32と第2のピン部材33がそれぞれ第1の長孔34と第2の長孔35に沿って摺動する際の摩擦力が作用することによって、上腿装着部22と下腿装着部23の回転が急に変化したり、がたついたりしないように規制される。また、前記回転機構部31が設けられる連結部24に対して、人体の前十字靭帯や後十字靭帯に模した形状のバネ部材を介在させるようにすれば、前記回転機構部31における回転運動が拘束され、膝関節1の動きに沿ったスムーズな動作が得られる。
【0024】
前記膝関節補助装置21を脚部に装着する際には、図5に示す膝関節補助装置41のように、前記上腿装着部22の裏面に上腿部11の曲面形状に沿って湾曲した上腿当て部36が取り付けられ、下腿装着部23の裏面には下腿部12の曲面形状に沿って湾曲した下腿当て部37が取り付けられる。そして、前記上腿当て部36及び下腿当て部37には、体型に合わせてそれぞれ上腿部及び下腿部に巻き付けて固定するためのベルト38及びバックル39からなる拘束具が設けられる。
【0025】
図5に示した膝関節補助装置41は、前記回転機構部31に駆動機構42を設けた構成によるものである。また、この膝関節補助装置41を装着した例を図6に示す。駆動機構42は、上腿装着部22側に設けられるバッテリやモーター、そして、このモーターの回転速度を膝関節1の動作に合わせて減速させるための減速部材等を備えた動力部43と、この動力部43による回転運動を前記下腿装着部23側に伝達させる伝達機構とを備えて構成される。
【0026】
この実施形態の駆動機構42は、図7及び図8に示すように、動力部43に小型のDCモーター47及びこのDCモーター47の回転を減速するための図示しないウォームギアや小型の電源装置が備えられる。また、伝達機構は、前記DCモーター47の回転軸48に一端が回転可能に取り付けられるリンク部材50によって構成されている。前記DCモーター47及び電源装置は、上腿装着部22の上側端部に固定される。前記リンク部材50は、回転軸48に一端が回転可能に連結される第1アーム51と、一端が下腿装着部23の一端に回転可能に連結される第2アーム52とで構成され、前記第1アーム51及び第2アーム52のそれぞれの他端が回転自在な連結ピン53によって回転支持される。
【0027】
前記駆動機構42によれば、DCモーター47の回転トルクがウォームギア等によって減速され、この減速された回転速度によって回転軸48が右回転あるいは左回転する。そして、この回転軸48の回転に伴って第1アーム51が膝関節1の回転方向に沿って直線状に移動し、さらに、この第1アーム51に繋がる第2アーム52によって、下腿装着部23に伝達される。このように、膝関節補助装置41を装着している人の下腿部12を前記動力部43によって伸縮するリンク部材50の力を借りて容易に引き上げたり、伸ばしたりすることができる。この駆動機構42におけるDCモーター47の回転速度や回転方向等の調整は、装着する人の膝関節の症状や体型、年齢等に応じてプログラミング可能な制御部によって行われる。また、この制御部に前記リンク部材50を介して伝達される実際の膝関節の動きをフィードバックする検出部を設けることによって、装着する人の個人差に応じた動力を供給させることができる。
【0028】
駆動機構42は、装着する人の脚部への負担を考慮して軽量化を図る必要があるため、バッテリには軽量且つ高容量のリチウムポリマー電池を使用すると共に、DCモーター47やリンク部材50の構成の簡略化及び軽量化を図るのが望ましい。そのためには、前記バッテリや制御部などを前記膝関節補助装置41から有線又は無線を介して独立させて、装着する人の胴部などの比較的負担の掛からない部位に装着することもできる。
【0029】
以上説明したように、前記駆動機構42によれば、DCモーター47の回転トルクを第1アーム51及び第2アーム52を経て直線運動に変換することで、前記回転機構部31におけるすべり転がり運動を連続的に再現することができる。これによって、膝関節の動きが自由にできない患者や高齢者に負担をかけることなく、歩行等が容易になるように補助することができる。
【0030】
なお、前記駆動機構42では、膝関節の曲げ伸ばしを容易にするための伝達機構としてリンク部材50を用いて構成したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、図9に示すように、前記図8で示したリンク部材50の代わりに、DCモーター47の回転軸48から離れた位置に設けられる変心軸64に一端が回転可能に取り付けられ、他端が下腿装着部23側に設けたスライド溝62にスライド可能に取り付けられる連結アーム61を備えたクランクスライダー60を用いて構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る膝関節補助装置の分解斜視図である。
【図2】上記膝関節装置の回転機構部の動きを示す説明図である。
【図3】歩行時における回転機構部の動きを示す説明図である。
【図4】膝の折曲げ時における回転機構部の動きを示す説明図である。
【図5】動力伝達機構部を設けた膝関節補助装置の斜視図である。
【図6】上記膝関節補助装置を装着した状態を示す説明図である。
【図7】動力伝達機構の一構成例を示す平面図である。
【図8】減速機構の構成を示す説明図である。
【図9】動力伝達機構の他の構成例を示す平面図である。
【図10】人間の膝部の骨格構造を示す説明図である。
【図11】大腿骨の動きを示す説明図である。
【図12】膝関節部の動きを示す説明図である。
【符号の説明】
【0032】
1 膝関節
2 大腿骨
3 脛骨
4 膝蓋骨
5 回転中心
6 前十字靭帯
7 後十字靭帯
10 膝部
11 上腿部
12 下腿部
21 膝関節補助装置
22 上腿装着部
23 下腿装着部
24 連結部
25 上腿固定部
26 連結板
27 下腿固定部
28 連結板
29 押え板
31 回転機構部
32 第1のピン部材
33 第2のピン部材
34 第1の長孔
35 第2の長孔
36 上腿当て部
37 下腿当て部
38 ベルト
39 バックル
41 膝関節補助装置
42 駆動機構
43 動力部
47 DCモーター
48 回転軸
50 リンク部材
51 第1アーム
52 第2アーム
53 連結ピン
60 クランクスライダー
61 連結アーム
62 スライド溝
64 変心軸
X 水平移動軸
Y 直交軸


【特許請求の範囲】
【請求項1】
上腿部に装着される上腿装着部と、下腿部に装着される下腿装着部と、前記上腿装着部及び下腿装着部のそれぞれの膝関節側端部を回転可能に支持する連結部とを備え、
前記連結部が前記上腿装着部に対して下腿装着部を回転させたときに下腿装着部の膝関節側端部を前後方向にスライドさせながら回転する回転機構部を備えることを特徴とする膝関節補助装置。
【請求項2】
前記回転機構部は、一方の装着部に設けられる一対のピン部材と、他方の装着部に設けられ、前記各ピン部材がスライド移動可能な一対の長孔とを備える請求項1記載の膝関節補助装置。
【請求項3】
前記長孔は、膝関節の屈伸に応じて一方のピン部材を前後方向にスライドさせる直線状長孔と、他方のピン部材が移動し、前記一方のピン部材のスライドを規制するための円弧状長孔とで構成される請求項1又は2記載の膝関節補助装置。
【請求項4】
前記円弧状長孔は、前記直線状長孔内をスライドするピン部材のスライド方向と直交する軸を中心とした左右いずれかの平面内に形成される請求項2又は3記載の膝関節補助装置。
【請求項5】
前記円弧状長孔は、上腿部と下腿部が略直線状となる直立位置から上腿部と下腿部が重なる正座位置までの間で少なくとも他方のピン部材が移動する長さを有して形成される請求項1記載の膝関節補助装置。
【請求項6】
前記回転機構部には、前記上腿装着部と下腿装着部の回転を伴う動きを補助する駆動機構が設けられる請求項1記載の膝関節補助装置。
【請求項7】
前記駆動機構は、前記上腿装着部と下腿装着部のいずれか一方に設けられるモーターと、このモーターの回転軸に一端が回転可能に取り付けられ、他端が前記上腿装着部と下腿装着部のいずれか他方に連結されるリンク部材とを備えて構成される請求項6記載の膝関節補助装置。
【請求項8】
前記リンク部材は、前記モーターが取り付けられる上腿装着部側に一端が回転可能に支持された第1アームと、前記下腿装着部側に一端が回転可能に支持された第2アームとからなり、前記第1アーム及び第2アームの各他端が回転可能に連結されている請求項7記載の膝関節補助装置。
【請求項9】
前記駆動機構は、前記回転機構部の回転量及びスライド移動量からなる膝関節の動作量を検出する検出部と、前記動作量に基づいて前記モーターの回転を制御する制御部とを備える請求項7記載の膝関節補助装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−275482(P2007−275482A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−109262(P2006−109262)
【出願日】平成18年4月12日(2006.4.12)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成17年10月28日〜31日 社団法人日本設計工学会主催の「第1回設計工学に関する国際会議 ICDES2005」において文書をもって発表
【出願人】(302042689)サンコールエンジニアリング株式会社 (10)