説明

自動排泄物処理装置

【課題】特に電気的接続が外れた場合に、看護人等がそれを見逃さないようにした自動排
出物処理装置を提供する。
【解決手段】管内に複数の接続管や配線コード、信号線を収納一体化して複合管9を形成
し、その端部にプラグ10を形成して接続管の接続端部3a、洗浄水供給管の接続端部6
a、温風供給管の接続端部7a、配線コードの接続端子8a、及び信号線端子21を突出
させて設ける。排泄物受容手段1にはコネクタ12を形成し、排出口5、送水口14、送
風口15、配線コード端子受け16及び信号線端子受け22を突出させて設ける。前記プ
ラグ10とコネクタ12を嵌め合わせて使用するが、使用中に特に外れ易い電気的接続部
分が外れた時に、信号線の他端部と接続されている図示しない制御手段を介して監視手段
から警報を発するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自力で歩けない状態でベッドに収容されている例えば病人や怪我人、或いは
寝たきり老人等が使用するのに好適な自動排泄物処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の自動排泄物処理装置は種々の形態や方式のものが提案され、実用化され
てきている。自動排泄物処理装置の代表的な構成としては、股部に装着するおむつ本体又
は略U字形のパッド等からなる排泄物受容手段と、排泄物を収納する汚物タンクと、前記
排泄物受容手段と汚物タンクとを接続する接続管とを備えている。これに加えて、排泄物
吸引手段と、排泄物受容手段を装着した人の局部や尻部及び排泄物受容手段内を洗浄する
ための洗浄水を供給する洗浄水供給手段と、洗浄後に温風を供給する温風供給手段とが併
設されるのが一般的である。又、通常前記排泄物受容手段には排泄物を検出するためのセ
ンサが設けられ、このセンサと制御装置とが電気的に接続されている。
【0003】
上記のような構成の自動排泄物処理装置においては、前記センサが排泄物を検出すると
、その検出信号が制御装置に入力され、この制御装置から排泄物吸引手段に信号が出力さ
れ、当該排泄物吸引手段が作動して排泄物を吸引する。そして、排泄物受容手段から吸引
された排泄物は、接続管を介して汚物タンクまで搬送されて収納される。
【0004】
例えば、特許文献1にはおむつ本体におむつカップを挿着して一体化し、おむつカップ
の前面部には吸込口、送水口、送風口、電極をそれぞれ突出させた複合コネクタを設け、
吸込ユニットから延びるホースをおむつカップの複合コネクタに接続するようにした自動
排泄物処理装置が開示されている。この自動排泄物処理装置によると、おむつカップに排
泄物検出用センサが設けられ、前記複合コネクタに電極が設けられていることからホース
を複合コネクタに接続すると、詳しく説明されてはいないが多分ホース内に収納されてい
る複数の管が前記吸込口、送水口、送風口にそれぞれ接続されると共に、電極を介して排
泄物検出用センサとの電気的接続も同時になされることが十分予想できる。
【0005】
この場合、使用中に前記複合コネクタからホースの端部が完全に外れた時には、その外
れを看護人等が容易に視認できるが、完全に外れずに中途半端に外れている時には、外部
からは十分視認できずに外れを見逃してしまうことがある。例えば、前記電極の接続部分
は結合が浅いために外れ易く、これが外れると電気的接続が遮断されて前記排泄物検出用
センサが働かなくなる。このため、ホース側の吸引用接続管が前記吸込口に接続されてい
ても吸込ユニットが作動しないので排泄物を吸引できなくなり、排泄物受容手段内に多量
の排泄物が溜まってしまう。又、排泄物検出用センサが働かないと洗浄水の供給や温風の
供給も遮断されるといった非常事態を招くことになる。
【特許文献1】特開2001−190583号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような従来の問題を解決するためになされ、特に電気的接続が外れた
場合に看護人等がそれを見逃さないようにした自動排出物処理装置を提供することを課題
とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、管の中に複数の接続管と
、排泄物受容手段の排泄物検出センサと接続する配線を収納した複合管を形成し、この複
合管の端部に前記複数の接続管の端部と前記配線の端子を突出させたプラグを設け、前記
排泄物受容手段には前記複数の接続管に対応させて複数の接続口と前記端子に対応させて
端子受けを突出させたコネクタを設け、前記プラグとコネクタとを嵌め合わせることによ
り前記複数の接続管と接続口とがそれぞれ接続し、前記排泄物検出センサへの配線が接続
するように構成した自動排泄物処理装置において、前記端子と端子受けとの電気的接続を
検出するための接続検出手段を設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、前記接続検出手段は、請求項1の自動排泄物処理装置において、前
記複合管内に第1の信号線を配設し、この第1の信号線を前記プラグに設けた信号線端子
に接続し、この信号線端子に対応する信号線端子受けを前記コネクタに設け、前記信号線
端子受けに接続した第2の信号線を前記排泄物検出センサの配線に接続した構成であるこ
とを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、前記第1の信号線の他端部は制御装置に接続され、前記信号線端子
と信号線端子受けとの接続状態を表示し、且つ接続が外れた時に警報を発する監視手段を
設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3いずれかの自動排泄物処理装置において、
前記複合管の他方の端部に前記複数の接続管の端部と前記配線の端子を突出させたプラグ
を設け、このプラグを駆動ユニット側のコネクタに嵌め合わせると各管の接続と配線コー
ドの電気的接続とが同時に行えるように構成し、係止レバーを備えたハンドルを前記プラ
グに回転可能に枢支すると共に、前記コネクタの近傍に係止片を設け、前記ハンドルを回
転させて前記係止レバーの先端部を前記係止片に係止することにより、前記プラグをコネ
クタに嵌着できるようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項4の自動排泄物処理装置において、前記ハンドルにストッパ
部を設け、このストッパ部を前記プラグに設けた突起に係止させることにより、前記コネ
クタに対するプラグの嵌着状態を保持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
上記請求項1の発明によれば、排泄物受容手段に設けた複合コネクタに、複合管に設け
たプラグを嵌め合わせにより接続する形式の自動排泄物処理装置において、複合管のプラ
グ側の端子と、排泄物受容手段のコネクタ側の端子受けとの電気的接続を検出するための
接続検出手段を設けたので、電気的接続の外れを早期に発見することができる。これによ
り、複合管のプラグが中途半端に外れた場合、特に外部からは視認し難い電気的接続部分
の外れを見逃すことがなくなる。
【0013】
請求項2の発明によれば、請求項1の自動排泄物処理装置において、前記複合管内に第
1の信号線を配設し、この第1の信号線を前記プラグに設けた信号線端子に接続し、この
信号線端子に対応する信号線端子受けを前記コネクタに設け、前記信号線端子受けに接続
した第2の信号線を前記排泄物検出センサの配線に接続することにより接続検出手段を容
易に形成することができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、請求項2の自動排泄物処理装置において、前記第1の信号線
の他端部は制御装置に接続され、前記信号線端子と信号線端子受けとの接続状態を表示し
、且つ接続が外れた時に警報を発する監視手段を設けたので、この監視手段により電気的
接続状態を視認できると共に、接続が外れた時には警報によって看護人等に直ちに知らせ
ることができる。
【0015】
請求項4の発明によれば、請求項1ないし請求項3いずれかの自動排泄物処理装置にお
いて、複合管の他方の端部のプラグを駆動ユニット側のコネクタに嵌め合わせて接続する
に際して、プラグの先端を差し込むと同時にハンドルを回転させると係止レバーの先端部
がコネクタ側の係止片に係止することで、プラグをコネクタに接続することができる。こ
れにより、駆動ユニット側を押さえなくても片手で容易にプラグをコネクタに接続するこ
とが可能となり、看護人等にとって使用勝手が著しく向上する。
【0016】
請求項5の発明によれば、請求項4の自動排泄物処理装置において、ハンドルを回転さ
せてプラグをコネクタに接続すると、ハンドルに設けられたストッパ部がプラグに設けた
突起に係止する。これにより、プラグの嵌着状態を確実に保持するので、使用中でのプラ
グの外れを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明に係る自動排泄物処理装置の一実施形態を添付図面により説明する。図1
は、本発明に係る自動排泄物処理装置を示す概略構成図であり、1は排泄物を受ける排泄
物受容手段、2は排泄物を収納する汚物タンクであり、排泄物受容手段1と汚物タンク2
とは第1の接続管3と第2の接続管4とにより接続するように構成してある。
【0018】
上記排泄物受容手段1は、例えば軟質合成樹脂等の軟質材で略U字形に形成されたパッ
ドから構成され、図示しないベッドに収容されている病人や怪我人、或いは寝たきり老人
等の股部分を前後に包囲して密着可能に装着できるようにしてある。この排泄物受容手段
1は、底部1aの内側に排泄物受け面が設けられ、この排泄物受け面の要所に尿検出用の
センサと便検出用のセンサとが配設されており、排泄物受け面は前方に傾斜して形成され
て排出口5に連通している。
【0019】
前記第1の接続管3は排泄物受容手段1の排出口5に外嵌挿着する接続端部3aを備え
ると共に、前記第2の接続管4の端部に内嵌挿着する接続端部3bを備えている。この第
1の接続管3は複合管に収納されており、即ち他の接続管例えば洗浄水供給管6、温風供
給管7及び前記尿検出用のセンサと便検出用のセンサとにそれぞれ電気的に接続するため
の配線コード8等と共に複合管9内に納められている。温風供給管7は複合管9の外管に
兼ねさせることができる。
【0020】
図2のように、前記複合管9の一方の端部にはプラグ10が設けられ、このプラグ10
の内側に前記第1の接続管3の接続端部3a、洗浄水供給管6の接続端部6a、温風供給
管7の接続端部7a、配線コード8の接続端子8aが間隔をあけてそれぞれ突出している
。又、プラグ10に対応させて前記排泄物受容手段1の前面下方部にはコネクタ12が設
けられ、このコネクタ12は第1の接続管3の接続端部3aと接続する前記排出口5、洗
浄水供給管6の接続端部6aと接続する送水口14、温風供給管7の接続端部7aと接続
する送風口15、配線コード8の接続端子8aと電気的に接続する端子受け16がそれぞ
れ対応して突出している。これにより、プラグ10をコネクタ12に嵌め合わせると上記
各管の接続と配線コードの電気的接続とが同時に行えるようにしてある。これと同様に、
複合管9の他方の端部にはプラグ11が設けられ、このプラグ11を駆動ユニット17側
のコネクタ13に嵌め合わせると各管の接続と配線コード8の電気的接続とが同時に行え
る(図1参照)。
【0021】
又、排泄物受容手段1と複合管9との接続に関連させて前記電気的接続を検出するため
の接続検出手段19が設けられており、この接続検出手段19は例えば複合管9内に第1
の信号線20を配設し、この第1の信号線20を前記プラグ10に設けた信号線端子21
に接続し、この信号線端子21に対応する信号線端子受け22を前記コネクタ12に設け
、信号線端子受け22に接続した第2の信号線23を前記排泄物検出センサ24の配線に
接続した構成である。そして、第1の信号線20は駆動ユニット17の内部に配置されて
いる制御装置25に接続されている。図3に接続検出手段19を含む概略回路図を示す。
尚、信号線端子21と信号線端子受け22とは取り付けを上記とは逆にしても良い。
【0022】
図示は省略するが前記駆動ユニット17の内部には排泄物吸引手段と、洗浄水供給手段
と、温風供給手段と、前記制御装置25とが配置されている。そして、図1のように駆動
ユニット17の上部には前記第2の接続管4が水平に保持して固定され、この第2の接続
管4の他方の端部は前記汚物タンク2の接続口に挿入して接続されている。又、駆動ユニ
ット17の上部には通気管18が第2の接続管4と平行に位置して固定され、この通気管
18の一方の端部は前記排泄物吸引手段に接続され、他方の端部は汚水タンク2の気液分
離用セパレータ(図略)に接続されている。
【0023】
駆動ユニット17の上部の側部には一対のガイドレール26と、このガイドレール26
に沿って摺動可能に設けられた移動枠27が設けられ、前記汚物タンク2は移動枠27に
吊持状態で保持されており、この移動枠27と共に図1で左右方向に移動できるようにし
てある。28は回転式のロックハンドルであり、このロックハンドル28のロック状態で
は移動枠27はガイドレール26に固定されていて移動できず、前記第1の接続管3及び
通気管18と汚物タンク2との接続がそれぞれ保持されている。
【0024】
図5から図8に示すのは、前記複合管9の他方の端部に設けられているプラグ11と、
駆動ユニット17側のコネクタ13との接続に関する他の実施形態を示すものである。駆
動ユニット17と前記汚物タンク2とがケース32内に収納され、このケース32の底部
にキャスター33が取り付けられている場合の実施形態である。当該ケース32の上部に
は開閉蓋32aが取り付けられ、汚物タンク2を出し入れできるようにしてあり、開閉蓋
32aの一部には操作盤(図示せず)が設けられている。又、ケース32の側壁には窓孔
32bが設けられ、この窓孔32bから前記コネクタ13が外部に臨むようにしてある。
【0025】
上記のようにケース32にキャスター33が付いていると、移動し易くなるので便利で
あるが、前記プラグ11をコネクタ13に接続する際に当該プラグ11を押し込むとケー
ス32が押し込み方向に動くため、ケース32を押えていないとプラグ11を押し込んで
接続できないことになる。本実施形態は、ケース32を押えていなくても片手でプラグ1
1をコネクタ13に接続できるように構成したものである。このため、プラグ11にハン
ドル34を回転可能に設けると共に、コネクタ13の近傍に係止片35を設ける。
【0026】
上記ハンドル34は、図6に示すようにプラグ11を跨ぐような状態でほぼコ字形を呈
しており、その基端側の上下端部がそれぞれピン36を介してプラグ11に枢支され、他
端側にはそれぞれピン37を介して把持棒38が軸回転自在に枢支されている。又、ハン
ドル34は、図7(a)、(b)に示すように上下部にそれぞれ略円弧状の係止レバー3
9(ここでは上部の係止レバーが示されている)が水平方向に張り出して設けられ、この
係止レバー39の基端部の近傍にはストッパ部40がそれぞれ設けられている。このスト
ッパ部40は、小さな2つの凸条から構成され、プラグ11の上下部の所定箇所に設けた
突起41にそれぞれ係止できるようにしてある。
【0027】
前記係止片35は、図6に示すようにコネクタ13の前面側の上下部にそれぞれ突設さ
れ、上部の係止片35は上向きの略鉤形に、下部の係止片は下向きの略鉤形に形成されて
おり、図7(b)に示すようにこれらの係止片35に前記ハンドル34の係止レバー39
の先端部39aがそれぞれ係止するように構成されている。係止レバー39の先端部39
aが係止片35にそれぞれ係止すると、前記ストッパ部40が突起41にそれぞれ係止す
る。これにより、係止片35に対する係止レバー39の係止状態が保持される。
【0028】
本実施形態では、図5のようにプラグ11の先端部をコネクタ13に対向させて挿入す
る(押し込むのではない)と共に、前記把持棒38を持ってピン36を支点としてハンド
ル34を前方に向けて回転させると、係止レバー39の先端部39aがコネクタ13側の
係止片35に係止することによりプラグ11をコネクタ13に接続することができる。係
止レバー39が係止片35に係止する際には、この係止片35を手前側に引き付ける方向
の力が作用するため、前記ケース32が逃げる方向即ちプラグ11の差し込み方向に移動
することはない。これにより、ケース32を押えていなくてもプラグ11を片手で容易に
接続することができ、各管の接続と配線コードの電気的接続とが同時に行える。
【0029】
図8は、上記の要領でプラグ11をコネクタ13に接続する時の、前記第1の接続管3
における接続端部3bの接続状態を示すものであり、(a)は接続前、(b)はプラグ1
1の挿入時、(c)は接続後の状態をそれぞれ示す概略断面図である。前記第1の接続管
3の接続端部3bには段部3cが設けられ、この段部3cに円環状のパッキン42が嵌着
されている。又、コネクタ13側の前記第2の接続管4の入口端部には傾斜段部4aが設
けられている。
【0030】
図8(a)のように第1の接続管3の接続端部3bを第2の接続管4の入口端部に対向
させてプラグ11を挿入すると、図8(b)の状態となり、この時前記パッキン42は第
2の接続管4の入口端部に圧接する。この状態から前記ハンドル34を回転させて係止レ
バー39の先端部をコネクタ13側の係止片35に係止すると、図8(c)の状態となり
、この時係止片35が図の左方向に引き寄せられるため、前記パッキン42は前記傾斜段
部4aに密着状態で圧接する。これにより、パッキン42によるシールはほぼ完全な状態
となり、第1の接続管3の接続端部3bの先端から第2の接続管4の内壁面に汚水が進入
したとしてもパッキン42により遮断され、第2の接続管4の入口端部の先端から外部に
漏れ出すことはない。よって、極めて清潔であると共に悪臭が外部に漏れることはない。
【0031】
本発明に係る自動排泄物処理装置は、前記排泄物検出センサ24が排泄物を検出すると
、その検出信号が制御装置25に入力され、この制御装置25から信号が出力されて洗浄
水供給手段が作動し、洗浄水が洗浄水供給管6を通って排泄物受容手段1に供給され、当
該排泄物受容手段1を装着している装着人の局部や尻部を洗浄する。一定時間経過後に洗
浄水供給手段が停止し、制御装置25から信号が出力されて排泄物吸引手段が作動し、排
泄物受容手段1内の排泄物を洗浄後の汚水と共に排出口5から排出する。排出された汚物
は、第1の接続管3を通って第2の接続管4内に流入し、この第2の接続管4から汚物タ
ンク2内に収納される。排泄物吸引手段の停止後に、制御装置25から信号が出力されて
温風供給手段が作動し、温風が温風供給管7を通って排泄物受容手段1に供給され、装着
人の局部や尻部を乾かすと共に排泄物受容手段1内を乾燥させる。この温風供給手段は一
定時間作動した後停止する。
【0032】
汚物タンク2内に多量の汚物が溜まったら、前記ロックハンドル28を上向きに回転さ
せてロックを解除し、移動枠27をガイドレール26に沿って図1で右方向に移動させ、
汚物タンク2と前記第1の接続管3及び通気管18との接続を離す。この後、汚物タンク
2の上面に設けられている把手29を起立させて手に持ち、汚物タンク2を持ち上げて移
動枠27から外す。そして、汚物タンク2をトイレまで運んでキャップ30を外せば汚物
を排出することができる。
【0033】
汚物の排出後、汚物タンク2を前記移動枠27に落とし込んで吊持状態に保持させ、移
動枠27をガイドレール26に沿って図1で左方に移動させれば、汚物タンク2と前記第
1の接続管3及び通気管18とをそれぞれ接続することができる。この後、前記ロックハ
ンドル28を下向きに回転させてロックすれば、移動枠27が固定され汚物タンク2と前
記第1の接続管3及び通気管18との接続が保持される。
【0034】
ところで、前記プラグ10の両側部には係止用フック10aが取り付けられているので
、コネクタ12から容易に外れないようになっているが、それにも拘わらず何等かの外力
が加わってプラグ10が外れることがある。自動排泄物処理装置の使用中に、プラグ10
全体がコネクタ12から外れた場合には、その外れを看護人等が容易に視認できることか
ら早期に嵌め戻して回復させることができる。しかしながら、プラグ10の外れが中途半
端で看護人等が外部から容易に視認できない場合がある。
【0035】
プラグ10のうち複数の管接続部分は結合力が比較的強いためコネクタ12から外れ難
いが、電気的接続部分は結合力が比較的弱いため外れ易い。このような場合には、プラグ
10全体が外れないので看護人等が見逃し易くなる。しかしながら、本発明では前記のよ
うに接続検出手段19を設けてあるため、看護人等に早期に知らせることができる。前記
信号線端子21と、コネクタ12の前記信号線端子受け22との接続が離れると、第1の
信号線20に電流が流れなくなり、前記制御装置25に設けてある監視手段31の例えば
パイロットランプが消灯する。パイロットランプが消灯しただけでは、看護人等が見落と
す懸念があるので、パイロットランプの消灯と合わせて例えば警報音を発するか、或いは
赤色灯を回転又は点滅させる等の分りやすい合図を用いると好ましい。
【0036】
従来の自動排泄物処理装置では、このような接続検出手段19が設けられていないため
、電気的接続が外れても看護人等が早期に発見できなかった。電気的接続が外れていると
、排泄物が排泄されても排泄物検出センサ24から制御装置25に信号を入力できず、こ
のため前記洗浄水供給手段、排泄物吸引手段、温風供給手段がいずれも作動しない。これ
により、排泄物受容手段1においては、排泄物が溜まる一方で全く排出されず、装着人の
局部や尻部の洗浄も全く行われないといった事態を招く結果となっていた。本発明は、こ
のような従来の困った事態を防止することができる。
【0037】
尚、前記排泄物受容手段1のコネクタ12は、図4に示すように装着人の太腿P間がな
るべく狭くなるように上部の幅を必要最小限に狭めて形成し、しかも上部の両側縁部12
aをそれぞれ内側に湾曲させて形成し、それに続く下部12bの輪郭は略丸形に形成する
ことが好ましい。これにより、排泄物受容手段1の装着状態を比較的楽にさせ、太腿Pが
コネクタ12に接触しても殆ど痛さや違和感を与えることがない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、自力で歩けない状態でベッドに収容されている病人や怪我人、或いは寝たき
り老人等が使用する自動排出物処理装置に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る自動排泄物処理装置の一実施形態を示す概略全体構成図である。
【図2】本発明に係る自動排泄物処理装置の一実施形態における接続部分を示す概略斜視図である。
【図3】本発明に係る自動排泄物処理装置の一実施形態における接続検出手段を示す概略配線図である。
【図4】本発明に係る自動排泄物処理装置の一実施形態における排泄物受容手段のコネクタ部分を示す説明図である。
【図5】本発明に係る自動排泄物処理装置の他の実施形態におけるプラグとコネクタとの接続前の状態を示す概略斜視図である。
【図6】図5における一部の拡大概略斜視図である。
【図7】本発明に係る自動排泄物処理装置の他の実施形態におけるプラグとコネクタとの接続要領を示すもので、(a)はハンドルを回転する状態、(b)はハンドルの係止レバーがコネクタ側の係止片に係止した状態をそれぞれ示す説明図である。
【図8】本発明に係る自動排泄物処理装置の他の実施形態における管接続状態を示すもので、(a)は接続前、(b)はプラグ挿入時、(c)は接続後の状態をそれぞれ示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 排泄物受容手段
2 汚物タンク
3 第1の接続管
4 第2の接続管
5 排出口
6 洗浄水供給管
7 温風供給管
8 配線コード
9 外管
10、11 プラグ
12、13 コネクタ
14 送水口
15 送風口
16 端子受け
17 駆動ユニット
18 通気管
19 接続検出手段
20 第1の信号線
21 信号線端子
22 信号線端子受け
23 第2の信号線
24 排泄物検出センサ
25 制御装置
31 監視手段
32 ケース
33 キャスター
34 ハンドル
35 係止片
38 把持棒
39 係止レバー
40 ストッパ部
41 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管の中に複数の接続管と、排泄物受容手段の排泄物検出センサと接続する配線を収納し
た複合管を形成し、この複合管の端部に前記複数の接続管の端部と前記配線の端子を突出
させたプラグを設け、前記排泄物受容手段には前記複数の接続管に対応させて複数の接続
口と前記端子に対応させて端子受けを突出させたコネクタを設け、前記プラグとコネクタ
とを嵌め合わせることにより前記複数の接続管と接続口とがそれぞれ接続し、前記排泄物
検出センサへの配線が接続するように構成した自動排泄物処理装置において、前記端子と
端子受けとの電気的接続を検出するための接続検出手段を設けたことを特徴とする自動排
泄物処理装置。
【請求項2】
前記接続検出手段は、前記複合管内に第1の信号線を配設し、この第1の信号線を前記
プラグに設けた信号線端子に接続し、この信号線端子に対応する信号線端子受けを前記コ
ネクタに設け、前記信号線端子受けに接続した第2の信号線を前記排泄物検出センサの配
線に接続した構成であることを特徴とする請求項1に記載の自動排泄物処理装置。
【請求項3】
前記第1の信号線の他端部は制御装置に接続され、前記信号線端子と信号線端子受けと
の接続状態を表示し、且つ接続が外れた時に警報を発する監視手段を設けたことを特徴と
する請求項2に記載の自動排泄物処理装置。
【請求項4】
前記複合管の他方の端部に前記複数の接続管の端部と前記配線の端子を突出させたプラ
グを設け、このプラグを駆動ユニット側のコネクタに嵌め合わせると各管の接続と配線コ
ードの電気的接続とが同時に行えるように構成し、係止レバーを備えたハンドルを前記プ
ラグに回転可能に枢支すると共に、前記コネクタの近傍に係止片を設け、前記ハンドルを
回転させて前記係止レバーの先端部を前記係止片に係止することにより、前記プラグをコ
ネクタに嵌着できるようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれかに記載
の自動排泄物処理装置。
【請求項5】
前記ハンドルにストッパ部を設け、このストッパ部を前記プラグに設けた突起に係止さ
せることにより、前記コネクタに対するプラグの嵌着状態を保持することを特徴とする請
求項4に記載の自動排泄物処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−289637(P2007−289637A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−258155(P2006−258155)
【出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(302071092)テガ三洋工業株式会社 (244)
【Fターム(参考)】