説明

自動契約機の受付端末および受付システム

【課題】各自動契約機受付端末に現在の作業進行中の経過を表示し、あるいは決裁者と一般のオペレータの業務の移行時に、報知する構成とし、決裁者及びオペレータがその報知情報に基づいて各々の作業を行なうことで各自の業務をスムーズに完遂できることを課題とする。
【解決手段】遠隔地に設置された複数の顧客の契約を受付ける契約機と回線で接続され、上記顧客の契約を遂行させるためにオペレータが顧客に誘導案内する自動契約機の受付端末において、オペレータの入力を受付ける入力手段と、顧客の契約内容を上記受付端末に表示する表示手段と、を設け、オペレータが決済権限を有する受付業務が完了し、該オペレータの権限範囲外の受付業務に移行した時に、上記表示手段に該オペレータの権限範囲外の受付業務への移行を報知するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融機関等の無人化店舗に設置する無人契約機を稼働するための無人自動契約受付システム内に設けた、特に該無人契約機で契約を行なう顧客の契約処理を遠隔地から誘導案内する、オペレータの利用する受付端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各店舗に設置された顧客が操作する自動契約機と、受付センターにおいて契約受付を行う自動契約機受付端末での受付業務は、1取引を複数担当者で行うワークフローが導入される傾向がある。ただし、ワークフローの導入はワークフローサーバの導入等、大規模開発を伴うことが必要である。しかしワークフローを導入できるユーザは、ごく少数の大規模ユーザのみとなっており中堅規模以下のユーザは、ワークフローシステムの導入なしに、人為的な手法で、操作の交代を行っている背景がある。
【0003】
中堅規模以下のユーザでも、効率良く業務交代が可能な安価なシステム導入が求められている。
【0004】
関連の方式としては、特開平10−254949号公報(無人自動契約機システム)に示された、顧客の個人情報をイメージデータとして取得し、申込書イメージデータを取得した時点で、オペレータの作業を開始する方式であり、顧客が自身で作業を進めることができることと、オペレータの作業の開始時期が、顧客の個人情報取得の後であることから、オペレータ及び顧客の取引時間の効率化をおこなうものである。
【0005】
また、特開2001−125967号公報(無人契約機システム)に示されたものがある。この方式は自動契約機受付端末を制御する運用サーバの導入によりオペレータ操作スキルに合わせて受付業務を行う。この方式は、受付業務の難易度により、あらかじめ登録されたスキル別テーブルを用い、難易度の高い業務はスキルの高いオペレータに、難易度の低い業務はスキルの低いオペレータに受付をさせることにより、オペレータ業務の効率化を図るものである。オペレータの自席の受付端末に着信する業務が難易度により振り分けられるシステムである。基本的にオペレータは自席から移動することなく、自身のスキルに合わせた業務を行うこととしている。
【0006】
また、特開2003−209624号公報(自動契約機受付システムにおける受付業務転送方法)に示された方式は、スケジューリングサーバを用い、受付業務を他の自動契約機受付端末に転送するワークフローシステムである。
【0007】
あらかじめ登録されたスキル別テーブルにより、オペレータは自席の受付端末で自身の業務が終了した時点で次のオペレータに業務を引き継ぐ内容である。本システムは、顧客の1取引を複数のオペレータでワークシェアする方式である。基本的にオペレータは自席から移動することなく、自身のスキルに合わせた業務を行うこととしている。
【0008】
【特許文献1】特開平10−254949号公報
【特許文献2】特開2001−125967号公報
【特許文献3】特開2003−209624号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の自動契約機受付端末における、業務の進行状態表示としては、画面隅に取引フローの表示があり、現在の進行状態が画面により認識できる。しかし画面に表示された進行状態表示は、遠隔からは認識できず、遠隔から他の担当者が視覚的に認識できるものではない。
【0010】
中堅規模以下のユーザにおける、各センターでの自動契約機受付端末の機器配置は、管理者を中心とした“コの字”配置とし、1グループの自動契約機受付端末の台数は、10台から20台と少ない。よって、自動契約機受付端末全台の操作画面を、グループ内で視覚的に認識できる配置となっている。
【0011】
実際の運用としては、各担当者が業務を交代(操作を交代)するタイミングで声を掛け合って交代しており効率良く業務を交代する仕組みがない。
【0012】
大規模ワークフロー等のオペレータスキル別業務のワークシェア方式に関する公知例はあるが、オペレータが受付端末を移動して業務の遂行を行う仕組みになっていない。
【0013】
また、自動契約機受付端末自身で、オペレータが次に操作を行う必要のある自動契約機受付端末をオペレータに報知する手段がない。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前述までの目的を達成する為に、本発明は、遠隔地に設置された複数の顧客の契約を受付ける契約機と回線で接続され、上記顧客の契約を遂行させるためにオペレータが顧客に誘導案内する自動契約機の受付端末において、オペレータの入力を受付ける入力手段と、顧客の契約内容を上記受付端末に表示する表示手段と、を設け、オペレータが決済権限を有する受付業務が完了し、該オペレータの権限範囲外の受付業務に移行した時に、上記表示手段に該オペレータの権限範囲外の受付業務への移行を報知するように構成したことにある。
【0015】
上述のような構成としたので、受付センターにおいて契約受付を行う自動契約機受付端末の契約受付業務において、受付センターの自動契約機受付端末にて取引の進行状態を、受付端末の画面全体での表示により、また文字色の識別により、さらには音声鳴動により、離れた場所からでも各受付業務の進行状態が認識でき、受付担当者間で、人為的な連絡を行わなくても、自動契約機受付端末を遠隔から視覚および聴覚的に認識することで操作の交代のタイミングを円滑にかつ正確に認識することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、自動契約機受付端末自身で、次に処理が必要な自動契約機受付端末を認識することができることより、受付センター内での業務の交代を円滑にかつ正確に実施する自動契約機受付装置を提供することにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図1から図10を参照して、本発明の一実施形態を説明する。本実施形態は、金融機関等の無人化店舗に設置する無人契約機を稼働するための無人自動契約受付ブース内に設けた、特に該無人契約機で契約を行なう顧客の契約処理を遠隔地から誘導案内するオペレータの利用する受付端末に関する。
【0018】
先ず、図1は、本実施形態に係る無人自動契約受付システムのシステム構成図であり、図2は無人自動契約受付システムの各装置の内部構成図である。本構成図(図1)および内部構成図(図2)を用いて、概略構造を説明する。
【0019】
無人契約機1は、街角に設置されている自動契約ブース内の契約コーナー内に設けており、オペレータが居ない無人の環境下で顧客が契約を行ない、場合によりカードの発行まで行なう自動契約装置である。本契約手続きは顧客が契約機の画面の誘導案内により操作を行なうものであるが、実際には遠隔地のオペレータセンターに設置された無人契約機受付端末2を介してオペレータが操作誘導することで、契約を行なうようになっている。また、契約を行なう場合には、個人照会処理を行なうことで個人情報を遠隔地の自動契約サーバー3で照会するようになっており、契約希望者が契約を行なう資格者を有しているかどうかを検証する仕組みになっている。
【0020】
次に図2を用いて、各装置の内部構成について説明を行なう。まず、顧客が操作を行なう無人契約機1は、前述でも記載したように、街角に設置されている自動契約ブース内の契約コーナー内に設けており、オペレータが居ない無人の環境下で顧客が契約を行ない、場合によってはカードの発行まで行なう自動契約装置である。
【0021】
内部構成は、通信部13、カード処理部14、顧客案内表示部15、入力操作部16、帳票処理部17、音声入出力部19、及びそれらの周辺装置の制御を行なう制御部12から構成されている。
【0022】
通信部13は遠隔地に設置された無人契約機受付端末2及び自動契約サーバー3と接続するものである。また、カード処理部14は顧客の挿入するカードの読取、書込および新規カードの発行等を行なうものであり、顧客の挿入するカードから読み取った情報を制御部12へ送信し、場合によっては、制御部より受信した情報をカードに書き込むあるいは記憶させるものである。また、顧客案内表示部15は顧客が契約手続きを行なう際に画面表示により手続きを誘導案内するものである。また、契約手続きの中で顧客による情報の入力が必要であれば、例えばキートップなどから構成された入力操作部17を介して顧客に情報を入力させることが可能となっている。さらに、契約に必要な契約者所有の帳票(例えば、免許証、パスポート、保険証等)を読み込ませたり、契約書を発行させるもので、契約に必要である個人に関する情報を帳票処理部17より読み取って記憶部19あるいは通信部を介して自動契約サーバー3および無人契約機受付端末2に送信するものである。さらに、顧客の契約手続き中にオペレータとの直接的な会話が必要である場合は音声入出力部18を介して会話することも可能である。また、無人契約機1で必要に応じて本音声入出力部18により音声及び効果音を出力することで顧客の契約手続きを助長させることも可能である。また、記憶部19は無人契約機1の運用に必要な諸プログラムおよび初期データなどを記憶させている。また、必要に応じて、顧客との契約内容および契約に必要な数々の情報も記憶させることが可能である。
【0023】
次に、無人契約機受付端末2は、無人契約機1で契約を行なう顧客の契約内容を本無人契約受付端末2で内容を確認し、手続きを誘導案内するものである。
【0024】
内部構成は、通信部7、表示部8、入力操作部9、音声入出力部10、記憶部11、及びそれらの周辺装置の制御を行なう制御部6から構成されている。
【0025】
通信部7は遠隔地に設置された無人契約機1及び自動契約サーバー3と接続するものである。また表示部8は顧客の契約内容および無人コーナーに設置されたカメラなどの映像を表示し、顧客の契約手続きを助長するものである。さらに、入力操作部はキーボード及びコンピュータマウスさらには、ペン型の入力手段等を使用して情報を入力させる操作部であり、入力された情報を基に、無人契約機1で手続きする顧客への手続きを助長するためのものである。
【0026】
基本的に契約端末は一般の汎用パソコン本体とディスプレイから構成され、契約するための専用のプログラムを起動させたものである。
【0027】
次に、自動契約サーバー3は、通信部5によって、無人契約機1および無人契約機受付端末2と接続されており、顧客の生体情報を記憶したデータベースである生体情報DB4を基に、顧客の本人確認の真偽を行なっており、接続された無人契約機1及び無人契約機受付端末2に上記情報を出力するものである。あるいは、無人契約機受付端末1で顧客の生体情報を登録可能であれば、その生体情報を上記生体情報DB4に記憶することも可能である。
【0028】
次に、自動契約機受付端末2を設置しているオペレータセンターの内部構造について、図3を用いて説明する。図3は、オペレータセンターの内部構造を示したものであり、オペレータの使用する自動契約機受付端末2が複数設置されており、一般的に上記自動契約機受付端末2を周囲に配置し、その中央あるいはそれらの自動契約機受付端末2を見渡せる位置に決済者の作業机が位置している形態となっている。ここで言う決裁者とは、契約手続き中の顧客と契約を行なうかどうかを判断できる資格を有する人を示すものである。オペレータセンターには、顧客の契約手続き全体の案内誘導を行なうオペレータと、顧客との契約の決済権限を有した決裁者とが内在し、契約手続きを進めるにおいて、担当する作業が分割されており、各作業を行なう権限を有する人が各々の持つ資格者に相当する作業を各々担うことで顧客との契約手続きが成立させると言った構成になっている。例えば、個人の過去の契約履歴や信用情報を基に契約の有無を判断して決済する人は決裁者と呼ばれており、一般のオペレータとは異なる作業を担っている。図3に示すように、中規模程度のオペレータセンターでは、自動受付端末2が中央を正面に向けて周囲に12台、オペレータが4人、決裁者が2人程度という人員構成が一般的である。作業の流れでは、数人のオペレータが行なった作業中に、決裁者の権限を必要とする作業に到達すると、決裁者がその作業を行ない、完了後、引き続いて、一般のオペレータにその後の作業を任せるといった構成になっている。本作業分担の具体的な受渡し方法を図4、図5を用いて説明を行なう。
【0029】
まず、図4における作業1の例において、自動契約機を利用した顧客の契約誘導をオペレータ3が自動契約機受付端末NO.1、5、8で各々作業した後、決済権限が必要な作業に移行し、その作業を決裁者2が引き続いて行なうものである。従来によれば、この時、オペレータ3は、決裁者2に対して、決済権限が必要な作業に到達し、作業を行なってもらう旨を口頭で伝えて作業の移行を行なっている。本実施例のように決済者は複数の端末において、同時期に複数台の決済業務を行なう場合も発生する。
【0030】
図5における作業2の例では、また、決裁者2が自動端末機NO.10で作業を行なっている場合等は、他の端末で決済作業が発生した場合は、別の決裁者1が例えば自動契約機受付端末No.4での作業を終えた後に、自動契約機受付端末No.6を引き続いて行なう等、常に決裁者はオペレータの連絡に応じて決済業務を行なう流れを有している。
【0031】
また、オペレータ3は、自動契約機受付端末No.12の作業を終えて、決裁者にその後の作業を依頼しつつ、次の自動契約機受付端末NO.9で一般的作業を行なう等、オペレータにおいても、決済業務以外の一般的作業を必要とする自動契約機受付端末を次々と見つけて作業を消化していくと言った作業の流れになっている。契約者が比較的少ない場合あるいは作業者が多い場合は、双方の口頭による意思伝達によって、各業務を行なっていくことは可能であるが、契約者が多く、複数の契約作業が同時に発生する環境あるいは作業者が少ない場合では、口頭による意思伝達だけでは、1つの作業終了後に、作業者の次に自分が行なう必要とされる自動契約機受付端末2がどの端末であり、どの端末が未作業であるか等把握出来ず、スムーズに作業を完遂することが困難となってくる。
【0032】
本発明では、このような状況下において、各自動契約機受付端末2に現在の作業進行中の経過を表示し、あるいは決裁者と一般のオペレータの業務の移行時に、報知する構成とし、決裁者及びオペレータがその報知情報に基づいて各々の作業を行なうことで各自の業務をスムーズに完遂できることを目的とした技術を提供したものである。
【0033】
次に図6〜10を用いて、各自動契約機受付端末2の詳細な処理フローについて説明を行なう。図6は自動契約機1、各自動契約機受付端末2における各処理内容を関連付けて図示した処理フロー図である。また、図7は自動契約機受付端末2の操作画面の一例である。操作画面には、利用者との契約作業の進行状態を確認する取引進行状態表示欄700、顧客の属性を入力する顧客属性入力欄701、さらに自動契約機にオペレータ及び決裁者が指示及び操作を行なう自動契約機指示欄702、操作欄703が設けられており、自動契約機受付端末2の画面にて利用者の契約作業を助長出来る構成になっている。さらに、取引進行状態表示欄700に表示された契約に必要な各処理内容は、基本的には画面上から下に順番に操作を行なっていくものであるが、オペレータ及び決裁者の判断により、一部の処理を優先的に処理することも可能である。
【0034】
次に図6を用いて各処理動作の説明を行なう。自動契約機2において、顧客が取引を開始する(S600)と、顧客及び自動契約機2の設置されている部屋(空間)がその開始のタイミングで外部へ退出するための扉が自動的にロックを行ない、外部からの侵入者を防止する。一方、上記契約機と接続された自動契約機受付端末2の1台で、顧客が契約作業に入ったことを検知し、上記ドアロックを行なったことを上記自動契約機1にて利用者に説明する処理を契約機1に対して指示する(S620)と、自動契約機1はドアロックの状態を利用者に顧客案内表示部15で音声あるいは画面にて説明を行なう(S601)ことになる。
【0035】
次に、自動機契約機受付端末2から信用情報利用に対する利用者の同意を求めるために自動契約機1に対して信用情報利用同意説明の案内指示を実行する(S621)。この指示を受けて、自動機契約機1は利用者に対して個人情報利用に対して同意を促す案内を実行して同意を求める(S602)。ここで言う個人情報利用同意説明とは、個人情報の保護に関する法律に基づき、本契約における個人情報を利用することを本人に対して同意を求める旨の説明を自動契約機で案内することを示す。本同意を得ることによって、契約に必要である個人情報を利用することが可能となる。本同意を得ると、自動契約機受付端末2から自動契約機1に対してカード挿入の案内を行なう指示を出す(S622)。自動契約機1は上記指示を受けて、利用者に以前に契約したカードがあれば、当該カードを挿入する旨の案内を行なうことになる(S603)。
【0036】
次に、自動契約機受付端末2から身分証明書の表示・確認指示を自動契約機1に対して指示する(S623)と、自動契約機1は使用する身分証明書の選択及び提示する旨の案内を利用者に対して行ない、提示された身分証明書の記載内容の読み取りを実施する(S605)。上記読み取った情報を契約機受付端末2を操作するオペレータ側が確認を行ない(S623)、問題なければ次の処理へと進める。問題がある場合は、再度自動契約機1を介して利用者に再提示あるいは問題点の解消を行なうための案内を行なう(フローしない)場合もある。
【0037】
上記確認作業が正常に行なわれると、自動契約機受付端末2は属性入力・確認指示を自動契約機1に対して行なう(S624)と、自動契約機1は利用者の個人属性に関する情報を入力指示する案内を行ない、利用者に入力を実行させる(S606)。上記属性情報をオペレータは自動契約機受付端末2を介して確認を行ない(S624)、問題がなければ次の作業に移行する。ここでも問題がある場合は、利用者に対して、問題点の解消を行なうための案内を行なうフローしない)場合もある。ここまでの契約業務の受付に関する作業内容(以後、事前受付業務と称す)は一般のオペレータが担うものであり、この作業完了後、一旦オペレータが作業を終了し、決裁者にその後の作業を移行させる。
【0038】
本発明では、この時点において、作業を行なっていたオペレータは図8で示す自動契約機受付端末2内の本作業実施機の操作画面内あるいは近傍に設けた「自端末状況報知ボタン801」を押下することにより、本作業実施端末機に、現在の進行状況を全画面にて報知して、別の自動契約機受付端末に移動することになる(S640)。上記「自端末状況報知ボタン801」が押下されると、当該自動契約機受付端末の画面に図9で示す進行状態報知画面900及び決済業務待ち報知画面902を画面一面に表示し、決済業務待ちであることが決裁者が遠くからでも認識できるように報知する。
【0039】
次に上記オペレータは、別の自動契約機受付端末に移動するために、「他端末状況確認ボタン800」を押下し、自分の責任範囲で作業が可能である処理待ち状況にある他の自動契約機受付端末を確認する(S641)。図10に示す自動契約機受付端末に表示された報知画面1000は、決済業務が決裁者により、完了後、その後の契約業務の処理待ちになっている自動契約機受付端末の端末番号が赤の背景色で大きく表示したものである。例えば、契約業務が精勤範囲内の作業である場合には、オペレータは本表示に従い、表示された自動契約端末に移動し、契約業務を遂行することになる。本表示は、「自端末状況報知ボタン801」が押下されるあるいは一定時間経過後、表示が消えるもので、さらに、オペレータ及び決裁者が離席時は基本的には「自端末状況報知ボタン801」の内容を表示するようになっている。
【0040】
ここでの報知手段として、画面全体に大きく決済業務待ちなる旨の内容を赤色を背景にして表示しているが、赤色以外の異なる表示色、複合の表示色であってもよく、また、単なる一面表示だけでなく、部分的に表示したり、色分けした表示や、点滅表示や時間経過で表示色を変化するものでよい。また、表示内容に関しても、決裁者の業務待ちであることが判る内容であれば表現には囚われないものである。また、待機している自動契約機受付端末に優先順位を設けて、優先順位に従って操作を促す構成であっても良い。優先順位は利用者の差別化内容であっても、経過時間量であっても差し支えない。また、ここでは、画面表示で説明したが、例えば、アラーム表示器を設けたり、音による案内でもあってもよい。また、進行状態は表示せず、直接決済待ちの旨を表示するものであっても問題ない。決裁者の注意を惹きつけ、決裁者の業務待ちを報知できるものであれば問題ない。
【0041】
次に、上記確認が正常に行なわれると、自動契約機受付端末2は本契約に関する契約案内表示指示を自動契約機1に対して行なう(S625)と、自動契約機1は本契約に関する契約内容を音声あるいは表示にて上記契約内容を利用者に対して表示案内する(S607)。次に利用者の個人情報を基に、自動契約機1あるいは自動契約機受付端末2から自動契約サーバー3へ、あるいは自動契約サーバー3から利用者の個人情報を入手し、利用者の契約を行なう資格が有るか否かの審査を実施する。審査が完了すれば、自動契約機受付端末2は、当該審査結果告知指示を自動契約機1に対して指示する(S626)と、自動契約機1は、上記審査結果を利用者に報知する(S608)。ここで審査結果が契約を行なうことに問題がなければ、次の作業に移行することになる。ここでも、審査結果が契約を行なうのに問題がある場合は、利用者にその旨を告知するとともに一般的には、本契約を中断する処理を実行することになる。上記、契約内容案内及び審査結果告知に関連する作業が決裁業務に属し、決済の権限を有する決裁者が行なうことになる。ここで、決裁者は本作業の完了を持って、一般のオペレータあるいは契約業務の権限を有する作業者に業務を移行することになる。
【0042】
この場合も前回と同じように、責任範囲別業務に移行するために、決裁者は「自端末状況報知ボタン801」「他端末状況報知ボタン800」を押下して、自分の次に移動すべき自動契約機受付端末の端末番号を確認し、本自動契約端末の決裁者の責任範囲の作業が完了したことを報知する報知画面を表示させて移動する(S642)、(S643)。
【0043】
次に、本契約業務を引き継いだオペレータおよび契約業務を行なう権限者は、暗証番号入力指示を自動契約機1に対して指示を行なう(S627)。本指示を受けた自動契約機1は利用者に暗証番号を入力させる案内画面を顧客案内表示部15に表示し、利用者の暗証番号の入力を待つ(S609)。自動契約機受付端末2で暗証番号が入力されたことを確認すると、次に契約書発行指示および契約書記入案内指示(S629)を自動契約機1に対して指示を行なう(S628)。本指示を受けた自動契約機1は帳票処理部17で契約書を発行し(S610)、利用者に契約書の記入の案内を行なう案内画面を顧客案内表示部15に表示し、利用者の契約書の記入を待つ(S611)。利用者の契約書の記入が完了すると、自動契約機1は契約書の読取りを行ない(S612)、読取った内容を自動契約機受付端末2へ送付する。自動契約機受付端末2は送付された契約書の内容をオペレータあるいは自動契約機受付端末2自身が内容を確認し(S630)、問題なければ契約書(控)発行指示を自動契約機1に対して指示する(S631)。本指示を受けた自動契約機1は帳票処理部17で契約書(控)を発行し、利用者自身が保管しておくことの案内を顧客案内表示部15に表示する(S613)。
【0044】
次に、自動契約機受付端末2は暗証番号再入力指示を自動契約機1に対して指示する(S632)。本指示を受けた自動契約機1は利用者に暗証番号を再度入力する旨の説明の案内画面を顧客案内表示部15に表示し、利用者の暗証番号の再入力を待つ(S614)。利用者の暗証番号の再入力が完了すると、自動契約機受付端末2はカード発行指示を自動契約機1に対して指示する(S633)。本指示を受けた自動契約機1はカード処理部14から新規カードを発行し(S615)、利用者に渡すことで本契約処理が終了する。
【0045】
本発明は、本実施例のように、オペレータセンターが比較的中規模の場合において、特に数人のオペレータと決裁者が存在する場合において効果があり、各責任範囲内の業務遂行が的確に識別でき、自動契約機受付端末自身で、次に処理が必要な自動契約機受付端末を認識することができることより、受付センター内での業務の交代を円滑にかつ正確に実施する自動契約機受付装置を提供するものである。
【0046】
本実施例では、顧客への契約作業案内を顧客案内表示部15で画面表示することで説明したが、自動契約機に組み込まれた音声案内乃至オペレータ及び決裁者がマイクを利用して直接案内する形態でも差し支えない。また、業務フローにおいても、各作業項目の進行順序の入れ替わりおよび別項目が介在している場合でも差し支えない。
【0047】
また、報知実行手段として、画面に設けたボタンで実行する例で説明したが、別機コントローラでもよく、操作用の別端末でも問題ない。さらに、各自動契約機受付端末毎に個別に報知実行ボタンを設けた構成で説明したが、1台の操作機で集中に監視、報知実行出来る構成であっても問題ない。本発明の主旨、目的が同一であれば本発明の技術範囲に全て属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の受付端末とホストのシステム構成図である。
【図2】本発明の受付端末とホストの内部構成図である。
【図3】本発明の自動契約機受付センタ内機器配置構成図である。
【図4】本発明の自動契約機受付センタの作業の1例(作業1)推移図である。
【図5】本発明の自動契約機受付センタの作業の1例(作業2)推移図である。
【図6】本発明の自動契約機受付端末処理フロー図である。
【図7】本発明の自動契約機受付端末操作画面の画面構成図である。
【図8】本発明の自動契約機受付端末操作画面及び報知実行ボタン構成図である。
【図9】本発明の自動契約機受付端末操作画面(進行状態報知)である。
【図10】本発明の自動契約機受付端末操作画面(他端末での操作要情報報知)である。
【符号の説明】
【0049】
1…無人契約機、2…無人契約機受付端末、3…自動契約サーバー、4…生体情報DB、5…通信部(自動契約サーバー)、6…制御部(無人契約機受付端末)、7…通信部(無人契約機受付端末)、8…表示部(無人契約機受付端末)、9…入力操作部(無人契約機受付端末)、10…音声入出力部(無人契約機受付端末)、11…記憶部(無人契約機受付端末)、12…制御部(無人契約機)、13…通信部(無人契約機)、14…カード処理部(無人契約機)、15…顧客案内表示部(無人契約機)、16…入力操作部(無人契約機)、17…帳票処理部(無人契約機)、18…音声入出力部(無人契約機)、19…記憶部(無人契約機)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔地に設置された複数の顧客の契約を受付ける契約機と回線で接続され、上記顧客の契約を遂行させるためにオペレータが顧客に誘導案内する自動契約機の受付端末において、
オペレータの入力を受付ける入力手段と、
顧客の契約内容を上記受付端末に表示する表示手段と、を設け、
オペレータが決済権限を有する受付業務が完了し、該オペレータの権限範囲外の受付業務に移行した時に、上記表示手段に該オペレータの権限範囲外の受付業務への移行を報知することを特徴とする自動契約機の受付端末。
【請求項2】
上記表示手段は、上記受付端末に上記オペレータの権限範囲外の受付業務への移行を示す情報を案内表示する請求項1記載の自動契約機の受付端末。
【請求項3】
上記表示は、顧客の契約内容の進捗状態及び、業務権限の異なる担当者へ業務が移行した時に表示画面色に変化を持たせることで報知する請求項2記載の自動契約機の受付端末。
【請求項4】
上記受付端末は音声を出力する音声出力手段を備え、顧客の契約内容の進捗状態及び業務権限が移行した時に上記変化を音声にて報知する請求項1記載の自動契約機の受付端末。
【請求項5】
回線で接続された上記受付端末を複数備え、
上記複数の受付端末における顧客の契約状況を監視する監視手段を設けた受付システムにおいて、
当該オペレータが権限範囲外の受付業務への移行を示す上記受付端末が複数存在した場合に、優先順位情報を含めて報知する請求項1〜4記載の自動契約機の受付システム。
【請求項6】
上記優先順位情報は、取引内容、顧客の状態、及び上記オペレータの権限範囲外の受付業務へ移行してからの経過時間の少なくとも一つを基に定めた優先順位である請求項5記載の自動契約機の受付システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−323216(P2007−323216A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−150862(P2006−150862)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)