自動水除去デバイス及び方法
【課題】呼吸回路から水又は溜まった水分を自動的に除去するためのデバイス及び方法を提供する。
【解決手段】デバイスは、呼吸回路流入口ポート及び出口ポート、及び水ドレンポートを持つハウジングを含む。ハウジング内の浮力フロート体は、フロートバルブ弁座と係合してドレンポートをシールし、内部空間に十分な液体が溜まったとき、移動してドレンポートを開放できる。浮力フロート体は、ハウジングの圧縮可能な内部容積の大部分を占める。水は、ハウジングに連結された、ドレンポートから流れを受け取る水蒸気透過性容器によって、又は吸引力供給源に連結されたデバイスによって自動的に除去される。ハウジングは、更に、吸引力供給源を周囲に流動学的に連結する少なくとも一つのブリードポートを含む。ブリードポートは、バルブエレメントと協働し、デバイス内に水が溜まっていない場合、ハウジングの内部空間と吸引力連結部との間の圧力差を等しくする。
【解決手段】デバイスは、呼吸回路流入口ポート及び出口ポート、及び水ドレンポートを持つハウジングを含む。ハウジング内の浮力フロート体は、フロートバルブ弁座と係合してドレンポートをシールし、内部空間に十分な液体が溜まったとき、移動してドレンポートを開放できる。浮力フロート体は、ハウジングの圧縮可能な内部容積の大部分を占める。水は、ハウジングに連結された、ドレンポートから流れを受け取る水蒸気透過性容器によって、又は吸引力供給源に連結されたデバイスによって自動的に除去される。ハウジングは、更に、吸引力供給源を周囲に流動学的に連結する少なくとも一つのブリードポートを含む。ブリードポートは、バルブエレメントと協働し、デバイス内に水が溜まっていない場合、ハウジングの内部空間と吸引力連結部との間の圧力差を等しくする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として医療用デバイスに関する。更に詳細には、本発明は、呼吸回路に配置するための水除去−放散デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
呼吸回路(breathing circuit) は、加圧された医療用ガスを処方された容積及び呼吸速度で患者に送出する。医療用ガスは、多くの場合、ベンチレーター又はレスピレーターに、又はその近くに配置された加湿器によって加湿される。最適の吸気回路(respiratory circuit) は、相対湿度が100%の35℃乃至39℃の医療用ガスを患者に送出する。この際、湿度の量を減少した後、凝縮液を呼気分枝部(expiratory limb) を通してベンチレーターに戻す。従って、加湿したガスがチューブ全体又は大部分を通って移動しなければならず、冷却する時間がある。ガスが冷却すると、呼吸チューブ内でレインアウト即ち凝縮が生じ、水が呼吸回路内に集まる。
【0003】
レインアウトの問題点に対する幾つかの解決策が開発されてきた。このような解決策の一つは、チューブの長さに沿って加熱ワイヤを設置することである。ワイヤはチューブの内部に設けられていてもよく、又は別の態様では、チューブの内部に沿って埋設されていてもよい。ワイヤは、チューブを通って移動する加湿されたガスを加熱し、ガスが冷却しないようにし、かくして呼吸回路を通って移動するガスから水が凝縮する問題点をなくす。しかしながら、このような加熱ワイヤ式吸気回路は製造に時間が掛かり、高価である。
【0004】
加熱ワイヤを用いない別の解決策は、呼吸回路内のどこかに水収集デバイスを設けることである。水収集装置は、代表的には、吸気回路の呼気分枝部にベンチレーター又はレスピレーターの前に配置され、ガスがベンチレーター又はレスピレーターに入る前に余分の凝縮物を収集し、手作業で除去する。余分の凝縮物が吸気回路の呼気分枝部からベンチレーター又はレスピレーターに入ると、デバイスに有害な作用が及ぼされることが知られている。
【0005】
多くの場合、水収集デバイスは、凝縮した水蒸気を取り外し自在の容器に捕捉するように設計されている。こうした容器は、一般的に「ウォータートラップ」とも呼ばれる。このようなウォータートラップの一例が米国特許第4,867,153号に示されている。この特許には、一実施例において、トラップ容器内に十分な水が溜まったとき、下ドレン開口部を開放するフロートボールバルブがウォータートラップ容器内に設けられた水除去デバイスが開示されている。ドレン開口部は、更に、吸引力又は真空(負のゲージ圧)に連結できる排出チューブに連結されている。しかしながら、このウォータートラップ及びドレンシステムは自動式でなく、水が溜まっていくのを使用者が監視し、次いで手作業で真空バルブを操作し、デバイスから水を完全に除去する必要がある。更に、米国特許第4,867,153号の装置は、ウォータートラップ容器が形成する圧縮可能容積の内側に比較的小さい容積エレメント即ち構造を提供する。そのため、ウォータートラップ自体が呼吸回路内の全圧縮可能容積に対して大きな追加の容積を形成し、システムのコンプライアンスを高くする。これは、患者にとって有害である。
【0006】
水を呼吸回路から除去又は放散するための別の種類のデバイスが、テレフレックス・メディカル社に譲渡された、米国特許公開第2010/0012127として公開された、本出願人の現在継続中の米国特許出願第12/539,088号で提供される。前記出願には、様々な実施例が開示されている。こうした実施例には、呼吸回路流からの溜まった水又は水分を収集するための内部流れ空間を形成する所定の包囲容積を形成する外カバー構造を備えたハウジング又は容器を持つデバイスが含まれる。ハウジング又はカバー構造の壁は、水蒸気又は水分を集め、凝縮した後、内部流れ空間から外カバー構造を通してデバイスの外に浸透し、これによって呼吸回路からデバイス内に溜まった水を自動的に除去又は放散することができるように、少なくとも一部が水蒸気透過性媒体で形成されている。
しかしながら、このデバイスは、水蒸気透過性媒体又は外カバー構造即ち内部流れ空間を取り囲む「スキン」から漏れが生じた場合、完全に閉鎖したシステムを維持できず、呼吸回路流を汚染してしまう可能性がある。別の欠点は、呼吸回路流でエアゾール療法を使用する場合、こうした治療による物質が水蒸気透過性媒体に溜まり、デバイスの有効性を減少するということである。このようなデバイスの更に別の問題点は、内流れ空間を形成するハウジング又は容器が追加の圧縮可能容積を形成し、これにより全圧縮可能容積及びデバイスが連結されたシステムのコンプライアンスが増大し、患者にとって呼吸を更に困難にしてしまうということである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,867,153号
【特許文献2】米国特許公開第2010/0012127
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、このような追加の圧縮可能容積を小さくし、エアゾール療法の使用による悪影響を受け難く、呼吸回路流を閉鎖されており且つ周囲から汚染されない状態に保持するように漏れが生じ難いデバイスを提供するのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の問題点及び必要は、装置及び方法を提供する本発明によって、非常に高度に解決され、そして満たされる。本発明は、様々な実施例において、呼吸回路内に水又は水分を溜めるのでなく、改良された、自動的に水を除去する即ち水又は水分を放散する装置及び方法を提供する。デバイスは、呼吸回路流入口ポート及びデバイスポート、及び水ドレンポートを持つハウジングを含む。ハウジング内の浮力フロート体は、フロートバルブ弁座と係合してドレンポートをシールし、十分な液体が内部空間に溜まったとき、ドレンポートを開放するように移動できる。浮力フロート体は、ハウジングの圧縮可能な内部容積の大部分を占める。これは、一実施例では、前記容器の少なくとも半分であってもよい。デバイスは、一実施例では、流れチャンバ即ち水蒸気透過性媒体で形成された壁を有する容器構造を含む。この容器構造は、デバイスが形成する内部流れ空間を少なくとも部分的に取り囲み、これによって、加湿ガス中の水分が前記流れ空間を通過し、構造の壁と接触し、水蒸気透過性媒体を透過する上で大きな面積及び滞留時間を提供する。これによって、デバイスが連結された呼吸回路からの除去が効果的に行われる。水は、ドレンポートから流れを受け取る、ハウジングに連結されたこのような容器を通して自動的に除去される。容器の一部は、水蒸気透過性媒体で形成されている。別の実施例では、デバイスのハウジングは、吸引力の供給源に連結されており、吸引力供給源を周囲に流動学的に連結する少なくとも一つのブリードポートを含み、ブリードポートはデバイス内に水が溜まっていない場合、バルブエレメントと協働し、ハウジングの内部空間と吸引力供給源との連結部との間の圧力差を等しくし、浮力フロート体がフロートバルブ機構として作動することができるようにする。両実施例において、ハウジング及びその内部の浮力フロート体バルブ機構は、呼吸回路流を周囲から閉鎖する「ウォーターシール」として、及びデバイスが取り付けられた呼吸回路システム全内の圧縮可能容積を効果的に且つ大幅に減少するための手段としての両方として作用する。これと同時に、大量の水又は水分をシステムから自動的に除去又は放散する手段を提供する。
【0010】
本発明の一実施例では、呼吸回路から水又は溜まった水分を自動的に除去するためのデバイスにおいて、ハウジングを含み、このハウジングは、呼吸回路から流れを受け取るための入口ポート、流れを呼吸回路に伝達するための出口ポート、ハウジングの下端部分に配置されたドレンポート、及びドレンポートの周囲に配置されたフロートバルブ弁座を含む、デバイスが提供される。ハウジングは、更に、ポートの全てに流動学的に連結された第1内部空間を形成する。浮力フロート体が第1内部空間に配置されている。浮力フロート体は、フロートバルブ弁座と係合してドレンポートをシールする形態の下端を形成する。浮力フロート体は、浮力フロート体の下端をフロートバルブ弁座から離し、液体をドレンポートを通して流すことができるのに十分な量の液体が内部空間に溜まったとき、内部空間内で上方に移動できる。浮力フロート体は、ハウジングによって形成された、入口ポート及び出口ポートが形成する容積を除く第1内部空間が形成する容積の少なくとも半分を占める容積を形成する。ドレンポートから出る流れを受け取るため、容器がハウジングに連結されている。容器は、水又は溜まった水分を収集するための第2内部空間を形成し、第2内部空間は、デバイスの外側の周囲に対して閉鎖している。容器は、更に、第2内部空間の境界を定める壁を含み、壁は、少なくとも一部が水蒸気に対して透過性であり且つ液体の水に対して不透過性の材料で形成されている。
【0011】
別の実施例では、呼吸回路から水又は溜まった水分を自動的に除去するためのデバイスにおいて、ハウジングを含み、このハウジングは、呼吸回路から流れを受け取るための入口ポート、流れを呼吸回路に伝達するための出口ポート、及びハウジングの下端部分に配置されたドレンポートを含む、デバイスが提供される。フロートバルブ弁座が前記ドレンポートの周囲に配置されている。ハウジングは、更に、前記ポートの全てに流動学的に連結された第1内部空間を形成する。浮力フロート体が第1内部空間に配置されている。浮力フロート体は、フロートバルブ弁座と係合してドレンポートをシールする形態の下端を形成する。浮力フロート体は、浮力フロート体の下端をフロートバルブ弁座から離し、液体をドレンポートを通して流すことができるのに十分な量の液体が内部空間に溜まったとき、内部空間内で上方に移動できる。浮力フロート体は、ハウジングによって形成された、入口ポート及び出口ポートが形成する容積を除く第1内部空間が形成する容積の少なくとも半分を占める容積を形成する。デバイスの下端部分は、ドレンポートを吸引力又は第1内部空間に対する負圧の供給源に流動学的に連結するためのコネクタに連結されるように形成されている。一つの特定の実施例では、デバイスの下端部分は、更に、吸引力又はデバイスの外側の周囲に対する負圧(負のゲージ圧)の供給源に流動学的に連結するための少なくとも一つのブリードポートを形成する。
【0012】
本発明の別の態様では、呼吸回路から水又は溜まった水分を自動的に除去する方法において、ハウジングを提供する工程であって、ハウジングは、呼吸回路から流れを受け取るための入口ポート、流れを呼吸回路に伝達するための出口ポート、ハウジングの下端部分に配置されたドレンポート、及びドレンポートの周囲に配置されたフロートバルブ弁座を含み、ハウジングは、更に、ポートの全てに流動学的に連結された第1内部空間を形成する、ハウジングを提供する工程を含む、方法が提供される。浮力フロート体が第1内部空間に配置される。浮力フロート体は、フロートバルブ弁座と係合してドレンポートをシールする形態の下端を形成する。浮力フロート体は、浮力フロート体の下端をフロートバルブ弁座から離し、液体をドレンポートを通して流すことができるのに十分な量の液体が内部空間に溜まったとき、内部空間内で上方に移動できる。浮力フロート体は、ハウジングによって形成された、入口ポート及び出口ポートが形成する容積を除く第1内部空間が形成する容積の少なくとも半分を占める容積を形成する。ドレンポートから出る流れを受け取るため、容器がハウジングに連結される。容器は、水又は溜まった水分を収集するための第2内部空間を形成し、第2内部空間は、デバイスの外側の周囲に対して閉鎖している。容器は、更に、第2内部空間の境界を定める壁を含み、前記壁は、少なくとも一部が水蒸気に対して透過性であり且つ液体の水に対して不透過性の材料で形成されている。入口ポート及び出口ポートは、呼吸回路のチューブに連結される。第2内部空間に溜まった水又は水分を、壁を通して、デバイスの外側の周囲に拡散できる。
【0013】
本発明の更に別の態様では、呼吸回路から水又は溜まった水分を自動的に除去する方法において、ハウジングを提供する工程であって、ハウジングは、呼吸回路から流れを受け取るための入口ポート、流れを呼吸回路に伝達するための出口ポート、ハウジングの下端部分に配置されたドレンポート、及びドレンポートの周囲に配置されたフロートバルブ弁座を含み、ハウジングは、更に、ポートの全てに流動学的に連結された第1内部空間を形成する、ハウジングを提供する工程を含む、方法が提供される。浮力フロート体を第1内部空間に配置する。浮力フロート体は、フロートバルブ弁座と係合してドレンポートをシールする形態の下端を形成する。浮力フロート体は、浮力フロート体の下端をフロートバルブ弁座から離し、液体をドレンポートを通して流すことができるのに十分な量の液体が内部空間に溜まったとき、内部空間内で上方に移動できる。浮力フロート体は、ハウジングによって形成された、入口ポート及び出口ポートが形成する容積を除く第1内部空間が形成する容積の少なくとも半分を占める容積を形成する。入口ポート及び出口ポートは、呼吸回路のチューブに連結される。デバイスの下端部分及びドレンポートは、吸引力又は第1内部空間に対する負圧の供給源に連結される。
【0014】
かくして、本発明の詳細な説明を更によく理解できるようにするため、及び当該技術分野に対する本発明の寄与を更によく理解できるようにするため、本発明の特定の実施例を比較的広く定義した。本発明の追加の実施例があり、これらの実施例を詳細に説明する。これらの実施例は、本明細書に添付した特許請求の範囲の要旨を形成する。
【0015】
この点で、本発明の少なくとも一つの実施例を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に記載した、又は添付図面に例示した構造の詳細及び構成要素の構成に限定されないということは理解されなければならない。本発明は、説明した以外の態様で実施でき、様々な方法で実施できる。更に、本明細書中で使用した用語及び術語並びに概要は、説明を目的としたものであるということは理解されるべきであり、限定であると考えられるべきではない。
【0016】
このように、本開示がその基礎とする概念は、本発明の幾つかの目的を実行するための他の構造、方法、及びシステムを設計する上での基礎として容易に使用できるということは当業者には理解されよう。従って、特許請求の範囲は、本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、このような等価の構造を含むものと考えられるということは重要である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1A】図1Aは、組み立てた形態の本発明の第1実施例を示す図である。
【図1B】図1Bは、図1Aの実施例の分解図である。
【図1C】図1Cは、フロートバルブが閉鎖した状態の図1A及び図1Bの実施例を示す断面図である。
【図1D】図1Dは、フロートバルブが開放した状態の図1A及び図1Bの実施例を示す断面図である。
【図2A】図2Aは、組み立てた形態の本発明の別の実施例を示す図である。
【図2B】図2Bは、図2Aの実施例の分解図である。
【図2C】図2Cは、フロートバルブが閉鎖した状態の図2A及び図2Bの実施例を示す断面図である。
【図2D】図2Dは、フロートバルブが開放した状態の図2A及び図2Bの実施例を示す断面図である。
【図3A】図3Aは、組み立てた形態の本発明の更に別の実施例を示す図である。
【図3B】図3Bは、図3Aの実施例の分解図である。
【図3C】図3Cは、フロートバルブが閉鎖した状態の図3A及び図3Bの実施例を示す断面図である。
【図3D】図3Dは、フロートバルブが開放した状態の図3A及び図3Bの実施例を示す断面図である。
【図3E】図3Eは、フロートバルブが閉鎖した位置での図3A及び図3Bの実施例の一部を示す拡大断面図である。
【図3F】図3Fは、フロートバルブが閉鎖した位置での図3A及び図3Bの実施例の一部を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、添付図面を参照して本発明を説明する。添付図面では、幾つかの図面に亘り、同じ部分に同じ参照番号が付してある。本発明による実施例は、水除去−放散デバイス、及びベンチレーターと患者との間、又は加湿ユニットと患者との間の呼吸回路を通って移動する加湿した医療用ガスから水蒸気又は凝縮液を除去するための方法を提供する。一つ又はそれ以上の実施例は、システムからの水の除去及び/又は吸引を自動的に行う特徴又はこうした特徴を組み合わせた手段を提供する。従来のウォータートラップは、過剰の凝縮物を使用者が物理的に排液することを必要とする。これには、定期的観察及び臨床医の細かい注意が必要とされる。本発明は、溜まった水即ち過剰の凝縮物を吸引源又は透過膜容器又は他の収集容器に自動的に排液する機構を提供し、かくして臨床医が水収集デバイスを連続的に監視し排液する必要をなくす。本発明は、呼吸回路流から分離した水即ち液体の水分を除去する手段を提供する。
【0019】
本発明の第1実施例を図1A乃至図1Dに示す。図1Bは、水除去−放散デバイス100を示す分解図である。このデバイスは、円筒形下容器102に連結されたハウジング101を含む。円筒形下容器102は側壁103を有し、この側壁が上開口部104及び下面106を形成する。ハウジング101は、容器102の上開口部104の上に取り付けられるデバイス100の上部分アッセンブリ108を形成する。ハウジング101は、入口ポート130及び出口ポート132を形成する。入口ポート130及び出口ポート132により、水除去−放散デバイス100を呼吸回路に連結できる。図1A乃至図1Dに示す実施例では、図1Bに最もよく示すように、ハウジング101は二つの部品即ち上部品110及び下部品111を含む。これらの部品は、互いに連結され、浮力フロート体112が配置される内部空間を形成する。浮力フロート体112は、円錐形の下端部分を形成し、その周囲にO−リング113が配置され、フロートバルブ機構の第1部分をデバイス100内に形成する。
【0020】
図1C及び図1Dは、図1A及び図1Bに示す水除去−放散デバイスの実施例を更に詳細に示す断面図である。呼吸回路のチューブ(図示せず)に連結されたとき、ハウジング101は、入口ポート130と出口ポート132との間に加湿ガス流路140を形成する。流路140では、加湿ガスが入口ポート130を介して水除去−放散デバイス100に入り、ハウジング101の内部空間を通過し、出口ポート132を介して水除去−放散デバイス100を出る。従って、第1流路140は、呼吸回路に沿って水除去−放散デバイス100を通過する主呼吸流路を示す。図1C及び図1Dに示すように、ハウジング101の下端部分にドレンポート120が配置されており、フロートバルブ弁座121が前記ドレンポート120の周囲に配置されている。従って、ハウジング101は、入口ポート130、出口ポート140、及びドレンポート120の全てに流動学的に連結された内部空間を形成する。
【0021】
図1A乃至図1Dに示す実施例では、ハウジング101の内部空間に配置された浮力フロート体112は、全体に回転楕円体形状を有し、円錐形形状の突出した下端115を形成する。下端115は、フロートバルブ弁座121と係合し、前記ドレンポート120をシールするように形成されている。図1Dに示すように、浮力フロート体112は、内部空間に十分な量の液体「L」が溜まったとき、ハウジング101の内部空間内で方向「U」に上方に移動し、前記浮力フロート体112の下端115をフロートバルブ弁座121から分離し、これによってドレンポート120を通して液体を流すことができる。更に、浮力フロート体112は、互いに連結されたハウジング部品110及び111の構造によって形成された、入口ポート130及び出口ポート132に繋が形成する容積を除く、ハウジング101の内部空間が形成する内部構造容積の少なくとも半分を占める容積を形成する。入口ポート130及び出口ポート132は、図1C及び図1Dに示すハウジング101の例示の実施例において、入口ポート130については線130A及び130Bによって、及び出口ポート132については線132A及び132Bによって境界が定められている。浮力フロート体112が占めるハウジング101内の内部空間の容積の量は、入口ポート130及び出口ポート132が形成する容積を除く、ハウジング101の前記内部構造容積の少なくとも半分であり、これによって、ハウジング101内の流体流れ用の「圧縮可能容積」が大幅に減少する。かくして、本発明は、水除去デバイス100の圧縮可能容積を、米国特許第4,867,153号等の従来技術で周知の量を越えて大幅に減少するための手段を提供する。これは、内部浮力フロート体112が、呼吸回路流に露呈された、デバイスによって形成された内部容積の大部分を占めるためである。以下に更に詳細に説明するように、このような圧縮可能な内部容積は、フロートバルブ手段がその内部に設けられているため、ハウジング101内の容積のみに限定される。これには、図1C及び図1Dに示す実施例の収集リザーバ150等の重力方向でドレンポート120の下方の空間又は容積は含まれない。これは、水又は液体凝縮物がハウジング101内の容積の内部に図1Dに「L」として示すように溜まるに従って、浮力フロート体112がハウジング101の内部空間内で上方に図1C及び図1Dに示すように方向「U」に移動するためである。従って、デバイス100は、好ましくは、方向Uが重力による引っ張り力とは逆方向であるように、方向「U」に対して配向される。重力方向に対し、ハウジング101はデバイス100の上部分を形成し、容器102は下部分を形成する。このように、ドレンポート120はハウジング101の下端部分に配置され、重力方向最下点を形成し、これによって、浮力フロート体112の下端115をフロートバルブ弁座121から離すのに十分な量の液体「L」がハウジング101の内部空間に溜まったとき、水「L」をポート120から排液でき、液体「L」をドレンポート120を通してその下の容器空間150内に流すことができる。
【0022】
図1C及び図1Dに最もよく示すように、容器102は、ドレンポート120から出た流れ151を受け取ってこうした流れを前記容器102の底部に液体L’として収集するため、ハウジング101に連結される。容器102は、ハウジング101に密封をなして連結できる。一実施例では、液体L’を最終的に処分できるようにハウジング101から取り外すこともできる。かくして、容器102は、水又は溜まった液体又は水分を収集するための第2内部空間150を形成する。第2内部空間150は、デバイス101の外側の周囲に対して閉鎖されている。図1A乃至図1Dに示す実施例では、容器102は、本発明が水除去デバイス100の圧縮可能な容積を減少するための手段を提供すると同時に、ハウジング101内の呼吸回路流140から分離された水又は液体用の収集リザーバ150を提供するように、液体又は気体に対して完全に不透過性であってもよい。これは、全ての時間で、(i)浮力フロート体112がフロートバルブ弁座121に対してシールされ、ドレンポート120をシールする作用、又は(ii)フロート体112が浮力の作用で上方に移動してフロートバルブ弁座121から図1Dに示すように離れるとき、溜まった液体「L」の存在により「ウォーターシール」を提供する作用のいずれかによって、こうした流れ140がリザーバ150からシールされるためである。かくして、容器102から漏れが生じた場合、流路140は、それでも周囲から遮断される。
【0023】
別の態様では、図1A乃至図1Dに示す実施例では、容器102は、少なくとも一部が水蒸気に対して透過性であり且つ液体の水に対して不透過性の材料から形成された、前記第2内部空間150の境界を定める壁103を含んでいてもよい。このような実施例では、液体L’は、壁103の水蒸気透過性部分及び液体水不透過性部分のため、空間150からデバイス100の外側の周囲に浸透することによって、経時的に、自動的に放散する。壁103は、本出願人の現在継続中の米国特許出願第12/539,088号に記載されており且つ開示されているのと同様に、更に、内毛管作用層及び/又は構造的剛性及び強度を高めるための外メッシュ層を含んでいてもよい。出典を明示することにより、この出願に開示された全ての内容は本明細書の開示の一部とされる。図2A乃至図2Dは、本発明の別の好ましい実施例を組み立てた形態で示す図である。図2A乃至図2Dには、デバイス100と同様の自動水除去−放散デバイス200が示してある。この実施例では、下容器202全体が水蒸気に対して透過性であり且つ液体の水に対して不透過性であり、実質的にバケツ形状を有し、丸みがあり且つ閉鎖した下端206及び中間カップリングリング207を介してハウジング101に連結された開放した上端201を有する。容器202の壁203は、水蒸気に対して透過性であり且つ液体の水に対して不透過性の材料で形成されており、単一の材料で形成されていてもよいし複合材料で形成されていてもよく、シンパテックステクノロジーズGmbHが製造しているポリマーで形成されたシンパテックス(シンパテックス(Sympatex)は登録商標である)水蒸気透過性材料又はメンブレンで形成された部分又は層を含む。壁203は、幾つかの材料層の複合材料で形成されていてもよい。材料層には、更に、ポリエステル、ポリエステルとポリプロピレンの混紡、ナイロン、ポリエチレン、又は紙で形成された編製布又は不織布でできた毛管作用層が含まれる。毛管作用層は、フライデンベルグ&Co.KG.Aが製造しているエヴォロン(エヴォロン(Evolon)は登録商標である)ファブリック材料等のマイクロフィラメント又はマイクロファイバ材料で形成されていてもよい。毛管作用材料の一つの特定の例は、70%がポリプロピレンで30%がポリエチレンの不織布材料である。毛管作用層は、現在継続中の米国特許出願第12/539,088号に更に詳細に説明されているように、デバイス200の外側の周囲に壁を通して更に効率的に且つ迅速に放散するように、リザーバ250に溜まった液体L’’の壁203による吸収を促進する。
【0024】
図1A乃至図1Dに示す実施例及び図2A乃至図2Dに示す実施例の両方において、第2内部空間150及び250の容積は、上文中に説明したように、ハウジング101内の第1内部空間及び圧縮可能容積よりもかなり大きい。確かに、空間150及び250は、呼吸回路流140及び呼吸回路の残りから分離された液体の水を収集するための手段を提供するため、デバイス100、200の夫々の内部の圧縮可能容積よりも遥かに大きいように形成できる。図2A乃至図2Dに示す好ましい実施例では、透過性容器202の壁203によって形成された内部空間250が提供する容積は、呼吸回路に連結されたとき、デバイス200の圧縮可能容積を増大することなく、従来のデバイスよりもかなり大きくできる。上文中に論じたように、空間250は、ハウジング101が形成する圧縮可能な内部空間よりも少なくとも2倍乃至10倍大きい。更に、好ましい実施例では、壁203が形成する表面積は、入口ポート130が、デバイスに流入する流体の入口全体を形成する場合、入口ポート130の横方向断面積によって計測した呼吸回路流の断面積よりも少なくとも30倍乃至350倍大きい。これらの特定の寸法及び形状の全てにより、内部流れ空間及び容積250及びこれによって取り囲まれる表面積を、デバイスが連結された呼吸回路を通る流れと比較した場合、比較的大きくでき、透過性メンブレン壁203を通した水の除去及び放散を促進する。これは、容積250が比較的大きく、これと対応して壁203の表面積が比較的大きいため、透過性メンブレンを通して伝達するための大きな表面積が提供され、比較的大きな流れ容積即ち空間が提供されるためである。これにより、容積250内での水蒸気即ち水分を含むガスの滞留時間が増大し、水分が壁203内の毛管作用層によって吸収され及び/又は透過性壁203を通して更に迅速に即ち効率的に伝達され、及びかくして水をデバイス200内から周囲に放散するための良好な手段を提供する。これは、全て、デバイス及び/又はデバイスが連結された呼吸回路システムの圧縮可能容積即ちコンプライアンスを増大することなく行われる。
【0025】
更に、ハウジング101内のフロートバルブ機構により、本発明のデバイスを、本明細書中に説明した幾つかの実施例において、呼吸回路の吸気分枝部(inspiratory limb)に連結できる。これは、本デバイスが、患者に提供しようとする水又は水分を除去したり放散したりしないためである。こうした水又は水分は、上文中に説明したように、過剰量が存在し、これが凝縮してハウジング101に溜まらない限り、こうした吸気分枝部を通って患者に達しなければならない。
【0026】
デバイスが吸気分枝部でなく呼気分枝部(expiratory limb) に配置されるようになっている場合、即ち呼吸回路空気から水分を除去するようになっているには、デバイス100又は200は、更に、呼吸回路流の冷却を促し、水分を凝縮するための手段(図示せず)が設けられていてもよい。このような手段は、例えば薄壁褶曲チューブ、又はポート130、132の内側面又は外側面に配置された他の熱伝達構造等であり、入口ポート130又は出口ポート132に連結される。
【0027】
従って、本発明は、図1乃至図2Dに示す実施例に開示されているように、呼吸回路から水又は溜まった水分を自動的に除去する方法を提供する。この方法は、容器102、202がハウジング101に連結されたデバイス100又は200を提供する工程を含む。容器の壁の少なくとも一部は、水蒸気透過性であり且つ液体の水に対して不透過性の材料で形成されている。この材料は、好ましい実施例では、水蒸気に対して全体に透過性であり且つ液体の水に対して不透過性である。この方法では、デバイス100又は200は、入口ポート130及び出口ポート132を介して呼吸回路のチューブ(図示せず)に連結されており、内部空間150又は250に溜まった水又は水分L’又はL’’を壁103又は203を通してデバイスの外側の周囲に拡散できる。この方法は、デバイス100又は200がひとたび呼吸回路のチューブ及びシステムに連結されると、容器102又は202の透過性部分を通して水又は液体が効果的に放散される限り、追加の操作即ち使用者の介入を必要としないという点で自動的である。この方法では、デバイス100又は200を呼吸回路の吸気分枝部に配置でき、又は他の特定の実施例では、吸気分枝部の加熱部分と非加熱部分との間の接合部に配置できる。別の態様では、本方法において、デバイス100又は200を呼吸回路の呼気分枝部に配置でき、又は他の特定の実施例では、呼気分枝部の加熱部分と非加熱部分との間の接合部に配置できる。本方法は、更に、デバイス100又は200を吸気分枝部及び呼気分枝部の各々に配置する工程を含んでいてもよく、又は他の特定の実施例では、吸気分枝部及び呼気分枝部の加熱部分と非加熱部分との間の接合部に配置できる。更に、本方法は、呼吸回路流の冷却及び水分の凝縮を促進するための手段をデバイス100又は200の入口ポート又は出口ポートに連結できる。
【0028】
図3A乃至図3Fは、ハウジング101と同様のハウジング301を持つデバイス300を含む、本発明の別の好ましい実施例を示す図である。ハウジング301には入口ポート130及び出口ポート132が設けられている。ハウジング301は上部品110及び下部品311で形成されており、これらの部品は、互いに取り付けられて浮力フロート体112が配置される内部空間を形成する。浮力フロート体112は、上文中に論じたデバイス100及び200のフロートバルブ機構と同様に、デバイス300内にフロートバルブ機構の第1部品を形成する。ハウジング301は、更に、ハウジング301の下端部分に配置されたドレンポート320を含む。ドレンポート320の周囲にフロートバルブ弁座321が配置されている。デバイス300では、デバイスの下端部分302は、ドレンポート320を、吸引力即ちハウジング301の内部空間に対して負圧の供給源に流動学的に連結するためのコネクタ301に連結されるように形成されている。吸引力即ち負圧(負のゲージ圧力)は、任意の適当な手段によって供給されてもよく、こうした吸引力即ち負圧は、コネクタチューブ301の内腔350から、デバイス300を通して、液体「L」が溜まったハウジング301の内部空間に伝達される。
【0029】
図3Cは、図3A及び図3Bの実施例をフロートバルブ機構が閉鎖した状態で示す断面図である。図3Eは、図3Cの領域「E」の拡大断面図である。図3Dは、図3A及び図3Bの実施例をフロートバルブ機構が開放した状態で示す断面図である。図3Fは、図3Dの領域「F」の拡大断面図である。図3Eに最もよく示すように、デバイス300の下端部分は、更に、吸引力即ち負圧の供給源をコネクタ内腔350を介してデバイスの外側の周囲に流動学的に連結するための少なくとも一つのブリードポート360を形成する。更に、デバイス300の下端部分302は、下開口部372を形成するドレン流受け取り区分370を含んでいてもよい。この区分を通して液体を排出できる。図3E及び図3Fに示す実施例では、前記ドレン流受け取り区分370は二つのブリードポート360を形成する。これらのブリードポート360により、デバイス300の外側の周囲圧力の即ち大気圧の周囲と、吸引力供給源によってコネクタ内腔350に加えられた負圧又は真空との間の圧力を等しくできる。負圧は、開口部372を通してハウジング301のドレンポート320に、及びこれによってハウジング301の内部空間内に伝達される。このような空間内に水や液体が存在しない場合には、浮力フロート体112は、図3Cに示すようにフロートバルブ弁座321に着座し、ハウジング301の内部空間をシールする。しかしながら、内腔350から、ハウジング301に連結されたデバイス300の下端部分302によって包囲された第2内部空間355に伝達された負圧により、このような位置において、ハウジング301の内部空間とハウジング301の外側の空間355との間に正の圧力差が発生し、浮力フロート体112をフロートバルブ弁座321にしっかりと着座する。ブリードポート360が設けられていない場合には、このような圧力差は、大量の液体がハウジング301内に溜まった場合でも、フロート体112を着座状態から外して排出開口部320を開放し、水を排出することを困難にするという点で望ましくない。圧力差は、フロート体112に逆方向に作用する浮力よりも大きくてもよい。この作用を緩和し、潜在的圧力差を低減するため、ブリードポート360は、図3Eに流れ矢印375で示すように、吸引コネクタ内腔350と周囲空気との間の圧力を等しくすることによって、開口部372を介して空間355に加えられ伝達される吸引力又は真空圧力を低減するように位置決めされており且つそのような大きさを備えている。これを確実に行うため、ドレン流受け取り区分370は、更に、一方向バルブエレメントを形成する。一方向バルブエレメントは、フロート体112がフロートバルブ弁座321に着座してハウジング301のドレンポート320をシールしているとき、開放することにより、ブリードポート360を通して吸引力又は負圧の供給源に流すことができる。図3E及び図3Fに示すように、ドレン流受け取り区分370は、下開口部372を形成する細い円錐形ネック380、及び前記ネック380を同心をなして取り囲むチューブ状エレメント390を含む。エレメントは、コネクタ301のチューブ状内腔350に挿入されるように形成された下端ポート392を形成する。一方向バルブエレメントは、ネック380からチューブ状エレメント390の下リム395まで延びる少なくとも一つのフラップ388を含む。図3Fに示す位置では、可撓性の円形リングエレメントとして形成されていてもよいフラップ388は、ネックエレメント380に取り付けられており、チューブ状エレメント390に被さって閉鎖し、ブリードポート360及び周囲を吸引内腔350及びデバイス300の内部の残りから閉鎖する。ハウジング301の内部空間に溜まった水又は液体Lは、十分な浮力によりフロート体112がフロートバルブ弁座321から押し離され、水又は液体を受け入れ空間355を通して排出できるとき、ポート320を通して排出でき、デバイス301から完全に除去するため、開口部372を通って吸引コネクタ301内に排出できる。十分な量の排液が行われると、フロート体112は再びフロートバルブ弁座321に着座し、ドレンポート320を閉鎖し、内腔350を通して吸引力を加え続けることによりフラップ388を下方に引っ張ってチューブ状エレメント390のリム395から離す。これによりブリードポート360から吸引内腔350までの流れ375を形成でき、これによってフロート体112をフロートバルブ弁座321に不必要に強く着座する吸引力を低減する。ブリードポート360の大きさは、コネクタ301を通して加えられる吸引力の量に合わせて、本明細書中に説明した所望の作動を行うように較正できる。従って、デバイス300は、液体を第1流体受け入れ空間355内に排出する第1液体ドレンポート320を含む。第1液体ドレンポート320は、下方に向かって第2液体ドレンポート372に向かって先細になっている。第2液体ドレンポート372は、コネクタ内腔350を介して吸引力供給源に流動学的に連結されている。バルブエレメント388は、内腔350内の吸引力供給源と、デバイス300の構造部分が形成するブリードポート360との間に障壁を形成することによって、吸引力供給源又は内腔350をデバイス300の外側の周囲から分ける。デバイス300の構造部分は、例えば下端部分302、又は特定の実施例では、ハウジング301に連結された、又はハウジング301と一体に形成されたドレン流受け入れ区分370等である。かくして、液体を排出するための第1流路が、空間355からオリフィス372を通って吸引内腔350まで形成され、これに対し圧力を均等にするための第2流路が、ブリードポート360からバルブエレメント388を通って(図3Eにおけるように開放しているとき)吸引内腔350まで形成される。
【0030】
デバイス300を呼気分枝部に配置しようとする場合、又は呼吸回路空気から水分を除去しようとする場合には、デバイス300は、更に、呼吸回路流の冷却を促し、入口ポート130又は出口ポート132に連結された、水分を凝縮するための手段(図示せず)を含んでいてもよい。こうした手段は、例えば、入口ポート130又は出口ポート132の内側面又は外側面に配置された薄壁褶曲チューブ又は他の熱伝達構造等である。
【0031】
従って、本発明は、図3A乃至図3Fに示す実施例に開示されているように、水又は溜まった水分を呼吸回路から自動的に除去する方法を提供する。本方法は、吸引力又は負圧の供給源(図示せず)にコネクタ301を介して連結されたデバイスを提供する工程を含む。この方法では、デバイス300は、入口ポート130又は出口ポート132を介して呼吸回路のチューブ(図示せず)に連結されており、ハウジング301の内部空間に溜まった水L’又は水分L’’を、上文中に説明したように、吸引力供給源に排出できる。本方法は、デバイス300がひとたび呼吸回路のチューブ及びシステムに連結されると、吸引力が加えられ、フロートバルブ機構が、上文中に説明したように、フロート体112がフロートバルブ弁座321に強く押し付けられ過ぎないようにブリードポート360と係合して作動し、ハウジング301に十分な量の水が溜まったときに水を排出できる限り、追加の操作又は使用者の介入を必要としないという点で自動的である。本方法では、デバイス300は、呼吸回路の呼気分枝部に配置でき、別の特定の実施例では、呼気分枝部の加熱部分と非加熱部分との間の接合部に配置できる。本方法は、更に、デバイス300を吸気分枝部及び呼気分枝部の各々に配置し、別の特定の実施例では、吸気分枝部及び呼気分枝部の加熱部分と非加熱部分との間の接合部に配置できる。更に、本方法では、呼吸回路流の冷却及び水分の凝縮を促進するための手段をデバイス300の入口ポート又は出口ポートに連結できる。
【0032】
本発明は、従って、本発明によるデバイスが連結された呼吸回路システム内の圧縮可能容積を減少し最小にすると同時に、溜まった水及び/又は水蒸気をシステムから効果的に除去し放散する際に呼吸回路流を周囲から遮断する一定の水障壁を提供するデバイス及び方法を提供する。これにより、水除去−放散デバイスを呼吸回路の吸気分枝部に配置できる。これは、デバイスが、患者のために加えられた水分を除去しないためである。本明細書中に説明したように、本発明は、従来周知の水放散デバイスのコンプライアンス及び圧縮可能容積を大幅に減少し、回路内の流れがメンブレンから遮断されるため、透過性のメンブレンを使用する同様のデバイスでの潜在的ピンホール漏れの危険な状態を低減する。これによって、直接的空気漏洩路をなくし、更に、このような透過性のメンブレンを用いる実施例に悪影響を及ぼす呼吸回路流内のエアゾール療法の懸念をなくし、呼吸回路の圧縮可能容積を増大することなく比較的大きな透過性メンブレンを使用でき、及びかくして水伝達量を増大するのを補助する。
【0033】
本発明の多くの特徴及び利点は以上の詳細な説明から明らかであり、本発明の真の精神及び範囲内の本発明の全てのこのような特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲に含まれる。更に、当業者は多くの変形及び変更を容易に思いつくため、本発明を本明細書中に例示し且つ説明した正確な構造及び作動に限定することは望ましくなく、従って、全ての適当な変形及び等価物は本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0034】
100 水除去−放散デバイス
101 ハウジング
102 円筒形下容器
103 側壁
104 上開口部
106 下面
108 上部分アッセンブリ
110 上部品
111 下部品
112 浮力フロート体
113 O−リング
115 下端
120 ドレンポート
121 フロートバルブ弁座
130 入口ポート
132 出口ポート
140 加湿ガス流路
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として医療用デバイスに関する。更に詳細には、本発明は、呼吸回路に配置するための水除去−放散デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
呼吸回路(breathing circuit) は、加圧された医療用ガスを処方された容積及び呼吸速度で患者に送出する。医療用ガスは、多くの場合、ベンチレーター又はレスピレーターに、又はその近くに配置された加湿器によって加湿される。最適の吸気回路(respiratory circuit) は、相対湿度が100%の35℃乃至39℃の医療用ガスを患者に送出する。この際、湿度の量を減少した後、凝縮液を呼気分枝部(expiratory limb) を通してベンチレーターに戻す。従って、加湿したガスがチューブ全体又は大部分を通って移動しなければならず、冷却する時間がある。ガスが冷却すると、呼吸チューブ内でレインアウト即ち凝縮が生じ、水が呼吸回路内に集まる。
【0003】
レインアウトの問題点に対する幾つかの解決策が開発されてきた。このような解決策の一つは、チューブの長さに沿って加熱ワイヤを設置することである。ワイヤはチューブの内部に設けられていてもよく、又は別の態様では、チューブの内部に沿って埋設されていてもよい。ワイヤは、チューブを通って移動する加湿されたガスを加熱し、ガスが冷却しないようにし、かくして呼吸回路を通って移動するガスから水が凝縮する問題点をなくす。しかしながら、このような加熱ワイヤ式吸気回路は製造に時間が掛かり、高価である。
【0004】
加熱ワイヤを用いない別の解決策は、呼吸回路内のどこかに水収集デバイスを設けることである。水収集装置は、代表的には、吸気回路の呼気分枝部にベンチレーター又はレスピレーターの前に配置され、ガスがベンチレーター又はレスピレーターに入る前に余分の凝縮物を収集し、手作業で除去する。余分の凝縮物が吸気回路の呼気分枝部からベンチレーター又はレスピレーターに入ると、デバイスに有害な作用が及ぼされることが知られている。
【0005】
多くの場合、水収集デバイスは、凝縮した水蒸気を取り外し自在の容器に捕捉するように設計されている。こうした容器は、一般的に「ウォータートラップ」とも呼ばれる。このようなウォータートラップの一例が米国特許第4,867,153号に示されている。この特許には、一実施例において、トラップ容器内に十分な水が溜まったとき、下ドレン開口部を開放するフロートボールバルブがウォータートラップ容器内に設けられた水除去デバイスが開示されている。ドレン開口部は、更に、吸引力又は真空(負のゲージ圧)に連結できる排出チューブに連結されている。しかしながら、このウォータートラップ及びドレンシステムは自動式でなく、水が溜まっていくのを使用者が監視し、次いで手作業で真空バルブを操作し、デバイスから水を完全に除去する必要がある。更に、米国特許第4,867,153号の装置は、ウォータートラップ容器が形成する圧縮可能容積の内側に比較的小さい容積エレメント即ち構造を提供する。そのため、ウォータートラップ自体が呼吸回路内の全圧縮可能容積に対して大きな追加の容積を形成し、システムのコンプライアンスを高くする。これは、患者にとって有害である。
【0006】
水を呼吸回路から除去又は放散するための別の種類のデバイスが、テレフレックス・メディカル社に譲渡された、米国特許公開第2010/0012127として公開された、本出願人の現在継続中の米国特許出願第12/539,088号で提供される。前記出願には、様々な実施例が開示されている。こうした実施例には、呼吸回路流からの溜まった水又は水分を収集するための内部流れ空間を形成する所定の包囲容積を形成する外カバー構造を備えたハウジング又は容器を持つデバイスが含まれる。ハウジング又はカバー構造の壁は、水蒸気又は水分を集め、凝縮した後、内部流れ空間から外カバー構造を通してデバイスの外に浸透し、これによって呼吸回路からデバイス内に溜まった水を自動的に除去又は放散することができるように、少なくとも一部が水蒸気透過性媒体で形成されている。
しかしながら、このデバイスは、水蒸気透過性媒体又は外カバー構造即ち内部流れ空間を取り囲む「スキン」から漏れが生じた場合、完全に閉鎖したシステムを維持できず、呼吸回路流を汚染してしまう可能性がある。別の欠点は、呼吸回路流でエアゾール療法を使用する場合、こうした治療による物質が水蒸気透過性媒体に溜まり、デバイスの有効性を減少するということである。このようなデバイスの更に別の問題点は、内流れ空間を形成するハウジング又は容器が追加の圧縮可能容積を形成し、これにより全圧縮可能容積及びデバイスが連結されたシステムのコンプライアンスが増大し、患者にとって呼吸を更に困難にしてしまうということである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,867,153号
【特許文献2】米国特許公開第2010/0012127
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、このような追加の圧縮可能容積を小さくし、エアゾール療法の使用による悪影響を受け難く、呼吸回路流を閉鎖されており且つ周囲から汚染されない状態に保持するように漏れが生じ難いデバイスを提供するのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の問題点及び必要は、装置及び方法を提供する本発明によって、非常に高度に解決され、そして満たされる。本発明は、様々な実施例において、呼吸回路内に水又は水分を溜めるのでなく、改良された、自動的に水を除去する即ち水又は水分を放散する装置及び方法を提供する。デバイスは、呼吸回路流入口ポート及びデバイスポート、及び水ドレンポートを持つハウジングを含む。ハウジング内の浮力フロート体は、フロートバルブ弁座と係合してドレンポートをシールし、十分な液体が内部空間に溜まったとき、ドレンポートを開放するように移動できる。浮力フロート体は、ハウジングの圧縮可能な内部容積の大部分を占める。これは、一実施例では、前記容器の少なくとも半分であってもよい。デバイスは、一実施例では、流れチャンバ即ち水蒸気透過性媒体で形成された壁を有する容器構造を含む。この容器構造は、デバイスが形成する内部流れ空間を少なくとも部分的に取り囲み、これによって、加湿ガス中の水分が前記流れ空間を通過し、構造の壁と接触し、水蒸気透過性媒体を透過する上で大きな面積及び滞留時間を提供する。これによって、デバイスが連結された呼吸回路からの除去が効果的に行われる。水は、ドレンポートから流れを受け取る、ハウジングに連結されたこのような容器を通して自動的に除去される。容器の一部は、水蒸気透過性媒体で形成されている。別の実施例では、デバイスのハウジングは、吸引力の供給源に連結されており、吸引力供給源を周囲に流動学的に連結する少なくとも一つのブリードポートを含み、ブリードポートはデバイス内に水が溜まっていない場合、バルブエレメントと協働し、ハウジングの内部空間と吸引力供給源との連結部との間の圧力差を等しくし、浮力フロート体がフロートバルブ機構として作動することができるようにする。両実施例において、ハウジング及びその内部の浮力フロート体バルブ機構は、呼吸回路流を周囲から閉鎖する「ウォーターシール」として、及びデバイスが取り付けられた呼吸回路システム全内の圧縮可能容積を効果的に且つ大幅に減少するための手段としての両方として作用する。これと同時に、大量の水又は水分をシステムから自動的に除去又は放散する手段を提供する。
【0010】
本発明の一実施例では、呼吸回路から水又は溜まった水分を自動的に除去するためのデバイスにおいて、ハウジングを含み、このハウジングは、呼吸回路から流れを受け取るための入口ポート、流れを呼吸回路に伝達するための出口ポート、ハウジングの下端部分に配置されたドレンポート、及びドレンポートの周囲に配置されたフロートバルブ弁座を含む、デバイスが提供される。ハウジングは、更に、ポートの全てに流動学的に連結された第1内部空間を形成する。浮力フロート体が第1内部空間に配置されている。浮力フロート体は、フロートバルブ弁座と係合してドレンポートをシールする形態の下端を形成する。浮力フロート体は、浮力フロート体の下端をフロートバルブ弁座から離し、液体をドレンポートを通して流すことができるのに十分な量の液体が内部空間に溜まったとき、内部空間内で上方に移動できる。浮力フロート体は、ハウジングによって形成された、入口ポート及び出口ポートが形成する容積を除く第1内部空間が形成する容積の少なくとも半分を占める容積を形成する。ドレンポートから出る流れを受け取るため、容器がハウジングに連結されている。容器は、水又は溜まった水分を収集するための第2内部空間を形成し、第2内部空間は、デバイスの外側の周囲に対して閉鎖している。容器は、更に、第2内部空間の境界を定める壁を含み、壁は、少なくとも一部が水蒸気に対して透過性であり且つ液体の水に対して不透過性の材料で形成されている。
【0011】
別の実施例では、呼吸回路から水又は溜まった水分を自動的に除去するためのデバイスにおいて、ハウジングを含み、このハウジングは、呼吸回路から流れを受け取るための入口ポート、流れを呼吸回路に伝達するための出口ポート、及びハウジングの下端部分に配置されたドレンポートを含む、デバイスが提供される。フロートバルブ弁座が前記ドレンポートの周囲に配置されている。ハウジングは、更に、前記ポートの全てに流動学的に連結された第1内部空間を形成する。浮力フロート体が第1内部空間に配置されている。浮力フロート体は、フロートバルブ弁座と係合してドレンポートをシールする形態の下端を形成する。浮力フロート体は、浮力フロート体の下端をフロートバルブ弁座から離し、液体をドレンポートを通して流すことができるのに十分な量の液体が内部空間に溜まったとき、内部空間内で上方に移動できる。浮力フロート体は、ハウジングによって形成された、入口ポート及び出口ポートが形成する容積を除く第1内部空間が形成する容積の少なくとも半分を占める容積を形成する。デバイスの下端部分は、ドレンポートを吸引力又は第1内部空間に対する負圧の供給源に流動学的に連結するためのコネクタに連結されるように形成されている。一つの特定の実施例では、デバイスの下端部分は、更に、吸引力又はデバイスの外側の周囲に対する負圧(負のゲージ圧)の供給源に流動学的に連結するための少なくとも一つのブリードポートを形成する。
【0012】
本発明の別の態様では、呼吸回路から水又は溜まった水分を自動的に除去する方法において、ハウジングを提供する工程であって、ハウジングは、呼吸回路から流れを受け取るための入口ポート、流れを呼吸回路に伝達するための出口ポート、ハウジングの下端部分に配置されたドレンポート、及びドレンポートの周囲に配置されたフロートバルブ弁座を含み、ハウジングは、更に、ポートの全てに流動学的に連結された第1内部空間を形成する、ハウジングを提供する工程を含む、方法が提供される。浮力フロート体が第1内部空間に配置される。浮力フロート体は、フロートバルブ弁座と係合してドレンポートをシールする形態の下端を形成する。浮力フロート体は、浮力フロート体の下端をフロートバルブ弁座から離し、液体をドレンポートを通して流すことができるのに十分な量の液体が内部空間に溜まったとき、内部空間内で上方に移動できる。浮力フロート体は、ハウジングによって形成された、入口ポート及び出口ポートが形成する容積を除く第1内部空間が形成する容積の少なくとも半分を占める容積を形成する。ドレンポートから出る流れを受け取るため、容器がハウジングに連結される。容器は、水又は溜まった水分を収集するための第2内部空間を形成し、第2内部空間は、デバイスの外側の周囲に対して閉鎖している。容器は、更に、第2内部空間の境界を定める壁を含み、前記壁は、少なくとも一部が水蒸気に対して透過性であり且つ液体の水に対して不透過性の材料で形成されている。入口ポート及び出口ポートは、呼吸回路のチューブに連結される。第2内部空間に溜まった水又は水分を、壁を通して、デバイスの外側の周囲に拡散できる。
【0013】
本発明の更に別の態様では、呼吸回路から水又は溜まった水分を自動的に除去する方法において、ハウジングを提供する工程であって、ハウジングは、呼吸回路から流れを受け取るための入口ポート、流れを呼吸回路に伝達するための出口ポート、ハウジングの下端部分に配置されたドレンポート、及びドレンポートの周囲に配置されたフロートバルブ弁座を含み、ハウジングは、更に、ポートの全てに流動学的に連結された第1内部空間を形成する、ハウジングを提供する工程を含む、方法が提供される。浮力フロート体を第1内部空間に配置する。浮力フロート体は、フロートバルブ弁座と係合してドレンポートをシールする形態の下端を形成する。浮力フロート体は、浮力フロート体の下端をフロートバルブ弁座から離し、液体をドレンポートを通して流すことができるのに十分な量の液体が内部空間に溜まったとき、内部空間内で上方に移動できる。浮力フロート体は、ハウジングによって形成された、入口ポート及び出口ポートが形成する容積を除く第1内部空間が形成する容積の少なくとも半分を占める容積を形成する。入口ポート及び出口ポートは、呼吸回路のチューブに連結される。デバイスの下端部分及びドレンポートは、吸引力又は第1内部空間に対する負圧の供給源に連結される。
【0014】
かくして、本発明の詳細な説明を更によく理解できるようにするため、及び当該技術分野に対する本発明の寄与を更によく理解できるようにするため、本発明の特定の実施例を比較的広く定義した。本発明の追加の実施例があり、これらの実施例を詳細に説明する。これらの実施例は、本明細書に添付した特許請求の範囲の要旨を形成する。
【0015】
この点で、本発明の少なくとも一つの実施例を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に記載した、又は添付図面に例示した構造の詳細及び構成要素の構成に限定されないということは理解されなければならない。本発明は、説明した以外の態様で実施でき、様々な方法で実施できる。更に、本明細書中で使用した用語及び術語並びに概要は、説明を目的としたものであるということは理解されるべきであり、限定であると考えられるべきではない。
【0016】
このように、本開示がその基礎とする概念は、本発明の幾つかの目的を実行するための他の構造、方法、及びシステムを設計する上での基礎として容易に使用できるということは当業者には理解されよう。従って、特許請求の範囲は、本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、このような等価の構造を含むものと考えられるということは重要である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1A】図1Aは、組み立てた形態の本発明の第1実施例を示す図である。
【図1B】図1Bは、図1Aの実施例の分解図である。
【図1C】図1Cは、フロートバルブが閉鎖した状態の図1A及び図1Bの実施例を示す断面図である。
【図1D】図1Dは、フロートバルブが開放した状態の図1A及び図1Bの実施例を示す断面図である。
【図2A】図2Aは、組み立てた形態の本発明の別の実施例を示す図である。
【図2B】図2Bは、図2Aの実施例の分解図である。
【図2C】図2Cは、フロートバルブが閉鎖した状態の図2A及び図2Bの実施例を示す断面図である。
【図2D】図2Dは、フロートバルブが開放した状態の図2A及び図2Bの実施例を示す断面図である。
【図3A】図3Aは、組み立てた形態の本発明の更に別の実施例を示す図である。
【図3B】図3Bは、図3Aの実施例の分解図である。
【図3C】図3Cは、フロートバルブが閉鎖した状態の図3A及び図3Bの実施例を示す断面図である。
【図3D】図3Dは、フロートバルブが開放した状態の図3A及び図3Bの実施例を示す断面図である。
【図3E】図3Eは、フロートバルブが閉鎖した位置での図3A及び図3Bの実施例の一部を示す拡大断面図である。
【図3F】図3Fは、フロートバルブが閉鎖した位置での図3A及び図3Bの実施例の一部を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、添付図面を参照して本発明を説明する。添付図面では、幾つかの図面に亘り、同じ部分に同じ参照番号が付してある。本発明による実施例は、水除去−放散デバイス、及びベンチレーターと患者との間、又は加湿ユニットと患者との間の呼吸回路を通って移動する加湿した医療用ガスから水蒸気又は凝縮液を除去するための方法を提供する。一つ又はそれ以上の実施例は、システムからの水の除去及び/又は吸引を自動的に行う特徴又はこうした特徴を組み合わせた手段を提供する。従来のウォータートラップは、過剰の凝縮物を使用者が物理的に排液することを必要とする。これには、定期的観察及び臨床医の細かい注意が必要とされる。本発明は、溜まった水即ち過剰の凝縮物を吸引源又は透過膜容器又は他の収集容器に自動的に排液する機構を提供し、かくして臨床医が水収集デバイスを連続的に監視し排液する必要をなくす。本発明は、呼吸回路流から分離した水即ち液体の水分を除去する手段を提供する。
【0019】
本発明の第1実施例を図1A乃至図1Dに示す。図1Bは、水除去−放散デバイス100を示す分解図である。このデバイスは、円筒形下容器102に連結されたハウジング101を含む。円筒形下容器102は側壁103を有し、この側壁が上開口部104及び下面106を形成する。ハウジング101は、容器102の上開口部104の上に取り付けられるデバイス100の上部分アッセンブリ108を形成する。ハウジング101は、入口ポート130及び出口ポート132を形成する。入口ポート130及び出口ポート132により、水除去−放散デバイス100を呼吸回路に連結できる。図1A乃至図1Dに示す実施例では、図1Bに最もよく示すように、ハウジング101は二つの部品即ち上部品110及び下部品111を含む。これらの部品は、互いに連結され、浮力フロート体112が配置される内部空間を形成する。浮力フロート体112は、円錐形の下端部分を形成し、その周囲にO−リング113が配置され、フロートバルブ機構の第1部分をデバイス100内に形成する。
【0020】
図1C及び図1Dは、図1A及び図1Bに示す水除去−放散デバイスの実施例を更に詳細に示す断面図である。呼吸回路のチューブ(図示せず)に連結されたとき、ハウジング101は、入口ポート130と出口ポート132との間に加湿ガス流路140を形成する。流路140では、加湿ガスが入口ポート130を介して水除去−放散デバイス100に入り、ハウジング101の内部空間を通過し、出口ポート132を介して水除去−放散デバイス100を出る。従って、第1流路140は、呼吸回路に沿って水除去−放散デバイス100を通過する主呼吸流路を示す。図1C及び図1Dに示すように、ハウジング101の下端部分にドレンポート120が配置されており、フロートバルブ弁座121が前記ドレンポート120の周囲に配置されている。従って、ハウジング101は、入口ポート130、出口ポート140、及びドレンポート120の全てに流動学的に連結された内部空間を形成する。
【0021】
図1A乃至図1Dに示す実施例では、ハウジング101の内部空間に配置された浮力フロート体112は、全体に回転楕円体形状を有し、円錐形形状の突出した下端115を形成する。下端115は、フロートバルブ弁座121と係合し、前記ドレンポート120をシールするように形成されている。図1Dに示すように、浮力フロート体112は、内部空間に十分な量の液体「L」が溜まったとき、ハウジング101の内部空間内で方向「U」に上方に移動し、前記浮力フロート体112の下端115をフロートバルブ弁座121から分離し、これによってドレンポート120を通して液体を流すことができる。更に、浮力フロート体112は、互いに連結されたハウジング部品110及び111の構造によって形成された、入口ポート130及び出口ポート132に繋が形成する容積を除く、ハウジング101の内部空間が形成する内部構造容積の少なくとも半分を占める容積を形成する。入口ポート130及び出口ポート132は、図1C及び図1Dに示すハウジング101の例示の実施例において、入口ポート130については線130A及び130Bによって、及び出口ポート132については線132A及び132Bによって境界が定められている。浮力フロート体112が占めるハウジング101内の内部空間の容積の量は、入口ポート130及び出口ポート132が形成する容積を除く、ハウジング101の前記内部構造容積の少なくとも半分であり、これによって、ハウジング101内の流体流れ用の「圧縮可能容積」が大幅に減少する。かくして、本発明は、水除去デバイス100の圧縮可能容積を、米国特許第4,867,153号等の従来技術で周知の量を越えて大幅に減少するための手段を提供する。これは、内部浮力フロート体112が、呼吸回路流に露呈された、デバイスによって形成された内部容積の大部分を占めるためである。以下に更に詳細に説明するように、このような圧縮可能な内部容積は、フロートバルブ手段がその内部に設けられているため、ハウジング101内の容積のみに限定される。これには、図1C及び図1Dに示す実施例の収集リザーバ150等の重力方向でドレンポート120の下方の空間又は容積は含まれない。これは、水又は液体凝縮物がハウジング101内の容積の内部に図1Dに「L」として示すように溜まるに従って、浮力フロート体112がハウジング101の内部空間内で上方に図1C及び図1Dに示すように方向「U」に移動するためである。従って、デバイス100は、好ましくは、方向Uが重力による引っ張り力とは逆方向であるように、方向「U」に対して配向される。重力方向に対し、ハウジング101はデバイス100の上部分を形成し、容器102は下部分を形成する。このように、ドレンポート120はハウジング101の下端部分に配置され、重力方向最下点を形成し、これによって、浮力フロート体112の下端115をフロートバルブ弁座121から離すのに十分な量の液体「L」がハウジング101の内部空間に溜まったとき、水「L」をポート120から排液でき、液体「L」をドレンポート120を通してその下の容器空間150内に流すことができる。
【0022】
図1C及び図1Dに最もよく示すように、容器102は、ドレンポート120から出た流れ151を受け取ってこうした流れを前記容器102の底部に液体L’として収集するため、ハウジング101に連結される。容器102は、ハウジング101に密封をなして連結できる。一実施例では、液体L’を最終的に処分できるようにハウジング101から取り外すこともできる。かくして、容器102は、水又は溜まった液体又は水分を収集するための第2内部空間150を形成する。第2内部空間150は、デバイス101の外側の周囲に対して閉鎖されている。図1A乃至図1Dに示す実施例では、容器102は、本発明が水除去デバイス100の圧縮可能な容積を減少するための手段を提供すると同時に、ハウジング101内の呼吸回路流140から分離された水又は液体用の収集リザーバ150を提供するように、液体又は気体に対して完全に不透過性であってもよい。これは、全ての時間で、(i)浮力フロート体112がフロートバルブ弁座121に対してシールされ、ドレンポート120をシールする作用、又は(ii)フロート体112が浮力の作用で上方に移動してフロートバルブ弁座121から図1Dに示すように離れるとき、溜まった液体「L」の存在により「ウォーターシール」を提供する作用のいずれかによって、こうした流れ140がリザーバ150からシールされるためである。かくして、容器102から漏れが生じた場合、流路140は、それでも周囲から遮断される。
【0023】
別の態様では、図1A乃至図1Dに示す実施例では、容器102は、少なくとも一部が水蒸気に対して透過性であり且つ液体の水に対して不透過性の材料から形成された、前記第2内部空間150の境界を定める壁103を含んでいてもよい。このような実施例では、液体L’は、壁103の水蒸気透過性部分及び液体水不透過性部分のため、空間150からデバイス100の外側の周囲に浸透することによって、経時的に、自動的に放散する。壁103は、本出願人の現在継続中の米国特許出願第12/539,088号に記載されており且つ開示されているのと同様に、更に、内毛管作用層及び/又は構造的剛性及び強度を高めるための外メッシュ層を含んでいてもよい。出典を明示することにより、この出願に開示された全ての内容は本明細書の開示の一部とされる。図2A乃至図2Dは、本発明の別の好ましい実施例を組み立てた形態で示す図である。図2A乃至図2Dには、デバイス100と同様の自動水除去−放散デバイス200が示してある。この実施例では、下容器202全体が水蒸気に対して透過性であり且つ液体の水に対して不透過性であり、実質的にバケツ形状を有し、丸みがあり且つ閉鎖した下端206及び中間カップリングリング207を介してハウジング101に連結された開放した上端201を有する。容器202の壁203は、水蒸気に対して透過性であり且つ液体の水に対して不透過性の材料で形成されており、単一の材料で形成されていてもよいし複合材料で形成されていてもよく、シンパテックステクノロジーズGmbHが製造しているポリマーで形成されたシンパテックス(シンパテックス(Sympatex)は登録商標である)水蒸気透過性材料又はメンブレンで形成された部分又は層を含む。壁203は、幾つかの材料層の複合材料で形成されていてもよい。材料層には、更に、ポリエステル、ポリエステルとポリプロピレンの混紡、ナイロン、ポリエチレン、又は紙で形成された編製布又は不織布でできた毛管作用層が含まれる。毛管作用層は、フライデンベルグ&Co.KG.Aが製造しているエヴォロン(エヴォロン(Evolon)は登録商標である)ファブリック材料等のマイクロフィラメント又はマイクロファイバ材料で形成されていてもよい。毛管作用材料の一つの特定の例は、70%がポリプロピレンで30%がポリエチレンの不織布材料である。毛管作用層は、現在継続中の米国特許出願第12/539,088号に更に詳細に説明されているように、デバイス200の外側の周囲に壁を通して更に効率的に且つ迅速に放散するように、リザーバ250に溜まった液体L’’の壁203による吸収を促進する。
【0024】
図1A乃至図1Dに示す実施例及び図2A乃至図2Dに示す実施例の両方において、第2内部空間150及び250の容積は、上文中に説明したように、ハウジング101内の第1内部空間及び圧縮可能容積よりもかなり大きい。確かに、空間150及び250は、呼吸回路流140及び呼吸回路の残りから分離された液体の水を収集するための手段を提供するため、デバイス100、200の夫々の内部の圧縮可能容積よりも遥かに大きいように形成できる。図2A乃至図2Dに示す好ましい実施例では、透過性容器202の壁203によって形成された内部空間250が提供する容積は、呼吸回路に連結されたとき、デバイス200の圧縮可能容積を増大することなく、従来のデバイスよりもかなり大きくできる。上文中に論じたように、空間250は、ハウジング101が形成する圧縮可能な内部空間よりも少なくとも2倍乃至10倍大きい。更に、好ましい実施例では、壁203が形成する表面積は、入口ポート130が、デバイスに流入する流体の入口全体を形成する場合、入口ポート130の横方向断面積によって計測した呼吸回路流の断面積よりも少なくとも30倍乃至350倍大きい。これらの特定の寸法及び形状の全てにより、内部流れ空間及び容積250及びこれによって取り囲まれる表面積を、デバイスが連結された呼吸回路を通る流れと比較した場合、比較的大きくでき、透過性メンブレン壁203を通した水の除去及び放散を促進する。これは、容積250が比較的大きく、これと対応して壁203の表面積が比較的大きいため、透過性メンブレンを通して伝達するための大きな表面積が提供され、比較的大きな流れ容積即ち空間が提供されるためである。これにより、容積250内での水蒸気即ち水分を含むガスの滞留時間が増大し、水分が壁203内の毛管作用層によって吸収され及び/又は透過性壁203を通して更に迅速に即ち効率的に伝達され、及びかくして水をデバイス200内から周囲に放散するための良好な手段を提供する。これは、全て、デバイス及び/又はデバイスが連結された呼吸回路システムの圧縮可能容積即ちコンプライアンスを増大することなく行われる。
【0025】
更に、ハウジング101内のフロートバルブ機構により、本発明のデバイスを、本明細書中に説明した幾つかの実施例において、呼吸回路の吸気分枝部(inspiratory limb)に連結できる。これは、本デバイスが、患者に提供しようとする水又は水分を除去したり放散したりしないためである。こうした水又は水分は、上文中に説明したように、過剰量が存在し、これが凝縮してハウジング101に溜まらない限り、こうした吸気分枝部を通って患者に達しなければならない。
【0026】
デバイスが吸気分枝部でなく呼気分枝部(expiratory limb) に配置されるようになっている場合、即ち呼吸回路空気から水分を除去するようになっているには、デバイス100又は200は、更に、呼吸回路流の冷却を促し、水分を凝縮するための手段(図示せず)が設けられていてもよい。このような手段は、例えば薄壁褶曲チューブ、又はポート130、132の内側面又は外側面に配置された他の熱伝達構造等であり、入口ポート130又は出口ポート132に連結される。
【0027】
従って、本発明は、図1乃至図2Dに示す実施例に開示されているように、呼吸回路から水又は溜まった水分を自動的に除去する方法を提供する。この方法は、容器102、202がハウジング101に連結されたデバイス100又は200を提供する工程を含む。容器の壁の少なくとも一部は、水蒸気透過性であり且つ液体の水に対して不透過性の材料で形成されている。この材料は、好ましい実施例では、水蒸気に対して全体に透過性であり且つ液体の水に対して不透過性である。この方法では、デバイス100又は200は、入口ポート130及び出口ポート132を介して呼吸回路のチューブ(図示せず)に連結されており、内部空間150又は250に溜まった水又は水分L’又はL’’を壁103又は203を通してデバイスの外側の周囲に拡散できる。この方法は、デバイス100又は200がひとたび呼吸回路のチューブ及びシステムに連結されると、容器102又は202の透過性部分を通して水又は液体が効果的に放散される限り、追加の操作即ち使用者の介入を必要としないという点で自動的である。この方法では、デバイス100又は200を呼吸回路の吸気分枝部に配置でき、又は他の特定の実施例では、吸気分枝部の加熱部分と非加熱部分との間の接合部に配置できる。別の態様では、本方法において、デバイス100又は200を呼吸回路の呼気分枝部に配置でき、又は他の特定の実施例では、呼気分枝部の加熱部分と非加熱部分との間の接合部に配置できる。本方法は、更に、デバイス100又は200を吸気分枝部及び呼気分枝部の各々に配置する工程を含んでいてもよく、又は他の特定の実施例では、吸気分枝部及び呼気分枝部の加熱部分と非加熱部分との間の接合部に配置できる。更に、本方法は、呼吸回路流の冷却及び水分の凝縮を促進するための手段をデバイス100又は200の入口ポート又は出口ポートに連結できる。
【0028】
図3A乃至図3Fは、ハウジング101と同様のハウジング301を持つデバイス300を含む、本発明の別の好ましい実施例を示す図である。ハウジング301には入口ポート130及び出口ポート132が設けられている。ハウジング301は上部品110及び下部品311で形成されており、これらの部品は、互いに取り付けられて浮力フロート体112が配置される内部空間を形成する。浮力フロート体112は、上文中に論じたデバイス100及び200のフロートバルブ機構と同様に、デバイス300内にフロートバルブ機構の第1部品を形成する。ハウジング301は、更に、ハウジング301の下端部分に配置されたドレンポート320を含む。ドレンポート320の周囲にフロートバルブ弁座321が配置されている。デバイス300では、デバイスの下端部分302は、ドレンポート320を、吸引力即ちハウジング301の内部空間に対して負圧の供給源に流動学的に連結するためのコネクタ301に連結されるように形成されている。吸引力即ち負圧(負のゲージ圧力)は、任意の適当な手段によって供給されてもよく、こうした吸引力即ち負圧は、コネクタチューブ301の内腔350から、デバイス300を通して、液体「L」が溜まったハウジング301の内部空間に伝達される。
【0029】
図3Cは、図3A及び図3Bの実施例をフロートバルブ機構が閉鎖した状態で示す断面図である。図3Eは、図3Cの領域「E」の拡大断面図である。図3Dは、図3A及び図3Bの実施例をフロートバルブ機構が開放した状態で示す断面図である。図3Fは、図3Dの領域「F」の拡大断面図である。図3Eに最もよく示すように、デバイス300の下端部分は、更に、吸引力即ち負圧の供給源をコネクタ内腔350を介してデバイスの外側の周囲に流動学的に連結するための少なくとも一つのブリードポート360を形成する。更に、デバイス300の下端部分302は、下開口部372を形成するドレン流受け取り区分370を含んでいてもよい。この区分を通して液体を排出できる。図3E及び図3Fに示す実施例では、前記ドレン流受け取り区分370は二つのブリードポート360を形成する。これらのブリードポート360により、デバイス300の外側の周囲圧力の即ち大気圧の周囲と、吸引力供給源によってコネクタ内腔350に加えられた負圧又は真空との間の圧力を等しくできる。負圧は、開口部372を通してハウジング301のドレンポート320に、及びこれによってハウジング301の内部空間内に伝達される。このような空間内に水や液体が存在しない場合には、浮力フロート体112は、図3Cに示すようにフロートバルブ弁座321に着座し、ハウジング301の内部空間をシールする。しかしながら、内腔350から、ハウジング301に連結されたデバイス300の下端部分302によって包囲された第2内部空間355に伝達された負圧により、このような位置において、ハウジング301の内部空間とハウジング301の外側の空間355との間に正の圧力差が発生し、浮力フロート体112をフロートバルブ弁座321にしっかりと着座する。ブリードポート360が設けられていない場合には、このような圧力差は、大量の液体がハウジング301内に溜まった場合でも、フロート体112を着座状態から外して排出開口部320を開放し、水を排出することを困難にするという点で望ましくない。圧力差は、フロート体112に逆方向に作用する浮力よりも大きくてもよい。この作用を緩和し、潜在的圧力差を低減するため、ブリードポート360は、図3Eに流れ矢印375で示すように、吸引コネクタ内腔350と周囲空気との間の圧力を等しくすることによって、開口部372を介して空間355に加えられ伝達される吸引力又は真空圧力を低減するように位置決めされており且つそのような大きさを備えている。これを確実に行うため、ドレン流受け取り区分370は、更に、一方向バルブエレメントを形成する。一方向バルブエレメントは、フロート体112がフロートバルブ弁座321に着座してハウジング301のドレンポート320をシールしているとき、開放することにより、ブリードポート360を通して吸引力又は負圧の供給源に流すことができる。図3E及び図3Fに示すように、ドレン流受け取り区分370は、下開口部372を形成する細い円錐形ネック380、及び前記ネック380を同心をなして取り囲むチューブ状エレメント390を含む。エレメントは、コネクタ301のチューブ状内腔350に挿入されるように形成された下端ポート392を形成する。一方向バルブエレメントは、ネック380からチューブ状エレメント390の下リム395まで延びる少なくとも一つのフラップ388を含む。図3Fに示す位置では、可撓性の円形リングエレメントとして形成されていてもよいフラップ388は、ネックエレメント380に取り付けられており、チューブ状エレメント390に被さって閉鎖し、ブリードポート360及び周囲を吸引内腔350及びデバイス300の内部の残りから閉鎖する。ハウジング301の内部空間に溜まった水又は液体Lは、十分な浮力によりフロート体112がフロートバルブ弁座321から押し離され、水又は液体を受け入れ空間355を通して排出できるとき、ポート320を通して排出でき、デバイス301から完全に除去するため、開口部372を通って吸引コネクタ301内に排出できる。十分な量の排液が行われると、フロート体112は再びフロートバルブ弁座321に着座し、ドレンポート320を閉鎖し、内腔350を通して吸引力を加え続けることによりフラップ388を下方に引っ張ってチューブ状エレメント390のリム395から離す。これによりブリードポート360から吸引内腔350までの流れ375を形成でき、これによってフロート体112をフロートバルブ弁座321に不必要に強く着座する吸引力を低減する。ブリードポート360の大きさは、コネクタ301を通して加えられる吸引力の量に合わせて、本明細書中に説明した所望の作動を行うように較正できる。従って、デバイス300は、液体を第1流体受け入れ空間355内に排出する第1液体ドレンポート320を含む。第1液体ドレンポート320は、下方に向かって第2液体ドレンポート372に向かって先細になっている。第2液体ドレンポート372は、コネクタ内腔350を介して吸引力供給源に流動学的に連結されている。バルブエレメント388は、内腔350内の吸引力供給源と、デバイス300の構造部分が形成するブリードポート360との間に障壁を形成することによって、吸引力供給源又は内腔350をデバイス300の外側の周囲から分ける。デバイス300の構造部分は、例えば下端部分302、又は特定の実施例では、ハウジング301に連結された、又はハウジング301と一体に形成されたドレン流受け入れ区分370等である。かくして、液体を排出するための第1流路が、空間355からオリフィス372を通って吸引内腔350まで形成され、これに対し圧力を均等にするための第2流路が、ブリードポート360からバルブエレメント388を通って(図3Eにおけるように開放しているとき)吸引内腔350まで形成される。
【0030】
デバイス300を呼気分枝部に配置しようとする場合、又は呼吸回路空気から水分を除去しようとする場合には、デバイス300は、更に、呼吸回路流の冷却を促し、入口ポート130又は出口ポート132に連結された、水分を凝縮するための手段(図示せず)を含んでいてもよい。こうした手段は、例えば、入口ポート130又は出口ポート132の内側面又は外側面に配置された薄壁褶曲チューブ又は他の熱伝達構造等である。
【0031】
従って、本発明は、図3A乃至図3Fに示す実施例に開示されているように、水又は溜まった水分を呼吸回路から自動的に除去する方法を提供する。本方法は、吸引力又は負圧の供給源(図示せず)にコネクタ301を介して連結されたデバイスを提供する工程を含む。この方法では、デバイス300は、入口ポート130又は出口ポート132を介して呼吸回路のチューブ(図示せず)に連結されており、ハウジング301の内部空間に溜まった水L’又は水分L’’を、上文中に説明したように、吸引力供給源に排出できる。本方法は、デバイス300がひとたび呼吸回路のチューブ及びシステムに連結されると、吸引力が加えられ、フロートバルブ機構が、上文中に説明したように、フロート体112がフロートバルブ弁座321に強く押し付けられ過ぎないようにブリードポート360と係合して作動し、ハウジング301に十分な量の水が溜まったときに水を排出できる限り、追加の操作又は使用者の介入を必要としないという点で自動的である。本方法では、デバイス300は、呼吸回路の呼気分枝部に配置でき、別の特定の実施例では、呼気分枝部の加熱部分と非加熱部分との間の接合部に配置できる。本方法は、更に、デバイス300を吸気分枝部及び呼気分枝部の各々に配置し、別の特定の実施例では、吸気分枝部及び呼気分枝部の加熱部分と非加熱部分との間の接合部に配置できる。更に、本方法では、呼吸回路流の冷却及び水分の凝縮を促進するための手段をデバイス300の入口ポート又は出口ポートに連結できる。
【0032】
本発明は、従って、本発明によるデバイスが連結された呼吸回路システム内の圧縮可能容積を減少し最小にすると同時に、溜まった水及び/又は水蒸気をシステムから効果的に除去し放散する際に呼吸回路流を周囲から遮断する一定の水障壁を提供するデバイス及び方法を提供する。これにより、水除去−放散デバイスを呼吸回路の吸気分枝部に配置できる。これは、デバイスが、患者のために加えられた水分を除去しないためである。本明細書中に説明したように、本発明は、従来周知の水放散デバイスのコンプライアンス及び圧縮可能容積を大幅に減少し、回路内の流れがメンブレンから遮断されるため、透過性のメンブレンを使用する同様のデバイスでの潜在的ピンホール漏れの危険な状態を低減する。これによって、直接的空気漏洩路をなくし、更に、このような透過性のメンブレンを用いる実施例に悪影響を及ぼす呼吸回路流内のエアゾール療法の懸念をなくし、呼吸回路の圧縮可能容積を増大することなく比較的大きな透過性メンブレンを使用でき、及びかくして水伝達量を増大するのを補助する。
【0033】
本発明の多くの特徴及び利点は以上の詳細な説明から明らかであり、本発明の真の精神及び範囲内の本発明の全てのこのような特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲に含まれる。更に、当業者は多くの変形及び変更を容易に思いつくため、本発明を本明細書中に例示し且つ説明した正確な構造及び作動に限定することは望ましくなく、従って、全ての適当な変形及び等価物は本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0034】
100 水除去−放散デバイス
101 ハウジング
102 円筒形下容器
103 側壁
104 上開口部
106 下面
108 上部分アッセンブリ
110 上部品
111 下部品
112 浮力フロート体
113 O−リング
115 下端
120 ドレンポート
121 フロートバルブ弁座
130 入口ポート
132 出口ポート
140 加湿ガス流路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸回路から水又は溜まった水分を自動的に除去するためのデバイスにおいて、
ハウジングであって、
前記呼吸回路から流れを受け取るための入口ポート、
流れを前記呼吸回路に伝達するための出口ポート、
前記ハウジングの下端部分に配置されたドレンポート、及び
前記ドレンポートの周囲に配置されたフロートバルブ弁座を含み、前記ハウジングは、更に、前記ポートの全てに流動学的に連結された第1内部空間を形成する、ハウジングと、
前記第1内部空間に配置された、前記フロートバルブ弁座と係合して前記ドレンポートをシールする形態の下端を形成する浮力フロート体であって、前記浮力フロート体の前記下端を前記フロートバルブ弁座から離し、液体を前記ドレンポートを通して流すことができるのに十分な量の液体が前記内部空間に溜まったとき、前記内部空間内で上方に移動でき、前記ハウジングによって形成された、前記入口ポート及び前記出口ポートが形成する容積を除く前記第1内部空間が形成する容積の少なくとも半分を占める容積を形成する、前記浮力フロート体と、
前記ドレンポートから出る流れを受け取るため、前記ハウジングに連結された容器であって、水又は溜まった水分を収集するための第2内部空間を形成し、前記第2内部空間は、前記デバイスの外側の周囲に対して閉鎖しており、前記容器は、更に、前記第2内部空間の境界を定める壁を含み、前記壁は、少なくとも一部が水蒸気に対して透過性であり且つ液体の水に対して不透過性の材料で形成されている、容器とを含む、デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のデバイスにおいて、
前記容器の前記壁の全体が水蒸気に対して透過性であり且つ液体の水に対して不透過性である、デバイス。
【請求項3】
請求項2に記載のデバイスにおいて、
前記容器は実質的にバケツ形状であり、閉鎖した下端及び前記ハウジングに連結された開放した上端を有する、デバイス。
【請求項4】
請求項1に記載のデバイスにおいて、
前記第2内部空間の容積は、前記第1内部空間よりもかなり大きい、デバイス。
【請求項5】
請求項1に記載のデバイスにおいて、更に、
前記入口ポート及び前記出口ポートに連結された、呼吸回路流の冷却及び水分の凝縮を促進するための手段を含む、デバイス。
【請求項6】
呼吸回路から水又は溜まった水分を自動的に除去するためのデバイスにおいて、
ハウジングであって、
前記呼吸回路から流れを受け取るための入口ポート、
流れを前記呼吸回路に伝達するための出口ポート、
前記ハウジングの下端部分に配置されたドレンポート、及び
前記ドレンポートの周囲に配置されたフロートバルブ弁座を含み、前記ハウジングは、更に、前記ポートの全てに流動学的に連結された第1内部空間を形成する、ハウジングと、
前記第1内部空間に配置された、前記フロートバルブ弁座と係合して前記ドレンポートをシールする形態の下端を形成する浮力フロート体であって、前記浮力フロート体の前記下端を前記フロートバルブ弁座から離し、液体を前記ドレンポートを通して流すことができるのに十分な量の液体が前記内部空間に溜まったとき、前記内部空間内で上方に移動でき、前記ハウジングによって形成された、前記入口ポート及び前記出口ポートが形成する容積を除く前記第1内部空間が形成する容積の少なくとも半分を占める容積を形成する、前記浮力フロート体とを含み、
前記デバイスの下端部分は、前記ドレンポートを吸引力又は前記第1内部空間に対する負圧の供給源に流動学的に連結するためのコネクタに連結されるように形成されている、デバイス。
【請求項7】
請求項6に記載のデバイスにおいて、
前記デバイスの前記下端部分は、更に、吸引力又は前記デバイスの外側の周囲に対する負圧の供給源に流動学的に連結するための少なくとも一つのブリードポートを形成する、デバイス。
【請求項8】
請求項7に記載のデバイスにおいて、
前記デバイスの前記下端部分は、液体を通して排出できる下開口部を形成するドレン流受け入れ区分を含み、前記ドレン流受け入れ区分は、少なくとも一つのブリードポートを形成する、デバイス。
【請求項9】
請求項8に記載のデバイスにおいて、
前記ドレン流受け入れ区分は、更に、一方向バルブエレメントを形成し、前記バルブエレメントは、前記フロート体が前記フロートバルブ弁座と係合し、前記ハウジングの前記ドレンポートをシールしたとき、開放することにより、前記少なくとも一つのブリードポートを通して吸引力又は負圧の供給源に流すことができる、デバイス。
【請求項10】
請求項9に記載のデバイスにおいて、
前記ドレン流受け入れ区分は、更に、前記下開口部を形成する円錐形ネックと、前記ネックを取り囲み、前記コネクタのチューブ状内腔に挿入されるように形成された下端ポートを形成するチューブ状エレメントとを含み、前記一方向バルブエレメントは、前記ネックから前記チューブ状エレメントのリムまで延びる少なくとも一つのフラップを含む、デバイス。
【請求項11】
請求項6に記載のデバイスにおいて、更に、
前記入口ポート又は前記出口ポートに連結された、呼吸回路流の冷却及び水分の凝縮を促進するための手段を含む、デバイス。
【請求項12】
呼吸回路から水又は溜まった水分を自動的に除去する方法において、
ハウジングを提供する工程であって、前記ハウジングは、
前記呼吸回路から流れを受け取るための入口ポート、
流れを前記呼吸回路に伝達するための出口ポート、
前記ハウジングの下端部分に配置されたドレンポート、及び
前記ドレンポートの周囲に配置されたフロートバルブ弁座を含み、前記ハウジングは、更に、前記ポートの全てに流動学的に連結された第1内部空間を形成する、ハウジングを提供する工程と、
前記フロートバルブ弁座と係合して前記ドレンポートをシールする形態の下端を形成する浮力フロート体を前記第1内部空間に配置する工程であって、前記浮力フロート体は、前記浮力フロート体の前記下端を前記フロートバルブ弁座から離し、液体を前記ドレンポートを通して流すことができるのに十分な量の液体が前記内部空間に溜まったとき、前記内部空間内で上方に移動でき、前記ハウジングによって形成された、前記入口ポート及び前記出口ポートが形成する容積を除く前記第1内部空間が形成する容積の少なくとも半分を占める容積を形成する、工程と、
前記ドレンポートから出る流れを受け取るため、容器を前記ハウジングに連結する工程であって、前記容器は、水又は溜まった水分を収集するための第2内部空間を形成し、前記第2内部空間は、前記デバイスの外側の周囲に対して閉鎖しており、前記容器は、更に、前記第2内部空間の境界を定める壁を含み、前記壁は、少なくとも一部が水蒸気に対して透過性であり且つ液体の水に対して不透過性の材料で形成されている、工程と、
前記入口ポート及び前記出口ポートを前記呼吸回路のチューブに連結する工程と、
前記第2内部空間に溜まった水又は水分を、前記壁を通して、前記デバイスの外側の周囲に拡散する工程とを含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、
前記容器の壁の全体が、水蒸気に対して透過性であり且つ液体の水に対して不透過性である、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、
前記容器は実質的にバケツ形状であり、閉鎖した下端及び前記ハウジングに連結された開放した上端を有する、方法。
【請求項15】
請求項12に記載の方法において、
前記第2内部空間の容積は、前記第1内部空間よりもかなり大きい、方法。
【請求項16】
請求項12に記載の方法において、
前記呼吸回路のチューブは、前記呼吸回路の吸気分枝部である、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、
前記ハウジングは、前記吸気分枝部の加熱部分と非加熱部分との間の接合部に配置される、方法。
【請求項18】
請求項12に記載の方法において、
前記呼吸回路のチューブは、前記呼吸回路の呼気分枝部である、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、
前記ハウジングは、前記呼気分枝部の加熱部分と非加熱部分との間の接合部に配置される、方法。
【請求項20】
請求項12に記載の方法において、
呼吸回路流の冷却及び水分の凝縮を促進するための手段が前記入口ポート及び前記出口ポートに連結されている、方法。
【請求項21】
呼吸回路から水又は溜まった水分を自動的に除去する方法において、
ハウジングを提供する工程であって、前記ハウジングは、
前記呼吸回路から流れを受け取るための入口ポート、
流れを前記呼吸回路に伝達するための出口ポート、
前記ハウジングの下端部分に配置されたドレンポート、及び
前記ドレンポートの周囲に配置されたフロートバルブ弁座を含み、前記ハウジングは、更に、前記ポートの全てに流動学的に連結された第1内部空間を形成する、ハウジングを提供する工程と、
前記フロートバルブ弁座と係合して前記ドレンポートをシールする形態の下端を形成する浮力フロート体を前記第1内部空間に配置する工程であって、前記浮力フロート体は、前記浮力フロート体の前記下端を前記フロートバルブ弁座から離し、液体を前記ドレンポートを通して流すことができるのに十分な量の液体が前記内部空間に溜まったとき、前記内部空間内で上方に移動でき、前記ハウジングによって形成された、前記入口ポート及び前記出口ポートが形成する容積を除く前記第1内部空間が形成する容積の少なくとも半分を占める容積を形成する、工程と、
前記入口ポート及び前記出口ポートを呼吸回路のチューブに連結する工程と、
前記デバイスの下端部分及び前記ドレンポートを吸引力又は前記第1内部空間に対する負圧の供給源に連結する工程とを含む、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法において、
前記デバイスの前記下端部分は、更に、更に、吸引力又は前記デバイスの外側の周囲に対する負圧の供給源に流動学的に連結するための少なくとも一つのブリードポートを形成する、方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法において、
前記デバイスの前記下端部分は、液体を通して排出できる下開口部を形成するドレン流受け入れ区分を含み、前記ドレン流受け入れ区分は、少なくとも一つのブリードポートを形成し、
前記ドレン流受け入れ区分は、更に、一方向バルブエレメントを形成し、前記バルブエレメントは、前記フロート体が前記フロートバルブ弁座と係合し、前記ハウジングの前記ドレンポートをシールしたとき、開放することにより、前記少なくとも一つのブリードポートを通して吸引力又は負圧の供給源に流すことができる、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法において、
前記ドレン流受け入れ区分は、更に、前記下開口部を形成する円錐形ネックと、前記ネックを取り囲み、前記コネクタのチューブ状内腔に挿入されるように形成された下端ポートを形成するチューブ状エレメントとを含み、前記一方向バルブエレメントは、前記ネックから前記チューブ状エレメントのリムまで延びる少なくとも一つのフラップを含む、方法。
【請求項25】
請求項21に記載の方法において、
前記呼吸回路のチューブは、前記呼吸回路の吸気分枝部である、方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法において、
前記ハウジングは、前記吸気分枝部の加熱部分と非加熱部分との間の接合部に配置される、方法。
【請求項27】
請求項21に記載の方法において、
前記呼吸回路のチューブは、前記呼吸回路の呼気分枝部である、方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法において、
前記ハウジングは、前記呼気分枝部の加熱部分と非加熱部分との間の接合部に配置される、方法。
【請求項29】
請求項21に記載の方法において、
呼吸回路流の冷却及び水分の凝縮を促進するための手段が前記入口ポート及び前記出口ポートに連結されている、方法。
【請求項1】
呼吸回路から水又は溜まった水分を自動的に除去するためのデバイスにおいて、
ハウジングであって、
前記呼吸回路から流れを受け取るための入口ポート、
流れを前記呼吸回路に伝達するための出口ポート、
前記ハウジングの下端部分に配置されたドレンポート、及び
前記ドレンポートの周囲に配置されたフロートバルブ弁座を含み、前記ハウジングは、更に、前記ポートの全てに流動学的に連結された第1内部空間を形成する、ハウジングと、
前記第1内部空間に配置された、前記フロートバルブ弁座と係合して前記ドレンポートをシールする形態の下端を形成する浮力フロート体であって、前記浮力フロート体の前記下端を前記フロートバルブ弁座から離し、液体を前記ドレンポートを通して流すことができるのに十分な量の液体が前記内部空間に溜まったとき、前記内部空間内で上方に移動でき、前記ハウジングによって形成された、前記入口ポート及び前記出口ポートが形成する容積を除く前記第1内部空間が形成する容積の少なくとも半分を占める容積を形成する、前記浮力フロート体と、
前記ドレンポートから出る流れを受け取るため、前記ハウジングに連結された容器であって、水又は溜まった水分を収集するための第2内部空間を形成し、前記第2内部空間は、前記デバイスの外側の周囲に対して閉鎖しており、前記容器は、更に、前記第2内部空間の境界を定める壁を含み、前記壁は、少なくとも一部が水蒸気に対して透過性であり且つ液体の水に対して不透過性の材料で形成されている、容器とを含む、デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のデバイスにおいて、
前記容器の前記壁の全体が水蒸気に対して透過性であり且つ液体の水に対して不透過性である、デバイス。
【請求項3】
請求項2に記載のデバイスにおいて、
前記容器は実質的にバケツ形状であり、閉鎖した下端及び前記ハウジングに連結された開放した上端を有する、デバイス。
【請求項4】
請求項1に記載のデバイスにおいて、
前記第2内部空間の容積は、前記第1内部空間よりもかなり大きい、デバイス。
【請求項5】
請求項1に記載のデバイスにおいて、更に、
前記入口ポート及び前記出口ポートに連結された、呼吸回路流の冷却及び水分の凝縮を促進するための手段を含む、デバイス。
【請求項6】
呼吸回路から水又は溜まった水分を自動的に除去するためのデバイスにおいて、
ハウジングであって、
前記呼吸回路から流れを受け取るための入口ポート、
流れを前記呼吸回路に伝達するための出口ポート、
前記ハウジングの下端部分に配置されたドレンポート、及び
前記ドレンポートの周囲に配置されたフロートバルブ弁座を含み、前記ハウジングは、更に、前記ポートの全てに流動学的に連結された第1内部空間を形成する、ハウジングと、
前記第1内部空間に配置された、前記フロートバルブ弁座と係合して前記ドレンポートをシールする形態の下端を形成する浮力フロート体であって、前記浮力フロート体の前記下端を前記フロートバルブ弁座から離し、液体を前記ドレンポートを通して流すことができるのに十分な量の液体が前記内部空間に溜まったとき、前記内部空間内で上方に移動でき、前記ハウジングによって形成された、前記入口ポート及び前記出口ポートが形成する容積を除く前記第1内部空間が形成する容積の少なくとも半分を占める容積を形成する、前記浮力フロート体とを含み、
前記デバイスの下端部分は、前記ドレンポートを吸引力又は前記第1内部空間に対する負圧の供給源に流動学的に連結するためのコネクタに連結されるように形成されている、デバイス。
【請求項7】
請求項6に記載のデバイスにおいて、
前記デバイスの前記下端部分は、更に、吸引力又は前記デバイスの外側の周囲に対する負圧の供給源に流動学的に連結するための少なくとも一つのブリードポートを形成する、デバイス。
【請求項8】
請求項7に記載のデバイスにおいて、
前記デバイスの前記下端部分は、液体を通して排出できる下開口部を形成するドレン流受け入れ区分を含み、前記ドレン流受け入れ区分は、少なくとも一つのブリードポートを形成する、デバイス。
【請求項9】
請求項8に記載のデバイスにおいて、
前記ドレン流受け入れ区分は、更に、一方向バルブエレメントを形成し、前記バルブエレメントは、前記フロート体が前記フロートバルブ弁座と係合し、前記ハウジングの前記ドレンポートをシールしたとき、開放することにより、前記少なくとも一つのブリードポートを通して吸引力又は負圧の供給源に流すことができる、デバイス。
【請求項10】
請求項9に記載のデバイスにおいて、
前記ドレン流受け入れ区分は、更に、前記下開口部を形成する円錐形ネックと、前記ネックを取り囲み、前記コネクタのチューブ状内腔に挿入されるように形成された下端ポートを形成するチューブ状エレメントとを含み、前記一方向バルブエレメントは、前記ネックから前記チューブ状エレメントのリムまで延びる少なくとも一つのフラップを含む、デバイス。
【請求項11】
請求項6に記載のデバイスにおいて、更に、
前記入口ポート又は前記出口ポートに連結された、呼吸回路流の冷却及び水分の凝縮を促進するための手段を含む、デバイス。
【請求項12】
呼吸回路から水又は溜まった水分を自動的に除去する方法において、
ハウジングを提供する工程であって、前記ハウジングは、
前記呼吸回路から流れを受け取るための入口ポート、
流れを前記呼吸回路に伝達するための出口ポート、
前記ハウジングの下端部分に配置されたドレンポート、及び
前記ドレンポートの周囲に配置されたフロートバルブ弁座を含み、前記ハウジングは、更に、前記ポートの全てに流動学的に連結された第1内部空間を形成する、ハウジングを提供する工程と、
前記フロートバルブ弁座と係合して前記ドレンポートをシールする形態の下端を形成する浮力フロート体を前記第1内部空間に配置する工程であって、前記浮力フロート体は、前記浮力フロート体の前記下端を前記フロートバルブ弁座から離し、液体を前記ドレンポートを通して流すことができるのに十分な量の液体が前記内部空間に溜まったとき、前記内部空間内で上方に移動でき、前記ハウジングによって形成された、前記入口ポート及び前記出口ポートが形成する容積を除く前記第1内部空間が形成する容積の少なくとも半分を占める容積を形成する、工程と、
前記ドレンポートから出る流れを受け取るため、容器を前記ハウジングに連結する工程であって、前記容器は、水又は溜まった水分を収集するための第2内部空間を形成し、前記第2内部空間は、前記デバイスの外側の周囲に対して閉鎖しており、前記容器は、更に、前記第2内部空間の境界を定める壁を含み、前記壁は、少なくとも一部が水蒸気に対して透過性であり且つ液体の水に対して不透過性の材料で形成されている、工程と、
前記入口ポート及び前記出口ポートを前記呼吸回路のチューブに連結する工程と、
前記第2内部空間に溜まった水又は水分を、前記壁を通して、前記デバイスの外側の周囲に拡散する工程とを含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、
前記容器の壁の全体が、水蒸気に対して透過性であり且つ液体の水に対して不透過性である、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、
前記容器は実質的にバケツ形状であり、閉鎖した下端及び前記ハウジングに連結された開放した上端を有する、方法。
【請求項15】
請求項12に記載の方法において、
前記第2内部空間の容積は、前記第1内部空間よりもかなり大きい、方法。
【請求項16】
請求項12に記載の方法において、
前記呼吸回路のチューブは、前記呼吸回路の吸気分枝部である、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、
前記ハウジングは、前記吸気分枝部の加熱部分と非加熱部分との間の接合部に配置される、方法。
【請求項18】
請求項12に記載の方法において、
前記呼吸回路のチューブは、前記呼吸回路の呼気分枝部である、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、
前記ハウジングは、前記呼気分枝部の加熱部分と非加熱部分との間の接合部に配置される、方法。
【請求項20】
請求項12に記載の方法において、
呼吸回路流の冷却及び水分の凝縮を促進するための手段が前記入口ポート及び前記出口ポートに連結されている、方法。
【請求項21】
呼吸回路から水又は溜まった水分を自動的に除去する方法において、
ハウジングを提供する工程であって、前記ハウジングは、
前記呼吸回路から流れを受け取るための入口ポート、
流れを前記呼吸回路に伝達するための出口ポート、
前記ハウジングの下端部分に配置されたドレンポート、及び
前記ドレンポートの周囲に配置されたフロートバルブ弁座を含み、前記ハウジングは、更に、前記ポートの全てに流動学的に連結された第1内部空間を形成する、ハウジングを提供する工程と、
前記フロートバルブ弁座と係合して前記ドレンポートをシールする形態の下端を形成する浮力フロート体を前記第1内部空間に配置する工程であって、前記浮力フロート体は、前記浮力フロート体の前記下端を前記フロートバルブ弁座から離し、液体を前記ドレンポートを通して流すことができるのに十分な量の液体が前記内部空間に溜まったとき、前記内部空間内で上方に移動でき、前記ハウジングによって形成された、前記入口ポート及び前記出口ポートが形成する容積を除く前記第1内部空間が形成する容積の少なくとも半分を占める容積を形成する、工程と、
前記入口ポート及び前記出口ポートを呼吸回路のチューブに連結する工程と、
前記デバイスの下端部分及び前記ドレンポートを吸引力又は前記第1内部空間に対する負圧の供給源に連結する工程とを含む、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法において、
前記デバイスの前記下端部分は、更に、更に、吸引力又は前記デバイスの外側の周囲に対する負圧の供給源に流動学的に連結するための少なくとも一つのブリードポートを形成する、方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法において、
前記デバイスの前記下端部分は、液体を通して排出できる下開口部を形成するドレン流受け入れ区分を含み、前記ドレン流受け入れ区分は、少なくとも一つのブリードポートを形成し、
前記ドレン流受け入れ区分は、更に、一方向バルブエレメントを形成し、前記バルブエレメントは、前記フロート体が前記フロートバルブ弁座と係合し、前記ハウジングの前記ドレンポートをシールしたとき、開放することにより、前記少なくとも一つのブリードポートを通して吸引力又は負圧の供給源に流すことができる、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法において、
前記ドレン流受け入れ区分は、更に、前記下開口部を形成する円錐形ネックと、前記ネックを取り囲み、前記コネクタのチューブ状内腔に挿入されるように形成された下端ポートを形成するチューブ状エレメントとを含み、前記一方向バルブエレメントは、前記ネックから前記チューブ状エレメントのリムまで延びる少なくとも一つのフラップを含む、方法。
【請求項25】
請求項21に記載の方法において、
前記呼吸回路のチューブは、前記呼吸回路の吸気分枝部である、方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法において、
前記ハウジングは、前記吸気分枝部の加熱部分と非加熱部分との間の接合部に配置される、方法。
【請求項27】
請求項21に記載の方法において、
前記呼吸回路のチューブは、前記呼吸回路の呼気分枝部である、方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法において、
前記ハウジングは、前記呼気分枝部の加熱部分と非加熱部分との間の接合部に配置される、方法。
【請求項29】
請求項21に記載の方法において、
呼吸回路流の冷却及び水分の凝縮を促進するための手段が前記入口ポート及び前記出口ポートに連結されている、方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【公開番号】特開2012−223586(P2012−223586A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−110003(P2012−110003)
【出願日】平成24年4月20日(2012.4.20)
【出願人】(500552489)テレフレックス・メディカル・インコーポレイテッド (11)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−110003(P2012−110003)
【出願日】平成24年4月20日(2012.4.20)
【出願人】(500552489)テレフレックス・メディカル・インコーポレイテッド (11)
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