膣内器具用小型アプリケータ
【課題】膣内器具を身体の中に送達するための、プランジャーおよび挿入胴部を有する小型アプリケータを提供する。
【解決手段】本発明は、長さ方向軸を有する膣内器具用小型アプリケータ組立体を提供し、このアプリケータ組立体は、挿入端部および反対側の把持端部を備えた細長い胴部、膣内器具、ならびに、拘束具を備えたプランジャーを具備する。
【解決手段】本発明は、長さ方向軸を有する膣内器具用小型アプリケータ組立体を提供し、このアプリケータ組立体は、挿入端部および反対側の把持端部を備えた細長い胴部、膣内器具、ならびに、拘束具を備えたプランジャーを具備する。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、膣内器具を身体の中に送達するためのアプリケータに関し、詳細には、プランジャーおよび挿入胴部を有する小型アプリケータに関する。
【0002】
〔発明の背景〕
女性は、様々な理由により、膣内器具を使用する。最も一般的な器具は、月経周期の間に排出される流体または月経分泌物の保持のために使用される月経用タンポンである。他の膣内器具には、尿失禁器具、収集カップ、避妊器具、および膨張器具が含まれてよい。これらの様々な器具は、月経流体を封じ、膣に薬剤を供給し、通常の機能を促進し、外傷的なもしくは体系的な変化、傷害または感染により悪化した組織および器官の回復および修復を支援し、また、膣、子宮頸および関連する器官、ならびに組織の状態、健康状態、または機能を、生物学的、化学的、および/または物理的な作用を通して高めるために使用され得る。
【0003】
膣内器具は、指での挿入によるか、またはアプリケータの使用によって、身体の中に挿入され得る。先行技術では、特にタンポン用のアプリケータの例が十分豊富にある。例えば、厚紙または成型された熱可塑性材料で作製されたアプリケータが存在する。いくつかのアプリケータはトイレに流すことができ、いくつかは成型された花弁部を使用することで、「閉じた」構成を有する挿入端部を有している。材料および挿入デザインに関わらず、ほとんどのアプリケータは、2つの部分、つまり、挿入部材または挿入胴部、および、プランジャーを有する。
【0004】
任意の女性用衛生用品または膣内器具と同様に、分離(discretion)および携帯性が、重要である。多くの場合、女性は、これらの器具をハンドバッグに入れて持ち運び、器具が人目を引くことを望まない。
【0005】
従来型のタンポン用アプリケータは、タンポンが胴部の内部に位置させられ、プランジャーが外方向に延びた状態で、販売される。使用の際、プランジャーは、胴部の中へと押し込まれ、タンポンを胴部の挿入端部の外へと放出する。小型アプリケータは、従来型のアプリケータよりかなり短い。小型アプリケータは、胴部の内部にタンポンおよびプランジャーを包含してよい。使用前に、プランジャーは通常、胴部の引き出し端部の外に引き出される。プランジャーがタンポンの引き出し端部に係合したら、アプリケータが身体の中に挿入され、プランジャーに圧力が加えられて、タンポンを胴部の挿入端部の外へと放出する。小型アプリケータの一例を、米国特許第4,676,773号に見ることができる。この特許では、アプリケータは、プランジャーを提供し、このプランジャーは外側挿入チューブの内部に入れ子状に納められている。プランジャーは、先導エッジに、タンポンを受け入れるためのスリット、および、後端の周囲に位置付けられたリングを有する。タンポンは、プランジャーが後方に引かれると、リングにより提供される内方向の圧縮力によって放出される。
【0006】
小型アプリケータを作製および使用する際に直面する難題は、プランジャーが胴部から完全に係合解除してしまうこと、プランジャーがタンポンの引き出し端部に接触しないこと、プランジャーが、タンポンを放出するために十分な縦の強度(column strength)を有さないこと、などが中心となっている。これらの理由から、分離した、容易に使用でき、信頼性のある小型アプリケータの必要性が存在している。
【0007】
〔発明の概要〕
本発明は、長さ方向軸を有する膣内器具用小型アプリケータ組立体であって、挿入端部および反対側の把持端部を備えた細長い胴部、膣内器具、ならびに、拘束具を備えたプランジャーを具備する、組立体を提供する。
【0008】
小型アプリケータの胴部は、細長い胴部であり、第1開口部を提供するよう構成された挿入端部および反対側の把持端部を有し、把持端部は、第1開口部より小さい第2開口部を有する。
【0009】
膣内器具は、組立体の長さ方向軸に垂直な主要寸法(major dimension)を有し、この主要寸法は、第2開口部の対応する寸法より大きい。
【0010】
プランジャーは、胴部の内部にスライド可能に位置付けられ、このプランジャーは、胴部の内部に包含された第1端部、および、胴部の第2開口部を通って延びる、第1端部の反対側の第2端部を有する中空のチューブであって、第1端部から延びて第2端部からある距離を置いて終端するスリットを有しており、スリットにより定められた側部エッジを有する複数のフラップを形成する、中空のチューブ、ならびに、チューブの第1端部の近位に取り付けられた拘束具であって、胴部の内部に膣内器具を収容するためにフラップを引き離すよう配列され構成された、拘束具、を具備する。
【0011】
〔発明の詳細な説明〕
本発明は、概して、人の身体の内部に膣内器具を挿入するための小型アプリケータに向けられている。概して、本発明の小型アプリケータは、2つの部分、つまり胴部およびプランジャーを有する。アプリケータは、図1に示されるように、長さ方向軸X−X’を有する。本明細書で使用される場合、用語「胴部」とは、身体の中に挿入されるアプリケータの部分を意味するものとする。胴部は、膣内器具を収め、2つの端部、つまり挿入端部および指グリップ(把持または引き出し)端部を有する。挿入端部は、開いていてよく、または、当業分野で一般に既知の花弁部の使用による閉じた構成をしていてよい。把持端部には、指グリップがあってよい。本明細書で使用される場合、用語「プランジャー」とは、実際にタンポンを胴部の外に押し出すアプリケータの部分を意味するものとする。プランジャーは、胴部の内部にスライド可能に位置付けられる。
【0012】
本明細書で使用される場合、用語「膣内器具」は、膣管の中に挿入されるあらゆる器具であってよい。膣内器具の例には、従来型のタンポン、尿失禁器具、避妊器具、膨張器具もしくは封鎖器具、または、月経カップ(menstrual cups)および器具が含まれ、これらは、膣に薬剤を供給するか、もしくは、通常の機能を促進するか、または、外傷的なもしくは体系的な変化、傷害または感染により悪化した組織および器官の回復および修復を支援するようデザインされる。
【0013】
図を参照すると、小型アプリケータ組立体が、図1〜図13に見られる。タンポン用小型アプリケータ組立体10は、図1に見られるように、2つの部分、つまり細長い胴部100およびプランジャー200を有する。胴部100およびプランジャー200は、小型アプリケータが長さ方向軸X−X’および横方向軸Y−Y’を有するように、整合される。胴部100は、内面および外面を備えた主要本体120、内面134および外面132を備えた指グリップ部分130、第1開口部114を提供するよう構成された挿入端部110、および、反対側の把持端部130を有しており、把持端部130は、第1開口部114より小さい第2開口部138を有する。図1、図5および図13に見られるように、プランジャー200は、胴部100の内部にスライド可能に位置付けられる。図1に示されるように、タンポン300は、プランジャー200の内部に包含され得る。図1に示されるように、プランジャー200は、胴部100の把持端部130の第2開口部138を通って延びる。
【0014】
ここで、アプリケータをさらに詳細に論じることとする。
【0015】
胴部
本発明の胴部は、当業分野で既知の胴部と同様のものである。胴部100は、挿入端部100および把持端部130を有する。胴部100の指グリップ部分130は、胴部の挿入端部110および主要本体120の寸法より小さい寸法を有する。この比較的小さい寸法は、タンポンの配備または放出の際に、プランジャーが胴部から引き出されるとき、および、胴部の中に押し戻されるとき、プランジャーの整合を補助し得る。比較的小さい指グリップはまた、使用者がしっかりとアプリケータを把持するのを可能にし、タンポンの設置を助ける。
【0016】
典型的には、胴部は、65〜85mmの全長および12〜17mmの直径、さらに好ましくは、75mmの長さおよび15mmの直径を有する。胴部の指グリップ部分は、14〜18mmの長さおよび13〜16mmの直径、さらに好ましくは、16mmの長さおよび13mmの直径を有する。胴部の把持端部の内面は、組立体の長さ方向軸に沿って1〜5つのリブ、さらに好ましくは3つのリブ、最も好ましくは1つのリブを有してよい。リブは、約10〜16mmの長さ(高さ)および1〜3mmの幅、さらに好ましくは、10mmの長さおよび2mmの幅、最も好ましくは、12mmの長さおよび1.5mmの幅を有してよい。リブは、タンポンの引き出しおよび押し出しの間、プランジャーの整合を保つのを補助する。膣内器具の押し出し工程の間、胴部の把持用端部の内面に位置させられたリブは、胴部の把持端部を通過しての、外方向に潰された拘束具の除去を防ぎ、したがってプランジャーが胴部の内部に留まり、かつ、膣内器具の円滑な挿入を促進するのを補助する。
【0017】
図11および図12は、アプリケータの指グリップ部分の内面134を示しており、この内面は、組立体10の長さ方向軸X−X’に沿って3つのリブ136を有している。
【0018】
挿入端部110は、タンポンが胴部の内部に包含されている間、開口部から目視できるように、開いていてよい。代替的に、挿入端部は、ドーム形状に形成および成型される一連の花弁部を有してよい。後者の構成では、タンポンは開口部から目視できない。この構成は、円滑な挿入を可能にするが、タンポンをアプリケータから放出するときに追加的な力を必要とし得る。
【0019】
プランジャー
プランジャー200は、第1端部201および第1端部201の反対側の第2端部205を有する中空のチューブである。図3および図4に示されるようにプランジャー200は、フラップ212を有し、このフラップ212は、中空のチューブの内部に形成されるチャンバ240を包囲する。プランジャーは、チューブの第1端部の近位に取り付けられた拘束具をさらに有している。拘束具は、胴部の内部にタンポンまたは膣内器具を収容するために、フラップを引き離すよう配列および構成される。
【0020】
図に示されるように、プランジャー200の第1端部201は、少なくとも1つの拘束具216を有し、この拘束具216は、フラップ212の間の間隙を架橋する。一実施形態では、拘束具216は、タンポンの周囲で切れ目なく繋がっている。別の実施形態では、拘束具は、途切れている。
【0021】
プランジャーは、2つの構成を有し、つまり、プランジャーのチャンバの内部に膣内器具を収容するために、プランジャーのフラップが互いに引き離され、拘束具と接続されているときの、第1の構成、および、前記膣内器具の押し出しの間に閉じた中空の円筒形チューブを形成するためプランジャーのフラップが連結するように、タンポンがチャンバから放出された後の、第2の構成を有する。図1〜図3、図6に示される一実施形態では、拘束具は、第1の構成でリングを形成し、かつ、タンポンを包囲する、可撓性材料である。第2の構成では、図6に見られるようにフラップは、隣と接している(abutting)関係にある。拘束具は、外方向にゆるく折りたたまれる。フラップおよび拘束具によって形成された面は、タンポンの引き出し端部に接触する。この面によって、タンポンは胴部から放出されるようになる。
【0022】
図3および図4に見られるように、プランジャー200は、少なくとも1つの側部開口部220をさらに有し、この側部開口部220は、第1端部201から延び、第2端部205からある距離を置いて終端して、側部エッジ214を有する少なくとも1つのフラップ212を形成する。一実施形態では、1つの側部開口部および1つのフラップが存在する。別の実施形態では、2つの側部開口部および2つのフラップが存在する。別の実施形態では、3つの側部開口部および3つのフラップが存在する。数は、胴部およびプランジャーのサイズ、ならびに、タンポンを放出するために必要な力によって決まる。多数の側部開口部を有するプランジャーは、その数を理由として、脆弱なフラップを有するかもしれない。
【0023】
図3に示される一実施形態では、拘束部材216は、切れ目なく繋がっている。タンポンがチャンバ240の内部に包含されているとき、拘束具216は、タンポンの挿入端部の周囲にリングを形成する。
【0024】
図4に示されるように、拘束具216が途切れている場合、タンポンはチャンバ240の内部に依然として固定されるだろうが、拘束具は接続されないだろう。
【0025】
配備された状態の拘束部材の更なる例が、図5〜図10に見られる。示されるように、フラップ212の側部エッジ214は、隣り合ったフラップの側部エッジと連結する。側部エッジ214を連結するいくつかの手段には、限定されることなく、さねはぎ継ぎ(tongue and groove)(図7、図9)、またはジップロックもしくはフックロック(図8、図10)、またはそれらの組み合わせが含まれる。加えて、図1〜図3、図6は、可撓性または弾性の性能を有してよい拘束部材を示している。
【0026】
図2および図3に見られるように、拘束具216は、胴部100の内部にタンポンガーゼ(tampon pledget)300を収容するために、チューブの第1端部201の近位に取り付けられて、フラップ212を引き離すよう配列および構成される。
【0027】
使用の際、プランジャーは、胴部の把持端部を通して引き出される。プランジャーが狭い開口部を通って移動すると、タンポンはチャンバ240の外に追い出され、胴部の中に留まる。加えて、このことが起きると、プランジャーの第1端部200のフラップが移動し、胴部把持端部を狭めることによって、結合される。プランジャーの第1端部201は、ここで、タンポンの引き出し端部に接触する。
【0028】
一実施形態では、本発明の拘束具は、組立体の長さ方向軸に対して垂直な主要寸法を有するリングで作製され、このリングの主要寸法は、膣内器具の直径より大きい。リングは、フラップに付随するフラップ部分、および、隣り合ったフラップ部分を接続する接続部分を有する。リングは、少なくとも2つの安定した構成を呈し、つまり、膣内器具を包含しているときにプランジャーフラップを支持するための、第1の大きな直径の構成、および、プランジャーフラップの側部エッジが互いに接触し、リングの接続部分が外方向に転置されて、胴部の第2開口部を通過しての拘束具の除去を防ぐときの、第2の潰れた構成を呈する。
【0029】
拘束具は、有利なことに、チューブの第1端部の近位に取り付けられて、最初の段階つまり梱包段階の間、または使用前に、胴部の内部に膣内器具を完全に収容するために、十分な開口部を提供してよい。
【0030】
本発明の拘束具は、プラスチック材料、弾性材料、ゴム材料、もしくは伸張性材料、または、プランジャーもしくは胴部が作製される材料と同じ材料で、作製され得る。
【0031】
別の有利な実施形態によると、拘束具材料は、好ましくは、摩擦係数の低い、随意に潤滑物質で被覆された、前記拘束具の接触面(内部および外部の双方)を有し、使用の間、プランジャーの、摩擦のない円滑な移動を補助する。
【0032】
本発明の拘束具は、プランジャーのフラップが可撓性を維持し、プランジャーの隣り合ったフラップに接続されるのを可能にする。さらには、拘束具は、本来の寸法の60〜90%以上に、伸張可能および伸縮可能であり得る。
【0033】
膣内器具の押し出し工程の間、プランジャーのフラップは、プランジャーのフラップの隣り合った側部エッジに接触し、安定した連結構成を達成する。
【0034】
本発明の一実施形態では、フラップの連結は、さねはぎ継ぎ構成を有することによって達成され、さねはぎ継ぎ構成では、フラップの一側部エッジが舌のような隆起部分を有し、これが、陥凹部分を有する、フラップの隣り合った側部エッジに関節接合する。
【0035】
胴部およびプランジャーの双方が、プラスチック、生物分解性材料または厚紙で作製され得る。詳細には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステル、エチレン酢酸ビニル、ポリスチレン、またはポリ塩化ビニル(PVC)などのプラスチック材料が、本発明のアプリケータを形成するために使用され得る。本発明のアプリケータを形成するために使用され得る生物分解性材料は、例えば、欧州特許公開第0 606 923 A1号に記載されている。
【0036】
タンポン
一実施形態では、本発明の小型アプリケータは、タンポンを包含する。図に示されるように、小型アプリケータ10は、除去用ひも400を備えた円筒形のタンポン300を包含している。タンポン300は、胴部100の第2開口部つまり把持開口部138の対応する寸法より大きい寸法を有する。
【0037】
膣内器具は、外周、挿入端部、および、挿入端部の反対側の引き出し端部を具備する。膣内器具は、組立体の長さ方向軸に垂直な主要寸法を有し、この主要寸法は、胴部の第2開口部の対応する寸法より大きい。
【0038】
一実施形態では、膣内器具はタンポンである。タンポンは、概して円筒形の構成になるように、径方向、長さ方向軸に沿った軸方向、または、径方向および軸方向の双方に圧縮されてよい。タンポンは、実質的に円筒形の構成に圧縮されてよいが、他の形状も可能である。それらには、矩形、三角形、台形、半円形、砂時計形、蛇行形、または他の適切な形状などとして説明され得る断面を有する形状が含まれてよい。タンポンは、挿入端部、引き出し端部、長さ、幅、長さ方向軸、および、径方向軸を有する。タンポンの長さは、長さ方向軸に沿って挿入端部から引き出し端部までを計測され得る。人用の典型的な圧縮タンポンは、長さが30〜60mmである。タンポンは、直線形であっても、長さ方向軸に沿って湾曲するなどの非線形であってもよい。典型的な圧縮タンポンは、幅が8〜20mmである。タンポンの幅は、明細書において別途明言されない限り、タンポンの長さに沿った最大の円筒形断面を横切った長さに相当する。本明細書で使用される場合、「mm」は、ミリメートルである。
【0039】
本発明では、使用者は、膣内器具を送達するために小型アプリケータを使用することができる。膣内器具は、長さ方向軸を有する小型アプリケータ組立体に包含される。アプリケータ組立体は、挿入端部を備えた細長い胴部であって、第1開口部および反対側の把持端部を提供するよう構成された、胴部を有する。胴部の把持端部は、第1開口部よりも小さい第2開口部を有する。膣内器具は、組立体の長さ方向軸に垂直な主要寸法を有し、この主要寸法は、第2開口部の対応する寸法より大きい。小型アプリケータはまた、胴部の内部にスライド可能に位置付けられるプランジャーであって、胴部の内部に包含される第1端部を有する中空のチューブである、プランジャーを有する。プランジャーの第2端部は、第1端部の反対側であり、胴部の第2開口部を通って延びる。プランジャーは、第1端部から延び、かつ第2端部からある距離を置いて終端する、側部開口部を有する。これらの側部開口部は、側部エッジを有する複数のフラップを形成し、この側部エッジは、側部開口部によって定められる。プランジャーはまた、胴部の内部に膣内器具を収容するために、チューブの第1端部の近位に取り付けられ、かつ、フラップを引き離すよう配列および構成された、拘束具を有する。膣内器具の挿入の間、使用者は、第2開口部を通してプランジャーをスライドさせることによって、胴部からプランジャーの大部分を引き出し、よって、プランジャーは、フラップの隣り合った側部エッジが互いに接触して拘束具を潰している、実質的に閉じた円筒形チューブの形態をとるようになる。使用者は、第2開口部を通してプランジャーを胴部の中にスライドさせて、膣内器具の端部に対して拘束具を圧迫し、膣内器具を第1開口部から外に追い出す。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1A】本発明の膣内器具用アプリケータ組立体の側面図である。
【図1B】図1Aのアプリケータ胴部の長さ方向断面図であり、中に包含されたアプリケータプランジャーおよびタンポンガーゼの側面図を備えている。
【図2】図1A〜図1Bの膣内器具用アプリケータのプランジャーの側面図であり、プランジャー内へのタンポンの収容を示している。
【図3】図2のプランジャーの斜視図である。
【図4】本発明によるプランジャーの代替的実施形態の斜視図である。
【図5】プランジャーがタンポンの周囲から引き出された状態の、図1Bの側断面図である。
【図6】本発明のプランジャーの横方向断面図であり、連結構成を示している。
【図7】本発明のプランジャーの代替的実施形態の横方向断面図である。
【図8】本発明のプランジャーの代替的実施形態の横方向断面図である。
【図9】図7の一部の詳細図である。
【図10】図8の一部の詳細図である。
【図11】胴部の中空の指グリップ部分の部分的な斜視図であり、指グリップ部分の胴部の内面における壁の位置を示している。
【図12】図11の線11−11’に沿った、胴部の指グリップ部分の断面図である。
【図13】プランジャーがアプリケータからタンポンガーゼを押し出している状態の、図1Bの側断面図である。
【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、膣内器具を身体の中に送達するためのアプリケータに関し、詳細には、プランジャーおよび挿入胴部を有する小型アプリケータに関する。
【0002】
〔発明の背景〕
女性は、様々な理由により、膣内器具を使用する。最も一般的な器具は、月経周期の間に排出される流体または月経分泌物の保持のために使用される月経用タンポンである。他の膣内器具には、尿失禁器具、収集カップ、避妊器具、および膨張器具が含まれてよい。これらの様々な器具は、月経流体を封じ、膣に薬剤を供給し、通常の機能を促進し、外傷的なもしくは体系的な変化、傷害または感染により悪化した組織および器官の回復および修復を支援し、また、膣、子宮頸および関連する器官、ならびに組織の状態、健康状態、または機能を、生物学的、化学的、および/または物理的な作用を通して高めるために使用され得る。
【0003】
膣内器具は、指での挿入によるか、またはアプリケータの使用によって、身体の中に挿入され得る。先行技術では、特にタンポン用のアプリケータの例が十分豊富にある。例えば、厚紙または成型された熱可塑性材料で作製されたアプリケータが存在する。いくつかのアプリケータはトイレに流すことができ、いくつかは成型された花弁部を使用することで、「閉じた」構成を有する挿入端部を有している。材料および挿入デザインに関わらず、ほとんどのアプリケータは、2つの部分、つまり、挿入部材または挿入胴部、および、プランジャーを有する。
【0004】
任意の女性用衛生用品または膣内器具と同様に、分離(discretion)および携帯性が、重要である。多くの場合、女性は、これらの器具をハンドバッグに入れて持ち運び、器具が人目を引くことを望まない。
【0005】
従来型のタンポン用アプリケータは、タンポンが胴部の内部に位置させられ、プランジャーが外方向に延びた状態で、販売される。使用の際、プランジャーは、胴部の中へと押し込まれ、タンポンを胴部の挿入端部の外へと放出する。小型アプリケータは、従来型のアプリケータよりかなり短い。小型アプリケータは、胴部の内部にタンポンおよびプランジャーを包含してよい。使用前に、プランジャーは通常、胴部の引き出し端部の外に引き出される。プランジャーがタンポンの引き出し端部に係合したら、アプリケータが身体の中に挿入され、プランジャーに圧力が加えられて、タンポンを胴部の挿入端部の外へと放出する。小型アプリケータの一例を、米国特許第4,676,773号に見ることができる。この特許では、アプリケータは、プランジャーを提供し、このプランジャーは外側挿入チューブの内部に入れ子状に納められている。プランジャーは、先導エッジに、タンポンを受け入れるためのスリット、および、後端の周囲に位置付けられたリングを有する。タンポンは、プランジャーが後方に引かれると、リングにより提供される内方向の圧縮力によって放出される。
【0006】
小型アプリケータを作製および使用する際に直面する難題は、プランジャーが胴部から完全に係合解除してしまうこと、プランジャーがタンポンの引き出し端部に接触しないこと、プランジャーが、タンポンを放出するために十分な縦の強度(column strength)を有さないこと、などが中心となっている。これらの理由から、分離した、容易に使用でき、信頼性のある小型アプリケータの必要性が存在している。
【0007】
〔発明の概要〕
本発明は、長さ方向軸を有する膣内器具用小型アプリケータ組立体であって、挿入端部および反対側の把持端部を備えた細長い胴部、膣内器具、ならびに、拘束具を備えたプランジャーを具備する、組立体を提供する。
【0008】
小型アプリケータの胴部は、細長い胴部であり、第1開口部を提供するよう構成された挿入端部および反対側の把持端部を有し、把持端部は、第1開口部より小さい第2開口部を有する。
【0009】
膣内器具は、組立体の長さ方向軸に垂直な主要寸法(major dimension)を有し、この主要寸法は、第2開口部の対応する寸法より大きい。
【0010】
プランジャーは、胴部の内部にスライド可能に位置付けられ、このプランジャーは、胴部の内部に包含された第1端部、および、胴部の第2開口部を通って延びる、第1端部の反対側の第2端部を有する中空のチューブであって、第1端部から延びて第2端部からある距離を置いて終端するスリットを有しており、スリットにより定められた側部エッジを有する複数のフラップを形成する、中空のチューブ、ならびに、チューブの第1端部の近位に取り付けられた拘束具であって、胴部の内部に膣内器具を収容するためにフラップを引き離すよう配列され構成された、拘束具、を具備する。
【0011】
〔発明の詳細な説明〕
本発明は、概して、人の身体の内部に膣内器具を挿入するための小型アプリケータに向けられている。概して、本発明の小型アプリケータは、2つの部分、つまり胴部およびプランジャーを有する。アプリケータは、図1に示されるように、長さ方向軸X−X’を有する。本明細書で使用される場合、用語「胴部」とは、身体の中に挿入されるアプリケータの部分を意味するものとする。胴部は、膣内器具を収め、2つの端部、つまり挿入端部および指グリップ(把持または引き出し)端部を有する。挿入端部は、開いていてよく、または、当業分野で一般に既知の花弁部の使用による閉じた構成をしていてよい。把持端部には、指グリップがあってよい。本明細書で使用される場合、用語「プランジャー」とは、実際にタンポンを胴部の外に押し出すアプリケータの部分を意味するものとする。プランジャーは、胴部の内部にスライド可能に位置付けられる。
【0012】
本明細書で使用される場合、用語「膣内器具」は、膣管の中に挿入されるあらゆる器具であってよい。膣内器具の例には、従来型のタンポン、尿失禁器具、避妊器具、膨張器具もしくは封鎖器具、または、月経カップ(menstrual cups)および器具が含まれ、これらは、膣に薬剤を供給するか、もしくは、通常の機能を促進するか、または、外傷的なもしくは体系的な変化、傷害または感染により悪化した組織および器官の回復および修復を支援するようデザインされる。
【0013】
図を参照すると、小型アプリケータ組立体が、図1〜図13に見られる。タンポン用小型アプリケータ組立体10は、図1に見られるように、2つの部分、つまり細長い胴部100およびプランジャー200を有する。胴部100およびプランジャー200は、小型アプリケータが長さ方向軸X−X’および横方向軸Y−Y’を有するように、整合される。胴部100は、内面および外面を備えた主要本体120、内面134および外面132を備えた指グリップ部分130、第1開口部114を提供するよう構成された挿入端部110、および、反対側の把持端部130を有しており、把持端部130は、第1開口部114より小さい第2開口部138を有する。図1、図5および図13に見られるように、プランジャー200は、胴部100の内部にスライド可能に位置付けられる。図1に示されるように、タンポン300は、プランジャー200の内部に包含され得る。図1に示されるように、プランジャー200は、胴部100の把持端部130の第2開口部138を通って延びる。
【0014】
ここで、アプリケータをさらに詳細に論じることとする。
【0015】
胴部
本発明の胴部は、当業分野で既知の胴部と同様のものである。胴部100は、挿入端部100および把持端部130を有する。胴部100の指グリップ部分130は、胴部の挿入端部110および主要本体120の寸法より小さい寸法を有する。この比較的小さい寸法は、タンポンの配備または放出の際に、プランジャーが胴部から引き出されるとき、および、胴部の中に押し戻されるとき、プランジャーの整合を補助し得る。比較的小さい指グリップはまた、使用者がしっかりとアプリケータを把持するのを可能にし、タンポンの設置を助ける。
【0016】
典型的には、胴部は、65〜85mmの全長および12〜17mmの直径、さらに好ましくは、75mmの長さおよび15mmの直径を有する。胴部の指グリップ部分は、14〜18mmの長さおよび13〜16mmの直径、さらに好ましくは、16mmの長さおよび13mmの直径を有する。胴部の把持端部の内面は、組立体の長さ方向軸に沿って1〜5つのリブ、さらに好ましくは3つのリブ、最も好ましくは1つのリブを有してよい。リブは、約10〜16mmの長さ(高さ)および1〜3mmの幅、さらに好ましくは、10mmの長さおよび2mmの幅、最も好ましくは、12mmの長さおよび1.5mmの幅を有してよい。リブは、タンポンの引き出しおよび押し出しの間、プランジャーの整合を保つのを補助する。膣内器具の押し出し工程の間、胴部の把持用端部の内面に位置させられたリブは、胴部の把持端部を通過しての、外方向に潰された拘束具の除去を防ぎ、したがってプランジャーが胴部の内部に留まり、かつ、膣内器具の円滑な挿入を促進するのを補助する。
【0017】
図11および図12は、アプリケータの指グリップ部分の内面134を示しており、この内面は、組立体10の長さ方向軸X−X’に沿って3つのリブ136を有している。
【0018】
挿入端部110は、タンポンが胴部の内部に包含されている間、開口部から目視できるように、開いていてよい。代替的に、挿入端部は、ドーム形状に形成および成型される一連の花弁部を有してよい。後者の構成では、タンポンは開口部から目視できない。この構成は、円滑な挿入を可能にするが、タンポンをアプリケータから放出するときに追加的な力を必要とし得る。
【0019】
プランジャー
プランジャー200は、第1端部201および第1端部201の反対側の第2端部205を有する中空のチューブである。図3および図4に示されるようにプランジャー200は、フラップ212を有し、このフラップ212は、中空のチューブの内部に形成されるチャンバ240を包囲する。プランジャーは、チューブの第1端部の近位に取り付けられた拘束具をさらに有している。拘束具は、胴部の内部にタンポンまたは膣内器具を収容するために、フラップを引き離すよう配列および構成される。
【0020】
図に示されるように、プランジャー200の第1端部201は、少なくとも1つの拘束具216を有し、この拘束具216は、フラップ212の間の間隙を架橋する。一実施形態では、拘束具216は、タンポンの周囲で切れ目なく繋がっている。別の実施形態では、拘束具は、途切れている。
【0021】
プランジャーは、2つの構成を有し、つまり、プランジャーのチャンバの内部に膣内器具を収容するために、プランジャーのフラップが互いに引き離され、拘束具と接続されているときの、第1の構成、および、前記膣内器具の押し出しの間に閉じた中空の円筒形チューブを形成するためプランジャーのフラップが連結するように、タンポンがチャンバから放出された後の、第2の構成を有する。図1〜図3、図6に示される一実施形態では、拘束具は、第1の構成でリングを形成し、かつ、タンポンを包囲する、可撓性材料である。第2の構成では、図6に見られるようにフラップは、隣と接している(abutting)関係にある。拘束具は、外方向にゆるく折りたたまれる。フラップおよび拘束具によって形成された面は、タンポンの引き出し端部に接触する。この面によって、タンポンは胴部から放出されるようになる。
【0022】
図3および図4に見られるように、プランジャー200は、少なくとも1つの側部開口部220をさらに有し、この側部開口部220は、第1端部201から延び、第2端部205からある距離を置いて終端して、側部エッジ214を有する少なくとも1つのフラップ212を形成する。一実施形態では、1つの側部開口部および1つのフラップが存在する。別の実施形態では、2つの側部開口部および2つのフラップが存在する。別の実施形態では、3つの側部開口部および3つのフラップが存在する。数は、胴部およびプランジャーのサイズ、ならびに、タンポンを放出するために必要な力によって決まる。多数の側部開口部を有するプランジャーは、その数を理由として、脆弱なフラップを有するかもしれない。
【0023】
図3に示される一実施形態では、拘束部材216は、切れ目なく繋がっている。タンポンがチャンバ240の内部に包含されているとき、拘束具216は、タンポンの挿入端部の周囲にリングを形成する。
【0024】
図4に示されるように、拘束具216が途切れている場合、タンポンはチャンバ240の内部に依然として固定されるだろうが、拘束具は接続されないだろう。
【0025】
配備された状態の拘束部材の更なる例が、図5〜図10に見られる。示されるように、フラップ212の側部エッジ214は、隣り合ったフラップの側部エッジと連結する。側部エッジ214を連結するいくつかの手段には、限定されることなく、さねはぎ継ぎ(tongue and groove)(図7、図9)、またはジップロックもしくはフックロック(図8、図10)、またはそれらの組み合わせが含まれる。加えて、図1〜図3、図6は、可撓性または弾性の性能を有してよい拘束部材を示している。
【0026】
図2および図3に見られるように、拘束具216は、胴部100の内部にタンポンガーゼ(tampon pledget)300を収容するために、チューブの第1端部201の近位に取り付けられて、フラップ212を引き離すよう配列および構成される。
【0027】
使用の際、プランジャーは、胴部の把持端部を通して引き出される。プランジャーが狭い開口部を通って移動すると、タンポンはチャンバ240の外に追い出され、胴部の中に留まる。加えて、このことが起きると、プランジャーの第1端部200のフラップが移動し、胴部把持端部を狭めることによって、結合される。プランジャーの第1端部201は、ここで、タンポンの引き出し端部に接触する。
【0028】
一実施形態では、本発明の拘束具は、組立体の長さ方向軸に対して垂直な主要寸法を有するリングで作製され、このリングの主要寸法は、膣内器具の直径より大きい。リングは、フラップに付随するフラップ部分、および、隣り合ったフラップ部分を接続する接続部分を有する。リングは、少なくとも2つの安定した構成を呈し、つまり、膣内器具を包含しているときにプランジャーフラップを支持するための、第1の大きな直径の構成、および、プランジャーフラップの側部エッジが互いに接触し、リングの接続部分が外方向に転置されて、胴部の第2開口部を通過しての拘束具の除去を防ぐときの、第2の潰れた構成を呈する。
【0029】
拘束具は、有利なことに、チューブの第1端部の近位に取り付けられて、最初の段階つまり梱包段階の間、または使用前に、胴部の内部に膣内器具を完全に収容するために、十分な開口部を提供してよい。
【0030】
本発明の拘束具は、プラスチック材料、弾性材料、ゴム材料、もしくは伸張性材料、または、プランジャーもしくは胴部が作製される材料と同じ材料で、作製され得る。
【0031】
別の有利な実施形態によると、拘束具材料は、好ましくは、摩擦係数の低い、随意に潤滑物質で被覆された、前記拘束具の接触面(内部および外部の双方)を有し、使用の間、プランジャーの、摩擦のない円滑な移動を補助する。
【0032】
本発明の拘束具は、プランジャーのフラップが可撓性を維持し、プランジャーの隣り合ったフラップに接続されるのを可能にする。さらには、拘束具は、本来の寸法の60〜90%以上に、伸張可能および伸縮可能であり得る。
【0033】
膣内器具の押し出し工程の間、プランジャーのフラップは、プランジャーのフラップの隣り合った側部エッジに接触し、安定した連結構成を達成する。
【0034】
本発明の一実施形態では、フラップの連結は、さねはぎ継ぎ構成を有することによって達成され、さねはぎ継ぎ構成では、フラップの一側部エッジが舌のような隆起部分を有し、これが、陥凹部分を有する、フラップの隣り合った側部エッジに関節接合する。
【0035】
胴部およびプランジャーの双方が、プラスチック、生物分解性材料または厚紙で作製され得る。詳細には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステル、エチレン酢酸ビニル、ポリスチレン、またはポリ塩化ビニル(PVC)などのプラスチック材料が、本発明のアプリケータを形成するために使用され得る。本発明のアプリケータを形成するために使用され得る生物分解性材料は、例えば、欧州特許公開第0 606 923 A1号に記載されている。
【0036】
タンポン
一実施形態では、本発明の小型アプリケータは、タンポンを包含する。図に示されるように、小型アプリケータ10は、除去用ひも400を備えた円筒形のタンポン300を包含している。タンポン300は、胴部100の第2開口部つまり把持開口部138の対応する寸法より大きい寸法を有する。
【0037】
膣内器具は、外周、挿入端部、および、挿入端部の反対側の引き出し端部を具備する。膣内器具は、組立体の長さ方向軸に垂直な主要寸法を有し、この主要寸法は、胴部の第2開口部の対応する寸法より大きい。
【0038】
一実施形態では、膣内器具はタンポンである。タンポンは、概して円筒形の構成になるように、径方向、長さ方向軸に沿った軸方向、または、径方向および軸方向の双方に圧縮されてよい。タンポンは、実質的に円筒形の構成に圧縮されてよいが、他の形状も可能である。それらには、矩形、三角形、台形、半円形、砂時計形、蛇行形、または他の適切な形状などとして説明され得る断面を有する形状が含まれてよい。タンポンは、挿入端部、引き出し端部、長さ、幅、長さ方向軸、および、径方向軸を有する。タンポンの長さは、長さ方向軸に沿って挿入端部から引き出し端部までを計測され得る。人用の典型的な圧縮タンポンは、長さが30〜60mmである。タンポンは、直線形であっても、長さ方向軸に沿って湾曲するなどの非線形であってもよい。典型的な圧縮タンポンは、幅が8〜20mmである。タンポンの幅は、明細書において別途明言されない限り、タンポンの長さに沿った最大の円筒形断面を横切った長さに相当する。本明細書で使用される場合、「mm」は、ミリメートルである。
【0039】
本発明では、使用者は、膣内器具を送達するために小型アプリケータを使用することができる。膣内器具は、長さ方向軸を有する小型アプリケータ組立体に包含される。アプリケータ組立体は、挿入端部を備えた細長い胴部であって、第1開口部および反対側の把持端部を提供するよう構成された、胴部を有する。胴部の把持端部は、第1開口部よりも小さい第2開口部を有する。膣内器具は、組立体の長さ方向軸に垂直な主要寸法を有し、この主要寸法は、第2開口部の対応する寸法より大きい。小型アプリケータはまた、胴部の内部にスライド可能に位置付けられるプランジャーであって、胴部の内部に包含される第1端部を有する中空のチューブである、プランジャーを有する。プランジャーの第2端部は、第1端部の反対側であり、胴部の第2開口部を通って延びる。プランジャーは、第1端部から延び、かつ第2端部からある距離を置いて終端する、側部開口部を有する。これらの側部開口部は、側部エッジを有する複数のフラップを形成し、この側部エッジは、側部開口部によって定められる。プランジャーはまた、胴部の内部に膣内器具を収容するために、チューブの第1端部の近位に取り付けられ、かつ、フラップを引き離すよう配列および構成された、拘束具を有する。膣内器具の挿入の間、使用者は、第2開口部を通してプランジャーをスライドさせることによって、胴部からプランジャーの大部分を引き出し、よって、プランジャーは、フラップの隣り合った側部エッジが互いに接触して拘束具を潰している、実質的に閉じた円筒形チューブの形態をとるようになる。使用者は、第2開口部を通してプランジャーを胴部の中にスライドさせて、膣内器具の端部に対して拘束具を圧迫し、膣内器具を第1開口部から外に追い出す。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1A】本発明の膣内器具用アプリケータ組立体の側面図である。
【図1B】図1Aのアプリケータ胴部の長さ方向断面図であり、中に包含されたアプリケータプランジャーおよびタンポンガーゼの側面図を備えている。
【図2】図1A〜図1Bの膣内器具用アプリケータのプランジャーの側面図であり、プランジャー内へのタンポンの収容を示している。
【図3】図2のプランジャーの斜視図である。
【図4】本発明によるプランジャーの代替的実施形態の斜視図である。
【図5】プランジャーがタンポンの周囲から引き出された状態の、図1Bの側断面図である。
【図6】本発明のプランジャーの横方向断面図であり、連結構成を示している。
【図7】本発明のプランジャーの代替的実施形態の横方向断面図である。
【図8】本発明のプランジャーの代替的実施形態の横方向断面図である。
【図9】図7の一部の詳細図である。
【図10】図8の一部の詳細図である。
【図11】胴部の中空の指グリップ部分の部分的な斜視図であり、指グリップ部分の胴部の内面における壁の位置を示している。
【図12】図11の線11−11’に沿った、胴部の指グリップ部分の断面図である。
【図13】プランジャーがアプリケータからタンポンガーゼを押し出している状態の、図1Bの側断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向軸を有する膣内器具用小型アプリケータ組立体において、
a)第1開口部を提供するよう構成された挿入端部および反対側の把持端部を有する細長い胴部であって、前記把持端部は、前記第1開口部より小さい第2開口部を有する、胴部と、
b)前記組立体の前記長さ方向軸に垂直な主要寸法を有する膣内器具であって、前記主要寸法は、前記第2開口部の対応する寸法より大きい、膣内器具と、
c)前記胴部の内部にスライド可能に位置付けられるプランジャーであって、
i)前記胴部の内部に包含された第1端部、および、前記胴部の前記2開口部を通って延びる、前記第1端部の反対側の第2端部を有する中空のチューブであって、前記第1端部から延びて第2端部からある距離を置いて終端するスリットを有しており、前記スリットにより定められた側部エッジを有する複数のフラップを形成する、中空のチューブ、ならびに、
ii)前記チューブの前記第1端部の近位に取り付けられた拘束具であって、前記胴部の内部に前記膣内器具を収容するために前記フラップを引き離すよう配列および構成された、拘束具、
を具備する、プランジャーと、
を具備する、膣内器具用小型アプリケータ組立体。
【請求項2】
請求項1に記載の小型アプリケータにおいて、
前記プランジャーの前記フラップは、前記胴部の内部に前記膣内器具を収容するために隣り合ったフラップから引き離されている、第1の状態から、実質的に閉じた円筒形チューブを形成しており、前記フラップの隣り合った側部エッジが互いに接触している、第2の状態へと、関節接合するよう配列および構成される、小型アプリケータ。
【請求項3】
請求項2に記載の小型アプリケータにおいて、
前記拘束具は、前記組立体の前記長さ方向軸に垂直な主要寸法を有するリングであって、前記主要寸法が前記膣内器具の直径より大きい、リングを具備し、
前記リングは、1)前記フラップに付随するフラップ部分、および、2)隣り合ったフラップ部分を接続する接続部分を具備し、
前記リングは、少なくとも2つの安定した構成を呈し、つまり、前記膣内器具を包含しているときに前記プランジャーフラップを支持するための、第1の大きな直径の構成、および、前記プランジャーフラップの前記側部エッジが互いに接触し、前記リングの前記接続部分が外方向に転置されて、前記第2開口部を通過しての前記拘束具の除去を防ぐときの、第2の潰れた構成を呈する、小型アプリケータ。
【請求項4】
請求項1に記載の小型アプリケータにおいて、
指グリップ部分における前記胴部の内面は、前記第2開口部を通過しての前記拘束具の除去を防ぐため、約X〜Ymmの高さを有する少なくとも1つの壁を具備する、小型アプリケータ。
【請求項5】
請求項1に記載の小型アプリケータにおいて、
前記胴部および前記プランジャーのうち少なくとも一方は、ポリマー材料を具備する、小型アプリケータ。
【請求項6】
長さ方向軸を有するタンポン用小型アプリケータ組立体において、
a)第1開口部を提供するよう構成された挿入端部および反対側の把持端部を有する細長い胴部であって、前記把持端部は、前記第1開口部より小さい第2開口部を有する、細長い胴部と、
b)前記組立体の前記長さ方向軸に垂直な主要寸法を有する概して円筒形のタンポンガーゼであって、前記主要寸法は、前記第2開口部の対応する寸法より大きい、タンポンガーゼと、
c)前記胴部の内部にスライド可能に位置付けられるプランジャーであって、
i)前記胴部の内部に包含された第1端部、および、前記胴部の前記2開口部を通って延びる、前記第1端部の反対側の第2端部を有する中空のチューブであって、前記第1端部から延びて第2端部からある距離を置いて終端するスリットを有しており、前記スリットにより定められた側部エッジを有する複数のフラップを形成し、前記側部エッジのそれぞれが、隣り合った側部エッジを連結するための手段を具備する、中空のチューブ、ならびに、
ii)前記チューブの前記第1端部の近位に取り付けられた拘束具であって、前記胴部の内部にタンポンガーゼを収容するために前記フラップを引き離すよう配列および構成された、拘束具、
を具備する、プランジャーと、
を具備する、タンポン用小型アプリケータ組立体。
【請求項7】
請求項6に記載のタンポン用小型アプリケータにおいて、
前記隣り合った側部エッジを連結するための前記手段は、さねはぎ継ぎ、ジップロック、フックロック、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、タンポン用小型アプリケータ。
【請求項8】
請求項6に記載のタンポン用小型アプリケータにおいて、
前記プランジャーの前記フラップは、前記フラップの隣り合った側部エッジが互いに連結する、実質的に閉じた円筒形チューブを形成するよう移動することができる、タンポン用小型アプリケータ。
【請求項9】
長さ方向軸を有する小型アプリケータ組立体から膣内器具を押し出す方法において、
前記組立体は、
a)第1開口部を提供するよう構成された挿入端部および反対側の把持端部を有する細長い胴部であって、前記把持端部は、前記第1開口部より小さい第2開口部を有する、胴部と、
b)前記組立体の前記長さ方向軸に垂直な主要寸法を有する膣内器具であって、前記主要寸法は、前記第2開口部の対応する寸法より大きい、膣内器具と、
c)前記胴部の内部にスライド可能に位置付けられるプランジャーであって、
i)前記胴部の内部に包含された第1端部、および、前記胴部の前記2開口部を通って延びる、前記第1端部の反対側の第2端部を有する中空のチューブであって、前記第1端部から延びて第2端部からある距離を置いて終端するスリットを有しており、前記スリットにより定められた側部エッジを有する複数のフラップを形成する、中空のチューブ、ならびに、
ii)前記チューブの前記第1端部の近位に取り付けられた拘束具であって、前記胴部の内部に前記膣内器具を収容するために前記フラップを引き離すよう配列および構成された、拘束具、
を具備する、プランジャーと、
を具備し、
前記方法は、
(1)前記第2開口部を通して前記プランジャーをスライドさせることによって、前記胴部から前記プランジャーの大部分を引き出すステップであって、前記プランジャーは、前記フラップの隣り合った側部エッジが互いに接触する、実質的に閉じた円筒形チューブの形態をとる、ステップと、
(2)前記拘束具を潰すステップと、
(3)前記第2開口部を通して前記プランジャーを前記胴部の中にスライドさせて、前記膣内器具の端部に対して前記拘束具を圧迫し、前記膣内器具を前記第1開口部の外に追い出すステップと、
を具備する、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、
隣り合ったフラップの隣り合った側部エッジを連結するステップ、
をさらに具備する、方法。
【請求項1】
長さ方向軸を有する膣内器具用小型アプリケータ組立体において、
a)第1開口部を提供するよう構成された挿入端部および反対側の把持端部を有する細長い胴部であって、前記把持端部は、前記第1開口部より小さい第2開口部を有する、胴部と、
b)前記組立体の前記長さ方向軸に垂直な主要寸法を有する膣内器具であって、前記主要寸法は、前記第2開口部の対応する寸法より大きい、膣内器具と、
c)前記胴部の内部にスライド可能に位置付けられるプランジャーであって、
i)前記胴部の内部に包含された第1端部、および、前記胴部の前記2開口部を通って延びる、前記第1端部の反対側の第2端部を有する中空のチューブであって、前記第1端部から延びて第2端部からある距離を置いて終端するスリットを有しており、前記スリットにより定められた側部エッジを有する複数のフラップを形成する、中空のチューブ、ならびに、
ii)前記チューブの前記第1端部の近位に取り付けられた拘束具であって、前記胴部の内部に前記膣内器具を収容するために前記フラップを引き離すよう配列および構成された、拘束具、
を具備する、プランジャーと、
を具備する、膣内器具用小型アプリケータ組立体。
【請求項2】
請求項1に記載の小型アプリケータにおいて、
前記プランジャーの前記フラップは、前記胴部の内部に前記膣内器具を収容するために隣り合ったフラップから引き離されている、第1の状態から、実質的に閉じた円筒形チューブを形成しており、前記フラップの隣り合った側部エッジが互いに接触している、第2の状態へと、関節接合するよう配列および構成される、小型アプリケータ。
【請求項3】
請求項2に記載の小型アプリケータにおいて、
前記拘束具は、前記組立体の前記長さ方向軸に垂直な主要寸法を有するリングであって、前記主要寸法が前記膣内器具の直径より大きい、リングを具備し、
前記リングは、1)前記フラップに付随するフラップ部分、および、2)隣り合ったフラップ部分を接続する接続部分を具備し、
前記リングは、少なくとも2つの安定した構成を呈し、つまり、前記膣内器具を包含しているときに前記プランジャーフラップを支持するための、第1の大きな直径の構成、および、前記プランジャーフラップの前記側部エッジが互いに接触し、前記リングの前記接続部分が外方向に転置されて、前記第2開口部を通過しての前記拘束具の除去を防ぐときの、第2の潰れた構成を呈する、小型アプリケータ。
【請求項4】
請求項1に記載の小型アプリケータにおいて、
指グリップ部分における前記胴部の内面は、前記第2開口部を通過しての前記拘束具の除去を防ぐため、約X〜Ymmの高さを有する少なくとも1つの壁を具備する、小型アプリケータ。
【請求項5】
請求項1に記載の小型アプリケータにおいて、
前記胴部および前記プランジャーのうち少なくとも一方は、ポリマー材料を具備する、小型アプリケータ。
【請求項6】
長さ方向軸を有するタンポン用小型アプリケータ組立体において、
a)第1開口部を提供するよう構成された挿入端部および反対側の把持端部を有する細長い胴部であって、前記把持端部は、前記第1開口部より小さい第2開口部を有する、細長い胴部と、
b)前記組立体の前記長さ方向軸に垂直な主要寸法を有する概して円筒形のタンポンガーゼであって、前記主要寸法は、前記第2開口部の対応する寸法より大きい、タンポンガーゼと、
c)前記胴部の内部にスライド可能に位置付けられるプランジャーであって、
i)前記胴部の内部に包含された第1端部、および、前記胴部の前記2開口部を通って延びる、前記第1端部の反対側の第2端部を有する中空のチューブであって、前記第1端部から延びて第2端部からある距離を置いて終端するスリットを有しており、前記スリットにより定められた側部エッジを有する複数のフラップを形成し、前記側部エッジのそれぞれが、隣り合った側部エッジを連結するための手段を具備する、中空のチューブ、ならびに、
ii)前記チューブの前記第1端部の近位に取り付けられた拘束具であって、前記胴部の内部にタンポンガーゼを収容するために前記フラップを引き離すよう配列および構成された、拘束具、
を具備する、プランジャーと、
を具備する、タンポン用小型アプリケータ組立体。
【請求項7】
請求項6に記載のタンポン用小型アプリケータにおいて、
前記隣り合った側部エッジを連結するための前記手段は、さねはぎ継ぎ、ジップロック、フックロック、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、タンポン用小型アプリケータ。
【請求項8】
請求項6に記載のタンポン用小型アプリケータにおいて、
前記プランジャーの前記フラップは、前記フラップの隣り合った側部エッジが互いに連結する、実質的に閉じた円筒形チューブを形成するよう移動することができる、タンポン用小型アプリケータ。
【請求項9】
長さ方向軸を有する小型アプリケータ組立体から膣内器具を押し出す方法において、
前記組立体は、
a)第1開口部を提供するよう構成された挿入端部および反対側の把持端部を有する細長い胴部であって、前記把持端部は、前記第1開口部より小さい第2開口部を有する、胴部と、
b)前記組立体の前記長さ方向軸に垂直な主要寸法を有する膣内器具であって、前記主要寸法は、前記第2開口部の対応する寸法より大きい、膣内器具と、
c)前記胴部の内部にスライド可能に位置付けられるプランジャーであって、
i)前記胴部の内部に包含された第1端部、および、前記胴部の前記2開口部を通って延びる、前記第1端部の反対側の第2端部を有する中空のチューブであって、前記第1端部から延びて第2端部からある距離を置いて終端するスリットを有しており、前記スリットにより定められた側部エッジを有する複数のフラップを形成する、中空のチューブ、ならびに、
ii)前記チューブの前記第1端部の近位に取り付けられた拘束具であって、前記胴部の内部に前記膣内器具を収容するために前記フラップを引き離すよう配列および構成された、拘束具、
を具備する、プランジャーと、
を具備し、
前記方法は、
(1)前記第2開口部を通して前記プランジャーをスライドさせることによって、前記胴部から前記プランジャーの大部分を引き出すステップであって、前記プランジャーは、前記フラップの隣り合った側部エッジが互いに接触する、実質的に閉じた円筒形チューブの形態をとる、ステップと、
(2)前記拘束具を潰すステップと、
(3)前記第2開口部を通して前記プランジャーを前記胴部の中にスライドさせて、前記膣内器具の端部に対して前記拘束具を圧迫し、前記膣内器具を前記第1開口部の外に追い出すステップと、
を具備する、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、
隣り合ったフラップの隣り合った側部エッジを連結するステップ、
をさらに具備する、方法。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−240787(P2009−240787A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−80858(P2009−80858)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(591252839)マクニール−ピーピーシー・インコーポレイテッド (69)
【氏名又は名称原語表記】MCNEIL−PPC,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−80858(P2009−80858)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(591252839)マクニール−ピーピーシー・インコーポレイテッド (69)
【氏名又は名称原語表記】MCNEIL−PPC,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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