説明

自動車用テレフォンコンソール

【課題】 本発明は、自動車の車内に持ち込まれた携帯電話の使い勝手を向上させることのできる自動車用テレフォンコンソールに関するものであって、特に充電器の使い勝手をも向上させることのできる新規な自動車用テレフォンコンソールを開発することを技術課題としたものである。
【解決手段】 本発明の自動車用テレフォンコンソール1は、自動車2の運転席3側傍に設けられるコンソールボックスに対し、電話器本体10の保持部16を設けるとともに、この保持部16周辺に充電用ソケット20を設けたことを特徴として成るものである。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の車内に持ち込まれた携帯電話の使い勝手を向上させることのできる自動車用テレフォンコンソールに関するものである。
【0002】
【発明の背景】いわゆる自動車電話が既設されることの多い高級乗用車等は別として、外部との頻繁且つ容易な連絡のため最近普及の著しい携帯電話を自動車内に持ち込んで用いるケースが増えている。この場合、使い勝手の面から運転席側傍の既存のコンソールボックス上のスペースを利用して電話器本体10を無造作に置いたり、あるいは図5に示すようにオプションパーツとして後付け使用できる専用のテレフォンホルダHをダッシュパネルのエアコン吹出口のルーバーLに掛けて用いている。しかしながらこのような手法では車内に突起物ができることになり、安全を確保する上で好ましくない。加えてこのものは電話器本体10のみを保持するだけであって、携帯電話と共に携行される電源電池の充電器の扱いについては考慮されていない。
【0003】また前記自動車電話については、電話台を後付けする要求に応えるものとしてテレフォンコンソールが市販されている。このものは既設のコンソールボックスの側面に増設されるものであって、その上に受話器を置くように工夫されているが、このものはあくまで受話器の置き場を確保することのみに主眼が置かれているに過ぎない。このため、携帯電話に流用しようと試みた場合、電話器本体と併用される電源電池の充電器の取り扱い等については考慮されるところがなく、使い勝手の悪さは否めない。
【0004】この充電器は数cm角の本体に対し自動車に設けられているシガーライターソケットに差し込むことができるプラグが突出したものであるが、これ自体の形状とシガーライターソケットの構造に因み次のような問題が生じてきている。すなわち最近の車室設計の傾向では、シガーライターソケットは例えば引出式の灰皿の奥部に設けられていたり、インストルメントパネルにおいてカバー状のパネルの裏に覆われていたりする場合があり、このような場合では形状的に充電器のプラグがシガーライターソケットに入らなかったり、またたとえ入ったとしても、例えば灰皿を引き出した状態での充電を続けることとなるから、灰皿内のタバコの臭気が自動車内に放散され、著しく車内環境を悪化させるという問題を生じている。
【0005】加えて充電器本体から電話器本体の電池へ接続させるための充電コードがコンソールボックス周辺に露出状態に結線されるため、美観上あるいは安全運転上、好ましいものではなかった。また運転者にとって操作しやすいインストルメントパネル周辺におけるシガーライター用ソケットが使用できない場合等にあっては、例えば後部座席用のシガーライター用ソケットを利用して充電器を差し込むこととなるが、この場合には運転者が単独で乗車しているようなときはその操作が極めて行い難く、またあえて運転中に操作するとなると、安全確認上これが不充分となるものであった。
【0006】
【解決を試みた技術的課題】本発明はこのような背景を考慮してなされたものであって、充電器の使い勝手をも向上させることのできる新規な自動車用テレフォンコンソールを開発することを技術課題としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1記載の自動車用テレフォンコンソールは、自動車の運転席側傍に設けられるコンソールボックスに対し、電話器本体の保持部を設けるとともに、この保持部周辺に充電用ソケットを設けたことを特徴として成るものである。この請求項1記載の発明によれば、携帯電話の電話器本体の保持部近くに充電用ソケットが設けれているから、充電器を確実に接続することができ、且つ充電器と電話器本体とを結ぶ充電用の結線がみだりに車内に結線されることがなく、インストルメントパネル周辺の整理状態の乱れが生じない。
【0008】また請求項2記載の自動車用テレフォンコンソールは、前記要件に加え、前記保持部と充電用ソケットとは、コンソールボックスを構成するメインコンソールとは別体のサブコンソールに設けられ、このサブコンソールがメインコンソールに組み付けられて構成されていることを特徴として成るものである。この請求項2記載の発明によれば、自動車用テレフォンコンソールを設置するにあたり、既設のメインコンソールとは別体のサブコンソールを取り付けることによってこのような携帯電話専用の保持スペースを有しないコンソールボックスであっても後付け状態でテレフォンコンソールが構成される。
【0009】更にまた請求項3記載の自動車用テレフォンコンソールは、前記請求項2記載の要件に加え、前記サブコンソールをメインコンソールにおける助手席側の側面に組み付けられることを特徴として成るものである。この請求項3記載の発明によれば、サブコンソールを増設するにあたっては、助手席側に張り出すように増設されるから、自動車の運転に支障が生じない状態で増設することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の自動車用テレフォンコンソールについて具体的に説明する。まず符号1は本発明の自動車用テレフォンコンソールであって、このものは既設のコンソールボックスを利用して構成されるほか、別体のオプション部品として構成されるサブコンソールによって実質的に構成されるものである。以下の説明では後付けするサブコンソールによって構成する実施の形態を説明するものであり、従って以下の説明中メインコンソール1Aは実質的に従来の既設のコンソールボックスであり、このものにサブコンソール1Bが後付け状態に組み付けられて構成される。
【0011】本発明が適用される自動車2の車内は運転席3とそれに接する助手席4及び運転席3側に設けられるステアリングホィール5を具え、更に運転席3前方から助手席4にかけてインストルメントパネル6を具える。また本発明が取り扱い対象とした電話器本体10を実質的な部材とし、更にその電源電池10Bを充電するための充電器11が併用される。電話器本体は通常の既知の形態を有するものであり、電源電池10Bのほか、このものへの充電用配線の接続部10Cを有する。また充電器11は例えば数cm角程度の偏平な箱状の本体部に充電用ソケットへ差し込まれるプラグ11Aと電話器本体10へ接続配線される接続コード11Bとを具えて成る。
【0012】以下サブコンソール1Bタイプの自動車用テレフォンコンソール1について具体的に説明する。符号12はサブコンソール1Bの本体であって、樹脂を真空成形、ブロー成形、射出成形等、適宜の成形手法を用いて成形したり、あるいは所定のコードを有する発泡樹脂等によって外形形状を成形したり、更には金属素材をプレス成形する等の手段によって構成する。そしてこのものは取り付ける車種に応じて、例えば取り付けのための係止爪13、あるいはビス孔14等を具える。もちろん要はサブコンソール1Bがメインコンソール1Aの好ましくは助手席の側傍に設けられればよいのであるから、取り付けが許される限りメインコンソール1Aの側面に対し接着剤で固定したり、あるいは取り外し自在の商品名マジックテープと称される面ファスナ18を用いて取り付けることができる。
【0013】そしてこの実施の形態では本体12は意匠効果を向上させるため、その表面に合成皮革等によるカバー15を設ける。もちろんこのカバー15は合成皮革のほか、通常の樹脂シートあるいは天然皮革、更には本体12に直接施した曲面印刷等による印刷であってもよい。そしてこのサブコンソール1Bがやや傾斜した上面を電話器本体10の保持部16とするものであって、この部位には各電話器の形状に応じ、これを定期的に保持できるようなアダプタ17を例えば面ファスナ18によって張り付けて固定する。もちろん保持部16はサブコンソール1Bの上方の他の面といわゆるツラ位置であってもよいし、電話器本体10の保持を更に確実にするために図3に示すように凹陥させて構成してもよい。
【0014】そしてこの保持部16よりやや下方には充電用ソケット20を設けるものであって、この充電用ソケット20からは自動車2に搭載したバッテリBからの電源を取り込むための給電線21を別途配線する。もちろんこの充電用ソケット20についても前記充電器11におけるプラグ11Aが差し込まれる円孔状に開口させるほか、充電器11の本体部分をも幾分か嵌め込み状態にできるように図1、2に示すように積極的に凹陥させたものであってもよい。
【0015】またこの種の充電器11は、充電器11と電話器本体10とが多少離れて置かれていても接続できるようにコイル状の接続コード11Bを充分余裕をもった長さで構成されているのが常であるから、図1、2に示すようにこの剰余の部分を収めることができるような接続コード11Bの収納凹部等を設けるようにしてもよい。もちろん以上述べた実施の形態はサブコンソール1Bにおいて実質的に電話器本体10を保持するようにしたものであるが、従来のコンソールボックスであるメインコンソールボックス1Aを幾分か幅を広げる等の対策を施して電話器本体10の保持部16が構成されるようにしたいわば一体型であってもよい。また更に意匠的効果を高めるために例えば電話器本体10を自動車用テレフォンコンソール1における保持部16に載置した状態でこれを覆い隠すような蓋板22を設けるようにすることも可能である(図4参照)。
【0016】そしてこのような自動車用テレフォンコンソール1を用いるには、常法に従い使用しないときは、図2(a)に示すように電話器本体10を保持部16におけるアダプタ17によってサブコンソール1Bの上面に保持した状態とするとともに、充電が必要な場合には図2(b)に示すように充電器11におけるプラグ11Aを充電用ソケット20に差し込み、更に接続コード11B先端のコネクターを電話器本体10の接続部10Cに差し込んで電源電池10Bの充電を行うものである。また充電が不要な場合は、充電用ソケット20から充電器11を取り外すものであるが、取り外した場合には例えばサブコンソール1Bの適宜の位置に充電器11の収納部を設けておいたり、あるいは取り付けたままで充電用ソケット20にくるまでの間に給電線21の断接を行うスイッチを設けてバッテリBからの給電を断つようにしてもよい。
【0017】
【発明の効果】本発明は以上述べたような実施の形態を具えるものであり、次のような効果を奏する。まず請求項1記載の発明によれば、携帯電話の電話器本体10の保持部16近くに充電用ソケット20が設けれているから、充電器11を確実に接続することができ、且つ充電器11と電話器本体10とを結ぶ充電用の結線がみだりに車内に結線されることがなく、インストルメントパネル6周辺の整理状態の乱れが生じない。
【0018】また請求項2記載の発明によれば、自動車用テレフォンコンソール1を設置するにあたり、既設のメインコンソール1Aとは別体のサブコンソール1Bを取り付けることによって、このような携帯電話専用の保持スペースを有しないコンソールボックスであっても後付け状態でテレフォンコンソールが構成できる。
【0019】更にまた請求項3記載の発明によれば、サブコンソール1Bを増設するにあたっては、助手席4側に張り出すように増設されるから、自動車2の運転に支障が生じない状態で増設することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動車用テレフォンコンソールを適用した自動車内部の様子を示す斜視図である。
【図2】本発明の自動車用テレフォンコンソールに電話器本体を装着した状態並びに充電時の接続状態を示す斜視図である。
【図3】サブコンソールに対して保持部を凹陥させて形成した実施の形態を示す斜視図である。
【図4】自動車用テレフォンコンソールに蓋板を設けた実施の形態を示す斜視図である。
【図5】従来の携帯電話の配設態様を示す説明図である。
【符号の説明】
1 自動車用テレフォンコンソール
1A メインコンソール
1B サブコンソール
2 自動車
3 運転席
4 助手席
5 ステアリングホィール
6 インストルメントパネル
10 電話器本体
10B 電源電池
10C 接続部
11 充電器
11A プラグ
11B 接続コード
12 本体
13 係止爪
14 ビス孔
15 カバー
16 保持部
17 アダプタ
18 面ファスナ
20 充電用ソケット
21 給電線
22 蓋板
B バッテリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 自動車の運転席側傍に設けられるコンソールボックスに対し、電話器本体の保持部を設けるとともに、この保持部周辺に充電用ソケットを設けたことを特徴とする自動車用テレフォンコンソール。
【請求項2】 前記保持部と充電用ソケットとは、コンソールボックスを構成するメインコンソールとは別体のサブコンソールに設けられ、このサブコンソールがメインコンソールに組み付けられて構成されていることを特徴とする請求項1記載の自動車用テレフォンコンソール。
【請求項3】 前記サブコンソールはメインコンソールにおける助手席側の側面に組み付けられることを特徴とする請求項2記載の自動車用テレフォンコンソール。

【図2】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開平9−109790
【公開日】平成9年(1997)4月28日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−292154
【出願日】平成7年(1995)10月13日
【出願人】(595158843)
【出願人】(595158854)