説明

自動車用サンバイザー

【課題】バイザー本体とルームミラーの間の隙間を通って射し込む陽射しや、バイザー本体とフロントピラーガーニッシュの間の隙間を通って射し込む陽射を遮光することができる自動車用サンバイザーを提供する。
【解決手段】フロントピラーガーニッシュ12とルームミラー13との間で、車内天井部14の前方部に上下方向回動可能に取り付けられる自動車用サンバイザーであって、車内天井部14の前側コーナー付近に取り付けられるブラケット15と、ブラケット15に一端部16aが回動自在に支持され、本体部16bが車内天井部14の前端部に沿って配置される取付シャフト16と、取付シャフト16の本体部16bに上下方向に回動可能で、かつ、長さ方向に移動可能に取り付けられたバイザー本体18と、を備えてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車用サンバイザーに関するものであり、特に、フロントピラーとルームミラーとの間で、車内天井部の前端位置に日除けとして上下方向回動可能に設けられる自動車用サンバイザーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動車用サンバイザーとして、板状のバイザー本体を車室内天井部の前端位置に上下(前後)方向回動可能に配置してなる構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一般に、従来の自動車用サンバイザーは、図5に示すように、バイザー本体101をフロントピラーガーニッシュ102とルームミラー103との間に設けている。このバイザー本体101は、取付シャフト104の本体部に上下方向回動可能に取り付けられ、さらに取付シャフト104の一端部104a側を車内天井部106の前端部にブラケット105を介して固定することにより、この車内天井部106の前端部に取り付けられている。
【0004】
また、バイザー本体101には、ワイヤ(図示せず)を被包してなるノブ107を露出させたノブ用露出部108が設けられている。そして、通常は、ノブ用露出部108に露出されているノブ107を車内天井部106の前端部に設けている係止フック109内に係脱可能に係合させ、バイザー本体101を取付シャフト104と係止フック109の2点で車内天井部106の前端部に保持しておく構造を採用している。
【0005】
このように構成されたバイザー本体101は、車内天井部106の前端部、すなわちフロントガラス側では、取付シャフト104と係止フック109を支点として前後(上下)方向に回動できる。また、ノブ107と係止フック109との係合を外すと、ブラケット105を支点として取付シャフト104を車幅方向に水平回動させて、バイザー本体101をドア側の車内天井部側縁に移動配置できるようになっている。
【0006】
ところで、この種の自動車用サンバイザーでは、バイザー本体101の前後(上下)方向の動きやルームミラー103を角度調節するときの動き等で、バイザー本体101とルームミラー103がぶつかる虞がある。また、車両走行時に、バイザー本体101とフロントピラーガーニッシュ102が干渉する虞がある。これを無くすために、通常、バイザー本体101とルームミラー103の間には10ミリ程の隙間S1を設けるとともに、バイザー本体101とフロントピラーガーニッシュ102の間に最小5ミリ程度の隙間S2を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−114222号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図5に示したような、バイザー本体101とルームミラー103の間と、バイザー本体101とフロントピラーガーニッシュ102の間にそれぞれ隙間S1,S2を設けている自動車用サンバイザーの構造では、バイザー本体101が、車内天井部106に取り付けられた取付シャフト104及び係止フック109に対して長手方向に移動不能な状態で取り付けられている。このため、バイザー本体101とルームミラー103の間の隙間S1を通って射し込む陽射しや、バイザー本体101とフロントピラーガーニッシュ102の間の隙間S2を通って射し込む陽射は遮光することができないという問題点があった。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところはバイザー本体とルームミラーの間の隙間を通って射し込む陽射しや、バイザー本体とフロントピラーガーニッシュの間の隙間を通って射し込む陽射を遮光することができる自動車用サンバイザーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係る自動車用サンバイザーは、フロントピラーガーニッシュとルームミラーとの間で、車内天井部の前方部に上下方向回動可能に取り付けられる自動車用サンバイザーであって、前記車内天井部の前側コーナー付近に取り付けられるブラケットと、前記ブラケットに一端部が回動可能に支持され、本体部分が前記車内天井部の前端部に沿って配置される取付シャフトと、前記取付シャフトの本体部側に上下方向に回動可能で、かつ、長さ方向に移動可能に取り付けられるバイザー本体と、を備えてなる。
【0011】
この構成によれば、前記バイザー本体は、取付シャフトの軸線回りに回転する動作と、取付シャフトに沿って長さ方向に移動する動作が可能になる。したがって、バイザー本体とルームミラーの間の隙間から射し込む陽射しが眩しいとき、バイザー本体を取付シャフトに沿ってルームミラー側に移動させることにより、バイザー本体とルームミラーの間の隙間を塞いで遮光できる。反対に、バイザー本体とフロントピラーガーニッシュの間の隙間から射し込む陽射しが眩しいとき、バイザー本体を取付シャフトに沿ってフロントピラーガーニッシュ側に移動させることにより、バイザー本体とフロントピラーガーニッシュの間の隙間を塞いで遮光できる。
【0012】
上記構成において、前記バイザー本体の前記ルームミラー側への移動範囲は、前記ルームミラーと接触しない範囲に設定してなる、構成を採用できる。
【0013】
この構成によれば、バイザー本体をルームミラー側に移動させても、バイザー本体がルームミラーと接触することがないので、バイザー本体を上下方向に回動させてもルームミラーにぶつかることがない。また、ルームミラーの角度調節を行う際にもバイザー本体がルームミラーとぶつかることがない。
【0014】
上記構成において、前記バイザー本体の前記フロントピラーガーニッシュ側への移動範囲は、前記フロントピラーガーニッシュと接触可能な範囲を含めて設定してなる、構成を採用できる。
【0015】
この構成によれば、バイザー本体をフロントピラーガーニッシュ側に移動させて、バイザー本体がフロントピラーガーニッシュにぶつかっても、フロントピラーガーニッシュはルームミラーのように動くものではない。したがって、バイザー本体をフロントピラーガーニッシュと接触するまで移動させると、フロントピラーガーニッシュとバイザー本体の間における完全な遮光を得ることができる。
【0016】
上記構成において、前記バイザー本体は、前記車内天井部側に設けられた係止フックと係合可能なノブを配設してなるノブ用露出部を有し、該ノブを前記係止フックに対して上下方向回動可能並びに長さ方向に移動可能に設けてなる、構成を採用できる。
【0017】
この構成によれば、バイザー本体側のノブを車内天井部側の係止フックに係合させると、バイザー本体を取付シャフトと係止フックの2点で車内天井部の前端部に確実に保持しておくことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、バイザー本体とルームミラーの間の隙間から射し込む陽射し、あるいはバイザー本体とフロントピラーガーニッシュの間の隙間から射し込む陽射しが眩しいとき、バイザー本体を取付シャフトに沿ってルームミラー側あるいはフロントピラーガーニッシュ側にそれぞれ移動させると、バイザー本体とルームミラーの間の隙間、あるいはバイザー本体とフロントピラーガーニッシュの間の隙間を塞いで遮光することができるので、眩しさを軽減することができる。これにより、運転者側に設けたサンバイザーにあっては運転者の安全な運転に寄与し、助手席側に設けたサンバイザーにあっては快適なドライブを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る自動車用サンバイザーを使用している状態で示す自動車内の要部斜視図。
【図2】図1に示す同上自動車用サンバイザーの全体構成を示す説明図。
【図3】図2のA−A線断面図。
【図4】図1に示す自動車用サンバイザーのバイザー本体を見開きした状態で描画した正面図。
【図5】従来における自動車用サンバイザーの構成を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に係る自動車用サンバイザーを使用している状態で示す自動車内の要部斜視図、図2は本発明の自動車用サンバイザーの全体構成を示す図、図3は図2のA−A線断面図である。また、図4は図1に示す自動車用サンバイザーのバイザー本体を見開きした状態で描画した正面図である。
【0021】
まず、図1において、本発明の自動車用サンバイザー11(以下、サンバイザー11という)は、通常、運転席側と助手席側にそれぞれ設けられるものであるが、同図では説明を簡略化するために、運転席側に設けたサンバイザー11だけを示している。このサンバイザー11は、フロントピラーガーニッシュ12とルームミラー13との間で、車内天井部14の前端部に取り付けられている。
【0022】
さらに詳述すると、前記サンバイザー11は、ブラケット15と取付シャフト16と係止フック17とバイザー本体18等により構成されている。
【0023】
前記ブラケット15は、フロントピラーガーニッシュ12と隣接している車内天井部14の前側サイド部に固定して取り付けられている。
【0024】
前記取付シャフト16は、一端部16a側が上向きL字状に折り曲げられ、この折り曲げられた一端部16aが前記ブラケット15内に水平回動可能に取り付けられている。そして、この取付シャフト16の本体部16b側は車内天井部14の前端部に沿って配置され、この本体部16bに前記バイザー本体18の長手方向の上端部が本体部16bの軸線回りに回動可能に取り付けられるようになっている。
【0025】
前記係止フック17は、前記バイザー本体18に設けられている後述するノブ19に対応して、車内天井部14に取り付けられている。この係止フック17には、車室内側に向かって開口している略C字状断面をした係合溝17aが形成されている。
【0026】
前記バイザー本体18は、図4に示すように、薄肉のヒンジ部20aで回動可能に結合されたバイザー板部20b,20cを一体に有し、樹脂材料、例えばポリプロピレンを射出成形等により成形してなるプレート状を呈し、バイザー板部20b、20cをヒンジ部20aで折り曲げて接合した状態で中空体として形成されている。また、内部にはホルダー21が設置され、外面は織布、不織布、あるいはPVCシート等の表皮で覆われている。
【0027】
前記バイザー本体18に内装設置されている前記ホルダー21は、ポリプロピレン等の合成樹脂を射出成形等により成形した樹脂成形体として構成されており、円筒状をした左右の軸受部21a,21aとプレート状の取付部21bとからなる。また、各軸受部21a,21aには、取付シャフト16の前後方向への回動を可能にして、該取付シャフト16の本体部16bを回動並びにスライド可能に軸支する軸受孔21cが設けられている。
【0028】
前記バイザー板部20b,20cは、ヒンジ部20aの部分で回動させて、バイザー板部20bの側壁部24aの先端部分とバイザー板部20cの側壁部24bの先端部分を互いに向かい合わせすることにより中空体として組み立てられるものであり、従来のバイザー本体と同様に、一方のバイザー板部20b(または20c)に設けた係止爪(図示せず)と他方のバイザー板部20c(または20b)に設けた係止部(図示せず)が互いに係着されることにより、組み立てられている。
【0029】
また、前記一方のバイザー板部20bの内壁には、互いに離間対向する1対の起立壁22a,22bが、バイザー本体18の長手方向に延在するようにして成形時に一体に形成されている。この起立壁22a,22b間内には、前記ホルダー21が収容されている。このホルダー21は、両バイザー板部20b,20cを接合した際に、両バイザー板部20b,20c間で挟合され、バイザー本体18から脱落しないように保持される。
【0030】
さらに、前記両起立壁22a,22bの両端部には、取付シャフト16の本体部16bに当接係合する抜け止め用の被当接壁部22c,22dが、バイザー板部20bの成形時に一体に形成されている。また、被当接壁部22cには、バイザー本体18の長手方向への移動並びに前後方向への回動を可能な状態にして、前記取付シャフト16を軸支するようにして配設される半円形の切欠軸受部23が形成されている。
【0031】
また、他方の前記バイザー板部20cの内壁には、両バイザー板部20b,20cが接合した状態で、一方のバイザー板部20cの側壁部24bと被当接壁部22cの間に存するようにして、補助被当接片部25が起立形成されている。この補助被当接片部25は、両バイザー板部20b,20cを接合した際に、被当接壁部22cに対して、近接するか当接するように形成されている。
【0032】
そして、補助被当接片部25にも、バイザー板部20cの長手方向への移動並びに前後方向への回動を可能な状態にして、該取付シャフト16を軸支するようにして半円形の切欠軸受部26が形成されており、この切欠軸受部26と前記切欠軸受部23とは側面視略円孔を形成するようになっている。
【0033】
さらには、両バイザー板部20b,20cの各側壁部24a,24bには、やはり両者で側面視円孔を構成する切欠軸受部27a,27bがそれぞれ形成されており、この切欠軸受部27a,27bは、やはりバイザー本体18の長手方向への移動並びに前後方向への回動を可能な状態にして、該取付シャフト16を軸支するようにして設けられている。
【0034】
また、両バイザー板部20b,20cには、取付シャフト16の本体部16bが取り付けられる部分から他端側に少し離れた箇所に、その一部を内側に凹ませた状態にしてなるノブ用露出部28が形成されている。このノブ用露出部28には、合成樹脂で形成されたノブ19を被着して成るワイヤ30がバイザー本体18の長手方向に沿って取り付けられている。なお、ノブ用露出部28の長手方向の長さWTは、後で詳細に説明するが、前記係止フック17の左右方向の幅W3よりも大きく設定されている。
【0035】
次に、このように構成されたサンバイザー11を組み立て、かつ、自動車の車内に取り付ける手順の一例を説明する。まず、取付シャフト16にホルダー21を取り付ける。このホルダー21の取り付けでは、取付シャフト16の本体部16b側をホルダー21の軸受孔21c,21cに順次挿通し、軸受孔21c,21cを貫通した本体部16bの先端部分に抜け止めストッパーを嵌着する。これにより、ホルダー21が本体部16bに取り付けられる。
【0036】
次いで、両バイザー板部20b,20cが開いている状態で、取付シャフト16の一端部16a側がバイザー本体18の外側で、かつ、取付シャフト16の本体部16b側とホルダー21がバイザー本体18内に配置された状態で、両バイザー板部20b,20cを閉じる。これにより、取付シャフト16とサンバイザー本体18とが一体化される。通常、この状態で自動車の組立ラインに供給される。
【0037】
自動車の組立ラインでは、取付シャフト16の一端部16a側に取り付けられているブラケット15を車内天井部14の前端部に固定するとともに、係止フック17をバイザー本体18のノブ用露出部28に対応させて車内天井部14の前端部に取り付ける。これにより、サンバイザー11の自動車への取り付けが完了する。なお、この組立手順は、必ずしもこの順序に限るものではない。
【0038】
そして、このようにして自動車の車内に取り付けられたサンバイザー11は、車内天井部14の前端部、すなわちフロントガラス側では、取付シャフト16と係止フック17を支点として前後(上下)方向に回動できる。また、ノブ19と係止フック17との係合を外すと、ブラケット15を支点として取付シャフト16を車幅方向に水平回動させて、バイザー本体18をドア側の車内天井部14の側縁に移動配置できる。なお、通常は、車内天井部14の前端部で、ノブ19が係止フック17の係合溝17a内に嵌合された状態で保持され、バイザー本体18は取付シャフト16と係止フック17の2点で車内天井部14の前端部に確実に保持しておくことができる。
【0039】
また、このサンバイザー11は、バイザー本体18を取付シャフト16の軸線方向、すなわちバイザー本体18の長手方向にスライド移動させることができるとともに、上下方向に回転させることができる。その動作を、バイザー本体18が車内天井部14の前端部に配置されている場合で次に説明する。
【0040】
通常使用時、バイザー本体18は、図1に実線で示す中立位置Cに配置されている。この状態では、バイザー本体18とルームミラー13との間、及び、バイザー本体18とフロントピラーガーニッシュ12との間には隙間S1及び隙間S2が設けられている。また、この中立位置Cでは、バイザー本体18を上下方向に回動させてもルームミラー13とぶつかることがない。また、ルームミラー13の角度調節を行う際にもバイザー本体18がルームミラー13とぶつかることがない。
【0041】
そして、運転中等に、バイザー本体18とルームミラー13の間の隙間S1から射し込む陽射しが眩しいときは、バイザー本体18を取付シャフト16上でルームミラー13側に移動させ、図1に一点鎖線で示す左側移動位置Lに配置する。これにより、バイザー本体18とルームミラー13の間の隙間S1が僅かな隙間を残して塞がれ、遮光をすることができ、眩しさを軽減できる。
【0042】
反対に、バイザー本体18とフロントピラーガーニッシュ12の間の隙間S2から射し込む陽射しが眩しいとき、バイザー本体18を取付シャフト16上でフロントピラーガーニッシュ12側に移動させ、図1に二点鎖線で示す右側移動位置Rに配置する。これにより、バイザー本体18とフロントピラーガーニッシュ12の間の隙間S2が塞がれて遮光をすることができ、眩しさを軽減できる。
【0043】
なお、本実施例では、バイザー本体18の中立位置Cから左側移動位置Lまでの移動許容量W1は、バイザー本体18がルームミラー13と接触しない範囲までとし、前記ノブ用露出部28の右側内面28Rが係止フック17の右側側面と当接することで規制する。そして、この移動範囲内での移動では、バイザー本体18を上下方向に回動させてもルームミラー13にぶつかることがなく、また、ルームミラー13の角度調節を行う際にもバイザー本体18がルームミラー13とぶつかることがない。
【0044】
一方、バイザー本体18の中立位置Cから右側移動位置Rまでの移動許容量W2は、バイザー本体18がフロントピラーガーニッシュ12と接触可能な範囲までとし、前記ノブ用露出部28の左側内面28Lが係止フック17の左側側面と当接することで規制する。この右側移動では、バイザー本体18をフロントピラーガーニッシュ12とぶつかるまで移動できるようにしているが、フロントピラーガーニッシュ12は、ルームミラー13のように動くものではないので、バイザー本体18をフロントピラーガーニッシュ12とぶつかるまで移動させても問題は発生しない。したがって、最大限まで移動させることにより、フロントピラーガーニッシュ12とバイザー本体18の間における完全な遮光を得ることができる。
【0045】
以上のことを考慮し、係止フック17の幅をW3とした場合、前記ノブ用露出部28の軸線方向に沿う前記最小幅WTは、(WT=W1+W2+W3)となるように設定してある。なお、バイザー本体18の移動規制は、ノブ用露出部28の内面28R,28Lを係止フック17の側面に当接させて行うようにしているが、これ以外の手段で規制するようにしてもよい。
【0046】
したがって、このように構成したサンバイザー11を使用すると、運転者側に設けたサンバイザー11にあっては運転者の安全な運転に寄与し、助手席側に設けたサンバイザー11にあっては快適なドライブを楽しむことができることになる。
【0047】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0048】
上記実施の形態では、自動車用のサンバイザーに適用した場合について説明したが、自動車用以外のサンバイザーにも応用することが可能である。
【符号の説明】
【0049】
11 サンバイザー
12 フロントピラーガーニッシュ
13 ルームミラー
14 車内天井部
15 ブラケット
16 取付シャフト
16a 一端部
16b 本体部
17 ホルダー
17a 係合溝
18 バイザー本体
19 ノブ
20a ヒンジ部
20b バイザー板部
20c バイザー板部
21 ホルダー
21a 軸受部
21b 取付部
21c 軸受孔
22a,22b 起立壁
22c,22d 被当接壁部
23 切欠軸受部
24a,24b 側壁部
25 補助被当接片部
26 切欠軸受部
27a,27b 切欠軸受部
28 ノブ用露出部
29 抜け止めストッパー
S1,S2 隙間
WT ノブ用露出部の幅
W1 移動許容量
W2 移動許容量
W3 ノブの幅
C 中立位置
R 右側移動位置
L 左側移動位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントピラーガーニッシュとルームミラーとの間で、車内天井部の前方部に上下方向回動可能に取り付けられる自動車用サンバイザーであって、
前記車内天井部の前側コーナー付近に取り付けられるブラケットと、
前記ブラケットに一端部が回動可能に支持され、本体部が前記車内天井部の前端部に沿って配置される取付シャフトと、
前記取付シャフトの本体部側に上下方向に回動可能で、かつ、長さ方向に移動可能に取り付けられるバイザー本体と、
を備えていることを特徴とする自動車用サンバイザー。
【請求項2】
前記バイザー本体は、前記ルームミラー側への移動範囲を前記ルームミラーと接触しない範囲に設定していることを特徴とする請求項1に記載の自動車用サンバイザー。
【請求項3】
前記バイザー本体は、前記フロントピラーガーニッシュ側への移動範囲を前記フロントピラーガーニッシュと接触可能な範囲を含めて設定していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動車用サンバイザー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−116240(P2011−116240A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−275317(P2009−275317)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(000124454)河西工業株式会社 (593)