説明

自動販売機、販売方法及びプログラム

【課題】設置環境に応じて適切な商品を提供する。
【解決手段】商品格納部1は、複数の種類の商品を格納し、商品表示部2は、商品格納部1が格納する商品のうち一部の種類の商品を表示する。また、ルール記憶部9は、商品表示部2による表示を変更する変更条件と、当該変更条件が満たされた場合に商品表示部2が表示する商品情報とを関連付けて記憶する。また、切替部10は、ルール記憶部9が記憶する変更条件を満たす場合に、商品表示部2が表示する商品を変更条件に関連付けられた商品情報に変更し、払い出し部は、商品表示部2が表示する商品を、ユーザの操作に応じて商品格納部1から払い出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機、販売方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動販売機による商品の購買を促進する手段として、特許文献1には、設置環境などに応じて種々のメッセージを表示する技術が開示されている。また、特許文献2には、周囲環境に応じて、例えば降雨を検知すると、自動的に雨よけの屋根がせり出すよう利用者の快適性を保つ技術が開示されている。
【0003】
また、特許文献3には、商品の販売個数から売り切れる可能性の高い商品の入れ替え指示をする技術が開示されている。また、特許文献4には、販売環境に応じた商品の販売適温を示すデータベースを有することで、商品の温度を好適に変更し、それぞれの個数を調整する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−206396号公報
【特許文献2】特開平09−016841号公報
【特許文献3】特開2001−014518号公報
【特許文献4】特開2002−074490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1〜特許文献4に記載の技術を用いた自動販売機は、実際に利用者が購買できる商品は陳列棚に陳列されているものに限定されるため、必ずしも利用者に対して適切な商品を提供できるとは限らないという問題がある。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、設置環境に応じて適切な商品を提供する自動販売機、販売方法及びプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、複数の種類の商品を格納する商品格納部と、前記商品格納部が格納する商品のうち一部の種類の商品を表示する商品表示部と、前記商品表示部による表示を変更する変更条件と、当該変更条件が満たされた場合に商品表示部が表示する商品情報とを関連付けて記憶する記憶部と、前記記憶部が記憶する変更条件を満たす場合に、前記商品表示部が表示する商品を前記変更条件に関連付けられた商品情報に変更する変更部と、前記商品表示部が表示する商品を、ユーザの操作に応じて前記商品格納部から払い出す払い出し部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、自動販売機を用いた販売方法であって、商品格納部は、複数の種類の商品を格納し、商品表示部は、前記商品格納部が格納する商品のうち一部の種類の商品を表示し、記憶部は、前記商品表示部による表示を変更する変更条件と、当該変更条件が満たされた場合に商品表示部が表示する商品情報とを関連付けて記憶し、変更部は、前記記憶部が記憶する変更条件を満たす場合に、前記商品表示部が表示する商品を前記変更条件に関連付けられた商品情報に変更し、払い出し部は、前記商品表示部が表示する商品を、ユーザの操作に応じて前記商品格納部から払い出す、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、複数の種類の商品を格納する商品格納部を備える自動販売機を、前記商品格納部が格納する商品のうち一部の種類の商品を表示する商品表示部、前記商品表示部による表示を変更する変更条件と、当該変更条件が満たされた場合に商品表示部が表示する商品情報とを関連付けて記憶する記憶部、前記記憶部が記憶する変更条件を満たす場合に、前記商品表示部が表示する商品を前記変更条件に関連付けられた商品情報に変更する変更部、前記商品表示部が表示する商品を、ユーザの操作に応じて前記商品格納部から払い出す払い出し部、として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、記憶部が記憶する変更条件に基づいて、変更部が商品表示部に表示させる商品情報を変更する。これにより、自動販売機は、設置環境に応じて適切な商品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態による自動販売機の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】商品表示部の構造を示す図である。
【図3】商品情報記憶部が記憶する情報を示す図である。
【図4】ルール記憶部が記憶する情報を示す図である。
【図5】履歴記憶部が記憶する情報を示す図である。
【図6】自動販売機の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態による自動販売機の構成を示す概略ブロック図である。
自動販売機は、商品格納部1、商品表示部2、商品情報記憶部3、商品選択部4、決済部5、払い出し部6、タイマ部7(計測部)、計測部8、ルール記憶部9(記憶部)、切替部10(変更部)、履歴登録部11、履歴記憶部12を備える。
商品格納部1は、複数の格納ユニット(図示せず)を備え、当該格納ユニットのそれぞれに異なる種類の商品を格納する。
商品表示部2は、自動販売機の表示窓に、商品格納部1が格納する商品のうち一部の種類の商品サンプルを表示する。
商品情報記憶部3は、商品格納部1に格納された複数の種類の商品の商品情報を記憶する。
商品選択部4は、利用者から商品表示部2に表示された商品の選択操作を受け付ける。
決済部5は、利用者から貨幣または紙幣を受け付け、商品価格に応じた釣銭を支払う。
払い出し部6は、利用者が商品選択部4を介して選択した商品を商品格納部1から取り出し、利用者に払い出す。
タイマ部7は、現在の時刻を計測する。
計測部8は、自動販売機周囲の環境情報(例えば、温度、湿度、降雨の有無など)を計測する。
ルール記憶部9は、商品表示部2による表示を変更する変更条件と、当該変更条件が満たされた場合に商品表示部2が表示する商品を特定する識別情報とを関連付けて記憶する。
切替部10は、タイマ部7及び計測部8から出力された情報が、ルール記憶部9が記憶する変更条件を満たすか否かを判定し、変更条件を満たす場合、商品表示部2に当該変更条件に関連付けられた識別情報が示す商品を表示させる。
履歴登録部11は、利用者による購買履歴を履歴記憶部12に登録する。
履歴記憶部12は、利用者による購買履歴を記憶する。
【0012】
図2は、商品表示部の構造を示す図である。
商品表示部2は、商品サンプルを表示する表示ユニットを複数備える。
図2に示すように、表示ユニットは、鉛直軸周りに回転自在に支持された回転台を備える。また、表示ユニットは、当該回転台の上面から鉛直方向に突出するように設けられ、回転台の上部を、利用者の可視範囲である表面と利用者の不可視範囲である背面とに2分することが可能な仕切り板を備える。また、表示ユニットは、仕切り板によって2分された回転台の上部のそれぞれの区画に1つずつ設けられた種類の異なる商品サンプルを備える。また、表示ユニットは、回転台の下方に設けられ、回転台を回転させることで回転台に設けられた商品サンプルの位置を可視範囲である表面と不可視範囲である背面とに入れ替えるモータを備える。
これにより、表示ユニットは、モータを駆動させることで、利用者に表示させる商品サンプルを切り替えることができる。
【0013】
図3は、商品情報記憶部が記憶する情報を示す図である。
商品情報記憶部3は、商品表示部2の表示ユニットを特定するユニットIDと、当該表示ユニットの表裏を特定する表裏フラグと、当該表示ユニットが表示する商品サンプルの商品名とを関連付けて記憶する。なお、商品情報記憶部3において、ユニットIDと表裏フラグとの組み合わせは一意となる。
【0014】
図4は、ルール記憶部が記憶する情報を示す図である。
ルール記憶部9は、商品表示部2による商品の表示を切り替えるか否かを判定する表示条件と、当該表示条件を満たす場合に商品表示部2に表示させる商品の商品名と、表示条件の優先順位とを関連付けて記憶する。
【0015】
図5は、履歴記憶部が記憶する情報を示す図である。
履歴記憶部12は、期間、表示ユニット、温度、湿度、降雨、商品名、販売履歴を関連付けて記憶する。期間は、商品表示部2のある表示ユニットにおいて同一の商品を販売した期間を示す。温度、湿度、及び降雨は、前記期間の間の温度、湿度、及び降雨の有無を示す。商品名は、表示ユニットの表面に配置された商品の商品名を示す。販売履歴は、表示ユニットが表示する商品の前記期間における販売個数を示す。
【0016】
そして、上述した構成を有することで、自動販売機の商品格納部1は、複数の種類の商品を格納し、商品表示部2は、商品格納部1が格納する商品のうち一部の種類の商品を表示する。また、ルール記憶部9は、商品表示部2による表示を変更する変更条件と、当該変更条件が満たされた場合に商品表示部2が表示する商品情報とを関連付けて記憶する。また、切替部10は、ルール記憶部9が記憶する変更条件を満たす場合に、商品表示部2が表示する商品を変更条件に関連付けられた商品情報に変更し、払い出し部は、商品表示部2が表示する商品を、ユーザの操作に応じて商品格納部1から払い出す。
これにより、自動販売機は、設置環境に応じて適切な商品を提供することができる。
【0017】
次に、本実施形態による自動販売機の動作を説明する。
図6は、自動販売機の動作を示すフローチャートである。
自動販売機が起動すると、計測部8は、環境情報の計測を実行する(ステップS1)。本実施形態では、計測部8は、自動販売機周囲の温度、湿度、降雨の有無を計測する。計測部8が環境情報の計測を終了すると、切替部10は、計測部8から環境情報の計測結果を取得する(ステップS2)。また、切替部10は、タイマ部7から現在の時刻を取得する(ステップS3)。
【0018】
次に、切替部10は、商品表示部2の各表示ユニットに対して、以下に示すステップS5〜S8の処理を実行する(ステップS4)。
まず、切替部10は、商品情報記憶部3から商品表示部2が表示する商品の商品情報を取得する(ステップS5)。次に、切替部10は、ステップS2で取得した環境情報と、ステップS3で取得した時刻と、ステップS4で取得した商品情報とに基づいて、ルール記憶部9が記憶する複数の表示条件の少なくとも何れか1つを満たすか否かを判定する(ステップS6)。
【0019】
切替部10は、ルール記憶部9が記憶する複数の表示条件の少なくとも何れか1つを満たすと判定した場合(ステップS6:YES)、満たされた表示条件のうち、最も優先順位が高い表示条件に関連付けられた商品名の商品サンプルが、表示ユニットの背面に配置されているか否かを判定する(ステップS7)。
切替部10は、表示条件に関連付けられた商品サンプルが、表示ユニットの背面に配置されていると判定した場合(ステップS7:YES)、表示ユニットのモータを駆動させ、利用者に表示させる商品サンプルを切り替える(ステップS8)。また、切替部10は、表示ユニットの回転に合わせ、払い出し部6が払い出す商品を切り替える。払い出す商品の切り替えは、例えば、商品格納部1の格納ユニット(図示せず)を物理的に回転させることで行っても良いし、商品格納部1の格納ユニット(図示せず)の物理的な移動を行わずに、商品選択部4との接続情報のみを電気的に切り替えることで行っても良い。
このとき、切替部10は、商品情報記憶部3が表示させる商品サンプルを切り替えた表示ユニットのユニットIDに関連付けられた表裏フラグを書き換える。
【0020】
他方、ステップS6でルール記憶部9が記憶する複数の表示条件を満たさないと判定した場合(ステップS6:NO)、またはステップS7で表示条件に関連付けられた商品サンプルが表示ユニットの背面に配置されていないと判定した場合(ステップS7:NO)、切替部10は、表示ユニットのモータを駆動させない。
【0021】
ステップS4による繰り返し処理を全ての表示ユニットに対して実行すると、商品選択部4は、利用者から商品表示部に表示された商品の中から購入する商品の選択操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS9)。具体的には、商品選択部4は、商品表示部2の各表示ユニットの下方に設けられた購入ボタン(図示せず)の押下の有無を判定する。
商品選択部4が選択操作を受け付けたと判定した場合(ステップS9:YES)、決済部5は、選択された商品の価格以上の貨幣または紙幣を受け付けたか否かを判定する(ステップS10)。
【0022】
決済部5は、受け付けた貨幣または紙幣が選択された商品の価格未満であると判定した場合(ステップS10:NO)、選択された商品の価格以上の貨幣または紙幣を受け付けるまで待機する。
決済部5は、受け付けた貨幣または紙幣が選択された商品の価格以上であると判定した場合(ステップS10:YES)、釣銭を支払い、払い出し部6は、選択された商品を払い出す(ステップS11)。つまり、払い出し部6は、押下された購入ボタンに関連付けられた商品表示部2の表示ユニットの、表面に配置された商品サンプルが示す商品を払い出す。
【0023】
ステップS9で商品選択部4が選択操作を受け付けていないと判定した場合(ステップS9:NO)、またはステップS11で払い出し部6が商品を払い出した場合、履歴登録部11は、図5に示すように、履歴記憶部12に、現在時刻における商品の切替履歴及び販売履歴を追加登録する(ステップS12)。履歴記憶部12が記憶する情報は、別途無線LANなどの通信手段を自動販売機に備えることによって、外部のサーバへ送信し、環境に応じた商品提供結果のマーケティングに供することも可能である。
【0024】
次に、自動販売機は、管理者などによる操作や割り込み処理などにより、外部から処理の終了要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS13)。自動販売機は、外部から終了要求を受け付けていないと判定した場合(ステップS13:NO)、ステップS1に戻り、環境情報の計測を実行する。他方、自動販売機は、外部から終了要求を受け付けたと判定した場合(ステップS13:YES)、処理を終了する。
上述した処理により、自動販売機は、時刻や温度、湿度、降雨の有無などの設置環境に応じて適切な商品を提供することができる。
【0025】
次に、具体的な例を用いて本実施形態による自動販売機の動作を説明する。
まず、時刻が午前10時、温度が30℃、湿度が80%、降雨はなし、という環境における自動販売機の動作を説明する。
切替部10は、ステップS4の繰り返し処理において、まずステップS5を実行し、商品情報記憶部3から、ユニットID「1」に関連付けられた商品名及び表裏フラグを読み出す。図3を参照すると、ユニットID「1」に関連付けられた商品名及び表裏フラグは、「コーヒー1:表」「炭酸2:裏」である。
【0026】
次に、切替部10は、ステップS6を実行し、ルール記憶部9が記憶する表示条件を満たすか否かを判定する。図4を参照すると、ユニットID「1」の表示ユニットは、優先順位「3」に関連付けられた表示条件「気温:30℃以上、表示:炭酸飲料以外」を満たす。表示条件を満たすため、切替部10は、ステップS7を実行し、表示条件に関連付けられた商品サンプルが背面に配置されているか否かを判定する。このとき、表裏フラグが「裏」を示す商品名は「炭酸2」であるため、切替部10は、表示条件に関連付けられた商品「炭酸飲料1 or 炭酸飲料2」が背面に配置されていると判定する。そのため、切替部10は、ステップS8を実行し、ユニットID「1」の表示ユニットの表示を切り替える。
【0027】
次に、切替部10は、ステップS5に戻り、商品情報記憶部3から、ユニットID「2」に関連付けられた商品名及び表裏フラグを読み出す。図3を参照すると、ユニットID「2」に関連付けられた商品名及び表裏フラグは、「コーヒー2:表」「傘:裏」である。
次に、切替部10は、ステップS6を実行し、ルール記憶部9が記憶する表示条件を満たすか否かを判定する。図4を参照すると、ユニットID「2」の表示ユニットは、優先順位「3」に関連付けられた表示条件「気温:30℃以上、表示:炭酸飲料以外」を満たす。表示条件を満たすため、切替部10は、ステップS7を実行し、表示条件に関連付けられた商品サンプルが背面に配置されているか否かを判定する。このとき、表裏フラグが「裏」を示す商品名は「傘」であるため、切替部10は、表示条件に関連付けられた商品「炭酸飲料1 or 炭酸飲料2」が背面に配置されていないと判定する。そのため、切替部10は、ユニットID「2」の表示ユニットの表示を切り替えない。
以降、他の表示ユニットに対しても同様の処理を行う。
【0028】
次に、時刻が午前11時15分、温度が29℃、湿度が90%、降雨あり、という環境における自動販売機の動作を説明する。
切替部10は、ステップS4の繰り返し処理において、まずステップS5を実行し、商品情報記憶部3から、ユニットID「1」に関連付けられた商品名及び表裏フラグを読み出す。図3を参照すると、ユニットID「1」に関連付けられた商品名及び表裏フラグは、「コーヒー1:表」「炭酸2:裏」である。
【0029】
次に、切替部10は、ステップS6を実行し、ルール記憶部9が記憶する表示条件を満たすか否かを判定する。図4を参照すると、ユニットID「1」の表示ユニットは、優先順位「1」に関連付けられた表示条件「天候:雨、表示:傘以外」を満たす。表示条件を満たすため、切替部10は、ステップS7を実行し、表示条件に関連付けられた商品サンプルが背面に配置されているか否かを判定する。このとき、表裏フラグが「裏」を示す商品名は「炭酸2」であるため、切替部10は、表示条件に関連付けられた商品「傘」が背面に配置されていないと判定する。そのため、切替部10は、ユニットID「1」の表示ユニットの表示を切り替えない。
【0030】
次に、切替部10は、ステップS5に戻り、商品情報記憶部3から、ユニットID「2」に関連付けられた商品名及び表裏フラグを読み出す。図3を参照すると、ユニットID「2」に関連付けられた商品名及び表裏フラグは、「コーヒー2:表」「傘:裏」である。
次に、切替部10は、ステップS6を実行し、ルール記憶部9が記憶する表示条件を満たすか否かを判定する。図4を参照すると、ユニットID「2」の表示ユニットは、優先順位「1」に関連付けられた表示条件「天候:雨、表示:傘以外」を満たす。表示条件を満たすため、切替部10は、ステップS7を実行し、表示条件に関連付けられた商品サンプルが背面に配置されているか否かを判定する。このとき、表裏フラグが「裏」を示す商品名は「傘」であるため、切替部10は、表示条件に関連付けられた商品「傘」が背面に配置されていると判定する。そのため、切替部10は、ステップS8を実行し、ユニットID「2」の表示ユニットの表示を切り替える。
以降、他の表示ユニットに対しても同様の処理を行う。
【0031】
このように、本実施形態によれば、タイマ部7、計測部8による環境情報の計測結果とルール記憶部9が記憶する表示ルールとに基づいて、切替部10が商品表示部2に表示させる商品サンプルを切り替える。これにより、自動販売機は、設置環境に応じて適切な商品を提供することができ、また設置環境に応じた商品の動的な入れ替えができ、さらに自動販売機管理者の商品入れ替えコストを低減することができる。
【0032】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、本実施形態では、商品表示部2が図2に示す構造を有する場合を説明したが、これに限られない。例えば、商品表示部2の表示ユニットは、回転自在でなく、上下に切り替わる装置形状であっても良いし、また、商品表示部2が液晶画面などのディスプレイを備え、当該ディスプレイに商品を表示するものであっても良い。
【0033】
また、本実施形態では、環境情報として時刻、温度、湿度、及び降雨の有無を用いたが、これに限られず、他の環境情報を用いても良い。例えば、環境情報として、曜日、風速などを用いても良い。
【0034】
上述の自動販売機は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0035】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0036】
1…商品格納部 2…商品表示部 3…商品情報記憶部 4…商品選択部 5…決済部 6…払い出し部 7…タイマ部 8…計測部 9…ルール記憶部 10…切替部 11…履歴登録部 12…履歴記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の種類の商品を格納する商品格納部と、
前記商品格納部が格納する商品のうち一部の種類の商品を表示する商品表示部と、
前記商品表示部による表示を変更する変更条件と、当該変更条件が満たされた場合に商品表示部が表示する商品情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記記憶部が記憶する変更条件を満たす場合に、前記商品表示部が表示する商品を前記変更条件に関連付けられた商品情報に変更する変更部と、
前記商品表示部が表示する商品を、ユーザの操作に応じて前記商品格納部から払い出す払い出し部と、
を備えることを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
自装置の周囲の環境における物理量を計測し、当該物理量を示す環境情報を出力する計測部を備え、
前記変更部は、前記記憶部が記憶する変更条件を前記環境情報が満たす場合に、前記商品表示部が表示する商品を前記変更条件に関連付けられた商品情報に変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
【請求項3】
前記商品表示部は、商品サンプルを表示する複数の表示ユニットを備え、
前記表示ユニットは、鉛直軸周りに回転自在に支持された回転台と、
前記回転台の上面から鉛直方向に突出するように設けられ、前記回転台の上部を利用者の可視範囲である表面と利用者の不可視範囲である背面とに2分することが可能な仕切り板と、
前記仕切り板によって2分された前記回転台の上部のそれぞれの区画に1つずつ設けられた種類の異なる商品サンプルと、
前記回転台の下方に設けられ、前記回転台を回転させることで当該回転台に設けられた前記商品サンプルの位置を入れ替えるモータと、
を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動販売機。
【請求項4】
自動販売機を用いた販売方法であって、
商品格納部は、複数の種類の商品を格納し、
商品表示部は、前記商品格納部が格納する商品のうち一部の種類の商品を表示し、
記憶部は、前記商品表示部による表示を変更する変更条件と、当該変更条件が満たされた場合に商品表示部が表示する商品情報とを関連付けて記憶し、
変更部は、前記記憶部が記憶する変更条件を満たす場合に、前記商品表示部が表示する商品を前記変更条件に関連付けられた商品情報に変更し、
払い出し部は、前記商品表示部が表示する商品を、ユーザの操作に応じて前記商品格納部から払い出す、
ことを特徴とする販売方法。
【請求項5】
複数の種類の商品を格納する商品格納部を備える自動販売機を、
前記商品格納部が格納する商品のうち一部の種類の商品を表示する商品表示部、
前記商品表示部による表示を変更する変更条件と、当該変更条件が満たされた場合に商品表示部が表示する商品情報とを関連付けて記憶する記憶部、
前記記憶部が記憶する変更条件を満たす場合に、前記商品表示部が表示する商品を前記変更条件に関連付けられた商品情報に変更する変更部、
前記商品表示部が表示する商品を、ユーザの操作に応じて前記商品格納部から払い出す払い出し部、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−145936(P2011−145936A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−7034(P2010−7034)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】