説明

自動快適性修正による圧力サポートシステム及び方法

圧力生成システム32及び患者回路34を介して気体の流動を患者の気道に供給する圧力サポートシステム30及び方法を開示する。コントローラは、入力源から治療設定値を受け取って、治療設定値及び快適性特徴関数に基づいて調整された治療設定値を決定する。快適性特徴関数は、一実施例において、そのような患者の生理学的状態に基づかない。他の一実施例において、コントローラは、治療設定値及び快適性特徴に基づいて療法セッションの間に呼吸治療療法を提供し、快適性特徴は、治療設定値変数との治療設定値の比較に基づいて、ユーザが操作しなくても療法セッションの間に自動的に修正される。コントローラは、調整された治療設定値又は治療設定値及び快適性特徴の組み合わせに基づいて圧力生成システムの動作を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼吸障害を治療するための圧力サポートシステム及びその使用方法に関し、特に、療法セッションの間に患者に供給される呼吸治療療法の快適性を自動的に最大化するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの人が睡眠の間に呼吸障害に苦しむことがよく知られている。睡眠呼吸障害の例は、無呼吸、呼吸低下、流動制限及びChynes-Stokes呼吸を含む。無呼吸は、呼吸するための駆動機構の喪失の結果である中枢性無呼吸、気道の機械的な閉塞の結果である閉塞性無呼吸、又は混合(中枢性及び閉塞性)無呼吸である。世界中で数百万人もの人々が苦しんでいると考えられる閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、呼吸することができないことによって睡眠が繰り返し妨げられる状況であり、気道(一般的に上部気道又は咽頭領域)の閉塞のために発生する。気道の閉塞は、少なくとも一つには、上部気道セグメントを安定させる筋肉が全般的に弛緩して、それによって、組織が気道をつぶすことが可能になることに起因すると、一般に考えられている。
【0003】
OSAに悩む人々は、睡眠の断片化や、潜在的に重篤な程度の酸素ヘモグロビン不飽和化を伴う睡眠間の間欠的なベンチレーションの完全な又はほぼ完全な停止を経験する。これらの症状は臨床的に、極端な日中の眠気、心臓不整脈、肺動脈高血圧症、うっ血性心不全及び/又は認知機能不全と解釈される場合がある。OSAの他の結果は、右心室機能不全、覚醒状態及び睡眠間の炭酸ガス蓄積及び動脈酸素分圧の連続的な低下を含む。睡眠時無呼吸患者は、これらの要因による、並びに、運転及び/又は潜在的に危険な装置を操作する間の事故に対する高い危険性による、過剰な死亡率のリスクがある可能性がある。
【0004】
患者が完全な気道の閉塞に苦しんでいない場合であっても、部分的な気道の閉塞のみでも、睡眠からの覚醒のような悪影響が発生する可能性があることが知られている。気道の部分的な閉塞は一般的に、呼吸低下と呼ばれる表在呼吸に結びつく。他の種類の呼吸障害は、上部気道抵抗症候群(UARS)を含み、これは、閉塞性睡眠時無呼吸及び酸素不飽和化は無いが、患者が過剰な日中の眠気、慢性疲労及び睡眠間の増大した呼吸労力を経験することを特徴とし、呼吸低下又は無呼吸が発生しないにもかかわらず、覚醒が繰り返し起こる。更に他の種類の呼吸障害は、一般にいびきと呼ばれる気道の振動(例えば咽頭壁の振動)を含む。いびきは気道の閉鎖を伴い、UARS、呼吸低下又は無呼吸につながる可能性があることが知られている。
【0005】
患者に呼吸治療療法を行うことによってそのような呼吸障害を治療することが知られている。この療法はいくつかの形式をとることができる。一つの形式では、呼吸治療療法は、持続性気道陽圧(CPAP)を患者の気道に適用することを含む。この陽圧は有効に気道に「副木を添える」ことができ、それによって肺への開いた通路を維持する。この療法を提供するCPAP装置の例は、ピッツバーグ(PA)のRespironics社によって製造されるCPAP装置のREMstar(R)ファミリーである。
【0006】
他の形式では、呼吸治療療法は、患者に二相性陽圧療法を提供することを含む。この治療療法では、患者の気道に供給される流体の圧力は変化し、すなわち、患者に対する治療効果及び快適性を最大化するために患者の呼吸サイクルと同期する。吸息の間、患者は吸気気道陽圧(IPAP)を受け、そして呼息の間、患者はIPAPより低い呼気気道陽圧(EPAP)を受ける。吸気フェーズの間よりも低い圧力が患者の呼気フェーズの間にその患者に供給される「二相性」圧力サポートを提供する圧力サポート装置の例は、ピッツバーグ(ペンシルヴェニア州) のRespironics社によって製造及び供給される装置のBiPAP(R)ファミリーである。
【0007】
二相性療法は様々な異なるパターンを持つ圧力波形を提供することができることが留意されるべきである。例えば圧力は、従来の矩形波で、又は、より厳密に健康な人の圧力又は流動波形を模倣する形態で供給されることができる。「流体」という本願明細書において用いられる用語は、人の気道への供給に適した任意の気体、気体の混合物又は薬剤を伴う気体などを指す。
【0008】
患者に供給される圧力が、患者がいびきをかいているか、又は無呼吸、呼吸低下若しくはいびきを感じているかどうかのような、検出された患者の状況に基づいて、自動的に調整される呼吸治療療法を提供することがさらに知られている。この呼吸治療技術は、圧力サポート装置が呼吸障害を治療するためにちょうど必要なだけ高い圧力を患者へ供給しようと試みるので、自動滴定型圧力サポートと呼ばれる。患者がいびきをかいているか否かに基づいて患者に供給される圧力を調整する装置の例は、Respironics社によって製造及び供給されるREMstar(R) Auto装置である。
【0009】
陽圧を患者へ供給する他のモードを提供する他の圧力サポートシステムがさらに知られている。例えば、圧力サポートの比例補助ベンチレーション(PAV(R))モードは、患者に対する快適さを高めるために、患者に供給される気体の圧力が患者の呼吸労力に従って変化する陽圧療法を提供する。米国特許第5,044,362号及び5,107,830号(共にYounes)(参照によりそれらの内容は明細書に組み込まれる)は、PAVモードで動作することが可能な圧力サポート装置を教示する。
【0010】
比例陽気道圧力(PPAP)装置は、患者によって生成される流動に基づいて、呼吸気体を患者に供給する。米国特許第5,535,738号、5,794,615号、 6,105,575号、6,609,517号、及び6,932,084号(あわせてPPAP特許と呼ぶ)は、PPAPモードで動作することが可能な圧力サポート装置を教示する(これらの文献の内容は本明細書に参照として組み込まれる)。患者の呼吸流動に基づいて患者に供給される圧力を調整する装置の例は、Respironics社によって製造及び供給されるC-Flex(TM)又はBi-Flex(R)装置を伴うREMstar(R)Pro、Plus又はAutoである。用語"C-Flex"は、患者に供給される圧力が呼息の間の流動に比例して低減されるCPAP呼吸治療療法を提供する装置を指す。用語"Bi-Flex"は、IPAP又はEPAP圧力が流動に比例してさらに低減される二相性呼吸治療療法を提供する装置を指す。
【0011】
さらに、そのような呼吸療法の組み合わせを提供することが知られている。例えば、C-Flex(TM)搭載のREMstar(R)AutoのようなC-Flex搭載CPAP装置は、自動滴定することができ、CPAP圧力は、モニタリングされた患者の状態に基づいて、治療セッションの間に変化する。同様に、Bi-Flex(TM)搭載のBi-PAP(R)AutoのようなBi-Flex搭載二相性装置は、自動滴定することができ、IPAP及びEPAP圧力は、モニタリングされた患者の状態に基づいて、治療セッションの間に変化する。自動滴定二相性装置において、装置がどのように構成されるかに依存して、圧力サポート(PS)と呼ばれるIPAPとEPAPとの間の差分は、自動滴定アルゴリズムに従って変化することができ、又は一定に保たれることができる。
【0012】
米国特許第6,640,806号は、IPAPとEPAPとの間の圧力遷移の立ち上り時間及び/又は立ち下がり時間を自動的に変更する二相性圧力サポートシステムを開示する。立ち上がり/立ち下がり時間の変更は、流動、圧力又は他のセンサによって検出される患者の生理学的状態に基づいて実行されて、結果として圧力サポート療法全体の快適さの最適化につながらない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
自動滴定装置、二相性装置、PPAPを含む装置(C-Flex若しくはBi-Flex)、又はそのような装置の任意の組み合わせが、基本的なCPAP装置に基づいて改善され、患者に提供される呼吸治療療法をより快適なものにしたが、さらに呼吸治療療法の快適さを改善する必要性がなお存在する。快適さがより良好であるほど、患者はより多くこの療法を使用する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
したがって、従来の圧力サポートシステムの欠点を克服する圧力サポートシステムを提供することが本発明の目的である。この目的は、圧力サポートシステムを提供することによって、本発明の一つの実施の形態によって達成され、この圧力サポートシステムは、加圧された気体の流動を引き起こすように適応された圧力生成システム、前記圧力生成システムに結合され、患者の気道に前記気体の流動を給送するように適応される患者回路、及びコントローラを有する。コントローラは、入力源から治療設定値を受け取って、その治療設定値及び快適性特徴関数に基づいて調整された治療設定値を決定するようにプログラムされる。快適性特徴関数は、そのような患者の生理学的状態に基づかない式、アルゴリズム又は他の実施態様方式であり、患者に提供されている基本的な呼吸治療療法の快適性特徴を、いつどのように追加、削除又は修正するのかを表す。コントローラは、調整された治療設定値に基づいて圧力生成システムの動作を制御する。
【0015】
他の実施例において、この目的は、同じハードウェアを有する圧力サポートシステムを提供することによって達成されるが、コントローラは、治療設定値及び快適性特徴に基づいて療法セッションの間に呼吸治療療法を提供するようにプログラムされる。この実施例において、快適性特徴は、ユーザの介入無しで、治療設定値変数との治療設定値の比較に基づいて、療法セッションの間に、自動的に追加、削除又は変更される。
【0016】
従来の呼吸療法技術に関連した短所を被らない呼吸治療療法を提供する方法を提供することが、本発明のさらに別の目的である。この目的は、加圧された気体の流動を生成すること、患者の気道に気体の流動を給送すること、及び、治療設定値及び快適性特徴関数に基づいて調整された治療設定値を決定することを含む方法を提供することによって達成される。快適性特徴関数は、そのような患者の生理学的状態に基づかない。本方法は、調整された治療設定値に基づいて気体の流動を制御することをさらに含む。
【0017】
他の実施例において、この目的は、加圧された気体の流動を生成するように適応された圧力生成システムを提供すること、患者の気道に気体の流動を給送すること、治療設定値及び快適性特徴に基づいて療法セッションの間に呼吸治療療法を提供するように圧力生成システムを制御すること、及び、ユーザの介入無しで、治療設定値変数との治療設定値の比較に基づいて、療法セッションの間に自動的に快適性特徴を追加、削除又は変更すること含む方法を提供することによって達成される。
【0018】
本発明のこれらの及び他の目的、特徴及び特性は、操作方法、構造の関連素子の機能、パーツの組み合わせ及び製造の経済と同様に、その全てがこの明細書の一部を形成する添付の図面を参照して、以下の説明及び添付の特許請求の範囲の考察により明らかになる。様々な図面において、同様の参照番号は対応する部分を指す。しかしながら、図面は図解及び説明のみを目的とするものであり、本発明の限定を定義するものとして意図されていないことが、明確に理解されるべきである。明細書及び請求の範囲において、単数形の名詞は、文脈において別途明確に述べられない限り、その名詞が指すものが複数含まれることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の原理による自動快適性特徴修正技術を実現するために適した圧力サポートシステムの概略図。
【図2】本発明の原理による自動快適性特徴修正技術の例示的な実施の形態の実施態様を図示するフローチャート。
【図3】自動快適性特徴修正技術の第1の実施の形態に従って患者に提供される気体流動の圧力波形を図示するグラフ。
【図4】自動快適性特徴修正技術の第2の実施の形態に従って患者に提供される気体流動の圧力波形を図示するグラフ。
【図5】本発明の原理による自動快適性特徴修正技術のさらに例示的な実施の形態の実施態様を図示するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
A. システムハードウェア
図1は、本発明の原理による圧力サポートシステム30の例示的な実施の形態を概略的に図示する。圧力サポートシステム30は、概して32で示される圧力生成システム及び患者回路34を含む。患者回路34は、管路36及び患者インタフェース装置38を含む。図示された実施の形態において、圧力生成システム32は、圧力発生器40及び圧力発生器の流出口に結合される圧力制御弁42を含む。破線31によって示されるハウジングは、圧力サポートシステムのコンポーネントの多くを含む。
【0021】
圧力発生器40は、矢印Aによって示されるように、呼吸気体の供給源から呼吸気体を受け取り、矢印Bによって示されるように、患者の気道への供給のために大気より高い圧力で患者回路34に呼吸気体を出力する。本発明の好ましい実施の形態において、圧力発生器40は、例えば気体供給源からの入口において外気を受け取る機械的圧力発生器(例えば送風機、ベローズ又はピストン)である。圧力制御弁42は、患者に対する流動を制限すること、矢印Cによって示されるように患者回路34から流動を逸らすこと、又はそれらの組み合わせによって、患者回路を介して患者に供給される呼吸気体の流動の圧力を制御する。圧力サポートシステムで使用するのに適した圧力制御弁の例は、米国特許番号5,694,923、5,701,883、6,123,074、6,615,831及び7,134,434に開示される。
【0022】
本発明はさらに、単に圧力発生器40の動作速度を制御することによって、あるいはバルブ42を併用して、患者に供給される呼吸気体の流動の圧力を制御することを意図する。もちろん、患者に供給される呼吸気体の流動の圧力を制御するために動作速度だけが用いられる場合、バルブ42は省かれることができる。当業者は、患者に供給される呼吸気体の流動の圧力を制御するための他の技術が、単独で或いは上述の技術と併用して、圧力サポートシステム30において実現されることができることを認識することができる。例えば、圧力発生器40への気体の流動(矢印A)を制御し、ひいては患者へ供給するために出力される気体の流動の圧力を制御する流動制限バルブ(図示せず)が、圧力発生器40の上流に設けられていることができる。
【0023】
一般的に、呼吸気体の供給源は大気であり、その圧力はその後、圧力生成システムによって、患者へ供給するために高められる。例えば酸素供給源からの酸素又は酸素混合物のような呼吸気体の他の供給源が本発明によって意図されることが理解されるべきである。本発明は、空気の圧力を増加させるための圧力発生器(例えば送風機、ベローズ又はピストン)を使用することなく、加圧された空気が加圧空気タンクから患者回路を介して患者の気道に直接供給されることができることを意図することがさらに理解されるべきである。もちろん、患者に供給される気体の圧力を制御するために圧力調節器(例えばバルブ42)が必要とされる。本発明に関する重要な特徴は、加圧呼吸気体が患者への供給のために患者回路に供給されることであり、必ずしも供給源や加圧呼吸気体が生成される方式ではない。
【0024】
図1には示されないが、本発明はさらに、気体の二次流動を、単独で或いは大気からの気体の一次流動(矢印A)と共に供給することを意図する。例えば、任意の適切な供給源からの酸素の流動が、患者に供給される吸気酸素の割合を制御するために、圧力発生器40の上流で又は圧力発生器の下流で、患者回路中に又は患者インタフェース装置において、供給されることができる。酸素供給モジュールを含む圧力サポートシステムの例は、米国特許番号5,694,923、5,701,883及び6,123,074並びに係属中の米国出願番号11/480,595(公開番号US20070044799A1)に開示される。もちろん、酸素以外の又は酸素に加えた気体又は気体混合物が、気体の二次流動として供給されることができる。これらの例は、ヘリウム、ヘリウム酸素混合物(heliox)、窒素及び窒素酸素混合物を含む。一般的に乾燥粉末又はエアロゾル状の他の物質(例えば薬剤) を導入するためのコンポーネントが、本発明の圧力生成システムに設けられることができる。
【0025】
図示された実施の形態において、患者回路34中の管路36は、圧力発生器40の出力に結合される一方の端部、及び患者インタフェース装置38に結合される他方の端部を持つ。管路36は、圧力発生器から患者の気道へ気体流動を運ぶことが可能な任意の管類である。一般的に、圧力発生器40に対して遠位の管路36の部分は、患者の運動の自由度を許容するためにフレキシブルである。さまざまなコンポーネントが、患者回路34に設けられ、又は患者回路34に結合されることができることが理解されるべきである。例えば、バクテリアフィルタ、圧力制御弁、流量制御弁、センサ、度数計、加圧フィルタ、加湿器及び/又はヒーターが、患者回路に設けられることができ、又は患者回路に取り付けられることができる。同様に、他のコンポーネント(例えば消音器及びフィルタ)が、圧力発生器40の吸気口やバルブ42の排気口に設けられていることができる。
【0026】
患者回路34の患者インタフェース装置38は、患者の気道に管路36の端部を連通するのに適した任意の装置である。適切な患者インタフェース装置の例は、鼻マスク、経口マスク又はマウスピース、経鼻/経口マスク、経鼻カニューレ、気管チューブ、挿管チューブ、フード又はフルフェースマスクを含む。適切なインタフェース装置のこのリストは、排他的又は網羅的であることを意図しないことが理解されるべきである。
【0027】
本発明の単一リム患者回路において、患者から吐き出された気体は一般的に、矢印Dによって示されるように排気口43を介して患者回路を出る。図示された実施の形態において、排気口43は、管路34の末端部分に設けられている。患者の呼吸気体積及び圧力サポートシステム30によって供給される圧力によっては、僅かな割合の吐き出された気体が、圧力サポートシステム30へと管路を戻る場合があり、そしてさらに、圧力発生器の気体吸気口を通して及び/又は圧力制御弁42(そのようなバルブが圧力発生器と共に用いられているならば)を通して大気に排気される場合がある。
【0028】
一般的に排気口43は、管路の内部を大気に連通する管路中に設けられたオリフィスであり、システムからの気体の流動への能動的な制御は伴わない。しかしながら、様々な排気装置及び構成が本発明の圧力生成システム用に意図されることが理解されるべきである。例えば、米国特許番号5,685,296及び6,584,977は、呼気装置及びその装置を通した呼気流量が患者回路中のさまざまな圧力にわたって実質的に一定に維持される方法を開示する。プラトー呼気バルブ又はPEVと一般に呼ばれるこの呼気装置は、本発明の圧力サポートシステムの用途に適している。
【0029】
図1に示されるように、圧力サポートシステム30は、患者に供給される気体の流動及び圧力をモニタリングするために、概して44で示されるモニタリングシステムを含む。図示された実施の形態において、モニタリングシステム44は、呼吸気体が患者回路34中を流れる速度を測定する流動センサ46を含む。本発明は、従来の呼吸流量計のような任意の適切なセンサが、流動センサ46として用いられることができることを意図する。流動センサ46は管路36に直接結合される必要はないことがさらに理解されるべきである。それどころか、本発明は、患者回路中の気流を定量的に測定することができる任意のセンサ又は複数のセンサの使用を意図する。例えば、システム中の流動は、患者インタフェース装置において測定されることができる。
【0030】
本発明はさらに、流動が、流動センサを必要とすることなく、圧力サポートシステムの他の特徴をモニタリングすることから測定又は推定されることができることを意図する。例えば、モータ若しくはピストン速度から、又は、圧力生成器40よって高められた圧力を供給するために用いられる圧力発生器のトルクから流動を推定することが知られている。要するに、本発明は、患者に供給される気体の流動を測定するための任意の従来の技術を意図する。
【0031】
モニタリングシステム44は、さらに、患者での気体の圧力を検出する圧力センサ48を含む。図示された実施の形態において、圧力センサ48は、管路36を介して患者インタフェース装置38と流体連通している。この実施例において、患者での圧力は、管類36中で発生する既知の圧力降下に基づいて推定される。しかしながら、患者圧力は、患者インタフェース装置38で又は管路36に沿った他の場所で直接測定されることができる。
【0032】
圧力サポートシステム30は、好ましくは記憶されたアルゴリズムを実現することが可能なマイクロプロセッサであるコントローラ50を含み、このコントローラ50は、一般的に流動センサ46及び圧力センサ48からモニタリングされた変数を受け取って、これらの信号に基づいて圧力生成システム32を制御する。もちろん、コントローラ50は、本発明の特徴を実現するために必要なメモリ及び処理能力を含む。本発明の好ましい実施の形態において、コントローラ50は、Cプログラミング言語で記述されて記憶されたソフトウェアを実行するAMTEL AT91M55800マイクロコントローラである。
【0033】
本発明はさらに、圧力サポートシステム30が、ユーザとコントローラ50との間で、情報、データ及び/又は命令並びに任意の他の通信可能なアイテム(あわせて「データ」と呼ばれる)を通信するための入出力インタフェース52を含むことを意図する。この目的に適した一般的な入出力インタフェースの例は、キーパッド及びディスプレイを含む。有線又は無線である他の通信技術も本発明によって意図される。例えば本発明は、データがスマートカードからコントローラ50へロードされる又はコントローラからスマートカードへロードされること可能にするスマートカード端子を用意することを意図する。圧力サポートシステム用に適応される他の例示的なインタフェース装置及び技術は、RS-232ポート、CDリーダ/ライタ、DVDリーダ/ライタ、スマートカード、RFリンク及びモデム(電話、ケーブル又はその他)を含む(但しこれらに限定されない)。要するに、データを提供し、受け取り、又はコントローラ50と交換するための任意の従来の技術が、入出力装置52として本発明によって意図される。
【0034】
コントローラ50はさらに、従来のリーク推定及び呼吸サイクルモニタリング技術を実行する。本発明は、圧力サポートシステムからの気体のリークであって、例えば、排気口からの意図的なリーク及びマスク患者インタフェースからの意図的でないリークを含むリークQleakを計算するための任意の従来の技術を使用することを意図する。本発明はさらに、患者の気道の気体の流動である患者流動Qpatient、及び流動センサ46によって一般的に測定される気体の流動である全流動Qtotalを決定する際にリークを考慮するための任意の従来の技術を使用することを意図する。例えば、米国特許第5,148,802、5,313,937、5,433,193、5,632,269、5,803,065、6,029,664、6,360,741、6,626,175、6,823,866、6,920,875、6,948,497、7,000,612、7,011,091及び7,100,607 (それぞれの内容は参照によって本発明に組み込まれる) は、すべて、リークを検出及び推定し、リークの存在下における患者への呼吸気体の供給を管理するための技術を教示する。
【0035】
本発明はさらに、患者の呼吸サイクルの吸気及び呼気フェーズを検出するための任意の従来の技術を使用することを意図する。例えば、特許番号5,148,802、5,313,937、5,433,193、5,632,269、5,803,065、6,029,664、6,360,741、6,626,175、6,823,866、6,920,875、6,948,497、7,000,612、7,011,091及び7,100,607はすべて、呼吸サイクルの吸気フェーズと呼気フェーズを区別するための技術を教示する。
【0036】
B.システム動作
本発明の原理による圧力サポートシステム30の動作が次に、図2を参照して説明される。図2は、本発明の単純化されたバージョンに従ってコントローラ50によって実現される圧力制御プロセスの概略図である。制御ステップ(ボックス)60において、制御ステップ60から出力される矢印62によって示されるように、コントローラ50は、治療設定値(TSP)を決定するか又は治療設定値(TSP)を与えられる。治療設定値は、コントローラが達成しようとしている呼吸治療療法のパラメータに対応する。例えばCPAPシステムにおいて、TSPはCPAP圧力である。二相性システムでは、TSPは実際には、IPAP及びEPAPレベルである2つのTSPである。言い換えると、療法設定値は、通常の療法セッションの間にコントローラが圧力サポートシステムに到達させようとする制御されたパラメータ又は複数のパラメータの値である。
【0037】
(自動滴定のない)従来のCPAP装置において、CPAP圧力は、医師によって処方されて、医療装置供給者によって設定される。例えば、CPAP圧力を設定することは、入力矢印64によって示される。この例では、設定されたCPAP圧力(例えば、5 cmH2O)が治療設定値になり、すなわち、制御ステップ60において処理が行われる必要はない。圧力サポートシステム30中のコントローラ50は、治療設定値(例えば5cmH2O)で気体の流動をユーザに供給するように圧力生成システム32を制御する。TSPは、療法セッションの間に又は療法セッション中に変更されることができる。例えば、入出力インタフェース52を介してユニットの場所で、又はコントローラ50との通信リンクを介してリモートで、新たな処方圧力がCPAPにプログラムされることができる。
【0038】
自動滴定を備えたCPAP装置のような、ややさらに複雑な例では、TSPは、制御ステップ60において、圧力サポートシステムによって実現される自動調整アルゴリズムに従って変化する。つまり、処理ステップ60から出力されるTSP 62は、自動調整アルゴリズムによって決定される圧力レベルに対応する。入力は、圧力範囲、すなわち上限値Pmax及び/又は下限値Pminであることができ、その間で、自動滴定アルゴリズムを実行する場合に圧力が変化することができる。本発明は、制御ステップ60において実行される自動調整アルゴリズムが、任意の従来の自動滴定技術であることができることを意図する。本明細書で用いられるフレーズ「自動調整」は、自動滴定又は圧力サポートの自動滴定モードや、自動的に達成される治療設定値をセットする(すなわちユーザからの入力による)任意の他のモードを含むことを意図する。適切な自動滴定技術の例は、米国特許番号5,203,343、5,458,137、6,085,747(Axe et al.)、5,645,053、6,286,508、6,550,478、6,920,877(Remmers et al.)、6,752,151(Hill)、7,168,429(Matthews et al.)に開示され、これらの文献の各々の内容は、参照として本明細書に組み込まれる。
【0039】
本発明は、治療設定値が快適性特徴を含むように快適性特徴関数66を実行する更なるステップを含む。一実施例において、治療設定値と快適性特徴との組み合わせは、調整された治療設定値と呼ばれて、快適性特徴関数66からの出力矢印68によって示される。コントローラは、調整された治療設定値に基づいて圧力生成システム32の動作を制御する。
【0040】
快適性特徴は、ベース即ち基本的な呼吸治療療法(例えばCPAP)に対するなんらかの形の修正であり、ユーザに対する療法の快適性を高める。例示的な実施の形態において、快適性特徴は、呼息の間に患者に供給される圧力を低下させる呼気圧力軽減(例えばC-Flex)である。呼気圧力軽減は、モニタリングされたパラメータ(例えば流動又は圧力)に基づくことができ、又は、予め定められた圧力軽減、すなわち曲線に従う圧力低下、つまり呼息の開始の前に設定されている形状、期間及び振幅を持つ圧力低下であることができることに留意されたい。
【0041】
快適性特徴関数は、プロセス、アルゴリズム、パラダイム又は他の実施態様スキームであり、(a)何の快適性特徴が治療設定値に追加され、変更され、又は治療設定値から除かれるか、(b)快適性特徴がいつ追加され、削除され又は変更されるべきか、及び(c)どれくらい(又はどの程度)快適性特徴が治療設定値に追加され、変更され又は治療設定値から除かれるかを決める。快適性特徴関数は、これらの項目の3つ全てを決定することができ、又はこれらの関数の部分集合だけ、例えば項目(a), (b)若しくは(c)のうちの1つ又は2つのみを決定することができる。もちろん、快適性特徴関数はさらに、任意の他の変更が可能な限り、項目(a)「何の」、(b)「いつ」及び(c)「どれくらいの」快適性特徴が修正されるべきか以外の項目を決定することができる。一例として(但し実施の形態を制限することなく)、快適性特徴関数は、そのような患者の生理学的状態に基づかない基準に基づいて、一つ以上のこれらの決定を行う。
【0042】
本出願のために、快適性特徴のような項目を追加、削除又は変更するプロセスは、「修正」と呼ばれる。したがって、単語「修正」又はそのいくつかのバリエーションが、項目を追加、削除又は変更する任意の行為のための簡単な表記として用いられる。
【0043】
快適性特徴関数の実施又は実行は、ルックアップテーブル、ニューラルネットワーク、ファジー論理、数式を介して、又は、一つ以上の入力を受け取ることができ、一セットのルール、式若しくは他の基準に基づいて入力に作用することができ、生成及び出力することができる任意の他のプロセスを介して、達成されることができる。
【0044】
快適性特徴関数66の動作は、おそらく、図3を参照して本発明の例示的な実施態様を検討することによって、より適切に理解される。この図は、複数の呼吸サイクルにわたる圧力サポートシステム30によって患者の気道に供給される圧力波形70を示す。各々の呼吸サイクルは、吸気フェーズ"I"及び呼気フェーズ"E"を含む。この例では、圧力サポートシステムは最初に、期間72の間、CPAP圧力を供給している。これは、期間72内の両方の呼吸フェーズの間に供給されている一定圧力によって図示される。
【0045】
この期間の間、自動調整アルゴリズムも制御ステップ60で動作して、CPAP圧力が変化することができることが理解されるべきである。そのような変化の例は、時点74における圧力増加によって図示される。自動調整アルゴリズム(制御ステップ60)の出力は、治療設定値(TSP)に対応する。期間76の間、TSPは圧力レベルP(a)であり、そして期間78の間、TSPは圧力レベルP(b)である。各々の処理サイクルの間、又は呼吸サイクルの次の吸気若しくは呼気フェーズの前に、自動調整アルゴリズムは、治療設定値を決定して、治療設定値に対応する圧力を患者に供給しようとするために圧力生成システムを制御する。
【0046】
快適性特徴関数66において、自動調整アルゴリズムによって決定される治療設定値は、治療設定値変数と比較されている。この実施例において、治療設定値変数は、予め設定された圧力P1である。この比較は、周期的に又はコントローラの各処理サイクルの間に実行されることができる。治療設定値が治療設定値変数(この例ではP1)以下の限り、既存の快適性特徴に対する快適性特徴又は変更は行われない。したがって、TSP≦P1である限り、圧力サポートシステムは従来のCPAP自動滴定システムとして機能する。
【0047】
しかしながら、治療設定値が治療設定値変数より大きい場合、本発明の快適性特徴関数は、患者に供給されている呼吸治療療法に快適性特徴を追加する。図示された実施の形態において、時点80から始まる吸気フェーズの間に患者に供給されるべき、自動調整アルゴリズムによって決定される治療設定値Pi(c)は、治療設定値変数P1より大きい。例えば、いびき、流動制限、無呼吸、呼吸低下、CSR又は他の呼吸障害を患者が感じている(又は感じようとしている)ことをシステムが検出した場合に、治療設定値のそのような増加が発生する可能性がある。時点80においてPi(c)であるTSPが、P1として設定されている治療設定値変数より大きい場合、快適性特徴が追加される。この図示された実施の形態において、吸息及び呼息の両方の間一定の圧力を維持するのではなく、圧力波形に追加される快適性特徴が、患者に呼気圧力軽減を提供する。したがって、治療設定値Pi(c)でのIPAPが吸息の間に供給され、EPAP Pe(c)が呼息の間に供給される。上記したように、Pi(c)とPe(c)との間の差分、すなわちIPAPとEPAPとの間の差分は、圧力サポートレベル(PS)と呼ばれる。したがって、IPAP-EPAP = PSである。
【0048】
治療設定値が、この図示された例示的な実施の形態において圧力P2である第2圧力閾値を下回る限り、EPAPレベルは治療設定値変数レベルP1に設定される(EPAP=P1)。言い換えると、TSPがP1より大きくP2未満である限り、圧力サポートPSはTSPに基づいてIPAPレベルの変化に起因して変化する可能性があるが、EPAPレベルは治療設定値変数レベルP1に固定されたままである。このルールのセットは、快適性特徴関数66に含まれて、快適性特徴関数66によって実施される。したがって、期間82の間、圧力サポートレベルはPS(c)であり、期間84の間、PS = PS(d)であり、PS(d)はPS(c)より大きい。
【0049】
しかしながら、時点86において、治療設定値が第2圧力閾値P2より大きくなる。この時点で、IPAP圧力Pi(e)は依然としてTSPに一致するが、EPAP圧力はもはやP1に固定されない。その代わりに、この時点で、圧力サポートPSレベルは変化せずに一定の量に固定され、EPAPレベルは常に、一定の量だけIPAPレベルより小さくなる。期間88の間の場合のように、TSPが第2圧力閾値P2を上回る限り、圧力サポートは一定のままであり、EPAP圧力はIPAP圧力の後を追う。したがって、PS(e) = PS(f) = PS(g)である。TSPが第2圧力閾値P2より下に減少する場合、EPAPはP1に設定され、PSレベルは変化することが可能になる。同様に、TSPが治療設定値変数レベルP1より下に減少する場合、PSレベルはゼロ(0)に設定され、IPAP = EPAPとなり、患者は再び二相性療法ではなくCPAPを受ける。
【0050】
本発明の圧力サポートシステムが、患者に供給されている呼吸治療療法に快適性特徴を提供することが、上述の議論から認識されることができる。上記の実施の形態において、快適性特徴は、圧力サポートPSレベルの追加又は変更である。その変更、追加又は削除、すなわち修正は、あらかじめ設定されていた治療設定値変数(例えば圧力P1及び/又はP2)との、制御ステップ60における自動調整アルゴリズムの出力に基づいて変化する治療設定値の比較に基づいている。
【0051】
図4は、複数の呼吸サイクルにわたる圧力サポートシステム30によって患者の気道に供給される圧力波形90を示す点で図3のグラフと同様のグラフである。図4において、TSPが治療設定値変数レベルP1を下回る期間である期間92の間、既にC-Flexが追加されたCPAP療法が投与されている。すなわち、矢印94によって示されるようなC-Flex型の呼気圧力軽減が、呼吸サイクルの呼気フェーズの間に提供されている。
【0052】
TSPが治療設定値変数レベルP1より大きい期間96の間、圧力サポートPSはゼロから増加し、すなわちゼロより大きくされ、呼吸治療療法は、C-Flex呼吸治療療法を伴うCPAPから、呼気の圧力軽減を伴う二相性呼吸治療療法へと切り替わる。期間96の間、すなわちP1<TSP<P2である間、PSレベルは変化することができ、EPAPレベルは治療設定値変数レベルP1に固定される。供給される実際の圧力が、例えばPe(c)又はPe(d)である設定されたEPAPレベルの下に減少するように、呼気圧力軽減が依然としてEPAPレベルに提供される。TSPが第2治療設定値変数P2より大きい期間98の間、PSレベルは固定される。したがって、EPAPレベルは上昇し、すなわちIPAPレベルの変化を追跡することができる。
【0053】
圧力波形90はさらに、図3の圧力波形より滑らかであり、すなわち、EPAPからIPAPへの上昇率及びIPAPからEPAPへの減少率はより緩やかである。これがさらに患者の快適性に寄与すると考えられている。PPAP特許に開示されるような呼気の快適性軽減に加えて、圧力軽減はさらに、吸気フェーズの間に提供されることができ、これはBi-Flexとして上述されている。
【0054】
上記の実施の形態は、快適性特徴関数に従って快適性特徴が追加、削除又は変更される本発明の原理による圧力サポートシステムの動作の例を2つのみ示す。本発明は、この基本的な動作ルーチンの無数のバリエーションを意図することが理解されるべきである。図1及び3-5を参照して与えられる以下の議論は、これらの可能なバリエーションのいくつかを強調する。
【0055】
図5に示されるように、制御ステップ60から快適性特徴関数に提供される複数の治療設定値62a及び62bが存在する場合がある。例えば、TSP1はIPAP設定値であることができ、TSP2はEPAP設定であることができる。各々の治療設定値は、快適性特徴関数ステップ66によって実施されるアルゴリズムに応じて異なって作用されることができる。例えば、PPAP型の圧力軽減は、TSP1には提供されるがTSP2には提供されないことができ、逆もまた同じである。快適性特徴の量はさらに、治療設定値の各々に対して異なることができる。すなわち、異なる快適性特徴スケジュール、ルーチン、アルゴリズム、ルールなどが、それぞれの治療設定値に適用されることができる。結果的に、圧力生成システムの動作を制御するのに用いられる複数の調整された治療設定値68a及び68bが存在することもできる。
【0056】
上で論じられる実施の形態において、治療設定値は、CPAPレベル、IPAPレベル、EPAPレベル、圧力サポートレベル、ピーク圧力、PEEPレベル又は平均圧力のような圧力レベルに対応する。これはおそらく、圧力生成システムが圧力に基づいて気体の流動を供給している状況に最も適している。しかしながら、本発明はさらに、本発明の快適性特徴+TSP特徴が、圧力ベースの呼吸治療療法及びそのような療法を提供する装置に制限される必要はないことを意図する。例えば、流動、ボリューム又は期間に基づいて気体を患者に供給することが知られている。流動に基づくシステムにおいて、治療設定値は、システムが達成しようとしている流動に関連したパラメータ、例えばピークボリューム、ピーク流動、平均ボリューム、一回呼吸量又は平均流動に対応する。同様に、時間に基づいて気体の流動を供給するシステムにおいて、治療設定値は、システムが達成しようとしている時間に関連したパラメータ、例えば吸息期間、呼息期間又は呼吸速度に対応する。
【0057】
所与のTSPに関連した快適性特徴を、追加、削除又は変更する(あわせて「修正する」と呼ばれる)ことに対する多くの理由が存在する。例えば本発明は、時間に基づいて、例えば特定の療法モードに費やされた時間、圧力サポートシステムがオンにされてから即ち活性化されてから経過した時間、最後の快適性特徴修正から経過した時間に基づいて、快適性特徴を修正することを意図する。
【0058】
上で論じられる実施の形態において、快適性特徴は、予め設定された圧力(すなわち第1及び第2治療設定値変数P1, P2)に基づいて修正される。本発明は、そのような1つの変数だけが用いられることができること、又は1つより多くのそのような変数を用いることを意図する。本発明はさらに、ユーザに供給される又はユーザから受け取られる気体の流動若しくはボリュームの関数として又はそれらに基づいて、快適性特徴を修正することを意図する。例えば、患者に供給される気体の流動が比較的高い場合には、流量が低い時よりも快適性特徴を修正する必要性は少ない。本発明はさらに、圧力サポートシステムの設定(例えば予備呼吸速度設定値)の関数として、快適性特徴を修正することを意図する。
【0059】
加えて本発明は、快適性特徴を修正するべきかどうかを決定するのに用いられる治療設定値変数自体が修正を受けることができることを意図する。例えば、圧力に基づく治療設定値変数(例えばP1又はP2)は、気体の流動の速度又はボリュームに基づいて変更されることができる。流動に基づく治療設定値変数は、気体の流動の圧力に基づいて変化することができる。要するに、所与の治療設定値と関連した快適性特徴をいつどのように修正するべきかを決定する治療設定値変数又は快適性特徴関数によって用いられる変数は静的である必要はなく、圧力サポートシステムの動作の間、又は時間とともに、動的に変化していることができる。
【0060】
本発明は、覚醒/睡眠状態、睡眠段階(1-4, REM)、完全な若しくは部分的な気道閉塞の存在(例えば、無呼吸、呼吸低下、いびき、流動限界、呼吸イベントに関連した覚醒(RERAs)、気道抵抗、強制振動など)、呼吸ドライブ及び中枢性睡眠時無呼吸、血液気体濃度、酸素飽和(SaO2)、呼気中の二酸化炭素若しくは酸素含有量、患者の健康若しくは疾患状態(例えばCHFの程度、喘息、感冒、インフルエンザなど)、患者の活動度又はそれらの任意の組み合わせのような、患者のモニタリングされた状態の関数として快適性特徴を修正することを意図する。
【0061】
本発明はさらに、圧力サポートシステムによって用いられるハードウェアの関数として快適性特徴を修正することを意図する。例えば、加湿器が患者回路中に用いられているかどうか、用いられている患者インタフェース装置の種類、患者が追加の酸素、薬剤又は他の二次治療を受けているかどうかに応じて、異なる快適性特徴修正が行われることができる。快適性特徴の修正はさらに、患者回路の変化に(その変化が自動的に検出されようと圧力サポートシステムに入力されようと)関することができる。患者回路の変化の例は、ホースの取り換え又は閉塞や、マスク(患者インタフェース)の取り換え又は閉塞を含む。
【0062】
本発明は、例えば高度、又は装置の周囲の状態(例えば大気圧、温度、酸素濃度、相対的若しくは絶対的な湿度など)のような、圧力サポートシステムの位置の関数として、快適性特徴を修正することを意図する。快適性特徴を修正することはさらに、患者療法に無関係な、又は生理学的測度の代わりとして用いられる装置の測度に無関係である内部装置パラメータ(例えば患者気流の代わりとしてのモータ電流など)に基づいて実行されることができる。
【0063】
本発明は、単独で又は任意の組み合わせで考慮される以下の一つ以上の関数として快適性特徴を修正することを意図する。
a) 圧力。
b) 流動又はボリューム。
c) 時間。
d) 装置設定(CPAP、IPAP、EPAP、圧力サポート、予備呼吸速度、吸息の時間、加湿設定、ターゲット体積、ターゲット流動、ピークボリューム、ピーク流動、ピーク圧力、平均ボリューム、平均流動、平均圧力)。
e) 圧力サポートシステムと関連したハードウェア(例えば、患者回路タイプ、患者のインタフェースタイプ、加湿器タイプ、フィルタタイプ、センサタイプ、追加の酸素など)。
f) 環境状態(高度、湿度、温度など)。
g) 患者の状態(覚醒/睡眠状態、睡眠段階、気道開通性、呼吸ドライブ、患者の健康、酸素飽和(SaO2)レベル、活動レベルなど)。
h) 圧力生成システムの使用量(コンプライアンス)。
【0064】
本発明は、快適性特徴の追加、削除又は変更が、徐々に、いくつかの療法セッションの経過にわたって、又はさらに数ヶ月或いは数年の経過にわたって行われることができることを意図する。これは、ユーザのニーズ又は快適性要求が時間とともに変化する状況に最適である。逆に、治療設定値に関連付けられる快適性特徴の追加、削除又は変更はさらに、迅速に発生することができ、数分若しくは数時間にわたって、数回の呼吸にわたって、又は呼吸ごとに、複数回行われることができる。
【0065】
本発明は、快適性特徴を修正すること又は快適性特徴を修正する必要性があることが、なんらかの様式で誰かに報告されることができることを意図する。例えばそれは、アラーム、リムーバブルメディア、LED/スクリーンインタフェース、有線及び無線通信、電子メール、並びに任意の他の警告又はアラームを通して、患者、臨床医又は他の療法モニタリング装置に報告されることができる。
【0066】
快適性特徴を修正する必要性は、圧力サポートシステムによってすでにモニタリングされているパラメータとは別の又はそれらから独立している生理学的/診断モニタによって決定されることができる。いつどのように快適性特徴が修正されるべきであるかに関する臨床的決定は、療法装置、診断装置又はそれら両方の組み合わせの中の決定アルゴリズムによって、自動的に行われることができ、療法又は診断システムからの生理学的パラメータデータを含むことができる。生理学的パラメータ分析及び臨床的決定アルゴリズムの所在はさらに圧力サポートシステムから離れていることができ、そして臨床的決定は臨床医の入力を含むことができる。本発明はさらに、生理学的/診断モニタリングが、患者が圧力サポートシステムから呼吸治療療法を受けていない時間を含む任意の時間インターバルの間に連続的に又は間欠的にその評価を実行していることができることを想定する。
【0067】
本発明は、快適性特徴の修正が、第三のパラメータ(例えば、患者による圧力サポートシステムの測定された使用量であるコンプライアンス) の結果として行われることができることを意図する。例えば、本発明は、TSP及び圧力サポート療法のユーザコンプライアンスを最大化する快適性特徴の組み合わせを達成しようとするためにダイナミックに快適性特徴を変更することを意図する。例えば、C-Flex、C-Flexレベル及び/又は二相性圧力設定のいくつかの組み合わせが、快適性特徴として試みられることができる。そしてコンプライアンス結果は、一つ以上の療法セッションから集められるコンプライアンスデータを分析した後で決定されることができる。それから最適な快適性特徴が選択されて、ゆくゆくは使用される。
【0068】
本発明はさらに、治療設定値に複数の快適性特徴を追加することを意図する。さらに、様々な項目が、快適性特徴として対象とされることができる。例えば、追加、削除又は変更されることができる快適性特徴は、圧力に関する変更(例えば、PPAP、PAV、上昇率及び/若しくは圧力サポートに関連する変数の追加、削除又は変更)、並びに、流動と関連した変更(例えば流量/体積変更)を含む。
【0069】
本発明が最も実際的であり好ましい実施の形態であると現在みなされるものに基づいて説明を目的として詳細に説明されたが、そのような詳細は単にその目的のためだけであって、本発明は、開示された実施の形態に制限されず、それどころか、添付された特許請求の範囲の範囲内である変更及び均等なアレンジをカバーすることが意図されていることが理解されるべきである。例えば、本発明が、可能な限り、任意の実施の形態の一つ以上の特徴は、他の任意の実施の形態の一つ以上の特徴と組み合わせることができることを意図していることが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧された気体の流動を生成する圧力生成システム、
前記圧力生成システムに結合され、前記気体の流動を患者の気道に給送する患者回路、
前記圧力生成システムに有効に結合されたコントローラ、
を有し、
前記コントローラが、入力源から治療設定値を受け取り、当該治療設定値及び快適性特徴関数に基づいて調整された治療設定値を決定するようにプログラムされ、前記快適性特徴関数が、前記患者の生理学的状態に基づかず、前記コントローラが、前記調整された治療設定値に基づいて前記圧力生成システムの動作を制御する、
圧力サポートシステム。
【請求項2】
前記コントローラが、一呼吸サイクルの間に複数回、前記調整された治療設定値を決定するか、前記コントローラが、当該コントローラの各処理ステップの間に前記調整された治療設定値を決定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記治療設定値が、CPAPレベル、IPAPレベル、EPAPレベル、圧力サポートレベル、ピーク圧力、ピークボリューム、ピーク流動、PEEPレベル、平均圧力、平均ボリューム、平均流動、吸息期間又は呼息期間に対応する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記治療設定値が、手動で設定されて療法セッション間は変化しないか、又は、自動調整アルゴリズムによって決定される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記快適性特徴関数が、前記治療設定値、前記気体の流動の速度、前記気体の流動の圧力、時間、圧力サポートレベル、前記圧力サポートシステムに関連するハードウェアの関数である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記コントローラが、ルックアップテーブル、ニューラルネットワーク、ファジー論理、又は数学的な式を用いて前記調整された治療設定値を決定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記快適性特徴関数が、前記調整された治療設定値を決定するために前記治療設定値に快適性特徴を導入し、前記快適性特徴が、圧力、流動、圧力サポート又は前の治療設定値からの上昇率のうちの少なくとも一つの変更を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記快適性特徴関数が、前記治療設定値、前記気体の流動の速度、前記気体の流動の圧力、時間、圧力サポート、又は前記圧力サポートシステムに関連するハードウェアに基づいて、療法セッションの間に変化する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記コントローラが、一つ以上の入力源から複数の治療設定値を受け取り、前記コントローラが、一つ以上の快適性特徴関数に基づいて一つ以上の調整された治療設定値を決定し、前記快適性特徴関数は、前記患者の生理学的状態に基づかず、前記コントローラは、前記一つ以上の調整された治療設定値に基づいて前記圧力生成システムの動作を制御する、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
加圧された気体の流動を生成する圧力生成システム、
前記圧力サポートシステムに結合され、前記気体の流動を患者の気道に給送する患者回路、
前記圧力生成システムに有効に結合されるコントローラ、
を有し、
前記コントローラは、入力源から治療設定値を受け取り、前記治療設定値及び快適性特徴に基づいて療法セッションの間に呼吸治療療法を提供するようにプログラムされ、
前記快適性特徴は、治療設定値変数との前記治療設定値の比較に基づいて、ユーザの介入無しで、療法セッションの間に自動的に追加され、削除され又は変更され、
前記コントローラは、前記療法セッションの間に前記呼吸治療療法を提供するように前記圧力生成システムの動作を制御する、圧力サポートシステム。
【請求項11】
前記コントローラは、一呼吸サイクルの間に複数回、又は前記コントローラの各処理サイクルの間に、前記呼吸治療療法を決定するために用いられる前記快適性特徴を、追加、削除又は変更する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記治療設定値が、CPAPレベル、IPAPレベル、EPAPレベル、圧力サポートレベル、ピーク圧力、ピークボリューム、ピーク流動、PEEPレベル、平均圧力、平均ボリューム、平均流動、吸息期間又は呼息期間に対応する、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記治療設定値が、手動で設定されて療法セッション間は変化しないか、又は、自動調整アルゴリズムによって決定される、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記コントローラが、ルックアップテーブル、ニューラルネットワーク、ファジー論理又は数学的な式を用いて、前記治療設定値及び前記快適性特徴に基づいて前記呼吸治療療法を決定する、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記快適性特徴が、圧力、流動、圧力サポート又は上昇率のうちの少なくとも一つの変更を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記コントローラが、前記治療設定値、前記気体の流動の速度、前記気体の流動の圧力、時間、圧力サポート、又は前記圧力サポートシステムに関連するハードウェアに基づいて療法セッションの間に前記呼吸治療療法を決定するために前記治療設定値と共に用いられる前記快適性特徴を変更する、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
前記コントローラが、一つ以上の入力源から複数の治療設定値を受け取り、前記コントローラが、前記複数の治療設定値及び一つ以上の快適性特徴に基づいて一つ以上の呼吸治療療法を決定し、前記コントローラは、前記一つ以上の呼吸治療療法に基づいて前記圧力生成システムの動作を制御する、請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
前記治療設定値変数が、圧力に関連する変数、圧力サポートレベル、流動に関連する変数、又は時間に基づく変数を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項19】
加圧された気体の流動を生成する圧力生成システム、
前記圧力生成システムに結合され、前記気体の流動を患者の気道に給送する患者回路、
前記圧力生成システムに有効に結合されたコントローラ、
を有し、
前記コントローラは、入力源から治療設定値を受け取り、前記治療設定値及び快適性特徴に基づいて療法セッションの間に呼吸治療療法を提供するようにプログラムされ、
前記快適性特徴は、前記患者の生理学的状態に基づかない快適性特徴関数に基づいて、ユーザの介入無しで、療法セッションの間に自動的に追加され、削除され又は変更され、
前記コントローラは、前記療法セッションの間に前記呼吸治療療法を提供するように前記圧力生成システムの動作を制御する、圧力サポートシステム。
【請求項20】
前記コントローラは、一呼吸サイクルの間に複数回、又は前記コントローラの各処理サイクルの間に、前記呼吸治療療法を決定するために用いられる前記快適性特徴を、追加、削除又は変更する、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記治療設定値が、CPAPレベル、IPAPレベル、EPAPレベル、圧力サポートレベル、ピーク圧力、ピークボリューム、ピーク流動、PEEPレベル、平均圧力、平均ボリューム、平均流動、吸息期間又は呼息期間に対応する、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記治療設定値が、手動で設定されて療法セッション間は変化しないか、又は、自動調整アルゴリズムによって決定される、請求項19に記載のシステム。
【請求項23】
前記快適性特徴関数が、前記治療設定値、前記気体の流動の速度、前記気体の流動の圧力、時間、圧力サポート、前記圧力サポートシステムに関連するハードウェアの関数である、請求項19に記載のシステム。
【請求項24】
前記コントローラが、ルックアップテーブル、ニューラルネットワーク、ファジー論理、又は数学的な式を用いて前記呼吸治療療法を決定する、請求項19に記載のシステム。
【請求項25】
前記快適性特徴が、圧力、流動、圧力サポート又は上昇率のうちの少なくとも一つの変更を含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項26】
前記コントローラが、前記治療設定値、前記気体の流動の速度、前記気体の流動の圧力、時間、圧力サポート、前記圧力サポートシステムに関連するハードウェアに基づいて、療法セッションの間又は前記コントローラの各処理サイクルの間に、前記快適性特徴、前記快適性特徴関数又はそれらの両方を変更する、請求項19に記載のシステム。
【請求項27】
前記コントローラが、一つ以上の入力源から複数の治療設定値を受け取り、前記コントローラが、前記複数の治療設定値及び一つ以上の快適性特徴に基づいて一つ以上の呼吸治療療法を決定し、前記コントローラは、前記一つ以上の呼吸治療療法に基づいて前記圧力生成システムの動作を制御する、請求項19に記載のシステム。
【請求項28】
加圧された気体の流動を生成する圧力生成システム、
前記圧力生成システムに結合され、前記気体の流動を患者の気道に給送する患者回路、
前記圧力生成システムに有効に結合されたコントローラ、
を有し、
前記コントローラが、入力源から治療設定値を受け取り、前記治療設定値及び呼気圧力軽減に基づいて療法セッションの間に呼吸治療療法を提供するようにプログラムされ、前記呼気圧力軽減が、ユーザの介入無しで療法セッションの間に自動的に追加され、削除され又は変更され、前記コントローラが、前記療法セッションの間に前記呼吸治療療法を提供するように前記圧力生成システムの動作を制御する、圧力サポートシステム。
【請求項29】
前記コントローラが、一呼吸サイクルの間に複数回、又は前記コントローラの各処理サイクルの間に、前記呼気圧力軽減を追加し、削除し又は変更する、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記治療設定値が、CPAPレベル、IPAPレベル、EPAPレベル、圧力サポートレベル、ピーク圧力、ピークボリューム、ピーク流動、PEEPレベル、平均圧力、平均ボリューム、平均流動、吸息期間又は呼息期間に対応する、請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
前記治療設定値が、手動で設定されて療法セッション間は変化しないか、又は、自動調整アルゴリズムによって決定される、請求項28に記載のシステム。
【請求項32】
前記コントローラが、ルックアップテーブル、ニューラルネットワーク、ファジー論理、又は数学的な式を用いて前記呼吸治療療法を決定する、請求項28に記載のシステム。
【請求項33】
前記呼気圧力軽減が、前記気体の流動の流動速度、圧力又はそれらの両方に基づく、請求項28に記載のシステム。
【請求項34】
前記コントローラが、一つ以上の入力源から複数の治療設定値を受け取り、前記コントローラが、前記複数の治療設定値及び一つ以上の呼気圧力軽減に基づいて一つ以上の呼吸治療療法を決定し、前記コントローラは、前記一つ以上の呼吸治療療法に基づいて前記圧力生成システムの動作を制御する、請求項28に記載のシステム。
【請求項35】
患者に呼吸治療療法を提供する方法であって、
加圧された気体の流動を生成するステップ、
患者の気道に前記気体の流動を給送するステップ、
治療設定値及び快適性特徴関数に基づいて調整された治療設定値を決定するステップであって、前記快適性特徴関数が前記患者の生理学的状態に基づかないステップ、並びに
前記調整された治療設定値に基づいて前記気体の流動を制御するステップ、
を有する方法。
【請求項36】
前記調整された治療設定値を決定するステップが、一呼吸サイクルの間に複数回、又は当該決定ステップを実行するコントローラの各処理サイクルの間に実行される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記治療設定値が、CPAPレベル、IPAPレベル、EPAPレベル、圧力サポートレベル、ピーク圧力、ピークボリューム、ピーク流動、PEEPレベル、平均圧力、平均ボリューム、平均流動、吸息期間又は呼息期間に対応する、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
手動で又は自動調整アルゴリズムによって療法セッションの間に前記治療設定値を変更するステップをさらに有する、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記快適性特徴関数が、前記治療設定値、前記気体の流動の速度、前記気体の流動の圧力、時間、圧力サポートレベル、又は圧力サポートシステムに関連するハードウェアの関数である、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
前記調整された治療設定値を決定するステップが、ルックアップテーブル、ニューラルネットワーク、ファジー論理又は数学的な式を用いて実現される、請求項35に記載の方法。
【請求項41】
前記快適性特徴関数が、前記調整された治療設定値を決定するために前記治療設定値に快適性特徴を導入し、前記快適性特徴が、圧力、流動、圧力サポート又は前の治療設定値からの上昇率のうちの少なくとも一つの変更を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項42】
前記調整された治療設定値を決定するステップが、一つ以上の入力源からの複数の治療設定値及び一つ以上の快適性特徴関数に基づいて複数の調整された治療設定値を決定することを含み、前記気体の流動の制御が、前記複数の調整された治療設定値に基づいて実行される、請求項35に記載の方法。
【請求項43】
患者に呼吸治療療法を提供する方法であって、
加圧された気体の流動を生成する圧力生成システムを提供するステップ、
患者の気道に前記気体の流動を給送するステップ、
治療設定値及び快適性特徴に基づいて療法セッションの間に呼吸治療療法を提供するように前記圧力生成システムを制御するステップ、並びに
治療設定値変数との前記治療設定値の比較に基づいてユーザの介入無しで療法セッションの間に前記快適性特徴を自動的に追加し、削除し又は変更するステップ、
を有する方法。
【請求項44】
前記快適性特徴を追加し、削除し又は変更するステップが、一呼吸サイクルの間に複数回、又はコントローラの各処理サイクルの間に実行される、請求項44に記載の方法。
【請求項45】
前記治療設定値が、CPAPレベル、IPAPレベル、EPAPレベル、圧力サポートレベル、ピーク圧力、ピークボリューム、ピーク流動、PEEPレベル、平均圧力、平均ボリューム、平均流動、吸息期間又は呼息期間に対応する、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
手動で又は自動調整アルゴリズムによって療法セッションの間に前記治療設定値を変更するステップをさらに有する、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記治療設定値及び快適性特徴に基づいて前記呼吸治療療法を決定するステップが、ルックアップテーブル、ニューラルネットワーク、ファジー論理又は数学的な式を用いて実現される、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記快適性特徴が、圧力、流動、圧力サポート又は上昇率のうちの少なくとも一つの変更を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項49】
前記治療設定値、前記気体の流動の速度、前記気体の流動の圧力、時間、圧力サポート、又は前記圧力サポートシステムに関連するハードウェアに基づいて療法セッションの間に前記呼吸治療療法を決定するために前記治療設定値と共に用いられる前記快適性特徴を変更するステップをさらに有する、請求項44に記載の方法。
【請求項50】
呼吸治療療法を提供するための前記圧力生成システムの制御が、一つ以上の入力源からの複数の治療設定値及び一つ以上の快適性特徴に基づいて実現され、前記快適性特徴の追加、削除又は変更が、前記一つ以上の快適性特徴の追加、削除又は変更を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項51】
前記治療設定値変数が、圧力に関連する変数、圧力サポートレベル、流動に関連する変数又は時間に基づく変数を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項52】
患者に呼吸治療療法を提供する方法であって、
加圧された気体の流動を生成する圧力生成システムを提供するステップ、
患者の気道に前記気体の流動を給送するステップ、
治療設定値及び快適性特徴に基づいて療法セッションの間に呼吸治療療法を提供するように前記圧力生成システムを制御するステップ、並びに
前記患者の生理学的状態に基づかない快適性特徴関数に基づいてユーザの介入無しで療法セッションの間に前記快適性特徴を自動的に追加し、削除し又は変更するステップ、
を有する方法。
【請求項53】
前記快適性特徴を追加し、削除し又は変更するステップが、一呼吸サイクルの間に複数回、又はコントローラの各処理サイクルの間に実行される、請求項53に記載の方法。
【請求項54】
前記治療設定値が、CPAPレベル、IPAPレベル、EPAPレベル、圧力サポートレベル、ピーク圧力、ピークボリューム、ピーク流動、PEEPレベル、平均圧力、平均ボリューム、平均流動、吸息期間又は呼息期間に対応する、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
手動で又は自動調整アルゴリズムによって療法セッションの間に前記治療設定値を変更するステップをさらに有する、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
前記快適性特徴関数が、前記治療設定値、前記気体の流動の速度、前記気体の流動の圧力、時間、圧力サポート、又は前記圧力サポートシステムに関連するハードウェアの関数である、請求項53に記載の方法。
【請求項57】
前記治療設定値及び快適性特徴に基づいて前記呼吸治療療法を決定するステップが、ルックアップテーブル、ニューラルネットワーク、ファジー論理又は数学的な式を用いて実現される、請求項53に記載の方法。
【請求項58】
前記快適性特徴が、圧力、流動、圧力サポート又は上昇率のうちの少なくとも一つの変更である、請求項53に記載の方法。
【請求項59】
前記治療設定値、前記気体の流動の速度、前記気体の流動の圧力、時間、圧力サポート、前記圧力サポートシステムに関連するハードウェアに基づいて、療法セッションの間又はコントローラの各処理サイクルの間に、前記快適性特徴、前記快適性特徴関数又はそれらの両方が変更される、請求項53に記載の方法。
【請求項60】
呼吸治療療法を提供するための前記圧力生成システムの制御が、一つ以上の入力源からの複数の治療設定値及び一つ以上の快適性特徴に基づいて実現され、前記快適性特徴の追加、削除又は変更が、前記一つ以上の快適性特徴の追加、削除又は変更を含む、請求項53に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−517701(P2010−517701A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549288(P2009−549288)
【出願日】平成20年2月11日(2008.2.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/053595
【国際公開番号】WO2008/100859
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(505338497)アールアイシー・インベストメンツ・エルエルシー (81)