説明

自動精米装置

【課題】操作を簡単にする。
【解決手段】自動精米装置10では、玄米を無洗米、上白米又は標準米にする場合に、それぞれ無洗米ボタン64A、上白ボタン64B又は標準ボタン64Cを操作すればよい。このため、玄米を無洗米、上白米又は標準米にすることを即座に選択でき、操作を簡単にできる。さらに、玄米を分搗米にする場合には、分搗ボタン64Dを操作する必要があるため、誤操作により玄米を分搗米にすることを抑制できる。しかも、分搗微調整ボタン66の上昇ボタン66A又は下降ボタン66Bが操作されることで、それぞれ分搗米の分搗度が徐々に上昇又は下降されるため、分搗微調整ボタン66を簡単な構成にできると同時に、分搗米の分搗度を多段階に選択できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玄米を精白米又は分搗米にする自動精米装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の精米装置では、玄米が精米処理されて精白米(10分搗以上の標準米や上白米)又は分搗米(10分搗未満の米)にされる。さらに、選択スイッチが操作されることで、精米処理による精白度が徐々に変更されて設定される。
【0003】
しかしながら、この精米装置では、玄米を精白米にする場合と玄米を分搗米にする場合とで、共通の選択スイッチが操作される。
【0004】
このため、利用が多い玄米を精白米にする場合でも、精白度を微調整する要請が殆どないにも拘らず、選択スイッチの操作によって精白度を徐々に変更させて設定する必要がある。これにより、精白度の設定操作が時間を要して面倒である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−162466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事実を考慮し、操作を簡単にできる自動精米装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の自動精米装置は、供給された玄米を精米処理して精白米又は分搗米にする精米部と、操作されることで前記精米部が玄米を精白米にする精白操作部と、操作されることで前記精米部が玄米を分搗米にする分搗操作部と、操作されることで前記精米部による分搗米の分搗度が調整される調整操作部と、を備えている。
【0008】
請求項2に記載の自動精米装置は、供給された玄米を精米処理して精白米又は分搗米にする精米部と、操作されることで前記精米部が玄米を精白米にする精白操作部と、操作されることで前記精米部による分搗米の分搗度が徐々に変更されて調整される調整操作部と、を備えている。
【0009】
請求項3に記載の自動精米装置は、請求項1又は請求項2に記載の自動精米装置において、前記調整操作部の操作により調整された分搗米の分搗度を報知する報知手段を備えている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の自動精米装置では、精米部が供給された玄米を精米処理して精白米又は分搗米にする。
【0011】
また、精白操作部が操作されることで、精米部が玄米を精白米にする。さらに、分搗操作部が操作されることで、精米部が玄米を分搗米にすると共に、調整操作部が操作されることで、精米部による分搗米の分搗度が調整される。
【0012】
ここで、上述の如く、玄米を精白米にする場合には、精白操作部を操作すればよい。このため、玄米を精白米にすることを即座に選択でき、操作を簡単にすることができる。
【0013】
さらに、玄米を分搗米にする場合には、分搗操作部を操作する必要がある。このため、誤操作により精米部が玄米を分搗米にすることを抑制できる。
【0014】
請求項2に記載の自動精米装置では、精米部が供給された玄米を精米処理して精白米又は分搗米にする。
【0015】
また、精白操作部が操作されることで、精米部が玄米を精白米にする。さらに、調整操作部が操作されることで、精米部による分搗米の分搗度が徐々に変更されて調整される。
【0016】
ここで、上述の如く、玄米を精白米にする場合には、精白操作部を操作すればよい。このため、玄米を精白米にすることを即座に選択でき、操作を簡単にすることができる。
【0017】
さらに、調整操作部を操作することで、分搗米の分搗度が徐々に変更される。このため、調整操作部が多数の操作部を有しなくても、分搗米の分搗度を多段階に調整でき、調整操作部を簡単な構成にできると同時に、分搗米の分搗度を多段階に調整できる。
【0018】
請求項3に記載の自動精米装置では、調整操作部の操作により調整された分搗米の分搗度を報知手段が報知する。このため、調整操作部の操作により分搗米の分搗度を容易に調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る自動精米装置の操作パネルを示す正面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る自動精米装置の全体構成を示す模式図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る自動精米装置の主要部を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の変形例に係る自動精米装置の操作パネルを示す正面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る自動精米装置の操作パネルを示す正面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態の変形例に係る自動精米装置の操作パネルを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1の実施の形態]
図2には、本発明の第1の実施の形態に係る自動精米装置10の全体構成が模式図にて示されており、図3には、自動精米装置10の主要部がブロック図にて示されている。
【0021】
図2に示す如く、本実施の形態に係る自動精米装置10は、操作室12Aと機械室12Bから成る屋外用建物12を備えている。操作室12Aの前面壁13に、原料米としての米粒(籾M又は玄米G)が投入される投入部としての張込みホッパ14が操作室12Aに露出した状態で設けられている。張込みホッパ14は米粒搬送用のスクリューコンベア15を内蔵しており、さらに、機械室12B内に配置された昇降機16に連結されている。昇降機16は、張込みホッパ14へ投入されスクリューコンベア15によって供給された米粒を機械室12Bの上部へ持ち上げ搬送できる。
【0022】
スクリューコンベア15の昇降機16側の端部には、判別手段としてのカラーラインセンサ40が設けられている。カラーラインセンサ40は、張込みホッパ14へ投入されてスクリューコンベア15によって搬送された米粒が籾Mであるか又は玄米Gであるかを判別する。
【0023】
昇降機16の上端部に設けられた放出口16Aには、供給手段としての切換弁17が取り付けられている。この切換弁17は、作動する(切り換わる)ことにより、米粒の供給方向を変更することができる。すなわち、スクリューコンベア15によって搬送された米粒が籾Mであるとカラーラインセンサ40が判別した際には、昇降機16によって持ち上げ搬送された籾Mを切換弁17が後述する籾摺機18へ供給する。一方、スクリューコンベア15によって搬送された米粒が玄米Gであるとカラーラインセンサ40が判別した際には、昇降機16によって持ち上げ搬送された玄米Gを切換弁17が後述する石抜き機20へ供給する。
【0024】
機械室12B内の昇降機16の側方には、脱ぷ部としての籾摺機18が昇降機16の放出口16Aに対応して配置されており、昇降機16によって持ち上げ搬送された籾Mが切換弁17によって籾摺機18へ供給される。籾摺機18は、一対のゴムロール機構を備えたロール式とされており、籾摺機18は、供給された籾Mを脱ぷ処理して玄米Gにする。なお、この籾摺機18は、他の形式のもの例えば、高速回転羽を備えた衝撃式の遠心脱ぷ機であっても差し支えない。
【0025】
籾摺機18の側方には、石抜き部としての石抜き機20が配置されており、籾摺機18の排出口18Aに対応している。このため、籾摺機18を経由した後の玄米Gは石抜き機20へ供給されるようになっている。さらに、この石抜き機20は、前述の切換弁17にも連結されており、昇降機16によって持ち上げ搬送された玄米Gが切換弁17によって直接(籾摺機18を介さないで)石抜き機20に供給される。また、玄米Gが石抜き機20を経由することで、玄米G中に含まれる小石が選別除去される。
【0026】
また、機械室12B内には、精米部を構成する精米機22が配置されており、石抜き機20を経由後の玄米Gが精米機22に供給されるようになっている。精米機22は、精白ロールを備えた縦型円筒摩擦式とされており、精米機22は、玄米Gを白度(精白度)を調整しつつ精米処理して精白米としての白米H(10分搗である標準米や10分搗を越えた上白米)又は分搗米B(10分搗未満の米)にする。なおこの精米機22は、他の形式のもの例えば、横型円筒式のものや、循環機構を備えた循環式のもの、あるいは金剛砥石ロールを備えた研削式のものであっても差し支えない。
【0027】
精米機22の側方には糠回収機24が配置されており、糠回収機24は、玄米Gの精米処理の際に発生する米糠を回収し糠袋25に集積できる。この糠袋25は自由に取り替えることが可能である。
【0028】
精米機22の放出口22Aには、変更手段としての供給弁46が取り付けられている。この供給弁46は、作動する(切り換わる)ことにより、白米H又は分搗米Bの供給方向を変更することができる。すなわち、精米機22が玄米Gを白米Hにした際には、白米Hを精白米としての所謂簡易の無洗米KM(白度が上白米を越えた米であり水でさっと軽く洗うだけで炊飯できる米)にする場合に白米Hを供給弁46が後述する研米機38に供給する一方、白米Hを無洗米KMにしない場合に白米Hを供給弁46が後述する昇降機42に供給する。また、精米機22が玄米Gを分搗米Bにした際には、分搗米Bを供給弁46が昇降機42に供給する。
【0029】
さらに、供給弁46の下流側には、精米部を構成する研米機38が配置されている。この研米機38は、供給弁46によって供給された白米Hを更に研いで(精米処理して)この白米Hの表面に付着している糠粉を取り除き、光沢のあるきれいな無洗米KMとすることができる。なお、研米機38としては種々の形式のものが適用可能であるが、乾式タイプのものであれば、研米処理を白米同士の研磨作用によって行う摩擦式のタイプや研米処理をブラシによって行うブラシ式のタイプのものであっても適用できる。
【0030】
また、この研米機38によって取り除かれた糠粉は、前述した糠回収機24によって回収され糠袋25に集積される。
【0031】
また一方、機械室12B内には、研米機38によって研米された無洗米KMの放出口38Aに対応して昇降機42が立設されており、昇降機42には、放出口38Aから放出された無洗米KMが供給される。さらに、この昇降機42は、前述の供給弁46にも連結されており、昇降機42には、精米機22の放出口22Aから放出された白米H又は分搗米Bが供給弁46によって直接(研米機38を介さないで)供給される。昇降機42は、供給される無洗米KM、白米H又は分搗米Bを、機械室12Bの上側へ持ち上げ搬送する。
【0032】
また、機械室12B内には、昇降機42の上部に設けられた放出口42Aに対応して砕粒選別機44が配置されており、砕粒選別機44には、昇降機42の放出口42Aから放出された無洗米KM、白米H又は分搗米Bが供給される。砕粒選別機44は、供給された無洗米KM中、白米H中又は分搗米B中に含まれる砕粒や糠玉(米糠や糠粉の塊)を選別除去する。
【0033】
また、砕粒選別機44の排出樋44Aに対応した操作室12Aの前面壁13には、集積タンク26が操作室12Aに露出した状態で配置されている。集積タンク26には排出樋44Aが臨んでおり、集積タンク26は、砕粒選別機44の排出樋44Aから排出された無洗米KM、白米H又は分搗米Bを袋27に集積する。
【0034】
一方、操作室12Aの前面壁13の張込みホッパ14の上方には操作パネル28が配置されている。図1に示す如く、操作パネル28の左側部にはコイン金額識別部30及びカード度数識別部32が設けられている。コイン金額識別部30では、操作パネル28に開口する投入口34が設けられており、投入口34に所定のコイン(例えば、100円硬貨)が投入でき、当該コインをコイン金額識別部30が識別可能である。一方、カード度数識別部32では、操作パネル28に開口する挿入口36が設けられており、挿入口36に所定のカード(例えば、所謂クローズド型のプリペイドカード)が挿入でき、当該カードをカード度数識別部32が識別可能である。これらのコイン金額識別部30及びカード度数識別部32は後述する制御装置50に接続されている。
【0035】
操作パネル28の右側部には、白度設定装置62が設けられている。白度設定装置62の下側部には、米粒の白度を選択するための白度選択ボタン64が設けられている。白度選択ボタン64は、精白操作部としての無洗米ボタン64A、上白ボタン64B及び標準ボタン64Cと分搗操作部としての分搗ボタン64Dとから構成されており、無洗米ボタン64A、上白ボタン64B、標準ボタン64C及び分搗ボタン64Dは、左側から右側へ向けてこの順で配置されている。無洗米ボタン64A、上白ボタン64B、標準ボタン64C及び分搗ボタン64Dは、それぞれ、操作(押圧操作)可能にされると共に、後述する制御装置50に接続されている。
【0036】
また、白度設定装置62には、分搗ボタン64Dの右側において、調整操作部としての分搗微調整ボタン66が設けられている。分搗微調整ボタン66は、上昇操作部としての左側の上昇ボタン66Aと下降操作部としての右側の下降ボタン66Bとから構成されており、上昇ボタン66A及び下降ボタン66Bは、それぞれ、操作(押圧操作)可能にされると共に、後述する制御装置50に接続されている。
【0037】
さらに、白度設定装置62の上側部には、報知手段(表示手段)としての液晶表示画面68が設けられており、液晶表示画面68は、後述する制御装置50に接続されている。分搗ボタン64Dが操作された際には、液晶表示画面68に分搗表示70が表示されて、分搗米Bの分搗度が報知される。すなわち、分搗表示70では、上側に案内表示72が表示されて、分搗米Bの分搗度が上昇することを表す左側の「白←」の文字表示と分搗米Bの分搗度が下降することを表す右側の「→黒」の文字表示とが表示される。分搗表示70では、下側に文字表示74が表示されて、右側から左側へ向かうに従い上昇する分搗米Bの分搗度が文字で表示される。分搗表示70では、案内表示72と文字表示74との間において、調整表示76が表示されて、分搗米Bの分搗度が文字表示74の当該分搗度に対応する位置(文字表示74の当該分搗度の上側の位置)の色彩表示(点灯表示)により表示される。
【0038】
図3に示す如く、制御装置50は、中央処理装置(CPU)52、リードオンメモリ(ROM)54、ランダムアクセスメモリ(RAM)56、入力ポート58、出力ポート60を含んで構成されている。入力ポート58には前述のコイン金額識別部30、カード度数識別部32、カラーラインセンサ40、白度選択ボタン64及び分搗微調整ボタン66が接続されている。一方、出力ポート60には、張込みホッパ14のスクリューコンベア15、昇降機16、切換弁17、籾摺機18、石抜き機20、精米機22、糠回収機24、研米機38、昇降機42、砕粒選別機44及び供給弁46の各駆動モータと液晶表示画面68とがそれぞれ接続されている。また、ROM54には、自動精米装置10の初期状態の設定情報、精米機22による玄米Gの精米処理に要する所定の時間情報(自動精米装置10の満了作動時間の所定の値)及び所定の運転プログラムが記憶されており、この運転プログラムに従ってCPU52が前記各部を制御する。一方、RAM56には、精米機22で玄米Gを精米処理するために支払われた金額に応じた時間情報(言い換えれば、精米処理に要する時間情報)がCPU52によって書き込まれるようになっており、CPU52は、精米機22による精米処理の実行時に、RAM56に書き込まれている精米処理に要する時間情報を常に参照しながら、前記各部を制御する。
【0039】
また、制御装置50はタイマ機能を有しており、精米機22による精米処理の実行時には、CPU52がRAM56内の上記精米処理に要する時間情報を参照しながら精米機22による玄米Gの精米処理の実際の運転時間(自動精米装置10の作動時間)を常に計測し、この計測時間が、上記の精米処理に要する時間を経過した場合に、CPU52の指示によって精米機22による玄米Gの精米処理を終了(自動精米装置10の作動を満了)する。
【0040】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0041】
上記構成の自動精米装置10を利用する際には、張込みホッパ14へ米粒(籾M又は玄米G)を投入すると共に、コインをコイン金額識別部30の投入口34に投入するか、カードをカード度数識別部32の挿入口36へ挿入する。
【0042】
次いで、白度選択ボタン64である無洗米ボタン64A、上白ボタン64B、標準ボタン64C及び分搗ボタン64Dの何れか1つを操作して、玄米Gの精米処理による白度を選択する。分搗ボタン64Dを操作した際には、液晶表示画面68に分搗表示70が表示される。さらに、分搗微調整ボタン66である上昇ボタン66A又は下降ボタン66Bを操作して、分搗米Bの分搗度を調整(選択)する。すなわち、上昇ボタン66Aを操作することで、分搗米Bの分搗度を上昇させ、又は、下降ボタン66Bを操作することで、分搗米Bの分搗度を下降させる。

その後、張込みホッパ14のスクリューコンベア15、昇降機16、籾摺機18、石抜き機20、精米機22、糠回収機24、研米機38、昇降機42及び砕粒選別機44の各駆動モータに電流が供給されて当該各駆動モータが作動されることで、自動精米装置10の運転が開始される。
【0043】
自動精米装置10の運転が開始されると、張込みホッパ14へ投入された米粒がスクリューコンベア15によって搬送されると共に、米粒が籾Mであるか又は玄米Gであるかをカラーラインセンサ40が判別し、さらに、米粒が昇降機16によって持ち上げ搬送される。
【0044】
米粒が籾Mであるとカラーラインセンサ40が判別した際には、昇降機16によって持ち上げ搬送された籾Mが、切換弁17によって籾摺機18へ供給されて、所定時間(数秒間)脱ぷ処理されることで、脱ぷ処理後の玄米Gが石抜き機20へ供給されて石抜きされる。
【0045】
一方、米粒が玄米Gであるとカラーラインセンサ40が判別した際には、昇降機16によって持ち上げ搬送された玄米Gが切換弁17によって籾摺機18を介さずに石抜き機20へ供給されて石抜きされる。
【0046】
石抜き機20によって石抜きされた玄米Gは、さらに精米機22へ供給される。精米機22では、玄米Gの精米処理が実施される。
【0047】
精米機22では、白度選択ボタン64や分搗微調整ボタン66の操作に対応して、精米処理の際において玄米Gに作用させる圧力(精米圧力)が調整されることで、玄米Gの精米処理による白度が調整される。すなわち、無洗米ボタン64Aが操作された際には、玄米Gが白米H(標準米又は上白米)にされ、上白ボタン64Bが操作された際には、玄米Gが上白米(白米H)にされ、標準ボタン64Cが操作された際には、標準米(白米H)にされる。さらに、分搗ボタン64Dが操作された際には、玄米Gが分搗米Bにされ、かつ、分搗米Bが分搗微調整ボタン66(上昇ボタン66A及び下降ボタン66B)の操作により調整された分搗度にされる。
【0048】
無洗米ボタン64Aが操作された際には、精米機22の放出口22Aから放出された白米H(標準米又は上白米)が供給弁46によって研米機38へ供給されることで、研米機38によって白米Hの表面に付着している糠粉が更に取り除かれて無洗米KMにされる。その後、研米機38の放出口38Aから放出された無洗米KMは、昇降機42へ供給される。
【0049】
上白ボタン64B、標準ボタン64C又は分搗ボタン64Dが操作された際には、精米機22の放出口22Aから放出された白米H(上白米又は標準米)又は分搗米Bが供給弁46によって昇降機42へ供給される。
【0050】
また、精米機22及び研米機38による精米処理の際に発生する米糠や糠粉は、糠回収機24によって回収されて糠袋25に集積される。
【0051】
昇降機42へ供給された無洗米KM、白米H(上白米又は標準米)又は分搗米Bは、昇降機42によって持ち上げ搬送されて砕粒選別機44へ供給され、砕粒選別機44によって無洗米KM中、白米H中又は分搗米B中に含まれる砕粒や糠玉が取り除かれて、良質の無洗米KM、白米H(上白米又は標準米)又は分搗米Bにされる。
【0052】
この良質の無洗米KM、白米H(上白米又は標準米)又は分搗米Bは、砕粒選別機44の排出樋44Aから集積タンク26へ送り出され、袋27に集積されて、利用者に提供される。
【0053】
以上の工程が順次実施され、投入されたコイン又は挿入されたカードに応じた所定時間(精米機22による米粒の精米処理に要する時間)経過した後に精米機22による精米処理が停止される。
【0054】
ここで、利用が多い米粒(籾M又は玄米G)を無洗米KM、上白米(白米H)又は標準米(白米H)にする場合には、それぞれ白度選択ボタン64の無洗米ボタン64A、上白ボタン64B又は標準ボタン64Cを操作すればよい。このため、米粒を無洗米KM、上白米又は標準米にすることを即座に選択でき、操作を簡単にすることができる。
【0055】
また、米粒を無洗米KM、上白米又は標準米にする場合には、白度を微調整することができない。しかしながら、無洗米KM、上白米及び標準米の白度を微調整する要請は殆どないと共に、無洗米KM、上白米及び標準米の白度を誤って設定することがないため、不都合が発生することを抑制できる。
【0056】
さらに、米粒(籾M又は玄米G)を分搗米Bにする場合には、白度選択ボタン64の分搗ボタン64Dを操作する必要がある。このため、誤操作により米粒(籾M又は玄米G)を分搗米Bにすることを抑制できる。
【0057】
しかも、白度選択ボタン64の分搗ボタン64Dが操作された際には、分搗微調整ボタン66の上昇ボタン66Aが操作されることで、分搗米Bの分搗度が徐々に(略連続的に)上昇され、又は、分搗微調整ボタン66の下降ボタン66Bが操作されることで、分搗米Bの分搗度が徐々に(略連続的に)下降される。このため、分搗微調整ボタン66が多数のボタン(操作部)を有しなくても、分搗米Bの分搗度を多段階(略無段階)に微調整でき、分搗微調整ボタン66を上昇ボタン66A及び下降ボタン66Bのみを有する簡単な構成にできると同時に、分搗米Bの分搗度を多段階(略無段階)に選択できる。これにより、近年の健康志向から分搗米Bの分搗度を多段階に微調整する要請(分搗米Bにこだわりのある利用者毎に異なる分搗米Bの分搗度の好み)に対応することができる。
【0058】
また、分搗微調整ボタン66の操作により微調整された分搗米Bの分搗度が液晶表示画面68に表示される。すなわち、分搗微調整ボタン66の上昇ボタン66A又は下降ボタン66Bが操作されることで、液晶表示画面68の分搗表示70の調整表示76における色彩表示位置が変位されて、微調整された分搗米Bの分搗度が表示される。このため、分搗微調整ボタン66の上昇ボタン66A及び下降ボタン66Bの少なくとも一方の操作により分搗米Bの分搗度を容易に微調整できる。
【0059】
(変形例)
図4には、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る自動精米装置100の操作パネル28が正面図にて示されている。
【0060】
図4に示す如く、本変形例に係る自動精米装置100では、操作パネル28の液晶表示画面68の分搗表示70において、調整表示76に長尺矩形状のイメージ表示76Aが設けられて、右側から左側へ向かうに従い明度が高くなる色彩が表示される。さらに、調整表示76に矩形状(矩形枠状でもよい)の変位表示76Bが設けられて、分搗米Bの分搗度が文字表示74の当該分搗度に対応するイメージ表示76Aの位置(文字表示74の当該分搗度の上側のイメージ表示76Aの位置)への変位表示76Bの指示表示(重合表示)により表示される。
【0061】
このため、分搗微調整ボタン66の上昇ボタン66A又は下降ボタン66Bが操作されることで、液晶表示画面68の分搗表示70の調整表示76において、イメージ表示76Aへの変位表示76Bの指示表示位置が変位されて、微調整された分搗米Bの分搗度が表示される。
【0062】
これにより、本変形例でも、上記第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0063】
[第2の実施の形態]
図5には、本発明の第2の実施の形態に係る自動精米装置150の操作パネル28が正面図にて示されている。
【0064】
本実施の形態に係る自動精米装置150は、上記第1の実施の形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
【0065】
図5に示す如く、本実施の形態に係る自動精米装置150では、操作パネル28において、分搗微調整ボタン66(上昇ボタン66A及び下降ボタン66B)が設けられていない。
【0066】
操作パネル28の液晶表示画面68は、所謂タッチパネルにされており、液晶表示画面68は、制御装置50の入力ポート58及び出力ポート60に接続されている。
【0067】
操作パネル28における白度選択ボタン64の分搗ボタン64Dが操作された際には、液晶表示画面68に調整操作部としての分搗微調整表示152が表示される。分搗微調整表示152は、分搗表示70の左側の上昇操作部としての上昇表示152Aと分搗表示70の右側の下降操作部としての下降表示152Bとから構成されており、上昇表示152A又は下降表示152Bを操作(接触操作)して、分搗米Bの分搗度を調整(選択)する。すなわち、上昇表示152Aを操作することで、分搗米Bの分搗度を上昇させ、又は、下降表示152Bを操作することで、分搗米Bの分搗度を下降させる。
【0068】
これにより、本実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0069】
(変形例)
図6には、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る自動精米装置200の操作パネル28が正面図にて示されている。
【0070】
図6に示す如く、本変形例に係る自動精米装置200では、操作パネル28の液晶表示画面68の分搗表示70において、調整表示76に上記第1の実施の形態の変形例と同様のイメージ表示76A及び変位表示76Bが設けられる。
【0071】
このため、分搗微調整表示152の上昇表示152A又は下降表示152Bが操作されることで、液晶表示画面68の分搗表示70の調整表示76において、イメージ表示76Aへの変位表示76Bの指示表示位置が変位されて、微調整された分搗米Bの分搗度が表示される。
【0072】
これにより、本変形例でも、上記第2の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0073】
なお、上記第1の実施の形態(変形例を含む)及び第2の実施の形態(変形例を含む)では、液晶表示画面68の分搗表示70に案内表示72及び文字表示74を設けた。しかしながら、液晶表示画面68の分搗表示70に案内表示72及び文字表示74の一方のみを設けてもよい。
【符号の説明】
【0074】
10 自動精米装置
22 精米機(精米部)
38 研米機(精米部)
64A 無洗米ボタン(精白操作部)
64B 上白ボタン(精白操作部)
64C 標準ボタン(精白操作部)
64D 分搗ボタン(分搗操作部)
66 分搗微調整ボタン(調整操作部)
66A 上昇ボタン(上昇操作部)
66B 下降ボタン(下降操作部)
68 液晶表示画面(報知手段)
100 自動精米装置
150 自動精米装置
152 分搗微調整表示(調整操作部)
152A 上昇表示(上昇操作部)
152B 下降表示(下降操作部)
200 自動精米装置
G 玄米
H 白米(精白米)
B 分搗米
KM 無洗米(精白米)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給された玄米を精米処理して精白米又は分搗米にする精米部と、
操作されることで前記精米部が玄米を精白米にする精白操作部と、
操作されることで前記精米部が玄米を分搗米にする分搗操作部と、
操作されることで前記精米部による分搗米の分搗度が調整される調整操作部と、
を備えた自動精米装置。
【請求項2】
供給された玄米を精米処理して精白米又は分搗米にする精米部と、
操作されることで前記精米部が玄米を精白米にする精白操作部と、
操作されることで前記精米部による分搗米の分搗度が徐々に変更されて調整される調整操作部と、
を備えた自動精米装置。
【請求項3】
前記調整操作部の操作により調整された分搗米の分搗度を報知する報知手段を備えた請求項1又は請求項2記載の自動精米装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−125744(P2012−125744A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281929(P2010−281929)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(000144898)株式会社山本製作所 (144)
【Fターム(参考)】