説明

自動調圧式炭酸ガス圧力調整器

【課題】ビール樽からビールを注出するサーバシステムの、小型で低価格な電子制御自動調圧式炭酸ガス圧力調整器の創出。
【解決手段】従来の図1に示す電子制御ユニット一体自動調圧式圧力調整器を基本にして、ステッピングモータ軸に直接、又は、該軸にコネクティングシャフトを接続した軸に、調圧ねじ設け、調圧スプリングのスラストをステッピングモータで受ける構造によって、小型化。従来のコネクティングプレート2とコネクティングシャフト3を廃止したことで、コスト削減をした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビール樽に炭酸ガス圧力をかけて注出する、ビールサーバシステムの、高圧容器の炭酸ガスを減圧する圧力調整器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高圧容器の炭酸ガスを圧力調整器で減圧して、ビール樽に供給するビールサーバシステムの、ビール樽にかける炭酸ガス圧力(供給圧力)を、ビールを美味しく注出するために、ビール温度、又は、ビール樽温度に応じて変化させることが有効であることがわかっている。図1に提案した電子制御自動調圧式圧力調整器は構造がやや複雑で、全高が高くなってしまう欠点があった。
【特許文献1】特願2006−146246
【特許文献2】特願2006−166976
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
解決しようとする課題は、ビール樽にかける炭酸ガスの供給圧力を、ビール温度及び又は、ビール樽温度に応じて変化させることを目的に、従来の自動調圧式圧力調整器より小型でコストの安い、自動調圧式炭酸ガス圧力調整器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、図2における、7の自動調圧式炭酸ガス圧力調整器を指す。図2はビール温度を感知する温度センサ8、ビール樽温度を感知する温度センサ9などの配置図である。図3は、本案の自動調圧式炭酸ガス圧力調整器の断面図であって、おもな圧力調整機能部品(調圧部品)はステッピングモータ21、調圧ねじ24付コネクティングシャフト22、回転規制ローラ23付調圧プレート25で構成する、26はスラスト受けワッシャで5の調圧スプリングのスラストを受ける。
【0005】
図4は、図3のコネクティングシャフト22の代わりに21のステッピングモータシャフトを延長して、25の調圧プレートを動作するように構成したものである。
【発明の効果】
【0006】
図1は従来の電子制御自動調圧式圧力調整器である、1はステッピングモータ、2はコネクティングプレート、3はコネクティングシャフト、4は調圧プレートである。本案の図3及び図4は、図1のコネクティングプレート2及びコネクティングシャフト3を廃止したため、部品数の削減と全高の短縮ができ、小型化低コスト化ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
高圧のガスを減圧する圧力調整器の供給圧力を自動で変化させる本案構造は、ビールサーバ用としての炭酸ガス圧力調整器に用いることが最良であり、ビアホールや居酒屋など、炭酸ガス高圧容器の交換頻度が多い量販店向けに、小型で扱いやすい電子制御自動調圧式圧力調整器を提供できる。
【実施例】
【0008】
図3は、本発明の実施例の断面図である。高圧の炭酸ガスは16のボンベジョイントから入り、17の1次バルブで中間圧に減圧され、18の2次バルブで供給圧力に調整される。供給圧力を決めるのが、5の調圧スプリングで、25の調圧プレートが移動して5の調圧スプリングを伸縮する。25の調圧プレートを移動させるのが22のコネクティングシャフトに設けた24の調圧ねじで、21のステッピングモータ軸に固定されている。25の調圧プレートには回り止めローラ23を設けてあり調圧ねじ24によって回転することはなく、調圧プレート25は軸方向へスライドする。即ち、21のステッピングモータが回転すると、24の調圧ねじにより25の調圧プレートを軸方向に作動、5の調圧スプリングを伸縮する。
【0009】
図4は21のステッピングモータ軸に直接24の調圧ねじを設けた案で、図3より更に全高を短縮できる。
【産業上の利用可能性】
【0010】
以上説明したように、本発明は電子制御自動調圧式炭酸ガス圧力調整器の部品点数を削減し、全高を短縮できるなど、ビールサーバ用炭酸ガス以外の高圧容器への取付けも容易であり、コストの低減も出来ることから電子制御自動調圧式圧力調整器として、炭酸ガス用以外の、たとえば窒素ガスなどの高圧ガスを減圧する圧力調整器として利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】従来の自動調圧式炭酸ガス圧力調整器の説明図である。
【図2】本発明の自動調圧式炭酸ガス圧力調整器のシステムレイアウトの説明図である。
【図3】本発明の自動調圧式炭酸ガス圧力調整器の説明図である。(実施例1)
【図4】本発明の自動調圧式炭酸ガス圧力調整器の説明図である。(実施例2)
【符号の説明】
【0012】
1 ステッピングモータ
2 コネクティングプレート
3 コネクティングシャフト
4 調圧プレート
5 調圧スプリング
6 電子制御箱
7 自動調圧式圧力調整器
8 ビール温度センサ
9 ビール樽温度センサ
10 ビール通路
11 炭酸ガス供給通路
12 温度センサコード
13 炭酸ガスボンベ
14 ビール樽
15 電源(ACアダプタ)
16 ボンベ接続口(炭酸ガス入口)
17 1次バルブアッセンブリ
18 2次バルブアッセンブリ
19 供給口(炭酸ガス出口)
21 ステッピングモータ
22 コネクティングシャフト
23 回転規制ローラ
24 調圧ねじ
25 調圧プレート
26 スラストワッシャ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビール樽からビールを注出するための、炭酸ガスの圧力を、気温、ビール温度、および又は、ビール樽温度によって変化させるために、気温、ビール温度、および又は、ビール樽温度の電気的信号を電子制御ユニットに入力し、電子制御ユニットに設定した制御マップを参照して、電子制御ユニットが圧力調整器のアクチュエータに駆動信号を出力することによって、炭酸ガスの供給圧力を調整する炭酸ガス用圧力調整システムの、炭酸ガス圧力調整器に電子制御ユニットを一体に組付け、圧力調整用アクチュエータを、ステッピングモータとする構成において、ステッピングモータ軸のねじが回転を規制した調圧プレートを移動し、調圧プレートは調圧スプリングの伸縮をすることによって、圧力調整を可能とする自動調圧式炭酸ガス圧力調整器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−143547(P2008−143547A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−331252(P2006−331252)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【出願人】(000113997)株式会社アクリテック (20)
【Fターム(参考)】