説明

自動車におけるエアコンの駆動装置

【課題】自動車の駐車時において、エンジンを停止した状態でエアコンを駆動させることができるようにした自動車におけるエアコンの駆動装置を提供する。
【解決手段】外部の交流電源1により自動車41におけるエアコンのコンプレッサ3を駆動させるようにしたことを特徴とする自動車におけるエアコンの駆動装置。自動車41には外部の交流電源1により回転する電気モータ5を備えさせ、該電気モータ5の回転軸7を自動車41におけるエアコンのコンプレッサ3に関連させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車におけるエアコンの駆動装置に関するものである。本発明において「エアコン」とは、エアコンディショナすなわち空調装置をいう。
【背景技術】
【0002】
自動車におけるエアコンは、走行用のエンジンを動力源としてコンプレッサを駆動させている。
【0003】
特開平7−111711号公報は、外部の交流電源から自動車のバッテリに充電を行うようにした電気自動車用充電装置を開示している。
【特許文献1】特開平7−111711号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば高速道路等の道路に付設された駐車場においては、大型トラック、乗用車等の自動車が長時間にわたり駐車することがしばしばある。しかして、上述の如く、自動車におけるエアコンは、走行用のエンジンを動力源としてコンプレッサを駆動させているため、駐車時に車内の冷房ないし暖房を行う際にはエンジンをアイドリング状態に保持する必要がある。
【0005】
しかるに、このような駐車場において自動車のエンジンをアイドリング状態にしておくと、特に夜間においては、近隣住民等に騒音の被害を及ぼすことになる。また、エンジンを長時間にわたりアイドリング状態に保持したときには、排気ガスが大気を汚染し、地球温暖化の原因となるのみならず、燃料の無駄となる。
【0006】
本発明は、上述の如き問題を解決し、自動車の駐車時において、エンジンを停止した状態でエアコンを駆動させることができるようにした自動車におけるエアコンの駆動装置を提供しようとしてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、下記の自動車におけるエアコンの駆動装置を提供する。
【0008】
(1)外部の交流電源により自動車におけるエアコンのコンプレッサを駆動させるようにしたことを特徴とする自動車におけるエアコンの駆動装置(請求項1)。
【0009】
(2)自動車には外部の交流電源により回転する電気モータを備えさせ、該電気モータの回転軸を自動車におけるエアコンのコンプレッサに関連させる(請求項2)。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、外部の交流電源により自動車におけるエアコンのコンプレッサを駆動させるようにしているため、自動車のエアコンは、自動車の駐車時において、エンジンを停止した状態で駆動させることができる。したがって、自動車の駐車時にエアコンを長時間作動させたときでも、エンジンのアイドリングに起因する上述の諸問題が生ずるおそれはない。すなわち、自動車の駐車時にエアコンを長時間作動させたときでも、近隣住民等に騒音の被害を及ぼすことがなく、排気ガスによる大気汚染、地球温暖化等の問題が生ずるおそれがなく、燃料の無駄が生ずることもない。特に、夜間においては、深夜電力を利用することにより、エアコンの使用に伴う費用を著しく節約することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
符号1に示すものは、好ましくは100vの外部の交流電源である。自動車におけるエアコンのコンプレッサ3は外部の交流電源1により駆動される。
【0012】
すなわち、一例として図1に示すように、自動車には外部の交流電源1により回転する電気モータ5を備えさせ、該電気モータ5の回転軸7を自動車におけるエアコンのコンプレッサ3に関連させる。図1のコンプレッサ3は、ヒートポンプユニット9を構成するコンプレッサである。
【0013】
電気モータ5の回転軸7は、一例として、クラッチ11を介して、コンプレッサ3の回転軸13に連結させる。
【0014】
ヒートポンプユニット9により冷やされ又は暖められた空気は、電動ファン15により送風管17を介して車内に送られる。
【0015】
図1において、符号19に示すものは検知型スイッチ、符号21は過充電検知付きスイッチ、符号23はバッテリ、符号25はファンスイッチ、符号27はヒートポンプスイッチ、符号29はエンジンキー、符号31は交流電源ランプ、符号33はアラーム手段である。
【0016】
図示の事例においては、外部の交流電源1により回転する電気モータ5の回転軸7に直流発電機35を接続し、該直流発電機35によりバッテリ23に充電させている。
【0017】
バッテリ23が過充電になったときには、過充電検知付きスイッチ21が充電を停止する。バッテリ23が充電を必要とする状態にあるときには、充電が行われる。
【0018】
自動車が交流電源1から電力の供給を受けているときには、交流電源ランプ31が点灯する。自動車が交流電源1から電力の供給を受けているときにエンジンを回転させた場合には、アラーム手段33のブザー等が作動し、運転者に警告する。
【0019】
図2、図3は、交流電源1の電力を自動車41に供給する電力供給施設43の一例を示す。交流電源1は、各電力供給ボックス45にて電気コード47を介して電力を各自動車41に供給する。符号49に示すものは分岐手段である。
【0020】
図3における符号51に示すものは、電力ケーブルと通信ケーブルとを収容するケーブル収容体である。
【0021】
自動車41は、電気コード47のプラグ53を電力供給ボックス45のコンセント55に差し込むことにより交流電源1から電力の供給を受ける。電力の供給を受けた後、電気コード47は自動車41に備えさせたコード巻き取り装置48により巻き取られる。なお、プラグ53をコンセント55に差し込んだまま自動車41が発進したときには、電気コード47はコード巻き取り装置48により自動的に巻き取られる。
【0022】
自動車41側のプラグ53には、図5に示すように、例えば、凸部57と凹部59とインターネット接続手段61と誤接続防止手段63とを備えさせる。電力供給ボックス45のコンセント55には、図6に示すように、これらのものに対応する凹部65と凸部67とインターネット接続手段69と誤接続防止手段71とを備えさせる。
【0023】
図5に示すプラグ53は磁石又は鉄片73を備え、図6に示すコンセント55は該磁石又は鉄片73に対応する磁石又は鉄片75を備えている。
【0024】
交流電源1は、100vの安定した電力を供給するため、自動車41内でパソコンを使用することもでき、適宜の接続を行うことにより自動車41内でインターネットにアクセスすることも可能である。
【0025】
図4に示す事例においては、コンセント55には該コンセント55を雨水から保護するための防雨蓋77を開閉自在に備えさせている。
【0026】
本発明による自動車におけるエアコンの駆動装置は、ETCカード、クレジットカード、プリペイドカード等のカード又は現金により料金を徴収するものであり、電力供給ボックス45にはカード挿入孔79、コイン投入孔81、紙幣投入孔(図示せず)、金額を表示する金額表示部83等を備えさせている。
【0027】
図6に示す電力供給ボックス45は、更に、電力供給可能な時間を表示する供給時間表示部85と、電力供給中であることを表示する供給中表示ランプ87と、バッテリの電圧表示部89と、本発明による自動車におけるエアコンの駆動装置を使用することにより節約した金額と削減した二酸化炭素の量とを示すメッセージ表示部91とを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明による自動車におけるエアコンの駆動装置を概略的に示す説明図である。
【図2】電力供給施設の一例を示す平面図である。
【図3】同上電力供給施設の側面図である。
【図4】プラグとコンセントとを示す側面図である。
【図5】プラグの正面図である。
【図6】電力供給ボックスの正面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 交流電源
3 コンプレッサ
5 電気モータ
7 回転軸
9 ヒートポンプユニット
11 クラッチ
13 回転軸
15 電動ファン
17 送風管
19 検知型スイッチ
21 過充電検知付きスイッチ
23 バッテリ
25 ファンスイッチ
27 ヒートポンプスイッチ
29 エンジンキー
31 交流電源ランプ
33 アラーム手段
35 直流発電機
41 自動車
43 電力供給施設
45 電力供給ボックス
47 電気コード
48 コード巻き取り装置
49 分岐手段
51 ケーブル収容体
53 プラグ
55 コンセント
57 凸部
59 凹部
61 インターネット接続手段
63 誤接続防止手段
65 凹部
67 凸部
69 インターネット接続手段
71 誤接続防止手段
73 磁石又は鉄片
75 磁石又は鉄片
77 防雨蓋
79 カード挿入孔
81 コイン投入孔
83 金額表示部
85 供給時間表示部
87 供給中表示ランプ
89 電圧表示部
91 メッセージ表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の交流電源により自動車におけるエアコンのコンプレッサを駆動させるようにしたことを特徴とする自動車におけるエアコンの駆動装置。
【請求項2】
自動車には外部の交流電源により回転する電気モータを備えさせ、該電気モータの回転軸を自動車におけるエアコンのコンプレッサに関連させたことを特徴とする請求項1に記載の自動車におけるエアコンの駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−292163(P2009−292163A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−144495(P2008−144495)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【出願人】(308014086)
【Fターム(参考)】