説明

自動水栓

【課題】吐水・止水の制御手段を制御する電力量を保ちつつ、水栓本体の使用状態を効率良く表示することができる自動水栓を提供する。
【解決手段】自動水栓10は、水栓本体12と、水栓本体12の内部に搭載された発電機13と、発電機13で発生した電力量を貯める蓄電手段14と、自動水栓10の使用者を感知するセンサ部15と、センサ部15の感知に応じて外部からの電力供給を受けずに蓄電手段14に貯められた電力量を用いて水栓本体12の吐水口16からの吐水・止水を制御する制御手段であるコントローラ17と、蓄電手段14に貯められた電力量を用いて水栓本体12の状態を表示する表示手段18と、を備え、蓄電手段14に貯められた電力量がコントローラ17を制御する際に必要な電力量以下にならないように、自動水栓10の使用中の発電機13の発電状態に応じて表示手段18が自動的に表示・非表示となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者が差し出した手を感知して自動的に吐水・止水を行う機能を備えた自動水栓に関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店、ホテル、大型商業施設、鉄道の駅などの公共施設のトイレや洗面所などにおいては、使用者が手を差し出したり、引っ込めたりすると自動的に吐水・止水を行う自動水栓が広く採用されているが、近年、吐水時に水路内を流通する流水を利用して発電を行う発電ユニットを内蔵した水栓が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1記載の水栓は、手動操作によって吐水・止水を行う方式であるが、吐水の温度表示を電気的に行う温度表示部と、水路内を流通する水流にて発電を行う発電ユニットとを吐水口ヘッドに設け、発電ユニットからの電力を温度表示部に供給して吐水の温度を表示する構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−266394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載の水栓は、吐水口ヘッドに設けられた発電ユニットで発電された電力の全てを温度表示部での吐水温度表示のみに使用できるため、電力が不足する事態は発生し難い。しかしながら、吐水時の水流を利用して発電した電力だけで、吐水温度表示に加えて、電磁弁の開閉・センサ感知などの複数機能を稼働させようとした場合、電磁弁の開閉・センサ感知に必要な電力は常に確保しておく必要があるため、電力が少ない時などにおいては、LEDなどの発光素子を利用した「湯表示」や「水表示」などの表示を連続的に行うことが困難になる。
【0006】
即ち、水栓本体に内蔵された発電機で発生した電力のみで電磁弁の開閉・センサ感知などを行う自動水栓において、流量状態、温度調節状態あるいは当該自動水栓の特徴などを効率良く表示する機能を有する自動水栓は存在しないのが実状である。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、吐水・止水の制御手段を制御する電力量を保ちつつ、水栓本体の使用状態を効率良く表示することができる自動水栓を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の自動水栓は、水栓本体と、前記水栓本体に搭載された発電機と、前記発電機で発生した電力量を貯める蓄電手段と、使用者を感知するセンサ部と、前記センサ部の感知に応じて外部からの電力供給を受けずに前記蓄電手段に貯められた電力量を用いて前記水栓本体からの吐水・止水を制御する制御手段と、前記蓄電手段に貯められた電力を用いて前記水栓本体の状態を表示する表示手段と、を備えた自動水栓であって、
前記蓄電手段に貯められた電力量が前記制御手段を制御する際に必要な電力量以下にならないように、前記自動水栓使用中の前記発電機の発電状態に応じて前記表示手段を表示・非表示することを特徴とする。ここで、水栓本体の状態とは、当該自動水栓が吐水・止水のいずれの状態であるか、吐出されている湯水の温度状態、当該自動水栓がエコ製品であることなどの特徴の表示を意味する。
【0009】
このような構成とすれば、制御手段を制御する際に必要な電力量を蓄電手段に保持しつつ、自動水栓使用中の発電機の発電状態を監視することにより、自動水栓本体の状態を表示手段に効率良く表示することが可能となる。即ち、使用者が自動水栓を使用している時に、より効率良く表示することが可能となり、使用者に水栓本体の状態を知らせることができる。
【0010】
ここで、前記発電機の発電電力が一定量以上である時に前記表示手段を表示する構成とすれば、比較的簡単な制御機構により制御手段を制御する電力を効率良く確保しつつ、使用者に水栓本体の状態を表示することができる。
【0011】
一方、前記発電機の発電電力量に応じて、前記表示手段を表示する構成とすれば、発電電力量を監視することにより、制御手段を制御する電力を効率良く確保しつつ、使用者に水栓本体の状態を表示することができる。
【0012】
次に、本発明の自動水栓は、水栓本体と、前記水栓本体に搭載された発電機と、前記発電機で発生した電力量を貯める蓄電手段と、使用者を感知するセンサ部と、前記センサ部の感知に応じて外部からの電力供給を受けずに前記蓄電手段に貯められた電力量を用いて前記水栓本体からの吐水・止水を制御する制御手段と、前記蓄電手段に貯められた電力量を用いて前記水栓本体の状態を表示する表示手段と、を備えた自動水栓であって、
前記蓄電手段に貯められた電力量が前記制御手段を制御する際に必要な第一電力量以下にならないように、前記蓄電手段に貯められた電力量に応じて前記表示手段を表示・非表示することを特徴とする。
【0013】
このような構成とすれば、蓄電手段に貯められた電力量を監視することにより、制御手段を制御する電力量を確実に保ちつつ、使用者に水栓本体の状態を効率良く表示することができる。即ち、使用者が自動水栓を使用している時に限らず、使用者が使用しようとした時でも、より効率良く、使用者に水栓本体の状態を知らせることができる。
【0014】
この場合、前記蓄電手段に貯められた電力量が前記第一電力量以下のときは前記表示手段を非表示とし、前記蓄電手段に貯められた電力量が前記第一電力量より多く第二電力量以下のときは前記表示手段を通常と異なる表示とする構成とすることができる。
【0015】
このような構成とすれば、蓄電手段に貯められた電力量が制御手段を制御する際に必要な第一電力量に近いときに通常と異なる表示をすることにより、使用者に蓄電手段に貯められた電力が少ないことを知らせ、使用者に使用を促すことができる。また、通常と異なる表示として点滅等をさせることにより、さらに効率良く表示手段を表示することができる。
【0016】
さらに、本発明の自動水栓は、水栓本体と、前記水栓本体に搭載された発電機と、前記発電機で発生した電力量を貯める蓄電手段と、使用者を感知するセンサ部と前記センサ部の感知に応じて外部からの電力供給を受けずに前記蓄電手段に貯められた電力量を用いて前記水栓本体からの吐水・止水を制御する制御手段と、前記蓄電手段に貯められた電力量を用いて前記水栓本体の状態を表示する表示手段と、前記センサ部の感知に基づいて使用者の使用状態を記憶する記憶手段を備えた自動水栓であって、
前記蓄電手段に貯められた電力量が前記制御手段を制御する際に必要な電力量以下にならないように前記記憶手段に応じて前記表示手段を表示・非表示することを特徴とする。
【0017】
このような構成とすれば、使用者の実際の使用状態を記憶して、制御手段を制御する電力量を残すように演算して、表示・非表示を変更することができるため、使用者に水栓本体の状態を効率良く表示することができる。即ち、使用者が自動水栓を使用としている時に限らず、使用者が使用しようとした時でも、より効率良く、使用者に水栓本体の状態を知らせることができる。
【0018】
この場合、前記記憶手段は、一定期間毎の使用人数を記憶し、その使用人数が一定値以上である期間に前記表示手段を表示するようにすることができる。
【0019】
このような構成とすれば、使用人数が多い期間は表示手段に表示する構成とし、貯められた電力量が少ない場合でも、使用者が多い時間であれば、表示手段を表示することができるので、効率良く表示手段を表示することができる。
【0020】
一方、前記記憶手段は、所定操作後の経過時間と使用者が使用した合計時間とに基づく情報を記憶し、前記経過時間と前記合計時間との比に基づいて前記表示手段を表示・非表示とすることもできる。
【0021】
このような構成とすれば、当該自動水栓が頻繁に使われる水栓であるか否かを判定し、貯められた電力量が少ない時でも、頻繁に使用される水栓であれば、表示することができるので、より効率良く表示手段を表示することができる。
【0022】
また、前記記憶手段は、一定期間の使用人数と使用時間とを記憶し、前記使用人数と前記使用時間とによる発電電力量に基づいて前記表示手段を表示・非表示する構成とすることもできる。
【0023】
このような構成とすれば、使用頻度が高い時間帯であるか否かと、使用人数と使用時間とによる発電電力量と、に基づいて表示手段が制御される結果、蓄電手段に貯められている電力量が少なくても、使用頻度の高い時間帯は表示手段を表示することが可能となるため、より効率良く表示手段を表示することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明により、吐水・止水の制御手段を制御する電力量を保ちつつ、水栓本体の使用状態を効率良く表示することができる自動水栓を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第一実施形態である自動水栓を一部透視状態で示す平面図である。
【図2】図1におけるA−A線断面図である。
【図3】図2におけるB−B線断面図である。
【図4】図3におけるC−C線断面図である。
【図5】図1に示す自動水栓の概略構成を示すブロック図である。
【図6】図1に示す自動水栓の機能を示すフローチャートである。
【図7】図1に示す自動水栓の機能を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第二実施形態である自動水栓の機能を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第三実施形態である自動水栓の機能を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第三実施形態である自動水栓の機能を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第三実施形態である自動水栓の機能を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。図1〜図5に示すように、第一実施形態である自動水栓10は、所定の設置部材11に固定された水栓本体12と、水栓本体12の内部に搭載された発電機13と、発電機13で発生した電力を貯める蓄電手段14と、自動水栓10の使用者を感知するセンサ部15と、センサ部15の感知に応じて外部からの電力供給を受けずに蓄電手段14に貯められた電力量を用いて水栓本体12の吐水口16からの吐水・止水を制御する制御手段であるコントローラ17と、蓄電手段14に貯められた電力を用いて水栓本体12の状態を表示する表示手段18と、を備えている。ここで、水栓本体12の状態とは、当該自動水栓10が吐水・止水のいずれの状態であるか、吐水口16から吐出されている湯水の温度状態、当該自動水栓10がエコ製品であることの表示を意味するが、これらに限定するものではない。
【0027】
また、水栓本体12の内部には、コントローラ17からの信号に従って吐水口16への流路を開閉する電磁弁19、コントローラ17の制御機能を確保するためのバックアップ電池20及び吐水口16から吐出する湯水の温度を変化させるための湯水混合バルブ22などが配置され、設置部材11の下面側から上面側へ向かって配管された給水管23及び給湯管24がそれぞれ湯水混合バルブ22に接続されている。
【0028】
自動水栓10の使い方は従来の自動水栓と同様であり、吐水口16近傍のセンサ部15の感知領域に向かって使用者が手を差し出したり、引っ込めたりすると、吐水口16から自動的に湯水が吐出したり、停止したりする。また、水栓本体12の側面に設けられた温調レバー21を手動操作すると、湯水混合バルブ22が作動して湯水の混合比率が変化し、吐水口16から吐出する湯水の温度を調節することができる。
【0029】
自動水栓10においては、蓄電手段14に貯められた電力量がコントローラ17を制御する際に必要な電力量以下にならないように、自動水栓10の使用中の発電機13の発電状態に応じて表示手段18が自動的に表示・非表示となる。従って、コントローラ17を制御する際に必要な電力量を蓄電手段14に保持しつつ、自動水栓10使用中の発電機13の発電状態に応じて水栓本体12の状態を表示手段18に効率良く表示することができる。
【0030】
この場合の制御方式としては、発電機13の発電電力が一定量以上である時に表示手段18を表示する方式とすることができる。即ち、コントローラ17が、図6に示すように、発電機13の出力(発電電力)は基準以上であるか否か?を判断し(S11)、YES(基準以上)であれば表示手段18を表示状態とし(S12)、NO(基準以下)であれば表示手段18は非表示状態とする(S13)。このような制御方式とすれば、比較的簡単な制御機構でありながら、コントローラ17を制御する電力を効率良く確保しつつ、水栓本体12の状態を表示手段18に表示することができる。
【0031】
一方、発電機13の発電電力量に応じて表示手段18を表示する制御方式を採用することもできる。即ち、コントローラ17が、図7に示すように、発電機13にて発電された電力量(発電電力量)が基準量以上であるか否か?を判断し(S15)、YES(基準量以上)であれば表示手段18を表示状態とし(S16)、NO(基準量以下)であれば表示手段18を非表示状態とする(S17)。この発電電力量は、連続した吐水口16からの吐出における吐出開始からの発電電力量と、直近の所定期間における発電電力量のどちらも適用できる。このような制御方式とすれば、発電機13の発電電力量を監視することにより、コントローラ17を制御する電力を効率良く確保しつつ、水栓本体12の状態を表示手段18に表示することができる。なお、直近の所定期間における発電電力量に応じれば、使用者が自動水栓10を使用としている時だけでなく、自動水栓10が使用されていない時でも効率良く表示することが可能となり、使用者に水栓本体12の状態を知らせることができる。
【0032】
次に、図5及び図8に基づいて本発明の第二実施形態である自動水栓30について説明する。図5に示すように、本実施形態の自動水栓30の概略構成は前述した自動水栓10と同様であるが、自動水栓30においては、蓄電手段14に貯められた電力量がコントローラ17を制御する際に必要な第一電力量以下とならないように、蓄電手段14に貯められた電力量に応じて表示手段18が表示・非表示となる。このようにすれば、蓄電手段14の蓄電電力量を監視することにより、コントローラ17を制御する電力量を確実に保ちつつ、水栓本体12の状態を表示手段18に効率良く表示することができる。
【0033】
この場合の制御方式としては、コントローラ17が、図8に示すように、蓄電手段14に蓄えられた電力量が基準1(第二電力量)を超えているか否か?を判断し(S31)、YESであれば表示手段18を常時点灯し(S32)、NOであれば蓄電手段14に蓄えられた電力量が基準2(第一電力量)を超えているか否か?を判断し(S33)、YESであれば表示手段18が点滅状態(通常と異なる表示)となり(S34)、NOであれば表示手段18が非表示状態となる(S35)。
【0034】
このような制御方式とすれば、蓄電手段14の蓄電電力量がコントローラ17を制御する際に必要な基準2(第一電力量)に近いときに表示手段18が通常と異なる表示(点滅)をすることにより、使用者に水栓本体12の使用状態を知らせることができるので、さらに効率良く表示手段18に表示することができる。
【0035】
次に、図5及び図9〜図11に基づいて本発明の第三実施形態である自動水栓50について説明する。図5に示すように、本実施形態の自動水栓50の概略構成は、前述した自動水栓10に、センサ部15の感知に基づいて使用者の使用状態を記憶する記憶手段(図示せず)を付加した構成となっており、蓄電手段14に貯められた電力量がコントローラ17を制御する際に必要な電力量以下にならないように、前記記憶手段に応じて表示手段18が表示・非表示となる。このような構成とすれば、使用者の使用状態を前記記憶手段に記憶して、コントローラ17を制御する電力量を残すように演算して、表示手段18の表示・非表示を変更することができるので、使用者に水栓本体12の状態を効率良く表示することができる。
【0036】
この場合の制御方式としては、図9に示すように、電源投入(S41)の後、センサ部15が感知した情報に基づいてコントローラ17で1時間毎の使用人数をカウントし(S42)、一定期間の使用人数(例えば、前日24時間中の使用人数)を前記記憶手段が記憶し(S43)、前日の使用人数が基準3(一定値)を超えているか否か?をコントローラ17が判断し(S44)、YESであれば表示手段18が常時点灯する(S45)。NOであれば前日の使用人数が前述の基準3より小さい基準4(一定値)を超えているか否か?をコントローラ17が判断し(S46)、YESであれば表示手段18が点滅し(S47)、NOであれば表示手段18が消灯する(S48)。なお、前記記憶手段における一定期間の使用人数(例えば、前日24時間中の使用人数)の記憶過程(S43)は24時間経過毎に完了し(S49)、常時更新される。
【0037】
このように、前日の使用実績に基づいて当日の表示形態を変更する制御方式とすれば、使用人数が多い期間は表示手段18を表示状態とし、蓄電手段14に貯められた電力量が少ない場合でも、使用者が多い時間であれば、表示手段を表示(常時点灯)することができるので、効率良く表示手段18を表示することができる。
【0038】
一方、図10に示すように、電源投入後の経過時間と使用者の使用時間(吐水時間)とに基づく情報を前記記憶手段が記憶し、前記経過時間と前記使用時間との比が基準以上か否か?の判断を行い(S51)、NOであれば表示手段18を非表示状態とし(S52)、YESであれば表示手段18を表示状態とする(S53)こともできる。
【0039】
このような制御方式とすれば、当該自動水栓50が頻繁に使われる水栓であるか否かを判定することができるので、より効率良く表示手段18を表示することができる。
【0040】
また、一定期間の使用人数と使用時間とを前記記憶手段が記憶し、前記使用人数と前記使用時間とによる発電電力量に基づいて表示手段18を表示・非表示する制御方式とすることもできる。
【0041】
即ち、図11に示すように、電源投入(S61)の後、1時間毎の使用人数と使用時間をカウントし(S62)、一定期間の発電電力量(例えば、前日24時間中の発電電力量)を前記記憶手段が記憶し(S63)、前日の発電電力量と現在の蓄電手段14の蓄電量との和が基準5(一定値)を超えているか否か?をコントローラ17が判断し(S64)、YESであれば表示手段18が常時点灯する(S65)。NOであれば前日の発電電力量と現在の蓄電手段14の蓄電量との和が前述の基準5より小さい基準6(一定値)を超えているか否か?をコントローラ17が判断し(S66)、YESであれば表示手段18が点滅し(S67)、NOであれば表示手段18が消灯する(S68)。なお、前記記憶手段における一定期間の発電電力量(例えば、前日24時間中の発電力量)の記憶過程(S63)は24時間経過毎に完了し(S69)、常時更新される。
【0042】
このように、前日の発電電力量に基づいて当日の表示形態を変更する制御方式とすれば、使用頻度が高い時間帯であるか否かと、使用人数と使用時間とによる発電電力量と、に基づいて表示手段18が制御される結果、蓄電手段14に貯められている電力量が少なくても、発電電力量の大きい時間帯は表示手段18を表示することが可能となるため、より効率良く表示手段18を表示することができる。
【0043】
なお、前述した実施形態においては、構成として、吐水口16から吐出される湯水の温度状態を検知するセンサについての説明を省略したが、必要に応じて、流路中に流量を検知するセンサを配置して制御を行うことにより、表示手段18に温度状態を表示することができる。また、流量についても、別途、流量センサを設けることによって表示することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の自動水栓は、飲食店、ホテル、大型商業施設あるいは鉄道の駅などの公共施設のトイレや洗面所などにおいて広く利用することができる。
【符号の説明】
【0045】
10,30,50 自動水栓
11 設置部材
12 水栓本体
13 発電機
14 蓄電手段
15 センサ部
16 吐水口
17 コントローラ
18 表示手段
19 電磁弁
20 バックアップ電源
21 温調レバー
22 湯水混合バルブ
23 給水管
24 給湯管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水栓本体と、前記水栓本体に搭載された発電機と、前記発電機で発生した電力量を貯める蓄電手段と、使用者を感知するセンサ部と、前記センサ部の感知に応じて外部からの電力供給を受けずに前記蓄電手段に貯められた電力量を用いて前記水栓本体からの吐水・止水を制御する制御手段と、前記蓄電手段に貯められた電力量を用いて前記水栓本体の状態を表示する表示手段と、を備えた自動水栓であって、
前記蓄電手段に貯められた電力量が前記制御手段を制御する際に必要な電力量以下にならないように、前記自動水栓使用中の前記発電機の発電状態に応じて前記表示手段を表示・非表示することを特徴とする自動水栓。
【請求項2】
前記発電機の発電電力が一定量以上である時に前記表示手段を表示することを特徴とする請求項1記載の自動水栓。
【請求項3】
前記発電機の発電電力量に応じて前記表示手段を表示することを特徴とする請求項1記載の自動水栓。
【請求項4】
水栓本体と、前記水栓本体に搭載された発電機と、前記発電機で発生した電力量を貯める蓄電手段と、使用者を感知するセンサ部と、前記センサ部の感知に応じて外部からの電力供給を受けずに前記蓄電手段に貯められた電力量を用いて前記水栓本体からの吐水・止水を制御する制御手段と、前記蓄電手段に貯められた電力量を用いて前記水栓本体の状態を表示する表示手段と、を備えた自動水栓であって、
前記蓄電手段に貯められた電力量が前記制御手段を制御する際に必要な第一電力量以下にならないように、前記蓄電手段に貯められた電力量に応じて前記表示手段を表示・非表示することを特徴とする自動水栓。
【請求項5】
前記蓄電手段に貯められた電力量が前記第一電力量以下のときは前記表示手段を非表示とし、前記蓄電手段に貯められた電力量が前記第一電力量より多く第二電力量以下のときは前記表示手段を通常と異なる表示とすることを特徴とする請求項4記載の自動水栓。
【請求項6】
水栓本体と、前記水栓本体に搭載された発電機と、前記発電機で発生した電力量を貯める蓄電手段と、使用者を感知するセンサ部と前記センサ部の感知に応じて外部からの電力供給を受けずに前記蓄電手段に貯められた電力量を用いて前記水栓本体からの吐水・止水を制御する制御手段と、前記蓄電手段に貯められた電力量を用いて前記水栓本体の状態を表示する表示手段と、前記センサ部の感知に基づいて使用者の使用状態を記憶する記憶手段を備えた自動水栓であって、
前記蓄電手段に貯められた電力量が前記制御手段を制御する際に必要な電力量以下にならないように、前記記憶手段に応じて前記表示手段を表示・非表示することを特徴とする自動水栓。
【請求項7】
前記記憶手段は、一定期間毎の使用人数を記憶し、その使用人数が一定値以上である期間に、前記表示手段を表示することを特徴とする請求項6記載の自動水栓。
【請求項8】
前記記憶手段は、所定操作後の経過時間と使用者が使用した合計時間とに基づく情報を記憶し、前記経過時間と前記合計時間との比に基づいて前記表示手段を表示・非表示することを特徴とする請求項6記載の自動水栓。
【請求項9】
前記記憶手段は、一定期間の使用人数と使用時間とを記憶し、前記使用人数と前記使用時間とによる発電電力量に基づいて前記表示手段を表示・非表示することを特徴とする請求項6記載の自動水栓。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−229748(P2010−229748A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−79826(P2009−79826)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】