説明

膣内用薬液噴射器具

【課題】 洗浄だけでなく女性器活性化が図られ、感触良好で多目的利用に供せられる噴射器具を提供すること。
【解決手段】 モーター2を内蔵し外側に軟質カバー3をかぶせた中空状本体1と、コード9を介してモーター2を駆動する電池7及び薬液を充填した噴出容器8をケーシング5内に配置する。電池7をオン・オフするスイッチ10をケーシング5に取り付け、噴出容器8の先端をケーシング5内面の取付部11に交換自在に係合し且つ取付部11に一端を接続したパイプ12の他端を本体1の先端部にあけた噴射口4に臨ませ、ケーシング5の下面に底蓋13を着脱自在に取り付ける。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、女性器活性化等のために使用する膣内用薬液噴射器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、洗浄水などを膣内に注入する器具として所謂ビデが知られている(例えば実開平6−75289号公報、及び登録実用新案第3015997号公報参照。)前者の技術は、中空状本体に出没可能なノズルを取り付け、本体の下端にシャワーホースを接合する構造のものであり、後者の技術は、シャワー装置に使い捨てビデを着脱自在に装着した構造のものである。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
上記従来技術は、いずれも筒状の本体を介して送られた洗浄水がノズルの先端部噴射口より膣内に注入されるもので洗浄水が確実に注入されるという目的は達せられるが、膣に直接するノズルの構造は旧来のものと何ら変わりのない無味乾燥なものであり、そのため使用時に興趣感を誘ったり感触が良好で快感を得られるといった効果は望めず、また媚薬のような薬液を注入するには適さないため女性器活性化や性欲の昂進を助長するには不向きである等の問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案はこのような実情に鑑みてなされたもので、本体が振動するため膣に挿入した時の感触が良く、手操作により任意の量の薬液を注入するのに適するため洗浄は勿論女性器の活性化にも好適するので例えば減退した性欲の増進を所期することのできる噴射器具を提供しようとするものである。
【0005】
そのために本考案は、モーター2を内蔵し外側に軟質カバー3をかぶせた中空状本体1と、コード9を介してモーター2を駆動する電池7及び薬液を充填した噴出容器8を備えてなる膣内用薬液噴射器具であって、電池7及び噴出容器8を本体1基部に連設したケーシング5内に配置するとともに電池7をオン・オフするスイッチ10をケーシング5に取り付け、前記噴出容器8の先端をケーシング5内面の取付部11に交換自在に係合し且つ取付部11に一端を接続したパイプ12の他端を本体1の先端部にあけた噴射口4に臨ませ、更にケーシング5の下面に底蓋13を着脱自在に取り付けることを主旨としたもので、噴出容器8をケーシング5の外側から押圧すると薬液がパイプ12を通って噴出口4から勢いよく噴出することを特徴としている。
【0006】
【考案の実施の形態】
図面を参照して本考案を説明すると、図1及び図2において1はABS樹脂で成型したやゝ硬質の中空状本体で、内側にモーター2を取り付け且つ外側にシリコンゴム製の軟質カバー3をかぶせてあり、全体の長さは180mm、外側の最大直径は40mm程度としてある。本体1の先端部は亀頭状に形成し、その中央に液体が噴出する噴射口4をあけてある。
【0007】
本体1は基部に、底部を開口した平面横瓢箪形のケーシング5を垂下状に連設してある。そしてケーシング5内に単三形電池7と、媚薬,洗浄液などの薬液を充填した噴出容器8を並設し、電池7と前記モーター2をコード9で接続するとともにケーシング5の側壁に取り付けたスイッチ10をオン・オフすると電池7が通電してモーター2が駆動し、モーター2の回転振動が本体1の全体に伝わる仕組みとなっている。なおケーシング5には噴出容器8の該当個所前後にくり抜き孔6を形成し、またケーシング外側に軟質のカバー材5aを被せる。
【0008】
噴出容器8は先端部を雄ねじ8aとし、ケーシング5の内面に設けた雌ねじ状の取付部11に螺合せしめてある。取付部11には噴出容器8内の液体を本体1の先端部より噴射させるためのパイプ12の基端を接続してあり、パイプ12の先端は本体1の噴射口4に臨ませてある。なおパイプ12は、噴射口4の近傍側をやゝ細めに形成してある。
【0009】
噴出容器8はチューブ形若しくはペットボトル形としたもので、外面を指先で押圧すると内部の液体が排出されることを特徴とし、ケーシング5を硬質合成樹脂材で構成した場合、くり抜き孔6から直接ケーシング5を押圧することができるが、ケーシング5に図示のような軟質のカバー材5aを被せることにより、カバー材5aの当該個所を押圧することにより噴出容器8も圧接されるので液体を容器から飛び出させることができる。
【0010】
電池7と噴出容器8は交換自在であり、電池7が消耗した場合は新しいものと交換し、噴出容器8内の液体が少量となって噴出力が低下したような場合は、噴出容器8を新しいものにするか、容器内に液体を充填するようにする。ケーシング5の下面には底蓋13を着脱自在に取り付けてあり、電池7と噴出容器8の交換は底蓋13を取りはずしてケーシング5の下面から行うようにする。底蓋13の底面に図示のような下駄歯状の凸部13aを形成すると、この部分をつかんで着脱操作ができるので都合がよい。
【0011】
本体1には軟質カバー3がかぶせてあるので膣内には無理なく挿入できるが、ローションを塗れば一層容易となる。挿入時にスイッチ10をオンするとモーター2が作動して本体1全体が微妙に振動し膣内壁を刺激する。適宜の位置まで挿入した時点でケーシング5のカバー材5a外面を指先で押圧して噴出容器8を圧接すると、液体は容器8の先端口より排出され、取付部11からパイプ12へと送られる。
【0012】
液体はパイプ12の基端から先端へと送られ噴射口4から噴出する。パイプ12は、噴射口4寄りを細めに形成してあるので、パイプ12内を通った液体は圧搾され、滞ることなく先端部より勢いよく噴出する。
【0013】
噴出した液体は膣内壁にあたかもホースで放水するように噴射されるが、液体の噴射量は噴出容器8から指先で圧接された分に限られるので、強力な水圧で膣内壁が支障を生じるといった恐れはない。本体1はモーター2によって液体の噴射時にも絶えず振動をしているので、例えば液体が媚薬である場合、振動する本体の感触と媚薬による相乗作用を得ることができる。
【0014】
なお図示したものは一例であって、例えばケーシング5を軟質部材で構成し、ケーシングから直接噴出容器8を押圧して薬液を噴出させること、本体1を揺動自在とすること、あるいは本体1の外面に凹凸を付すること等、本考案の目的効果を奏する範囲における変形は本考案の実施の範疇に属すること勿論である。
【0015】
【考案の効果】
本考案は、単なるビデと異なり本体の外側に軟質カバーをかぶせてあるので膣内にフィットし良好な感触が得られる。またスイッチをオンするとモーターが作動してその振動が本体に伝わるため膣内の襞感覚を微妙に刺激することができ、全身に快感が及んでリラックス状態とすることができる。
【0016】
ケーシング外側より押圧すると噴出容器も圧接されて内部の液体はおのずから噴出するため手操作であるが頗る取り扱いやすく、しかも噴出容器の圧接具合により噴出する液体の量を加減できるので体調や体型に応じた使用ができる。
【0017】
通常の洗浄液は勿論、特に媚薬などの注入にも適するので衛生上の観点のみならず局所の活性化と衰えた性欲の蘇生効果をもたらすことにより、ストレスの解消など精神面でも多大な改善が所期される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の概略断面図である。
【図2】(a)は本考案の一部切欠外観図、(b)は底蓋の底面図である。
【符号の説明】
1 本体
2 モーター
3 軟質カバー
4 噴射口
5 ケーシング
6 くり抜き孔
7 電池
8 噴出容器
8a 雄ねじ
9 コード
10 スイッチ
11 取付部
12 パイプ
13 底蓋
13a凸部

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 モーターを内蔵し外側に軟質カバーをかぶせた本体と、コードを介してモーターを駆動する電池及び薬液を充填した噴出容器を備えてなる膣内用薬液噴射器具であって、電池及び噴出容器を本体基部に連設したケーシング内に配置するとともに電池をオン・オフするスイッチをケーシングに取り付け、前記噴出容器の先端をケーシング内面の取付部に係合し且つ取付部に一端を接続したパイプの他端を本体の先端部にあけた噴射口に臨ませ、更にケーシングの下面に底蓋を着脱自在に設け、而して噴出容器をケーシング外側から押圧すると薬液がパイプを通って噴射口より噴出することを特徴とする膣内用薬液噴射器具。

【図1】
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【図2】
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【登録番号】実用新案登録第3085162号(U3085162)
【登録日】平成14年1月30日(2002.1.30)
【発行日】平成14年4月19日(2002.4.19)
【考案の名称】膣内用薬液噴射器具
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願2001−4515(U2001−4515)
【出願日】平成13年6月5日(2001.6.5)
【出願人】(593182406)株式会社タグチ・エンタープライズ (10)