説明

自己クランプ式摩擦溶接工具

【課題】クランプ装置を有し、様々な工作機械間で簡単かつ容易に交換することのできる摩擦溶接工具を提供する
【解決手段】自己クランプ式摩擦溶接工具1は、クランプ装置5が、ピン3の長手方向軸7周りに自由に回転でき、かつピンが長手方向軸の方向に動くことを防ぐような方法で、ピンに保持されているカウンターベアリング21を有すること、クランプ装置は、ピンを包囲し、係合端部11に対向するカウンターベアリングの側に配置され、およびワークピース構成を圧迫するために設けられている支持面33を有する押さえ要素27を有していること、押さえ要素とカウンターベアリングとの間にばね要素37が設けられること、およびピンは、その結合端部9に、工作機械の回転出力軸に解放可能に回転固定結合するための結合部分13を有していることで実現される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結合端部と、該結合端部の反対側に位置する係合端部とを有し、およびその長手方向軸周りの回転動作を実行するために設けられ、前記長手方向軸は、該結合端部と該係合端部との間に伸びており、および同時に、その係合端部によって、ワークピース構成の表面に係合するために設けられているピンを有し、かつ該ピンを包囲し、該ピンの長手方向軸に沿って動くことができ、および該ワークピース構成の表面に圧力を加えるために設けられているクランプ装置を有する自己クランプ式摩擦溶接工具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、摩擦溶接は、互いに密接する2つのワークピースを互いに対して動かすことを伴い、生じる摩擦は、その摩擦ゾーン内で、該ワークピースの物質の加熱および可塑化をもたらす。それら2つのワークピースが、互いに接触して置かれ、または互いに押し付けられると、それら2つのワークピースの可塑化した物質は、その接触領域において結合する。摩擦溶接の特有の利点のうちの1つは、多数の異なる物質を一緒に接合できること、およびその溶接プロセスの影響を受ける該ワークピースの領域が比較的小さく、および比較的低い温度にさらされるということである。
【0003】
摩擦溶接プロセスの改良は、この基本的原理を根幹として進展してきた。例えば、摩擦攪拌溶接においては、2つのワークピース間の支持面に沿って、または該支持面近傍で接合される該2つのワークピースの物質を通過する耐摩耗性の回転工具によって摩擦エネルギが生じ、その結果、該物質は、該工具の作動経路に沿って、または該作動経路の近傍で可塑化され、このことも同様に、この領域での該2つのワークピースの接合を可能にする。
【0004】
従来技術、例えば、特許文献1は、その長手方向軸周りに自転して駆動されるピンを有し、および結合端部と、該結合端部の反対側に位置する係合端部とを有する摩擦溶接装置を開示しており、この場合、該結合端部は、該摩擦溶接装置の出力に堅く接続されており、また、該係合端部は、互いに接触して置かれた2つのワークピースの表面に係合するために、かつ前記ワークピースの物質を貫通するために設けられている。この公報はさらに、該摩擦溶接装置にクランプ装置を設けることを開示しており、前記装置は、該ピンを包囲し、および該ワークピースに圧力をかけるための、該摩擦溶接装置の長手方向軸に沿った該ピンに対する動きが可能である。該クランプ装置は、該摩擦溶接装置のマシンフレームに取り付けられており、それによって該ピンとは無関係に動くことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第01/28732号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来技術によるこの種の摩擦溶接装置に伴う欠点は、少なくとも該クランプ装置は、その工作機械の固定部分であり、および該工作機械から取外すことができないため、他の用途、例えば、穿孔またはフライス加工するための工作機械として使用することができないということである。しかし一方では、ワークピースが溶接プロセス中に互いに対して違ったふうに動く可能性があり、または、望ましくないギャップを形成する可能性があるため、クランプ装置が欠かせない。
【0007】
したがって、本発明の目的は、従来技術を根幹として、クランプ装置を有し、および回転駆動出力装置、例えば、出力軸を有する工作機械に結合することができ、および多くの工作機械間で簡単かつ容易に交換することのできる摩擦溶接工具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、該クランプ装置が、該ピンの長手方向軸周りに自由に回転でき、かつ該ピンが該長手方向軸の方向に動くことを防ぐような方法で、該結合端部と該係合端部との間で該ピンに保持されているカウンターベアリングを有すること、該クランプ装置が、該ピンを包囲し、該係合端部に対向する該カウンターベアリングの側に配置され、および該ワークピース構成を圧迫するために設けられている支持面を有する押さえ要素を有していること、該押さえ要素と該カウンターベアリングとの間にばね要素が設けられ、それによって該押さえ要素が、該ピンの長手方向軸に沿って弾性的に滑動可能であるように該ピンに取り付けられること、および該ピンがその結合端部に、工作機械の回転出力軸に解放可能に回転固定結合するための結合部分を有することで実現される。
【0009】
これに関連して、本発明に関する意味でのばね要素は、一般的に、該長手方向軸の方向における変形とは逆の力を作用させる弾性的に変形可能な要素を意味することを理解すべきであり、この場合、その変形と該力の関係は、必ずしも線形である必要はない。したがって、該ばね要素は、必ずしもコイルばね等としてデザインする必要はない。
【0010】
接合部の形成のための該摩擦溶接工具の稼働中に、該ピンの結合端部は、従来の穿孔またはフライス加工機械のチャックに、または、従来のロボットの出力軸のチャックにクランプされる。そして、それぞれの出力軸または出力機構は、該押さえ要素の支持面がまず、接合すべきワークピースのワークピース構成の表面に載るように移動される。
【0011】
次いで、該ピンは、回転させられて、該ワークピース構成の表面に向かって移動され、それによって、該カウンターベアリングと該押さえ要素との間に配置された該ばね要素に事前に負荷をかける。該ばね要素に対する事前負荷力もまた、該押さえ要素を介して、該ワークピース構成の表面に伝達され、それによって、該ワークピース構成の個々のワークピースを一緒にクランプし、および該ピンが該表面に向かってさらに移動して、該ピンが遂に該ワークピースに係合したときに、それらのワークピースが滑るのを防ぐ。
【0012】
本発明によれば、「該ワークピース構成の表面に係合する」という言い回しは、該ワークピースの表面での該ピンの摩擦と、該ワークピースの表面下での該ワークピースの物質への該ピンの貫通の両方を意味することを理解されたい。
【0013】
また、本発明に関する意味での「ワークピース構成」という言い回しは、1つ以上のワークピースを意味することを理解されたい。これに関連して、とりわけ1つの可能性は、該摩擦溶接工具の該ピンが、最も上のワークピースの表面に接触して擦られている状態で、2つのワークピースが部分的に重なり、該ピンに対向し、または、該表面を貫通し、およびそれによって、下にある該ワークピースの領域を少なくとも部分的に可塑化するように、該2つのワークピースが互いに接触して置かれることである。この場合、該押さえ要素の支持面は、1つのワークピースのみに載る。しかし、「ワークピース構成」という言い回しは、突合せ継ぎ手を形成するように、および該摩擦溶接工具の該ピンが、該ワークピースの物質中で、該2つのワークピースのこの接触面と平行に移動され、または、該ワークピースの表面に接触して擦り、それによって該2つのワークピースの該接触面に沿って、該ワークピースの領域を可塑化するように、それらのワークピースが互いに接触して置かれる状況も含む。ここで、それによって該押さえ要素の支持面が同時に複数のワークピースの上に載る。
【0014】
本発明による摩擦溶接工具は、スポット溶接による接合部、すなわち、不連続な箇所における接合部を形成するのに適している。例えば、その要件は、溶接プロセスを迅速化するために、または、熱の影響を受けるゾーンを最小限にするため、スポット溶接によってのみ2つのワークピースを接合することとすることができる。
【0015】
該ピンの結合部分において、本発明による摩擦溶接工具は、マシニングセンタ、ボール盤またはフライス盤、および手工具も含む様々な工作機械のいずれにも接続することができる。したがって、ハンドドリルまたはルータマシンのチャックに該工具が固定されることが想定される。それらの可能性は、該クランプ装置が、該ピンに直接保持されることによって広がる。
【0016】
好適な実施形態において、該係合端部は、該ピンの長手方向軸に対して直角に拡がる摩擦面を有する。この摩擦面は、例えば、「自己クランプハイブリッド摩擦拡散接合」(Self Clamping Hybrid Friction Diffusion Bonding:SCHFDB)を用いる場合に、該ワークピース構成の表面に回転摩擦を及ぼすために設けられる。この場合、該摩擦面は、好ましくは、より効果的な摩擦作用を可能にする、すなわち、該ワークピース構成の材料の可塑化を速める構造を有する。
【0017】
別の好適な実施形態においては、該ピンの係合端部は、その長手方向軸の方向に伸びる摩擦ピンを有し、そのピンは、ワークピースの表面を貫通することができる。ここでは、該ピンの係合端部が、該長手方向軸の方向に伸びる穴を有し、および該摩擦ピンは、該穴に滑動可能な方法で収容されて、該摩擦ピンが、該ピンの係合端部を越えて突出する長さを調節すること、すなわち、該摩擦ピンが、該ワークピース構成の表面を貫通する深さを調節することが可能であることが特に好適である。
【0018】
さらに、該ピンが、該長手方向軸に直角に伸び、および該穴に対して開いているねじ穴を有し、取付けねじがそのねじ穴にねじ込まれ、そのねじ穴を用いて、該ピンに対する該摩擦ピンの角度位置を固定することができることが特に好適である。別の好適なオプションは、該ピンが、該長手方向軸の方向に伸び、該結合端部を起点とし、該穴に対して開いており、その中に調節ねじがねじ込まれるねじ付き調節穴を有するものである。その結果、該調節ねじは、該摩擦ピンが、該ワークピース構成の表面を貫通する量を設定する際の調節ストップとして機能する。
【0019】
好適な実施形態において、該ピンの係合端部に設けられている該摩擦ピンは、摩擦攪拌溶接プロセス、例えば、「自己クランプ摩擦攪拌スポット溶接(Self Clamping Friction Stir Spot Welding:SCFSSW)」を実行するとともに、該ワークピースの周囲の材料を、その回転によって可塑化する際に、該ワークピース構成の下の、該ワークピースまたは複数のワークピースの材料を貫通するのに適している。該摩擦ピンは、その周方向面に沿って、より効果的な摩擦作用を可能にする、すなわち、該ワークピースの材料の可塑化を速める構造化表面を有することができる。ここでは、該穴内の該摩擦ピンの位置は、好ましくは、上述した調節ねじを用いて調節することができ、および該取付けねじによって固定することができる。この場合、該摩擦ピンは、該ピンの係合端部を越えて突出し、および該摩擦ピンが該ワークピースの材料を貫通する程度まで該穴から突出する。一旦、この最大貫通深さに達すると、該ピンの係合端部は、該ワークピース構成の表面にぶつかって、それ以上の貫通が阻止される。
【0020】
好適な実施形態において、該ばね要素は、らせんばねとしてデザインされており、この場合、該押さえ要素によって該ワークピース構成に及ぼされる接触圧力は、該ばねの寸法設計によって規定することができる。しかし、該ばね要素は、弾性材料からなるリングとしてデザインされることも考えられる。該らせんばね、および該弾性材料からなるリングはともに、該ピンの周りに配置することができ、すなわち、該ピンは、該らせんばねおよび該リングによって囲まれたキャビティ内を通る。該らせんばねは、実質的に線形の弾性特性を有している、すなわち、その変形に関して一定のばね剛性を有しており、一方、該弾性材料からなるリングのばね剛性は、一定にすることができるが、該リングの変形の増大に伴って変化することも可能である。
【0021】
別の好適な実施形態において、該ばね要素は、その長手方向軸の方向における寸法が可変であり、および流体が充填されている環状の容積を有しており、この場合、その容積は、制御可能な圧力源に流体的に連通している。したがって、該ばね要素またはその剛性は、制御可能な油圧、空気圧または油空圧ポンプによって規定され、この場合、流体圧力、すなわち、該ばね要素内の液体圧および/またはガス圧は、特定の入力に応動する該ポンプによって設定される。例えば、該剛性は小さくすることができ、すなわち、該クランプ装置によって該ワークピースにかけられる圧力を、例えば、個々のワークピース間のせん断力に適合させるために、該摩擦ピンが該材料内を貫通すればするほど、該ピンにかかるトルクが小さくなる。このようにして、該ワークピースの互いに対する滑りを該溶接プロセスの全ての段階で防止することができる。
【0022】
好適な実施形態において、該ピンは、半径方向包囲突出部を有し、また、該カウンターベアリングは、半径方向包囲凹部を備えるベアリングハウジングを有し、該凹部は、該ピンのその長手方向軸周りの該カウンターベアリングに対する自由回転運動が可能であり、および該ピンのその長手方向軸周りの該カウンターベアリングに対する軸方向運動が防止されるように、該ピンの該突出部に係合する。ここでは、該ばね要素が該押さえ要素と該ベアリングハウジングとの間に設けられ、および該カウンターベアリングは、該押さえ要素が該カウンターベアリングに対して該ピンの長手方向軸に沿って案内されるような方法で滑動可能であるように、該押さえ要素に係合する線形ガイドを有することが特に好適である。
【0023】
さらに、該ベアリング要素が該ピンの該突出部と該ベアリングハウジングとの間に設けられて、該ピンと該ベアリングハウジングとの間の摩擦が低減されることが特に好適である。
【0024】
したがって、該ばね要素は、該押さえ要素が該カウンターベアリングに対して該線形ガイドに沿った該ピンの長手方向軸の方向に移動される場合、予め負荷が加えられる。該ピンの突出部と、該ベアリングハウジングとの間の該ベアリング要素は、好ましくは、回転接触部または滑り接触ベアリングとしてデザインされる。これらは、該カウンターベアリングに対する該ピンのその長手方向軸周りの動作を容易にし、また安定化し、および該カウンターベアリングに対する該ピンのその長手方向軸に沿った位置を決める。
【0025】
好ましくは、該ピンおよび該クランプ装置の両方、すなわち、該カウンターベアリングおよび該押さえ要素は、該ピンの長手方向軸に対して実質的に回転可能な対称断面を有している。該ピン、該ばね要素、該押さえ要素および該カウンターベアリングは、該ばね要素が該ピンを同軸に囲み、および該押さえ要素および/または該カウンターベアリングが、該ばね要素を同軸に囲むように、互いに配置されることがさらに好適である。
【0026】
好適な実施形態において、該押さえ要素の支持面は凹部を有しており、該凹部は、可塑化した材料を受け容れるために、該ピンの長手方向軸周りに同軸に配置される。該ワークピース構成の表面との係合中に、該ピンまたは摩擦ピンによって既に変位されている可塑化された材料は、この材料によって該ワークピース構成の表面から強制的に離すことなく、該押さえ要素をこの凹部に収容することができる。また、このようにして可塑化した材料にスポット溶接による接合部を際立たせる制御された所定の形状が与えられる。
【0027】
別の好適な実施形態においては、ストリッパー要素、好ましくは、セラミック要素が、該ピンと該押さえ要素との間に配置され、該ピンの長手方向軸に直角な平面に関して明確な係合状態で該ピンに載っている。該ストリッパー要素は、該ピンに付着した可塑化されたワークピース材料を該ピンから剥ぎ取るために、すなわち、該材料を除去し、および必要に応じて、該材料を該押さえ装置の凹部に案内するために設けられている。加えて、該ストリッパー要素は、可塑化された材料が接合プロセス中に該工具の内部へ侵入するのを防ぐシールとしても機能する。
【0028】
該ばね要素の弛緩状態において、該ピンは、好ましくは、該係合端部が、該支持面がその中に位置する平面に対して該結合端部の方向にずらされて配置されるように、該クランプ装置に対して配置される。このことは、該ピンが該ワークピース構成に係合するために該ワークピース構成の表面に触れたときに、該押さえ要素が該ワークピース構成を固定するために特定の力で既に該ワークピース構成の表面を圧迫していることを確実にする。このずれのサイズは、所要のクランプ力および/またはばね剛性に適合させなければならない。
【発明の効果】
【0029】
このようにして、摩擦溶接工具が実現され、そのクランプ装置は、該ピンのみに保持され、および弾性的に支持され、それによって、該ピンおよび該クランプ装置は、様々な工作機械に接続できるようになり、または、該ピンの結合部分を工作機械の出力軸に簡単に結合することにより、共通システムとして、様々な工作機械によって作動させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明による摩擦溶接工具の第1の実施形態のピンの長手方向軸に沿った断面図を示す。
【図2】図1の実施形態の側面図を示す。
【図3】該ピンの長手方向軸の方向における図1の実施形態の平面図を示す。
【図4】図1の実施形態の斜視図を示す。
【図5】本発明の第2の実施形態の該ピンの長手方向軸に沿った断面図を示す。
【図6】本発明の第3の実施形態の該ピンの長手方向軸に沿った断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
好適な実施形態例のみを示す図面に基づいて、本発明を以下に説明する。
【実施例1】
【0032】
図1〜図4は、本発明による摩擦溶接工具1の第1の実施形態を示す。摩擦溶接工具1は、ピン3と、回転運動を可能にするように該ピンに保持されているクランプ装置5を有している。
【0033】
ピン3は、その長手方向軸7に対して実質的に回転対称であり、および結合端部9と、結合端部9の反対側に位置する係合端部11を有している。その結合端部9において、ピン3は結合部分13を有し、該結合部分は、工作機械の回転出力装置、例えば、出力軸に取付けられたチャックに着脱可能に結合するために設けられている。このような工作機械は、例えば、マシニングセンタ、ボール盤、フライス盤または手工具とすることができる。このため、係合凹部15が、ここで図示されている好適な例示的実施形態の結合部分13の周方向面に設けられており、前記凹部は、該出力装置、すなわち、例えば、チャックへの回転可能な取付け結合を可能にするように機能する。
【0034】
ピン3の係合端部11は、場合によっては、直接上下に、または互いに並んで配置された1つ以上のワークピースからなるワークピース構成(図示せず)の表面に係合するために設けられている。
【0035】
第1の例示的な実施形態の場合、ピン3はその係合端部11上の長手方向軸7に直角に位置する摩擦面17(図1を参照)を有し、前記面は、該ワークピース構成の表面と、少なくとも該ワークピース構成の最上のワークピースの少なくとも部分的に可塑化された下にある材料とを擦るために設けられている。このため、摩擦面17は、より効果的な摩擦作用を可能する、すなわち、該ワークピース構成の材料の可塑化を強めて加速させる構造、例えば、径方向に伸びる突出部を有していることが好適である。
【0036】
ピン3はさらに、長手方向軸7に対して半径方向に伸びている包囲突出部19を有し、前記突出部は、クランプ装置5のカウンターベアリング21に係合するために設けられている。
【0037】
クランプ装置5は、上方ディスク23およびベアリングハウジング25を有するカウンターベアリング21に加えて、押さえ要素27を備えている。
【0038】
カウンターベアリング21のベアリングハウジング25はピン3の長手方向軸7の半径方向に配置された包囲凹部29を有し、前記凹部はピン3の突出部19に係合するために設けられ、その結果、クランプ装置5の上方ディスク23およびベアリングハウジング25からなるカウンターベアリング21をピン3の長手方向軸7の周りで該ピン3に対して自由に回転させることができるが、該ベアリングは、その長手方向軸7の方向の動きを防止するように、前記ピンに保持されている。
【0039】
このため、ベアリング要素31、好ましくは、回転接触ベアリングまたは滑り接触ベアリングが、ピン3の突出部19とベアリングハウジング25との間に設けられている。これらのベアリング要素31は、ベアリングハウジング25に対する突出部19の動き、すなわち、クランプ装置5に対するピン3の回転を容易にし、および安定化させる。カウンターベアリング21に対するピン3の長手方向軸7の方向での動きは、ベアリングハウジング25および上方ディスク23の突出部19との係合によって阻止され、ベアリング要素31が、ベアリングハウジング25に対する突出部19の遊びを防いでいる。
【0040】
ピン3の係合端部11に対向するカウンターベアリング21の側に配置されている押さえ要素27は、ワークピース構成に圧力を及ぼすために設けられており、また、ピン3の係合端部11の方向に面する側には、ワークピース構成の表面を圧迫するために設けられている支持面33を有している。
【0041】
カウンターベアリング21はピン3の長手方向軸7に対して軸方向に位置合わせされた線形ガイドを有し、前記ガイドは、ベアリングハウジング25および上方ディスク23に対して移動可能に取り付けられ、および該ピンの長手方向軸7に平行に伸びているガイドピン35の形態になっており、これらのピンもまた同様に、押さえ要素27にしっかりと取付けられており、それによって、押さえ要素35がカウンターベアリング21またはベアリングハウジング25および上方ディスク23に対してピン3の長手方向軸7に沿って案内されるように動けるようになっている(図2を参照)。同時に、ピン3の長手方向軸7の方向ではない押さえ要素27のいかなる動きも、該線形ガイドを構成するガイドピン35によって阻止される。
【0042】
ばね要素37は、押さえ要素27と、カウンターベアリング21またはベアリングハウジング25との間に配置されており、前記ばねは、押さえ要素27が線形ガイド45に沿ってカウンターベアリング21の方へ動く際に、予め負荷が加えられる。
【0043】
図に示されているように、クランプ装置5もまた同様に、ピン3の長手方向軸7に対して実質的に回転対称構造であり(図3を参照)、ピン3はばね要素37によって包囲されており、ばね要素37は押さえ要素27および/またはカウンターベアリング21によって包囲されている(図1)。
【0044】
押さえ要素27の支持面33は、ピン3の長手方向軸7の周りに同軸に環状凹部41を有しており、該凹部は、ピン3の該ワークピース構成の表面との係合によって跳ね上げられた可塑化した材料を収容し、および該ワークピース構成の表面の係合箇所を際立たせる所定の形状を与えるために設けられている(図4を参照)。
【0045】
ストリッパー要素43は、ピン3と押さえ要素27との間に配置されており、ピン3の長手方向軸7に垂直な平面に関して明確な係合を形成しており、前記ストリッパー要素は、ピン3および押さえ要素27に支えられており、好ましくは、セラミック材料で形成される。ストリッパー要素43は、押さえ要素27がピン3に対して係合端部11の方へ動いたときに、すなわち、係合端部11が該ワークピース構成の表面から離れたときに、ピン3の周方向面に付着している可塑化した材料を剥ぎ取るために設けられている。加えて、ストリッパー要素43は、該接合プロセス中に可塑化された材料が該工具内部へ侵入することを防ぐシールとして機能する。
【0046】
ばね要素37の弛緩状態において、ピン3は、支持面33がその中に拡がっている平面に対して、ピン3の係合端部11が結合端部9の方向にずれて配置されるように、クランプ装置5に対して配置される。したがって、ばね要素37の弛緩状態において、係合端部11および摩擦面17は、図1を見ても分かるように、支持面33に対して後退される。
【0047】
その結果として、ばね要素37にはすでに予圧がかけられており、すなわち、押さえ要素27はピン3が該ワークピース構成の表面に係合したときすでに特定のクランプ力で該ワークピース構成の表面を圧迫している。このようにして、ピン3の回転運動によって引き起こされる該ワークピース間のせん断力による該ワークピースの滑りを防ぐことができる。
【0048】
摩擦溶接工具1は以下のように用いることができる。まず、係合凹部15が該出力機構の要素に明確に係合する状態で、その結合部分13によってピン3が工作機械の出力装置に回転可能に取付け接続される。
【0049】
次に、摩擦溶接工具1は、ピン3の係合端部11が最初に、係合端部11と支持面33との間のずれのために、接合部がその上に形成される該ワークピースの領域上のある距離に配置された状態で、押さえ要素27の支持面33が該ワークピース構成の表面を強く圧迫するように、該ワークピース構成に接触して配置される。
【0050】
該ワークピース構成は、例えば支持体上に載っている、上下に配置された、または重なっている1つ以上のプレート状ワークピースを有することができ、そのため、前記ワークピースは、押さえ要素27により、最上のワークピースの表面で高まった圧力によって一緒に保持または一緒にクランプされ、それに伴って、容易に滑ることなく、互いに対してそれらの定位置に固定される。
【0051】
次いで、ピン3は、該工作機械の回転出力装置によって回転させられる。その結果、押さえ要素27が、その支持面33によってすでに該ワークピース構成の表面を圧迫して、それによって、この動作に追従しないため、ピン3は、突出部19がベアリングハウジング25内で回転する状態で、クランプ装置5に対しても回転する。
【0052】
そして、該出力装置およびピン3は、ピン3の係合端部11が、該ワークピース構成の表面に係合するまで、該ワークピース構成の表面の方向に動かされる。この動作の間、カウンターベアリング21は、押さえ要素27に対して、および線形ガイドを構成するガイドピン35によって該押さえ要素の方へ案内され、およびピン3とともに回転しない。該カウンターベアリングと該押さえ要素のこの相対運動の間、ばね要素37を構成するらせんばね39は予圧され、およびこの予圧の力は該ワークピース構成の表面に伝達される。
【0053】
支持面33がその中に位置している平面に対するピン3の係合端部11のずれと、らせんばね39の剛性は、ピン3が、その係合端部11によって、該ワークピース構成の表面に係合する場合でも、該ワークピース構成に作用する押さえ要素27からの十分なクランプ力があり、それによって、該ワークピースが互いに滑ることができず、間隙を形成することができないように、適合させるべきである。
【0054】
ピン3と該ワークピース構成の表面との係合中に跳ね上げられた可塑化した材料は、押さえ要素27の支持面33内の凹部41によって収容することができ、また、該可塑化した材料には、一定の方法で接合箇所を際立たせる所定の形状を与えることができる。一旦該ワークピースの材料が所要の接合部を形成するように十分に可塑化されると、ピン3に付着した可塑化した材料が、ストリッパー要素43によってピン3から剥ぎ取られて、凹部41に案内されながら、ピン3は、該ワークピース構成から離れて、その結合端部9の方向に移動される。このプロセスの間、ストリッパー要素43もシールとして機能する。
【0055】
本発明の第1の例示的な実施形態に関する上記の説明から明らかなように、本発明による摩擦溶接工具1は、例えば、追加的なクランプ装置を用意することなく、結合端部11を用いて、従来の工作機械または従来のロボットの出力軸に簡単に取付けることができる。
【実施例2】
【0056】
図5は、本発明による摩擦溶接工具1’の第2の実施形態を示し、この場合、第1の実施形態と同一の部材には、同じ参照符号が与えられている。
【0057】
摩擦溶接工具1’の第2の実施形態は、第1の実施形態と同様に、その長手方向軸7に対して実質的に回転対称であり、および長手方向軸7に対して、半径方向に伸びている突出部19を有するピン3を有している。突出部19は、同様に、凹部29によって、カウンターベアリング21のベアリングハウジング25内に嵌合し、その結果、該ピンは、回転できるが、長手方向軸7の軸方向には動くことができず、およびここでもまた、ベアリング要素31が設けられて、遊びのない回転運動が確実にできるように、カウンターベアリング21内に保持される。
【0058】
この例示的な実施形態においても、押さえ要素27は、長手方向軸7の方向に動けるように、ガイドピン35によって形成された線形ガイドによって、カウンターベアリング21に保持され、押さえ要素27は凹部41がその中に設けられている支持面33を有している。さらに、らせんばね39の形態のばね要素37が押さえ要素27とカウンターベアリング21との間に設けられている。
【0059】
一方、該ピンは、結合部分13と、その中に形成された係合凹部15を有する結合端部9を有し、それによって、結合部分13を回転駆動される出力機構に取り付けることができるようになっている。結合端部9から遠く離れている係合端部11には摩擦面17が設けられているが、この好適な例示的実施形態においては、該係合端部は、ピン3の長手方向軸7と平行な軸方向に伸びる穴45を有している。摩擦面17を越えて伸びている摩擦ピン47は穴45に収容され、係合端部11がワークピース構成の表面に係合する場合、前記表面を貫通する。
【0060】
さらに、ピン3の長手方向軸7に対して半径方向に伸びているねじ穴49が、突出部19の領域内において、摩擦溶接工具1’の第2の実施形態のピン3に設けられており、該ねじ穴は、摩擦ピン47をピン3に対して固く捻って固定するように作用する取付けねじ51を収容する。
【0061】
さらに、ねじ式調節穴53がピン3内に形成されており、該穴は結合端部9から伸びており、また、調節ねじ55が前記穴に収容されている。調節ねじ55は摩擦ピン47のための後方ストップを形成し、それによって、摩擦ピン47が摩擦面17を越えて突出する量を設定するために、調節ねじ55の位置を利用することができる。摩擦ピン47は、より効果的な摩擦作用を実現して、それによって該材料をより迅速かつより集中的に可塑化するために、その外周に沿って構造化された面を有することができる。
【0062】
第1の実施形態と同様に、第2の実施形態はピン3を確実に包囲するストリッパー要素43を有する。
【0063】
摩擦溶接工具1’の第2の実施形態は第1の実施形態と同様の方法で用いることができ、ただし、唯一の違いは、摩擦ピン47が該ワークピース構成のワークピースの材料を貫通することであり、それにより、とりわけ、摩擦攪拌溶接プロセスを用いて、該ワークピースおよび/または複数のワークピースの材料がより大きな深さまで可塑化される状態で、突合せ継ぎ手または重なり接合部を形成することが可能である。
【0064】
しかし、いかなる場合においても、この実施形態にも、摩擦溶接工具1’を簡単な方法で工作機械の出力機構に結合することができ、また、該工作機械に追加的なクランプ装置を設ける必要はないという効果がある。
【実施例3】
【0065】
最後に、図6は、ばね要素37のデザインが第2の例示的な実施形態とは異なっているが、他は同様の構造である、本発明による摩擦溶接工具1”の第3の実施形態を示し、したがって、同一の構成要素は同じ参照符号で示されている。
【0066】
最初の2つの実施形態においては、ばね要素37はらせんばね39としてデザインされていたが、本発明による摩擦溶接工具1”の第3の実施形態におけるばね要素37は、押さえ要素27が、閉じた環状容積57を有し、その長手方向軸7の方向における寸法が可変であり、およびその中には、圧力接続フランジ59を介して流体を導入することができるように構成されている。環状容積57の長手方向軸7の方向における可変性は、ベアリングハウジング25上のリング要素61がその中に部分的に伸びている、押さえ要素27内の凹部によって容積57を形成することによって得られ、それによって、環状容積57は、完全に包囲され、すなわち、押さえ要素27、リング要素61、ピン3およびストリッパー要素43によって閉じられる。
【0067】
この構成において、環状容積57は制御可能な圧力源63に流体的に連通しており、制御可能な方法で該流体を加圧することが可能である。それにより、該環状容積内の流体の圧力によって、押さえ要素27とカウンターベアリング21との間に作用するばね力を制御することが可能である。したがって、例えば溶接プロセス中に、所要の方法で、ばね要素37によって加えられる接触圧力を調整することが可能である。このことは、該ワークピースおよび/または複数のワークピースの材料がまだ可塑化されていない場合、接触圧力が、その初期に特に高くなり、その後、可塑化の増大および該材料の軟化に伴って低下するように実施することができる。
【0068】
らせんばね39、または、加圧流体が充填された環状容積57が、上述した実施形態においてばね要素37に用いられているが、例えば、弾性材料からなるリングまたはいくつかのばね要素からなる構成を代わりに用いることも同様に想定可能であり、本発明は、前述の実現性に限定されない。
【符号の説明】
【0069】
1 摩擦溶接工具
3 ピン
5 クランプ装置
7 長手方向軸
9 結合端部
11 係合端部
13 結合部分
15 係合凹部
17 摩擦面
19 包囲突出部
21 カウンターベアリング
23 上方ディスク
25 ベアリングハウジング
27 押さえ要素
29 包囲凹部
31 ベアリング要素
33 支持面
35 ガイドピン
37 ばね要素
39 らせんばね
41 環状凹部
43 ストリッパー要素
45 穴
47 摩擦ピン
49 ねじ穴
53 ねじ式調節穴
55 調節ねじ
57 環状容積
59 圧力接続フランジ
61 リング要素
63 圧力源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
結合端部(9)と、結合端部(9)の反対側に位置する係合端部(11)とを有し、その長手方向軸(7)周りの回転動作を実行するために設けられ、前記長手方向軸は、結合端部(9)と係合端部(11)との間に伸びており、同時に、その係合端部(11)によって、ワークピース構成の表面に係合するために設けられているピン(3)を有すると共に、前記ピン(3)を包囲し、ピン(3)の長手方向軸(7)に沿って動くことができ、前記ワークピース構成の表面に圧力を加えるために設けられているクランプ装置(5)を有する、摩擦溶接工具(1)であって、
前記クランプ装置(5)が、ピン(3)の長手方向軸(7)周りに自由に回転でき、かつピン(3)が長手方向軸(7)の方向に動くことを防ぐような方法で、結合端部(9)と係合端部(11)との間でピン(3)に保持されるカウンターベアリング(21)を有すると共に、
前記クランプ装置(5)は、ピン(3)を包囲し、係合端部(11)に対向するカウンターベアリング(21)の側に配置され、前記ワークピース構成を圧迫するために設けられている支持面(33)を有する押さえ要素(27)を有し、
前記押さえ要素(27)とカウンターベアリング(21)との間にばね要素(37)が設けられ、それによって押さえ要素(27)が、ピン(3)の長手方向軸(7)に沿って弾性的に滑動可能であるようにピン(3)に取り付けられると共に、
前記ピン(3)は、その結合端部(9)に、工作機械の回転出力軸に解放可能に回転固定結合するための結合部分(13)を有している、
ことを特徴とする摩擦溶接工具。
【請求項2】
前記係合端部(11)は、長手方向軸(7)に直角に伸びる摩擦面(17)を有することを特徴とする請求項1に記載の摩擦溶接工具。
【請求項3】
前記係合端部(11)は、長手方向軸(7)の方向に伸びる摩擦ピン(47)を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の摩擦溶接工具。
【請求項4】
前記係合端部(11)が長手方向軸(7)の方向に伸びる穴(45)を有し、前記摩擦ピン(47)が穴(45)に滑動可能な方法で収容されることを特徴とする請求項3に記載の摩擦溶接工具。
【請求項5】
前記ピン(3)が、長手方向軸(7)に直角に伸び、穴(45)に対して開いており、取付けねじ(51)がそのねじ穴にねじ込まれるねじ穴(49)を有することを特徴とする請求項4に記載の摩擦溶接工具。
【請求項6】
前記ピン(3)が、長手方向軸(7)の方向に伸び、結合端部(9)を起点とし、穴(45)に対して開いており、その中に調節ねじ(53)がねじ込まれるねじ付き調節穴(55)を有することを特徴とする請求項4又は5に記載の摩擦溶接工具。
【請求項7】
前記ばね要素(37)は、らせんばね(39)としてデザインされることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の摩擦溶接工具。
【請求項8】
前記ばね要素(37)は、その長手方向軸(7)の方向における寸法が可変である環状の容積(57)を有し、該容積(57)は、制御可能な圧力源(63)に流体的に連通していることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の摩擦溶接工具。
【請求項9】
前記ピン(3)は、半径方向包囲突出部を有し、カウンターベアリング(21)は、半径方向包囲凹部(29)を備えるベアリングハウジング(25)を有し、凹部(29)は、ピン(3)がその長手方向軸(7)周りにカウンターベアリング(21)に対して自由回転運動が可能であり、かつピン(3)のその長手方向軸(7)に沿うカウンターベアリング(21)に対する軸方向運動が防止されるように、ピン(3)の突出部(19)に係合することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の摩擦溶接工具。
【請求項10】
前記ばね要素(37)は、押さえ要素(27)とベアリングハウジング(25)との間に設けられ、カウンターベアリング(21)は、押さえ要素(27)が、ベアリングハウジング(25)に対して、ピン(3)の長手方向軸(7)に沿って案内されるような方法で滑動可能であるように、押さえ要素(27)に係合する線形ガイド(35)を有することを特徴とする請求項9に記載の摩擦溶接工具。
【請求項11】
前記ベアリング要素(31)は、ピン(3)の突出部(19)とベアリングハウジング(25)との間に設けられることを特徴とする請求項9又は10に記載の摩擦溶接工具。
【請求項12】
前記押さえ要素(27)の支持面(33)は、可塑化した材料を受け容れるために、ピン(3)の長手方向軸(7)周りに同軸に配置される凹部(41)を有することを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の摩擦攪拌溶接工具。
【請求項13】
ストリッパー要素(43)、好ましくは、セラミック要素が、ピン(3)と押さえ要素(27)との間に配置され、ピン(3)の長手方向軸(7)に直角な平面に関して明確な係合状態でピン(3)に載っていることを特徴とする請求項1乃至12の一項に記載の摩擦攪拌溶接工具。
【請求項14】
前記ばね要素(37)の弛緩状態において、ピン(3)は、係合端部(11)が支持面(33)その中に位置する平面に対して結合端部(9)の方向にずらされて配置されるように、クランプ装置(5)に対して配置されることを特徴とする請求項1乃至13の一項に記載の摩擦攪拌溶接工具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−111655(P2013−111655A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−254951(P2012−254951)
【出願日】平成24年11月21日(2012.11.21)
【出願人】(599036761)ヘルムホルツ−ツェントルム ゲーストハハト ツェントルム フュアー マテリアル ウント キュステンフォルシュンク ゲーエムベーハー (22)
【Fターム(参考)】