説明

自動販売機の制御装置

【課題】販売ユニットの設置作業を簡単なものとすることができる自動販売機の制御装置を提供すること。
【解決手段】本体キャビネットの内部に収容する商品とは別個の商品を販売する販売ユニット40が、本体キャビネットに形成された開口を閉成する外扉に設置可能な自動販売機に適用される制御装置であって、販売ユニット40に関するユニット情報が予め格納されており、該販売ユニット40の追加が選択される場合に、ユニット情報に基づいて該販売ユニット40における商品の販売に関する設定を行う制御手段30を備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機の制御装置に関し、より詳細には、自動販売機本体の内部に収容する商品とは別個の商品を販売する販売ユニットが、該自動販売機本体に形成された開口を閉成する扉体に設置可能な自動販売機に適用される制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品を販売する自動販売機において、内部の商品収納ラックに収納された商品とは別個の商品を販売する販売ユニットを備えたものが知られている。
【0003】
販売ユニットは、自身の前面が自動販売機の前面である外扉の前面から前方に突出する態様で組み込まれており、内部に商品を直積みした状態で上下方向に沿って収納する収納コラムを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−99638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、このような販売ユニットを自動販売機に設置等する場合には、機械構成をソフトに認識させるための構造モードの設定作業を行う必要があり、販売ユニットの設置作業が煩雑なものであった。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みて、販売ユニットの設置作業を簡単なものとすることができる自動販売機の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る自動販売機の制御装置は、自動販売機本体の内部に収容する商品とは別個の商品を販売する販売ユニットが、前記自動販売機本体に形成された開口を閉成する扉体に設置可能な自動販売機に適用される制御装置であって、前記販売ユニットに関するユニット情報が予め格納されており、該販売ユニットの追加が選択される場合に、前記ユニット情報に基づいて該販売ユニットにおける商品の販売に関する設定を行う制御手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、販売ユニットに関するユニット情報が予め格納されており、制御手段が販売ユニットの追加が選択される場合に、ユニット情報に基づいて該販売ユニットにおける商品の販売に関する設定を行うので、従来のように構造モードの設定作業を行う必要がなく、選択ボタンの初期化等を行う必要がない。従って、販売ユニットの設置作業を簡単なものとすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の実施の形態である制御装置を適用した自動販売機を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1に示した制御手段が実施する販売ユニット設定制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る自動販売機の制御装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施の形態である制御装置を適用した自動販売機を示すブロック図である。ここで例示する制御装置は、缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の容器入り飲料を商品として販売する自動販売機に適用されるものである。図には明示していないが、自動販売機の本体キャビネットには、複数の商品収納ラックが設けてあり、これらの商品収納ラックにコラムが設定してある。コラムは、同一種類の商品が収容される収容単位であり、販売する商品に応じて1、もしくは複数の商品収納ラックが対応している。商品収納ラックには、それぞれに収容した商品の搬出制御を行うためのベンドメック10が設けてあるとともに、個々のベンドメック10に商品の売り切れを検出する売切センサ12が設けてある。
【0012】
図1に示すように、上記自動販売機には、コラムに対応した選択ボタン14及び売切ランプ16が設けてあるとともに、貨幣処理装置18及び一体表示器20が設けてある。選択ボタン14は、利用者が購入商品を選択するためのもので、図には明示していないが、本体キャビネットの前面開口を開閉する外扉の前面に商品見本とともに配設してある。個々の選択ボタン14は、利用者によって押圧操作された場合にそれぞれの出力信号を後述の制御手段30に対して出力する。売切ランプ16は、利用者に対して商品が販売可能であるか否かを表示するためのもので、個々の選択ボタン14に対応して設けてある。貨幣処理装置18は、コインメカニズムやビルバリデータと称されるものであり、利用者によって貨幣が投入された場合にこれを鑑別し、その鑑別結果を後述の制御手段30に出力するものである。一体表示器20は、投入金額や釣銭金額等、商品を購入する場合に必要となるデータを表示するためのもので、例えば液晶表示器によって構成してある。
【0013】
また、上記自動販売機には、リモコン22が設けられている。リモコン22は、商品収納ラックに対するコラムの設定や、コラムと選択ボタン14との対応付け、販売価格の設定等、商品の販売に関わる各種設定や確認を行うためのもので、各種機能キーやテンキー等の入力部221と、液晶表示器等の表示部222とを備えて構成してある。入力部221が操作された場合には、その出力信号が後述する制御手段30に出力される。
【0014】
図には明示していないが、このリモコン22は、自動販売機の管理者やルート作業者と称されるオペレータが操作するものであり、施錠された外扉を解錠して開放した場合にのみ操作することが可能である。
【0015】
自動販売機の制御手段30は、図1に示すように、売切センサ12、貨幣処理装置18、選択ボタン14、リモコン22から出力信号が与えられた場合、予めメモリ30Mに格納したプログラムや初期データに従ってベンドメック10、売切ランプ16、一体表示器20、リモコン22の動作を制御するもので、入力制御部31、出力制御部32、販売管理制御部33、設定制御部34を備えて構成してある。
【0016】
入力制御部31は、各機器から与えられる指令や信号を入力して処理するものである。出力制御部32は、各機器に対して指令や信号等を出力して処理するものである。
【0017】
販売管理制御部33は、商品の販売に関わる処理を統括的に制御するものである。具体的には、入力部221の操作により商品収納ラックに対してコラムが設定され、更にコラムに対して選択ボタン14及び販売価格が対応付けられた場合、販売管理制御部33によってコラムの番号と商品収納ラックと選択ボタン14と販売価格とが互いに対応付けられ、これらがメモリ30Mに格納されることになる。
【0018】
また、販売管理制御部33は、貨幣処理装置18に貨幣が投入された場合、投入貨幣が販売価格以上となった時点で該当する選択ボタン14を有効化する。有効化した選択ボタン14が押圧操作された場合、販売管理制御部33は、対応するコラムの商品収納ラックに設けられたベンドメック10を動作させて商品を1つずつ払い出す動作を行う。
【0019】
更に、販売管理制御部33は、売切センサ12を通じて商品収納ラックの商品を監視し、商品無しを検出した場合、対応するコラムの売切ランプ16を点灯して売切状態であることを報知する処理を行う。
【0020】
設定制御部34は、オプションである販売ユニット40が追加された場合にその設定制御を行うものである。ここで販売ユニット40は、本体キャビネットの内部の商品収納ラックに収納された商品とは別個の商品を販売するもので、外扉の前面に取り付けられるものである。この販売ユニット40は、前面に取り付けられた3つのユニット選択ボタン401と、内部に商品を直積みした状態で上下方向に沿って収納する例えば3つのユニット収納コラム402とを備えている。
【0021】
リモコン22の入力部221を通じて販売ユニット40の追加項目が変更されて販売ユニット40の追加が選択されることにより、設定制御部34は、メモリ30Mに予め格納してあるユニット情報を読み出して販売ユニット40の設定制御を行うこととなる。ここでユニット情報は、当該自動販売機に追加可能な販売ユニット40のユニット選択ボタン401の数や、ユニット収納コラム402の数、並びに販売する商品の価格等に関するものが含まれている。
【0022】
図2は、上述した制御手段30が実施する販売ユニット設定制御処理の処理内容を示すフローチャートである。以下、図2を適宜参照しながら制御手段30が実行する処理の内容について説明する。
【0023】
販売ユニット40が所定の個所に取り付けられた後にリモコン22の入力部221を通じて販売ユニット40の追加が選択された場合(ステップS101:Yes)、制御手段30の設定制御部34は、メモリ30Mからユニット情報を読み出す(ステップS102)。
【0024】
ユニット情報を読み出した制御手段30の設定制御部34は、ユニット選択ボタン401のアドレスを追加し(ステップS103)、その後にユニット選択ボタン401とユニット収納コラム402との割り当てを行う(ステップS104)。そして、ユニット収納コラム402に価格の設定を行って(ステップS105)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
【0025】
以上説明したように、本実施の形態である自動販売機の制御装置によれば、販売ユニット40に関するユニット情報が予めメモリ30Mに格納されており、制御手段30が、販売ユニット40の追加が選択される場合に、ユニット情報に基づいて該販売ユニット40における商品の販売に関する設定を行うので、従来のように構造モードの設定作業を行う必要がなく、選択ボタンの初期化等を行う必要がない。従って、販売ユニット40の設置作業を簡単なものとすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
以上のように、本発明に係る自動販売機の制御装置は、販売ユニットを追加可能な自動販売機に有用である。
【符号の説明】
【0027】
10 ベンドメック
12 売切センサ
14 選択ボタン
16 売切ランプ
18 貨幣処理装置
20 一体表示器
22 リモコン
221 入力部
222 表示部
30 制御手段
30M メモリ
31 入力制御部
32 出力制御部
33 販売管理制御部
34 設定制御部
40 販売ユニット
401 ユニット選択ボタン
402 ユニット収納コラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動販売機本体の内部に収容する商品とは別個の商品を販売する販売ユニットが、前記自動販売機本体に形成された開口を閉成する扉体に設置可能な自動販売機に適用される制御装置であって、
前記販売ユニットに関するユニット情報が予め格納されており、該販売ユニットの追加が選択される場合に、前記ユニット情報に基づいて該販売ユニットにおける商品の販売に関する設定を行う制御手段を備えたことを特徴とする自動販売機の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−194820(P2012−194820A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58736(P2011−58736)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】