説明

自動販売機

【課題】 自動販売機の利用者だけでなく不特定多数の通行人や車両の乗員に対しても注目されるような大画面広告を表示できる自動販売機を提供することである。
【解決手段】 自動販売機101の扉部2の前面にスクリーン13を配置し、そのスクリーン13に開口部14と広告表示部15を設ける。そして、スクリーン切替え装置201により、スクリーン13の開口部14が配置される自動販売機モードと、スクリーン13の広告表示部15が扉部2を覆って配置されるスクリーン展開モードとが切り替えられるようにする。自動販売機101の利用者が多いと想定される時間帯にはスクリーン13を自動販売機モードに配置し、利用者が少ないと想定される時間帯にはスクリーン13をスクリーン展開モードに配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
我が国においては屋内外に多数の自動販売機が設置されていて、しかも自動販売機によって販売される商品も飲料、食品、タバコ等の多岐に亘っている。自動販売機は道路沿いや店舗前に設置されることもあり、不特定多数の通行人や車両の乗員から視認され易い。このため、自動販売機に広告を設けると、その広告の注目度を高くすることができる。自動販売機に広告を設ける技術として、例えば特許文献1に開示されるものがある。
【0003】
しかし、自動販売機の前面側(自動販売機の利用者と向かい合う側)には、商品の陳列部や購入した商品の取出口等が設けられていて、広告が設けられるスペースは狭い。このため、自動販売機に広告を設けてもその自動販売機の利用者が注目する程度であり、広告の訴求力は必ずしも高くないのが現状である。
【0004】
また、自動販売機は、夜間でも稼動している場合が多い。しかし、夜間(特に深夜)における自動販売機の利用者の数は、昼間における利用者の数よりも少ない。このため、利用者の少ない深夜には、自動販売機の前面を大画面の広告スペースとすることが想定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−310492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記した事情に鑑み、自動販売機の利用者だけでなく不特定多数の通行人や車両の乗員に対しても注目されるような大画面広告を表示できる自動販売機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明は、
前面に少なくとも商品陳列部、商品取出部及び代金決済部を備えた本体と、
シート状をなし、本体の前面の全体又は一部を覆うように配置され、予め広告その他の文字・画像等の視覚情報が表示されたスクリーンと、
そのスクリーンが前記本体の前面の全体又は一部を覆って前記視覚情報を前記本体の前面側に表示するスクリーン展開モードと、そのスクリーンを格納又は移動して前記本体の少なくとも商品陳列部、商品取出部及び代金決済部を前記本体の前面に露出させる自動販売機モードとに切り替えるスクリーン切替え装置と、
を含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る自動販売機は上記したように構成されていて、自動販売機の本体の前面に設けられたスクリーンが、スクリーン展開モードと自動販売機モードのいずれかに配置される。スクリーンがスクリーン展開モードに配置されたとき、自動販売機の本体の前面が、広告等の視覚情報が表示されたスクリーンで覆われる。これにより、自動販売機の本体の前面に大画面の広告が表示されることとなり、通行人や車両の乗員に注目され易くなる。この結果、自動販売機の利用者だけでなく、通行人や車両の乗員等に対して訴求力の高い広告を表示することができる。また、スクリーンが自動販売機モードに配置されたとき、自動販売機の本体の前面に設けられている商品陳列部等が露出されるため、自動販売機の利用者は通常の感覚で(スクリーンの存在を意識しないで)自動販売機を利用することができる。
【0009】
前記自動販売機が利用されている時間を計測する利用時間計測手段を備え、
前記利用時間計測手段により、自動販売機が一定時間に亘って利用されなかったことが計測され、かつ前記スクリーンが自動販売機モードに配置されているときに、前記スクリーン切替え装置がスクリーンをスクリーン展開モードに切り替えるようにできる。即ち、スクリーンのスクリーン展開モードと自動販売機モードとの切替えを、自動販売機の利用頻度を調べることによって行うようにしてもよい。
【0010】
また、自動販売機の利用者が前記自動販売機の本体に接近したことを検出する検出手段を備え、前記検出手段が利用者を検出し、かつ前記スクリーンがスクリーン展開モードに配置されているときに、前記スクリーン切替え装置がスクリーンを自動販売機モードに切り替えるうにしてもよい。これにより、昼間の時間帯のように、利用者が多いと想定される場合であっても、スクリーンをスクリーン展開モードに配置させ、自動販売機の本体を広告表示状態とすることができる。
【0011】
前記自動販売機の本体は、その前面を照射する照明装置を備え、前記スクリーンは、前記照明装置の光を透過可能に設けられていることが望ましい。これにより、夜間の時間帯で自動販売機の利用者が少ないと想定されて、スクリーンがスクリーン展開モードに配置されている場合に、そのスクリーンに表示されている広告等の視覚情報を浮かび上がらせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施例の自動販売機101の自動販売機モードにおける正面図である。
【図2】同じく側面図である。
【図3】同じくスクリーン展開モードにける正面図である。
【図4】(a)はスクリーン13の全体正面図、(b)は同じく全体側面図である。
【図5】第1実施例の自動販売機101の作用を示すフローチャートである。
【図6】別形態のスクリーン13の全体正面図である。
【図7】第2実施例の自動販売機102の自動販売機モードにおける正面図である。
【図8】同じくスクリーン展開モードにおける正面図である。
【図9】第3実施例の自動販売機103の自動販売機モードにおける正面図である。
【図10】同じくスクリーン展開モードにおける正面図である。
【図11】第4実施例の自動販売機104のスクリーン展開モードにおける正面図である。
【図12】(a)はスクリーン33の全体正面図、(b)は同じく全体側面図である。
【図13】(a)はガイドローラ36を取り付けたスクリーン33の全体正面図、(b)は同じく全体側面図である。
【図14】(a)は第5実施例の自動販売機105のスクリーン展開モードにおける断面側面図、(b)は同じく自動販売機モードにおける断面側面図である。
【図15】第6実施例の自動販売機106の自動販売機モードにおける断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
本発明において、図1は本発明の第1実施例の自動販売機101の自動販売機モードにおける正面図、図2は同じく側面図、図3は同じくスクリーン展開モードにける正面図、図4の(a)はスクリーン13の全体正面図、(b)は同じく全体側面図である。
【実施例1】
【0015】
本発明の第1実施例の自動販売機101について説明する。図1及び図2に示されるように、自動販売機101は地面や床に設置され、正面側(前面側)が開口した箱型で商品(本実施例の場合、飲料)をストックする本体部1(本体)と、本体部1の高さ方向の一辺に蝶番連結され、閉状態で本体部1の開口を閉塞する扉部2(本体)とを備えている。扉部2を開閉することにより、商品の補充・交換や本体部1のメンテナンスを行っている。扉部2の前面には、商品陳列部3、硬貨投入口4,紙幣投入口5、返却レバー6、釣銭取出口7、商品取出口8等が設けられている。商品陳列部3は3段となって設けられ、その各段に商品である飲料の容器9がサンプル品として収容されていて、その前面が透明パネル板で覆われている。また、商品陳列部3における各飲料の容器9と対応する位置には、自動販売機101の利用者(自動販売機101の商品を購入しようとする者)が、購入する商品を決定するための押ボタンスイッチ10が設けられている。そして、自動販売機101の扉部2のほぼ中央部には、自動販売機101の扉部2に接近した利用者を検出するためのセンサ11(検出手段)が取り付けられている。このセンサ11は、例えば人間が放出する赤外線を検出する赤外線センサである。更に、最下段の商品陳列部3の下方で硬貨投入口4の側方に、広告スペース12が設けられている。広告スペース12には、例えば飲料の宣伝ポスターや自動販売機101の宣伝ポスター等の紙媒体が収容される。
【0016】
本実施例の自動販売機101は、扉部2の前面に長方形シート状のスクリーン13と、このスクリーン13の配置を自動販売機モードとスクリーン展開モードとに切り替えるスクリーン切替え装置201が設けられている。
【0017】
スクリーン13について説明する。図1ないし図4に示されるように、スクリーン13は光を透過可能なシート材よりなる。そして、一辺の長さ(長さ方向Pの長さ)が他辺の長さ(幅方向Pの長さ)よりも長くなった長方形状であり、その長さ方向Pを自動販売機101の高さ方向に沿わせて取り付けられる(図2参照)。そして、展開状態におけるスクリーン13の上半部に開口部14が設けられているとともに、その下半部には広告を表示する広告表示部15が設けられている。広告表示部15には、文字・画像等の視覚情報よりなる広告図柄(図示せず)が例えば印刷によって表示されている。開口部14は、自動販売機101の扉部2に設けられているすべての部材(商品陳列部3、硬貨投入口4、商品取出口8等)を露出させる程度の大きさである。また、広告表示部15は、自動販売機101の扉部2に設けられているすべての部材(商品陳列部3、硬貨投入口4、商品取出口8等)を覆う程度の大きさである。本実施例のスクリーン13の場合、開口部14と広告表示部15の大きさはほぼ等しく、長さ方向Pに直列的に設けられている。なお、図3及び図4の(a)における広告表示部15は、スクリーン13において広告図柄を表示可能な最大部分を示している。
【0018】
スクリーン切替え装置201について説明する。スクリーン切替え装置201は、スクリーン13の長手方向の両端部を係止する一対の巻取りロール16,17と、一対の巻取りロール16,17を回転させるモータ18,19と、それらを支持する各枠部(上枠部21、下枠部22、右枠部23及び左枠部24)とを備え、一定の場合に自動販売機101の扉部2の前面にスクリーン13の開口部14を配置して、扉部2の商品陳列部3等を露出させる自動販売機モードと、同じく前面にスクリーン13の広告表示部15を配置して、扉部2の商品陳列部3等を覆うスクリーン展開モードとを切り替えている。
【0019】
第1実施例の自動販売機101では、一対の巻取りロール16,17は、それらの軸線16a,17aを水平にして扉部2の上縁部と下縁部に取り付けられていて、スクリーン13は自動販売機101の高さ方向に沿って巻き取られたり、繰り出されたりすることにより、スクリーン展開モード又は自動販売機モードに配置される。
【0020】
次に、一対の巻取りロール16,17について説明する。図1ないし図4に示されるように、一対の巻取りロール16,17は同一形状であり、スクリーン13の幅Wよりも少し長い。スクリーン13における長さ方向Pの両端部13a,13bは、各巻取りロール16,17に固着されている。各巻取りロール16,17におけるスクリーン13の固着部分(両端部13a,13b)の長さは、各巻取りロール16,17の外周の約1/4である。一対の巻取りロール16,17は、自動販売機101の扉部2の周縁部に取り付けられた各枠部(上枠部21、下枠部22、右枠部23及び左枠部24)のうち、上枠部21と下枠部22に収容されている。一対の巻取りロール16,17が上下の枠部21,22に収容された状態で、それらの軸間距離Lはスクリーン13の全長L’(長さ方向Pの長さ)よりも短い(L<L’)。このため、スクリーン13は、その一部が一方の巻取りロール16,17に巻き取られ、かつその長さ方向Pに張力が付与された状態で、扉部2の前面に配置される。例えば、図1及び図2に示されるように、スクリーン13が自動販売機モードに配置されている状態で、スクリーン13の下側の端部13bは下側の巻取りロール15に巻き取られている。また、図3に示されるように、スクリーン13がスクリーン展開モードに配置されている状態で、スクリーン13の上側の端部13aは上側の巻取りロール17に巻き取られている。
【0021】
一対の巻取りロール16,17の軸方向の一端部から、回転支持部25,26が突出している。そして、それらが軸受27,28に支持されている。これにより、一対の巻取りロール16,17は回転自在である。また、各巻取りロール16,17の他端部は、カップリング29,31により、モータ16,17のモータ軸と連結されている。いずれか一方のモータ16,17を作動することにより、対応する一方の巻取りロール16,17が回転し、スクリーン13を巻き取る。このとき、他方のモータ16,17のモータ軸はリリース状態(空転する状態)となっていて、スクリーン13が他方の巻取りロール16,17に巻き取られるのに伴って連れ回りする。これにより、他方の巻取りロール16,17に巻回されているスクリーン13が繰り出される。この結果、スクリーン13をスムーズに巻き取ることができる。
【0022】
本実施例の自動販売機101は、通常の状態(例えば昼間の時間帯で、自動販売機101の利用者の数が多いと想定される状態)で、スクリーン13の開口部14が扉部2の前面に配置されている(自動販売機モード)。これにより、利用者が自動販売機101を利用するのに支障は生じない。しかし、深夜の時間帯で、自動販売機101の利用者の数が少ないと想定される状態では、上側の巻取りロール16が回転してスクリーン13を巻き取る。そして、スクリーン13の広告表示部15が扉部2の前面に配置される。これにより、自動販売機101の扉部2のほぼ全体に広告が表示される(スクリーン展開モード)。
【0023】
本実施例のスクリーン13は、光を透過可能である。そして、左右の枠部23,24には、夜間に商品のサンプル容器9を照らすための照明装置32(例えば、蛍光灯やLEDライト)が設けられている。夜間、スクリーン13がスクリーン展開モードに配置されたとき、スクリーン13には照明装置32からの光がバックライトとして作用する。これにより、スクリーン13の広告表示部15の視覚情報が浮かび上がり、通行人や車両の乗員に注目され易くなる。
【0024】
また、本実施例の自動販売機101は、利用時間計測手段を備えている。この利用時間計測手段は、例えばカレンダ機能を有する時計やタイマ(いずれも、図示せず)である。利用時間計測手段が時計の場合、例えば時間帯や曜日、季節等に応じてモータ18,19を作動し、定期的にスクリーン展開モードと自動販売機モードとを切り替えるという制御を行うことができる。また、利用時間計測手段がタイマの場合、直前の利用から所定時間が経過しても次の利用がされなかった場合に自動販売機モードをスクリーン展開モードに切り替えるという制御を行うことができる。
【0025】
本実施例の自動販売機101の作用を、図5のフローチャートを参照しながら説明する。通常の状態で、スクリーン13の広告表示部15は下側の巻取りロール16に巻き取られていて、自動販売機101の扉部2の前面にはスクリーン13の開口部14が配置されている(ステップS10。自動販売機モード)。このため、扉部2に設けられている商品陳列部3、硬貨投入口4、商品取出口8等は露出されていて、利用者は通常の感覚で(スクリーン13の存在を意識することなく)自動販売機101を利用することができる。
【0026】
深夜の時間帯になり、利用時間計測手段によって自動販売機101の利用者が減少したことが検出されると(ステップS20の「Yes」)、上側の巻取りロール16に連結されているモータ18が作動し、スクリーン13を巻き取る(ステップS30)。このとき、下側の巻取りロール17に連結されているモータ19のモータ軸は空転し、下側の巻取りロール17は連れ回りしながらスクリーン13を繰り出す。これにより、スクリーン13の開口部14が上側の巻取りロール16に巻き取られるとともに、スクリーン13の広告表示部15がせり上がり、自動販売機101の扉部2の前面に配置される(ステップS40)。ここで、左右の枠部23,24に照明装置32が設けられている。しかも、スクリーン13が光を透過可能であるため、この光がバックライトとなってスクリーン13の広告表示部15を浮き立たせる。これにより、スクリーン13の広告表示機能が発揮される。
【0027】
しかも、広告表示部15は、自動販売機101の扉部2のほぼ全面に亘る大画面で設けられているため、通行人や車両の乗員に注目され易く、広告としての訴求力が高くなる。なお、自動販売機101における利用者の減少は、自動販売機101が一定時間に亘って利用されなかったことにより検出できる。また、自動販売機101に時計等の計時手段を組み込み、1日のうちの所定時刻に達したら自動的にスクリーン展開モードとする(例えば、夜11時から翌朝の5時までをスクリーン展開モードとする)ようにしてもよい。
【0028】
もし、スクリーン13がスクリーン展開モードに配置されているときに、自動販売機101を利用しようとして利用者が扉部2に接近した場合、センサ11が利用者を検出する(ステップS50の「Yes」)。これにより、下側の巻取りロール15に連結されているモータ17が作動し、スクリーン13を巻き取る(ステップS60)。スクリーン13が巻き取られてその広告表示部15が下降し、自動販売機モードに配置される(ステップS70)。これにより、利用者が自動販売機101を利用可能となる。しかも、スクリーン13が巻き取られることによる驚きや面白さを利用者に与えることができる。なお、利用者は、スクリーン13を通して商品陳列部3等を視認可能であるため、スクリーン13がスクリーン展開モードに配置されていても自動販売機101と認識できる。
【0029】
そして、利用者の数が減少したことが検出されたらステップS20に戻り、スクリーン13を巻き取って、スクリーン13をスクリーン展開モードに配置する。
【0030】
本明細書では、自動販売機101の扉部2が露出状態から広告表示状態に切り替わるとき、スクリーン13の広告表示部15が下方からせり上がる場合について説明した。この場合、スクリーン13の広告表示部15に何らかの文字が書かれていると、その文字が徐々に解読できるという面白さが生じる。しかし、スクリーン13の開口部14と広告表示部15とを逆に設け、広告表示部15が上方から下降して表示されるようにしてもよい。
【0031】
更に、図6に示されるように、スクリーン13の開口部14を挟んで第1及び第2の広告表示部15a,15bを長さ方向Pに直列的に設け、第1広告表示部15aと第2広告表示部15bとが、開口部14を挟んで交互に表示されるようにしてもよい。
【0032】
上記した第1実施例の自動販売機101の照明装置32は、自動販売機10の本体部1及び扉部2とは別体のものである。しかし、自動販売機101の扉部2には、商品陳列部3のサンプル容器9や広告スペース12を照らし出すための照明器具(図示せず)が設けられている。このため、これらの照明器具をスクリーン13の広告表示部15を浮かび上がらせるためのバックライトとして使用してもよい。
【実施例2】
【0033】
次に、第2実施例の自動販売機102について説明する。上記した第1実施例の自動販売機101は、扉部2のほぼ全面を覆う場合である。しかし、図7及び図8に示される第2実施例の自動販売機102のように、扉部2の一部(例えば、下半部)のみにスクリーン13を配置するようにしてもよい。スクリーン切替え装置202の構成は、スクリーン切替え装置201の構成とほぼ同一である。この実施例の自動販売機102の場合、商品陳列部3が常に露出されているため、通行人が自動販売機と認識するのが容易である。なお、第2実施例以下の自動販売機102においては、照明装置32の図示を省略する。
【実施例3】
【0034】
更に、図9及び図10に示される第3実施例の自動販売機103のように、巻取りロール32,33を扉部2における幅方向Pの両端部に、かつそれらの軸線が自動販売機103の長さ方向Pと平行になるように配置して、スクリーン13が横方向に巻き取られるようにしてもよい。スクリーン切替え装置203の構成は、スクリーン切替え装置201の構成とほぼ同一である。この場合、スクリーン13の広告表示部15が自動販売機103の扉部2を覆う範囲は、全面的であっても部分的であってもよい。
【実施例4】
【0035】
次に、第4実施例の自動販売機104について説明する。図11及び図12に示される第4実施例の自動販売機104は、スクリーン33とスクリーン切替え装置204とを備えている。このスクリーン33には、上記した第1ないし第3実施例の自動販売機101〜103のスクリーン13と異なり、広告表示部15のみが設けられている。スクリーン33の長さ方向Pの上端部は、上枠部21に収容されている巻取りロール16に固着されていて、下端部にはウエイト34が取り付けられている。下枠部22には、巻取りロールは設けられていない。ウエイト34の長手方向の両端部は、スクリーン33の幅方向Qの端部から突出している。更に、左右の枠部23,24には、ウエイト34の両端部をガイドする溝部35が設けられていて、ウエイト34の両端部は溝部35にガイドされて上昇したり、下降したりする。
【0036】
第4実施例の自動販売機104の作用を説明する。自動販売機104において、スクリーン33が自動販売機モードに配置されているとき、スクリーン33は巻取りロール16に巻き取られている。このとき、ウエイト34は扉部2の上端部に配置されている。これにより、スクリーン33は自動販売機モードに配置され、自動販売機104の扉部2がほぼ全面的に露出される。
【0037】
スクリーン33がスクリーン展開モードに配置されるとき、モータ18のモータ軸がスクリーン33を繰り出す方向に回転する。スクリーン33は、ウエイト34の自重により、左右の枠部23,24の溝部35にガイドされながら下降し、扉部2の前面を覆う。そして、スクリーン33は、ウエイト34の自重により張力付与状態で配置される。
【0038】
図13に示されるように、スクリーン33のウエイト34の両端部に一対のガイドローラ36を取り付け、一対のガイドローラ36が左右の枠部23,24の溝部35を滑るようにしてもよい。これにより、スクリーン33の上昇・下降をよりスムーズに行うことができる。
【0039】
第4実施例の自動販売機104の場合、巻取りロール16とモータ18が1つで済むとともに、スクリーン33の長さが短くて済むという利点がある。
【実施例5】
【0040】
図14の(a),(b)に示される第5実施例の自動販売機105のように、上枠部21からスクリーン37を吊り下げてスクリーン展開モードに配置させるとともに、このスクリーン37を蛇腹状に折り畳むことによって上枠部21に収容して自動販売機モードに配置させるようにしてもよい。このときのスクリーン切替え装置205は、上枠部21に収容される巻取りロール38と、巻取りロール38とスクリーン37の下端部に固着されたウエイト40とを連結するワイヤ39とを備える。図14の(a)に示されるスクリーン展開モードでは、スクリーン37はウエイト40の自重によって下降し、自動販売機105の扉部2を覆う。図14の(b)に示される自動販売機モードでは、巻取りロール38に接続されるモータ(図示せず)の作用により、巻取りロール38がスクリーン37を巻き取る方向に回転する。これにより、スクリーン37が折り畳まれて上枠部21に収容され、自動販売機105の扉部2を露出させる。
【実施例6】
【0041】
図15に示される第6実施例の自動販売機106のように、スクリーン41が扉部2を越えて本体部1に進入するように配置して、スクリーン41を周回走行させてもよい。この場合、スクリーン41がエンドレス(無端状)となるため、スクリーン切替え装置206は、4本の巻取りロール16,17,42,43を備える。
【0042】
上記した各実施例の自動販売機101〜106の場合、利用者の少ない深夜の時間帯でその扉部2がスクリーン13,33,37,41の広告表示部15で覆われるため、防犯にも寄与する。
【0043】
上記した各実施例の自動販売機101〜106のスクリーン13,33,37,41を交換可能とすることが望ましい。また、スクリーン13,33,37,41は、光を透過しないものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、自動販売機に利用できる。
【符号の説明】
【0045】
101〜106 自動販売機
201〜206 スクリーン切替え装置
1 本体部(本体)
2 扉部(本体)
3 商品陳列部
4 硬貨投入口(代金決済部)
5 紙幣投入口(代金決済部)
7 釣銭取出口(代金決済部)
8 商品取出口(商品取出部)
11 センサ(検出手段)
13,33,37,41 スクリーン
32 照明装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に少なくとも商品陳列部、商品取出部及び代金決済部を備えた本体と、
シート状をなし、本体の前面の全体又は一部を覆うように配置され、予め広告その他の文字・画像等の視覚情報が表示されたスクリーンと、
そのスクリーンが前記本体の前面の全体又は一部を覆って前記視覚情報を前記本体の前面側に表示するスクリーン展開モードと、そのスクリーンを格納又は移動して前記本体の少なくとも商品陳列部、商品取出部及び代金決済部を前記本体の前面に露出させる自動販売機モードとに切り替えるスクリーン切替え装置と、
を含むことを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
前記自動販売機が利用されている時間を計測する利用時間計測手段を備え、
前記利用時間計測手段により、自動販売機が一定時間に亘って利用されなかったことが計測され、かつ前記スクリーンが自動販売機モードに配置されているときに、前記スクリーン切替え装置がスクリーンをスクリーン展開モードに切り替えることを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
【請求項3】
自動販売機の利用者が前記自動販売機の本体に接近したことを検出する検出手段を備え、
前記検出手段が利用者を検出し、かつ前記スクリーンがスクリーン展開モードに配置されているときに、前記スクリーン切替え装置がスクリーンを自動販売機モードに切り替えることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動販売機。
【請求項4】
前記自動販売機の本体は、その前面を照射する照明装置を備え、
前記スクリーンは、前記照明装置の光を透過可能に設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の自動販売機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−18126(P2011−18126A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−161019(P2009−161019)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【特許番号】特許第4447653号(P4447653)
【特許公報発行日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【出願人】(504395154)タケショウ株式会社 (3)
【Fターム(参考)】