説明

自動精米装置

【課題】米袋を容易に搬送する。
【解決手段】自動精米装置10では、載置台50を供給ホッパ26側に移動させた状態で、原料米袋内の米粒を供給ホッパ26の投入口26Aへ投入する。また、集積タンクから米粒が流下されて白米袋に収容される。ここで、載置台50は、下面のキャスタ52によって、操作室12Aの床壁上を移動可能にされている。このため、例えば30Kgの原料米袋や白米袋を載置台50に載置して載置台50を移動させることで、操作室12Aにおいて原料米袋や白米袋を搬送できる。これにより、操作室12Aにおいて原料米袋や白米袋を人力で直接持ち運ぶ労力を少なくでき、原料米袋や白米袋を容易に搬送できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械室において米粒が精米される自動精米装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の自動精米装置では、屋外用建物に機械室及び操作室が設けられており、操作室から供給ホッパに米粒が供給されることで、機械室において米粒が精米される。また、供給ホッパに米袋台が取り付けられており、米粒が収容された米袋を米袋台に載置した状態で米袋から米粒を供給ホッパに供給可能にされている。
【0003】
しかしながら、この自動精米装置では、米袋台が供給ホッパに対し回転可能にされるのみで、米袋台が供給ホッパに対し離間不能にされている。このため、操作室において例えば30Kgの米袋を人力で直接持ち運んで米袋台に載置する必要があり、米袋の搬送が困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−326402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、米袋を容易に搬送できる自動精米装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の自動精米装置は、米粒が収容された米袋が搬送される搬送室及び米粒が精米される機械室が設けられた装置本体と、前記搬送室に設けられると共に、移動可能にされて前記機械室に対し離間可能にされ、前記米袋が載置される載置台と、を備えている。
【0007】
請求項2に記載の自動精米装置は、請求項1に記載の自動精米装置において、前記装置本体に前記搬送室を前記装置本体外へ開放させる開放口が設けられると共に、前記機械室内に連絡されて米粒が供給又は排出される連絡部が設けられ、前記載置台を前記開放口と前記連絡部との間において移動可能にしている。
【0008】
請求項3に記載の自動精米装置は、請求項1又は請求項2に記載の自動精米装置において、前記装置本体に前記搬送室を前記装置本体外へ開放させる開放口が設けられると共に、前記装置本体外の下面に対し前記開放口の下端が上側に配置され、前記載置台を前記搬送室と前記装置本体外とに前記開放口を介して移動可能にしている。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の自動精米装置では、装置本体に機械室及び搬送室が設けられており、米粒が収容された米袋が搬送室において搬送されると共に、機械室において米粒が精米される。また、搬送室に載置台が設けられており、載置台に米袋が載置される。
【0010】
ここで、載置台が、移動可能にされて、機械室に対し離間可能にされている。このため、載置台に米袋が載置された状態で、載置台が移動されることで、米袋が搬送される。これにより、搬送室において米袋を人力で直接持ち運ぶ労力を少なくでき、米袋を容易に搬送できる。
【0011】
請求項2に記載の自動精米装置では、装置本体に開放口が設けられており、開放口は搬送室を装置本体外へ開放させる。さらに、機械室内に連絡部が連絡されており、連絡部において米粒が供給又は排出される。
【0012】
ここで、載置台が開放口と連絡部との間において移動可能にされている。このため、載置台に米袋が載置された状態で、載置台が開放口と連絡部との間を移動できる。これにより、搬送室において米袋を人力で直接持ち運ぶ労力を一層少なくでき、米袋を一層容易に搬送できる。
【0013】
請求項3に記載の自動精米装置では、装置本体に開放口が設けられており、開放口は搬送室を装置本体外へ開放させる。さらに、装置本体外の下面に対し装置本体の開放口の下端が上側に配置されている。
【0014】
ここで、載置台が搬送室と装置本体外とに開放口を介して移動可能にされている。このため、載置台に米袋が載置された状態で、載置台が装置本体外を移動できる。これにより、装置本体外において米袋を人力で直接持ち運ぶ労力を少なくでき、米袋を一層容易に搬送できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る自動精米装置における載置台の供給ホッパ側への配置状況を示す前斜め右方から見た斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る自動精米装置における載置台の出入口側への配置状況を示す前斜め右方から見た斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る自動精米装置の外観を示す前斜め右方から見た斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る自動精米装置における載置台、上レール及び下レールを示す前斜め右方から見た斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る自動精米装置における載置台、上レール及び下レールを示す前方から見た正面図である。
【図6】(A)は、本発明の第1の実施の形態に係る自動精米装置における移動レールを示す前斜め左方から見た斜視図であり、(B)は、本発明の第1の実施の形態に係る自動精米装置における載置台を示す前斜め左方から見た斜視図である。
【図7】(A)は、本発明の第1の実施の形態に係る自動精米装置における上レールを示す前斜め右方から見た斜視図であり、(B)は、本発明の第1の実施の形態に係る自動精米装置における下レールを示す前斜め右方から見た斜視図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る自動精米装置における原料米袋の搬送状況を示す右方から見た説明図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る自動精米装置を示す右方から見た模式図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る自動精米装置の変形例における原料米袋の搬送状況を示す右方から見た説明図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る自動精米装置における載置台及び上レールを示す前方から見た正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1の実施の形態]
図1には、本発明の第1の実施の形態に係る自動精米装置10の主要部が前斜め右方から見た斜視図にて示されており、図3には、自動精米装置10の外観が前斜め右方から見た斜視図にて示されている。さらに、図9には、自動精米装置10が右方から見た模式図にて示されている。なお、図面では、自動精米装置10の前方を矢印FRで示し、自動精米装置10の右方を矢印RHで示し、上方を矢印UPで示す。
【0017】
本実施の形態に係る自動精米装置10は、投入されたコイン又は挿入されたカードに応じて作動する所謂コイン精米機である。
【0018】
図1に示す如く、自動精米装置10は、装置本体としての建屋12(屋外用建物)を備えている。建屋12の下端には、複数の設置台14が設けられており、建屋12は、複数の設置台14によって、設置面16上に設置されている。このため、建屋12の底壁は、設置面16よりも上側に配置されている。
【0019】
建屋12内には、前側の搬送室としての操作室12Aと、後側の機械室12B(図9参照)と、が設けられており、操作室12Aと機械室12Bとは、仕切壁18によって仕切られている。
【0020】
建屋12の前壁には、開放口としての矩形状の出入口20が貫通形成されており、出入口20は、操作室12Aを前側に開放させている。出入口20の上端及び下端には、断面U字形長尺板状のスライドレール20Aが固定されており、上側及び下側のスライドレール20Aは、それぞれ出入口20の上端及び下端の長手方向(左右方向)に沿って配置されている。出入口20の下端は、操作室12Aの床壁(建屋12の床壁)上面より下側に配置されており、下側のスライドレール20Aは、操作室12Aの床壁上面より下側に配置されている。
【0021】
図3に示す如く、出入口20の右側部分及び左側部分には、開閉部材としての矩形板状の引き戸22が設けられており、出入口20は、一対の引き戸22によって閉鎖されている。右側の引き戸22は、上側及び下側のスライドレール20Aの前壁に支持されて左右方向にスライド可能にされると共に、左側の引き戸22は、上側及び下側のスライドレール20Aの後壁に支持されて左右方向にスライド可能にされており、右側の引き戸22が左側へスライドされることで、出入口20の右側部分が開放されると共に、左側の引き戸22が右側へスライドされることで、出入口20の左側部分が開放される。
【0022】
図9に示す如く、建屋12の機械室12Bには、操作パネル24が設けられており、操作パネル24の前側は、仕切壁18を介して操作室12Aに露出されている。操作パネル24の前面には、コイン投入口及びカード挿入口(以上図示省略)が設けられており、コイン投入口からは所定のコイン(例えば100円硬貨)が投入されると共に、カード挿入口からは所定のカード(例えばプリペイドカード)が挿入される。操作パネル24の前面には、各種の操作ボタン(図示省略)が設けられており、操作ボタンの操作により各種の指示が入力される。
【0023】
機械室12Bには、前側かつ左側の角部において、連通部(供給部)としての略直方体形箱状の供給ホッパ26(図1参照)が設けられており、供給ホッパ26の上側空間は、仕切壁18を介して操作室12Aに露出されている。供給ホッパ26の上面は、供給口としての矩形状の投入口26Aが形成されており、精米処理前の米粒(原料米としての籾M又は玄米G)が、投入口26Aに上側から投入されて、供給ホッパ26内に供給される。供給ホッパ26の下端には、スクリューコンベヤ28が内蔵されており、スクリューコンベヤ28は、供給ホッパ26内に供給された米粒を搬送する。
【0024】
機械室12Bには、供給ホッパ26の側方において、昇降機30が設けられている。昇降機30の下端には、スクリューコンベヤ28の米粒搬送方向終端部が連通されており、昇降機30は、スクリューコンベヤ28が搬送した米粒を上側へ持ち上げ搬送する。
【0025】
昇降機30の上端には、切換弁32が設けられており、切換弁32は、後述する籾摺機34と石抜機36とに適宜の樋等によって別々に連通されている。切換弁32は、昇降機30が持ち上げ搬送した米粒の供給方向を、籾摺機34と石抜機36とに切換え可能にされており、切換弁32は、米粒が籾Mの場合には米粒を籾摺機34に供給すると共に、米粒が玄米Gの場合には米粒を石抜機36に供給する。
【0026】
機械室12Bには、昇降機30の側方において、脱ぷ部としての籾摺機34が設けられている。籾摺機34は、一対のゴムロール機構を備えたロール式とされており、籾摺機34は、切換弁32から供給された米粒(籾M)を脱ぷ処理して玄米Gにし、石抜機36に供給する。なお、この脱ぷ部は、他の型式のもの(例えば高速回転羽を備えた衝撃式の遠心脱ぷ機)であっても差し支えない。
【0027】
機械室12Bには、籾摺機34の側方において、石抜機36が設けられている。石抜機36は、切換弁32から供給された米粒(玄米G)及び籾摺機34から供給された米粒(玄米G)を石抜き処理して、米粒から小石を除去する。
【0028】
機械室12Bには、昇降機30の側方において、精米機38が設けられている。精米機38は、精白ロールを備えた縦型円筒摩擦式とされており、精米機38は、石抜機36から供給された米粒(玄米G)を精米処理して白米Hにする。なお、この精米機38は、他の型式のもの(例えば、横型円筒式のものや、循環機構を備えた循環式のもの、あるいは金剛砥石ロールを供えた研削式のもの)であっても差し支えない。
【0029】
機械室12Bには、精米機38の側方において、糠回収機40が設けられており、糠回収機40は、精米機38が米粒を精米処理することにより発生する米糠を回収して糠袋42に集積する。また、この糠袋42は自由に取り替えることが可能である。
【0030】
機械室12Bには、精米機38の側方において、昇降機44が設けられている。昇降機44の下端は、精米機38に連通されており、昇降機44は、精米機38から供給された米粒(白米H)を上側へ持ち上げ搬送する。
【0031】
機械室12Bには、昇降機44の側方における前側かつ右側の角部において、連通部(排出部)としての集積タンク46が設けられており、集積タンク46には、昇降機44が持ち上げ搬送した精米処理後の米粒(白米H)が供給されて集積される。集積タンク46の前側部分は、仕切壁18を介して操作室12Aに露出されており、集積タンク46は、下側部分が漏斗状にされて、下端が操作室12Aに配置されている。集積タンク46の下端(排出口)は、開閉シャッタ(図示省略)によって閉鎖されており、集積タンク46の下端下側に米袋としての白米袋48(下記原料米袋62と同一のものでよい)が配置された状態で、開閉シャッタが集積タンク46の下端を開放することで、集積タンク46に集積された米粒が集積タンク46の下端から流下(排出)されて白米袋48に収容される。
【0032】
図1、図4及び図5に示す如く、建屋12の操作室12Aには、供給ホッパ26の前側において、略直方体状の載置台50(ホッパ台)が設けられている。
【0033】
載置台50の下面には、各角部において、移動手段としてのキャスタ52が設けられており、キャスタ52には、断面逆U字形板状の支持枠52Aと円柱状の車輪52Bとが設けられている。支持枠52Aの上壁は、載置台50の下面に固定されており(回転可能に支持されてもよい)、車輪52Bは、支持枠52Aの一対の側壁(右壁及び左壁)に回転自在に支持されている。このため、載置台50は、キャスタ52の車輪52Bの回転によって特に前後方向へ移動可能にされている。
【0034】
操作室12Aの床壁上には、左端部において、案内手段としての金属製で断面略U字形長尺板状の下ガイド54(図7(B)参照)が設けられており、下ガイド54の左壁は、操作室12Aの左壁に例えば木ネジ54Aによって固定されている。下ガイド54は、前後方向に沿って配置されており、下ガイド54の下壁の右端上には、載置台50の左側のキャスタ52(車輪52B)が載置されている。下ガイド54の右壁は、右側へ向かうに従い上側へ向かう方向に傾斜されており、下ガイド54の右壁が載置台50の左側のキャスタ52(車輪52B)の右側への移動を制限することで、載置台50が右側へ移動されることが抑制されて、載置台50の前後方向へ移動が案内される。
【0035】
載置台50の左面には、上部において、移動手段としての金属製で断面U字形長尺板状の移動レール56(図6の(A)及び(B)参照)の右壁が固定されており、移動レール56は、前後方向に沿って配置されている。移動レール56の前壁及び後壁には、円筒状のブッシュ56Aが設けられており、ブッシュ56A内は、移動レール56の前壁又は後壁を貫通している。
【0036】
操作室12Aの左壁には、案内手段としての金属製で長尺の上レール58(図7(A)参照)が設けられており、上レール58は、前後方向に沿って配置されている。上レール58には、長尺略直方体形箱状のレール枠58Aが設けられており、レール枠58Aの右面及び下面は、開放されている。レール枠58Aの左壁は、操作室12Aの左壁に例えば木ネジ(図示省略)によって固定されており、これにより、上レール58が操作室12Aの左壁に固定されている。レール枠58A内には、長尺円柱状のレール58Bが設けられており、レール58Bは、移動レール56の前壁及び後壁のブッシュ56Aに挿通された状態で、レール枠58Aの前壁及び後壁に例えば六角ボルト58Cによって固定されている。
【0037】
このため、レール58Bに沿って移動レール56が移動されることで、載置台50の前後方向へ移動が案内される。また、移動レール56の後壁がレール枠58Aの後壁に当接することで、載置台50の後側への移動が係止されて、載置台50が供給ホッパ26の近傍(特に仕切壁18に接触する位置)に配置される(図1参照)。一方、移動レール56の前壁がレール枠58Aの前壁に当接することで、載置台50の前側への移動が係止されて、載置台50が建屋12前壁の出入口20近傍(出入口20から建屋12外に出ない位置)に配置される(図2参照)。このため、レール枠58Aの後壁及び前壁は、載置台50のストッパとしての機能を有している。
【0038】
載置台50の前面には、上部において、U字形棒状の取手60が設けられており、取手60の両端は、載置台50に固定されている。載置台50は、取手60を把持された状態で、手動により前後方向に移動可能にされている。
【0039】
載置台50の上側面の前側部分には、平面状の載置面50Aが設けられており、載置面50Aは、供給ホッパ26の投入口26Aよりも低い位置において、水平に配置されている。載置台50の上側面の後側部分には、平面状の起立面50Bが設けられており、起立面50Bは、載置面50Aから後方へ向かうに従い上方へ向かう方向に傾斜されている(鉛直に配置されてもよい)。また、載置台50の上端面は、起立面50Bの後側において、平面状にされており、載置台50の上端面は、供給ホッパ26の投入口26Aと略同一の高さ位置において、水平に配置されている。
【0040】
図8に示す如く、載置台50の載置面50Aには、米粒(籾M又は玄米G)が収容された米袋としての原料米袋62を載置可能にされており、載置台50が後側に移動された状態で、原料米袋62から米粒が供給ホッパ26の投入口26Aに投入される。また、特に原料米袋62内の米粒の量が多い際には、原料米袋62が載置面50Aに配置されて原料米袋62の上端開口が投入口26Aにより高い位置に配置されると共に、原料米袋62の下側部分の後側への移動が起立面50Bによって制限されることで、原料米袋62の上側部分を後側へ移動させるのみで、容易に原料米袋62の上端開口から米粒を投入口26Aに投入可能にされている。
【0041】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0042】
以上の構成の自動精米装置10を利用する際には、コインを操作パネル24のコイン投入口へ投入するか、カードを操作パネル24のカード挿入口へ挿入する。さらに、載置台50を供給ホッパ26側(後側)に移動させた状態で、原料米袋62内の米粒(籾M又は玄米G)を供給ホッパ26の投入口26Aへ投入して供給ホッパ26内に供給する。
【0043】
次いで、供給ホッパ26内に供給した米粒の籾又は玄米の区別を操作パネル24の操作ボタンから入力した後、操作パネル24から運転開始指示を入力すると、供給ホッパ26のスクリューコンベヤ28、昇降機30、籾摺機34、石抜機36、精米機38、及び、昇降機44の各駆動モータが作動されて、自動精米装置10の運転が開始される。
【0044】
自動精米装置10の運転が開始されると、供給ホッパ26内に供給された米粒は、スクリューコンベヤ28及び昇降機30によって搬送される。供給ホッパ26内に供給された米粒が籾Mの場合には、昇降機30によって搬送された米粒が、切換弁32によって籾摺機34へ供給されて脱ぷ処理された後に、石抜機36へ供給される。一方、供給ホッパ26内に供給された米粒が玄米Gの場合には、昇降機30によって搬送された米粒が、切換弁32によって籾摺機34を介さないでそのまま石抜機36へ供給される。
【0045】
石抜機36に供給された米粒(玄米G)は、石抜機36によって石抜き処理された後に、精米機38へ供給されて、精米処理される。また、精米機38による精米処理の際に発生する米糠は、糠回収機40によって回収されて、糠袋42に集積される。
【0046】
精米機38によって精米処理された米粒(白米H)は、昇降機44によって持ち上げ搬送されて集積タンク46に集積される。さらに、集積タンク46から米粒が流下されて白米袋48に収容されることで、装置の利用者に提供される。
【0047】
ここで、載置台50は、下面のキャスタ52によって、操作室12Aの床壁上を移動可能にされている。このため、図8に示す如く、例えば30Kgの原料米袋62や白米袋48を載置台50(載置面50A)に載置して載置台50を移動させることで、操作室12Aにおいて原料米袋62や白米袋48を搬送できる。これにより、操作室12Aにおいて原料米袋62や白米袋48を人力で直接持ち運ぶ労力を少なくでき、原料米袋62や白米袋48を容易に搬送できる。
【0048】
さらに、載置台50が供給ホッパ26(投入口26A)から建屋12の出入口20までにおいて前後方向へ移動可能にされている。
【0049】
このため、出入口20の左側の引き戸22を右側へスライドさせて出入口20の左側部分を開放させると共に、載置台50を出入口20側(前側)に移動させた状態で、建屋12の近傍に駐車された車両64(特に自動車)の荷台から原料米袋62を取り出して、原料米袋62を出入口20の開放部分(左側部分)を介して載置台50に載置することで、載置台50を供給ホッパ26側に移動させて、操作室12Aにおいて原料米袋62を供給ホッパ26側に搬送できる。これにより、建屋12外から設置面16と操作室12Aの床壁との間の段差を乗り越えて操作室12Aに原料米袋62を人力で直接持ち運ぶ労力をなくすことができると共に、操作室12Aにおいて原料米袋62を人力で直接持ち運ぶ労力をなくすことができ、原料米袋62を一層容易に搬送できる。
【0050】
しかも、載置台50を供給ホッパ26側に移動させた状態で、載置台50に白米袋48を載置することで、載置台50を出入口20側に移動させて、操作室12Aにおいて白米袋48を出入口20側に搬送できる。さらに、出入口20の左側の引き戸22を右側へスライドさせて出入口20の左側部分を開放させた状態で、白米袋48を載置台50から出入口20の開放部分(左側部分)を介して建屋12の近傍に駐車された車両64の荷台に搬入できる。これにより、操作室12Aにおいて白米袋48を人力で直接持ち運ぶ労力を一層少なくできると共に、操作室12Aから操作室12Aの床壁と設置面16との間の段差を乗り越えて建屋12外に白米袋48を人力で直接持ち運ぶ労力をなくすことができ、白米袋48を一層容易に搬送できる。
【0051】
また、操作室12Aの床壁上における下ガイド54の右壁が載置台50の左側のキャスタ52(車輪52B)の右側への移動を制限することで、載置台50の前後方向へ移動が案内される。このため、載置台50を容易に前後方向へ移動させることができる。
【0052】
さらに、操作室12Aの左壁における上レール58のレール58Bに沿って載置台50左壁の移動レール56が移動されることで、載置台50の前後方向へ移動が案内される。このため、載置台50を一層容易に前後方向へ移動させることができる。しかも、移動レール56のブッシュ56Aにレール58Bが挿通されることで、載置台50を移動させる際に載置台50が転倒することを防止できると共に、建屋12から載置台50が盗難されることを抑制できる。
【0053】
また、原料米袋62内の米粒が供給ホッパ26の投入口26Aへ投入される際には、載置台50が供給ホッパ26側に移動されて、原料米袋62が供給ホッパ26側に移動される。このため、建屋12の出入口20から操作室12Aに侵入する風雨に原料米袋62内の米粒が晒されることを抑制できる。
【0054】
以上により、本実施の形態に係る自動精米装置10では、載置台50によって原料米袋62及び白米袋48を容易に搬送でき、集客能力を高めることができる。
【0055】
なお、本実施の形態では、載置台50に対応させて、下ガイド54と上レール58及び移動レール56とを設けた。しかしながら、下ガイド54と上レール58及び移動レール56との少なくとも一方を設けなくてもよい。
【0056】
また、上レール58及び移動レール56を設けない場合には、載置台50を建屋12外においても移動可能にしてもよい。
【0057】
すなわち、図10に示す変形例の如く、載置台50の下面には、支持部材としての棒状の支持脚66の基端(上端)が複数(例えば4つ)固定されている。支持脚66の基端側部分は、固定脚66Aにされており、固定脚66Aは、載置台50から下方へ延出されている。支持脚66の先端側部分(下側部分)は、回動脚66Bにされており、回動脚66Bは、固定脚66Aに対し下方へ延出された位置から前側に回動可能にされている。さらに、回動脚66Bは、後側へ回動される方向へ付勢されると共に、下方へ延出された位置にロック可能にされている。
【0058】
支持脚66の先端(回動脚66Bの先端)には、上記と同様のキャスタ52の支持枠52Aが固定されており、キャスタ52の車輪52Bの回転軸は、回動脚66Bの回動軸に平行にされている。
【0059】
載置台50の下面には、固定脚66Aの前側において、係止部材としての柱状のストッパ68が固定されており、ストッパ68は、載置台50から下方へ延出されて、回動脚66Bの回動を係止可能にされている。
【0060】
このため、載置台50が操作室12Aに配置される際には、支持脚66の回動脚66Bがロックされない状態で、操作室12Aの床壁によって回動脚66Bが付勢力に抗して前側に回動されて支持脚66が折り畳まれると共に、回動脚66Bの回動がストッパ68に係止される。これにより、載置台50が、支持脚66、キャスタ52及びストッパ68によって操作室12Aの床壁上に支持されて、キャスタ52によって操作室12Aの床壁を移動可能にされる。
【0061】
一方、載置台50が操作室12Aから建屋12の出入口20を介して建屋12外に移動される際には、支持脚66が出入口20を乗り越えることで、回動脚66Bが、付勢力によって後側に回動されて下方へ延出されると共に、下方へ延出された位置にロックされて、載置台50が支持脚66及びキャスタ52によって設置面16上に高さを維持された状態で支持される。これにより、原料米袋62や白米袋48が載置された載置台50がキャスタ52によって設置面16を移動されることで、建屋12外においても、原料米袋62や白米袋48を人力で直接持ち運ぶ労力を少なくできて、原料米袋62や白米袋48を容易に搬送できる。
【0062】
また、載置台50が建屋12外から建屋12の出入口20を介して操作室12Aに移動される際には、回動脚66Bの下方へ延出された位置へのロックが解除された状態で、支持脚66が出入口20を乗り越えることで、操作室12Aの床壁によって回動脚66Bが付勢力に抗して前側に回動されて支持脚66が折り畳まれると共に、回動脚66Bの回動がストッパ68に係止される。
【0063】
[第2の実施の形態]
図11には、本発明の第2の実施の形態に係る自動精米装置80の主要部が前方から見た正面図にて示されている。
【0064】
本実施の形態に係る自動精米装置80は、上記第1の実施の形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
【0065】
図11に示す如く、本実施の形態に係る自動精米装置80では、載置台50にキャスタ52が設けられていないと共に、操作室12Aに下ガイド54が設けられていない。
【0066】
載置台50の左面には、上部及び下部において、移動レール56が固定されており、操作室12Aの左壁には、一対の上レール58が設けられている。各上レール58のレール58Bは、各移動レール56の前壁及び後壁のブッシュ56Aに挿通されており、これにより、載置台50が一対の移動レール56を介して一対の上レール58に支持されている。このため、レール58Bに沿って移動レール56が移動されることで、載置台50が前後方向へ移動されると共に、載置台50の前後方向へ移動が案内される。
【0067】
このため、本実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0068】
さらに、載置台50の下面と操作室12Aの床壁との間にキャスタ52及び下ガイド54が存在しない。このため、操作室12Aの床壁に下ガイド54により段差が設けられることを防止できると共に、載置台50の下面と操作室12Aの床壁とを容易に掃除することができる。
【0069】
なお、上記第1の実施の形態(変形例を含む)及び第2の実施の形態では、載置台50を手動により移動可能にした。しかしながら、載置台50を電動により移動可能にしてもよい。この場合、載置台50の移動が制限された際(特に載置台50の移動レール56の前壁及び後壁がそれぞれ上レール58のレール枠58Aの前壁及び後壁に当接した際)には、載置台50の移動が自動で停止されるのが好ましい。
【0070】
また、上記第1の実施の形態(変形例を含む)及び第2の実施の形態では、建屋12の出入口20と供給ホッパ26との間を載置台50が移動可能にされた。しかしながら、これに代えて、又は、これと共に、建屋12の出入口20と集積タンク46との間を載置台50が移動可能にされてもよい。この場合、当該載置台50に対応させて、下ガイド54や上レール58及び移動レール56を設けてもよい。これにより、当該載置台50を集積タンク46側に移動させた状態で、当該載置台50に白米袋48を載置することで、当該載置台50を出入口20側に移動させて、操作室12Aにおいて白米袋48を出入口20側に搬送できる。しかも、出入口20の右側の引き戸22を左側へスライドさせて出入口20の右側部分を開放させた状態で、白米袋48を当該載置台50から出入口20の開放部分(右側部分)を介して建屋12の近傍に駐車された車両64の荷台に搬入できる。
【0071】
さらに、上記第1の実施の形態(変形例を含む)及び第2の実施の形態では、機械室12Bに切換弁32及び籾摺機34を設けることで、籾M又は玄米Gの何れであっても対応して精米処理できる。しかしながら、機械室12Bに切換弁32及び籾摺機34を設けずに、玄米Gのみに対応して精米処理してもよい。
【符号の説明】
【0072】
10 自動精米装置
12 建屋(装置本体)
12A 操作室(搬送室)
12B 機械室
20 出入口(開放口)
26 供給ホッパ(連絡部)
46 集積タンク(連絡部)
48 白米袋(米袋)
50 載置台
62 原料米袋(米袋)
80 自動精米装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
米粒が収容された米袋が搬送される搬送室及び米粒が精米される機械室が設けられた装置本体と、
前記搬送室に設けられると共に、移動可能にされて前記機械室に対し離間可能にされ、前記米袋が載置される載置台と、
を備えた自動精米装置。
【請求項2】
前記装置本体に前記搬送室を前記装置本体外へ開放させる開放口が設けられると共に、前記機械室内に連絡されて米粒が供給又は排出される連絡部が設けられ、前記載置台を前記開放口と前記連絡部との間において移動可能にした請求項1記載の自動精米装置。
【請求項3】
前記装置本体に前記搬送室を前記装置本体外へ開放させる開放口が設けられると共に、前記装置本体外の下面に対し前記開放口の下端が上側に配置され、前記載置台を前記搬送室と前記装置本体外とに前記開放口を介して移動可能にした請求項1又は請求項2記載の自動精米装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−86009(P2013−86009A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227698(P2011−227698)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000144898)株式会社山本製作所 (144)
【Fターム(参考)】