説明

自動販売機

【課題】予め設定された特定取引時間帯においては特定の商品の選択性を向上させて利用頻度の高いユーザを取り込むことが可能な自動販売機を提供すること。
【解決手段】利用者が商品を購入する際に、自身が採用する認証方式により利用者個人を認証した上で、機内に収容する選択された商品を販売する自動販売機において、認証方式により得られた利用者個人を特定する情報とともに、その利用者の購入商品及び購入日時の情報を商品販売の都度記憶するメモリ21と、メモリ21により記憶された情報から予め決められた時間帯毎の最も販売された最大販売商品を算出する算出処理部34と、予め設定された特定取引時間帯においては前面に配設されたディスプレイモニタ7に、算出処理部34に算出された最大販売商品に応じた商品見本を時間帯毎に表示させる表示処理部35とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機に関し、より詳細には、利用者が商品を購入する際に、自身が採用する認証方式により利用者個人を認証した上で、機内に収容する選択された商品を販売する自動販売機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、非接触式のICカードや携帯電話等の記録媒体との間で決済処理を行って、機内に収容する選択された商品を販売するような自動販売機が知られている。そのような自動販売機においては、所定の通信可能領域に記録媒体が保持されると、かかる記録媒体との間で認証処理を実施して決済が完了すると、機内に収容する選択された商品を搬出して販売している。
【0003】
そして、当該記憶媒体に記憶される利用者ID(identity)、並びに購入商品及び購入日時を記憶し、購入頻度等に応じてポイントを付与することにより、顧客満足度を向上させるようなものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−164164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば鉄道の駅のホーム等に設置される自動販売機では、いわゆる通勤時間帯においての利用者は主に通勤客となる。このような通勤客は、毎日決まった時間に発着する電車を利用するのが一般的であり、当該電車の待ち時間に自動販売機にて商品を購入することになる。しかも購入商品は同一種類のものとなる傾向が高い。
【0006】
かかる利用者(通勤客)にとっては、上述した特許文献1に提案されているようなポイント付与も購入動機になり得るが、それ以上に毎回購入する商品の選択のしやすさの方が重要視される傾向にある。
【0007】
一方、上述した特許文献1に提案されているような自動販売機では、購入履歴より利用者IDや購入商品等のデータを保持しているが、商品販売に際しては、利用者により所定の通信可能領域に記録媒体が保持されて決済が完了した後に、選択された商品を搬出しているだけなので、利用者は、多数の商品見本の中から好みの商品を選択し、該商品の商品見本に対応して設けられた商品選択ボタンを押下するという通常の動作が必要がある。これでは、通勤客等の利用者に対して商品の選択のしやすさに関しては他の自動販売機との間で差別化を図ることができず、結果的に当該利用者が他の自動販売機で商品を購入してしまい、販売機会を逃してしまうことになってしまう。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みて、予め設定された特定取引時間帯においては特定の商品の選択性を向上させて利用頻度の高いユーザを取り込むことが可能な自動販売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る自動販売機は、利用者が商品を購入する際に、自身が採用する認証方式により利用者個人を認証した上で、機内に収容する選択された商品を販売する自動販売機において、前記認証方式により得られた利用者個人を特定する情報とともに、その利用者の購入商品及び購入日時の情報を商品販売の都度記憶する記憶手段と、前記記憶手段により記憶された情報から予め決められた時間帯毎の最大販売商品を算出する算出手段と、予め設定された特定取引時間帯においては前面に配設されたタッチパネル式の表示画面に、前記算出手段に算出された商品を前記時間帯毎に表示させる表示制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項2に係る自動販売機は、上述した請求項1において、前記算出手段は、前記記憶手段により記憶された情報から前記時間帯毎において最も多く利用する最多利用者を算出し、前記表示制御手段は、前記特定取引時間帯において、前記算出手段に算出された最多利用者に対する呼込表示を前記時間帯毎に前記表示画面に表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の自動販売機によれば、記憶手段が、認証方式により得られた利用者個人を特定する情報とともに、その利用者の購入商品及び購入日時の情報を商品販売の都度記憶し、算出手段が、記憶手段により記憶された情報から予め決められた時間帯毎の最も販売された最大販売商品を算出し、表示制御手段が、予め設定された特定取引時間帯においては前面に配設されたタッチパネル式の表示画面に、算出手段に算出された最大販売商品に応じた商品見本を時間帯毎に表示させるので、かかる時間帯に同一種類の商品を購入している利用者は、簡単に商品を選択することが可能になる。よって、他の自動販売機との差別化を図ることができ、利用頻度の高いユーザの利便性を向上させることができる。従って、予め設定された特定取引時間帯においては特定の商品の選択性を向上させて利用頻度の高いユーザを取り込むことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の実施の形態である自動販売機を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態である自動販売機の内部構造を示す斜視図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態である自動販売機の制御系を模式的に示すブロック図である。
【図4】図4は、図1に示したディスプレイモニタの表示例を示す説明図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態である自動販売機を構成する表示制御部が実施する表示制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図6】図6は、図5に示した特定表示モードにおけるディスプレイモニタの表示例を示す説明図である。
【図7】図7は、特定表示モードにおけるディスプレイモニタの表示例の変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る自動販売機の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
図1〜図3は、それぞれ本発明の実施の形態である自動販売機を示すものであり、図1は斜視図、図2は内部構造を示す斜視図、図3は制御系を模式的に示すブロック図である。ここで例示する自動販売機は、例えば缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品を販売するためのもので、自動販売機本体である本体キャビネット1を備えている。この本実施の形態である自動販売機は、例えば鉄道の駅のホームに設置されるものとして説明する。
【0015】
本体キャビネット1の内部には、複数(図示の例では3つ)の独立した商品収容庫2が左右に並設してある。これら商品収容庫2は、缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品を所望の温度に維持した状態で収容するためのものである。
【0016】
各商品収容庫2には、商品収納ラック3、搬出機構4及び搬出シュータ5が設けてある。商品収納ラック3は、商品を上下方向に沿って並ぶ態様で収納するためのものである。搬出機構4は、商品収納ラック3の下部に設けてあり、この商品収納ラック3に収納された商品群の最下位にある商品を1つずつ搬出するためのものである。搬出シュータ5は、搬出機構4から搬出された商品を後述する商品取出口13に導くためのものである。また、商品収容庫2の搬出シュータ5によって区画される下方には熱交換器(図示せず)が配設してあり、該熱交換器の駆動により、商品収納ラック3に収納された飲料缶やペットボトルを所望の冷却温度、あるいは加熱温度に維持することが可能である。尚、本実施の形態においては、自動販売機を正面から見た場合の左方を左側とし、自動販売機を正面から見た場合の右方を右側として説明する。
【0017】
上記自動販売機には、本体キャビネット1の左側縁部に扉体6が設けてある。扉体6は、本体キャビネット1の前面開口を開閉するためのもので、内扉6a及び外扉6bを備えて構成してある。内扉6aは、本体キャビネット1に設けた商品収容庫2の前面を覆うのに十分な大きさを有しており、断熱構造を有するものである。図示の例では、内扉6aを上下に分割し、それぞれを個別に開閉できるようにしてある。
【0018】
外扉6bは、本体キャビネット1の前面開口を覆うのに十分な大きさを有したものである。この外扉6bには、その前面側にディスプレイモニタ7、硬貨投入口8、紙幣挿入口9、一体表示器10、リーダライタ11、硬貨返却口12、商品取出口13が設けてある一方、その後面側には、硬貨処理機14、硬貨回収箱15、紙幣処理機16が設けてある。
【0019】
ディスプレイモニタ7は、いわゆるタッチパネル式の表示画面であり、液晶表示画面の所定個所を指先で押圧すると、押圧個所に対応した信号を後述する表示制御部30に与える周知の構造を採用している。かかるディスプレイモニタ7は、図4に示すように、複数種類の商品見本Sを整列させて表示する表示手段としての機能を有している。このように商品見本Sを表示する場合には、それぞれの商品見本Sの下方個所に該商品見本Sに対応する商品がホット商品なのか、コールド商品なのかを示す冷温表示Hも併せて表示する。すなわち、ホット商品の商品見本Sには「HOT」を表示し、コールド商品の商品見本Sには「COLD」を表示している。また、ディスプレイモニタ7は、商品選択手段としての機能も有しており、表示画面上のいずれかの商品見本Sを押圧すると、押圧個所に対応した信号が表示制御部30に与えられ、その後、該商品見本Sに対応する商品が所定条件の下で、本体キャビネット1の内部から払い出されるようになっている。
【0020】
硬貨投入口8は、利用者が硬貨を投入するための開口である。この硬貨投入口8を通じて投入された硬貨は、硬貨処理機14においてその金種が識別され、その後、硬貨回収箱15に収容されることになる。紙幣挿入口9は、利用者が紙幣を挿入するための開口である。この紙幣挿入口9を通じて挿入された紙幣は、紙幣処理機16においてその金種が識別されることになる。また上記紙幣挿入口9は、紙幣処理機16において識別できなかった紙幣を返却するための機能を有している。一体表示器10は、貨幣の投入金額、販売中であるか否か、釣銭があるか否か等、各種情報を利用者に表示するためのものである。リーダライタ11は、所定のアクセス領域(通信可能領域)にICカード等の記録媒体が保持された場合に、ICカードのICチップに対して情報の読み書きが可能になるものである。本実施の形態においては記録媒体の一例としてICカードを例示するが、本発明においては、携帯電話を記録媒体として適用しても良い。硬貨返却口12は、硬貨処理機14において識別できなかった硬貨、あるいは釣銭となる硬貨を利用者に返却するための開口である。商品取出口13は、商品収納ラック3から払い出された商品を利用者が受け取るための開口である。
【0021】
次に本実施の形態である自動販売機の制御系について説明する。上記自動販売機は、制御ユニットとして、自販機制御部20及び表示制御部30を備えている。自販機制御部20は、メモリ21に記憶されたプログラムやデータにしたがって自動販売機の販売動作を統括して制御するものである。メモリ21には種々の情報が記憶してあり、リーダライタ11を通じて決済処理が行われた場合、購入履歴情報、すなわち記録媒体の利用者ID(利用者個人を特定する情報)、購入商品及び購入日時が記憶される。
【0022】
表示制御部30は、自販機制御部20とデータの送受信が可能な態様で電気的に接続してある。この表示制御部30は、記憶部31、あるいは内蔵メモリ(図示せず)に記憶されたプログラムやデータにしたがってディスプレイモニタ7の表示を制御するものであり、入力処理部32、モード設定部33、算出処理部34及び表示処理部35を備えて構成してある。
【0023】
入力処理部32は、タッチパネル式の表示画面であるディスプレイモニタ7から与えられた信号を入力処理するものである。かかる信号に含まれる選択された商品の情報は自販機制御部20に与えられる。
【0024】
モード設定部33は、図示しない時計により時間を計測し、現時点が予め設定された特定取引時間帯に相当する場合には、特定表示モードに設定する一方、現時点が上記特定取引時間帯以外の場合には、通常表示モードに設定するものである。
【0025】
ここで特定取引時間帯としては、例えば朝の通勤時間帯のようなものが相当し、午前7時から午前9時までの時間帯を特定取引時間帯として設定している。尚、特定取引時間帯としては、朝の通勤時間帯(午前7時から午前9時までの時間帯)に限られず、種々の時間帯を設定することができる。
【0026】
算出処理部34は、所定のタイムスケジュールにしたがって、メモリ21に記憶される情報、すなわち利用者ID、購入日時及び購入商品の情報を自販機制御部20から入力し、上記特定取引時間帯における所定の時間帯(例えば10分間毎の時間帯)の最も販売されている商品(最大販売商品)を算出する算出手段である。この算出処理部34で算出された情報は、適宜記憶部31に記憶するようにしても良い。
【0027】
表示処理部35は、ディスプレイモニタ7の表示を制御する表示制御手段であり、モード設定部33を通じて設定されたモードに応じてディスプレイモニタ7の表示を制御する。より詳細に説明すると、モード設定部33を通じて通常表示モードが設定された場合、図4に示すように、複数種類の商品見本Sを整列させて表示させ、更にそれぞれの商品見本Sの下方個所に冷温表示Hも併せて表示させるものである。
【0028】
以上のような構成を有する自動販売機においては、次のようにして商品を販売することができる。
【0029】
特定取引時間帯以外の時間帯に商品を販売する場合について説明する。この場合には、モード設定部33により通常表示モードに設定されていることから、表示処理部35は、図4に示すように、複数種類の商品見本Sを整列させて表示させ、かつそれぞれの商品見本Sの下方個所に冷温表示Hも併せて表示させている。
【0030】
利用者により、ディスプレイモニタ7の購入したい商品に相当する商品見本Sの表示個所が押圧されると、表示制御部30の入力処理部32がディスプレイモニタ7から与えられた押圧信号を入力処理し、かかる信号に含まれる商品の情報を自販機制御部20に与える。
【0031】
自販機制御部20では、リーダライタ11を通じて利用者が保持する記録媒体(ICカードや携帯電話等)との間で決済処理が行われたことを条件に、選択された商品を収納する商品収納ラック3の搬出機構4を駆動させて、商品を払い出し、かかる商品を利用者が商品取出口13を通じて取り出し可能な状態にして商品の販売を終了する。
【0032】
かかる商品の販売において、自販機制御部20は、メモリ21に利用者ID、購入日時及び購入商品の情報を記憶させる。
【0033】
図5は、本発明の実施の形態である自動販売機を構成する表示制御部が実施する表示制御処理の処理内容を示すフローチャートである。この表示制御処理を説明することにより本発明の実施の形態である自動販売機の動作についても説明する。
【0034】
表示制御処理において表示制御部30は、モード設定部33を通じて現在時刻が特定取引時間帯開始時間(例えば午前7時)を経過しているか否かを確認し(ステップS101)、当該特定取引時間帯開始時間に達していない場合には(ステップS101:No)、後述する通常表示モードに設定する(ステップS105)。その一方、当該特定取引時間帯開始時間を経過している場合(ステップS101:Yes)、特定表示モードに設定する(ステップS102)。
【0035】
モード設定部33を通じて特定表示モードに設定されると、表示処理部35は、ディスプレイモニタ7に最大販売商品に対応した商品見本Sのみを表示させる(ステップS103)。この最大販表商品の表示について詳細に説明すると、表示処理部35は、算出処理部34にて所定のタイムスケジュールにより算出された各時間帯の最大販売商品に対応する商品見本Sのみを当該時間帯に表示することである。つまり、午前7時から午前7時10分までの時間帯においては、ある銘柄のコーヒー飲料(ホット商品)が最大販売商品に該当する場合、表示制御部30は、図6に示すように、該時間帯には当該最大販売商品に対応した商品見本Sのみを表示させる。そして、次の時間帯、すなわち午前7時10分から午前7時20分までの時間帯においては、ある銘柄のお茶飲料(ホット商品)が最大販売商品に該当する場合、表示制御部30は、その時間帯の最大販売商品のみを表示させる。
【0036】
このようにして特定取引時間帯(午前7時から午前9時までの時間帯)においては、各時間帯毎(10分間毎の時間帯)の最大販売商品のみをディスプレイモニタ7に表示させる表示処理を繰り返す。
【0037】
そして、このような特定取引時間帯において、利用者により、ディスプレイモニタ7に表示させている最大販売商品に対応する商品見本Sの表示個所が押圧されると、表示制御部30の入力処理部32がディスプレイモニタ7から与えられた押圧信号を入力処理し、かかる信号に含まれる商品の情報を自販機制御部20に与える。自販機制御部20では、リーダライタ11を通じて利用者が保持する記録媒体(ICカードや携帯電話等)との間で決済処理が行われたことを条件に、選択された商品を収納する商品収納ラック3の搬出機構4を駆動させて、商品を払い出し、かかる商品を利用者が商品取出口13を通じて取り出し可能な状態にして商品の販売を終了する。かかる商品の販売において、自販機制御部20は、メモリ21に利用者ID、購入日時及び購入商品の情報を記憶させる。
【0038】
その後、現在時刻が特定取引時間帯終了時間を経過した場合(ステップS104:Yes)、モード設定部33を通じて通常表示モードに設定する(ステップS105)。
【0039】
モード設定部33を通じて通常表示モードに設定されると、表示処理部35は、ディスプレイモニタ7に複数種類の商品見本Sを整列させて表示させ、かつそれぞれの商品見本Sの下方個所に冷温表示Hも併せて表示させる通常表示を行って(ステップS106)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
【0040】
このように本実施の形態である自動販売機によれば、表示制御部30の算出処理部34が、所定のタイムスケジュールにしたがってメモリ21に記憶される利用者ID、購入商品及び購入日時の情報から、予め決められた時間帯毎(例えば10分間毎)の最大販売商品を算出し、表示制御部30の表示処理部35が、特定取引時間帯においてはディスプレイモニタ7に算出処理部34に算出された最大販売商品に応じた商品見本Sを時間帯毎に表示させるので、かかる時間帯に同一種類の商品を購入している利用者は、簡単に商品を選択することが可能になる。よって、他の自動販売機との差別化を図ることができ、利用頻度の高いユーザの利便性を向上させることができる。従って、予め設定された特定取引時間帯においては特定の商品の選択性を向上させて利用頻度の高いユーザを取り込むことができる。
【0041】
特に、上記自動販売機では、ディスプレイモニタ7の表示の仕方に工夫を施すだけなので、前面にディスプレイモニタ7を有する既存の自動販売機にも適用可能であり、汎用性に優れたものであるとともに、低コストで実現可能である。
【0042】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明ではこれに限定されず、種々の変更を行うことができる。
【0043】
上述した実施の形態においては、特定表示モードにおいては、図6に示したように、
特定取引時間帯においては、時間帯毎の最大販売商品に対応した商品見本Sのみを表示させていたが、本発明においては、次のようにして特定表示を行っても良い。すなわち、利用者が決済に利用する記録媒体に格納されている利用者IDが既に登録されていて、利用者の氏名等が判別している場合には、表示処理部35は、特定取引時間帯においては、最大販売商品に対応した商品見本Sのみを示すだけでなく、図7に示すように「○○さん、いらっしゃーい」のような呼込表示Yを時間帯毎に表示させるようにしても良い。これによれば、普段から略決まった時間に当該自動販売機を利用している利用頻度の高い利用者(ヘビーユーザ)に対して積極的なアピールとなり、当該利用者を確実に取り込むことが可能になる。
【0044】
また、上述した実施の形態においては、記録媒体に格納されている利用者IDにより利用者個人を認証していたが、本発明においては、このような記録媒体に格納されている利用者IDに限られず、顔認証方式を採用して利用者個人の認証するようにしても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上のように、本発明に係る自動販売機は、利用者が商品を購入する際に、自身が採用する認証方式により利用者個人を認証した上で、機内に収容する選択された商品を販売するのに有用である。
【符号の説明】
【0046】
1 本体キャビネット
4 搬出機構
6b 外扉
7 ディスプレイモニタ
10 一体表示器
11 リーダライタ
14 硬貨処理機
15 紙幣処理機
20 自販機制御部
21 メモリ
30 表示制御部
31 記憶部
32 入力処理部
33 モード設定部
34 算出処理部
35 表示処理部
S 商品見本
H 冷温表示
Y 呼込表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が商品を購入する際に、自身が採用する認証方式により利用者個人を認証した上で、機内に収容する選択された商品を販売する自動販売機において、
前記認証方式により得られた利用者個人を特定する情報とともに、その利用者の購入商品及び購入日時の情報を商品販売の都度記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶された情報から予め決められた時間帯毎の最も販売された最大販売商品を算出する算出手段と、
予め設定された特定取引時間帯においては前面に配設されたタッチパネル式の表示画面に、前記算出手段に算出された最大販売商品に応じた商品見本を前記時間帯毎に表示させる表示制御手段と
を備えたことを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
前記算出手段は、前記記憶手段により記憶された情報から前記時間帯毎において最も多く利用する最多利用者を算出し、
前記表示制御手段は、前記特定取引時間帯において、前記算出手段に算出された最多利用者に対する呼込表示を前記時間帯毎に前記表示画面に表示させることを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−113476(P2011−113476A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271683(P2009−271683)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】