説明

自動露出制御カメラ

【目的】 各種露出モードを簡単に切り換え設定する事の出来る自動露出制御カメラを提供する事である。
【構成】 カメラ本体と、このカメラ本体に取り付けられ、英字及び絵文字が全て表示可能に配設された表示部材と、操作される事により、通常の露出モードと、画像効果を表現する絵文字により選択される露出モードとを切り換え設定すると共に、前記表示部材において切り換え表示する第1の操作部材と、操作される事により、絵文字により選択される露出モードに含まれる複数の露出モードの中から1つを選択すると共に、選択された露出モードを前記表示部材において所定のマークを移動させて表示する第2の操作部材とを具備する事を特徴としている。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、各種露出モードに切り換え可能なマルチモードの自動露出制御カメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種露出モードに切り換え可能なマルチモードの自動露出制御カメラにおいては、撮影状況にマッチした露出モードを特有に設定して、撮影することが出来る様に設定されている。例えば、人物を撮影する場合(ポートレート撮影)
には、それに適した露出状態があり、風景を撮影する場合(遠景撮影)には、それに適した露出状態があり、近接した被写体を撮影する場合(クローズアップ撮影)には、それに適した露出状態がある。この為、これらを選択的に設定する事により、夫々に最適な露出モードを切り換え設定して、失敗のない撮影を達成することが出来る様になされている。また、撮影者は、マニュアル露出モードで撮影したい場合もあるし、オート露出モードで撮影したい場合もあるし、プログラム露出モードで撮影したい場合もある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の自動露出制御カメラにおいては、上述した露出モードを設定する際の選択肢が多過ぎると、撮影者がそれらを選択設定する為の作業が面倒になり、また、少な過ぎると、選択設定する為の作業は簡易化されるが、一方で、撮影者の意図を反映出来ない露出モードしか選択設定出来ない虞があり、改善が要望されていた。
【0004】
この考案は、上述した事情に鑑みてなされたもので、この考案の目的は、各種露出モードを簡単に切り換え設定する事の出来る自動露出制御カメラを提供する事である。
【0005】
【課題を解決する為の手段】
上述した課題を解決し、目的を達成する為、この考案に係わる自動露出制御カメラは、カメラ本体と、このカメラ本体に取り付けられ、英字及び絵文字が全て表示可能に配設された表示部材と、操作される事により、通常の露出モードと、画像効果を表現する絵文字により選択される露出モードとを切り換え設定すると共に、前記表示部材において切り換え表示する第1の操作部材と、操作される事により、絵文字により選択される露出モードに含まれる複数の露出モードの中から1つを選択すると共に、選択された露出モードを前記表示部材において所定のマークを移動させて表示する第2の操作部材とを具備する事を特徴としている。
【0006】
【実施例】
以下、この考案に係るカメラの一実施例の構成を、添付図面を参照して詳細に説明する。
『全体構成』
図1乃至図3は、この一実施例が適用される自動焦点(AF)一眼レフレックスカメラのカメラボディ10の構成を示す正面図、上面図、及び、背面図である。図1に示す様に、このカメラボディ10の正面には、撮影レンズ12(図11に概略示されている。)が交換可能(即ち、着脱自在)に装着されるレンズマウント部14が形成されている。この撮影レンズ12は、この一実施例においては、パワーズームレンズから構成され、例えば、焦点距離が28mm乃至80mmの間で、内蔵したズームモータ(図示せず)を介して任意に変更可能に設定されている。
【0007】
『撮影レンズ』
この撮影レンズ12は、カメラボディ10への装着状態において、レンズマウント部14にロックされており、レンズマウント部14の向かって左側に配設されたレンズロック釦16を押し込む事により、そのロック状態を解除され、レンズマウント部14からの取り外しが許容される様に構成されている。ここで、カメラボディ10に撮影レンズ12が装着された状態で、レンズマウント部14の表面(前面)に配設された接続端子群18と、撮影レンズ12の後面に配設された接続端子群(図示せず)とが互いに接触する事により、図11に示す様に、カメラボディ10に内蔵されたボディ側CPU20と撮影レンズ12に内蔵されたレンズ側CPU22とが互いに通信可能に接続される事になる。
【0008】
『フォーカスモード切り替え釦』
一方、レンズマウント部14の向かって右側には、ピントを手動で合わせるマニュアルフォーカス(MF)モードかピントを自動的に合わせる自動合焦(AF)モードを切り換え設定する為のフォーカスモード切り換え釦24が略上下方向に沿ってスライド自在に配設されている。図1に示す様に、このフォーカスモード切り換え釦24に刻印された「−」マークをカメラボディ10に刻印されたAFマークに合わせる事により、AFモードが、また、MFマークに合わせる事によりMFモードが、夫々切り換え設定される
【0009】
『シャッタ釦、アップ/ダウンレバー、Tv/Av釦』
また、図1及び図2に示す様に、カメラボディ10の上面の向かって左側には、最も前方に張り出した位置に、シャッタ釦26が押し込み自在に配設されている。このシャッタ釦の直後方に隣接した位置に、指定された可変データをアップ/ダウンさせる為のアップ/ダウンレバー28が、撮影レンズ12の光軸に略平行な軸線回りに(即ち、カメラボディ10の略前後方向に沿って延出する軸線回りに)回動自在に配設されている。更に、このアップ/ダウンレバー28の直後方に隣接した位置に、クリア釦としても機能するTv/Av釦30が押し込み自在に配設されている。ここで、Tv/Av釦30は、後述するメイン釦38がON位置にもたらされる事により設定されるフルスペックモードにおけるオート露出モード(A)及びマニュアル露出モード(M)において、これを押す毎に、シャッタ速度優先モードまたは絞り優先モードが順次切り換え設定される。
【0010】
尚、この一実施例においては、共に押し込み自在になされたシャッタ釦及びTv/Av釦30の間に、カメラボディ10を撮影姿勢に保持した状態で横方向に移動自在となるアップ/ダウンレバー28が介設されていることになる。ここで、これらシャッタ釦、アップ/ダウンレバー28、及び、Tv/Av釦30は、カメラボディ10の右側部(図1及び図2において、向かって左側部)を握った撮影者の右手の人差し指により操作可能な位置に配設されている。即ち、シャッタ釦とTv/Av釦30とは、共に右手人差し指により押し込み操作される事となり、誤操作の発生する虞があるが、この一実施例においては、両者の間に、左右方向にのみ操作される(換言すれば、押し込み操作される事のない)アップ/ダウンレバー28が介設されているので、撮影者はこのアップ/ダウンレバー28を人差し指で押し込み方向に触れた状態で、これよりも前方にある釦をシャッタ釦と、また、これよりも後方にある釦をTv/Av釦30と夫々確実に認識することが出来、押し間違え等の誤操作を確実に防止することが出来る事になる。
【0011】
『メイン釦』
このカメラボディ10の上面の中央寄りの前方部分内には、内蔵フラッシュ(図示せず)がポップアップ釦32を押し込む事により上方にポップアップ可能に配設されている。また、図2に示す様に、このカメラボディ10の上面の中央寄りの後方部分上には、撮影に必要となる種々の情報を表示する為の外部表示LCDパネル34が外部から視認可能に配設されている。この外部表示LCDパネル34の向かって左側には、メイン釦36が前後方向に沿ってスライド可能に配設されている。このメイン釦36はOFF位置−ON位置−PICT位置との間でスライド移動され、後述するメインスイッチ110がOFF位置でオフされ、ON位置またはPICT位置でオンされる様に設定されている。
【0012】
ここで、このメイン釦36がON位置にもたらされる事により、ノーマルプログラムモード(P)、オート露出モード(A)、マニュアル露出モード(M)が任意に選択される露出モード(フルスペックモード:FULL)が設定される。
一方、メイン釦36がPICT位置にもたらされる事により、初心者による撮影に最適するグリーンモード、人物を撮影するに最適する人物モード、風景を撮影するに最適する風景モード、動く被写体を撮影するに最適する動体モード、及び、被写体を近接状態で撮影するに最適する近接モードが任意に選択される露出モード(ピクチャモード)が設定される。
【0013】
これら露出モードは後に詳細に夫々説明するが、この一実施例では、ピクチャモードの夫々のモードは、絵文字(ピクチャ)により表されたシンボルを選択する事により設定される。
尚、マニュアル露出モード(M)が設定された状態において、シャッタ速度及び絞りは、上述したTv/Av釦30で設定された側の値を、アップ/ダウンレバー28を回動する事により、変更することが出来る様に設定されている。。
【0014】
『ドライブ釦、モード釦』
一方、カメラボディ10の上面の向かって右側部には、向かって右側にドライブ釦38が、また、向かって左側にモード釦40が、夫々押し込み自在に並設されている。これらドライブ釦38とモード釦40とは、カメラボディ10の左側部(図1及び図2において、向かって右側部)を握った撮影者の左手の人差し指により各々単独に押し込み操作可能に、且つ、この人差し指により両者が同時に押し込み操作可能な状態に配設されている。
【0015】
ここで、ドライブ釦38は、これを押し込んだ状態で、上述したアップ/ダウンレバー28を回動操作する事により、メイン釦36がON位置またはPICT位置の何れにあろうとも、ドライブモードが、1枚撮影モード、多数枚撮影モード、セルフタイマー撮影モードの間で切り換え選択される様に設定されている。
また、モード釦40は、これを押し込んだ状態で、上述したアップ/ダウンレバー28を回動操作する事により、メイン釦36がON位置にある場合には、露出モードがフルスペックモードとして規定される所のノーマルプログラムモード(P)、オート露出モード(A)、マニュアル露出モード(M)の間で順次切り換え選択される様に設定され、また、メイン釦36がPICT位置にある場合には、露出モードがピクチャモードとして規定される所のグリーンモード、人物モード、風景モード、動体モード、及び、近接モードの間で順次切り換え選択される様に設定されている。
【0016】
更に、ドライブ釦38及びモード釦40を同時に所定時間押し込む事により、特殊機能(PF)設定モードに移行する様に設定されている。このPF設定モードが設定された状態で、モード釦40を押す毎に、設定される特殊機能の内容が順次切り換え変更される。また、このPF設定モードが設定された状態で、且つ、「PF」が英字で表示された状態で、上述したTv/Av釦30を所定時間押し続ける事により、このTv/Av釦30はクリア釦として機能し、詳細は後述するが、特殊機能設定モードにおいて設定された種々のデータが全てクリアされる様に構成されている。但し、クリア動作においては、フィルムのISO感度に関しては、カメラボディ10内にフィルムが装填されている場合には、そのDXコードにより表示されたISO感度に、また、フィルムが装填されていない場合には、デフォルト値としての例えば100に夫々設定される様になされている。
【0017】
また、このTv/Av釦30は、後述するプログラムシフトが実行されている状態で、押し込み駆動される事により、シフト量をクリアするプログラムシフトクリア釦として機能し、更に、露出補正動作が実行されている状態で、押し込み駆動される事により、露出の補正量をクリアする露出補正クリア釦として機能する様に設定されている。
【0018】
ここで、カメラボディ10の上面の向かって左側部には、図示しない外部フラッシュが装着されるアクセサリーシュー42が配設されている。このアクセサリーシュー42は通常、カバー部材44により覆われている。
【0019】
一方、図3に示す様に、カメラボディ10の背面の上部には、ファインダ接眼部46が配設されている。また、カメラボディ10の背面の下部は、略全面に渡り裏蓋48により開放可能に覆われており、この裏蓋48を開放する状態で、フィルムの着脱が行われる。この裏蓋48には、詳細な説明は省略するが、撮影中のフィルムに撮影年月日を任意に写し込ませる事の出来る日付データ写し込み機構50が組み込まれている。
【0020】
『ハイパ釦』
また、このカメラボディ10の背面の右肩部には、ハイパ釦52が押し込み自在に配設されている。このハイパ釦52は基本的には露出補正釦として機能するものであり、通常露出モードにおけるノーマルプログラムモード(P)及びオート露出モード(A)が選択されている場合において、このハイパ釦52を押しつつアップ/ダウンレバー28を回動操作する事により、カメラ側で演算した最適露出状態を撮影者の意図のもとにプラス方向またはマイナス方向に補正することが出来る。一方、ピクチャモードにおけるグリーンモード以外の撮影モードが設定されている場合も、上述したと同様の操作を実行する事により、露出補正することが出来る。
【0021】
また、通常露出モードにおけるマニュアル露出モード(M)が設定されている場合において、このハイパ釦52を押す事により、露出測光演算が実行され、その演算結果に基づき最適のシャッタ速度及び絞りが設定される。即ち、マニュアル露出モード(M)においてハイパ釦52が押される事により、実質的にオート露出モード(A)が設定される事になる。
尚、このハイパ釦52を押しつつアップ/ダウンレバー28を回動操作する事により露出補正した値は、このハイパ釦52を押しつつクリア釦として機能するTv/Av釦30を押す事により、クリアされる事になる。
【0022】
『外部表示LCDパネルの表示内容』
次に、図4乃至図6を参照して、上述した外部表示LCDパネル34の構成を詳細に説明する。
【0023】
先ず、この外部表示LCDパネル34は、図4にその全点灯状態で示す様に、その表示態様を設定されている。また、図5に示す様に、この外部表示LCDパネル34には、メイン釦36が何れの位置にあろうとも常時表示される4つの固定表示部54a〜54dが設けられている。ここで、符号54aは、上述したグリーンモードを表示するピクチャを実際に緑色とする為のハーフトーンを示している。符号54bは、これにより外部表示LCDパネル34の表示エリアを左右2分割とする為の仕切り線を表しており、この仕切り線54bよりも左側部分には、ピクチャモードで選択される5つの撮影モードを夫々表すピクチャと、通常露出モードで選択される3つの撮影モードを夫々表す英字とが表示され、右側部分には、露出状態、シャッタ速度、絞り、撮影枚数等の撮影に際して必要となる種々の情報が表示される様に設定されている。符号54c及び54dは、左括弧及び右括弧を夫々示しており、この括弧で括られるエリアに、バッテリ状態、フィルムに関する情報、及び、特殊機能設定情報等が表示される様に設定されている。即ち、図4に示す全点灯状態から図5に示す固定表示部54a〜54dを取り除いた表示部が、液晶により点灯可能な表示内容となっている。尚、これら液晶により表示される表示部は、メイン釦36が位置以外に設定された場合に点灯状態となされる。
【0024】
詳細には、仕切り線54bよりも左側部分には、最上段から下方に向けて、グリーンモードを示すピクチャ(スマイル顔)56a、人物モードを示すピクチャ(人物)56b、風景モードを示すピクチャ(山)56c、動体モードを示すピクチャ(走っている人)56d、近接モードを示すピクチャ(花)56eが点灯可能に順次配設されており、最下段には、通常露出モードで選択されるノーマルプログラムモードを示す英字P、オート露出モードを示す英字A、マニュアル露出モードを示す英字Mが横並び状態で点灯可能に配設されている。また、各ピクチャ56a〜56eの回りには、対応するピクチャ56a〜56eが選択されたことを示す枠58a〜58eが点灯可能に夫々配設されている。
【0025】
具体的には、メイン釦36がON位置にもたらされて通常露出モードが設定された場合には、仕切り線54bよりも左側部分においては、ノーマルプログラムモードを示す英字P、オート露出モードを示す英字A、マニュアル露出モードを示す英字Mの中の選択されたモードに対応する英字のみが点灯される様に設定されている。一方、メイン釦36がPICT位置にもたらされてピクチャモードが設定された場合には、仕切り線54bよりも左側部分においては、全てのピクチャ56a〜56eが点灯され、選択されたピクチャモードに対応する枠58a〜58eのみが選択的に点灯される様に設定されている。
【0026】
また、仕切り線54bよりも右側部分には、中央部上縁に、等間隔で横並び状態で、合計9個の黒丸によるグラフ58fが点灯可能に配設されている。このグラフ58fの直下側には、各黒丸に対応して合計9本の目盛り58gが点灯可能に配設されている。この目盛り58gの中央の下側には、中央位置を示す三角印58hが点灯可能に配設されている。また、この目盛り58gの左端の下側には、マイナスマーク58iが、また、右端の下側には、プラスマーク58jが夫々点灯可能に配設されている。ここで、マイナス方向とは、絞りの絞り込み側、または、シャッタ速度の低速側を示し、プラス方向とは、絞りの開放側、または、シャッタ速度の高速側向を示している。
ここで、上述したグラフ58fは、ピクチャモードで選択される露出モードにおけるグリーンモード以外の4つの露出モードの選択時に、アップ/ダウンレバー28の回動操作によってドットの点滅、点灯状態を変化させ、プログラムシフトの方向及び量を表示する様に構成されているが、例えば、グラフ58fの両端に「+」マーク及び「−」マークを点灯または点滅させて、グラフ58fに、シャッタ速度の大小変化または絞り値の大小変化を直接表示する様に構成する事も出来る。この場合、グラフ58fの両端部のピクチャ56f、56g、56hをなくして、上述した「+」マーク及び「−」マークのみを表示する事も可能である。
【0027】
一方、グラフ58fの左右両端の夫々左側及び右側には、ピクチャモードにおいて、人物モード、風景モード、及び、近接モードの何れかが選択された場合に点灯されるピクチャ56f、56gが配設されている。ここで、左方のピクチャ(人と山との両方にピントがあっている図)56fは、絞りが絞り込まれて被写界深度が深くなって、ピントの合う範囲が広がっている状態を、また、右方のピクチャ(人のみにピントが合って、山にピントが合っていない図)56gは、絞りが開放されて被写界深度が浅くなり、ピントの合う範囲が狭くなっている状態を夫々表している。
【0028】
更に、マイナスマーク58iの左側(即ち、ピクチャ56fの直下側)、及びプラスマーク58jの右側(即ち、ピクチャ56gの直下側)には、ピクチャモードにおいて動体モードが選択された場合に点灯されるピクチャ56h、56iが配設されている。ここで、左方のピクチャ(走っている人が流れている図)56hは、シャッタ速度が遅くなって、被写体が流れて写し出され易い状態を、また、右方のピクチャ(走っている人が流れていない図)56iは、シャッタ速度が速くなって、被写体が停止して写し出され易い状態を夫々表している。
【0029】
また、ピクチャ56hの下側には、下方に向けて、3種類のピクチャ56j、56k、56mが点灯可能に配設されている。ここで、これら3種類のピクチャ56j、56k、56mは、カメラボディ10に装着された撮影レンズ12がパワーズームレンズである場合に、採用されるオートパワーズーム制御の異なるモードの設定状態を示しており、最上段のピクチャ56jは像倍率一定撮影モードが、次段のピクチャ56kはクリップ撮影モードが、また、最下段のピクチャ56mは露光間ズーム撮影モードが設定された状態で、夫々選択的に点灯される様になされている。尚、これらオートパワーズーム制御の説明は、本願の要旨と関係ないので省略する。
【0030】
また、マイナスマーク58iの下側には、下方に向けて、5種類のピクチャ56n、56o、56p、56q、56rが点灯可能に配設されている。ここで、最上段のピクチャ(雷)56nはフラッシュ撮影が要求される場合に点滅され、ポップアップ釦32が押されて内蔵フラッシュがポップアップされ、フラッシュ撮影可能状態になった場合に点灯される様になされている。次段のピクチャ(目)56oはフラッシュ撮影時における赤目撮影防止モードが設定された状態で点灯される様になされている。ここで、赤目撮影防止モードが設定されると、詳細な説明は省略するが、フラッシュ撮影に先立ち内蔵フラッシュがプレ発光して、被写体を構成する人物の瞳孔を閉じさせる様になされている。
【0031】
更に、3段目のピクチャ(時計)56pはドライブ釦38が押し込まれてドライブ設定モードがセットされた状態で、アップ/ダウンレバー28を回動する事によりセルフタイマー撮影モードが選択された場合に点灯される様に設定されている。また、4段目のピクチャ(四角形)56qはドライブ釦38が押し込まれてドライブ設定モードがセットされた状態で、アップ/ダウンレバー28を回動する事により、1枚撮影モードまたは多数枚撮影モードが選択された場合に点灯される様に設定されている。また、最下段のピクチャ(多数枚が重ねられた状態を示す図)56rはドライブ釦38が押し込まれてドライブ設定モードがセットされた状態で、アップ/ダウンレバー28を回動する事により、多数枚撮影モードが選択された場合に点灯される様に設定されている。即ち、1枚撮影モードが設定された場合には、四角形状のピクチャ56qのみが点灯され、多数枚撮影モードが設定された場合には、四角形状のピクチャ56qにピクチャ56rが付加された状態で点灯される様になされている。
【0032】
一方、上述した三角マーク58hとマイナスマーク58iとの間には、学習モードに関するピクチャ56sが点灯可能に配設されている。このピクチャ(ノートと鉛筆)56sは特殊機能(PF)設定モードにおいて、学習モードが設定された場合に点灯される様になされている。尚、この学習モードに関しては、後に詳細に説明する。
【0033】
また、上述した雷ピクチャ56nの右方であって、三角マーク58hの下側には、シャッタ速度を示す英字「Tv」が点灯可能に配設されている。この英字「Tv」の直上側には、円弧からなるバーマーク58kが点灯可能に配設されている。このバーマーク58kは、Tv/Av釦30の押し込みによりシャッタ優先モードが選択された場合に点灯される様になされている。
【0034】
また、この「Tv」の下側には、絞りを示す英字「Av」が点灯可能に配設されている。この英字「Av」の直上側には、円弧からなるバーマーク58mが点灯可能に配設されている。このバーマーク58mは、Tv/Av釦30の押し込みにより絞り優先モードが選択された場合に点灯される様になされている。
尚、外部表示LCDパネル34に、「Tv」マーク及び「Av」マークの両方を同時に表示する様に構成することが出来、また、スイッチ操作に応じて片方づつ表示する様に構成する事も出来る。
【0035】
ここで、上述した英字「Tv」の右側には、シャッタ速度(または、ISO感度)を示す4桁の表示部60a〜60dが点灯可能に配設されている。ここで、左側2桁の表示部60a、60bは7セグメントから構成され、夫々「0」〜「9」の任意の数字と英字等とを表示することが出来る様になされている。また、右から2番目の表示部60cは6セグメントから構成され、「5」または「0」
の数字を選択的に表示することが出来る様になされている。また、右端の表示部60dは、「0」または「”」を選択的に表示することが出来る様になされている。尚、「”」は、左側2桁の表示部60a、60bで表示されたシャッタ速度の値の単位が秒である場合に点灯され、最大4桁で表示されたシャッタ速度の値の単位が、逆数秒である場合に点灯しない様に設定されている。
【0036】
一方、上述した英字「Av」の右側には、絞り等を示す2桁の表示部60e、60fが点灯可能に配設されている。これら2桁の表示部60e、60fは、夫々7セグメントから構成され、「0」〜「9」の任意の数字と英字とを表示することが出来る様になされている。尚、両表示部60e、60fの間には、小数点を示すドット表示部60gが点灯可能に配設されている。
【0037】
また、上述した左括弧54c及び右括弧54dで括られる領域内の左上には、電源(バッテリ)の電力状態を示すピクチャ(乾電池)56sが点灯可能に配設されている。このピクチャ56sは、バッテリの電力が充分である場合には内部をフル点灯し、残留電力が僅かになった場合には内部を半点灯し、残留電力が実質的に消滅した場合には内部を消灯される様に設定されている。
【0038】
また、この乾電池ピクチャ56sの下方には、フィルムの装填状態を示すピクチャ(パトローネ)56tが点灯可能に配設されている。このパトローネピクチャ56tは、フィルム未装填状態で消灯し、フィルム装填状態で点灯する様に設定されている。
【0039】
更に、上述した左括弧54c及び右括弧54dで括られるで挟まれる領域内の右側には、露出補正値や英字「PF」等を示す2桁の表示部60h、60iが点灯可能に配設されている。これら2桁の表示部60h、60iは、夫々7セグメントから構成され、「0」〜「9」の任意の数字と英字とを表示することが出来る様になされている。尚、両表示部60h、60iの間には、小数点を示すドット表示部60jが、また、左側の表示部60hの左側には、露出補正値が負値である事を示すマイナス表示部60kが点灯可能に配設されている。
【0040】
『外部表示LCDパネルの構造』
次に、図6を参照して、外部表示LCDパネル34の構造を説明する。
この外部表示LCDパネル34は、上下一対の透明ガラス板34a、34bを備え、両透明ガラス板34a、34bは、スペーサ34cを介して、所定間隙だけ離間している。このスペーサ34cで規定される間隙内に液晶34dが充填されている。ここで、上透明ガラス板34aの下面と、下透明ガラス板34bの上面とには、上下一対の透明電極34e、34fが、上述したピクチャ56a〜56s、枠・マーク等の表示部58a〜58m、7セグメント等の表示部60a〜60kに夫々独立して対応した状態で配設されている。即ち、例えば、ピクチャ(スマイル顔)56aを点灯する場合には、このピクチャ56aに対応した上下一対の透明電極34e、34fに通電される事により、ピクチャ(スマイル顔)
56aが単独で点灯される事になる。
【0041】
一方、上透明ガラス板34aの上面には、第1の偏光板34gが取り付けられている。また、下透明ガラス板34bの下面には、第2の偏光板34hが取り付けられている。ここで、第2の偏光板34hの上面には、上述した緑色のハーフトーン54aがタンポ印刷により印刷され、また、上述した仕切り線54b及び一対の左括弧54c及び右括弧54dが印刷されている。尚、この第2の偏光板34hの下面には、反射板34iが取り付けられている。
この様に外部表示LCDパネル34は構成されているので、上述した表示内容が必要に応じて確実に表示される事になる。
【0042】
『ファインダ内表示LCDパネル』
一方、上述したファインダ接眼部46を介して除いたファインダを規定する外枠の右縁には、図7に示す様なファインダ内表示LCDパネル62が配設されている。このファインダ内表示LCDパネル62において表示される内容は、外部表示LCDパネル34の表示内容を実質的に簡略化したものであり、ここでは、同様な符号を付してその説明を省略する。尚、このファインダ内表示LCDパネル62において、外部表示LCDパネル34には設けられておらず、このファインダ内表示LCDパネル62のみで設けられている表示部として、合焦時に点灯して、撮影者にピントが合っている事を報知する為の合焦マーク58nがある。
ここで、この合焦マーク58nは、フォーカスモード切り換え釦24で、ピントを手動で合わせるマニュアルフォーカス(MF)モードとピントを自動的に合わせる自動合焦(AF)モードとの何れもが選択されている状態で、点灯する様に設定されている。
【0043】
『シャッタ釦、アップ/ダウンレバー、Tv/Av釦、ドライブ釦、モード釦の取り付け構造』
次に、図8乃至図10を参照して、上述したカメラボディ10の上面に配設された5つの操作部材、即ち、シャッタ釦、アップ/ダウンレバー28、Tv/Av釦30、ドライブ釦38、そして、モード釦40の取り付け構造を説明する。
【0044】
先ず。カメラボディ10の上面の外部表示LCDパネル34よりも図中左側(撮影者から見て右側)に配設されたシャッタ釦、アップ/ダウンレバー28、そして、Tv/Av釦30の取り付け構造を図8及び図9を参照して説明する。即ち、図8に示す様に、シャッタ釦は、カメラボディ10の上面を規定する上飾板64に形成された第1の開口64a内に外部から押し込み自在に収容されており、コイルスプリング66により上方に向けて常時付勢されている。このシャッタ釦の下方には、スイッチアッセンブリ68が配設されており、このスイッチアッセンブリ68内には、シャッタ釦の半押し状態でオンする測光スイッチ70(図11に示す。)と、シャッタ釦の全押し状態でオンするレリーズスイッチ72(図11に示す。)とが収納されている。また、Tv/Av釦30は、上飾板64に形成された第2の開口64b内に、外部から押し込み自在に収容されており、リーフスプリング74により上方に向けて常時付勢されている。このリーフスプリング74の下方には、クリアスイッチ76が配設されており、このクリアスイッチ76はTv/Av釦26の押し込みによりオン動作される様に構成されている。
【0045】
一方、上述したアップ/ダウンレバー28は、押し込み動作によって駆動されるのではなく、回動駆動される様に構成されている。即ち、図9に示す様に、このアップ/ダウンレバー28は、レバー本体28aと、このレバー本体28aに一体的に接続され、撮影レンズ12の光軸に略平行な軸線に沿って延出する支軸部28bとから構成され、この支軸部28bの中心軸線回りに回動自在に軸支されている。このレバー本体28aは概略半円状に形成され、その上端が、上飾板64に形成された第3の開口(スリット)64cを介して上方に突出している。
このレバー本体28aが図中反時計方向(即ち、撮影者から見て時計方向)に回動される事によりオン動作されるアップスイッチ78が、また、図中時計方向(即ち、撮影者から見て反時計方向)に回動される事によりオン動作されるダウンスイッチ80が夫々配設されている。尚、このレバー本体28aは、図示しないリターンスプリングにより、アップスイッチ78及びダウンスイッチ80を共にオン動作しない中立位置に復帰する様に(換言すれば、弾性保持される様に)回動付勢されている。
【0046】
また、ドライブ釦38及びモード釦40は、図10に示す様に、上飾板64に形成された第4及び第5の開口64d、64e内に、夫々外部から押し込み自在に収容されており、図示しないスプリングにより夫々上方に常時付勢されている。ドライブ釦38の下方に位置した状態で、ドライブスイッチ82が、また、モード釦40の下方にはモードスイッチ84が、スイッチ親板86上に配設されている。このドライブスイッチ82はドライブ釦38の押し込みによりオン動作され、また、モードスイッチ82はモード釦40の押し込みによりオン動作される様に構成されている。
【0047】
同様にして、ハイパ釦52の押し込みによりオン動作するハイパスイッチ88がカメラボディ10内に配設されている。また、カメラボディ10内には、裏蓋48を開けて装填されたフィルムのパトローネによりオン動作して、パトローネの装填状態を検出するパトローネ検出スイッチ90が配設されている。これらハイパスイッチ88及びパトローネ検出スイッチ90は、共に、図11に示されている。
【0048】
『AF一眼レフレックスカメラの制御系の説明』
以下に、図11を参照して、以上の様に構成されるカメラボディ10は、これに撮影レンズ12が装着された状態で、AF一眼レフレックスカメラとして撮影に供される事となる。以下に、図11を参照して、AF一眼レフレックスカメラにおける制御系の構成を説明する。
【0049】
即ち、撮影レンズ12のズーム光学系からカメラボディ10内に入射した被写体光束は、大部分がメインミラー92によりファインダ光学系を構成するペンタミラー(図示せず。)に向かって反射され、さらに反射光の一部が測光用ICの受光素子94(図11に示す。)に入射する。一方、カメラボディ10内に入射した被写体光束のうち、メインミラー92の図示しないハーフミラー部に入射した被写体光束の一部はここを透過し、後方の図示しないサブミラーで下方に反射されて図示しない測距用CCDセンサユニットに入射する。
【0050】
上述した測光用ICは、被写体光束を受光する受光素子94を備えていて、この受光素子94が受光量に応じて発生する電気信号を測光回路96において対数圧縮し、A/D変換回路98においてA/D変換し、測光信号としてボディ側CPU20に出力する。ボディ側CPU20は、測光信号およびフィルム感度情報に基づいて所定の演算を実行し、露出用の適正シャッタ速度および絞り値を算出する。そして、これらのシャッタ速度および絞り値に基づいて露出制御装置100および図示しない絞り機構を駆動する。
【0051】
ボディ側CPU20は、デジタル測光信号およびフィルム感度情報に基づいて所定の露出演算を実行し、露出用の適正シャッタ速度および絞り値を算出する。
そして、これらのシャッタ速度および絞り値に基づいて、露光制御装置100及び図示しない絞り機構を駆動して露光する。更に、このボディ側CPU20は、レリーズに際して、図示しないモータドライブ回路を介して図示しないミラーモータを駆動して、メインミラー92のアップ/ダウン処理を行ない、露光終了後には図示しない巻上モータを駆動してフィルムを巻上げる。
【0052】
更に、ボディ側CPU20は、レンズマウント部14に設けられた接続端子群18と、撮影レンズ12のマウント面に設けられた図示しない接続端子群との接続を介して、レンズ側CPU22との間でデータ、コマンド等の通信を行なう。
尚、撮影レンズ12内には、現在設定されている焦点距離を検出する焦点距離検出機構102を備えており、この焦点距離検出機構102はレンズ側CPU22と接続されている。
【0053】
また、ボディ側CPU20は、全体制御を司り、プログラムをメモリしたROM、所定のデータをメモリするRAMを内蔵した制御部20aと、AF(オートフォーカス)演算、PZ(パワーズーム)演算、AE演算、学習演算等の演算処理を実行する演算部20bと、タイマカウンタ20cとを備え、制御部20aには、コントローラ104を介して外部メモリ手段としてEEPROM106が接続されている。このEEPROM106には、カメラボディ10特有の各種定数のほかに、AF(オートフォーカス)演算、PZ(パワーズーム)演算、AE演算、学習演算等の演算処理に必要な各種関数、定数などがメモリされている。更に、このコントローラ104には、合焦音を発振する為の電子ブザー108が接続されている。尚、この電子ブザー108は、この一実施例においては、PCVから構成されている。
【0054】
更に、ボディ側CPU20には、シャッタ釦の半押しでオンする測光スイッチ70、シャッタ釦の全押しでオンするレリーズスイッチ72、メイン釦30のスライド移動に応じてオン/オフされるメインスイッチ110、クリアスイッチ76、アップスイッチ78、ダウンスイッチ80、ドライブスイッチ82、モードスイッチ84、ハイパスイッチ88、パトローネ検出スイッチ90等が接続されている。
【0055】
ここで、上述したメインスイッチ110は、オンスイッチ110aとPICTスイッチ110bとから構成され、オンスイッチ110aはメイン釦36がON位置にスライドされることによりオンされ、他の位置でオフされる様に、また、PICTスイッチ110bは、メイン釦36がPICT位置にスライドされることによりオンされ、他の位置でオフされる様に夫々構成されている。尚、メインスイッチ110は、オンスイッチ110aまたはPICTスイッチ110bのオン動作に伴いオンされ、一方、両者のオフ動作に伴いオフされる様に構成されている。
【0056】
次に、フローチャートに基づいて、本実施例のカメラの制御について説明する。メインルーチンとしては、待機状態に対応するPOFFループと、動作状態のPONループがある。即ち、PONループから本実施例のカメラを制御する各処理が実行される。制御処理は大きく次の4つの処理に別れる。まず、シャッタ釦26の全押しによる撮影を制御するレリーズ処理、次にモード釦40・ドライブ釦38・Tv/Av釦30・アップ/ダウンレバー28・ハイパー釦52などの操作に伴う表示処理を制御するSW操作表示ループ、そして各種のプログラム演算を制御するAE演算処理、さらに撮影者の操作を学習する学習機能を制御する学習演算処理がある。SW操作表示ループは、更に、露出補正・プログラムシフトなど、露出モードでの処理と、特殊機能設定モードにおける処理の2つに別れる。
【0057】
『メインルーチン』
図12は、本実施例のカメラの制御のメインルーチンを表わすフローチャートである。このフローチャートは、カメラにバッテリーが装着された時点で開始される。バッテリがカメラボディ10に装填されると、まず、割り込み処理を禁止し、フラグの初期化、RAM・レジスタの初期化、ROMのサムチェックなどのイニシャライズ処理を実行する(S1201、S1203)。つぎに、一旦パワーホールドオン状態として、カメラ全体のハードウエアに電源を供給し、EEPROM106に保存されているデータをCPU20のRAMに書き込む(S1205、S1207)。以上の処理が終了すると、カメラのメインスイッチがオフ状態の時に繰り返し実行される、POFFループへと処理は進む。
【0058】
『EEPROM/RAMのデータ形式』
図58、図59は、EEPROMに保存されているデータおよびRAMに書き込まれるデータのフォーマットを示す図である。
本実施例のカメラにおいては、人物・風景・動体・近接の各露出モードにおいてプログラムのシフト量を学習する機能を有している。このため、各露出モードにおいて、学習したプログラム線図における学習原点の初期原点からのシフト量を示すGENPSFT(0)〜GENPSFT(3)と、撮影者が設定したプログラムのシフト量でレリーズを行なった回数を示すSTDYCNT(0)〜STDYCNT(3)が一旦RAMに書き込まれ、さらに必要に応じてEEPROM106に書き込まれる。EEPROM106に書き込まれたデータは、図13AのS1303、図12のS1207などのステップでRAMに書き込まれる。更に、RAMに書き込まれたGENPSFT(0)〜(3)およびSTDYCNT(0)〜(3)から、選択されている露出モードに応じてGENPSFT、STDYCNTにデータが転送される。
また、EEPROMには書き込まれないが、上述のGENPSFT、STDYCNTに加えて、撮影者がセットした、学習原点からのプログラムシフト量を格納するSETPSFT、および最終的なプログラムシフト量を格納するALLPSFTがRAM上に設けられている。
図59は上述のRAM上のデータALLPSFT、SETPSFT、GENPSFT、STDYCNTのデータ構成を示している。
図に示すように、ALLPSFT、SETPSFT、GENPSFTは、いずれも、第0ビットから第6ビットまでがシフト量の絶対値を1/8単位で表わしており、第7ビットはシフトの方向を表わす方向ビットとなっている。また、STDYCNTは回数を第0ビットから第5ビットで表わし、第6、第7ビットは学習の状況に関するデータとなっている。
【0059】
『POFFループ』
POFFループでは、まず、SW操作表示ループがコールされる。SW操作表示ループにおいては、レリーズスイッチ72、測光スイッチ70、メインスイッチ110、クリアスイッチ76、アップスイッチ78、ダウンスイッチ80、ドライブスイッチ82、モードスイッチ84、ハイパースイッチ88のオン・オフの状態に応じて“1”または“0”がセットされる、レリーズSW、測光SW、メインSW、クリアSW、UPSW、DOWNSW、ドライブSW、モードSW、HYPSWなどの各フラグ、およびに各スイッチの操作に応じてセットされる各種のフラグがCPUに入力され、これに基づいて外部表示LCDパネル36および内部表示LCDパネル62の表示の制御が行なわれる(S1211、S1213)。ここで、メインSWに“0”がセットされている場合(即ち、メイン釦36がOFF位置にある場合)には、128msの周期でSW操作表示ループのみがコールされ(S1211、S1213)、パワーホールドOFFの状態が保持される(S1229、S1231、S1233)。また、メインSWに“1”がセットされていても(即ち、メイン釦36がPICT位置またはON位置にあっても)、 (1)レリーズスイッチ、 (2)測光スイッチ、 (3)ハイパースイッチ(HYPSW)、 (4)アップスイッチ(UPSW)、 (5)ダウンスイッチ(DOWNSW)
がいずれも“0”であるか、あるいは、PFモードフラグに“0”がセットされている場合には、やはり、パワーホールドOFFの状態が保持されたままで、128msの周期でSW操作表示ループのみがコールされる(S1217からS1233、S1211、S1213)。ここで、PFモードフラグというのは、後述する特殊機能設定モード(PFモード)でのカメラの操作が行なわれている場合にPFモードフラグ=“1”と設定される。従って、PFモードでは、操作SWの状態にかかわらずRESTARTへと処理が進むようになっている。
POFFループ実行中に上記(1)から(5)のいずれかがONになると、図13のRESTART処理が実行される。
【0060】
『RESTART』
図13A、図13Bは、RESTART処理を表わすフローチャートである。
RESTART処理は、図12に示すPOFFループにおいて、メインSWに“1”がセットされている状態で、上述の(1)から(5)のいずれかのフラグに“1”がセットされた場合あるいはPFモードフラグに“1”がセットされた場合に実行される処理である。S1301で、パワーホールドONとして、カメラのハードウエア全体に電源を供給し、再度EEPROMのデータを読み込みRAMに書き込む(S1303)。S1305で、以降に実行されるPONループの繰り返し回数を、カウンタPONタイマにセットして、PONループへと処理が進む。
【0061】
『PONループ』
PONループでは、カメラボディ10とレンズ12、外付けフラッシュ(図示せず)との通信、測光処理、測光結果に基づいて、Tv/Av値を算出するAE演算などを実行する。また、レリーズ処理の制御も行なう。
まず、PONループの繰り返しの周期を定めるために、128msタイマをスタートさせ(S1311)、外部表示LCDパネル36およびファインダ内表示LCDパネル62の表示をSW操作表示ループにより制御する(S1313)。
メインSWに“1”がセットされていれば(S1315:メインSW=“1”)
、外付けフラッシュからカメラボディへのデータ通信およびカメラボディとレンズ間の通信が行なわれる(S1317、S1319)。次に、通常の測光処理が行なわれ(S1321)、測光データに基づいてAE演算が行なわれる(S1323)。AE演算の結果に基づいて、所定のデータがカメラボディからフラッシュに送信(S1325)された後、演算結果を含めた表示処理が、SW操作表示ループにより行なわれる(S1327)。
シャッタ釦26が全押しされた場合(S1329:レリーズSW=“0”)には、レリーズ処理を実行する。レリーズスイッチ72がOFF状態の場合には(S1329:レリーズSW=“1”)、AFループをコールし、128msタイマがタイムアップするまでは、レリーズSWの状態をモニタしつつ、繰り返しAFループをコールする(S1329からS1333)。128ms経過後、測光SW、HYPSW、UPSW、DOWNSWが全てOFF状態(“0”がセットされている状態)であり、PFモードフラグ=“0”(特殊機能設定モードでないことを示す)が保持されたまま(S1335〜S1343)、S1305でセットされた回数だけPONループが繰り返されると、POFFループへと処理は移行する(S1345〜S1347)。一方、上記以外の場合には、PONループが繰り返されることになる。
【0062】
『レリーズ処理』
図14は、レリーズ処理を説明するフローチャートである。レリーズ処理では、測光処理(S1401)、フラッシュからカメラボディへのデータ通信(S1403)、後述するAE演算(S1405)、AE演算結果に基づくカメラボディからフラッシュへのデータ通信(S1407)、SW操作表示ループ(S1409)が行なわれた後に、ミラーアップ、絞り制御(S1411)、露光処理(S1413)、フィルム巻き上げ、ミラーダウン(S1417)の一連の露出動作が実行される。本実施例のカメラでは、露光処理が終了した後、後述の学習演算が実行され(S1415)、撮影者の設定を学習するようになっている。レリーズ処理が終了すると、再び図13に示すPONループへ処理が移行する。
【0063】
『スイッチ操作表示ループ』
図15は、カメラの操作釦の操作に応じて、外部表示LCDパネル34およびファインダー内表示LCDパネル62の表示の制御などを行なうSW操作表示ループを説明するフローチャートである。SW操作表示ループにおいて、ISO感度表示、PF設定モードとその他の撮影モードとの切り替えなど、操作ボタンの操作に応じた処理が行なわれ、表示される。
S1501において、図11に示すように、カメラの操作釦の操作に応じてセットされる各スイッチの状態を読み込み、各フラグ(メインSW、PFモードフラグ、モードSW、ドライブSW、PFOUTMフラグ)をセットする。
【0064】
本実施例のカメラにおいては、通常の撮影可能状態でモード釦40およびドライブ釦38を同時に押すと、まずISO感度が外部表示LCDパネル34に表示され、さらに所定時間同時に押し続けると、PF設定モード(特殊機能設定モード)に入るようになっている。PF設定モードに入るとPFモードフラグに“1”がセットされる(後述)。SW操作表示ループにおいて、メインSWが“0”であれば、外部表示LCDパネル34およびファインダ内表示パネル62の消灯処理が行なわれ、更に、後述するPFキャンセル処理が行なわれた後に、SW操作表示ループがコールされた場所へリターンする。
【0065】
メインSWに“1”がセットされており、また、PF設定モードに入っていない場合には、モードSWとドライブSWの状態が判定される。モードSWおよびドライブSW双方に“0”がセットされている場合には、PFOUTMフラグによって処理が分岐する。PFOUTMフラグは、一旦PF設定モードに入った後に、正常にPF設定モードを終了した場合にのみ、“1”がセットされ、通常は“0”となっている。尚、PF設定モードから通常の露出モードに戻る場合にも、モード釦40とドライブ釦38を同時に所定時間押し続けるようになっている。モードSWおよびドライブSWが共に“0”となっている場合には、PFタイマが0からインクリメントされる。PFタイマが31未満の場合には、ISO感度が外部表示LCDパネルに表示され、同時に、PFタイマ表示処理によってPFモードに入るまでの残り時間がグラフ表示される(後述)。PFタイマ表示処理が終わると、SW操作表示ループがコールされた場所にリターンする。
S1513において、PFタイマが31以上になると、PFモードに入ることを示すPFモードフラグに1がセットされ、またPFINMフラグにも“1”がセットされる。尚、PFタイマ=31はほぼ2秒の時間間隔に相当する。
PFモードフラグに“1”がセットされていると、次にSW操作表示ループがコールされた際に、S1505からPFループへと処理が進む。PFループでは、PF設定モードで動作している間の、各スイッチの状態をモニターしている。
尚、PFループについては後述する。
なお、本実施例においては、モード釦40とドライブ釦38が同時に押されている間でのみISO表示されるようになっているが、両ぼたんが一旦押されると、その後離されても所定時間ISO表示を行なうように制御するようにしても良い。・
【0066】
ISO感度表示中、即ちPFモードに入るまでの残り時間がグラフ表示されている期間中にモードSWとドライブSWのいずれか一方がOFF状態になると、PFタイマはクリアされて0がセットされ、また、PFOUTMフラグには“0”がセットされる。
尚、PF設定モードから露出モードに移行した際に、そのままドライブ釦38およびモード釦40を押し続けていた場合には、PFOUTMフラグに“1”がセットされているため、S1511からSW操作表示1へと処理が進み、再びPF設定モードに入ることが無いようになっている。もう一度PF設定モードに移行するには、一端モード釦40とドライブ釦38のいずれかを離してS1525でPFOUTMフラグに“0”をセットしてから、再度両ボタンを同時に押すことにより、PF設定モードへの移行が可能となる。このように、PF設定モードから撮影モードに切り換わった直後は、たとえドライブボタンとモードボタンをそのまま押し続けても、再度PF設定モードに切り換わることは無く、操作性が向上する。
通常の露出モードで動作中は、少なくともモードボタンとドライブ釦のいずれか一方が押されていなければ、PF設定モードに関する処理は行なわれず、SW操作表示1の処理へと進む(S1507、S1509、S1525)。
【0067】
『スイッチ操作表示1』
図16A、16B、16CはSW操作表示1のフローチャートである。SW操作表示1処理においては、アップ/ダウンレバー28の操作により選択・設定されるデータの表示が制御される。
まず、S1601で学習モードフラグに0をセットする。本実施例においては、PF設定モードで学習禁止フラグに“0”(学習許可)がセットされており、かつ、学習モード(人物・風景・動体・近接)の場合にのみ学習モードフラグに“1”がセットされて、学習が行なわれるようになっている(後述)。
S1603で実行されるU/Dループでは、アップ/ダウンレバー28の操作に応じた各種の設定・表示処理が行なわれる(詳細は後述する)。S1605のAEモード設定処理では、U/Dループで設定されたデータと、メイン釦36がPICT位置にあるかON位置にあるかにより、露出モードが、グリーン・人物・風景・動体・近接・プログラム・オート・マニュアルのいずれのモードであるかが決定され(詳しくは後述)、変数「AEモード」に露出モードに応じた数値が設定される。
【0068】
次に、露出モードに応じて処理が分岐する(S1608〜S1609)。図16Bにおいて、S1611〜S1621は、後に説明するプログラムシフトに関する処理であり、S1623、S1625は露出補正に関する処理である。露出モードがグリーンモードおよびマニュアルモードの場合には、プログラムシフトおよび露出補正は行なわないため、上記のステップは行なわない。オート゛モードの場合には、露出補正のみが行なわれ、プログラムシフトは行なわれない。また、プログラムモードの場合には、グラフ表示はされないが、プログラムシフトは可能であり、S1619からの処理が行なわれる。
【0069】
露出モードが人物・風景・動体・近接モードの場合には、本実施例のカメラは、撮影者の設定したプログラムシフト量を学習する機能を有する。この学習機能は、カメラにパトローネが装着されており、かつ、PF設定モードで学習禁止フラグが“0”と設定されている場合に限り有効となっている。上記の条件が満たされている時には、学習モードフラグに“1”をセットする(S1611〜S1615)。
次に、Pシフトグラフ表示処理において、撮影者の設定したプログラムシフト量が、外部表示LCDパネル34およびファインダ内表示LCDパネル62にグラフ表示される。設定したプログラムシフト量は、Tv/Avボタン30を単独で押すことにより、キャンセルすることができる。S1619では、プログラムシフトのキャンセル処理を行なっている(詳しくは後述する)。
S1621では、「Tv」および「Av」の文字と円弧上のオーバーライン58k、58mを外部表示LCDパネル34に表示する処理が行なわれる。
【0070】
上述のように、本実施例のカメラでは、露出モードが人物・風景・動体・近接・プログラム・オートの場合には、露出補正の設定が可能となっている。ハイパー釦52を押すと外部表示LCDパネル34およびファインダ内表示LCDパネル62に露出補正のグラフが表示される。露出補正のグラフが表示された状態で、即ちハイパー釦52を押したままでアップ/ダウンレバー28を回動操作することにより補正量を設定する(S1623)。設定した露出補正量は、露出補正のグラフが表示されている状態でTv/Av釦30を押すことによりクリアできる(S1625)。露出補正表示および露出補正クリア処理の詳細については後述する。
【0071】
露出モードがオートの場合には、Tv/Av釦30の操作により、シャッター優先または絞り優先の切り替えができる(S1627)。シャッター優先の場合には、アップ/ダウンレバー28の操作でTv値が変更できる。また、絞り優先の場合には、アップ/ダウンレバー28の操作によりAv値が変更できる。このとき、外部表示LCDパネル34上では、TvまたはAvのうち、優先される方に円弧状のオーバーライン58kまたは58mが表示され、内部表示パネルにおいては、優先されているTv値またはAv値にアンダーラインが点灯される(S1629)。
【0072】
露出モードが、マニュアルの場合には、露出表示処理により、マニュアル設定したTv/Av値の演算上の適正露出値からのずれが、グラフ表示される(S1631)。尚、マニュアルモードの場合に、ハイパー釦52が単独で押されると、プログラムに従って演算された適正露出値が設定される。マニュアルモードでのTv/Av値の設定は、アップ/ダウンレバー28で行なう。アップ/ダウンレバー28によりどちらが設定されるかは、オートモードの場合と同様に、Tv/Avスイッチ30により切り替える(S1633)。また、オートモードの場合と同様に、外部表示LCDパネル34上では、TvまたはAvのうち、アップ/ダウンレバー28により変更可能となっている方に円弧状のオーバーライン58kまたは58mが表示され、ファインダ内表示LCDパネルにおいてはTv値またはAv値にアンダーラインが点灯される(S1635)。
以上のように決定されたTv値およびAv値は外部表示LCDパネル34およびファインダ内表示LCDパネル62に表示される(S1637)と共に、各露出モード・ドライブモードの表示、学習の有無の表示、その他モード毎に定められた各種の表示が行なわれる(S1641)。
【0073】
『PFループ』
図17は、PFループ処理のフローチャートである。PFループ処理では、PF設定モードにおいて各種の特殊機能の設定・変更を行なうPFループ1処理への分岐、また、機能設定終了後、通常の露出モードに戻るための処理を制御している。
【0074】
特殊機能(PF)の設定は、PF設定モードにおいて、モード釦40の操作により、設定項目を選択し、アップ/ダウン釦28の回動操作によりデータの変更を行なう。PF設定モード動作中に、上記の特殊機能設定の操作が行なわれないまま1分経過すると、PF設定モード処理はキャンセルされ、露出モードに戻るようになっている。このため、PF終了タイマーによって、モードSW、UPSW、DOWNSWのいずれかがオン状態になるとPF終了タイマーには0がセットされ、いずれもオン状態にならない場合には計時が継続される。
尚、通常の露出モードからモード釦40およびドライブ釦38を同時に押してPFループに進んだ場合、図15のS1527でPFINMフラグに“1”が設定されているため、図17のS1715からPF表示処理へと進む。PFINMフラグには、このPF表示処理において“0”がセットされるため、PF表示処理はPF設定処理に進んだ時に限り実行され、一旦モード釦40またはドライブ釦38が離されると、以後PF設定モード動作中に実行されることは無い。
【0075】
設定項目の変更は、前述のように、モードSWがONとなっている場合(即ちモードスイッチに“0”がセットされている場合)に、PFループ1により行なわれる。モードSWとドライブSWに共に“0”がセットされた状態が所定時間継続すると(本実施例では2秒)、PF設定終了処理へ進み、設定した特殊機能が確定する(EEPROM106に書き込まれる)。尚、PF設定終了処理へ進むまでの時間のカウントおよび表示は図15のS1513、S1515、S1519と同様である(S1717、S1719、S1721)。
【0076】
『PF表示処理』
図18は、通常の露出モードからPF設定モードに進んだ時点で実行される、PF表示処理を示すフローチャートである。PF表示処理は、通常の露出モードでの動作状態において、モード釦40およびドライブ釦38を同時に押して、ISO感度表示を行なった後所定時間経過してPF設定モードに移行した時点で実行される。
【0077】
図15において、PFタイマのカウント値が所定値(31)以上となると(即ち、モード釦40及びドライブ釦38が2秒間押し続けられると)、S1527で、PFモードフラグ及びPFINMフラグに“1”がセットされる。すると、モード釦40及びドライブ釦38が押されたままの状態で次に図15のSW操作表示ループが実行された際には、S1505においてPFループへと処理が進み、さらに、図17のPFループのS1715から図18のPF表示処理へと進むことになる。
【0078】
PF表示処理では、まず、PF設定モードへ移行したことを示すために[PF]が表示されると共に、後述するモードSWMフラグに“1”がセットされる。
この時点で、Tv/Av釦30が押されていなければ(S1803:クリアSW=“1”)、処理はPF表示処理へと分岐したSW操作表示ループがコールされた場所へリターンする。
【0079】
本実施例のカメラでは、モード釦40及びドライブ釦38が押されて外部表示LCDパネル34に[PF]が表示されている時にTv/Av釦30を押すと、設定されている特殊機能が全てクリアされてデフォルト値に設定されるようになっている。S1805〜S1815はそのための処理である。
Tv/Av釦30が押されていると(S1803:クリアSW=“0”)、モードSWMフラグに“0”がセットされる。S1805以降の処理が最初に行なわれる時のみPFタイマに0をセットするために、S1807でPFINM2フラグにより処理を分岐している。即ち、1回目だけは、PFINM2=“0”であり、2回目以降はPFINM2=“1”となっているため、PFタイマのリセットは行なわれない。S1811〜S1815の処理は、図15のS1515〜S1519、あるいは、図17のS1717〜S1721と同様の処理で、設定をクリアするためのPFオールクリア処理へ進むまでの残り時間がグラフ表示される。所定時間経過すると、即ちPFタイマのカウント値が31を超えるとPFオールクリア処理へと処理が進み、設定値がデフォルト値に戻される。
【0080】
『PFループ1』
図19A、19Bは、特殊機能の設定及び設定内容の表示を制御する、PFループ1の処理を示すフローチャートである。
本実施例のカメラでは、PF設定モードで動作中に、1分以上設定操作が行なわれない場合には、そのPF設定モードの動作中の設定内容は全てキャンセルされ、PF設定モードに移行する直前の設定内容をそのまま保持するようになっている。そのため、まず、S1901で、PF終了タイマが1分以上かどうかを判断している。PF終了タイマは、図17のS1701〜S1707に示すように、PF設定を行なうモードSW、UPSW、DOWNSWのいずれかがオン状態と判断される毎にリセットされる。即ち、モード釦40あるいはアップ/ダウンレバー28が操作される毎に、PF終了タイマには0がセットされる。従って、モード釦40もアップ/ダウンレバー28も操作されない状態が1分以上継続すると、S1901からPFキャンセル処理へと処理が進むことになる。
【0081】
一方、PF設定モードでの動作中は、処理はS1901からS1903へと進む。まず、S1903では、PFINMフラグに“0”を、PFタイマにカウント値0をセットする。PFINMフラグは、露出モードからPF設定モードに移行する時に、図15のS1527で1にセットされ、図17のS1715で、PF表示処理への分岐を司るものである。モード釦40及びドライブ釦38が、PF設定モードに移行した後も押されたままの場合には、PFINMフラグ=“1”であるため、常にS1715からPF表示処理へと処理が進む。また、一旦モード釦40あるはドライブ釦38が離されれば、もはやPF表示処理は行なわれず、S1715からS1717へと処理が進み、PF設定終了処理が実行可能になる。
【0082】
PF設定モードから露出モードへ移行するためには、モード釦40及びドライブ釦38を所定時間同時に押し続けなけらばならない。PFタイマはこの時間をカウントするものであり、図17のS1711、S1713から分かるように、一旦モード釦40あるはドライブ釦38が離された場合にはPFタイマには0がセットされることになる。
次に、S1905、S1907ではアップ/ダウンレバー28が操作されているかどうかが判定される。アップ/ダウンレバー28がアップ側に操作されると、後述するU/DループでUPMフラグに“1”がセットされる。ダウン側に操作されると、DOWNMフラグに“1”がセットされる。
【0083】
アップ/ダウンレバー28が操作されていない場合には、S1909で、モード釦40の操作により特殊機能の設定項目が変更される。本実施例のカメラでは、設定変更可能な特殊機能として、 (A) ISO感度、 (B) 学習変化レベル、 (C) AF合焦音の有無、 (D) 学習の有無、 (E) 学習のクリア、の5項目が設けられている。この5項目は、PF設定モードにおいて、モード釦40を押す毎に順次(A)、(B)、(C)、(D)、(E)と選択され、さらに(E)が選択されている状態でもう一度モード釦40を押すと、(A)が選択されるようになっている。
【0084】
次に、S1911で、前述のモードSWMフラグが0の時のみU/Dループを実行する。U/Dループでは、アップ/ダウンレバー28の操作により、設定項目におけるデータの変更を行なう。本実施例のカメラにおいては、モード釦40とアップ/ダウンレバー28の一方だけが操作された時に限り、設定項目またはデータの変更が行なわれるようになっている。このためにモードSWMフラグにより、S1913でU/Dループをコールするかどうかを判断している。尚、モードSWMフラグは、S1909のPFモードUP処理において、変更される(詳しくは後述)。
S1915〜S1927では、設定された項目とそのデータの表示を行なう。
設定項目が上記(A)の場合には、フィルムのISO感度が表示される。設定項目が上記(B)の場合には、選択された学習レベルと回数の組み合わせに対応する、0〜4までの数値が表示される。設定項目が上記(C)の場合には、“0”(合焦時に電子ブザー108を鳴らす)または、“1”(合焦時に電子ブザー108を鳴らさない)の表示に加えて、“0”が選択されている時には、定期的にブザーが鳴るようにし、“1”が選択されている時には、ブザーを鳴らさないようにして、聴覚的にも設定内容が確認できるようになっている。設定項目(D)
の場合には、“0”(学習する)、“1”(学習しない)の数値表示に加えて、学習マークの点灯・消灯により、設定内容が視覚的に容易に確認できるようになっている。設定項目(E)の場合には、選択された露出モードを表わすピクチャーと、クリアが設定されたことを示す文字「CL」が表示される。
PFループ1はSW表示操作処理ループから分岐したものであり、以上の処理が終了すると、SW表示操作処理ループがコールされた場所へリターンする。
【0085】
『PFモードUP』
図19Cは、図19AのS1909でコールされるPFモードUP処理を示すフローチャートである。この処理は、アップ/ダウンレバー28が操作されていない場合にコールされる。PFモードUP処理が実行されると、まず、モード釦40が操作されたかどうかを判定する(S1931)。モードSWに“1”がセットされている場合には、モードSWMフラグに“0”をセットしている。これにより、図19AのS1911からS1913へ処理が進み、アップ/ダウンレバー28によるデータ変更が可能になる。
【0086】
モードSWに“0”がセットされている場合には、モードSWMフラグに“0”がセットされている時に限りPFモードがインクリメントされて(S1937)、設定項目が変更される。PFモードは、0〜4の5種類であるため、PFモードが5以上になった場合には0をセットする(S1939)。一旦PFモードをインクリメントしたら、モードSWMフラグに“1”をセットする(S1943)。このようにしてモード釦40を押して設定項目を変更した後、そのままモード釦40を押したままの状態では、S1935により設定項目を変更する処理を実行しない。即ち、一旦モード釦40を離さない限り設定項目は変わないような制御となっており、非常に操作性が良い。
尚、処理が終了すると、PFモードUP処理がコールされた場所にリターンする。
【0087】
『PFオールクリア・PF設定終了処理』
図20は、PFオールクリア処理およびPF設定終了処理を表わすフローチャートである。
PFオールクリア処理は、図18のPF表示処理において、S1811で、PFタイマのカウント値が31以上になると実行される。即ち、モード釦40とドライブ釦38を同時に所定時間押し続けてPF設定モードに入り、外部表示LCDパネル34に[PF]と表示されている状態で、さらにTv/Av釦30を所定時間(2秒)押し続けると実行される。 PFオールクリア処理では、PF設定モードにおいて設定変更が可能な全てのデータが初期値に戻される(S2001)。
【0088】
ISO感度の設定は、カメラにDXフィルムが装填されていれば、フィルムのDXコードから読み取ったISO感度が初期値として設定され、それ以外の場合にはデフォルト値としてISO感度は100として設定される。学習変化レベルは、変化レベル=0、回数1=3回、回数2=3回が初期値として設定される。
合焦音については、初期設定は電子ブザー108を鳴らすようになっており、学習の有無につては、初期設定は学習を行なうようになっている。学習クリアフラグに関しては、人物・風景・動体・近接の4つの露出モードそれぞれについて学習をクリアするため、それぞれのモードに対応した学習クリアフラグ全てに“1”を設定している。
【0089】
上記の設定はRAM上で行なわれ、次にS2011以降のPF設定終了処理において、RAM上のデータがEEPROM106に書き込まれる。
露出モードに無関係な、ISO感度、学習変化レベル、合焦音の有無、学習の有無については、PF設定モードで設定・変更されたRAM上のデータがそのままEEPROMのデータに対応している。従って、RAMのデータをそのままEEPROMに書き込む(S2011)。一方、学習クリアは、モード毎に学習クリアフラグの値が変更されるだけなので、各モードに対応した学習クリアフラグ(X)の値が1の場合にのみ、RAM上のGENPSFT(X)及びSTDYCNT(X)の内容を書き換え、さらにそれをEEPROMに書き込んでいる(S2013〜S2019)。
以上の処理が終了すると、図21のS2111に処理が進み、各種フラグ、カウンタのリセットが行なわれる。なお、ここでPF設定モードから露出モードへ移行したことを示すフラグPFOUTMフラグに“1”が設定される。
PFオールクリア処理は、SW操作表示ループから分岐したものである。従って、このPFオールクリア処理が終了すると、SW操作表示ループがコールされた場所にリターンする。
【0090】
『PFキャンセル処理』
図21は、PFキャンセル処理を説明するフローチャートである。
本実施例のカメラにおいては、特殊機能の設定がPF設定モードで行なわれ、モード釦40とドライブ釦38を、同時に所定時間押し続けることにより、設定された内容がEEPROMに書き込まれ(図17および図20参照)、PF設定モードは終了する。しかし、それ以外の方法でPF設定モードが中断された場合(即ち、PF設定モードで動作中にメイン釦36をOFF位置にした場合、あるいはPF設定モードにおいて設定操作を1分以上行なわなかった場合)には、PF設定モードで変更された内容は、EEPROM108には書き込まれず、キャンセルされる。特に、PF設定モードで設定操作を1分以上行なわなかった場合には、自動的にPF設定モードから露出モードに移行し、EEPROM108に保存されているデータがRAMに書き込まれる。また、キャンセル処理が実行された場合には、いずれのモードにおいても学習クリアされないよう、各モードの学習クリアフラグ(X)に“0”がセットされる(S2101)。
PFキャンセル処理は、SW操作表示ループから分岐したものである。従って、このPFキャンセル処理が終了すると、SW操作表示ループがコールされた場所にリターンする。
【0091】
『U/Dループ処理』
図22は、アップ/ダウンレバー28の操作により、データの変更を行なうためのU/Dループを表わすフローチャートである。
ダウンスイッチ80がオンされると(DOWNSWに“1”がセットされると)、DOWNMフラグ(DOWNメモリフラグ)には“1”がセットされ、UPM(メモリ)フラグには“0”がセットされる。一方、UPSWに“1”がセットされると、UPメモリフラグに“1”がセットされ、DOWNメモリフラグには“0”がセットされる(詳しくは後述)。従って、アップスイッチ78がオンの場合には、UPループフラグに“1”をセットし、UPループ処理を行ない、DOWNループ処理は行なわない(S2201〜S2205)。一方、ダウンスイッチ80がオンになっている場合には、UPループフラグに“0”をセットし、DOWNループ処理のみを行なう(S2207〜S2211)。 以上の処理が終了すると、U/Dループがコールされた所へ処理は戻る。
【0092】
『UPループ』
図23は、U/Dループ(図22)でコールされるUPループの処理を示すフローチャートである。
アップスイッチ78がオフの場合(S2301:UPSW=“1”)には、データの変更は行なわず、アップスイッチ78がオフであったことを示すUPメモリフラグに“0”をセットして(S2303)、U/Dループに戻る。
アップスイッチ78がオンの場合(S2301:UPSW=“0”)、前回UPループがコールされた時にアップスイッチ78がオンだったかどうかを判定し(S2305)、前回もオンと判定された場合(UPメモリフラグ=“1”)には、U/Dタイマループに処理が進む。U/Dループは、ほぼ64ms(128msに2回)の周期で繰り返されるため、UPループがコールされた時点でのアップスイッチ78の状態のみでデータの変更を行なうと、例えば、アップスイッチ78がオン状態を保持していた場合、即ち、操作者がアップ/ダウンレバー28をアップ方向に操作したまま、その状態を保持していた場合、データの変更が非常に単時間に行なわれてしまう。これを防ぐため、連続的にアップスイッチ78またはダウンスイッチ80がオン状態となる時には、U/Dタイマループにより、ソフト的に周期を引き伸ばしている。
UPメモリフラグが“0”の場合には、データU/D処理によりデータの変更が行なわれ、アップスイッチ78がオンだったことを示すUPメモリフラグに1を、同時にダウンスイッチ80がオフだったことを示すDOWNメモリフラグに“0”をセットし、U/Dタイマループで用いるU/Dタイマのカウント値を0にする(S2305〜S2309)。
【0093】
『DOWNループ処理』
図24は、DOWNループを示すフローチャートである。S2401〜S2409では、ダウンスイッチ80のオン・オフに応じて、図23とほぼ同様の処理を行なっている。
【0094】
『U/Dタイマループ処理』
S2411〜S2417は、U/Dタイマループの処理を表わしている。
U/Dタイマループでは、この処理が実行される毎にインクリメントされる(S2417)U/Dタイマのカウント値が8以上になると(S2411)、特殊機能のデータの変更が行なわれる(S2413)。即ち、アップ/ダウンレバー28が操作されたまま、8回この処理が実行されると、アップ/ダウンレバー28の操作方向に応じたデータの変更が行なわれる。なお、データが変更されると、U/Dタイマはリセットされて、カウント値に0がセットされる(S2415)。
【0095】
『データU/D処理』
図25は、アップ/ダウンレバー28の操作に応じてデータ変更を実行する、データU/D処理のフローチャートである。
PF設定モードでの動作中であれば(S1501:PFモードフラグ=“1”)、PFデータU/D処理に分岐し、アップ/ダウンレバー28とモード釦40との組み合わせで、特殊機能の変更・設定が実行される。
PFモードフラグ=“0”の場合には、アップ/ダウンレバー28と組み合わせて押される操作釦によって処理が分岐する。
モード釦40を押しながらアップ/ダウンレバー28を操作する場合には、露出モードの変更が行なわれる(S2503、S2505)。ドライブ釦38を押しながらアップ/ダウンレバー28を操作する場合には、撮影モードの変更が行なわれる(S2507、S2509)。ハイパー釦52を押しながらアップ/ダウンレバー28を操作する場合には、露出補正が行なわれる(S2511、S2513)。また、単にアップ/ダウンボタン28のみを操作する場合には、 (1)撮影モードが人物・風景・動体・近接・プログラムのいずれかであれば、プログラムシフトが実行され(S2517、S2519)、 (2)撮影モードがオートあるいはマニュアルであれば、Tv値またはAv値が変更される(S2521、S2523、S2524)。なお、Av値・Tv値のいずれを設定するかは、Tv/Av釦30の操作により切り替えられる。
以上の処理が行なわれた後に、データU/D処理がコールされた場所へリターンする。
【0096】
『PFデータU/D処理』
図26は、PF設定モードにおいて、PF(特殊機能)の各項目のデータの変更を行なうPFデータU/D処理のフローチャートである。
図19のS1909においてモード釦40の操作により設定された特殊機能の項目の、データの変更が行なわれる(S2601、S2603)。
設定項目がISO感度変更の場合には、アップ/ダウンレバー28の操作により、ISO感度が段階的に変化する(S2605)。
なお、ISO感度設定中にTv/Av釦30を押すと、ISO感度として初期値(DXフィルムがカメラに装填されている場合には、DXコードによるDX値、それ以外の場合には初期値=100)が設定される。
設定項目が学習変化レベルの場合には、アップ/ダウンレバー28の操作により、変化レベルとシャッター回数の組み合わせに対応した変数を0から4までのいずれかにセットする。ここで変化レベルの1段は、約O.5Evのプログラムシフトに相当し、実際に撮影者によって設定されたプログラムシフト量が、ここで選択された変化レベル以上の場合には、回数1で示される回数の露光が行なわれると学習し、また、設定されたプログラムシフト量が選択されている変化レベル未満であれば、回数2で示される回数の露光が行なわれると学習を行なう(S2607)。
設定項目がAF合焦ONの有無であれば、アップ/ダウンレバー28の操作により、合焦ON禁止フラグが“0”と“1”の間でトグルされる(S2609)

設定項目が学習禁止の有無であれば、アップ/ダウンレバー28の操作により、学習禁止フラグが“0”と“1”との間でトグルされる(S2611)。
設定項目学習クリアの設定の場合には、外部表示LCDパネル34上に撮影モードを表わすピクチャー表示がなされ、アップ/ダウンレバー28の操作により、学習をクリアするモードを4つの中から1つ、あるいは4つ全てを選択して、Tv/Av釦30を押すことによりクリア設定する(S2613)。
【0097】
『PシフトU/D処理』
図27はプログラムシフトの設定を行なうPシフトU/D処理のフローチャートである。本実施例のカメラにおいては、露出モードがグリーンモードの場合にはプログラムシフトは行なわないようになっているため、S2703以降の処理は行なわない(S2701:Pシフト禁止フラグ=“1”)。
アップ/ダウンレバー28の操作方向が正方向の場合には、Tv値が最大値を超えていず、Av値が最小値に達していない場合にのみ(S2705:TvMAX =“0”、S2707:AvMIN =“0”)、シフト可能としている。RAMに保存されているPシフトの方向ビットが負の場合には、Pシフト量が0になるまでは0.5ずつ減じる。Pシフト量が0になると、方向ビットを正に変える(S2717〜S2721)。方向ビットが正の場合には、Pシフト量の最大値15 4/8以上にならない限り、Pシフト量に0.5を加える(S2713、S2715)。
アップ/ダウンレバー28の操作方向が負の場合には、Tv値が最小値より大きく、Av値が最大値を超えない場合にのみシフトが可能となっている。RAM上のPシフト方向ビットが正の場合には、Pシフト量から0.5減ずる。ただし、この結果Pシフト量が負になった場合には、RAM上のデータは2進数で表わされているため、データを負の方向ビットとシフト量の絶対値で表わす様データ処理を行なう(S2729〜S2733)。方向ビットが負の場合には、Pシフト量が最大値以上にならない限り、0.5をPシフト量に加算する(S2735、S2737)。
【0098】
『露出補正U/D処理』
図28は、露出補正U/D処理のフローチャートである。
アップ/ダウンレバー28の操作方向に応じて、正方向では上限Xv=3.0までXvを0.5ずつ増加させ(S2801〜S2805)、負方向では下限Xv=−3.0までXvを0.5ずつ減少させる(S2801〜S2807)。
【0099】
『Pシフトグラフ表示処理』
図29は、設定されたプログラムシフト量をグラフ表示する、Pシフトグラフ表示処理を表わすフローチャートである。
プログラムシフトのグラフ表示は、原点のシフト方向・量と、原点を基準として設定されたプログラムシフト方向・量に基づいて、図31に示すPシフト表示テーブルのデータを読み出し表示している。なお、図31中、黒丸が点灯部分を表わし、さらに周りに放射状の線が描かれている黒丸は、黒丸が点滅していることを表わしている。図31のYおよびZで特定されるデータを外部表示LCDパネル34及びファインダ内表示LCDパネルに表示する。
図29において、設定されている露出モードに対応する原点の方向ビット及びシフト量を、RAMから読み出し(S2901〜S2905)、原点方向ビット及び原点シフト量から、図31のYの値を計算する(S2907〜S2911)
。次に、Pシフト方向ビット及びPシフト量、Yの値から図31のZを計算する(S2913〜S2917)。なお、Zが負あるいは11以上になる場合には、それぞれZ=0、Z=10に設定する(S2919〜S2925)。以上のようにして求められたY及びZに基づいて、図31の表示テーブルの表示データをLCD表示用のRAMに書き込む(S2927、S2929)。
【0100】
『露出補正表示処理』
図30は、図16のS1623でコールされる、露出補正表示を説明するフローチャートである。
設定された露出補正値Xvの値に応じて、Xvゼロフラグ・Xvプラスフラグ・Xvマイナスフラグのいずれかに“1”をセットする(S3001〜S3011)。
ハイパー釦52が押されて、HYPSWに“0”がセットされている時には、露出補正値Xvが数値表示され(S3013、S3015)、さらに、S3031以降の露出補正グラフ表示処理が実行される。
【0101】
HYPSWに“1”がセットされている場合には、露出補正値が0であればグラフ表示は行なわず(S3013、S3017、S3019)、処理はSW操作表示1のS1624へ進む。
HYPSWに“1”がセットされている場合で、メイン釦36がPICT位置にある時には、Xvの正負に応じて「+」または「−」のマークを外部表示LCDパネル34およびファインダ内表示LCDパネル62に表示する(S3021〜S3027)。
ハイパーSWがOFFで、メイン釦36がON位置にある時には、露出補正グラフ表示へと処理が進む(S3021:PICTSW=1)。
露出補正グラフ表示では、図40に示す露出補正グラフ表示テーブルのデータを用いて、補正量に応じて外部表示LCDパネル34およびファインダ内表示LCDパネル62にグラフ表示を行なう。
露出補正値Xvから、図40の表示テーブルのデータを選択し、外部表示LCDパネル34及び、ファインダ内表示パネル62に目盛りを表示すると共に、選択された図40のデータを表示する。なお、グラフ表示可能な露出補正値は−2.0Ev〜+2.0の範囲であるが、設定可能な露出補正値の範囲は−3.0Ev〜+3.0Evとしている。さらに、補正値がグラフ表示の領域を超えている場合には、グラフの端点で黒丸マークを点滅表示させることにより、領域外であることを示すようにしている。
以上の処理が終わると、SW操作表示1のS1624の処理が実行される。
【0102】
『PFタイマ表示』
図32は、ドライブ釦38及びモード釦40を同時に押して、PF設定モードに入る場合、及びPF設定モードから抜ける場合に、残り時間を表示するためのPFタイマ表示処理を表わすフローチャートである。PF設定モードと露出モードの切り替えは、PFタイマのカウント値が所定値(31)以上になると切り換わるようになっている(図15、図18)。このため、PFタイマの数値に基づいて、図37に示すPFタイマ表示データを選択し、表示用のRAMに書き込むことにより、残り時間に対応したグラフ表示を外部表示LCDパネル34上で行なっている(S3201、S3203)。
【0103】
『AEモードU/D処理』
図34は、アップ/ダウンレバー28による、露出モードの選択を行なう、AEモードU/D処理のフローチャートである。
S3401では、データを変更する方向によって、即ちアップ/ダウンレバー28の操作に応じて、処理が分かれている。
S3403において、メイン釦36がPICT位置かON位置かにより露出モードがピクチャモード(PICTモード)かフルスペックモード(FULLモード)かに分かれる。露出モードは、RAM上では、図33に示すように、8ビットのデータのどれか1桁を1とし他を0とすることによって設定される。露出モードと対応する8ビットデータを、露出モード[8ビットデータ]のように示すと、PICTモードでは、 グリーンモード[00000001]、 動体モード[00001000]
などの様に表わされ、FULLモードでは、 オートモード[00000010]
の様に表わされる。上記の8ビットデータを10進数で表わし、露出モード(10進数)として示すと、 グリーンモード(1)、 動体モード(8)、 オートモード(2)
などと表わせる。図33から、例えばPICTモードでは グリーンモード[00000001]
から左シフトしていくと、順に、 人物モード[00000010]、 風景モード[00000100]、 動体モード[00001000]、 近接モード[00010000]
となる。
本実施例では、PICTモードで設定する露出モードは5種類としているため、8ビットデータの最大値は[00010000]であり、図34のS3405で、PICTモードの値が16以上になると左シフトしたデータに対応する露出モードが存在しなくなるため、リセットして1に戻している。これによって、アップ/ダウンレバー28を、例えば上記のようにデータが変わる方向に操作し続けても、近接モードの次にグリーンモードを選択することもでき、非常に操作性が良くなっている。
S3415〜S3419の処理は、FULLモードについて、上記と同様の処理を行なっているものである。また、S3421〜S3433の処理は、8ビットデータが右シフトされる場合の処理であり、原理的には、上記と同様の処理を行なっている。
【0104】
『AEモード設定処理』
図35は、図34のAEモードU/D処理で設定されたPICTモードあるいはFULLモードの値を、変数AEモードに変換する、AEモード設定処理を表わすフローチャートである。
AEモードU/D処理では、PICTモードは2進数[00000001]から[00010000]で表わされ、FULLモードは[00000001]から[00000100]で表わされる。AEモード設定処理は、上記のPICTモードとFULLモードを、1種類の変数「AEモード」で表わすための処理である。
まず、メイン釦36の位置により、「AEモード」の初期値をセットする(S3501、S3503、S3507)。次に、図35のAEモードU/Dにより設定されたPICTモードまたはFULLモードの値を変数Nに入れる(S3505、S3509)。以降、N=1となるまで、Nを右シフトし、シフトした回数をAEモードの初期値に加算することにより、図36に示すようなAEモードと露出モードの関係が得られる。
【0105】
『Pシフトクリア処理』
図38は、図16のS1619でコールされるPシフトクリア処理を説明するフローチャートである。Tv/Av釦30を単独で押すことにより、設定したプログラムシフト量がキャンセルされ、プログラムは原点位置に戻る。本実施例のカメラにおいては、ハイパーボタン52が押された状態でTv/Avボタンを押すと、露出補正をクリアするため、ハイパー釦52が押されていない時(S3801:HYPSW=“1”)のみプログラムシフトがクリアされるようになっている。
【0106】
『露出補正クリア処理』
図39は、図16のS1625でコールされる、露出補正クリア処理を説明するフローチャートである。
ハイパー釦52とTv/Avボタンを同時に押すことにより、露出補正値Xvに0がセットされる(S3901〜S3905)。
【0107】
『メインボタンの位置と初期表示画面』
図60A〜60Cは、メイン釦36がPICT位置にある場合の外部表示LCD34及びファインダ内表示LCDパネル62の表示画面の一例を示す。図60Aは、メイン釦36がPICT位置におかれた状態を示している。図60B、60Cは、その時のファインダ内表示LCDパネル62の表示画面、及び外部表示LCDパネル34の表示画面を示している。この例では、露出モードとして人物モードが選択されている。
【0108】
図61A〜61Cは、メイン釦36がON位置にある場合の例を示している。
図61B、61Cは、それぞれ、外部表示LCDパネル34と、ファインダ内表示LCDパネル62の表示例を表わしている。詳しくは、後に説明するが、この例では、露出モードとしてプログラムモードが選択されており、さらに、−0.
5Evの露出補正が設定されていることが分かる。
【0109】
図62は、図60Cと同様、メイン釦36がPICT位置にある場合の、外部表示LCDパネル34の表示例を示している。この例でも、露出モードとしてはやはり人物モードが選ばれている。この表示画面から更に、学習機能がオンとなっており、すでに+0.5Evのプログラムシフトをすでに学習していることが分かる。また、プラスの露出補正が行なわれている。プログラムシフトの表示・露出補正の表示については後に詳細に説明する。
【0110】
『PF設定モードの表示処理』
図63A〜63Fは、PF設定モード処理に移行する際の外部表示LCDパネル34における表示を示している。図15のS1519でコールされるPFタイマ表示処理により、図37のPFタイマ表示データがRAMにセットされ、表示される(図63A〜63E)。なお、PF設定モードに入るまでは、図15のS1517により、ISO感度が表示される。また、その他の表示は全て消灯され必要なデータのみが表示されるようになっている。9個のドットが表示されてから、全て消えるまでの時間は、本実施例のカメラの場合、約2秒である。
所定時間(約2秒)が経過し、全てのドットが消えると、図18のPF表示処理が実行され、図63Fに示されるように、[PF]が表示される。ここで、モード釦40及びドライブ釦38を離すと、PF設定モードの最初の設定項目である、ISO感度変更ための表示に換わる(図65A参照)。
【0111】
『PFオールクリア処理の表示』
PF設定モードに入り、[PF]が表示されている状態で、Tv/Av釦30を押すと、図18のS1815においてPFタイマ表示がコールされ、再度ドットが表示される(図64A)。上述の処理と同様、9個のドットが約2秒で全て消えると、PF(特殊機能)の設定内容は全てクリアされ(図20:PFオールクリア処理)、外部表示LCDパネル34には、図64Bに示すようにCLの表示が出る。
【0112】
『特殊機能の設定及び表示処理』
すでに述べたように、PF設定モードで動作中は、モード釦40の操作により設定項目を選択し、アップ/ダウンレバー28の回動操作により、選択した項目におけるデータ変更を行なう。
【0113】
『ISO感度の設定』
図65A、65Bは、ISO感度変更の表示画面を示す。アップ/ダウンレバー28の操作により、図26のPFデータU/D処理のS2605で変更されたデータが、図19BのS1919で表示される。図では、ISO200(図65A)がISO100に変更された場合(図65B)の例を示している。なお、設定項目を示す[1]が同時に表示されている。
なお、既に述べたように、設定中にTv/Av釦30が操作されるとISO感度には初期値(DX値またはISO=100)が設定される。
【0114】
『学習回数の設定』
図66A、66Bは、学習の回数設定を行なう場合の表示である。設定項目を示す[2]が表示され、変化レベルと回数の組み合わせを示す0から4までの数値を、アップ/ダウンレバー28の操作により設定する。変化レベルと回数の組み合わせの設定は、図26のS2607で行ない、表示は図19BのS1912で行なっている。
【0115】
『合焦音の有無の設定』
図67A、67Bは、合焦時に電子ブザー108を鳴らすかどうかの設定に関する表示である。設定項目を示す[3]が表示され、更に文字Sdにより、サウンドの設定であることを操作者に知らせるようにしている。電子ブザー108を鳴らす場合には“1”、鳴らさない場合には“0”を設定する。単にフラグだけでは、どちらに設定しているのかを把握するのが難しいため、“1”がセットされた状態では、図67Bの表示と共に、所定の時間間隔で電子ブザー108を鳴らすようにして、操作性を向上させている。なお、設定は図26のS2609で、表示および電子ブザー108の駆動は図19のS1923で行なっている。
【0116】
図68A〜図68Fは、合焦時の電子ブザー108の設定に関する表示の変形例を示す。この変形例では、電子ブザー108を鳴らすことを示すフラグに“1”をセットした場合に、Soundの文字列を分割して順次表示することにより、合焦時に電子ブザー108を鳴らす設定になっているとを示すものである。この、Soundの表示は、通常Av値を表示するためのそれぞれ7セグメントからなる2桁の表示エリアを用いており、特にアルファベットを表示するためのセグメントを設ける必要がない。なお、フラグのセットは、図26のS2609で行なわれ、表示は図19のS1923で行なっている。
【0117】
『学習機能の選択』
図69A、69Bは、プログラムシフトの学習を行なうかどうかの設定である。選択項目を示す[4]が表示され、学習を行なう場合には(即ち学習禁止フラグに“0”がセットされる場合には)、NOTEBOOKのようなピクチャ表示により設定内容の把握を容易にしている。学習機能の選択は、図27のS2611で行ない、表示は19図のS1925である。尚、学習後にフラグを「学習する」から「学習しない」に設定変更した場合、学習したプログラムシフト量はクリアされず、そのまま固定される。
【0118】
『学習内容のクリア』
図70A、70Bは、学習した内容をクリアする場合の表示を示している。選択項目[5]が表示され、さらにノートのピクチャと文字CLが点滅表示する。
この状態で、アップ/ダウンレバー28の操作により、学習機能が有効な4つのモードの内のどれか1つあるいは4つ全てを選択し、Tv/Av釦30を押すことによりデータクリアの設定が完了する。学習クリアがセットされると、図70Bに示すように、ノートのピクチャが消え、文字CLは点灯表示に変わる。設定は、図26のS2613で行ない、表示は図19のS1927により行なっている。
【0119】
『露出モードの選択』
図71A〜71Eは、メイン釦36がPICT位置にある時に、モード釦40を押しながらアップ/ダウンレバー28を操作する時に外部表示LCDパネル34に表示される表示内容を示している。図71A、71B、71C、71D、71Eの順に、グリーンモード、人物モード、遠景モード、動体モード、近接モードに対応している。
図71Fは人物・遠景・近接モード時のファインダ内LCD表示パネル62を示し、図71Gは、動体モードの表示、図71Hは、グリーンモードの表示を示している。
【0120】
『PICTモードの露出補正の表示例』
図72A、図72Bは、メイン釦36がPICT位置にある時(例として人物モードが選択されている時)の表示例を示す。
図72Aは、ファインダ内表示LCDパネル62の表示を表わしている。プログラムシフトの量が、目盛りとドット表示により示されている。また、シフトされたプログラムに基づいて演算されたTv値・Av値が上方に表示される。図72Bは、外部表示LCDパネル34の表示を示す。外部表示LCDパネル34には、ファインダ内表示LCDパネル62の情報に加えてさらにフィルム枚数・ドライブモード(撮影モード)の表示、AEモードのピクチャによる表示が行なわれる。
【0121】
上記の状態で、ハイパー釦52を押すことにより、露出補正の表示が行なわれる。図73A、73Bは、露出補正を行なった状態でのファインダ内表示LCDパネル62及び外部表示LCDパネル34の表示を示している。この例では、露出補正は、−2.0Evとなっている。表示パネル上の目盛りは、1目盛りが0.5Evに対応し、目盛り中央が露出補正0に対応しているので、この例では、ドットが目盛りのマイナス端で点灯している。尚、外部表示LCDパネル34では、補正値の数値表示行なわれるようになっている。
【0122】
尚、本実施例のカメラは、グラフ表示上は、露出補正値は−2.0Ev〜+2.0Evとなっている。しかし、実際にはグラフの範囲を超えて、露出補正値は−3.0〜+3.0Evの範囲で設定可能となっている(図28参照)。このため、補正値がグラフの範囲を超えた場合には、超えた側のグラフの端点で点滅するようにしている。図74A、図74Bに露出補正値が−2.5の場合の例を示す。この場合には、黒丸がマイナス側の端点で点滅する。
図75A、75Bは、露出補正値を設定後、ハイパー釦52から指を離し、露出モードの表示がおこなれた場合の例を示す。露出補正がマイナス側であることを示す「−」マークが点灯している。さらに、ハイパー釦52を押しながら、Tv/Av釦30を押すと、設定した露出補正値が0にリセットされる。
【0123】
『プログラムモードの露出補正の表示例』
図76A、図76B、図77A、図77B、図78A、図78Bは、露出モードがプログラムモードの場合の、通常の表示(図76A、76B)、露出補正中の表示(図77A、図77B)、露出補正値設定後の表示(図78A、図78B)を示す。通常の表示では、目盛りとドットからなる表示は行なわれないが、一旦露出補正値が設定されると、通常の表示状態で、露出補正量がグラフ表示される。尚、プログラムモードでの露出補正でも、上述の場合と同様、グラフの表示範囲を超えて露出補正値を設定することができ、その場合には、グラフの端点で黒丸が点滅する。この黒丸の点滅表示は、ハイパー釦52から指を離し、通常の表示状態となっても行なわれる。
また、プログラムモードにおいても、プログラムシフトが可能であり、シフトされている場合には、外部表示LCDパネル34のTv/Avの表示部分にオーバーラインが表示され、ファインダ内表示LCDパネル62のTv値・Av値にアンダーラインが付される(シフト量が0の場合は、オーバーライン/アンダーラインは表示されない)。
【0124】
『オートモードの露出補正の表示例』
図79A、図79B、図80A、図80B、図81A、図81Bは、露出モードがオートモードの場合の、通常の表示(図79A、79B)、露出補正中の表示(図80A、図80B)、露出補正値設定後の表示(図81A、図81B)を示す。通常の表示では、目盛りとドットからなる表示は行なわれない。また、アップ/ダウンレバー28の操作でTv値/Av値のどちらが変更可能となっているか(即ち、シャッタ優先となっているか絞り優先となっているか)を、外部表示LCDパネル34上では、TvまたはAvに円弧状のオーバーラインを付して表示することにより示し、ファインダ内表示LCDパネル62上では、Tv値またはAv値にアンダーラインを付して示している。尚、Tv値・Av値のどちらを変更可能にするかの設定は、Tv/Av釦30の操作で切替られる。
【0125】
露出補正に関しては、上述のプログラムモードの場合と同様である。尚、オートモードでの露出補正でも、上述の場合と同様、グラフの表示範囲を超えて露出補正値を設定することができ、その場合には、グラフの端点で黒丸が点滅する。
この黒丸の点滅表示は、ハイパー釦52から指を離し、通常の表示状態となっても行なわれる。
【0126】
『マニュアルモード時のグラフ表示』
図82A、図82B、図83A、図83B、図84A、図84Bは、露出モードがマニュアルモードの場合の、アップ/ダウンレバー28により、Tv値を設定する場合の表示(図82A、図82B)、Av値を設定する場合の表示(図83A、図83B)、適正露出がセットされている場合の表示(図84A、図84B)を示す。
【0127】
マニュアルモードの場合には、アップ/ダウンレバー28によりTv値が変更可能である場合には、外部表示LCDパネル34のTvの表示に円弧上のオーバーラインを付し、また、ファインダ内表示LCDパネル62にTv値にアンダーラインを付して表示する(図82A、図82B)。これに対し、図83A、図83Bの場合には、Av値・Avの表示にアンダーライン・オーバーラインを付している。マニュアルモードの場合には、露出補正は無いが、通常の表示状態において目盛りおよびドットによるグラフ表示が行なわれている。本実施例のカメラでは、マニュアルモード時にも、AE演算が行なわれている。表示された目盛りの中央を、演算上の適正露出値として、設定値が露出オーバーとなる場合には、目盛りの「+」側にドットが表示される。1目盛りが0.5Evに相当しており、図82A、図82Bの場合には、1.0Evの露出オーバーとなる。尚、目盛りは適正露出値を中心に−2.0Ev〜+2.0Evの範囲でドットによる表示が可能となっている。この範囲を超えた場合には、図83C、図83Dに示すように、「−」マークを点滅させることにより、範囲を超えて露出アンダーになっていることを示すようになっている(図面において「−」マークの回りに放射状に線が入っているのは、「−]マークが点滅していることを表わしている)。露出オーバーになっている場合には、同様にして「+」マークを点滅させるようになっている。
【0128】
図84A、図84Bは、マニュアル設定露出値と、演算露出値が一致している場合を示す図である。マニュアル設定値を演算露出値に一致させるには、アップ/ダウンレバー28を操作して表示されているドットの数を減らすように設定値を変更すればよい。本実施例のカメラでは、これに加えて、マニュアルモードの時にハイパー釦52を押すことにより演算により得られた適正露出値がセットされるようになっている。
【0129】
『AE演算』
次に、図13A、13Bに示す「RESTART」中のS1319、および図14に示す「レリーズ処理」中のS1415でコールされるAE(自動露出モード)演算サブルーチンによる処理について、図41A、41B、41C、41Dに示したフローチャートを参照して説明する。
【0130】
本実施例では、露出モードとして、メイン釦36をPICT位置に切り換えてピクトスイッチ110bをオンしたときに設定変更可能となるグリーンモード、人物モード、風景モード、動体モード、および近接モードを有し、また、メイン釦36をON位置に切り換えてオンスイッチ110aをオンしたときに設定変更可能となるノーマルプログラムモード(測光結果に基づいて自動的にシャッタ速度および絞り値を設定する通常のプログラム自動露出モード)、オートモード(手動設定されたシャッタ速度と測光結果から絞り値を自動設定するレンズオートのシャッタ速度優先自動露出モード、および手動設定された絞り値と測光結果からシャッタ速度を自動設定する絞り優先自動露出モード)、およびマニュアル露出モードを有し、さらに、図示しないが、レンズマニュアルの絞り優先自動露出モード、マニュアル露出モード、およびバルブ露出モードを有している。
【0131】
AE処理において、先ず、ボディ側CPU20のRAMをイニシャライズし、測光等に関する各種フラグをイニシャライズした後、レンズ補正演算サブルーチンをコールする(S4101〜4105)。このレンズ補正演算サブルーチンでは、図13Aに示した「RESTART」の処理中の「レンズ通信」において、レンズボディ側CPU20(図11)から入力した撮影レンズの種類に応じた各種レンズデータに基づいて、レンズ補正演算処理を実行する。
【0132】
次に、A/D変換回路98から出力される分割測光用の各センサ(受光素子94)からの被写体輝度データをそれぞれ、演算に適した演算用被写体輝度Bvに変換し、さらに、この演算用被写体輝度Bvと、S4105において演算したレンズ補正値により、各センサ毎の光量値Lv′を求め、この各センサ毎の光量値Lv′から、分割測光アルゴリズムに基づいてその被写体に適した1個の光量値Lv′を算出する(S4107〜S4111)。
【0133】
そして、予め演算に適するように変換した演算用フィルム感度Svおよび演算用露出補正値Xvに基づいて光量値Lvを求め、現在設定されているAEモード(ナンバー)に対応する値をXに入れる(S4113、S4115)。
【0134】
S4117では、Xに入れた各AEモードに対応する係数a、b、TvL1 等を設定する。これらの係数a、b、TvL1 等は、ボディ側CPU20のROMに予め設定入力されているもので、必要に応じてRAMに読み込まれる。
【0135】
X=1で分岐する「人物モード(プログラム線の概略を図48Aに示す)」では、プログラム線の傾きとされる係数aに2/8を入れ、係数bに5 6/8を入れる。さらに第1のTv境界TvL1 に手振れ限界Tvfを入れ、第1のAv境界AvL1 に撮影最適Av値Avfを入れ、第2のAv境界AvL2 に最小絞り値AvMIN を入れて、S4143でプログラム演算サブルーチンをコールする。
【0136】
X=2で分岐する「風景モード(プログラム線の概略を図49Aに示す)」では、上記係数aに2/8を入れ、上記係数bに風景係数bを入れる。この風景係数bは、 (6/8)×Tvf−(2/8)×(AvMIN +1)
により求まる。さらに、第1のTv境界TvL1 に最小シャッタ速度TvMIN を入れ、第1のAv境界AvL1 に最小絞り値AvMIN +1を入れ、第2のAv境界AvL2 に最小絞り値AvMIN を入れて、S4143でプログラム演算サブルーチンをコールする。
【0137】
X=3で分岐する「動体モード(プログラム線の概略を図50Aに示す)」では、上記係数aに2/8を入れ、上記係数bに5 6/8を入れる。さらに第1のTv境界TvL1 に手振れ限界Tvf+1を入れ、第1のAv境界AvL1 に最小絞り値AvMIN +1を入れ、第2のAv境界AvL2 に最小絞り値AvMIN を入れて、S4143でプログラム演算サブルーチンをコールする。
【0138】
X=4で分岐する「近接モード(プログラム線の概略を図51Aに示す)」では、上記係数aに2/8を入れ、上記係数bに5 6/8を入れる。さらに、第1のTv境界TvL1 に手振れ限界Tvfを入れ、第1のAv境界AvL1 にAv6(F=8)を入れ、第2のAv境界AvL2 に最小絞り値AvMIN +1を入れて、S4143でプログラム演算サブルーチンをコールする。
【0139】
S4143でコールされるプログラム演算サブルーチンでは、詳細は後述するが、各モード毎に設定されたTv値、Av値に基づいて、実際に制御で使用する制御Tvと制御Avを演算する。
【0140】
他方、X=1で「グリーンモード」に分岐する場合は、プログラムシフト禁止フラグに“1”をセットし、プログラム線をシフトさせないように予め禁止しておく。そしてノーマルプログラムサブルーチンをコールし(S4135、S4137)、該モードにおいて、実際に制御で使う制御Tvと制御Avを求める。
【0141】
また、X=5で「ノーマルプログラムモード」に分岐する場合は、プログラムシフト禁止フラグに“1”をセットせずに、ノーマルプログラムサブルーチンをコールする(S4137)。
【0142】
さらに、X=6で「AUTOモード」に分岐する場合は、AUTO演算サブルーチンをコールし(S4139)、X=7で「マニュアルモード」に分岐する場合は、マニュアル演算サブルーチンをコールする(S4141)。
【0143】
さらに、S4117において選択したモードで求まった制御Tvと制御Avが制御に使用可能な値か否かを、コールしたCHK TvAvサブルーチンによりチェックして、制御可能な値を越えていれば、その最大値または最小値に変換する(S4145)。そして、CHK TvAvサブルーチンで最終的に決定したTv値とAv値に基づいてEEパルス数を求め、さらに外部フラッシュに、発光するか否か、どの程度の発光とするか、後幕シンクロであるのか等のデータを送る(S4147、S4149)。上記EEパルスとは、制御用の絞り値Avに対応させて絞りを止めるために用いるパルスである。この後、S4151において、フラッシュ撮影時にクウェンチ信号を出力してフラッシュの発光を停止させるためのTTLデータを設定して、リターンする。
【0144】
図41CのS4137で示したノーマルプログラムサブルーチンを、図52Aに示すフローチャートに沿って説明する。このサブルーチンで説明されるプログラム線図は例えば図52Bに示され、その特徴は次に示す通りである。
■手振れ限界Tvf(=TvL1 )が設定されている。
■被写界深度を重視する風景モードに関するプログラム線(図49B参照)と、シャッタ速度を重視する動体モードに関するプログラム線(図50B参照)の中間に位置するように設定されている。
■手振れ限界Tvf(=TvL1 )を越えると、少なくとも1ステップ以上のプログラムシフトが可能となるように設定されている。
【0145】
同図に示す、f=80mm時およびf=28mm時の手振れ限界Tvf(=TvL1 )付近で手振れが発生しやすいため、 Tv<Tvf となる低Ev域では、手振れ限界Tvfでシャッタ速度を固定して絞りを最小絞り値まで開放させ、さらに、絞りが開放値になったら、絞りを開放させたままでシャッタ速度を遅くする。このときの上記手振れ限界Tvf(=TvL1 )は、変数TvL1 に代入され処理されている。
【0146】
ノーマルプログラムサブルーチンでは、先ず、図42Aに示すfv演算サブルーチンをコールして、 fv=log(焦点距離f)/log2により、焦点距離fをアペックス値に対応させて変換した変換焦点距離fvを求める。
【0147】
続いてS5203で、 Tv=(3/8)×光量値Lv+ノーマル係数b ノーマル係数b=(5/8)Tvf−(3/8)(AvMIN +1)
により演算Tvを求める。この計算式は、例えば図52Bのプログラム線図において、傾きを固定しつつ、ノーマル係数bの変化に伴ないシャッタ軸方向にプログラム線を移動させる。
【0148】 そして、S5203で求まる演算Tvが最大シャッタ速度TvMAX より大きいか否かをチェックし、大きければ最大シャッタ速度TvMAX を演算Tvとしてボディ側CPU20のRAMに入れ、実際に設定されるべきシャッタ速度はもっと速いが、演算Tvに最大シャッタ速度TvMAX を入れたということを示すため、Tvオーバーフラグに“1”をセットする(S5205、S5219、S5221)。
【0149】 さらに、図44のCAL Avサブルーチンをコールし、演算Tvを変更させたからこの演算Tvに対応する適切な演算Avを求めて(S5223)、S5215に抜ける。またS5205において、演算Tvが最大シャッタ速度TvMAX 以下であれば、演算Tvを手振れ限界Tvfと比較し、この演算Tvが手振れ限界Tvfより小さければ、この手振れ限界Tvfを演算TvとしてRAMに入れて(S5207、S5225)、S5209に進む。S5207において、演算Tvが手振れ限界Tvfより大きいときは、S5209に進む。
【0150】
S5209では、図44のCAL Avサブルーチンをコールし、ここでセットした演算Tvに対応する適切な演算Avを求めて、S5211に進む。S5211では、Avオーバーフラグをチェックし、このAvオーバーフラグに“1”がセットされていればCAL Tvサブルーチンをコールし、演算Avを変更させたからこの演算Avに対応する適切な演算Tvを求めて(S5227)、S5215に抜ける。またAvオーバーフラグに“0”がセットされている場合は、S5213に進んで、Avアンダーフラグをチェックする。Avアンダーフラグに“1”がセットされている場合はCAL Tvサブルーチンをコールして、演算Avの変更に従いこの演算Avに対応する適切な演算Tvを求めて(S5227)、S5215に抜ける。
【0151】
そしてS5215において、図46に示すノーマルPシフト演算サブルーチンをコールして、プログラムシフトの有無をチェックする。すなわち、S4602において、アップ/ダウンレバー28によって撮影者が設定したプログラムシフト量を全プログラムシフト量として入れ、S4604において、プログラムシフトの方向によってセットされたPシフト方向ビットを全Pシフト方向ビットとして入れ(S4602、S4604)、S4603に進んで、Pシフト禁止フラグをチェックする。本実施例において、グリーンモードではプログラムシフトさせないため、図41A、41B、41C、41DのAE演算中で X=0 によってグリーンモードが選択されたときPシフト禁止フラグに“1”がセットされており、従って、プログラムシフト無しとしてS4603でリターンされる。また、ノーマルプログラム(P)モードではプログラムシフトさせるため、X=5 によってこのモードが選択されたときにS4135をジャンプして、Pシフト禁止フラグに“1”をセットしない。従って、プログラムシフト有りとしてチェックされ、S4603でリターンされることなく先のステップに進む。
【0152】
そして、S5217では、演算した演算Tvを、実際に制御で用いる値に変換し、制御Tvとしてボディ側CPU20のRAMに入れ、また演算した演算Avを、実際に制御で用いる値に変換し、制御AvとしてRAMに入れて、リターンする。
【0153】
次に、図41CのS4139で示したAUTO演算サブルーチンを、図53に示すフローチャートに沿って説明する。先ず、S5301において、図25のデータU/DサブルーチンのS2521でセットされるべきTvAvモードフラグをチェックし、このTvAvモードフラグに“1”がセットされている場合は、絞り優先が選択されたとしてS5311に進み、“0”がセットされている場合は、シャッタ速度優先が選択されたとしてS5303に進む。
【0154】
シャッタ速度優先時には、マニュアル設定された設定Tvを実際に制御で使用する制御Tvに入れる(S5303)。そして、設定Tvを演算用の値に変換して演算Tvに入れてCAL Avサブルーチンをコールし、演算Tvに対応する適切な演算Avを演算し、さらに、演算Avを制御Avに入れて(S5305〜S5309)、リターンする。また絞り優先時には、設定Avを制御Avに入れ(S5311)、設定Avを演算Avに入れてCAL Tvサブルーチンをコールして、演算Avに対応する適切な演算Tvを演算し、この演算Tvを制御Tvに入れて(S5313〜S5317)、リターンする。
【0155】
図41CのS4141で示したマニュアルサブルーチンを、図54に示すフローチャートに沿って説明する。先ず、S5401において、図25のデータU/DサブルーチンのS2521でセットされるべきTvAvモードフラグをチェックし、このTvAvモードフラグに“1”がセットされていれば、アップ/ダウンレバー28による絞り値の設定が可能な状態なのでS5419に進み、“0”がセットされていれば、アップ/ダウンレバー28によるシャッタ速度の設定が可能な状態なのでS5403に進む。
【0156】
シャッタ速度設定時には、1/2ずつのステップで処理される1/2系列値で設定された設定Tvを制御Tvに入れ、同様の1/2系列値で設定された設定Avを制御Avに入れる(S5403、S5405)。ここで、ハイパー(露出補正)スイッチ52のオンオフをチェックし、このハイパースイッチ52がオンされていなければ1/2系列値のままでリターンする。従って、この場合はマニュアル設定された1/2ずつのステップで処理される値に基づく制御Tv、Avにより撮影が行なわれる。
【0157】
他方、測光値に基づく適正露出値を得る等のためにハイパースイッチ88がオンされた場合は、1/2系列値の設定Tvを、1/8ずつのステップで処理される演算Tvに変換し、CAL Avサブルーチンをコールしてこの演算Tvに応じた適正な演算Avを求め、1/8ステップで処理される該演算Avを、実際に制御で使用する制御Avに入れる(S5409〜S5413)。このように、マニュアル露出モードでは、ハイパー釦52を押してハイパースイッチ88をオンしながらレリーズした場合に、精度の高い1/8ずつのステップでボディ側CPU20により演算された値に基づき露出することができる。
【0158】
また演算Avを設定Avに入れ、これを1/2系列化処理して(S5415〜S5417)リターンするから、この後のAv値は、1/2系列値でマニュアルアップダウンされる。
【0159】
1/2系列化処理とは、マニュアル演算時には1/2ずつのステップで処理するのに対し、オート演算時には1/8ずつのステップで処理するため、つまり、オート演算時にボディ側CPU20の演算により設定されるアペックス値のステップが、マニュアル設定可能なアペックス値のステップよりも小さいため、演算したアペックス値をマニュアル設定可能なアペックス値の1/2ステップに丸め込むことを言う。
【0160】
絞りマニュアル設定時には、1/2ずつのステップで処理される1/2系列値で設定された設定Avを制御Avに入れ、同様の1/2系列値で設定された設定Tvを制御Tvに入れる(S5419、S5421)。ここで、ハイパースイッチ52のオンオフをチェックし、該ハイパースイッチ88がオンされていなければ1/2系列値のままでリターンする。従って、この場合はマニュアル設定された1/2ずつのステップで処理される値に基づく制御Av、制御Tvにより撮影が行なわれる。
【0161】
他方、ハイパースイッチ88がオンされた場合は、上記1/2系列値の設定Avを、1/8ずつのステップで処理される演算Tvに変換し、CAL Tvサブルーチンをコールしてこの演算Avに応じた適正な演算Tvを求め、1/8ステップで処理される該演算Tvを、実際に制御で使用する制御Tvに入れる(S5425〜S5429)。このように、マニュアル露出モードでは、ハイパー釦52を押してハイパースイッチ88をオンしながらレリーズした場合に、精度の高い1/8ずつのステップでボディ側CPU20により演算された値に基づき露出することができる。
【0162】
また演算Tvを設定Tvに入れ、これを1/2系列化処理して(S5431〜S5433)リターンするから、この後のAv値は、1/2系列値でマニュアルアップダウンされる。
【0163】
『プログラム演算』
続いて、図41BのS4143で示したプログラム演算サブルーチンを、図42A、42Bのフローチャートに沿って説明する。このサブルーチンでは、人物モード、風景モード、動体モードおよび近接モードのうち、モード設定操作によって設定されたモードに応じて演算Tv、演算Avを求め、さらに、実際に制御で使用する制御Tvと制御Avに変換する。
【0164】
まず、S4201においてfv演算サブルーチンをコールし、 fv=log(焦点距離f)/log2の式により、撮影レンズ12の焦点距離検出機構102から入力した焦点距離fをアペックス値として利用できる値に変換して、変換焦点距離fvを求める。さらに、Tvf演算サブルーチンをコールし、 Tvf=(3/4)×fv+2 の式により、シャッタ速度の手振れ限界Tvfを求める(S4203)。またAvf演算サブルーチンをコールし、 Avf=AvMIN +1+Avfシフト Avfシフト= (5/4)×(6.5−fv) 但し、0≦Avfシフト≦2の式により、撮影最適Av値Avfを求める。この撮影最適Av値Avfは、背景をぼかしたい場合や、被写界深度を深くして全体をはっきり撮りたい等の場合に、焦点距離に基づいてそれぞれに最適な絞り値を決めるための値、つまり開放からどれだけ絞り込むかの絶対量のことである。
【0165】
S4207では、図41BのS4119〜S4133において設定した各AEモードに対応する係数a、b等を用い、 係数a×光量値Lv+係数bの式によって演算Tvを求める。
【0166】
選択されたモードの所定焦点距離におけるこの演算Tvを、カメラ固有の最小シャッタ速度TvMIN および最大シャッタ速度TvMAX とそれぞれ比較する(S4209、4211)。そして上記演算Tvが、最小シャッタ速度TvMIN より小さければ、この最小シャッタ速度TvMIN を演算Tvに入れ、実際にはそれより遅いシャッタ速度を設定しなければならないのに最小シャッタ速度TvMIN を設定したとして、Tvアンダーフラグに“1”をセットして(S4213)、S4217に進む。また上記演算Tvが、最大シャッタ速度TvMAX より大きければ、この最大シャッタ速度TvMAX を演算Tvに入れ、実際にはそれより速いシャッタ速度を設定しなければならないのに最大シャッタ速度TvMAX を設定したとして、Tvオーバーフラグに“1”をセットして(S4215)、S4217に進む。
【0167】
またS4209において、選択されたモードの所定焦点距離における演算Tvが、最小シャッタ速度TvMIN 以上で、最大シャッタ速度TvMAX 以下である場合は、TvアンダーフラグにもTvオーバーフラグにも“1”をセットせずにS4217に進む。S4217では、図44に示すCAL Av(Av演算)サブルーチンをコールして、上記演算Tvに基づきこの演算Tvに対応する適切な演算Avを求める。
【0168】
S4219では、CAL Tvサブルーチンで設定した演算Avが、選択されたモードにより演算された第1のAv境界AvL1 を越える値であるか否かをチェックする。この結果、演算Avが、第1のAv境界AvL1 を越えている場合は、S4243にジャンプしてPシフト演算処理を実行し、プログラムシフトの方向および量をチェックして、シフトするプログラムに適する演算Tvと演算Avを求める。また演算Avが、第1のAv境界AvL1 以下である場合は、S4221に進んで第1のAv境界AvL1 を演算Avに入れる。これによりAv値が決まるから、CAL Tvサブルーチン(図43)をコールして、この演算Av値に応じたTv値を求める(S4223)。
【0169】
S4225ではさらに、S4223で求めた演算Tvを、S4203で演算した第1のTv境界TvL1 と比較する。この結果、演算Tvが第1のTv境界TvL1 を越えていればS4243にジャンプしてPシフト演算処理を実行し、プログラムシフトの方向および量をチェックして、シフトするプログラムに適する演算Tvと演算Avを求める。また演算Tvが、第1のTv境界TvL1 以下である場合は、S4227に進んで第1のTv境界TvL1 の値を演算Tvに入れる。これによりTv値が決まるから、S4229においてCAL Avサブルーチンを再度コールし、この演算Tvに応じた演算Avを演算する。
【0170】
さらに、この演算Av値が第2のAv境界AvL2 より大きいか否かをチェックし(S4231)、演算Avが第2のAv境界AvL2 を越えていればS4243にジャンプし、そうでなければS4233に進んで、第2のAv境界AvL2 の値を演算Avとして設定する。これにより演算Avが決まるから、S4235においてCAL Tvサブルーチンを再度コールして、演算Avに応じた演算Tvを演算する。さらに、この演算Tvを最小シャッタ速度TvMIN と比較して(S4237)、演算Tvが最小シャッタ速度TvMIN より大きければS4243にジャンプし、そうでなければこの最小シャッタ速度TvMIN を演算Tvに入れる。これによりTv値が決まるから、CAL Avサブルーチンを再度コールして(S4241)、この演算Tvに応じた演算Avを求める。
【0171】
S4243では、P(プログラム)シフト演算サブルーチンをコールし、ROMに予め設定入力されているプログラム線のシフト量を求め、さらに、演算Tvを実際に制御に使う制御Tvとして設定し、また演算Avを実際に制御に使う制御Avとして設定して(S4245)、リターンする。
【0172】
『CAL Tv』
次に、図43のフローチャートに沿って、適正なTv値の設定およびTv値を制御可能な範囲に規制する処理であるCAL Tv(Tv演算)サブルーチンを説明する。先ず、TvアンダーフラグおよびTvオーバーフラグをクリアして(S4301)、 光量値Lv−演算Avの式によって求まる値を、演算Tvに入れる(S4303)。
【0173】
この演算Tvを、カメラ固有の最小シャッタ速度TvMIN と最大シャッタ速度TvMAX と比較する(S4305、4307)。この結果、演算Tvが、最小シャッタ速度TvMIN より小さければ、この最小シャッタ速度TvMIN を演算Tvとして設定し、実際にはそれより遅いシャッタ速度を設定しなければならないのに最小シャッタ速度TvMIN を設定したとして、Tvアンダーフラグに“1”をセットして(S4309)、リターンする。また演算Tvが、最大シャッタ速度TvMAX より大きければ、この最大シャッタ速度TvMAX を演算Tvに設定して、実際にはそれよりシャッタ速度を速く設定しなければならないのに最大シャッタ速度TvMAX を設定したとして、Tvオーバーフラグに“1”をセットして(S4311)、リターンする。
【0174】
またS4305において、上記演算Tvが、最小シャッタ速度TvMIN 以上の場合にはS4307に進み、さらに演算Tvが、最大シャッタ速度TvMAX 以下である場合は、リターンする。従って、このCAL Tvサブルーチンによって、AE演算プログラムシフトで使用されるシャッタ速度を、制御可能な範囲に制限する。
【0175】
『CAL Av』
続いて、図44のフローチャートに沿って、適正なAv値の設定およびAv値を制御可能な範囲に規制する処理であるCAL Av(Av演算)サブルーチンを説明する。先ず、S4401において、AvアンダーフラグおよびAvオーバーフラグをクリアして、 光量値Lv−演算Tvによって求まる値を、演算Avに設定する(S4403)。
【0176】
この演算Avを、最小絞り値AvMIN と最大絞り値AvMAX と比較する(S4405、4407)。この結果、演算Avが最小絞り値AvMIN より小さければ、この最小絞り値AvMIN を演算Avに設定し、実際にはもっと絞り込まなければならないのに最小絞り値AvMIN を設定したとして、Avアンダーフラグに“1”をセットして(S4409)、リターンする。また演算Avが最大絞り値AvMAX より大きければ、この最大絞り値AvMAX を演算Avに設定し、実際にはそれより絞りを開けなければならないのに最大絞り値AvMAX を設定したとして、Avオーバーフラグに“1”をセットして(S4411)、リターンする。
【0177】
またS4405において、上記演算Avが、最小絞り値AvMIN 以上の場合にはS4407に進み、さらに演算Avが、最大絞り値AvMAX 以下である場合は、リターンする。従って、このCAL Avサブルーチンによって、AE演算プログラムシフトで使用される絞り値を、制御可能な範囲に制限する。
【0178】
『Pシフト演算』
図42A、42Bに示したP(プログラム)シフト演算サブルーチンを、図46に示すフローチャートに沿って説明する。先ず、S4601においてサブPシフトサブルーチンをコールして、学習プログラム線のシフト量およびシフト方向を求める。これにより、全プログラムシフト量が求まったら、Pシフト禁止フラグをチェックして(S4603)、Pシフト禁止フラグに“1”がセットされていればリターンして抜け、プログラムシフトは行なわない。同フラグに“0”がセットされていればS4605に進んで、全体のプログラムシフト量が0であるかどうかチェックする。全体のプログラムシフトシフト量が0、つまりプログラム線をシフトしなくてよいとされればリターンし、そうでなければ、つまりプログラム線をシフトするのであれば、全Pシフト方向ビットをチェックしてシフト方向を判断する(S4607)。
【0179】
この結果、全Pシフト方向ビットに“1”がセットされ、シフト方向は負、つまり例えば図48A、48Bに示すプログラム線を図中左上方向にシフトするとされている場合は、演算Tvから全Pシフト量を引いた値を演算Tvに設定してシャッタ速度を遅く設定する(S4623)。さらに、この演算Tvが最小シャッタ速度TvMIN より小さいか否かをチェックし、小さければ演算Tvに最小シャッタ速度TvMIN を設定し(S4627)、そうでなければS4615に抜ける。
【0180】
またS4607において、全Pシフト方向ビットに“0”がセットされて、シフト方向は正、つまり例えば図48A、48Bに示すプログラム線を図中右下方向にシフトするとされている場合は、S4609に進んで、演算Tvに全Pシフト量を足した値を設定し、シャッタ速度を速く設定する。さらに、この演算Tvが最大シャッタ速度TvMAX より大きいか否かをチェックし(S4611)、大きければ演算Tvに最大シャッタ速度TvMAX を設定し(S4613)、そうでなければS4615に抜ける。
【0181】
S4615では、図44に示すCAL Avサブルーチンをコールして演算Avを演算し、さらに、S4617とS4619において、AvオーバーフラグとAvアンダーフラグをチェックする。この結果、Avオーバーフラグに“1”がセットされている場合、およびAvアンダーフラグに“1”がセットされている場合は、それぞれS4621に進んでCAL Tvサブルーチンをコールし、そのときの演算Avに応じたTv値を演算する。また、AvオーバーフラグにもAvアンダーフラグにも“0”がセットされていれば、そのままリターンする。
【0182】
図48Bに示すプログラム線は、上記図48Aで説明した人物モード時のものをより詳細に示したものであり、その特徴は次の通りである。
■ワイド側においてもテレ側においても、第1の手振れ限界Tvf(=TvL1 )がそれぞれに設定されている。
■ワイド側は、集合写真、風景中の人物の撮影に適するように設定されており、絞りを絞り込んで風景と人物の両方をシャープに表現することができる。
■テレ側は、ポートレート、バストアップの撮影に適するように設定されており、絞りを開けて人物を浮かび上がらせる。
■通常撮影領域において、絞り制御レベルを逆転させている。
【0183】
このように、人物モードに関するプログラム線は、ワイド側およびテレ側において、低速シャッタ速度域から手振れ限界までを絞り開放に設定され、手振れ限界において、シャッタ速度を固定し、絞りを所定の値まで変化させるように設定されているから、ポートレートに限らず人物撮影全般に対応させることができ、手振れ防止等も配慮した人物モードのプログラム線を備えたカメラを提供することができる。また手振れ限界における絞り値の変化を、ワイド側において3段絞り込み、テレ側において1段絞り込むように設定しているから、ワイド側を、集合写真、風景中の人物の撮影に適するように設定することができ、絞りを絞り込んで風景と人物の両方をシャープに表現することができる。
【0184】
また、図49Bに示すプログラム線は、図49Aに示す風景モード時のものをより詳細に示したものであり、その特徴は次の通りである。
■近景から遠景まで、焦点距離に拘わらずピントのあった写真を撮ることができる。
■低輝度域では、開放から一段絞り込んだ絞り優先とされ、第2の手振れ限界fvから最小絞りまで絞り込む。
■開放から一段絞り込むことによって、周辺光量不足の解消、像性能の向上を達成する。
【0185】
このように、風景モードのプログラム線において、絞りは、低シャッタ速度域から手振れ限界付近まで、焦点距離に拘わらずその焦点距離における開放絞り値より1段絞り込まれるように設定されている。例えば焦点距離28mmにおいては、その開放絞り値とされるAvL2 より1段絞り込まれている。
【0186】
また風景モードのプログラム線は、手振れ限界付近以降のGで示す部分では、露出値Evは6/2の傾きで変化するように設定されている。これはつまり、上述したように、 Tv値=係数a×光量値Lv+係数bとされ、風景モードではS4223において係数aに2/8が入れられるため、光量値Lvが1増加するときTv値は2/8だけ増加する。また、 Av値=光量値Lv−Tv値であるから、光量値Lvが1増加するときAv値は6/8だけ増加する。従ってAv値とTv値は6:2の比率で変化、つまりプログラム線は6/2の傾きをもって変化する。なお、同図において( )内に付した数字は、シャッタ速度および絞りにそれぞれ対応させたアペックス値であり、このアペックス値は、図48B、図50B、図51B、図52Bおよび図55Cにおいても同様の意味を持つ。
【0187】
さらに、図50Bに示すプログラム線は、図50Aに示す動体モード時のものをより詳細に示したものであり、その特徴は次の通りである。
■第3の手振れ限界Tvf+1を設定し、手振れ限界Tv値を第1の手振れ限界より1段アップさせている。
【0188】
また、図51Bに示すプログラム線は、図51Aに示す近接モード時のものをより詳細に示したものであり、その特徴は次の通りである。
■低輝度域において、ワイド側/テレ側とも、開放より一段絞り込みの絞り優先のプログラムとしている。
■手振れ限界からは、焦点距離に拘わらずF8に設定する。
【0189】
このように、近接モードに関するプログラム線は、低速シャッタ速度域から手振れ限界まで絞りを所定値に固定し、この手振れ限界で略1段だけ絞りを変化させてF8に固定し、このF8で手振れ限界以降の制御を行なうように設定されているから、ズームレンズのマクロ域のみならず、近接モードとしてマクロレンズにも適用できる露出モードを有するカメラを得ることができる。また、絞りは、F8からやや上下させた値に設定することも可能である。
また、近接撮影では被写界深度が浅くなることにより絞り込み過ぎによってシャッタ速度が遅くなり、手振れや被写体振れを起こし易いが、本実施例では、手振れが最も生じ易い手振れ限界でシャッタ速度を固定して絞り値を略1段だけ絞り込み、手振れ限界以降ではこの絞り値で制御するから、上記した手振れや被写体振れを回避することができる。
【0190】
『サブPシフト』
ここで、図46のS4601で示したサブPシフトサブルーチンを、図45に示すフローチャートに沿って説明する。このサブルーチンにおいては、学習による原点のシフト量およびプログラム線のシフト量、つまりプログラム全体のシフト量を求める。
【0191】
S4501において、メインスイッチ110をピクチャーポジションに切り換えたときに設定変更可能となる、グリーンモード、人物モード、風景モード、動体モードおよび近接モードの5つモードは X=0〜4 にそれぞれ対応して設定されているため、実際にプログラム線をシフトさせるべき人物モード(図48A、48B)、風景モード(図49A、49B)、動体モード(図50A、50B)および近接モード(図51A、51B)を選択する場合には、X=0〜4 に対応する5つのAEモードナンバーから1を引いた値、つまりAEモード−1をXに設定する。
【0192】
さらに、それぞれ読み込んだ値と対応する原点シフト量および原点方向ビットを、RAMから読み込み(S4503、S4505)、さらに、Pシフト方向ビットをチェックして、プログラムシフトの方向は正であるのか負であるのかを見る(S4507)。正であればS4511にジャンプするが、負であれば、プログラムシフト量が負であるとして、これを負変換つまり絶対値を負の値に変換する(S4509)。
【0193】
S4511では、原点方向ビットにより「学習」によって原点がどのように変化されたかをチェックする。この結果、原点シフト方向が負であれば、負変換つまり絶対値処理された原点シフト量を負の値に変換して用い、原点シフト量が正であれば、負変換せずにそのまま用いる(S4513)。
【0194】
そして、プログラムシフト量に原点シフト量を足すことによってプログラム線全体のシフト量を求める(S4515)。さらにS4517において、全体のシフト量が0より小さいか否かをチェックし、小さければS4517に進んで、全体のプログラムシフト量を絶対値処理して、全Pシフト方向ビットに“1”をセットする。またS4515において、全体のシフト量が0以上であれば、リターンする。なお、上記絶対値処理は、演算用露出因子の値が負になるのを防ぐとともに、各露出因子の精度を1/8Ev ステップに揃えて、演算の精度を考慮することなく、加減算のアペックス演算を容易にするためのものである。
【0195】
『CHK TvAv』
図41DのS4145で示した、演算Tv、演算Avが限界値であるか否かを検出する処理であるCHK TvAvサブルーチンを、図47に示すフローチャートに沿って説明する。先ず、S5701では、各モードにおいて算出された制御用のTv値と最大シャッタ速度TvMAX が等しいか否かを判断し、等しければ最大シャッタ速度TvMAX フラグに“1”をセットし(S4703)、そうでなければS4705にジャンプする。S4705において、各モードにおいて算出された制御用のTv値と最小シャッタ速度TvMIN が等しいか否か判断し、等しければ最小シャッタ速度TvMIN フラグに“1”をセットし(S4707)、そうでなければS4709にジャンプする。
【0196】
S4709において、各モードにおいて算出された制御用のAv値と最大絞り値AvMAX が等しいか否か判断し、等しければ最大絞り値AvMAX フラグに“1”をセットし(S4711)、そうでなければS4713にジャンプする。S4713において、各モードにおいて算出された制御用のAv値と最小絞り値AvMIN が等しいか否か判断し、等しければ最小絞り値AvMIN フラグに“1”をセットして(S4715)、そうでなければリターンする。
『学習』
【0197】
次に、本考案の特徴である学習に関する処理について、さらに図55〜図59及び図85〜図90を参照して説明する。
本考案の学習は、プログラム露出モードにおけるプログラムシフト状況に関するものである。つまり、撮影者が自己の嗜好等に応じてプログラムをシフトさせた状態でレリーズしたときにそのレリーズ回数をカウントし、カウント回数が所定回数以上になったときに、そのシフト方向にプログラム線を所定量シフトさせるデータを学習データとして保存する。そして、この保存後はこの学習データに基づいて得られる学習プログラム線に沿ったシャッタ速度及び絞り値を設定し、さらに、この学習プログラム線を基準にして上記プログラムシフト及び学習保存を実行する構成である。
【0198】
本実施例におけるプログラムシフトとは、通常のプログラム露出処理で得られるプログラム線(デフォルトプログラム線)を、露出値Evラインに沿って平行移動させてシャッタ速度と絞り値の組み合わせを変えることをいう。例えば、図55Cに示した開放F値3.5、最小絞りF値22の撮影レンズにおけるプログラム線図において、デフォルトプログラム線■を正方向に0.5Tvまたは1.
0Tv分プログラムシフトさせるとプログラム線■または■になり、逆に負方向に0.5Tvまたは1.0Tv分プログラムシフトさせるとプログラム線■または■になる。ただし、シャッタ速度または絞り値が制御可能な範囲を越える場合、例えばEv=9、学習プログラム線■の場合は絞り値が開放値に達しているので、ここから正方向にはプログラムシフトできないので、学習はしない。なお、シャッタ速度Tvを所定値加算すると、絞り値Avは所定値減算される。
【0199】
また、デフォルトプログラム線上の点を原点とし、この原点を露出値Ev線に沿って学習プログラム線まで移動することを原点移動、原点シフトといい、この原点移動によって変化するシャッタ速度Tvの移動量を原点移動量またはシフト量といい、デフォルトプログラム線から学習プログラム線の方向を原点方向、学習プログラム線上の点を学習原点という。なお、図55Cには、本考案のプログラムシフト動作の理解を容易にするために単純なプログラム線図を示してあるが、本考案はこれに限定されず、本実施例では人物モード、風景モード、動体モード及び近接モードにおいてそれぞれプログラムシフト及び学習ができる。
【0200】
この一眼レフカメラでは、アップ/ダウンレバー28(アップ、ダウンスイッチ78、80)の操作によりプログラム(P)シフト量及びプログラム(P)シフト方向を設定し(図27参照)、測光スイッチ70がオンしたときに、通常のプログラム演算処理で得られたシャッタ速度Tvをプログラムシフト量分変更して、変更後のシャッタ速度Tv及び適正露出値Evに基づいて再度適正絞り値Avを演算する構成である。
本実施例では、人物モード、風景モード、動体モード及び近接モードの4個のプログラム露出モード毎に独立した学習機能を備え、4個の露出モードの中のいずれかが選択されているときに、学習機能が独立して作用する。
【0201】
図58、59には、学習機能に必要な各種データ及びこれらをメモリするEEPROM106及びRAMの領域、データ形式及びこれらの関係、及びRAMのフォーマットを示してある。学習に必要なデータとしては、原点シフト量、原点方向、学習レリーズ回数、学習前回方向、プログラムシフト量及びプログラムシフト方向がある。
【0202】
プログラムシフト量とは、基準となるプログラム線からシフトさせるシャッタ速度Tvの絶対値であって、高速シャッタ側(0を含む)を正(+)、低速シャッタ側を負(−)として正負をPシフト方向ビット(正は“0”、負は“1”)
により識別する。基準となるプログラム線は、学習結果が保存されているときには学習プログラム線を基準とし、保存されていないときにはデフォルトプログラム線を基準とする。原点シフト量とは、学習により保存された学習プログラム線におけるシャッタ速度Tvとデフォルトプログラム線におけるシャッタ速度Tvとの差であって、大きさは絶対値で表わし、デフォルトプログラム線を基準として学習プログラム線がデフォルトプログラム線よりも高速シャッタ側にある場合を正、低速シャッタ側にある場合を負としてその正負を原点方向ビット(正:“0”、負:“1”)により識別する。学習レリーズ回数は、露光が終了する毎に、今回のプログラムシフト方向と前回のプログラムシフト方向が同一であることを一つの条件としてカウントアップする構成で、前回のプログラムシフト方向を学習前回方向ビット(正:“10”、負:“01”)により識別する。
【0203】
上記原点シフト量、原点方向ビット、学習レリーズ回数、学習前回方向ビットの4種類のデータをメモリする領域として、4個のプログラム露出モードのそれぞれについて、EEPROM106に2バイト{STDYCNT(X)、GENPSFT(X)}及びRAMに対応する2バイト{STDYCNT(X)、GENPSFT(X)}を用意し、さらに共通データ領域としてRAMに4バイト(ALLPSFT、SETPSFT、STDYCNT及びGENPSFT)を用意してある。プログラムシフト量はSETPSFTの0〜6ビットを、プログラムシフト方向はSETPSFTの7ビット目を使用し、原点シフト量はGENPSFTの0〜6ビットを、原点方向ビットはGENPSFTの7ビット目を使用し、学習レリーズ回数はSTDYCNTの0〜5ビットを、学習前回方向ビットはSTDYCNTの6及び7ビット目を使用している。さらに、全プログラムシフト量(原点からのプログラムシフト量)はALLPSFTの0〜6ビットを、全シフト方向ビットはALLPSFTの7ビット目を使用している。
【0204】
『学習表示態様』
図85〜図90には、EV=13のときのプログラムシフト状況及び学習状況に関する外部表示LCDパネル34の表示態様を示している。これの表示は、図29のPシフトグラフ表示処理により図31のPシフト表示テーブルに基づいて制御される。
図85、図86および図90は、原点マーク58h上の黒丸58fにより、学習していない状態または学習プログラム線がデフォルトプログラム線と一致している状態を表示している。また、図85は、プログラムシフト量が0の状態を示していて、原点マーク58h上の黒丸58fのみが点灯している。図86は、プログラムシフト量が+1.0Tv(−1.0Av)の状態を示していて、点滅している黒丸58fがシフト値を表示し、点滅している黒丸58fとは反対側の黒丸58fが原点を表示している。図90は、プログラムシフト量が−1.0Tv(+1.0Av)の状態を示していて、左端の点滅している黒丸58fがシフト値を表示し、右端の黒丸58fが学習原点を表示している。
図87〜89は、学習原点が+0.5Tv(−0.5Av)であること、つまり、+0.5Tv(−0.5Av)シフトした学習プログラム線(データ)がメモリされていることを表示している。そして、図87は+0.5Tvプログラムシフトしている状態を、図88はシフト量が0の状態を、図89は−1.5Tvプログラムシフトしている状態をぞれぞれ表示している。
なお、図示しないが、ファインダ内表示LCDパネル62にも、外部表示LCDパネル34の三角マーク58h、目盛58gおよび黒丸58fに対応する三角マーク58h、目盛58gおよび黒丸58fがそれぞれ対応する態様で表示される。
【0205】
『学習演算処理』
学習処理について、図55〜図57に示したフローチャートを参照してより詳細に説明する。図55A、55Bは、学習演算処理に関するフローチャートであり、これは、図14のレリーズ処理のステップS1415においてコールされるサブルーチンである。本実施例では、同一方向のプログラムシフトで所定回数学習レリーズがされたときに学習保存、つまり学習プログラム線の変更を実行する構成である。
【0206】
学習演算処理に入ると、先ず、学習ピクチュア56Sの点灯制御を行なう学習RUNフラグをクリアし、学習モードかどうか(学習モードフラグが“1”かどうか)、プログラムシフト量が0かどうかをチェックし、学習モードではない(学習モードフラグが“0”)か、学習モードでもプログラムシフト量が0であれば、学習レリーズ回数のカウントはしないのでレリーズ処理サブルーチンにリターンする(S5501〜S5505)。
【0207】
学習モードフラグが立ち、かつプログラムシフト量が0でないときには学習レリーズ回数カウントのために、プログラムシフト量が図26の学習変化レベル変更処理で設定された学習変化レベルよりも大きいかどうかを比較し、学習変化レベルよりも大きければ学習レリーズ回数1の回数を変化レリーズ回数にセットし、学習変化レベル以下であれば学習変化回数2の回数を変化レリーズ回数にセットする(S5503、S5505及びS5507、S5509またはS5507、S5511)。
【0208】
次に、選択されているプログラム露出モード(AEモードナンバーXから1を引いたX)に対応するRAM領域STDYCNT(X)、GENPSFT(X)
から、原点シフト量、原点方向ビット、学習レリーズ回数及び学習前回方向ビットを読み出して、原点シフト量及び原点方向ビットはRAM領域GENPSFTに、学習レリーズ回数及び学習前回方向ビットはRAM領域STDYCNTにメモリする(S5513〜S5521)。
そして、学習RUNフラグをセットし、学習レリーズ回数を1回加算して学習レリーズ回数が変化レリーズ回数未満かどうかをチェックし、未満であれば学習レリーズ回数をカウントするためにS5529に進み、以上であれば学習アップダウン処理のために図57A、57Bの学習U/D処理に進む(S5523〜S5527)。
【0209】
学習レリーズ回数が変化レリーズ回数未満であれば、プログラムシフト方向が前回のプログラムシフト方向(学習方向)と変わっていないこと(Pシフト方向ビットが“1”かつ学習前回方向ビットが“01”、またはPシフト方向ビットが“0”かつ学習前回方向ビットが“10”であること)を条件に、そのまま学習ストア2処理に進む(S5529、S5531またはS5529、S5553)。つまり、同一のプログラムシフト方向(またはシフト量が0)の状態でレリーズされるとレリーズされる毎に学習レリーズ回数をカウントアップし、プログラムシフト方向が変わったときには、学習レリーズ回数に1をセットして改めて同一のプログラムシフト方向(またはPシフト量が0)の状態でレリーズされる毎に学習レリーズ回数をカウントアップするのである。
【0210】
前回の学習方向(プログラムシフト方向)が負で今回のプログラムシフト方向が正のときには、プログラムシフト方向が負から正に変わったので新たに学習を開始するために学習リセット1処理に進み、学習レリーズ回数を1回にし、学習前回方向ビットに“10”(正)をセットして学習レリーズ回数及び学習前回方向ビットのみを更新する学習ストア2処理に進む(S5529、S5531、S5541)。逆に、前回の学習(プログラムシフト)方向が正で今回のプログラムシフト方向が負のときには、プログラムシフト方向が正から負に変わったので、新たに学習を開始するために学習リセット2処理に進み、学習レリーズ回数を1回にし、学習前回方向ビットに“01”(負)をセットして学習ストア2処理に進む(S5529、S5533、S5551)。
【0211】
『学習ストア2処理』
学習ストア2処理は、学習レリーズ回数及び前回学習方向ビットを更新して保存する処理であり、原点シフト量及び原点方向ビットは変更しない。すなわち、学習レリーズ回数及び学習前回方向ビットをそれぞれ、現プログラム露出モード(AEモードナンバーX)に対応するRAMメモリ領域(X)の所定ビットにメモリする(S5611、S5613)。そして、学習に関するRAMメモリ領域(X)の内容を、EEPROM106の対応する2バイトのメモリ領域に書込んでからリターンする(S5615)。
【0212】
『学習アップダウン処理』
学習レリーズ回数が変化レリーズ回数以上になったときに学習結果を保存、つまり原点シフトを実行する学習U/D処理について、図57A、57Bに示したフローチャート及び55Cに示したプログラム線図を参照して説明する。この学習U/D処理に入ると、先ず、プログラムシフト方向をチェックし、今回のプログラムシフト方向が正(Pシフト方向ビットが“0”)のときには学習アップ処理を、今回のプログラムシフト方向が負(Pシフト方向ビットが“1”)のときには学習ダウン処理を実行する。デフォルトプログラム線または学習プログラム線を■、プログラムシフト量を0とすると、外部表示LCDパネル34には、原点表示マーク(三角マーク)58hの上方の黒丸58fが点灯する。なお、図85〜図90の表示は、Ev(Lv)=13のときのものである。
【0213】
『学習アップ処理』
学習アップ処理では、先ず前回の学習方向(プログラムシフト方向)をチェックし、前回の学習方向が負(学習前回方向ビットが負“10”)、つまり今回のプログラムシフト方向が前回と変わっていたときには、原点シフト量及び原点方向ビットの更新は行なわないので学習リセット1処理に進む(S5711)。例えば、図55Cにおいて、現在の学習プログラム線を■とすると、前回のプログラムシフトが−0.5、−1.0Tvまたはそれ以下(■または■方向)であり、今回のプログラムシフトが+0.5、+1.0Tvまたはそれ以上(■または■方向)の場合である。例えば、前回が図90に示すシフト状態で、今回が図86に示すシフト状態のときである。
【0214】
前回とプログラムシフト方向が同一の場合、または前回はプログラムシフトを行なっていない場合(シフト量が0)には学習レリーズ回数に0を入れ、学習前回方向ビットに“01”を入れてS5715〜S5727の原点シフト量設定及びプログラムシフト量設定ステップに進む(S5711、S5713)。例えば、現在の学習プログラムラインを■とすると、前回のプログラムシフトが0、+0.5、+1.5Tvまたはそれ以上(■、■または■方向)で、今回のプログラムシフトが+0.5Tvまたはそれ以上(■方向)の場合である。デフォルト(学習)プログラム線が■、プログラムシフトが+1.0Tvのときには、図86のように表示される。
【0215】
そして、原点方向に応じて、つまり学習プログラム線がデフォルトプログラム線に対して正方向にあるか(一致している場合も含む)、または負方向にあるかに応じて原点シフト量を0.5Tv分加減算する(S5715、S5717、S5719またはS5715、S5721)。
【0216】
学習プログラム線がデフォルトプログラム線よりも正方向にシフトしているとき(つまり原点方向ビットが正“0”)、かつシフト量が2未満のときには、原点シフト量を0.5Tv分加算する(S5715〜S5719)。そして、原点シフト量に加算した0.5Tv分をプログラムシフト量から減算して学習ストア1処理に進む(S5727)。なお、本実施例では原点シフト量の最大値を2Tvに限定しているので、原点シフト量が2Tv以上になっているときには原点シフト(学習プログラム線のシフト)は実行せずにS5717から学習ストア1に進む。
以上のアップ処理により、例えば、デフォルトプログラム線が■、学習プログラム線が■で、プログラムシフトが+0.5Tv(■方向)の場合には、学習プログラム線が■から■に変わる。デフォルト(学習)プログラム線が■、プログラムシフトが+1.0Tvのときの図86の状態から原点シフト量を+0.5Tv加算すると、黒丸58fの点灯は図87に示すように変わり、プログラム線が+0.5Tv分シフトした学習プログラム線■に代わり、プログラムシフトが+0.5Tvであることを示す。また、プログラムシフトクリア処理がなされたときには、学習プログラム線■からのプログラムシフト量がクリアされ、図88に示すように表示される。
【0217】
学習プログラム線がデフォルトプログラム線よりも負方向にシフトしているとき、つまり原点方向ビットが“1”のときには、原点シフト量を0.5Tv分減算する(S5715、S5721)。そして、原点シフト量が0になれば原点方向ビットに“0”を入れ、原点シフト量が0にならなければそのまま、プログラムシフト量を0.5Tv分減算して学習ストア1処理に進む(S5723、S5725、S5727またはS5723、S5727)。
以上のアップ処理により、例えば、デフォルトプログラム線が■、現在の学習プログラム線が■で、プログラムシフトが+0.5、+1.0、+1.5Tvまたはそれ以上(■、■、■方向)の場合には、新たな学習プログラム線が■に変わる。
【0218】
『学習ダウン処理』
学習ダウン処理には、ステップS5701においてプログラムシフト方向が負(Pシフト方向ビットが“1”)であったときに入る。
学習ダウン処理では、先ず、プログラムシフト方向が前回と変わったかどうかを前回学習方向ビットによりチェックし、プログラムシフト方向が前回と変わっていれば(前回学習方向ビットが“01”)、学習リセット処理2に進んで学習内容の更新は行なわない(S5731)。
プログラムシフト方向が前回と変わっていなければ(前回学習方向ビットが“10”)、学習レリーズ回数を0にし、学習前回方向ビットに負“01”を入れる(S5733)。
【0219】
そして、原点方向に応じて、つまり、学習プログラム線がデフォルトプログラム線よりも負方向、または同一あるは正方向にあるかに応じて原点シフト量を加減算する(S5735、S5737またはS5735、S5743、S5745)。
【0220】
原点方向が正のときには、原点シフト量を0.5Tv減算する(S5735、S5737)。ここで、減算後の原点シフト量が0未満(−0.5Tv)になることがあるので、原点シフト量が0未満になったかどうかをチェックし、0未満のときには原点シフト量の絶対値処理を行ない、原点方向ビットを“1”(負)
に変更してS5747に進み、減算後の原点シフト量が0以上のときにはそのままS5747に進む(S5739、S5741)。
以上のダウン処理により、例えば、デフォルトプログラム線が■、学習プログラム線が■で、プログラムシフトが−0.5、−1.0、−1.5Tvまたはそれ以下(■、■、■方向)の場合、新たな学習プログラム線が■になる。学習プログラム線が■で、プログラムシフトが−1.5Tvのときの表示を図89に示し、この状態で学習されて学習プログラム線が■になったときの表示態様を図90に示してある。
【0221】
原点方向が負のときには、原点シフト量が限界値(2Tv)を越えることがあるので限界値以上かどうかをチェックし、限界値(2Tv)未満であれば原点シフト量に0.5Tv加算し、プログラムシフト量から0.5Tv減算してS5749に進み、限界値以上であればS5749に飛ぶ(S5735、S5743〜S5747、S5749またはS5735、S5743、S5749)。
以上のダウン処理により、例えば、デフォルトプログラム線が■、学習プログラム線が■で、プログラムシフトが−0.5Tvまたはそれ以下(■方向)の場合、新たな学習プログラム線は■になる。
【0222】
そして、S5747において減算したプログラムシフト量が0になることがあるので、0になったときにはPシフト方向ビットを“0”(正)に変更して学習ストア1に進み、プログラムシフト量が0ではないときにはそのまま学習ストア1に進む(S5749、S5751)。
【0223】
『学習ストア1、2』
次に、学習状況をEEPROM106に保存する学習ストア1処理について、図56を参照して説明する。先ず、上記学習アップダウン処理により設定した原点シフト量及び原点方向ビットをそれぞれ、現プログラム露出モードに対応するRAMのメモリ領域STDYCNT(X)、GENPSFT(X)の所定ビットにメモリしてから学習ストア2処理に進む(S5601、S5603)。
【0224】
学習ストア2処理では、さらに学習レリーズ回数及び学習前回方向ビットをそれぞれ、現プログラム露出モードに対応するRAM領域(X)の所定ビットにメモリする(S5611、S5613)。そして、学習に関するRAMメモリ領域STDYCNT(X)、GENPSFT(X)の内容を、EEPROM106の対応する2バイトのメモリ領域STDYCNT(X)、GENPSFT(X)に書込んでから、リターンする(S5615)。
【0225】
以上の通り、本考案の学習機能を搭載した一眼レフカメラによると、撮影者がプログラム露出モードとして人物モード、風景モード、動体モードまたは近接モードを選択しかつ学習モードを選択し、さらにプログラムを正または負方向にシフトさせた状態で所定回数レリーズすると、プログラム線がそのシフトした方向に0.5Tvステップでシフト(原点移動)し、シフト後はこのシフトした学習プログラム線を基準としてシャッタ速度及び絞り値を設定し、プログラムシフト及び学習を行なう。つまり本実施例の一眼レフカメラは、撮影者がプログラムをシフトしてレリーズすると、レリーズ毎にそのシフト傾向を学習し、所定回数学習したときに、その学習結果を更新(保存)してこの学習結果に基づいてシャッタ速度及び絞り値を設定し、また新たに学習を実行する。
【0226】
以上、本実施例の説明では、プログラムシフト量及び学習変化回数の組み合わせを選択できる構成としたが、組み合わせはこれに限定されず、シフト量及び学習変化回数を別個に選択できる構成でもよく、学習回数を所定シフト量を境に2段階に変化させているが、3段階以上あるいはシフト量に応じて学習回数を変える構成も可能である。
【0227】
また、本実施例では0.5Tvステップ単位で学習を変更しているが、この値に限定されない。例えば、1.0Tvステップでも、0.3Tvステップでもよく、また、特定のTv値に飛ばす構成でもよい。また、本実施例では、シャッタ速度Tvを優先してプログラム処理、プログラムシフト処理、学習保存処理を実行しているが、絞り値Avの方を優先して上記各処理を実行することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案に係るカメラが適用される一眼レフレックスカメラのカメラボディの一実施例の構成を示す正面図である。
【図2】図1に示すカメラボディの上面形状を示す平面図である。
【図3】図1に示すカメラボディの背面形状を示す背面図である。
【図4】図1に示すカメラボディに設けられた外部表示LCDパネルを全点灯状態で示す図である。
【図5】図4に示す外部表示LCDパネルにおける固定表示内容を取り出して示す図である。
【図6】図4に示す外部表示LCDパネルの構造を示す縦断面図である。
【図7】図1に示すカメラボディの接眼ファインダ部内に配設されたファインダ内表示LCDパネルを全点灯状態で示す図である。
【図8】図1に示すカメラボディに配設されたシャッタ釦、アップ/ダウンレバー、Tv/Av釦の取り付け態様を側面から見た状態で示す縦断面図である。
【図9】図8に示すアップ/ダウンレバーの取り付け態様を正面から見た状態で示す縦断面図である。
【図10】図1に示すカメラボディに配設されたドライブ釦及びモード釦の取り付け態様を正面から見た状態で示す縦断面図である。
【図11】この一実施例の一眼レフレックスカメラにおける制御系の概略構成を示すブロック図である。
【図12】図11に示すボディ側CPUで実行される制御手順のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図13A】、
【図13B】リスタートがコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図14】レリーズ処理がコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図15】SW操作表示ループがコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図16A】、
【図16B】、
【図16C】、
【図16D】SW操作表示1がコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図17】PFループがコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図18】PF表示処理がコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図19A】、
【図19B】PFループ1がコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図19C】PFモードUPがコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図20】PFオールクリアがコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図21】PFキャンセル処理がコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図22】U/Dループがコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図23】UPループがコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図24】DOWNループがコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図25】データU/Dがコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図26】PFデータU/Dがコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図27】PシフトU/Dがコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図28】露出補正U/Dがコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図29】Pシフトグラフ表示がコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図30】露出補正表示がコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図31】Pシフト表示テーブルを示す図である。
【図32】PFタイマ表示がコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図33】PICTモードとFULLモードとにおけるデータ形式を示す図である。
【図34】AEモードU/Dがコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図35】AEモード設定がコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図36】AEモードと露出モードとの関係を示す図である。
【図37】PFタイマのカウント動作に伴うグラフ表示状態の変化を示す図である。
【図38】Pシフトクリア処理がコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図39】露出補正クリア処理がコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図40】露出補正グラフ表示テーブルを示す図である。
【図41A】、
【図41B】、
【図41C】、
【図41D】AE演算がコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図42A】、
【図42B】プログラム演算がコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図43】CAL Tvがコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図44】CAL Avがコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図45】サブPシフトがコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図46】Pシフト演算がコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図47】CHK TvAvがコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図48A】人物モードが選択された場合のシャッタ速度と絞りとの関係を一般的に示すプログラム線図である。
【図48B】人物モードが選択された場合における焦点距離が28mmと80mmとでのシャッタ速度と絞りとの関係を具体的に示すプログラム線図である。
【図49A】風景モードが選択された場合のシャッタ速度と絞りとの関係を一般的に示すプログラム線図である。
【図49B】風景モードが選択された場合における焦点距離が28mmと80mmとでのシャッタ速度と絞りとの関係を具体的に示すプログラム線図である。
【図50A】動体モードが選択された場合のシャッタ速度と絞りとの関係を一般的に示すプログラム線図である。
【図50B】動体モードが選択された場合における焦点距離が28mmと80mmとでのシャッタ速度と絞りとの関係を具体的に示すプログラム線図である。
【図51A】近接モードが選択された場合のシャッタ速度と絞りとの関係を一般的に示すプログラム線図である。
【図51B】近接モードが選択された場合における焦点距離が28mmと80mmとでのシャッタ速度と絞りとの関係を具体的に示すプログラム線図である。
【図52A】ノーマルプログラムがコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図52B】ノーマルプログラムが選択された場合における焦点距離が28mmと80mmとでのシャッタ速度と絞りとの関係を具体的に示すプログラム線図である。
【図53】AUTO演算がコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図54】マニュアル演算がコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図55A】、
【図55B】
【図55C】プログラムシフトを説明するプログラム線図である。学習演算がコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図56】学習ストア1がコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図57A】、
【図57B】学習U/Dがコールされた際の制御手順を示すフローチャートである。
【図58】EEPROM−RAMのデータ形式を示す図である。
【図59】各RAMのフォーマットを示す図である。
【図60A】メイン釦がPICT位置にもたらされた状態を示す図である。
【図60B】メイン釦がPICT位置にもたらされた状態でのファインダ内表示LCDパネルの表示状態を示す図である。
【図60C】メイン釦がPICT位置にもたらされた状態での外部表示LCDパネルの表示状態を示す図である。メイン釦がPICT位置にもたらされた状態を示す図である。
【図61A】メイン釦がON位置にもたらされた状態を示す図である。
【図61B】メイン釦がON位置にもたらされた状態でのファインダ内表示LCDパネルの表示状態を示す図である。
【図61C】メイン釦がON位置にもたらされた状態での外部表示LCDパネルの表示状態を示す図である。
【図62】学習演算が選択された状態での、例えば人物モードが設定された状態での外部表示LCDパネルの表示状態を示す図である。
【図63A】、
【図63B】、
【図63C】、
【図63D】、
【図63E】、
【図63F】、
【図63G】特殊機能(PF)設定モードを設定する際の、外部表示LCDパネルの表示状態の変化を示す図である。
【図64A】、
【図64B】特殊機能(PF)設定モードをクリアする際の、外部表示LCDパネルの表示状態の変化を示す図である。
【図65A】、
【図65B】特殊機能(PF)設定モードにおけるISO感度を設定する際の、外部表示LCDパネルの表示状態の変化を示す図である。
【図66A】、
【図66B】特殊機能(PF)設定モードにおける学習回数等を設定する際の、外部表示LCDパネルの表示状態の変化を示す図である。
【図67A】、
【図67B】特殊機能(PF)設定モードにおける合焦音の有無を設定する際の、外部表示LCDパネルの表示状態の変化を示す図である。
【図68A】、
【図68B】、
【図68C】、
【図68D】、
【図68E】、
【図68F】特殊機能(PF)設定モードにおける合焦音を設定する際の、外部表示LCDパネルのsound表示状態の変化を示す図である。
【図69A】、
【図69B】特殊機能(PF)設定モードにおける学習動作の有無を設定する際の、外部表示LCDパネルの表示状態の変化を示す図である。
【図70A】、
【図70B】特殊機能(PF)設定モードにおける学習動作のクリアの有無を設定する際の、外部表示LCDパネルの表示状態の変化を示す図である。
【図71A】ピクチャモードにおいてグリーンモードが設定された際の、外部表示LCDパネルの表示状態を示す図である。
【図71B】ピクチャモードにおいて人物モードが設定された際の、外部表示LCDパネルの表示状態を示す図である。
【図71C】ピクチャモードにおいて風景モードが設定された際の、外部表示LCDパネルの表示状態を示す図である。
【図71D】ピクチャモードにおいて動体モードが設定された際の、外部表示LCDパネルの表示状態を示す図である。
【図71E】ピクチャモードにおいて近接モードが設定された際の、外部表示LCDパネルの表示状態を示す図である。
【図71F】ピクチャモードにおいて人物、風景、または、近接モードが設定された際の、ファインダ内表示LCDパネルの表示状態を示す図である。
【図71G】ピクチャモードにおいて動体モードが設定された際の、ファインダ内表示LCDパネルの表示状態を示す図である。
【図72A】、
【図72B】ピクチャモードで例えば人物モードが選択された状態におけるファインダ内表示LCDパネル及び外部表示LCDパネルの夫々の通常の表示状態を示す図である。
【図73A】、
【図73B】図72A及び図72Bに示す状態から、露出補正させた場合におけるファインダ内表示LCDパネル及び外部表示LCDパネルの夫々の表示状態を示す図である。
【図74A】、
【図74B】図72A及び図72Bに示す状態から、バーグラフでの表示範囲を超えて露出補正させた場合における、ファインダ内表示LCDパネル及び外部表示LCDパネルの夫々の表示状態を示す図である。
【図75A】、
【図75B】図72A及び図72Bに示す状態から、露出補正させた後に再び通常の撮影状態に戻った場合におけるファインダ内表示LCDパネル及び外部表示LCDパネルの夫々の表示状態を示す図である。
【図76A】、
【図76B】プログラムモードが選択された状態におけるファインダ内表示LCDパネル及び外部表示LCDパネルの夫々の通常の表示状態を示す図である。
【図77A】、
【図77B】図76A及び図76Bに示す状態から、露出補正させた場合におけるファインダ内表示LCDパネル及び外部表示LCDパネルの夫々の表示状態を示す図である。
【図78A】、
【図78B】図76A及び図76Bに示す状態から、露出補正させた後に再び通常の撮影状態に戻った場合におけるファインダ内表示LCDパネル及び外部表示LCDパネルの夫々の表示状態を示す図である。
【図79A】、
【図79B】オートモードが選択された状態におけるファインダ内表示LCDパネル及び外部表示LCDパネルの夫々の通常の表示状態を示す図である。
【図80A】、
【図80B】図79A及び図79Bに示す状態から、露出補正させた場合におけるファインダ内表示LCDパネル及び外部表示LCDパネルの夫々の表示状態を示す図である。
【図81A】、
【図81B】図79A及び図79Bに示す状態から、露出補正させた後に再び通常の撮影状態に戻った場合におけるファインダ内表示LCDパネル及び外部表示LCDパネルの夫々の表示状態を示す図である。
【図82A】、
【図82B】マニュアルモードが選択された状態において、シャッタ速度可変状態が設定された場合におけるファインダ内表示LCDパネル及び外部表示LCDパネルの夫々の通常の表示状態を示す図である。
【図83A】、
【図83B】マニュアルモードが選択された状態において、絞り可変状態が設定された場合におけるファインダ内表示LCDパネル及び外部表示LCDパネルの夫々の通常の表示状態を示す図である。
【図83C】、
【図83D】マニュアルモードが選択された状態において、絞り可変状態が設定された場合であって、演算による適正露出値とマニュアル設定した露出値との差が、バーグラフの表示範囲を超えた場合におけるファインダ内表示LCDパネル及び外部表示LCDパネルの夫々の通常の表示状態を示す図である。
【図84A】、
【図84B】マニュアルモードが選択された状態において、絞り可変状態が設定された場合であって、演算による適正露出値とマニュアル設定した露出値とが一致した場合におけるファインダ内表示LCDパネル及び外部表示LCDパネルの夫々の通常の表示状態を示す図である。
【図85】学習データ保存前または学習プログラム線がデフォルトプログラム線と一致し、かつプログラムシフトが0のときの外部表示LCDパネルの表示態様を示す図である。
【図86】学習データ保存前または学習プログラム線がデフォルトプログラム線と一致し、かつプログラムシフトが+1.0Tvのときの外部表示LCDパネルの表示態様を示す図である。
【図87】学習プログラム線がデフォルトプログラム線から+0.5Tv分シフトし、かつプログラムシフトが+0.5Tvのときの外部表示LCDパネルの表示態様を示す図である。
【図88】学習プログラム線がデフォルトプログラム線から+0.5Tv分シフトし、かつプログラムシフトが0のときの外部表示LCDパネルの表示態様を示す図である。
【図89】学習プログラム線がデフォルトプログラム線から+0.5Tv分シフトし、かつプログラムシフトが−1.5Tvのときの外部表示LCDパネルの表示態様を示す図である。
【図90】学習データ保存前または学習プログラム線がデフォルトプログラム線と一致し、かつプログラムシフトが−1.5Tvのときの外部表示LCDパネルの表示態様を示す図である。
【符号の説明】
10 カメラボディ
12 撮影レンズ(パワーズームレンズ)
14 レンズマウント部
16 レンズロック釦
18 接続端子群
20 ボディ側CPU
22 レンズ側CPU
24 フォーカスモード切り換え釦
26 シャッタ釦
28 アップ/ダウンレバー
30 Tv/Av釦
32 ポップアップ釦
34 外部表示LCDパネル
36 メイン釦
38 ドライブ釦
40 モード釦
42 アクセサリーシュー
44 カバー部材
46 ファインダ接眼部
48 裏蓋
50 日付データ写し込み機構
52 ハイパー釦
54a〜54d 固定表示部
56a〜56t ピクチャ
58a〜58n 枠・マーク等の表示部
60a〜60k 数字・英字等の表示部
62 ファインダ内表示LCDパネル
64 上飾板
66 コイルスプリング
68 スイッチアッセンブリ
70 測光スイッチ
72 レリーズスイッチ
74 リーフスプリング
76 クリアスイッチ
78 アップスイッチ
80 ダウンスイッチ
82 ドライブスイッチ
84 モードスイッチ
86 スイッチ親板
88 ハイパースイッチ
90 パトローネ検出スイッチ
92 メインミラー
94 受光素子
96 測光回路
98 A/D変換回路
100 露光制御装置
102 焦点距離検出機構
104 コントローラ
106 EEPROM
108 電子ブザー
110 メインスイッチ
110a オンスイッチ
110b PICTスイッチ

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】カメラ本体と、このカメラ本体に取り付けられ、英字及び絵文字が全て表示可能に配設された表示部材と、操作される事により、通常の露出モードと、画像効果を表現する絵文字により選択される露出モードとを切り換え設定すると共に、前記表示部材において切り換え表示する第1の操作部材と、操作される事により、絵文字により選択される露出モードに含まれる複数の露出モードの中から1つを選択すると共に、選択された露出モードを前記表示部材において所定のマークを移動させて表示する第2の操作部材とを具備する事を特徴とする自動露出制御カメラ。
【請求項2】前記第1の操作部材は、電源スイッチから構成され、通常の露出モードまたは絵文字により選択される露出モードが選択される事により、電源オン状態となし、何れも選択されない状態で電源オフ状態となす事を特徴とする請求項1に記載の自動露出制御カメラ。
【請求項3】前記電源スイッチは、スライドスイッチから構成され、このスライドスイッチは、基端部においてオフ位置を規定され、1段目において通常の露出モードが設定される位置を規定され、2段目において絵文字により選択される露出モードが設定される位置を規定される事を特徴とする請求項2に記載の自動露出制御カメラ。
【請求項4】前記表示部材は、前記第1の操作部材の操作により、絵文字により選択される露出モードが選択された状態で、これに対応する全ての絵文字を表示し、第2の操作部材の操作により選択された露出モードに対応する絵文字を、前記マークにより囲って表示する事を特徴とする請求項1に記載の自動露出カメラ。
【請求項5】前記通常の露出モードは、英字により選択される複数の露出モードを備え、前記表示部材は、第2の操作部材を操作される事により、選択された露出モードに対応する英字を選択的に表示する事を特徴とする請求項1に記載の自動露出制御カメラ。
【請求項6】前記第2の操作部材は、回動レバーから構成され、この回動レバーは、所定角度だけ回動される毎に、露出モードを順次切り換え設定する事を特徴とする請求項1に記載の自動露出制御カメラ。
【請求項7】前記表示部材は、前記通常の露出モードを示す英字と、前記画像効果を表現する絵文字とを、一側にまとめた状態で配設している事を特徴とする請求項5に記載の自動露出制御カメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図37】
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【図40】
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【図60A】
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【図11】
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【図12】
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【図60B】
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【図61A】
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【図61B】
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【図71G】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図21】
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【図33】
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【図36】
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【図15】
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【図16A】
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【図16C】
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【図18】
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【図19A】
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【図16B】
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【図17】
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【図71F】
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【図72A】
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【図73A】
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【図19B】
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【図20】
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【図22】
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【図39】
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【図23】
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【図24】
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【図28】
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【図74A】
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【図75A】
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【図77A】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図35】
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【図34】
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【図38】
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【図41A】
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【図47】
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【図48A】
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【図76A】
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【図41B】
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【図41C】
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【図41D】
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【図48B】
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【図49A】
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【図78A】
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【図79A】
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【図80A】
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【図42A】
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【図42B】
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【図81A】
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【図82A】
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【図83A】
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【図83C】
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【図84A】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図49B】
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【図50A】
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【図51A】
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【図50B】
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【図51B】
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【図52A】
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【図60C】
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【図61C】
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【図52B】
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【図53】
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【図54】
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【図55A】
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【図55B】
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【図55C】
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【図58】
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【図56】
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【図62】
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【図63A】
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【図63B】
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【図63C】
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【図57A】
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【図57B】
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【図59】
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【図63D】
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【図63E】
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【図63F】
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【図63G】
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【図64A】
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【図64B】
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【図65A】
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【図65B】
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【図66A】
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【図66B】
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【図67A】
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【図67B】
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【図68A】
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【図68B】
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【図68C】
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【図68D】
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【図68E】
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【図68F】
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【図69A】
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【図69B】
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【図70A】
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【図70B】
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【図71A】
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【図71B】
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【図71C】
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【図71D】
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【図71E】
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【図72B】
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【図73B】
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【図74B】
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【図75B】
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【図76B】
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【図77B】
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【図78B】
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【図79B】
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【図80B】
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【図81B】
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【図82B】
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【図83B】
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【図83D】
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【図84B】
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【図85】
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【図86】
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【図87】
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【図88】
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【図89】
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【図90】
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