説明

自動改札機

【課題】自分の乗車券を連れている幼児に持たせた利用者に対して、その乗車券が適正であれば、改札通路の通行を許可することができる自動改札機を提供する。
【解決手段】自動改札機1は、改札通路を通行する際に、乗車券が必要である利用者が、乗車券を所持せずに改札通路に進入した場合、予め定められた条件を満たす利用者の中に、乗車券を必要としない利用者であって、且つ乗車券を所持して改札通路に進入した利用者がいれば、この利用者に対応づけられている乗車券情報を、乗車券を所持せずに改札通路に進入した利用者に対応づける。したがって、自分の乗車券を連れている幼児に持たせて改札通路に進入し、該改札通路を通行することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、駅の改札口や、施設の出入口等に設置される自動改札機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駅の改札口には自動改札機が設置されている。自動改札機は、公知のように、改札通路を通って、駅構内に入場したり、駅構内から出場する利用者に対して改札処理を行う機器である。自動改札機は、改札通路に進入した利用者が所持するキップや定期券等の乗車券を受け付け、この乗車券に記録されている乗車券情報を取得する。そして、取得した乗車券情報に基づいて、改札通路における利用者の通行可否を判定し、この判定結果に応じて、改札通路に設けられた扉を開閉する。利用者は、この扉の開閉により、改札通路における通行が許可、または禁止される。
【0003】
従来の自動改札機は、取得した乗車券情報に基づいて、改札通路における利用者の通行を許可すると判定する毎に、1人の利用者について改札通路における通行を許可していた。具体的には、自動改札機は、改札通路における通行を許可する利用者の人数をカウントするカウンタ(正券カウンタ)を有し、取得した乗車券情報に基づいて改札通路における利用者の通行を許可すると判定する毎に、この正券カウンタを1カウントアップする。また、利用者が改札通路から進出したことを検知する毎に、この正券カウンタを1カウントダウンする。すなわち、自動改札機は、この正券カウンタのカウント数により、改札通路における通行を許可する利用者の人数を管理し、この正券カウンタが0であるときに、改札通路内にいる利用者の通行を禁止する構成であった。ただし、このような従来の自動改札機は、一定以上の身長の人を検知できるセンサで大人を検知し、身長の低い幼児などの乗車券を必要としない利用者は検知していなかった。そのため、幼児が乗車券を使用した場合には、上述の正券カウンタがカウントアップするだけで、幼児が改札通路から進出したことが検知されないので正券カウンタがカウントダウンされず、その後に乗車券を所持しない利用者が、いつでも無条件に通行できてしまうという問題があった。
【0004】
これに対し、幼児(乗車券を必要としない利用者)を含め、改札通路に進入した利用者毎に、この利用者が所持する乗車券から読み取った乗車券情報を対応づけるとともに、利用者毎に改札通路における位置を検知することにより、改札通路内に大人、幼児が混在した複数の利用者が進入しているときでも、適正な乗車券を所持している利用者については改札通路を通行させ、適正な乗車券を所持していない利用者については改札通路の通行を禁止することがより正確に実施できる自動改札機の提案がなされている(特許文献1等)。
【特許文献1】特開平10−105748号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の自動改札機は、上述したように、利用者毎に、この利用者が改札通路に進入するときに所持していた乗車券から読み取った乗車券情報を対応づけるとともに、利用者毎に改札通路における位置を検知することで、適正な乗車券を所持している利用者に対して通路の通行を許可し、適正な乗車券を所持していない利用者に対して通路の通行を禁止する構成であった。すなわち、従来の自動改札機では、通路の通行が許可される利用者は、通路に進入したときに、適正な乗車券を所持していた利用者であった。このため、乗車券が必要でない幼児と、この幼児の保護者等である大人(乗車券が必要な利用者)の2人が順番に改札通路に進入するときに、大人の乗車券を幼児に所持させて改札通路に進入すると、自動改札機は乗車券を幼児に対応づけるので、この幼児の保護者等である大人については乗車券を所持していない無札者として改札通路の通行を禁止する。このように、従来の自動改札機では、利用者が適正な乗車券を持っているにもかかわらず、改札通路に進入するときに、この乗車券を連れている幼児に持たせたことで改札通路の通行が禁止される。但し、幼児については、改札通路の通行を許可する。乗車券を幼児に持たせて改札通路に進入するという上述の場面は比較的多い。例えば、手荷物等が多いときに、自分の乗車券を連れている幼児に持たせて自動改札機の通路に進入する利用者が多い。このため、従来の自動改札機は、利用者の利用状況に応じた対応が十分にとられておらず、利用者にとって不便であった。また、改札通路において、利用者の通行が禁止されると、この利用者の後から改札通路に進入した利用者も一旦戻って、改札通路から外に出なければならず、改札口が混雑するという問題もある。
【0006】
この発明の目的は、自分の乗車券を幼児に持たせた利用者に対して、その乗車券が適正であれば通路の通行を許可することで、利用者の利便性を向上させることができる自動改札機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の自動改札機は、上記課題を解決するために、以下の構成を備えている。
【0008】
(1) 通路に利用者が進入したかどうかを検知する利用者検知手段と、
利用者が所持する記録媒体を受け付け、この記録媒体に記録されている、該通路における利用者の通行可否の判定に用いる通行可否判定情報を取得する記録媒体受付手段と、
前記利用者検知手段が前記通路に進入したことを検知した利用者と、この利用者が所持し、前記記録媒体受付手段が受け付けた記録媒体に記録されている通行可否判定情報と、を対応づけて記憶する対応づけ手段と、
前記利用者検知手段により通路に進入したことが検知された利用者が、該通路の通行に際して前記記録媒体を必要としない利用者であるかどうかを判定する判定手段と、
前記対応づけ手段により通行可否判定情報が対応づけられた利用者が、前記判定手段により前記記録媒体を必要としない利用者であると判定された場合に、この利用者の後から前記通路に進入した利用者であって、且つ前記対応づけ手段により通行可否判定情報が対応づけられなかった利用者がいれば、前記判定手段により前記記録媒体を必要としない利用者であると判定された利用者に対応づけられている通行可否判定情報を、この通行可否判定情報が対応づけられていない利用者に対応づける修正を行う対応づけ修正手段と、
通路内を通行する利用者毎に、その利用者に対応づけられている通行可否判定情報を用いて、通路内におけるこの利用者の通行を制限する通行制限手段と、を備えている。
【0009】
この構成では、対応づけ手段において、利用者検知手段が検知した通路に進入した利用者と、記録媒体受付手段がこの利用者が所持している記録媒体から取得した通行可否判定情報と、の対応づけがなされる。また、判定手段により、通路に進入した利用者が該通路の通行に際して前記記録媒体を必要としない利用者であるかどうかが判定される。ここで言う通路の通行に際して記録媒体を必要としない利用者とは、例えば鉄道であれば、鉄道の利用に際して乗車券(記録媒体)を必要としない幼児のことであり、反対に乗車券(記録媒体)を必要とする利用者には、その利用に際して普通乗車券が必要な利用者(ここでは大人と言う。)、およびその利用に際して小人乗車券が必要な利用者(ここでは、小人と言う。)が含まれる。
【0010】
なお、鉄道の利用に際して、子供は、小人乗車券よりも割高の普通乗車券を使用しても問題はなく、幼児は小人乗車券、または普通乗車券を使用しても問題はない。
【0011】
対応づけ修正手段は、通路に進入した利用者が、判定手段により通路の通行に際して記録媒体を必要としない利用者(幼児)であると判定されると、この利用者(幼児)の後から通路に進入した利用者であって、前記対応づけ手段により通行可否判定情報が対応づけられなかった利用者がいれば、通路の通行に際して記録媒体を必要としない利用者(幼児)に対応づけている通行可否判定情報を、この通行可否判定情報が対応づけられていない利用者に対応づける。例えば、通路の通行に際して記録媒体を必要としない利用者である幼児と、この幼児の保護者等である大人の2人が通路を通行するときに、この大人の記録媒体を幼児に持たせ、幼児、大人の順に通路に進入した場合に、幼児に一時的に対応づけた通行可否判定情報が、この幼児の後から通路に進入した大人に対応づける修正が行われる。このため、記録媒体が適正であれば、幼児、および大人は通路の通行が許可される。これにより、幼児を連れて自動改札機を通行する利用者に対する利便性の向上が図れ、結果的に利用者に対するサービスが向上できるとともに、利用者の混雑も緩和できる
なお、乗車券を必要としない利用者である幼児が通路内にいる間に、通路に進入した利用者に対して対応づけを修正する構成とすれば、この幼児と関係がなく、記録媒体を所持せずに通路に進入した利用者に対応づけるような事態の発生を防止することができる。
【0012】
(2)通路に利用者が進入したかどうかを検知する利用者検知手段と、
利用者が所持する記録媒体を受け付け、この記録媒体に記録されている、該通路における利用者の通行可否の判定に用いる通行可否判定情報を取得する記録媒体受付手段と、
前記利用者検知手段が前記通路に進入したことを検知した利用者と、この利用者が所持し、前記記録媒体受付手段が受け付けた記録媒体に記録されている通行可否判定情報と、を対応づけて記憶する対応づけ手段と、
前記利用者検知手段により通路に進入したことが検知された利用者が、該通路の通行に際して前記記録媒体を必要としない利用者であるかどうかを判定する判定手段と、
前記対応づけ手段により通行可否判定情報が対応づけられた利用者が、前記判定手段により前記記録媒体を必要としない利用者であると判定された場合に、この利用者よりも先に前記通路に進入した利用者であって、且つ前記対応づけ手段により通行可否判定情報が対応づけられなかった利用者がいれば、前記判定手段により前記記録媒体を必要としない利用者であると判定された利用者に対応づけられている通行可否判定情報を、この通行可否判定情報が対応づけられていない利用者に対応づける修正を行う対応づけ修正手段と、
通路内を通行する利用者毎に、その利用者に対応づけられている通行可否判定情報を用いて、通路内におけるこの利用者の通行を制限する通行制限手段と、を備えている。
【0013】
この構成では、通路の通行に際して記録媒体を必要としない利用者である幼児と、この幼児の保護者等である大人の2人が通路を通行するときに、この大人の記録媒体を幼児に持たせ、上記(1)とは逆の順番である、大人、幼児の順に通路に進入した場合に、幼児、および大人に対して通路の通行を許可することができる。これにより、上記(1)と同様に、幼児を連れて自動改札機を通行する利用者に対する利便性の向上が図れ、結果的に利用者に対するサービスが向上できるとともに、利用者の混雑も緩和できる
なお、上記(1)と組み合わせることで、利用者に対するサービスが一層向上できる。
【0014】
(3)前記対応づけ修正手段は、前記判定手段により前記記録媒体を必要としない利用者であると判定された利用者が通路に進入したタイミングを基準にした所定の時間の範囲内に通路進入した利用者であって、且つ前記対応づけ手段により通行可否判定情報が対応づけられなかった利用者に対して、前記判定手段により前記記録媒体を必要としない利用者であると判定された利用者に対応づけられている通行可否判定情報を、対応づける修正を行う手段である。
【0015】
この構成では、記録媒体を必要としない利用者が通路に進入したタイミングを基準にして、所定の時間内、例えば前後3秒以内、に通路に進入した利用者に対する乗車券情報の対応づけを修正するので、この幼児と関係がなく、記録媒体を所持せずに通路に進入した利用者に対して、幼児に対応づけられている通行可否判定情報を対応づけるという事態が発生するのを、一層確実に防止することができる。
【0016】
(4)前記対応づけ修正手段は、前記判定手段により前記記録媒体を必要としない利用者であると判定された利用者が通路に進入してから、この利用者が通路を進出してから所定の時間経過するまでの間に、通路進入した利用者であって、且つ前記対応づけ手段により通行可否判定情報が対応づけられなかった利用者に対して、前記判定手段により前記記録媒体を必要としない利用者であると判定された利用者に対応づけられている通行可否判定情報を、対応づける修正を行う手段である。
【0017】
この構成では、上記(3)と同様に、乗車券を持って通路に進入した幼児と関係がなく、記録媒体を所持せずに通路に進入した利用者に対して、幼児に対応づけられている通行可否判定情報を対応づけるという事態が発生するのを、一層確実に防止することができる。
【0018】
なお、ここで言う利用者が通路から進出するとは、通路に進入した利用者が、通路を進入方向に通行して、通路から進出することを意味し、通路内で引き返して(Uターンして)進入側から進出することを意味するものではない。
【0019】
(5)前記対応づけ修正手段は、前記判定手段により前記記録媒体を必要としない利用者であると判定された利用者を基準にし、所定の人数の範囲内に通路進入した利用者であって、且つ前記対応づけ手段により通行可否判定情報が対応づけられなかった利用者に対して、前記判定手段により前記記録媒体を必要としない利用者であると判定された利用者に対応づけられている通行可否判定情報を、対応づける修正を行う手段である。
【0020】
この構成では、記録媒体を必要としない利用者を基準にして、所定の人数の範囲内、例えば前後2人以内、に通路に進入した利用者に対して記録媒体の対応づけを修正するので、この幼児と関係がなく、記録媒体を所持せずに通路に進入した利用者に対して、幼児に対応づけられている通行可否判定情報を対応づけるという事態が発生するのを、一層確実に防止することができる。
【0021】
(6)前記対応づけ修正手段は、他の利用者に対応付けられている通行可否判定情報を、前記判定手段により前記記録媒体を必要としない利用者であると判定された利用者に対応づける修正を禁止する手段を含む。
【0022】
この構成では、記録媒体を必要としない利用者に対して、他の利用者に対応付けられている通行可否判定情報を対応付けることがない。すなわち、記録媒体を必要とする利用者に対してのみ、記録媒体を必要としない利用者に対応付けられている通行可否判定情報を対応付ける修正が行われる。
【0023】
(7) 前記対応づけ修正手段は、前記対応づけ手段により通行可否判定情報が対応づけられた利用者の通行可否判定情報が、小人用の通行可否判定情報であれば、この通行可否判定情報を他の利用者に対応付ける修正を禁止する手段を含む。
【0024】
この構成では、小人用の通行可否判定情報については、他の利用者に対応付ける修正を行わない。
【0025】
(8)前記通行制限手段は、前記対応づけ修正手段により、通行可否判定情報が他の利用者に対応づけられた利用者については、通路の通行を許可する手段である。
【0026】
この構成では、例えば、通路の通行に際して記録媒体を必要としない利用者である幼児と、この幼児の保護者等である大人の2人が通路を通行するときに、この大人の記録媒体を幼児に持たせていた場合に、この幼児に対して通路の通行を制限することがない。
【発明の効果】
【0027】
この発明によれば、通路の通行に際して記録媒体を必要としない幼児等の利用者と、通路の通行に際して記録媒体を必要とする大人等の利用者と、が通路を通行するときに、幼児がこの大人の記録媒体を所持して通路に進入した場合であっても、幼児、および大人に対して通路の通行を許可することができる。したがって、幼児を連れて自動改札機を通行する利用者の利便性を向上することができるとともに、自動改札機周辺における混雑も緩和できる。また、記録媒体を所持して通路に進入した幼児と関係がなく、記録媒体を所持せずに通路に進入した利用者に対して、幼児に対応づけられている通行可否判定情報を対応づけるという事態の発生を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、この発明の実施形態である自動改札機について説明する。
【0029】
図1は、この発明の実施形態である自動改札機の外観を示す斜視図である。図1に示すように、この実施形態の自動改札機1は、一対の自動改札パーツ1a、1bを改札通路を挟んで対向させて配置したものである。また、図2(A)は、一方の自動改札パーツ1aの改札通路側の側面図であり、図2(B)は自動改札機の上面図であり、図2(C)は自動改札機の正面図である。図3は、この実施形態の自動改札機の構成を示すブロック図である。この実施形態の自動改札機1は、駅の改札口に設置される。この実施形態の自動改札機1の改札通路における利用者の通行方向は、図1に示すA方向、またはB方向の一方であってもよいし、両方であってもよい。例えば、A方向は利用者が駅に入場する方向であり、B方向は利用者が駅から出場する方向である。図3に示すように、この実施形態の自動改札機1は、装置本体の動作を制御する制御部2と、改札通路に進入する利用者が所持しているキップ、定期券等の乗車券を受け付ける乗車券受付部3と、利用者毎に改札通路内における位置を検知する利用者検知部4と、改札通路に進入した利用者の出口側に設けられた扉を開閉する扉開閉部5と、利用者に対して案内表示を行う表示部6と、を備えている。乗車券受付部3、扉開閉部5、および表示部6については、改札通路をA方向に通行する利用者用(入場者用)と、改札通路をB方向に通行する利用者用(出場者用)と、を個別に備えている。すなわち、乗車券受付部3a、扉開閉部5a、および表示部6aは、改札通路をA方向に通行する利用者用の構成であり、乗車券受付部3b、扉開閉部5b、および表示部6bは、改札通路をB方向に通行する利用者用の構成である。
【0030】
なお、自動改札機1における利用者の通行方向が一方の方向に限定されている場合には、他方の方向にかかる乗車券受付部3a(または3b)、扉開閉部5a(または5b)、および表示部6a(または6b)については、設けなくてもよい。
【0031】
改札通路をA方向に通行する利用者用の乗車券受付部3aは、この利用者の右側に位置する自動改札パーツ1aに設けられ、改札通路をB方向に通行する利用者用の乗車券受付部3bは、この利用者の右側に位置する自動改札パーツ1bに設けられている。乗車券受付部3a、3bは、磁気券、および非接触媒体を乗車券として受け付ける。磁気券は、乗車券情報を磁気データで記録した乗車券であり、非接触媒体は無線通信機能を有し、乗車券情報をメモリに記憶した乗車券である。乗車券受付部3aは、磁気券投入口11aに投入された磁気券を、磁気券放出口12a、または自動改札パーツ1a内に設けられた回収ボックス(不図示)へ搬送する磁気券搬送部(不図示)、およびこの磁気券搬送部により搬送されている磁気券に記録されている乗車券情報の読取や、この磁気券に対する乗車券情報の記録を行う磁気券処理部(不図示)を有している。図示するように磁気券投入口11aは、改札通路をA方向に通行する利用者にとっての改札通路の入口近くに設けられており、磁気券放出口12aは改札通路の略中央に設けられている。また、乗車券受付部3aは、アンテナコイル13aに近接された非接触媒体との無線通信により、この非接触媒体が記憶している乗車券情報の読取や、この非接触媒体に対する乗車券情報の書換を行う非接触媒体処理部(不図示)を有している。図示するようにアンテナコイル13aは、改札通路をA方向に通行する利用者にとっての入口近くに設けられている。乗車券として使用される非接触媒体は、公知のようにアンテナコイル13aに近接されたときに、このアンテナコイル13aとの電磁結合により動作電力を得る構成である。乗車券として使用される磁気券や、非接触媒体については、公知であるので、ここでは説明を省略する。
【0032】
なお、自動改札パーツ1bにも、磁気券投入口11b、磁気券放出口12b、磁気券処理部、アンテナコイル13b、および非接触媒体処理部が設けられている。磁気券投入口11bおよびアンテナコイル13bは、改札通路をB方向に通行する利用者にとっての入口近くに設けられており、磁気券放出口12bは改札通路の略中央に設けられている。
【0033】
利用者検知部4は、改札通路への利用者の進入、および改札通路内における利用者の位置を検知する利用者位置検知部4aと、改札通路に進入した利用者が該改札通路の通行に際して乗車券を必要とする利用者であるか、乗車券を必要としない利用者であるかを判定する利用者種別判定部4bと、を備えている。利用者位置検知部4aは、改札通路に沿って、自動改札パーツ1aの改札通路側の側面に略等間隔(例えば15cm間隔)に設けられた複数の発光部21と、自動改札パーツ1bの改札通路側の側面に略等間隔(例えば15cm間隔)に設けられた複数の受光部22と、を備えている。発光部21と、受光部22とは、対向させて取り付けている。また、発光部21、および受光部22は、改札通路の通行に際して乗車券を必要としない幼児も検出できる高さ、約800mmの高さ、に取り付けている。利用者位置検知部4aは、発光部21から出射されている光を受光している受光部22の取り付け位置に利用者が存在しておらず、発光部21から出射されている光を受光していない受光部22の取り付け位置に利用者が存在していると判断する。利用者位置検知部4は、改札通路内における利用者の位置を一定時間毎、例えば100ms毎、に検知することで、利用者毎に改札通路内における位置を追跡する。また、利用者種別判定部4bは、出射している光の反射光を検出する反射型センサ25、26を有している。反射型センサ25、26は、自動改札パーツ1a、1bの改札改札通路側の側面に設けられ、この改札通路の両側の2カ所(合計4カ所)に設けられている。この反射型センサ25、26は、光を斜め上方に照射する向きに取り付けている。反射型センサ25、26から照射された光は、改札通路の幅方向の中央において、略1250mmの高さに達する。
【0034】
以下の説明において、改札通路の通行に際して乗車券を必要としない利用者を幼児と呼び、改札通路の通行に際して乗車券を必要とする利用者を大人と呼ぶ。
【0035】
扉開閉部5aは、自動改札パーツ1a、1bの改札通路側の側面に設けられた扉31を開閉する。扉31は、改札通路をA方向に通行する利用者にとっての出口側に設けられている。一方、扉開閉部5bは、自動改札パーツ1a、1bの改札通路側の側面に設けられた扉32を開閉する。扉32は、改札通路をB方向に通行する利用者にとっての出口側に設けられている。また、表示部6aは自動改札パーツ1aの上面に設けられた表示器41aにおける表示を制御し、表示部6bは自動改札パーツ1bの上面に設けられた表示器41bにおける表示を制御する。表示器41a、41bは、改札通路の略中央に設けられている。
【0036】
次に、この実施形態の自動改札機1の動作について説明する。自動改札機1は、ノーマルオープンに設定されている場合、改札通路内に利用者がいないとき、扉31、32を全て開している。自動改札機1は、改札通路に利用者が進入する毎に、進入した利用者に対して乗車券情報を対応づける進入時対応づけ処理を行う。図4は、この進入時対応づけ処理を示すフローチャートである。自動改札機1は、利用者が改札通路に進入したかどうかの判定を繰り返し行っている(s1)。改札通路への利用者の進入は、両端部の受光部22の一方において、対向する発光部21から出射されている光を受光していない状態になったときに、この状態になった受光部22が設けられている側から利用者が改札通路に進入したと判定する。
【0037】
自動改札機1は、改札通路に利用者が進入したと判定すると、乗車券受付部3において乗車券を受け付けるか(s2)、この利用者が無札検知位置に達するのを待つ(s3)。無札検知位置は、改札通路に進入した利用者にとっての入口側に設けられている反射型センサ25よりも少し進行方向側の位置であり、利用者が乗車券投入口11a(または11b)や、アンテナコイル13a(または13b)よりも、奥側の位置である。したがって、自動改札機1は、通常、改札通路に進入した利用者が無札検知位置に達する前に、乗車券を受け付ける。自動改札機1は、乗車券を受け付けると、この乗車券に記録されている乗車券情報を取得し、利用者と取得した乗車券情報と、を対応づけ(s4)、この利用者が無札検知位置に達するのを待つ(s5)。すなわち、s4にかかる処理により、改札通路に進入した利用者(幼児、または大人)と、この利用者が所持している乗車券に記録されている乗車券情報と、の対応付が行われる。
【0038】
また、自動改札機1は、s3、またはs5で利用者が無札検知位置に達したと判定すると、今回無札検知位置に達した利用者が、大人であるか、幼児であるかを判定する(s6)。s6にかかる判定は、今回利用者が改札通路に進入したことを検知してから、この利用者が無札検知位置に達するまでの間に、自動改札パーツ1a、1bの入口側に設けられている2つの反射型センサ25(または26)がともに反射光を受光している状態と、かつ入口側に設けられている受光部22(この反射型センサ25付近に設けられている受光部22)が発光部21から出射されている光を受光していない状態と、が同時に生じたときがあれば、今回改札通路に進入した利用者が大人であると判定し、上記2つの状態が同時に生じたときがなければ、幼児であると判定する。自動改札機1は、利用者、この利用者が所持している乗車券から取得した乗車券情報、利用者が大人か幼児かを示す情報(s6にかかる判定結果)、この利用者が改札通路に進入した時刻等を対応づけた利用者情報を制御部2のメモリ(不図示)に記憶する(s7)。s7では、幼児であっても、乗車券を所持して改札通路に進入した場合には、乗車券情報を対応づけた利用者情報を記憶する。一方、大人であっても、この利用者が乗車券を所持しないで改札通路に進入した場合には、乗車券情報を対応づけていない利用者情報を記憶する。
【0039】
また、自動改札機1は、無札検知位置に達した利用者に対して、図5に示す無札検知位置処理を行う。自動改札機1は、今回無札検知位置に達した利用者が、乗車券の必要な大人であるか、乗車券を必要としない幼児であるかを判定する(s11)。自動改札機1は、s11で大人であると判定すると、この利用者の利用者情報に乗車券情報が対応づけられているかどうか、すなわちこの利用者が乗車券を所持して改札通路に進入したかどうか、を判定する(s12)。自動改札機1は、乗車券情報が対応づけられている利用者であると判定すると、この利用者よりも所定人数以上前(例えば、2人以上前)に改札通路に進入した利用者の中に、乗車券情報が対応づけられている幼児がいれば、この幼児に対応づけられている乗車券情報をクリアする(s13)。また、自動改札機1は、今回無札検知位置に達した利用者よりも、所定時間以上前(例えば、3秒以上前)に改札通路に進入した利用者の中に、乗車券情報が対応づけられている幼児がいれば、この幼児に対応づけられている乗車券情報をクリアする(s14)。s13、s14では、制御部2のメモリに記憶されている利用者情報に基づいて、所定人数以上前(例えば、2人以上前)に改札通路に進入した利用者の中に、乗車券情報が対応づけられている幼児がいるかどうかや、所定時間以上前(例えば、3秒以上前)に改札通路に進入した利用者の中に、乗車券情報が対応づけられている幼児がいるかどうかを判定している。
【0040】
なお、s13、s14で乗車券情報がクリアされた幼児は、改札通路の通行に際して乗車券を必要としない利用者であるので、乗車券情報がクリアされても、改札通路の通行が制限されることはなく、特に問題は生じない。また、s13、またはs14でクリアされる乗車券情報は、後述するs23の処理で記憶した乗車券情報である。
【0041】
また、自動改札機1は、s12で、乗車券情報が対応づけられていない大人の利用者であると判定すると、後述するs23の処理で乗車券情報が記憶される制御部2の記憶エリア(不図示)から、記憶している乗車券情報を読み出す(s15)。この大人の利用者よりも先に改札通路に進入した所定人数(例えば2人)内の利用者であって、且つ改札通路に進入したタイミングのズレが、この大人の利用者に対して所定時間内である利用者の中に、乗車券情報が対応づけられている幼児がいるかどうかを判定する(s16)。s16にかかる処理は、制御部2のメモリに記憶されている利用者情報に基づいて行われる。自動改札機1は、s16で該当する利用者(幼児)がいると判定すると、この該当する幼児に対応づけられている乗車券情報を、今回乗車券情報が対応づけられていないと判定された利用者に対応づける対応づけ修正処理を行う(s17)。自動改札機1は、s17にかかる処理を完了すると、s13、s14にかかる処理を行う。また、自動改札機1は、s16で該当する利用者がいないと判定した場合、この利用者を無札者であると判定し(s18)、s13、s14にかかる処理を行う。
【0042】
したがって、自動改札機1は、幼児が乗車券を所持して改札通路に進入した場合であっても、この幼児に対して所定時間内で且つ所定人数内の遅れで改札通路に進入した大人が乗車券を所持していなくても、一時的に幼児に対応づけられた乗車券情報が、この大人に対応づけられる。このため、乗車券を必要としない幼児と、保護者の2人が自動改札機1の改札通路に進入するときに、乗車券を幼児に持たせて、幼児、保護者の順に改札通路に進入した場合に、幼児に対して一時的に乗車券情報が対応づけられるが、最終的に、幼児が所持していた乗車券の乗車券情報は保護者に対応づけられる。また、幼児と2人の保護者(保護者A、B)の3人が自動改札機1の改札通路に進入するときに、保護者Bの乗車券を幼児に持たせて、幼児、保護者A、保護者Bの順に改札通路に進入した場合であっても、幼児に対して一時的に保護者Bの乗車券の乗車券情報が対応づけられるが、最終的に、幼児が所持していた保護者Bの乗車券の乗車券情報は保護者Bに対応づけられる。また、幼児に対応づけた乗車券情報を別の大人の利用者に対応づける修正を行う条件を、幼児に対して所定時間内で且つ所定人数内の遅れで改札通路に進入した大人としたので、この幼児と無関係の利用者に対して、この幼児に対応づけられている乗車券情報を対応づけるという事態が生じるのを防止できる。
【0043】
また、自動改札機1は、s11で幼児であると判定すると、この幼児に乗車券情報が対応づけられているかどうかを判定する(s19)。自動改札機1は、s19で乗車券情報が対応づけられていないと判定すると、s13、s14にかかる処理を行う。自動改札機1は、s19で乗車券情報が対応づけられていると判定すると、この幼児に対応付けられている乗車券情報が小人券によるものであるか、普通券(所謂、大人券)によるものであるかを判定する(s20)。自動改札機1は、小人券による乗車券情報であると判定すると、s13、s14にかかる処理を行う。一方、小人券でなく、大人券による乗車券情報であると判定すると、この幼児よりも先に改札通路に進入した所定人数(例えば2人)内の利用者であって、且つ改札通路に進入したタイミングのズレが、この幼児の利用者に対して所定時間内である利用者の中に、乗車券情報が対応づけられていない大人がいるかどうかを判定する(s21)。s21にかかる処理は、制御部2のメモリに記憶されている利用者情報に基づいて行われる。自動改札機1は、s21で該当する利用者(大人)がいると判定すると、この該当する大人に対して、今回無札検知位置に達した幼児に対応づけられている乗車券情報を対応づける対応づけ修正処理を行う(s22)。自動改札機1は、s21で該当する利用者がいないと判定した場合、この幼児に対応付けた乗車券情報を記憶する(s23)。自動改札機1は、s22、またはs23にかかる処理を完了すると、s13、s14にかかる処理を行う。
【0044】
したがって、自動改札機1は、大人が乗車券を所持しないで改札通路に進入した場合であっても、この大人に対して所定時間内で且つ所定人数内の遅れで改札通路に進入した幼児が乗車券を所持していれば、一時的に幼児に対応づけられた乗車券情報が、この大人に対応づけられる。このため、乗車券を必要としない幼児と、保護者の2人が自動改札機1の改札通路に進入するときに、乗車券を幼児に持たせて、保護者、幼児の順に改札通路に進入した場合に、幼児に対して一時的に乗車券情報が対応づけられるが、最終的に、幼児が所持していた乗車券の乗車券情報は保護者に対応づけられる。また、幼児と2人の保護者(保護者A、B)の3人が自動改札機1の改札通路に進入するときに、保護者Bの乗車券を幼児に持たせて、保護者B、保護者A、幼児の順に改札通路に進入した場合であっても、幼児に対して一時的に保護者Bの乗車券の乗車券情報が対応づけられるが、最終的に、幼児が所持していた保護者Bの乗車券の乗車券情報は保護者Bに対応づけられる。また、幼児に対応づけた乗車券情報を別の大人の利用者に対応づける修正を行う条件を、改札通路に進入したタイミングが幼児に対して所定時間内で且つ所定人数内の先行である大人としたので、この幼児と無関係の利用者に対して、この幼児に対応づけられている乗車券情報を対応づけるという事態が生じるのを防止できる。
【0045】
また、幼児に対して、他の幼児に対応付けられている乗車券情報を対応付けることがない。すなわち、乗車券を必要とする大人の利用者に対してのみ、幼児に対応付けられている乗車券情報を対応付ける修正が行われる。また、小人用の乗車券情報についても、他の利用者に対応付ける修正を行わない。
【0046】
さらに、自動改札機1は、改札通路を通行する際に乗車券を必要とする利用者が改札通路の略中央を通過すると、この利用者に対する改札通路の通行制御処理を行う。図6は、この通行制御処理を示すフローチャートである。自動改札機1は、改札通路の略中央に設けられている受光部22が発光部21から出射されている光を受光していない状態になると、利用者が、改札通路の中央に達したと判定する(s31)。自動改札機1は、s31で利用者が改札通路に中央に達したと判定すると、この利用者が乗車券を必要とする利用者であるかどうかを判定する(s32)。s32にかかる処理は、制御部2のメモリに記憶されている利用者情報に基づいて行われる。自動改札機1は、s32で今回改札通路の中央に達した利用者が乗車券を必要としない利用者(幼児)であると判定すると、この利用者にとっての出口側に設けられている扉31(または32)を開する(s35)。したがって、乗車券を必要としない利用者(幼児)に対して、通路の通行を制限するという事態が生じることはない。
【0047】
また、自動改札機1は、s32で今回改札通路に中央に達した利用者が乗車券を必要とする利用者であると判定すると、この利用者の利用者情報に含まれている乗車券情報を読み出し(s33)、ここで読み出した乗車券情報に基づいて改札通路の通行可否を判定する(s34)。自動改札機1は、s34で改札通路の通行を許可すると判定すると、扉開閉部5が、この利用者にとっての出口側に設けられている扉31(または32)を開する(s35)。これにより、適正な乗車券情報が対応づけられている利用者は、自動改札機1の改札通路を通行することができる。一方、自動改札機1は、s34で改札通路の通行を許可しないと判定すると、扉開閉部5が、この利用者にとっての出口側に設けられている扉31(または32)を閉する(s36)。これにより、適正な乗車券情報が対応づけられていない利用者に対して、自動改札機1の改札通路の通行を制限することができる。改札通路の通行が制限される利用者は、乗車券を所持していたが、その乗車券が適正でなかった利用者や、乗車券を所持していなかった利用者である。
【0048】
このように、この実施形態の自動改札機によれば、乗車券を必要としない幼児と、この幼児の保護者が自動改札機1の改札通路を通行するときに、保護者の乗車券を幼児に持たせて改札通路に進入しても、幼児、および保護者が改札通路を通行することができる。このため、幼児を連れている利用者は、手荷物が多いとき等に、連れている幼児に乗車券を持たせて、自動改札機1の改札通路を通行することができる。また、幼児が改札通路に進入するときに所持していた乗車券の乗車券情報が、この幼児と関係のない利用者に対応づけられることもなく、誤って無札者を通行させるという事態の発生するのを防止できる。
【0049】
また、上記実施形態では、幼児に対応づけられている乗車券情報を対応づける修正を行う大人の利用者を、この幼児に対して、前後所定人数の範囲内で、且つ前後所定時間の範囲内で、改札通路に進入した大人の利用者としたが、幼児よりも遅れて改札通路に進入した利用者としてもよいし(幼児よりも先に改札通路に進入した大人の利用者については、幼児に対応づけられている乗車券情報を対応づける修正を行わない。)、反対に幼児よりも先に改札通路に進入した大人の利用者としてもよい(幼児よりも後に改札通路に進入した大人の利用者については、幼児に対応づけられている乗車券情報を対応づける修正を行わない。)。
【0050】
また、上記実施形態では、乗車券を必要としない幼児が乗車券を持って改札通路に進入したタイミングを基準にし、所定時間内に乗車券を持たずに改札通路に進入した乗車券を必要とする利用者に対して、この幼児に対応づけられている乗車券情報を対応づける修正を行うとしたが、乗車券を必要としない幼児が乗車券を持って改札通路に進入してから、この幼児が通路を進出してから所定の時間経過するまでの間に、乗車券を持たずに改札通路に進入した乗車券を必要とする利用者に対して、この幼児に対応づけられている乗車券情報を対応づける修正を行うようにしてもよい。
【0051】
なお、ここで言う利用者が通路から進出するとは、通路に進入した利用者が、通路を進入方向に通行して、通路から進出することを意味し、通路内で引き返して(Uターンして)進入側から進出することを意味するものではない。
【0052】
さらに、幼児に対応づけられている乗車券情報を対応づける修正を行う大人の利用者とする条件に、この幼児が改札通路内にいるときに、同時に改札通路内にいる大人の利用者とする条件を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】この発明の実施形態である自動改札機の外観を示す図である。
【図2】この発明の実施形態である自動改札機の外観を示す図である。
【図3】この発明の実施形態である自動改札機の構成を示すブロック図である。
【図4】この発明の実施形態である自動改札機の進入時対応づけ処理を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施形態である自動改札機の無札検知位置処理を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施形態である自動改札機の通行制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
1−自動改札機
1a、1b−自動改札パーツ
2−制御部
3(3a、3b)−乗車券受付部
4−利用者検知部
5(5a、5b)−扉開閉部
6(6a、6b)−表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通路に利用者が進入したかどうかを検知する利用者検知手段と、
利用者が所持する記録媒体を受け付け、この記録媒体に記録されている、該通路における利用者の通行可否の判定に用いる通行可否判定情報を取得する記録媒体受付手段と、
前記利用者検知手段が前記通路に進入したことを検知した利用者と、この利用者が所持し、前記記録媒体受付手段が受け付けた記録媒体に記録されている通行可否判定情報と、を対応づけて記憶する対応づけ手段と、
前記利用者検知手段により通路に進入したことが検知された利用者が、該通路の通行に際して前記記録媒体を必要としない利用者であるかどうかを判定する判定手段と、
前記対応づけ手段により通行可否判定情報が対応づけられた利用者が、前記判定手段により前記記録媒体を必要としない利用者であると判定された場合に、この利用者の後から前記通路に進入した利用者であって、且つ前記対応づけ手段により通行可否判定情報が対応づけられなかった利用者がいれば、前記判定手段により前記記録媒体を必要としない利用者であると判定された利用者に対応づけられている通行可否判定情報を、この通行可否判定情報が対応づけられていない利用者に対応づける修正を行う対応づけ修正手段と、
通路内を通行する利用者毎に、その利用者に対応づけられている通行可否判定情報を用いて、通路内におけるこの利用者の通行を制限する通行制限手段と、を備えた自動改札機。
【請求項2】
通路に利用者が進入したかどうかを検知する利用者検知手段と、
利用者が所持する記録媒体を受け付け、この記録媒体に記録されている、該通路における利用者の通行可否の判定に用いる通行可否判定情報を取得する記録媒体受付手段と、
前記利用者検知手段が前記通路に進入したことを検知した利用者と、この利用者が所持し、前記記録媒体受付手段が受け付けた記録媒体に記録されている通行可否判定情報と、を対応づけて記憶する対応づけ手段と、
前記利用者検知手段により通路に進入したことが検知された利用者が、該通路の通行に際して前記記録媒体を必要としない利用者であるかどうかを判定する判定手段と、
前記対応づけ手段により通行可否判定情報が対応づけられた利用者が、前記判定手段により前記記録媒体を必要としない利用者であると判定された場合に、この利用者よりも先に前記通路に進入した利用者であって、且つ前記対応づけ手段により通行可否判定情報が対応づけられなかった利用者がいれば、前記判定手段により前記記録媒体を必要としない利用者であると判定された利用者に対応づけられている通行可否判定情報を、この通行可否判定情報が対応づけられていない利用者に対応づける修正を行う対応づけ修正手段と、
通路内を通行する利用者毎に、その利用者に対応づけられている通行可否判定情報を用いて、通路内におけるこの利用者の通行を制限する通行制限手段と、を備えた自動改札機。
【請求項3】
前記対応づけ修正手段は、前記判定手段により前記記録媒体を必要としない利用者であると判定された利用者が通路に進入したタイミングを基準にした所定の時間の範囲内に通路進入した利用者であって、且つ前記対応づけ手段により通行可否判定情報が対応づけられなかった利用者に対して、前記判定手段により前記記録媒体を必要としない利用者であると判定された利用者に対応づけられている通行可否判定情報を、対応づける修正を行う手段である請求項1または2に記載の自動改札機。
【請求項4】
前記対応づけ修正手段は、前記判定手段により前記記録媒体を必要としない利用者であると判定された利用者が通路に進入してから、この利用者が通路を進出してから所定の時間経過するまでの間に、通路進入した利用者であって、且つ前記対応づけ手段により通行可否判定情報が対応づけられなかった利用者に対して、前記判定手段により前記記録媒体を必要としない利用者であると判定された利用者に対応づけられている通行可否判定情報を、対応づける修正を行う手段である請求項1または2に記載の自動改札機。
【請求項5】
前記対応づけ修正手段は、前記判定手段により前記記録媒体を必要としない利用者であると判定された利用者を基準にし、所定の人数の範囲内に通路進入した利用者であって、且つ前記対応づけ手段により通行可否判定情報が対応づけられなかった利用者に対して、前記判定手段により前記記録媒体を必要としない利用者であると判定された利用者に対応づけられている通行可否判定情報を、対応づける修正を行う手段である請求項1〜4のいずれかに記載の自動改札機。
【請求項6】
前記対応づけ修正手段は、他の利用者に対応付けられている通行可否判定情報を、前記判定手段により前記記録媒体を必要としない利用者であると判定された利用者に対応づける修正を禁止する手段を含む請求項1〜5のいずれかに記載の自動改札機。
【請求項7】
前記対応づけ修正手段は、前記対応づけ手段により通行可否判定情報が対応づけられた利用者の通行可否判定情報が、小人用の通行可否判定情報であれば、この通行可否判定情報を他の利用者に対応付ける修正を禁止する手段を含む請求項1〜6のいずれかに記載の自動改札機。
【請求項8】
前記通行制限手段は、前記対応づけ修正手段により、通行可否判定情報が他の利用者に対応づけられた利用者については、通路の通行を許可する手段である請求項1〜7のいずれかに記載の自動改札機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−188177(P2007−188177A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−4000(P2006−4000)
【出願日】平成18年1月11日(2006.1.11)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2005年12月1日 日本鉄道サイバネティクス協議会発行の「第42回鉄道サイバネ・シンポジウム論文集」に発表
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】