説明

自動分析装置

【課題】
分析装置は検査室の集中化により、複数の分析モジュールで一つの装置が構成される。分析モジュール数が増えると、一画面での情報量が多くなって見難くなり、見やすくするように複数の画面構成にすると、ボタン押し下げの数も増えて操作が煩雑になる。モジュールが多いと図も小さくなり、種類が多くて色合いが近いと、判別も難しくなって目視での間違いが誘発され、検索時間が多く浪費される。
【解決手段】
検体容器を架設する検体ラック、または試薬容器を架設する試薬ディスクの少なくともいずれかについて、検体容器または試薬容器の実際の物理的配置と同じ配置状態を表示する表示手段と、予め分類された検体または試薬の種類を指定する指定手段と、該指定手段で指定された検体または試薬を他のものと識別して表示するように前記表示手段を制御する制御手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液,尿などの生体サンプルの定性・定量分析を行う自動分析装置に係り、特に装置運用上で必要な検索や抽出操作を行う表示画面を備えた自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血液,尿などの生体サンプルの定性・定量分析を行う自動分析装置は、分析の迅速性,定量性から、大規模病院,検査センタを中心に普及が著しい。従来の自動分析装置では、表示画面上に、装置本体に搭載されている試薬の配置情報,管理番号,在庫量が模式的に表示され、状態確認したい試薬が表示画面上において指定されると、当該試薬の確認動作が開始され、その確認結果が前記表示画面上に表示されるように構成されることにより、試薬の状態が一目でわかる試薬ステータス画面を備えることにより装置オペレータの使い勝手を向上するようにしたものがある。
【0003】
特許文献1では、分析結果を試料を特徴付ける条件を設定することによる検索を可能な自動分析装置がある。検索可能というのは、表示でされているリストから目視での確認となっている。
【0004】
特許文献2には、分析装置の異常が発生を示す表示を、その異常の予め定められた基準に応じてランク付けして行うようにしたことを特徴とする自動分析装置が記載されている。アラームの重要度に応じて一覧表示している。基準は装置側で設定しているため、変更はできない。
【0005】
【特許文献1】特開平07−159412号公報
【特許文献2】特開平08−2602031号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の技術では、表示するまでの設定はされているが、表示された多くの情報からの検索や抽出は何の項目の試薬が足りないか詳細をみようとすると、さらにもう一つの画面やウィンドウ表示が必要になる。凡例の表示はあるが、その表示を用いて情報の絞り込みはできないのが現状である。
【0007】
画面表示への選択/非選択は装置内部で行われ、操作者は表示された情報から読取る。または、選択のための条件設定ができたとしても、子画面で行うことが多い。子画面での設定は煩わしいため、結局使われないことがある。
【0008】
一方で、検索や抽出の機能が検査の多様化,高機能化による分析装置内の情報量の増加に追いついておらず、オペレータの使い勝手が低下しているという問題がある。
【0009】
分析装置は検査室の集中化や、複数分野統合の製品が開発されてきた。複数の分析モジュールで一つの装置が構成され、分析モジュールごとに、装置運用に必要な消耗品,試薬,試料の情報を持つ必要がある。現状は装置の状態全体を見渡せるオーバービュー画面でその情報を表示している。装置が大きくなったり、モジュール数が多いと、一画面での情報量が多くなって見難くなったり、複数の画面を行き来する必要がでるため、ボタン押し下げの数も増え、目的の試料や試薬が探しにくくなっている。図で情報を表示している装置の場合、モジュールが多いと図も小さくなり、種類が多くて色合いが近いと、判別も難しくなる。モジュールごとに表示すると、ボタン操作が増える。選択しても、詳細情報は別ウィンドウ上で見て、抽出後のリスト化への展開がなく、結局、全体の結果画面に戻ることもある。
【0010】
また、分析装置の多検体高速処理に伴い、測定結果情報も増えてくる。画面に表示される情報を多くする必要があるが、一画面中に表示できる量には限りがあるため、スクロールする量も増加する。その中から必要な情報を抽出するには、一画面であっても操作に時間がかかってしまう。抽出方法では、条件を別画面で設定し、複数の条件をいれなければならず、使いにくい。後で別な操作者が画面を操作するときには、抽出条件を確認しなければならない。結局、抽出は使われず、当たりをつけながら、リストを目視で確認するほかない。
【0011】
もう一つの課題として臨床検査を取り巻く環境が挙げられる。最近、外来検査では診察前検査が行われ、その検査結果をもとに治療の方針を立てる病院が増えている。平成18年度の診療報酬変更では、特別な迅速検査の保険加算が認められた。患者さんが結果を聞きにいくためだけに通院することがなくなり、患者さんの負担が軽減される。
【0012】
病院側の検査室に対する要求としては、検査依頼を出してから1時間以内に結果を出すことが要求されている。病院側の要求に応えて、多くの病院の検査室では、検体到着から30分以内の報告を目指している。そのため、いかにスムーズに検査が進むかが鍵となる。すべての検体が1回の測定で終了できることが望ましいが、実際には、1−2割の検体で再検が必要になる。自動分析装置には、データにアラームが付いた場合に自動で再検をする装置もあるが、サンプル不足,サンプルプローブ詰まり異常,試薬不足,バーコード読取りエラーなどが起き、自動で再検できない場合もある。
【0013】
その場合は、該当する試料を検索してマニュアルで再検が必要になる。測定結果をチェックして他の項目結果との乖離や前回値との乖離で再検が必要とされる場合も、マニュアルで再検が必要となる。マニュアルでの再検は、画面で該当するラックの場所を確認後、検体収納部で該当する検体を探す必要がある。ラック番号や検体IDなど、試料を間違いなく探しあてないと、医療過誤の原因となる。検査技師にとって、間違いが許されないが、自動ではできない行為である。しかしながら、1回の測定には最低でも10分以上かかるため、早く目的の検体を探して測定し直さなければならない。ラック収納バッファに収納された検体情報のある画面から、あるいは、測定結果の画面でラック番号や検体IDを頼りに検索するのに手間取ると、操作者の精神的なイライラも測りしれないものがある。忙しいルーチン検査業務でスムーズな検体検索は必須になってきた。
【0014】
検体だけでなく、不足している試薬や洗剤,消耗品などについても同じことが言えます。もし、測定中に試薬不足がおきた場合、その試薬を使う項目は測定できず、ラック収納部に戻される。アラームでは検査項目番号しかわからないため、試薬オーバービュー画面で空になった試薬を確認し、空と表示されているポジションを選択すると、始めて、項目名と試薬ディスク上のポジション番号がわかる仕組みになっている。試薬交換は一度装置をスタンバイ状態にする必要があるため、今測定中の試料が測定終了まで待たなくてはならない。その後、ようやく試薬が交換できるようになる。さらに、装置が大型化,モジュール化すると、さらに情報が多くなって複雑になり、一度に確認したいが、不必要な情報も増えてしまっているのが現状である。
【0015】
最近では、24時間体制の病院がほとんどであり、専門の技師ではなく、不慣れな操作者も多くなっている。操作画面の簡略化,直感的な操作で正しく誘導されることが要求されてきている。しかし、高機能化に伴って、画面構成が複雑で、種類も多く、直感的な操作の妨げになっている。
【0016】
本発明の目的は、使い勝手のよいユーザインターフェースを備えた自動分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するための本発明の構成は以下の通りである。
【0018】
検体容器を架設する検体ラック、または試薬容器を架設する試薬ディスクの少なくともいずれかについて、検体容器または試薬容器の実際の物理的配置と同じ配置状態を表示する表示手段と、予め分類された検体または試薬の種類を指定する指定手段と、該指定手段で指定された検体または試薬を他のものと識別して表示するように前記表示手段を制御する制御手段を備えた自動分析装置。
【0019】
上記を基本とし、更に以下の機能を備えても良い。
【0020】
装置の情報は記憶部にすべて格納されている。表示する情報は入力部からの設定する場合と、あらかじめ記憶部に設定されている。その設定に応じて、画面に表示されている。多くの量の情報が、複数の状態を持っている場合、表示する領域が変わらなければ、スクロールをさせたり、画面数を増やす必要がでてくる。複数の状態があれば、列を分けて表示をする。凡例を使って種類が視覚的にわかるようにするだけでは、検索性が上がらない。そこで、凡例表示の種類ごとに選択できる手段を設ける。選択する手段は、凡例には、図・イラストに説明を付け、感覚的、あるいは、視覚的に表示し、装置に不慣れな操作者にもわかるようにし、直感的な操作を可能とした。凡例選択の手段としては、チェックボックスの有効/無効,ボタンの押し下げによる色合いの違い,凡例ボタンの凹凸感の違い,凡例エリアの形状変化などで行う。はっきり選択されたことが視覚的に変化していることが必要である。
【0021】
選択後の情報表示は、対応する図、表において、選択された情報が視覚的に区別されるように表示する。その方法として、色の反転,色彩,分離,拡大および縮小,図の移動,エリアの形状変化,選択種類のみのリスト表示などが挙げられる。
【0022】
また、記憶部に格納されている情報のうち、選択されたときに該当する情報を再度、編集して表示する、さらに、編集後の情報を印字できるようにする。
【発明の効果】
【0023】
多くの量の情報が、複数の状態を持っている場合、凡例を使って種類の違いが視覚的にわかるようにするだけでは、検索性が上がらない。そこで、凡例表示の種類ごとに選択できる手段を設けて感覚的、あるいは、視覚的に画面に表示することにより、不慣れな操作者にもわかるようにし、直感的な操作ができる。選択後の情報表示も、対応する図、表において、選択された情報が区別されているので、視覚的に装置運用に必要な情報を同一画面上ですぐに判断できる。本発明により、検索にかける時間が削減でき、操作者のストレスがなくなる。検査室で使われる分析装置の場合、画面を見る時間も惜しい。必要な情報を浮き立たせて、不必要な情報を視覚的に除外することで誤判別が避けられ、操作性向上に大きく寄与できる。
【0024】
また、記憶部に格納されている情報のうち、選択されたときに該当する情報を再度、編集して表示する、さらに、編集後の情報を印字できるようにする。本発明により、抽出された目的の情報だけを集中して確認ができ、目視確認操作の間違い、見落としが低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に図面を用いて本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0026】
図1に分析装置の外観を示す。図1に示す分析装置は、主として、検体搬送部1と、試薬ディスク2と、反応ディスク3と、反応槽4と、サンプリング機構5と、試薬ピペッティング機構6と、攪拌機構7と、測光機構8と、洗浄機構9と、表示部10と、入力部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。
【0027】
図1において、検体搬送部1には、検体供給バッファ16,検体収納バッファ18,搬送ライン17,ラックロータ19,サンプルライン20が設置されている。試料が入った試料容器14を複数サンプルラック15に設置し、サンプルラック15を検体供給バッファ16にセットしてスタートすると、サンプルラック15は搬送ライン17を通り、ラックロータ19を経由し、サンプルライン20へと送られる。
【0028】
また、図1において、サンプリング機構5は、図示されていないプローブと、支承軸に取り付けられたアーム26と、支承軸を回転中心にサンプルライン20と反応ディスク3との間を往復可能にする駆動機構とを備えている。
【0029】
そして、サンプリング機構5は、予め定められたシーケンスに従って、サンプルライン20の定位置に移送されてくるサンプルラック15の試料容器14中にサンプルを、反応容器24に供給する。
【0030】
また、図1において、試薬ディスク2には、サンプルと混合して反応させるための試薬が入れられた複数の試薬ボトル21が、円形ディスク22の円周上に固定されて配置されており、これらの試薬ボトル21の周囲は、温度制御された保冷庫になっている。
【0031】
また、試薬ディスク2は、図示しないモータや回転軸等から構成される駆動機構により、位置決め可能に周方向回転する。
【0032】
また、図1において、反応ディスク3には、サンプルおよび試薬を入れるための反応容器24を保持した反応容器ホルダが複数取り付けられており、駆動機構により、周方向回転と停止とを一定サイクルで繰り返して、反応容器24を間欠移送する。
【0033】
また、図1において、反応槽4は、反応容器24の移動軌跡に沿って設置され、サンプルと試薬との化学反応を促進するために、例えば、温度制御された恒温水により、反応容器24内の反応液を一定温度に制御する恒温槽である。なお、この反応容器24は反応槽4内を移動する。
【0034】
上述したサンプリング機構5と同様に、試薬ピペッティング機構6は、プローブ27と、支承軸28に取り付けられたアーム29と、支承軸28を回転中心に試薬ディスク2と反応ディスク3との間を往復可能にする駆動機構とを備えている。
【0035】
そして、試薬ピペッティング機構6は、予め定められたシーケンスに従って、試薬ディスク2の回転と共に定位置に移送されてくる試薬ボトル21内の試薬を、反応容器24内に供給する。
【0036】
なお、試料容器14及び試薬ボトル21の各々には、異なる種類のサンプル及び試薬が入れられており、必要量が反応容器24に供給される。
【0037】
また、図1において、表示部10は、分析項目設定情報や測定結果等の各種の画面表示を行う。また、入力部11は、分析条件,メンテナンス等の各種情報の入力を行う。また、記憶部12は、各機構を制御するための予め定めたシーケンス(プログラム)および分析項目,測定結果等の各種情報を記憶している。図1の記載のほかに、シリンジやポンプ等を構成要素として持ち、それらも含め、全て、記憶部12に記憶されているシーケンスに従って、制御部13により制御される。記憶部12には装置内部の記憶装置と操作部のパーソナルコンピュータ内の記憶装置の2種類が存在する場合がある。その場合、分析装置内にある記憶装置は常に操作部の記憶装置と通信ケーブルに接続され、情報の受け渡しを行っている。本実施例は操作部内のパーソナルコンピュータの記憶装置を記憶部12としている例である。図1の表示部10はディスプレイや液晶モニターなどの接続が可能である。
【0038】
記憶部12には試薬,洗剤,希釈液,消耗品など装置運用に必要な品目の残量や状態を記録し、定期的、あるいは変化があった場合に制御部を介して情報を伝え、表示部10で表示する。
【0039】
図2において、現状の検体収納部情報表示画面の構成を説明する。ラック収納モニター情報を示すエリア31と凡例を表示するエリア32が同一画面に表示されている。凡例は情報の状態を説明するために表示されていて、選択することはできない構造である。情報個々の詳細な情報33を表示するためには、たくさんあるラックモニター情報エリア31のリストから凡例の記号を頼りに目視で確認していく。もし、特定できる情報がある場合は、検索ボタンを押し、別ウィンドウで条件を入力して検索すると、詳細情報表示エリア33に検索された情報が表示される。大型の装置でラックトレーが複数あると、それぞれに検索する必要がある。
【実施例2】
【0040】
実施例2に検体収納バッファ18の情報表示の例を説明する。図3のように記憶部12内に検体収納バッファ18で収納されているサンプルラックモニター情報41が記録され、表示部10で表示されている。検体の状態には、測定失敗,バーコード読取りエラー,サンプル不足,空,試料容器なし、測定中,測定終了,ホスト送信済みなどの状態があり、個々の検体の状態がわかるように図で示され、サンプルラックモニター情報41に表示されている。図がどのような状態かがわかるように説明が書かれた凡例の表示が凡例表示エリア42に表示されている。凡例表示エリア42のそれぞれの図(記号)はボタンのように選択ができるようになっている。選択は一つ、あるいは、二つ以上できるようになっており、選択されたことが視覚的にわかるように表示している。図3では、チェックボックスの有効/無効の例になっている。他に色合いが他の図と差別化されている、凹凸が認知できるなどが同じ作用として採用可能である。選択後の情報は、ラックインフォメーション43と詳細情報44エリアに表示される。
【0041】
凡例を一つ以上選択することによって、記憶されている検体情報が選択した条件に応じて抽出され、目的の情報がデータベースから再編集されてリスト上で表示が変化し、抽出されたことが認識できる。再表示後は、図4のように、ラックモニター上で選択された状態の検体だけが、明るく表示されて、選択なしの状態の検体は暗くグレーアウト状態になっている。他の表現の例としては、グレーアウトだけでなく、全く表示から消すことも同じ効果がある。つまり、視覚的に瞬時に認識することを手助けすることが重要である。
【0042】
選択条件の設定は設定によっては記憶することができ、常に同じ条件で表示させることができる。特に、サンプルに起因するエラーやバーコード読取りエラーが起きたときは、マニュアルで再検をする必要があるため、常時同じ条件で抽出しておくことでエラーが起きたときにいち早く再測定に取りかかれるようになる。
【0043】
検査室では1分でも早く検査結果を出すことに注力しており、目的の検体を早く探せるかどうかが鍵である。例えば、試料不足アラームが発生し、測定できなかった項目があった場合、検査技師は検体収納部でサンプルエラーのチェックボックスを選択する。サンプルエラーの検体だけが浮き上がって見えるため、検索が瞬時で行える。浮き上がったサンプルエラー検体の位置でラックトレー上のラックの位置が確認でき、アラーム発生のラックインフォメーション43でラック番号とポジションの照合を行い、検体収納バッファで実際のラックをすぐに確認できる。その後、再検のための準備を行うこととなる。
【実施例3】
【0044】
実施例3として検体設置部が円形のサンプルディスクの場合の例を説明する。図5のように記憶部12内にサンプルディスクで収納されているサンプルモニター情報51が記録されており、表示部10で表示されている。検体の状態には、測定失敗,バーコード読取りエラー,サンプル不足,空,試料容器なし,測定中,測定終了,ホスト送信済みなどの状態があり、個々の検体の状態がわかるように図で示され、サンプルラックモニター情報51に表示されている。図がどの状態かがわかるように説明が書かれた凡例の表示が凡例表示エリア52に表示されている。凡例表示エリア52のそれぞれの図はボタンのように選択ができるようになっている。選択は一つ、あるいは、二つ以上できるようになっており、選択されたことが視覚的にわかるように表示している。図3では、チェックボックスが有効/無効の例になっている。他に色合いが他の図と差別化されている、凹凸が認知できるなどが挙げられる。
【0045】
凡例を一つ以上選択することによって、記憶されている検体情報が選択した条件に応じて抽出され、目的の情報がデータベースから再編集されてリスト上で表示を変化させ、抽出されたことが認識できる。再表示後は、図4のように、サンプルモニター情報エリアで選択された状態の検体だけが、枠付き55で表示されて、選択なしの状態の検体と差別化している。他の表現の例としては、枠付きだけでなく、全く表示から消す実施例もある。サンプルポジションが浮き上がり選択されたことが目視で瞬時に判別できる。選択した条件で抽出できると目的物の検索が早くできるようにある。
【実施例4】
【0046】
実施例4として試薬情報の例を説明する。図6,図7のように記憶部12内に試薬ディスクに収納されている試薬モニター情報61が記録されており、表示部10で表示されている。試薬の状態には、空,注意レベル,準備レベル,待機中,使用中,有効期限切れ、キャリブ失敗などの状態があり、個々の試薬の状態がわかるように図で示され、試薬モニター情報61に表示されている。試薬は空になった場合、新しい試薬ボトルに入換えが必要である。凡例で空の試薬を選択してリスト指示ボタン65を押すと、図7のように入換え必要な試薬リスト67が表示される。印字ボタン64を押すと、プリンタに印字される。印字されたリストを持って試薬保管場所でいくことができる。
【0047】
試薬は大型の装置になればなるほど、試薬ディスクが大きくなり、情報量が増えます。また、大型のモジュール組合わせの装置の場合、全情報表示切替え指示ボタン66によって、装置全体の試薬全情報表示切替えが可能である。全情報表示63のときも、凡例表示がある。したがって、一つ一つの試薬が小さくなって視認性が悪くなる。そのとき、凡例で選択した試薬がリストで表示されると、同じ検索効果が得られる。
【0048】
図がどの状態かがわかるように説明が書かれた凡例の表示が凡例表示エリア62に表示されている。凡例表示エリア62のそれぞれの図はボタンのように選択ができるようになっている。選択は一つ、あるいは、二つ以上できるようになっており、選択されたことが視覚的にわかるように表示している。図6では、チェックボックスが有効/無効の例になっている。他に色合いが他の図と差別化されている、凹凸が認知できるなどが挙げられる。
【0049】
凡例を一つ以上選択することによって、記憶されている試薬情報が選択した条件に応じて抽出され、目的の情報がデータベースから再編集されてリスト上で表示を変化させ、抽出されたことが認識できる。再表示後は、図7のように、試薬モニター情報エリア62で選択された状態の検体だけが、枠付きや大きさ変更で表示することができる。選択なしの状態の試薬と差別化している。他の表現の例としては、枠付きだけでなく、全く表示から消すことで実施できる。試薬ポジションが浮き上がり選択されたことが目視で瞬時に判別できる。選択した条件で抽出できると目的物の検索が早くできるようにある。
【実施例5】
【0050】
実施例5として測定結果の選択の例を説明する。測定結果は試料の種類がさまざまであり、同じリスト上で測定順に表示されている。図8のように検体ごとの測定結果リスト72があり、そのリストで選択された検体の項目ごとの測定結果リスト73が表示されている。検体ごとの測定結果リスト72は、緊急検体や精度管理試料,ホスト未送信,データアラーム有りなどの検体の状態を選択します。抽出した情報のリスト74が画面の上に重なって表示される。測定結果は通常数百〜数千検体になるため、目的の状態で検索する方が検索時間が短い。
【0051】
緊急/一般の別,再検/初検の別,血清/尿/血しょう,その他の検体種別,ホスト送信の有無,データアラームの有無など複数の条件を持つ測定結果を表形式、あるいは実際の装置の構成要素に基づく図形表示とし、複数種類の状態判別のために図・イラストや記号付きの凡例を同一画面上に表示し、凡例表示の一部を選択することで、選択した条件に該当する患者試料,標準液,コントロール試料,洗浄液,その他管理物質を抽出する機能を有する分析装置。
【実施例6】
【0052】
実施例6として測定結果をグラフで示す例を説明する。測定結果をグラフで見える形で表示する機能がある。一つの測定結果で判断できないときには複数のグラフを重ね書きさせて判断することがある。装置にはマスターカーブを保存しておき、比較判断に利用する場合もある。一度測定結果とグラフを関連付ける設定を行うと、表示変更するには設定し直す必要があった。凡例をチェックボックス等で選択することによって、〇と△、▽と〇などといったグラフ。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の凡例による情報抽出の実施方法を適用した装置の要素構成図である。(実施例1,2)
【図2】現状の操作画面の例。
【図3】検体収納バッファの例。
【図4】検体収納バッファの抽出後の変化の例。
【図5】サンプルディスクの例。
【図6】試薬,洗剤,消耗品画面の例。
【図7】試薬,洗剤,消耗品画面の抽出後の変化の例。
【図8】測定結果抽出画面の例。
【図9】グラフ重ね書き画面の例。
【符号の説明】
【0054】
1 検体搬送部
2 試薬ディスク
3 反応ディスク
4 反応槽
5 サンプリング機構
6 試薬ピペッティング機構
7 攪拌機構
8 測光機構
9 洗浄機構
10 表示部
11 入力部
12 記憶部
13 制御部
14 試料容器
16 検体供給バッファ
17 搬送ライン
18 検体収納バッファ
19 ラックロータ
20 サンプルライン
21 試薬ボトル
22 円形ディスク
24 反応容器
26,29 アーム
27 プローブ
28 支承軸
31 ラック収納モニターエリア
32,42,52,61,71 凡例表示エリア
33 詳細情報エリア
34 サンプル検索ボタン
41 サンプルラックモニター情報
41a 抽出後のサンプルラックモニター情報
42a 抽出後の凡例表示エリア
43 ラック情報エリア
44 検索結果情報エリア
51 サンプルディスクモニター情報
53 サンプル情報エリア
54 詳細結果情報エリア
55 選択後のサンプル表示
61a 凡例選択後表示エリア
62 試薬情報表示エリア
63 装置全体の試薬情報表示エリア
64 印字指示ボタン
65 リスト表示指示ボタン
65a 選択後のリストボタン
66 全情報表示切替え指示ボタン
67 選択後のリスト表示エリア
72 検体単位の測定結果表示エリア
73 項目単位の測定結果表示エリア
74 緊急検体抽出後のリスト表示エリア
81 グラフ凡例表示エリア
82 グラフ表示エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体容器を架設する検体ラック、または試薬容器を架設する試薬ディスクの少なくともいずれかについて、検体容器または試薬容器の実際の物理的配置と同じ配置状態を表示する表示手段と、
予め分類された検体または試薬の種類を指定する指定手段と、
該指定手段で指定された検体または試薬を他のものと識別して表示するように前記表示手段を制御する制御手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記指定手段は、表示してある凡例から選択するものであることを特徴とする自動分析装置。
【請求項3】
請求項2記載の自動分析装置において、
前記凡例と、前記検体容器または試薬容器の実際の物理的配置と同じ配置状態で表示するものは同一画面上に表示することを特徴とする自動分析装置。
【請求項4】
請求項2または3記載の自動分析装置において、
前記凡例の種類選択は2つ以上選択でき、かつ選択されていることが識別して表示されることを特徴とする自動分析装置。
【請求項5】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記指定手段で指定された検体または試薬を他のものと識別して表示する表示方法が、色の反転,色彩の違い,分離,拡大,縮小,図の移動,選択種類のみの表示のいずれか少なくとも1つを含むことを特徴とする自動分析装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の自動分析装置において、
選択した条件に該当する情報をリスト表示する機能を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項7】
請求項6記載の自動分析装置において、
前記リストを印字する機能を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項8】
請求項2記載の自動分析装置において、
前記凡例は、表形式、あるいは、装置の構成要素に基づく図形で表示するものであることを特徴とする自動分析装置。
【請求項9】
請求項2記載の自動分析装置において、
前記凡例は、空きポジション,残量なし,残量不足,キャリブレーション情報の少なくともいずれかを表示するものであることを特徴とする自動分析装置。
【請求項10】
請求項2記載の自動分析装置において、
前記凡例は、測定終了,ホスト送信,サンプル不足,バーコード読取りエラー,空,測定中,測定失敗の少なくともいずれかを表示するものであることを特徴とする自動分析装置。
【請求項11】
請求項2記載の自動分析装置において、
前記凡例は、緊急/一般の別,再検/初検の別,血清/尿/血しょう,その他の検体種別,ホスト送信の有無,データアラームの有無の少なくともいずれかを表示するものであることを特徴とする自動分析装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の自動分析装置において、
複数のモジュールやユニットが結合されている場合、モジュールごとの表示,全モジュールでの表示に切替える手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−36513(P2009−36513A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−198274(P2007−198274)
【出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】