説明

自己免疫およびアレルギー疾患を処置するための非腫瘍抗原に特異的な細胞傷害性リンパ球

【課題】自己免疫およびアレルギー疾患を処置するための非腫瘍抗原に特異的な細胞傷害性リンパ球の提供。
【解決手段】標的細胞に対して特異的に細胞傷害性である単離されたCD8T細胞であって、該標的細胞がMHCクラスI分子と結合した1以上の非腫瘍自己抗原ペプチドをその表面に有しており、かつ、該自己抗原ペプチドがIgEタンパク質からのペプチドまたはCD40Lタンパク質からのペプチドである、上記単離されたCD8T細胞。また、細胞表面のMHCクラスI分子およびヒトIgEまたはヒトCD40Lからの少なくとも1つの抗原ペプチドを含むキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)由来の非天然抗原提示細胞。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己免疫およびアレルギー疾患を処置するための非腫瘍抗原に特異的な細胞傷害性リンパ球に関する。
【背景技術】
【0002】
細菌およびウイルスに見いだされるような外来抗原に対する免疫応答は、感染を防御し、そして排除する。しかし異常な免疫応答はアレルギー疾患および自己免疫疾患を引き起こす可能性がある。花粉、ホコリダニ、食物抗原およびハチの針のような外来の、時に無害な物質に対する免疫応答は、枯草熱、喘息および全身性アナフィフラキシーのようなアレルギー疾患を生じ得る。膵島抗原および軟骨抗原のような自己抗原に対する免疫応答は、それぞれ糖尿病および関節炎を導き得る。アレルギー疾患の顕著な特徴は、CD4T細胞の活性化およびB細胞によるIgEの高生産である一方、自己免疫疾患の目立った特徴は、CD4T細胞の活性化および炎症性サイトカインの過剰生産である。現行の治療はアレルギーおよび自己免疫疾患の症状の処置に集中してきており、そして疾患の発症および進行を防止するものではない。
【0003】
CTLは休止しているナイーブCD8T細胞から派生し、そして主要組織適合複合体(MHC)クラスI分子により提示される抗原性ペプチドを認識する。休止しているCD8T細胞が専門的な抗原提示細胞により提示される抗原性ペプチド/MHC複合体と遭遇する時、CD8T細胞は活性化され、そして武装した(armed)CTLに分化する。標的細胞上のペプチド/MHC複合体の認識で、抗原特異的CTLは致命的な打撃を与え、そしてウイルスに感染した標的細胞または腫瘍細胞のような抗原−発現細胞を溶解する。
【0004】
インビボでのナイーブT細胞の活性化は、T細胞と樹状細胞のような専門的なAPCとの間の多くの受容体−リガンド相互作用により制御されている(非特許文献1)。ナイーブT細胞の活性化には2つのシグナルが必要であることは一般的に受け入れられている(非特許文献2)。シグナル1はそれぞれ、TCRとMHC/ペプチド複合体との相互作用により誘導され(非特許文献3)、そしてCD4/CD8共受容体(co−receptors)のMHCクラスII/I分子の非多型領域への結合により助けられている(非特許文献4)。シグナル2はシグナル1と定性的に異なり、そしてAPC上の相補的リガンドと相互作用するT細胞共刺激(costimulatory)分子を介して、例えばCD28とB7との相互作用を通して送達される(非特許文献5;6)。シグナル1および2は相乗的に機能し、そして最終的にT細胞が増殖し、サイトカインを生産し、そしてエフェクター細胞に分化することを誘導する一連のシグナル発信反応を誘起する(非特許文献7;8)。しかしシグナル1と2との間の関係は未知である。
【0005】
様々な分子が共刺激機能を有すると報告されたが、CD28−B7相互作用を介して送達される共刺激に特別な注目が集中した(非特許文献9)。CD28は一本のIg様ドメインを含む分子であり、そしてT細胞上にホモ二量体として構成的に発現される(非特許文献5)。CD28分子はAPCs上のB7−1またはB7−2分子のいずれかとの相互作用を通して、T細胞を刺激してIL−2のような成長−促進サイトカインを生産する独特なシグナルを伝達し(非特許文献10)、Bcl−Xのような生存因子(survival factor)の発現をアップレギュレートし(非特許文献11)、そしてシグナル1単独により誘導されるアネルギーを防止する(非特許文献12)すると考えられている。
【0006】
T細胞の活性化に重要な役割を有する別の分子対は、LFA−1/ICAM−1である(非特許文献13)。ICAM−1はIg遺伝子スーパーファミリーに属し、そして5個のIg C様ドメインを細胞外領域に有し;これは造血および非造血細胞の両方で発現する。T細胞上のICAM−1に関する受容体はLFA−1(CD11/CD18)であり、これはb2インテグリンファミリーに属する(非特許文献14)。LFA−1とICAM−1との相互作用は、T細胞に対して有力な共刺激機能を有する(非特許文献15)が、この機能が別のシグナル経路に反映しているのか、またはT細胞とAPCとの接着の上昇に反映するのかについての意見は別れている(非特許文献16:17)。
【0007】
B7およびICAM−1分子に加えて、CD70(非特許文献18)および熱安定性抗原(HSA)(非特許文献19)を含むAPC上の幾つかの他の分子は、それらとT細胞上のそれらの各リガンドとの相互作用を通して極めて有力な共刺激機能を発揮できる。これはT−APC相互作用が高度に複雑であり、そしてT細胞とAPCs上の分子との相補的な組の間で多くの相互作用が関与していることを意味している。各組の分子の相互作用は異なる細胞性の出来事を誘導する特異的なシグナルを誘起する。異なるシグナルの組み合わせは、最適なT細胞の活性化に相乗的に作用し、そしてT細胞の最終的な運命を決定し得る。あるいは共刺激分子の機能は重複し、そして各組の共刺激分子により誘導されるシグナルは付加的かもしれない。各組の共刺激分子の必要性は、シグナル1の強さおよび特性により影響されるだろう。
【0008】
これら2つの可能性を考慮して、ナイーブT細胞の刺激に最小の要件を理解することが重要である。CD28−/−マウスを用いた実験では、CD28−B7相互作用が幾つかの状況では高度に重要であるが、他ではそうではないことを示す(非特許文献20)。同様に1次反応のLFA−1/ICAM相互作用への要件は、一定の知見ではない(非特許文献21)。
【0009】
CD8T細胞は、主にウイルスタンパク質および腫瘍細胞上に発現するタンパク質に由来する抗原性ペプチドを認識する。しかし最近、新しく合成されたタンパク質が抗原処理機構により優先的に処理されたことが報告された(非特許文献22)。活性化で、免疫細胞は多数の新規タンパク質を合成する能力を獲得し、IgE生産B細胞および活性化CD4T細胞が、非IgE生産細胞および休止CD4T細胞とは異なる組のペプチド/MHC複合体を提示することが可能である。IgE生産B細胞および活性化CD4T細胞上に提示されるこれらペプチド/MHC複合体は、CD8T細胞により認識されることができる。すなわちこれらのペプチド/MHC複合体に特異的なCTLは、アレルギーおよび自己免疫疾患を処置することができるだろう。しかし多数の免疫寛容メカニズムはインビボで自己抗原に向かうCD8T細胞の活性化を防ぐことができた。
【0010】
CD8リンパ球(CTLs)は感染細胞、腫瘍細胞および同種細胞の認識および排除の原因となる養子免疫の武器である。いったんプライミングすれば(primed)、CTLは広い種々の細胞上のそれらの標的抗原を認識しそして標的細胞を溶解し、かつ/またはサイトカイン様TNF−アルファまたはIFN−ガンマを分泌することによりそれらの機能を果たすことができる。
【0011】
抗原のCD8CTL(細胞傷害性Tリンパ球)への提示は、MHCクラスI分子(MHC−I)のコンテクスト(context)で起こるが、抗原のCD4HTL(ヘルパーTリンパ球)への提示はMHCクラスII分子のコンテクストで起こる。
【0012】
CD4T細胞の効率的誘導には、T細胞が抗原提示細胞(APC)、すなわちMHCクラスIIおよび共刺激分子を発現する細胞と相互作用することが必要である。APCは樹状細胞、マクロファージおよび活性化B細胞である。ほとんどすべての有核細胞はMH
C−Iを発現するが、自然なCTLも効率的なプライミング(priming)には骨髄が誘導するAPCによる抗原(Ag)の提示を必要とする(非特許文献23)。樹状細胞はCTL応答の高度に有力なインデューサーであり(非特許文献24)、そしてCTLのプライミングに関与する主要なAPCであると考えられている。いったんプライミングすれば、CTLは広い種々の細胞上のそれらのコグネイトAgを認識し、そして標的細胞を溶解し、かつ/またはサイトカインを分泌することにより応答することができる。
【0013】
骨髄−誘導APCはCTL応答を効率的にプライムすることを必要とするが(非特許文献25)、活性化されたCTLは直ちに広い種々の細胞により提示されるAgを認識し、そして応答することができる。インビボでの腫瘍−またはウイルス−特異的CTL免疫応答の誘導は、骨髄由来抗原−提示細胞に依存することが示された(非特許文献26;27)。一般に骨髄由来APCはこれらの細胞に対する独特なメカニズムを通して、シャペロン分子に会合した可溶性抗原の状態で、または貪食作用によるいずれかで細胞性抗原を取り込むと受け入れられている。
【0014】
細胞性抗原に対する応答は、CD4T細胞により運ばれる援助に依存すると長い間示されて来た。細胞性抗原はCTLおよびHTLによる認識のために、同じAPC上に提示されなければならないことも示されて来た。この援助の性質は、CTLの拡大に必要なIL−2の必要性と解釈されてきた。最近の研究では、この援助がHTLによる樹状細胞の活性化から生じ、そしてCD40−CD40L相互作用を介して媒介されることが示された(非特許文献28)。
【0015】
したがって細胞性抗原(腫瘍細胞または感染細胞に由来する)に対するCD8媒介免疫応答の誘導に関する同様なシナリオは以下の通りである:樹状細胞が腫瘍または感染細胞に由来する抗原を獲得する。DC−抗原とCD4細胞との相互作用は、DCがCD8細胞を活性化できるようにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許仮出願第60/291,300号明細書
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】R.M.Steinman,Annu.Rev.Immunol.(1991)9:271−296
【非特許文献2】C.A.Janeway and Bottomly,Cell(1994)76:275−285
【非特許文献3】R.N.Germain,Cell(1994)76:287−299
【非特許文献4】M.C.Miceli and J.R.Parnes,Adv.Immunol.(1993)53:59−122
【非特許文献5】P.S.Linsley and J.A.Ledbetter,Annu.Rev.Immunol.(1993)11:191−212
【非特許文献6】Lenschow et al.,Annu.Rev.Immunol.(1996)14:233−258
【非特許文献7】Mueller et al.,Annu.Rev.Immunol.(1989)7:445−480
【非特許文献8】A.Weiss and D.R.Littman,Cell(1994)76:263−274
【非特許文献9】R.H.Schwartz,Cell(1992)71:1065−1068
【非特許文献10】June et al.,Immunol.Today(1994)15:321−331)
【非特許文献11】Boise et al.,Immunity(1995)3:87−98
【非特許文献12】R.H.Schwartz,Curr.Opin.Immunol.(1997)9:351−357
【非特許文献13】Van Seventer et al.,J.Immunol.(1990)144:4579−4586
【非特許文献14】T.A.Springer,Cell(1994)76:301−314
【非特許文献15】Shimizu et al.,Immunol.Rev.(1990)114:109−143
【非特許文献16】Damle et al.,J.Immunol.(1993)151:2368−2379
【非特許文献17】Bachmann et al.,Immunity(1997)7:549−557
【非特許文献18】Hintzen et al.,J.Immunol.(1995)154:2612−2623
【非特許文献19】Liu et al.,J.Exp.Med.(1992)175:437−445
【非特許文献20】Shahinian et al.,Science(1993),261:609−612
【非特許文献21】Shier et al.,J.Immunol.(1996)157:5375−5386
【非特許文献22】Schubert et al.,Nature,(2000)404:770−774
【非特許文献23】Dalyot−Herman et al.,J.Immunol.165(12):6731−6737
【非特許文献24】J.Bancherean and R.M.Steinman,Nature,(1998)392:245−252)
【非特許文献25】P.J.Fink and M.J.Bevan,Exp.Med(1978)148:755−766
【非特許文献26】Paglia et al.,J.Exp.Med.(1996)183(1):317−322
【非特許文献27】Labeur et al.,J.Immunol.(1999)162(1):168−175
【非特許文献28】S.R.Clarke,J.Leukocyte Bio(2000)67(5):607−614
【発明の概要】
【0018】
IgE生産B細胞および活性化CD4T細胞のような免疫細胞は、アレルギー疾患および自己免疫疾患の病因に中心的な役割を果たす。本発明はアレルギーおよび/または自己免疫疾患を引き起こす免疫細胞を排除または抑制するために、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を利用する。すなわち疾患の発症および進行は本発明の方法により防止され、または中断される。
【0019】
本発明は1以上の非−腫瘍自己抗原T細胞エピトープに対して特異的なCTLの生産法を提供し、この方法は;
a)個体からCD8T細胞を単離し;
b)クラスI MHC分子を有する抗原提示細胞(APC’s)にT細胞エピトープを添
加し;
c)CD8T細胞を抗原を載せたAPC’sと、T細胞エピトープに特異的な前駆体CD8T細胞の活性化に十分な時間培養し;
d)活性化CD8T細胞の増殖に必要な成分の存在下で、カルチャー中の活性化CD8T細胞を増大させ;そして
e)カルチャーからCD8T細胞を回収する、
ことを含んでなる。
【0020】
また本発明は疾患を引き起こす標的細胞に特異的に細胞傷害性であるCD8T細胞を提供し、ここで標的細胞がその表面にMHCクラスI分子と結合する1以上の非−腫瘍自己抗原T細胞エピトープを有し、そしてCD8T細胞は非−腫瘍自己抗原T細胞エピトープに結合するMHCクラスI分子との相互作用によりすでに選択的に活性化されている。
【0021】
また本発明は疾患を引き起こす標的細胞により媒介される疾患の処置法を提供し、ここで標的細胞はその表面にMHCクラスI分子と結合する1以上の非−腫瘍自己抗原T細胞エピトープを有し、この方法はそのような処置が必要な患者に活性化CD8T細胞を投与することを含んでなり、ここでCD8T細胞は非−腫瘍自己抗原T細胞エピトープと結合するMHCクラスI分子との相互作用によりすでに選択的に活性化されている。
【0022】
本発明は人工的な抗原提示細胞を作成し、そして使用することにより、自己抗原に対するCD8T細胞の免疫寛容が破壊され、そしてIgEまたはCD40Lタンパク質から同定された抗原性ペプチドに対して特異的なCTLが生じたことを示す。CD40Lに特異的なインビトロで生成したCTLsのNODマウスへの養子移入(adoptive transfer)は糖尿病の発症を劇的に遅らせ、そしてIgEペプチドに特異的なCTLsはIgEの生産を抑制し、そして喘息のマウスモデルにおいて肺の炎症を減少させた。上記の系はCD4T細胞およびIgE生産B細胞により引き起こされるヒトの疾患にも潜在的に応用できる。CD4T細胞により引き起こされる自己免疫疾患は糖尿病、慢性関節リウマチ、SLE、多発性硬化症および乾癬である。一方、IgEにより媒介されるアレルギー疾患は、薬剤、毒およびピーナッツにより引き起こされる全身性アナフィラキシー、アレルギー性鼻炎、食物アレルギーおよびアレルギー性喘息である。さらに免疫細胞上に発現する他の自己−抗原も、自己免疫疾患およびアレルギー疾患の処置において、インビボでのようにインビトロでもCTLの生成に使用することができる。抗原性ペプチド、タンパク質または非腫瘍細胞で発現する非腫瘍抗原をコードするRNAおよびDNAも、アレルギーおよび自己免疫疾患を処置または防止するためのワクチンを開発するために使用することができる。
【0023】
発明の詳細な説明
1つの態様において本発明は、個体を非−腫瘍自己抗原T細胞エピトープで処置する方法を提供し、この方法は;
a.天然に存在する抗原提示細胞(APC)または天然には存在しない抗原提示細胞系(nnAPC)を調製し、ここで該APCまたは該nnAPCはアレルギーおよび/または自己免疫疾患と関係する約15個までの異なるペプチド分子、好ましくは約10個の異なるペプチド−エピトープ分子を提示することができ、同時に各ペプチドは約6〜12個のアミノ酸長であり、そして好ましくは約8〜10個のアミノ酸長であり、そして約10nM〜100μMの濃度範囲であり;
b.該個体または適当な供与体からCD8細胞を回収し;
c.該CD8細胞を該APCまたは該nnAPC細胞系で刺激し;
d.該CD8細胞を、IL−2、IL−7またはCGM、好ましくはIL−2、またはIL−2とIL−7を組み合わせたようなサイトカインを含む培地に加え;
e.該個体または適当な供与体から回収した非懸濁末梢血単球、あるいはCD8−欠乏末梢血単球を、約10〜50μg/mlのペプチドと混合し;
f.該末梢血単球懸濁液を、所望する末梢血単球を除き懸濁液中のすべての成分を殺菌するために必要な、約3,000〜7,000ラドの範囲、好ましくは5,000ラドのような十分な線量のγ−放射線で照射し;
g.接着末梢血単球を単離し;
h.該接着末梢血単球に約10ng/ml〜10μg/mlの該各ペプチドを載せ;
i.該CD8細胞と該接着末梢血単球を、約10のCD8細胞対1の接着末梢血単球の割合で合わせ;
j.場合によりCD8細胞および末梢血単球を合わせた該懸濁液を、約6〜7日間刺激し;
k.場合によりCD8細胞および末梢血単球の該懸濁液を、培地中のIL−2およびIL−7で刺激し;
l.場合により適当なCTL活性についてCD8懸濁液をアッセイし、そして場合によりCTL純度、ステリリティ(sterility)およびエンドトキシン含量についてアッセイし;そして
m.該個体にCD8懸濁液を接種する、
ことを含んでなる。
【0024】
別の態様では、本発明は個体の処置法を提供し、この方法は;
a.天然に存在する抗原提示細胞(APC)または天然には存在しない抗原提示細胞系(nnAPC)を調製し、ここで該APCまたは該nnAPCはアレルギーおよび/または自己免疫疾患と関係する約15個までの異なるペプチド−エピトープ分子、好ましくは約10個のペプチドを提示することができ、同時に各ペプチドは8〜10個のアミノ酸長であり;
b.該個体からCD8細胞を回収し;
c.該CD8細胞を該APCまたは該nnAPC細胞系で約6〜7日間刺激し;
d.該CD8細胞を、培地中のIL−2およびIL−7で刺激し;
e.該個体から回収した末梢血単球を、約20μg/mlの各ペプチドと混合し;
f.該CD8−欠乏末梢血単球懸濁液を、約5,000ラドのγ−放射線で照射し;
g.接着末梢血単球を単離し;
h.該接着末梢血単球に約100ng/mlの該エピトープを載せ;
i.該CD8細胞と該接着末梢血単球を、約10のCD8細胞対1の末梢血単球の割合で合わせ;
j.CD8細胞および末梢血単球を合わせた該懸濁液を、約6〜7日間刺激し;
k.CD8細胞および末梢血単球の該懸濁液を、培地中のIL−2およびIL−7で刺激し;
l.適当なCTL活性、純度、ステリリティおよびエンドトキシン含量についてCD8懸濁液をアッセイし;そして
m.該個体にCD8懸濁液を接種する、
ことを含んでなる。
【0025】
本発明の別の態様は、限定するわけではないが慢性関節リウマチ、狼瘡、乾癬、自己免疫腎炎、多発性硬化症、インスリン依存性糖尿病、自己免疫甲状腺炎、クローン病、炎症性腸疾患、移植片対宿主病および移植拒絶を含む自己免疫疾患、および/または限定するわけではないが食物アレルギー、枯草熱、アレルギー性鼻炎、アレルギー性喘息および蛇毒アレルギーを含むアレルギー疾患の個体を処置するための方法を提供し、この方法は;a.天然に存在する抗原提示細胞(APC)または天然には存在しない抗原提示細胞系(nnAPC)を調製し、ここで該APCまたは該nnAPCはそのような疾患と関係する約15個までの異なるペプチド−エピトープ分子、好ましくは約10個のペプチドを提示
することができ、同時に各ペプチドは8〜10個のアミノ酸長であり;
b.該個体からCD8細胞を回収し;
c.該CD8細胞を該APCまたは該nnAPC細胞系で約6〜7日間刺激し;
d.該CD8細胞を、培地中のIL−2およびIL−7で刺激し;
e.該個体から回収した末梢血単球を、約20μg/mlの各ペプチドと混合し;
f.該CD8−欠乏末梢血単球懸濁液を、約5,000ラドのγ−放射線で照射し;
g.接着末梢血単球を単離し;
h.該接着末梢血単球に約100ng/mlの該エピトープを載せ;
i.該CD8細胞と該接着末梢血単球を、約10のCD8細胞対1の該末梢血単球の割合で合わせ;
j.CD8細胞および末梢血単球を合わせた該懸濁液を、約6〜7日間刺激し;
k.CD8細胞および末梢血単球の該懸濁液を、培地中のIL−2およびIL−7で刺激し;
l.適当なCTL活性、純度、ステリリティおよびエンドトキシン含量についてCD8懸濁液をアッセイし;そして
m.該個体にCD8懸濁液を接種する、
ことを含んでなる。
【0026】
本発明の別の態様は、アレルギーおよび/または自己免疫疾患の処置法であり、ここでnnAPCは以下のペプチド、配列番号15〜配列番号49を提示する。
【0027】
本発明の別の態様は、非−癌性疾患またはHLAクラスI分子が通常関係する不十分な、または未熟な免疫応答を生じる疾患の状態を処置する方法であり、ここで処置は感染した、または形質転換した細胞を排除し、該排除はCTLsにより媒介されることが証明された。
【0028】
本発明の別の態様は、非−癌性疾患またはHLAクラスI分子が通常関係する不十分な、または未熟な免疫応答を生じる疾患の状態を処置する方法であり、ここでCTLによる排除に感受性となることが示された感染した、または形質転換した細胞は;
a.天然に存在する抗原提示細胞(APC)または天然には存在しない抗原提示細胞系(nnAPC)を調製し、ここで該APCまたは該nnAPCはそのような疾患または疾患状態と関係する約15個までの異なるペプチド分子、好ましくは約10個のペプチドエピトープ分子を提示することができ、同時に各ペプチドは6〜12個のアミノ酸長、好ましくは8〜10個のアミノ酸長であり、そして約10nM〜100μMの範囲の濃度であり;
b.該個体または適当な供与体からCD8細胞を回収し;
c.該CD8細胞を該APCまたは該nnAPC細胞系で刺激し;
d.該CD8細胞を、IL−2、IL−7またはCGM、好ましくはIL−2、またはIL−2とIL−7を組み合わせたようなサイトカインを含む培地に加え;
e.該個体または適当な供与体から回収した非懸濁末梢血単球、あるいはCD8−欠乏末梢血単球を、約10〜50μg/mlのペプチドと混合し;
f.該末梢血単球懸濁液を、所望する末梢血単球を除き懸濁液中のすべての成分を殺菌するために必要な、約3,000〜7,000ラド、好ましくは5,000ラドのような十分な線量のγ−放射線で照射し;
g.接着末梢血単球を単離し;
h.該接着末梢血単球に約10ng/ml〜10μg/mlの該各ペプチドを載せ;
i.該CD8細胞と該接着末梢血単球を、約10のCD8細胞対1の末梢血単球の割合で合わせ;
j.場合によりCD8細胞および末梢血単球を合わせた該懸濁液を、約6〜7日間刺激し;
k.場合によりCD8細胞および末梢血単球の該懸濁液を、培地中のIL−2およびIL−7で刺激し;
l.場合により適当なCTL活性についてCD8懸濁液をアッセイし、そして場合によりCTL純度、ステリリティおよびエンドトキシン含量についてアッセイし;そして
m.該個体にCD8懸濁液を接種する、
ことを含んでなる方法により処理される。
【0029】
本発明は、発現のためにDNAでトランスフェクトしたキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)の細胞に由来する天然には存在しない抗原−提示細胞(nnAPC)を提供し、ここでnnAPCはアレルギーおよび/または自己免疫疾患に関係する最高15個の異なるペプチド分子、好ましくはDNAによりコードされる10個のペプチド分子を同時に提示することができる。
【0030】
本発明は、発現のためにヒト クラスI HLA、結合および共−刺激分子のDNAでトランスフェクトしたキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)の細胞に由来する天然には存在しない抗原−提示細胞(nnAPC)を提供し、ここでnnAPCはアレルギーおよび/または自己免疫疾患に関係する最高15個の異なるペプチド分子、好ましくはDNAにより同時にコードされる10個のペプチド分子を同時に提示することができる。
【0031】
本発明の別の態様は、個体の処置を強化する種々の所望する機能と関連するペプチドを提示するnnAPCを提供する。例えば処置される疾患または疾患状態と関係するペプチドに加えて、nnAPCはリンパ球機能抗原(LFA−1、LFA−2およびLFA−3)、細胞間接着分子1(ICAM−1)、T−細胞共刺激因子(CD2、CD28、B7)のようなアクセサリー分子と関係するペプチドを提示して、細胞−細胞接着またはさらなる細胞活性化シグナルの伝達を強化することができる。
【0032】
本発明の別の態様は、アレルギーおよび/または自己免疫疾患と関係するペプチドを提示するnnAPCを提供する。例えばIgEに関係または由来するペプチドはアレルゲンに関係または由来するペプチドと、またはさらにCD40Lペプチドと組み合わせて提示される。
【0033】
本発明の別の態様は、アレルギーおよび/または自己免疫疾患と関係する最高10個の異なるペプチド分子を同時に提示することができる天然に存在しない抗原−提示細胞(nnAPC)の製造法を提供し、該方法は;
a.キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)の卵に由来する昆虫細胞系を調製し;あるいは昆虫細胞系を調製し、ここで該細胞は12日間成長させ、所望する細胞を同定することができるペプチド、好ましくは四量体で選択し、そして次に所望の細胞をOKT3およびIL−2で拡大し;
b.該昆虫細胞を、昆虫細胞を成長させるために適する培地、好ましくはSchneider(商標)のショウジョウバエ(Drosophila)培地で成長させ;
c.pRmHa−1発現ベクターからpRmHa−3プラスミドを作成し、ここで該pRmHa−3プラスミドはメタロチオネインプロモーター、金属応答コンセンサス配列およびキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)から単離したポリアデニレーションシグナルを持つアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子を含み;d.該pRmHa−3プラスミドに、HLAヒトクラスI A2.1、B7.1、B7.2,ICAM−1、β−2ミクログロブリンおよびLFA−3に相補的なDNAを挿入し、ここでA2.1はヒト クラスI DNA配列と置換されることができ;
e.該昆虫細胞をphshneoプラスミドでトランスフェクトし、そして該pRmHa−3プラスミドは相補的DNAを含み;
f.該昆虫細胞をCuSOと接触させて、該昆虫細胞中にトランスフェクトした遺伝子の発現を誘導する、
工程を含んでなる。
【0034】
樹状細胞およびマクロファージのような専門的な抗原提示細胞は、IgEペプチド(Dalvot−Herman et al.(2000)同上)またはIgE組換えタンパク質(Paglia et al.(1996)同上)を載せることができ、またはIgEまたはIgE断片をコードするウイルスで形質導入することができる(Yang et
al.,Cellular Immunology(2000)204:29−37)。これらの修飾された専門的な抗原−提示細胞は、次にIgE特異的CD8T細胞を活性化するために使用され、そしてIgE特異的CTLsをインビトロで生産することができる。あるいは非専門的な抗原提示細胞を、多数の共刺激分子をコードする多数の遺伝子に加えてIgEおよびIgEの断片をコードする遺伝子でトランスフェクトまたは形質導入することもできる。IgE特異的CTLsを生成するために、修飾された非専門的な抗原提示細胞をこのように使用してIgE特異的CD8T細胞を刺激することができる。
【0035】
本発明の昆虫細胞は昆虫を成長させるために適する培地(今後「昆虫成長培地」と呼ぶ)中で成長させる。Schneider(商標)ショウジョウバエ(Drosophila)培地、グレース(Grace)の昆虫培地およびTC−100昆虫培地のような昆虫成長培地が多数の会社から市販されている。あるいは昆虫成長培地は当業者が調製できる。典型的には培地には無機塩(例えば塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウム、リン酸カリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウムおよびリン酸ナトリウム)、アミノ酸種々の炭水化物、および化学品(Imogene Schneider,Exp.Zool.(1964)156(1):91−104)のような昆虫の成長を促進および維持するために必要な成分を含む。あるいは培地はビタミン、ミネラルおよび昆虫の成分を助ける他の成分を含むこともできる。
【0036】
以下は本明細書中で使用する略号および定義の一覧である。
【0037】
略号
APC 抗原−提示細胞
CD8 CD8T細胞
CTL 細胞傷害性Tリンパ球
FAS CD95としても知られるT細胞上のエピトープ
ICAM 細胞間接着分子
IL インターロイキン
LFA リンパ球機能抗原
MHC 主要組織適合複合体
nnAPC 天然には存在しない抗原−提示細胞
PBMC 末梢血単核細胞
PBS リン酸緩衝化生理食塩水
PCR ポリメラーゼ連鎖反応
RPMI ローズウェルパーク記念研究所(Roswell Park M
emorial Institute)
RWJPRI The R.W.ジョンソン製薬調査研究所
T 標的
TCR T細胞抗原受容体
【0038】
以下は種々のエピトープについて本明細書で使用する略号の一覧である。個々のアミノ酸残基は当業者に容易知られ、そして使用されている1文字コードに従い同定される。
アミノ酸 略号
3−文字 1−文字
アラニン ala A
バリン val V
ロイシン leu L
イソロイシン ile I
プロリン pro P
フェニルアラニン phe F
トリプトファン tyr W
メチオニン met M
グリシン gly G
セリン ser S
トレオニン thr T
システイン cys C
チロシン tyr Y
アスパラギン asn N
グルタミン gln Q
アスパラギン酸 asp D
グルタミン酸 glu E
リシン lys K
アルギニン arg R
ヒスチジン his H
【0039】
ペプチドエピトープ略号
本明細書で使用する用語IgE 11はKPCKGTASM(配列番号1)のアミノ酸配列を称する。
【0040】
本明細書で使用する用語IgE 209はIPPSPLDLY(配列番号2)のアミノ酸配列を称する。
【0041】
本明細書で使用する用語IgE 366はGSNQGFFIF(配列番号3)のアミノ酸配列を称する。
【0042】
本明細書で使用する用語IgE 29はFPNPVTVTW(配列番号4)のアミノ酸配列を称する。
【0043】
本明細書で使用する用語IgE 105はHSSCDPNAF(配列番号5)のアミノ酸配列を称する。
【0044】
本明細書で使用する用語IgE 114はHSTIQLYCF(配列番号6)のアミノ酸配列)を称する。
【0045】
本明細書で使用する用語IgE 363はKSNGSNQGF(配列番号7)のアミノ酸配列を称する。
【0046】
本明細書で使用する用語IgE 307はRSAPEVYVF(配列番号8)のアミノ酸配列を称する。
【0047】
本明細書で使用する用語IgE 44はMSTVNFPAL(配列番号9)のアミノ酸配列を称する。
【0048】
本明細書で使用する用語IgE 411はTSLGNTSLR(配列番号10)のアミノ酸配列を称する。
【0049】
本明細書で使用する用語IgE 16はTASMTLGCL(配列番号11)のアミノ酸配列を称する。
【0050】
本明細書で使用する用語IgE 159はASTCSKLNI(配列番号12)のアミノ酸配列を称する。
【0051】
本明細書で使用する用語IgE 125はGHILNDVSV(配列番号13)のアミノ酸配列を称する。
【0052】
本明細書で使用する用語CD40L 17はLPASMKIFM(配列番号15)のアミノ酸配列を称する。
【0053】
本明細書で使用する用語CD40L 186はRPFIVGLWL(配列番号16)のアミノ酸配列を称する。
【0054】
本明細書で使用する用語CD40L 118はDPQIAAHVV(配列番号17)のアミノ酸配列を称する。
【0055】
本明細書で使用する用語CD40L 220はQSVHLGGVF(配列番号18)のアミノ酸配列を称する。
【0056】
本明細書で使用する用語CD40L 9はSPRSVATGL(配列番号19)のアミノ酸配列を称する。
【0057】
本明細書で使用する用語CD40L 195はKPSIGSERI(配列番号20)のアミノ酸配列を称する。
【0058】
本明細書で使用する用語CD40L 252はFSSFGLLKL(配列番号21)のアミノ酸配列を称する。
【0059】
本明細書で使用する用語CD40L 7はQPSPRSVAT(配列番号22)のアミノ酸配列を称する。
【0060】
本明細書で使用する用語CD40L 181はEPSSQRPFI(配列番号23)のアミノ酸配列を称する。
【0061】
本明細書で使用する用語CD40L 79はLSLLNCEEM(配列番号24)のアミノ酸配列を称する。
【0062】
本明細書で使用する用語CD40L 152はVMLENGKQL(配列番号25)のアミノ酸配列を称する。
【0063】
本明細書で使用する用語CD40L 146はTMKSNLVML(配列番号26)のアミノ酸配列を称する。
【0064】
本明細書で使用する用語CD40L 235はSVFVNVTEA(配列番号27)の
アミノ酸配列を称する。
【0065】
本明細書で使用する用語CD40L 38はGSVLFAVYL(配列番号28)のアミノ酸配列を称する。
【0066】
本明細書で使用する用語CD40L 19はASMKIFMYL(配列番号29)のアミノ酸配列を称する。
【0067】
本明細書で使用する用語CD40L 24はFMYLLTVFL(配列番号30)のアミノ酸配列を称する。
【0068】
本明細書で使用する用語CD40L 167はGLYYIYAQV(配列番号31)のアミノ酸配列を称する。
【0069】
本明細書で使用する用語CD40L 22はKIFMYLLTV(配列番号32)のアミノ酸配列を称する。
【0070】
本明細書で使用する用語CD40L 36はMIGSALFAV(配列番号33)のアミノ酸配列を称する。
【0071】
本明細書で使用する用語CD40L 58はNLHEDFVFM(配列番号34)のアミノ酸配列を称する。
【0072】
本明細書で使用する用語CD40L 170はYIYAQVTFC(配列番号35)のアミノ酸配列を称する。
【0073】
本明細書で使用する用語CD40L 26はYLLTVFLIT(配列番号36)のアミノ酸配列を称する。
【0074】
本明細書で使用する用語CD40L 231はLQPGASVFV(配列番号37)のアミノ酸配列を称する。
【0075】
本明細書で使用する用語CD40L 45はYLHRRLDKI(配列番号38)のアミノ酸配列を称する。
【0076】
本明細書で使用する用語CD40L 147はTMSNNLVTL(配列番号39)のアミノ酸配列を称する。
【0077】
本明細書で使用する用語CD40L 229はFELQPGASV(配列番号40)のアミノ酸配列を称する。
【0078】
本明細書で使用する用語CD40L 160はQLTVKRQGL(配列番号41)のアミノ酸配列を称する。
【0079】
本明細書で使用する用語CD40L 35はQMIGSALFA(配列番号42)のアミノ酸配列を称する。
【0080】
本明細書で使用する用語CD40L 185はSQAPFIASL(配列番号43)のアミノ酸配列を称する。
【0081】
本明細書で使用する用語CD40L 19はISMKIFMYL(配列番号44)のアミノ酸配列を称する。
【0082】
本明細書で使用する用語CD40L 153はVTLENGKQL(配列番号45)のアミノ酸配列を称する。
【0083】
本明細書で使用する用語CD40L 126はVISEASSKT(配列番号46)のアミノ酸配列を称する。
【0084】
本明細書で使用する用語CD40L 227はGVFELQPGA(配列番号47)のアミノ酸配列を称する。
【0085】
本明細書で使用する用語CD40L 20はSMKIFMYLL(配列番号48)のアミノ酸配列を称する。
【0086】
本明細書で使用する用語CD40L 165はRQGLYYTIYA(配列番号49)のアミノ酸配列を称する。
【0087】
本明細書で使用する用語IgE 47はSLNGTTMTL(配列番号50)のアミノ酸配列を称する。
【0088】
本明細書で使用する用語IgE 96はWVDNKTFSV(配列番号51)のアミノ酸配列を称する。
【0089】
本明細書で使用する用語IgE 185はWLSDRTYTC(配列番号52)のアミノ酸配列を称する。
【0090】
本明細書で使用する用語IgE 309はALSDRTYTC(配列番号53)のアミノ酸配列を称する。
【0091】
本明細書で使用する用語IgE 876はSLLTVSGAWA(配列番号54)のアミノ酸配列を称する。
【0092】
本明細書で使用する用語IgE 883はWLEDGQVMDV(配列番号55)のアミノ酸配列を称する。
【0093】
本明細書で使用する用語IgE 884はTLTVTSTLPV(配列番号56)のアミノ酸配列を称する。
【0094】
本明細書で使用する用語IgE 887はQMFTCRVAHT(配列番号57)のアミノ酸配列を称する。
【0095】
本明細書で使用する用語IgE 890はYATISLLTV(配列番号58)のアミノ酸配列を称する。
【0096】
本明細書で使用する用語IgE 895はTLACLIQNFM(配列番号59)のアミノ酸配列を称する。
【0097】
本明細書で使用する用語IgE 898はQVMDVDLSTA(配列番号60)のアミノ酸配列を称する。
【0098】
用語および定義
本明細書で使用する用語「養子免疫療法」とは、疾患または疾患状態を処置するために供与体または自家Tリンパ球の投与を称し、ここで疾患または疾患状態はHLAクラスI分子に通常関連する不十分または未熟な免疫応答をもたらす。養子免疫療法は、感染または形質転換した細胞の排除がCTLsより活性化されることが示された疾患または疾患状態の適切な処置である。例えば疾患または疾患状態には限定するわけではないが黒色腫、前立腺、胸部、結腸−直腸、胃、気管支および首、膵臓、頸部、卵巣、骨、白血病および肺ガンのような癌および/または腫瘍;B型肝炎、C型肝炎、ヒト免疫不全ウイルスのようなウイルス感染;およびマラリア;結核菌およびリステリア モノサイトゲネスのような細菌感染を含む。
【0099】
本明細書で使用する用語「B7.1」とは、抗原−提示細胞に結合する共−刺激分子を称する。
【0100】
本明細書で使用する用語「BCNU」は、1,3−ビス(2クロロエチル)−1−ニトロソウレアとしても知られているカルムスチンを称する。
【0101】
本明細書で使用する用語「BSE」は、ウシ海綿状脳症を称する。
【0102】
本明細書で使用する用語「CD」は、クラスター オブ ディファレンシエーション(cluster of differentiation)、抗原エピトープおよび機能によりグループ分けされるTリンパ球(元は)、Bリンパ球、単球、マクロファージおよび顆粒球を称する。
【0103】
本明細書で使用する用語「DTIC」は、ダカルバジン、5−(3,3−ジメチル−1−トリアゼノ)−イミダゾール−4−カルボキサミドを称する。
【0104】
本明細書で使用する用語「エクスビボ」または「エクスビボ 治療」は、生物学的材料、典型的には細胞が患者から得られるか、または適当な供与体のような適当な代替的供給源から得られ、そして修飾されて修飾された細胞が、修飾された細胞により生成される治療的利益の長期送達または一定送達により改善される病理学的状態を処置するために使用できることを称する。処置には、患者または代替の供給源のいずれから得られた修飾された生物学的材料の患者への再導入を含む。エクスビボ治療の利益は、患者を処置からの望ましくない付帯的効果に暴露することなく患者に処置の利益を提供する能力である。例えばサイトカインは癌またはウイルス感染患者にしばしば投与されて、患者のCTLsの拡大を刺激する。しかしサイトカインは患者に流感様の症状の発症を引き起こすことが多い。エクスビボの手順では、患者の身体外でサイトカインを使用してCTLsの拡大を刺激し、そして患者にはサイトカインへの暴露および結果としてその副作用がない。あるいは適当な状況または条件下で、適当かつ個体が利益を引き出せる場合、個体を同時に低用量のα−インターフェロンで処置することもできる。
【0105】
本明細書で使用する用語「HEPES」は、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’2−エタンスルホン酸バッファーを称する。
【0106】
本明細書で使用する用語「HLA−A2.1」は、約45%のコーカサス人に見いだされるHLAクラスI分子を称する。
【0107】
本明細書で使用する用語「MPC−10」は磁気粒子濃縮器を称する。
【0108】
本明細書で使用する用語「NK細胞」はナチュラルキラー細胞を称する。
【0109】
本明細書で使用する用語「OKT3」はORTHOCLONE OKT3、ムロモナブ(muromonab)−CD3、抗−CD3モノクローナル抗体を称する。
【0110】
本明細書で使用する用語「TAP−1、2」は、抗原プロセッシング−1、2に関係するトランスポーター(Transporter Associated with Antigen Processing−1,2)を称する。
【0111】
本明細書で使用する用語「Th細胞」は、ヘルパーT細胞、CD4を称する。
【0112】
本明細書で使用する用語「C−レクチン(lectin)」は卵巣癌に関連することが見いだされた配列のペプチドを称する。
【0113】
本明細書で使用する用語「主要組織適合複合体」または「MHC」は、ヒト白血球抗原(HLA)を含む異なる種で記載された組織適合抗原系を包含することを意味する一般名称である。
【0114】
本明細書で使用する用語「エピトープ」、「ペプチドエピトープ」、「抗原性ペプチド」および「免疫原性ペプチド」は、哺乳動物に細胞免疫応答を生じることができる抗原に由来するペプチドを称する。そのようなペプチドはペプチドで免疫感作した動物に由来する抗体に反応性となることができる。そのようなペプチドは約5〜20個のアミノ酸長、好ましくは約8〜15個のアミノ酸長、そして最も好ましくは約9〜10個のアミノ酸長であることができる。
【0115】
本明細書で使用する用語「同族体」は、1以上の残基が機能的に類似の残基で保存的に置換されており、そして本明細書に記載する本発明の機能的観点を示す本発明のポリペプチド配列と実質的に同一なアミノ酸残基の配列を有する任意のポリペプチドを含む。保存的置換の例には、イソロイシン、バリン、ロイシンまたはメチオニンのような1つの非−極性(疎水性)残基の別の残基との置換、アルギニンとリシン間、グルタミンとアスパラギン間、グリシンとセリン間のような1つの極性(親水性)残基の別の残基への置換、リシン、アルギニンまたはヒスチジンのような塩基性残基の別の残基への置換、あるいはアスパラギン酸またはグルタミン酸またはその他のような1つの酸性残基の置換を含む。
【0116】
本明細書で使用する用語「保存的置換」には、非−誘導化残基の代わりに化学的に誘導化された残基の使用を含む。
【0117】
本明細書で使用する用語「化学的誘導体」とは、官能性側基の反応により化学的に誘導化された1以上の残基を有する本ポリペプチドを称する。そのような誘導化分子の例は、例えば遊離のアミノ基が誘導化されてアミンヒドロクロライド、p−トルエンスルホニル基、カルボベンズオキシ基、t−ブチルオキシカルボニル基、クロロアセチル基またはホルミル基を形成する分子を含む。遊離カルボキシル基は誘導化されて塩、メチルおよびエチルエステルまたは他の種類のエステルまたはヒドラジドを形成することができる。遊離ヒドロキシル基は誘導化されてO−アシルまたはO−アルキル誘導体を形成することができる。ヒスチジンのイミダゾール窒素は誘導化されてN−im−ベンジルヒスチジンを形成することができる。また化学的誘導体として含まれるのは、20種の標準的アミノ酸の1以上の自然に存在するアミノ酸誘導体を含むタンパク質またはペプチドである。例えばプロリンを4−ヒドロキシプロリンに代えてもよく;リシンを5−ヒドロキシリシンに代えてもよく;ヒスチジンを3−メチルヒスチジンに代えてもよく;セリンをホモセリンに代えてもよく;そしてリシンをオルニチンに代えてもよい。本発明のタンパク質またはポ
リペプチドは必要な活性が維持される限り、1以上の付加および/または削除、またはコードされているポリペプチドの配列が本発明の核酸配列に対応するポリペプチドの配列に関する残基を有する任意のポリペプチドを含む。
【0118】
細胞溶解性T細胞(CD8)は、ウイルス感染対する防御の主な道筋である。CD8リンパ球はウイルスに感染した宿主細胞を特異的に認識し、そして殺す。理論的には癌を含む他の種類の疾患を克服するために免疫系を利用することが可能なはずである。しかしCTLsを特異的に活性化するために利用できたインビトロ/エクスビボの手順はほとんどない。本明細書で注目した重要なアレルギーおよび/または自己免疫抗原の同定、および以下に記載するCTLsの特異的インビトロ活性化法は今、アレルギーおよび/または自己免疫疾患の養子免疫療法の概念を試験できるようにする。
【0119】
すべての自然なT細胞には、免疫応答を誘導するための活性化に2つのシグナルを必要とする。CD8リンパ球(CTLs)について、特異性を伝える第1シグナルは抗原提示細胞(APCs)の表面に存在するクラスI MHC(HLA)複合体に結合した抗原の免疫原性ペプチド断片(エピトープ)をCD8リンパ球に提示することからなる。この複合体はシグナルを細胞内に連絡するT細胞抗原受容体(TCR)により特異的に認識される。
【0120】
T細胞受容体への結合は必要であるが、T細胞活性化を誘導するには十分ではなく、そして通常は細胞の増殖またはサイトカイン分泌を導かない。完全な活性化には第2の共−刺激シグナル(1つまたは複数)が必要であり、これらのシグナルが活性化カスケードをさらに強化するために役立つ。抗原−提示細胞に関する共−刺激分子の中で、B7およびICAM−1のような細胞接着分子(インテグリン)はT細胞上のCD28およびLFA−1にそれぞれ結合することによりこのプロセスを援助する。CD8細胞が適当な共刺激分子との相互作用の存在下で、MHCクラスI分子により結合された免疫原性ペプチド(エピトープ)を持つ抗原提示細胞と相互作用する時、CD8細胞は完全に細胞傷害性のT細胞になる。
【0121】
リンパ球が媒介する殺細胞には、CD8CTLが抗原を持つ標的(腫瘍)細胞に、T細胞活性化に関して上記のプロセスにより認識される手段により結合することから始まる一連の生物学的出来事が関与する。この相互作用はAPCまたは標的細胞上のMHCクラスI分子に結合している抗原のT細胞抗原受容体(TCR)への結合から始まる。リンパ球機能抗原(LFA−1、LFA−2およびLFA−3)、細胞間接着分子1(ICAM−1)、T細胞−共刺激因子(CD2、CD28、B7)のようなアクセサリー分子は、細胞−細胞接着またはさらなる細胞活性化シグナルの伝達を強化する。
【0122】
細胞−細胞相互作用の後、CTLは標的細胞を可溶性の細胞溶解性メディエーター(T細胞中の細胞質顆粒に保存されたパーフォリンおよびグランザイム)およびCTL表面分子(FASリガンド)の作用を通して殺す。細胞溶解的攻撃後、標的細胞はネクローシス(膜の穿孔および細胞小器官の破壊)またはアポトーシス(クロマチン凝縮、DNA断片化および膜の泡状化)により死ぬ。
【0123】
リンパ球が媒介する細胞溶解のメカニズムを、図2にグラフ的に示す。図2のパネルAでは、標的細胞に結合した後、パーフォリンおよびグランザイムを含む顆粒を細胞間間隙に放出するために、CTL中の細胞質顆粒は急速に標的細胞に向けられる。これらのタンパク質溶解酵素は標的細胞の形質膜に孔を形成し、最終的に細胞のネクローシスを導く。パネルBでは、標的細胞に結合した後、CTL上のFAS発現レベルが上昇する。FASと標的細胞上のFAS受容体との相互作用はアポトーシスを導く。CPP32のようなプロテアーゼおよび他のIL−1b−転換酵素(ICE)に関する酵素がアポトーシスの誘
導に関係した。
【0124】
天然に存在する抗原−提示細胞、例えば樹状細胞、マクロファージ、自家腫瘍細胞をインビトロのCD8活性化に使用することは可能である。しかしこのアプローチの後の活性化の効率は低い。これはナイーブAPCのクラスI分子が腫瘍エピトープの外に多くの種類のペプチドエピトープを含むからである。ほとんどのペプチドは正常で無害な細胞タンパク質から派生し、腫瘍に対して実際に効果的である活性なナイーブAPCsの数を希釈する(Allison et al.,Curr.Op.Immunol.(1995)7:682−686)。
【0125】
この問題に対するより直接的かつ効率的な取り組みは、特異的疾患(アレルギーおよび/または自己免疫疾患のような)を克服すること関連するエピトープだけでCD8細胞を特異的に活性化することである。このために、人工抗原提示細胞を、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)(ミバエ)細胞でMHCクラスI分子を発現させることにより作成する。ショウジョウバエ(Drosophila)は免疫系を持たないので、ペプチドエピトープをクラスI分子に載せることに関与するTAP−1,2ペプチド輸送体が無い。その結果、クラスI分子は空の導管としてショウジョウバエ(Drosophila)の細胞上に現れる。これらトランスフェクトしたショウジョウバエ(Drosophila)の細胞を、限定するわけではないが黒色腫特異的エピトープを含む癌または腫瘍に特異的なエピトープのようなクラスI分子に結合する外因性のペプチドとインキューベーションすることにより、幾つかのペプチドで各クラスI分子を占有することが可能である。これらショウジョウバエ(Drosophila)のAPCにおける1つのペプチドを含むクラスI分子の高密度発現により、抗原ペプチドに完全に特異的な細胞傷害性CD8T細胞をインビトロで生成することが可能となる。ショウジョウバエ(Drosophila)の細胞を調製するための方法および手順は、1996年6月25日に発効された「ヒトクラスIMHCおよびβ2−ミクログロブリンを発現する昆虫細胞を使用した細胞傷害性T−細胞のインビトロ活性化(In Vitro Activation of Cytotoxic T−Cells Using Insect Cells Expressing Human Class I MHC and β2−Microglobulin)」という表題の米国特許第5,529,921号明細書、および1994年5月24日に発効された「MHCクラスI抗原およびβ2−ミクログロブリンをコードする遺伝子を発現し、そして空の複合体を集成することができるショウジョウバエの細胞系および該細胞系の作成法(Drosophila Cell Line Expressing Genes Encoding MHC Class I Antigen And β2−Microglobulin and
Capable of Assembling Empty Complexes and Methods of Making Said Cell Lines)」という表題の米国特許第5,314,813号明細書に教示されている。特に米国特許第5,529,921号明細書は、カラム26、第56行からカラム28、第22行に前駆体細胞のカルチャーを分離し、かつ/または濃縮する様々な方法を開示している。
【0126】
さらにこの特徴は種々のサイトカインを用いた免疫系のインビボ刺激の必要性を排除する。これによりサイトカインにより生じる副作用の先を行く処置をもたらす。あるいは適当な状況または条件下で、適切かつ個体が利益を導くことができる場合、個体は低用量のαインターフェロンを用いて同時に処置することができる。
【0127】
サイトカインを用いたインビボ刺激に関する必要性を排除することは、患者のケアの質の向上を提供する。サイトカインを患者に投与することを含む処置計画は、患者に悪心、吐き気および熱のような流感様の症状を生じることが多い。これらの副作用は一般に生命を脅かすものではないが、すでに衰弱した状態の患者に特に重篤な反応が起こると、生命
に危険な状態をもたら可能性がある。別の考察はそうでなければ有益な治療法の患者のアクセプタンスおよびコンプライアンスにそのような副作用が悪影響を及ぼすことである。サイトカインを用いたインビボ刺激の必要性を除去することにより患者の快適さを改善する治療計画をもたらし、そして患者が医師により従うようになる効果的な処置法を提供する。
【0128】
養子免疫療法のためのこの方法の用途は、T細胞受容体(TCR)トランスジェニックマウスの2C系に由来するAPCsおよびCD8細胞のようなトランスフェクトしたショウジョウバエ(Drosophila)の細胞を使用してマウスで証明された。この系では、精製したCD82C細胞が共−刺激分子B7−1およびICAM−1も持つMHCクラスI(L)でトランスフェクトしたショウジョウバエ(Drosophila)細胞により提示されるインビトロのペプチドに高度に反応性である。プライムしていない(unprimed)CD8+T細胞を刺激するための最少要件を決定するためのプローブとしてショウジョウバエ(Drosophila)細胞をトランスフェクトした(Cai et al.,P.N.A.S USA.(1996)93:14736−14741)。あるいは精製された2C細胞の代わりに反応体として分離していないマウスの脾臓細胞を使用する時、共−刺激分子の必要性は適用しない。この場合、脾臓群中のCD8細胞が、活性化されたB細胞から「傍観者(bystander)」の共−刺激を受容する。この知見を利用して、MHCクラスI(L)でトランスフェクトしたショウジョウバエ(Drosophila)細胞は、正常なDBA/2マウス脾臓細胞に、リンホカインを加えることなくインビトロで相乗的なP815肥満細胞腫−特異的ペプチドに対する応答を誘導できることを示すことが可能であった。これらのCTLsをP815肥満細胞腫を持つDBA/2マウスに注射すると、急速な腫瘍の退行を導いた(Sun et al.,Immunity(1996)4:555−564)。
【0129】
細胞傷害性Tリンパ球をインビトロで生成するために、任意の天然の、または人工的な抗原提示細胞(APC)系を使用することは、これらの系が生成できる抗原の特異性により限定される。
【0130】
以下のAPC系は1つのエピトープに対する抗原−特異的CTLsを生成するために利用されてきた:
1.定めたペプチドを適用した(pulsed)ヒト樹状細胞(DC);
2.リンパ芽球に向けられ、そしてペプチドを適用した末梢血単核細胞(PBMCs);3.天然のペプチドが酸で剥がされ、そして目的のペプチドが載せられたリンパ芽球状の細胞系(LCL);
4.空のクラスI分子を発現するように操作したショウジョウバエ(Drosophila)の細胞;およびヒトクラスIおよび共−刺激分子でトランスフェクトしたマウス3T3細胞(J−B.Latouche and M.Sadelain,Nature Biotech(2000)18:405−409)。
【0131】
樹状細胞(DCs)は1次抗原細胞の提示におけるそれらの広い応用により、ヒトにおける1次抗原提示細胞系と考えられる。自己または外来タンパク質はDC中でプロセッシングされる。生じたペプチドエピトープはHLA分子により提示され、そしてDCの表面に輸送される。しかしDCsは4種の異なるペプチドに向けられたCTLsをインビトロで一定して生成しないことが分かった。これは4種の各ペプチドに対応する活性を有するCTLsを提供した。さらにペプチドを適用した時点でDCの表現型は、成熟または未成熟で結果に影響しないことも分かった。
【0132】
あるいはショウジョウバエ(Drosophila)の細胞刺激は通常、最高10種の異なるペプチドに向けられたCTLsを生じた。これは10種の各ペプチドに対して活性
であるCTLsを提供する。
【0133】
ショウジョウバエ(Drosophila)の細胞およびDCがCTL応答を誘導する能力は、DCsおよびトランスフェクトしたショウジョウバエ(Drosophila)の細胞の比較するために、最初に1つのペプチドエピトープに対して各々について標準的な刺激プロトコールに従い評価した。未成熟DCsは、IL−4およびGM−CSFの存在下で1週間、自家単球を培養することにより生成した。成熟DCsは回収の24時間前に培養基にTNFαを加えることにより未成熟DCsから得た。DCs(未成熟および成熟)は、CD8細胞およびペプチド−適用ショウジョウバエ(Drosophila)細胞の刺激について使用した手順に従い、回収し、ペプチドを適用し、そして精製したCD8細胞と混合した。ショウジョウバエ(Drosophila)細胞は一般にDCよりもよい刺激物であることが分かった。さらに未成熟または成熟のいずれかの表現型を表すDCsは、定めたペプチドをAPCに適用するために使用した時、特異的なCTL応答の誘導においてショウジョウバエ(Drosophila)細胞ほど効率的ではなかった。これは免疫系においてDCsが果たす優性の役割から特に驚くべきである。
【0134】
細胞傷害性リンパ球の調製
抗−CD8抗体を用いた陽性選択により白血球除去血サンプルから単離したCD8細胞を、ヒトクラスI分子(HLA−A2.1)、B7.1、ICAM−1、LFA−3およびB7.2を発現するショウジョウバエ(Drosophila)細胞により提示されるペプチドに関係するIgEおよび/またはCD40Lに対して刺激する。CD8細胞はIL−2およびIL−7の存在下でペプチドエピトープを添加した自家単球で2回、再刺激する。CTLsはOKT3およびIL−2で非特異的に増大させる。CTL活性は細胞に対して測定し、そしてCD8T細胞の純度をフローサイトメトリーで評価する。
【0135】
製造法およびプロトコールは、グッドラボラトリープラクティス(Good Laboratory Practices)およびグッドマニファクチャリングプラクティス(Good Manufacturing Practices)に従い行う。「グッドラボラトリープラクティス」および「グッドマニファクチャリングプラクティス」は、研究および製造プラクティスの標準であり、これは米国食品医薬品局により設定され、そして当業者は容易に知っている。CTLsは同一性、生存能、CTL活性、ステリリティおよびエンドトキシン濃度について監視される。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】IgE配列番号14およびIgE配列番号50定常領域のアミノ酸配列を、ベクターNTIソフトウェアで並列配置した。2つの対立遺伝子間の配列の差異は太字または下線を付す。
【図2】パネルA、B、CおよびD:CD8T細胞は、CBF1/Jマウスのリンパ節(A、BおよびD)、またはB6、インターフェロンγノックアウトマウス(IFNγ−/−)またはパーホリン(PF−/−)ノックアウトマウス(C)から精製した。精製したCD8T細胞は、DMHCクラスI、B7−1(CD80)およびICAM−1(CD54)分子でトランスフェクトしたSC2細胞により提示される、示したIgEペプチドと培養した。低用量の組換えIL−2(20単位/ml)を3日目、そしてその後1日おきにカルチャーに加えた。9日目に、CTL活性は示したIgEペプチドを載せた、または載せていない51Cr標識RMAS細胞に対して測定した。図2、パネルDでは、抗−DmAb(20μg/ml)をCTLアッセイの始めに加えた。
【図3】成体CBF1/Jマウス(8〜12週)は、1日および14日目にそれぞれ水酸化アルミニウムで沈殿させた50μgの卵白アルブミン(OVA)を腹腔内に免疫感作した。血清IgE、IgG1およびIgG2aは28日目にELISAにより測定した。2回目の免疫感作から2週間後、マウスにOVAを1日おきに3処置、鼻内に追加免疫した。IgE−特異的CTLまたは対照CTL(5x10)は各追加免疫から1日後に静脈内に与えた。血清IgGおよびIgEは最後のCTL治療から2週間後に再度測定した。
【図4】パネルA、B、CおよびD: CBF1/Jマウスは図3のように免疫感作した。2回目の免疫感作から2週間後、2つの異なる用量(5x10および10x10)の抗−IgE CTLを1日おき3日、静脈内に与えた。CTL処置から3週間後、血清IgEおよびOVA−特異的IgEを測定し、そしてOVAを1日おきに3処置、鼻内に追加免疫した。最後の処置後、気管支胞肺洗浄液(BAL)を集め、そしてBAL中の全細胞をカウントした。BAL中のエオタキシンはELISAにより測定し、そしてBAL中の好酸球細胞をHE染色により区別した。
【図5】パネルAおよびB: CBF1/Jマウスは、OVA/Alumで1日および14日目に免疫感作した。2回目の免疫感作から2週間後、マウスは1日おきに3処置、PBS、抗−IgE CTLまたは対照CTL(抗−インフルエンザCTL)の注射を受けた。最後の処置から3週間後、マウスにOVAを1日おきに3処置、鼻内に追加免疫した。OVAでの最後の処置から1日後、各マウスのメタコリンに対する気道応答性を全身プレトログラフィ(plethrography)により測定した。2回の独立した実験を、パネルAおよびBにそれぞれ示した。
【図6】パネルAおよびB: 成体CBF1/Jマウス(8〜12週)は、1日および14日目にそれぞれ水酸化アルミニウムで沈殿させた50μgの卵白アルブミン(OVA)を腹腔内に免疫感作した。2回目の免疫感作から2週間後、マウスにIgE−特異的CTL(5x10)またはPBSを静脈内に与えた。最後の処理から3週間後、マウスにOVAを1日おきに2〜3処置、鼻内に追加免疫した。OVAでの最後の処置から1日後、各マウスからBALを調製し、そして各マウス由来の肺を固定し、そしてHEで染色した。PBS(パネルA)を受容したマウスまたは抗−IgECTL(パネルB)を受容したマウスに由来する肺組織の代表的HE染色を示した。
【図7】ヒトIgE定常領域をコードするcDNAから推定されるアミノ酸配列。全RNAはヒトIgEを生産するU266細胞系から調製した。全RNAを逆転写し、そして5’および3’ヒトIgE定常領域をそれぞれコードする2つのオリゴを用いてPCRにより増幅した。cDNAはpcDNA3ベクターにクローン化し、そして配列決定した。
【図8】ヒトHLA−A2クラスIcDNAでトランスフェクトしたショウジョウバエ(Drosophila)の細胞を滴定濃度の示したペプチドまたは対照ペプチド(H690)と室温で一晩培養し、そしてさらに37℃で2時間培養した。細胞を洗浄し、そして抗−HLA−A2 mAbで染色し、そしてフローサイトメトリーにより分析した。平均蛍光強度はY軸に示し、そしてペプチド濃度をX軸に示した。
【図9】パネルA,B、CおよびD: CD8T細胞は個々の供与体から精製し、そしてHLA−A2、hB7−1、hB7−2、hICAM−1およびhLFA−3分子でトランスフェクトしたショウジョウバエ(Drosophila)の細胞と示したペプチドの存在下で培養した。6日間培養した後、低用量のhIL−2をカルチャーに加え、そしてペプチドを載せた自家接着細胞でさらに7日間、再刺激した。次いでCTLを回収し、そして特異的な殺活性を示したペプチドを載せた51Cr標識T2細胞で標準的なクロム放出アッセイにより試験した。
【図10】ヒトIgEのアミノ酸配列は図6に記載するように誘導した。9個のアミノ酸を含む抗原性ペプチドには下線を付し、そして10個のアミノ酸を含む抗原性ペプチドは太字で示す。
【図11】TAP2欠損RMA.S細胞(右パネル)またはLでトランスフェクトしたRMA.S細胞(左パネル)を、示した濃度のペプチドで28℃にて一晩インキューベーションし、そして次いで37℃で2〜4時間インキューベーションした。細胞を回収し、そしてL(右パネル)またはD(左パネル)に特異的なmAbで染色し、そしてFACScanで分析した。
【図12】CD8T細胞はB10.D2マウスのLNから精製し、そしてL、B7−1およびICAM−1でトランスフェクトしたショウジョウバエ(Drosophila)の細胞と、CD40L.186ペプチド(左パネル)またはQL9ペプチド(右パネル)の存在下で培養した。IL−2(20U/ml)を3日および5日目にカルチャーに加えた。7日目に、CTL活性を示したペプチドの存在下にて51Cr標識RMAS.L標的細胞に対して測定した。
【図13】B6マウスに由来する精製したCD8T細胞は、D、B7−1およびICAM−1でトランスフェクトしたショウジョウバエ(Drosophila)の細胞を、IgE.44ペプチド(左パネル)またはIgE.366ペプチド(右パネル)の存在下で培養した。IL−2(20U/ml)を3および5日目にカルチャーに加えた。CTLを7日目に回収し、そしてそれらの特異的活性を示したペプチドの存在下にて51Cr標識RMA.S標的細胞に対して測定した。
【図14】パネルAおよびB: 精製したCD4またはCD8T細胞は、プレートに結合した抗−CD3および抗−CD28で40時間(上パネル)または示した時間(下パネル)活性化し、そして示したmAb.1で染色した。
【図15】CD40L特異的CTLは図2に記載するように生成した。標的として使用したCD4細胞は、野生型、CD40L−/−またはμ2m−/−マウスから精製し、そして抗−CD3および抗−CD28で40時間活性化した。
【図16】B10.D2(上パネル)またはB6(下パネル)はOVA+CFAで免疫感作し、そしてAbまたはCTLで示したように処置した。脾臓細胞はOVA−生産B細胞についてELISAスポットにより免疫感作から21日後に測定した。
【図17】パネルA、B、C、DおよびE B10.2マウスは、1日目にOVA+CFAで免疫感作した。抗−CD40L CTLまたは抗−CD40L Abは1、3、5日目に与えた。血清を14日目に集め、そしてOVA特異的免疫グロブリンをELISAにより測定した。
【図18】パネルA、BおよびC: CD8T細胞はC57BL/6マウスから精製し、そしてD、B7−1およびICAM−1でトランスフェクトしたショウジョウバエ(Drosophila)の細胞と、IgE.44ペプチド(A)、IgE.366ペプチド(B)およびIgE/125(C)の存在下で培養した。IL−2(20単位/ml)を3日および5日目にカルチャーに加えた。7日目にCTLを回収し、そしてそれらの特異的な殺活性を示したペプチドの存在下または不存在下にて51Cr標識RMA.S標的細胞に対して測定した。
【図19】C57BL/6(B6)、パーホリンノックアウトマウス(pf−/−)およびIFNγノックアウトマウス(IFNγ−/−)から精製したCD8T細胞は、Db、B7−1およびICAM−1でトランスフェクトしたショウジョウバエ(Drosophila)の細胞と、IgE.44ペプチドの存在下で培養した。IL−20(20単位/ml)を3日および5日目にカルチャーに加えた。7日目にCTLを試験し、そしてそれらの特異的な殺活性をIgE.44ペプチドの存在下または不存在下にて51Cr標識RMA.S標的細胞に対して測定した。パネルAでは、CTL活性を10μg/mlの抗−Dモノクローナル抗体の存在または不存在下で測定した。
【図20】CD19B細胞はヒトPBMCから精製し、そしてIL−4(100ng/ml)および抗−CD40mAb(5mg/ml)と培養した。抗−IgE CTLを図9に記載したように示したIgEペプチド(B)IgE47および96、(C)IgE884および890の存在下で生成した。CTLは4日目にカルチャーBおよびCに加えた。6日目に、培養上清を集め、そしてヒトIgEをELISAにより測定した。カルチャーAでは、CTLを加えず、そしてカルチャーDにはB細胞を加えなかった。
【0137】
以下の実施例は本発明を具体的に説明するためのものであり、限定するものではない。
【実施例1】
【0138】
ショウジョウバエ(Drosophila)の抗原提示細胞の製造
シュナイダー(Schneider)S2細胞系はキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)(オレゴン−R)の卵から公開された手順に従い調製し、そしてアメリカンタイプカルチャーコレクション(CRL 10974)に寄託した。S2細胞は10%ウシ胎児血清を補充した市販のシュナイダーのショウジョウバエ(Drosophila)培地で成長させる。
【0139】
MHCクラスIおよび共刺激タンパク質をS2細胞中で発現させるためのpRmHa−3プラスミドベクターは、文献に記載されたように構築したpRmHa−1発現ベクターに由来した。これはメタロチオネインプロモーター、金属応答コンセンサス配列およびキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)から単離したポリアデニレーションシグナルを持つアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子を含む。
【0140】
トランスフェクション用の相補的DNAは以下のように調製した:
HLA−A2.1およびβ−ミクログロブリン:公開された配列に由来するプライマーを使用したK562細胞からの逆転写PCR。
B7.1:公開された配列に由来するプライマーを使用したK562細胞からの逆転写PCR。
ICAM−1:公開された配列に由来するプライマーを使用したK562細胞からの逆転写PCR。
B7.2:公開された配列に由来するプライマーを使用したHL−60細胞(ATCC CCL−240)からの逆転写PCR。
LFA−3:公開された配列に由来するプライマーを使用したHL−60細胞(ATCC
CCL−240)からの逆転写PCR。
【0141】
相補的DNAは個々にpRmHa−3ベクターに挿入した。S2細胞はHLA−A.2、B7.1およびICAM−1プラスミドDNAおよびphshneoプラスミドの混合物を用いてリン酸カルシウム沈殿法を使用してトランスフェクトした。安定にトランスフェクトした細胞は、ジェネティシンを含むシュナイダーの培地中で培養することにより選択した。使用する24時間前、トランスフェクトした遺伝子の発現をCuSOの添加により誘導した。発現レベルは抗−HLA−A2.1、抗−B7.1および抗−ICAM−1抗体を使用してフローサイトメトリーにより評価した。細胞の30%より多いHLA発現が、CD8リンパ球の効率的なインビトロ活性化に必要である。
【0142】
ヒトCD8細胞の単離
CD8細胞は白血球除去血サンプルから、Dynabead(商標)単離法(ダイナル(Dynal))を使用した陽性選択により単離した。抗−ヒトCD8マウスモノクローナル抗体(ヒトガンマグロブリン[Gammagard(商標)]中の50μg/ml)を、1%ヒト血清アルブミン(バクスター−ハイランド(Baxter−Hyland)および0.2%クエン酸Naを補充したダルベッコのPBS中の洗浄した細胞に加える。ゆるやかに混合しながら4℃で45分間インキューベーションした後、細胞を洗浄し、そしてヒツジ抗−マウスIgGでコートしたダイナルの磁気ビーズ(Dynabeads(商標))を含む同じバッファー中に再懸濁する(1:1のビーズ:細胞比)。細胞およびビーズを滅菌した試験管に入れ、そして4℃で45分間ゆるやかに混合する。この時間の終わりに、抗体に結合した細胞は製造元の使用説明(ダイナル)に従いMPC−1(商標)分離機を使用して磁気的に取り出す。CD8細胞−ビーズ複合体の解離は、CD8ペプチド59−70(AAEGLDTQRFSG、配列番号52)の存在下、37℃で45分間インキューベーションすることにより達成する。遊離のビーズは磁気的に除去し、そしてCD8細胞は純度を評価するためにフローサイトメトリーによりカウントし、そして分析する。CD8細胞の回収は典型的には80%より多い。表1は抗−CD8−抗体を
用いた陽性選択により、正常ヒトPBMC調製物からの14の別個のCD8調製物の細胞組成をまとめる。
【0143】
【表1】

【0144】
精製したヒトCD8細胞のインビトロ免疫感作
初回刺激:トランスフェクトしたショウジョウバエ(Drosophila)S2細胞は10%ウシ胎児血清およびCuSOを補充したシュナイダーの培地中で(10細胞/ml)、27℃にて24時間インキューベーションする。細胞を回収し、洗浄し、そして100μg/mlのヒトチロシナーゼ369−377(RWJPRI)を含む昆虫X−プレス(press)培地(バイオウィッタカー(BioWhittaker)に再懸濁する。27℃にて3時間インキューベーションした後、S2細胞をCD8細胞と、1:10の比率で10%自家血清を補充したRPMI培地(ギブコ(Gibco))中にて混合する。細胞混合物を37℃で4日間インキューベーションし、この間、ショウジョウバエ(Drosophila)の細胞は死ぬ。5日目に、IL−2(20U/ml)およびIL−7(30U/ml)を培地交換と共に加え、チロシナーゼ特異的CTL群に増大させる。
【0145】
再−刺激:白血球除去血の時点で得た、凍結した自家CD8−欠乏PBMCを解凍し、洗浄し、そして10%自家血清(β2ミクログロフリンの供給源として)および20μg/mlのペプチドエピトープを含むRPMI培地中に、10細胞/mlで再懸濁する。γ−照射(5,000ラド)の後、細胞を37℃で2時間インキューベーションする。非−接着細胞はダルベッコのPBSで洗浄することにより除去する。接着単球は10%自家血清および10μg/mlのペプチドエピトープを含むHepes−緩衝化RPMI培地中で90分間インキューベーションすることによりチロシナーゼエピトープを載せる。上清を除去し、そしてショウジョウバエ(Drosophila)−活性化CD8細胞懸濁液(10%自家血清を含むRPMI培地中の3x10細胞/ml)を10のCD8細胞対1の接着単球の比率で加える。37℃で培養の3〜4日後、IL−2(20U/ml)およびIL−7(30U/ml)を、培地交換と共に加え、エピトープ特異的CTL群を選択的に増大させる。
【0146】
非−特異的拡大:CD8を非特異的に拡大させ、そしてそれらを自家血清、抗−CD3モノクローナル抗体(OKT(商標)3)、IL−2およびγ照射した自家PBMCを補充したRPMI培地中で培養する。
【0147】
活性および純度に関するアッセイ
CTLアッセイ:エピトープを持つ(標的)細胞を51Cr放出アッセイで標的細胞として使用する。4%ウシ胎児血清、1%HEPESバッファーおよび0.25%ゲンタマイシンを含むRPMI培地中の5x10の標的細胞を、37℃で1時間、0.1mCiの
51Crで標識する。細胞を4回洗浄し、そして10%ウシ胎児血清を含むRPMI(ハイクローン(HyClone))中で10細胞/mlに希釈する。96−ウェルのマイクロタイタープレート中で、100μlのエフェクターCTLおよび100μlのペプチドを載せた51Cr−標識標的細胞を100:1、20:1および4:1(エフェクター:標的)の割合で合わせる。K562細胞を20:1(K562)の比率で加えて、ナチュラルキラー細胞のバックグラウンド溶解を減少させる。非−特異的溶解は51Crで標識した細胞を使用して上記のように評価するがエピトープを持たない。51Crの自然な放出および最大放出を測定するための対照を二連で含める。37℃で6時間インキューベーションした後、プレートを遠心し、そして上清をカウントして51Cr放出を測定する。
【0148】
特異的溶解の割合は以下の式を使用して算出する:
【0149】
【数1】

【0150】
フローサイトメトリー:インビトロ活性化前および後のCD8細胞は、蛍光モノクローナル抗体およびFACS分析を使用して細胞表面マーカーの数について分析した。健康な供与体に由来する細胞を使用した典型的な活性化プロトコールからの結果を表2に示す。
【0151】
【表2】

【0152】
活性および純度に加えて、CTL調製物はステリリティおよびエンドトキシン含量についてもアッセイする。
【0153】
【表3】

【0154】
【表4】

【実施例2】
【0155】
IgE生産細胞に対する細胞傷害性T細胞注入の試み
試験の提案
この実施例は、以下の要因に従い評価されるアレルギー疾患の処置における細胞傷害性T細胞注入の効力を教示する。
1.インビトロ免疫感作後の再注入自家CTLの安全性および寛容(toleration)
2.限界希釈分析を考慮した全身循環における注入CTLの動力学
3.ラジオシンチグラフィーによるCTLの全身配置(disposition)
4.免疫組織学による生検小節の細胞組成(CTL、TH、NK、B細胞);および
5.測定可能な損傷の退行および2カ月間にわたる応答期間
【0156】
エクスビボで生成した自家CTLでの処置
すべての患者は少なくとも1回の自家CTL注入を受ける。各患者に投与したサイクル数および細胞の用量は表1にまとめる。インビトロで生成した細胞数は、アフェレーシス(aphaeresis)法から単離したPBMC数および各PBMC調製物に存在するCD8T細胞数のような患者に関連する因子に依存する。インビトロで生成した細胞のすべてが供与体に再注入されるので、各患者に投与される用量は必然的に変動する。患者
間の用量を標準化するために、計算された「効力」スコアを各用量について記録する。この値は細胞の総数にペプチドを載せた標的細胞で得られた溶解活性を掛けることにより得られる。患者は各サイクルの終わりの彼らの臨床的状態に基づき、第2、3または4サイクルの処置に入る。単離される自然なCD8T細胞の総数は、各PBMC調製物中のその割合に依存する。CD8T細胞の割合は患者間で変動する。エクスビボでのCTLの生成に関する手順は、明細書および上記実施例1に教示されている。
【0157】
IFNα−2bに応答するクラスIおよび黒色腫関連抗原のアップレギュレーション
抗原特異的なCTLがIgE生産細胞をインビボで溶解する能力を強化する試みでは、低用量のIFNα−2bをCTL注入前に5日間連続して投与し、そしてさらに4週間、週に3回投与する。サイトカインに対するインビボ応答を測定する1つの方法は、連続的な時点で得た生検体を特異的抗体を用いた陽性染色に関して免疫組織化学的分析により評価することである。
【0158】
エクスビボで生成したCTLの抗原特異性
すべての患者から生成したCTLは、生検材料が系を樹立するために利用できれば、放出の日にペプチドを載せたT2標的、HLA−A2 IgE生産M−14クローン4細胞系および自家M−14細胞系に対して評価する。細胞の各調製用量は、その細胞溶解活性について評価する。いずれかの各ペプチドのみ、またはすべてのペプチドを同時に提示するペプチドを載せたT2細胞を使用して、各患者について生じるCTL応答の特異性を決定する。内因的に発現した、HLA−A2に結合した抗原を持つ細胞を溶解する能力は、HLA−A2に合った系または自家細胞系を用いて評価する。細胞溶解活性に加えて、抗原−特異性は、特異的なペプチド刺激に応答して作られる細胞内ガンマインターフェロン生産を検出するために確立された方法を用いて評価する。エクスビボのプロトコールの終わりに、生成したCTLはこの方法により評価する。各ペプチドに特異的な細胞の割合を各々記録する。患者に由来する各々の大量のCD8カルチャーの特異的細胞の総数は、そのT細胞群で検出される各ペプチド特異性を加えることにより算出する。特異的細胞の総数における増加が、各連続的処理サイクルで検出される。
【0159】
アネルギー状態の存在はCTLを生成する能力を排除せず、または臨床的応答を防止しなかった
このプロトコール下で処置された患者のほとんどが、事前に医学的介入を受けている。前処置皮膚試験を行って、7種の共通抗原のパネルに対するアネルギー応答がエクスビボでCTLを生成できないこと、または証明された臨床的応答の防止に相関するかどうかを決定する。エクスビボでCTLを生成する能力は患者の前処置皮膚試験の結果と相関しない。
【実施例3】
【0160】
IgEはアレルギー性喘息の病因に本質的な役割を果たす。ここで我々は、IgE分子に由来する抗原性ペプチドに特異的な細胞傷害性Tリンパ球(CTL)が、人工的な抗原提示細胞により提示されるIgEペプチドを用いて休止している自然なCD8T細胞を刺激することによりインビトロで生成できることを示す。IgE特異的CTLはIgEペプチドを載せた標的細胞をインビトロで溶解し、そしてインビボでIgE応答に特異的な抗原を抑制する。さらにIgE特異的CTLを喘息マウスモデルに養子移入すると、肺の炎症および気道の過敏性の発症を抑えることができる。すなわちIgE特異的CTLはアレルギー性喘息および他のIgE−媒介アレルギー疾患の処置を提供することができる。
【0161】
細胞傷害性Tリンパ球は休止している自然なCD8T細胞に由来する。抗原および共刺激物の存在下で、休止している自然なCD8T細胞は活性化され、そして武装した細胞傷害性T細胞に分化し、これが抗原を発現する標的細胞を破壊することができる。CTLは
感染した細胞の溶解により、および/またはCTLが生産するサイトカインの効果を通してウイルスおよび細胞内の病原体に対する免疫に必須な役割を果たす。
【0162】
IgEタンパク質配列に由来する抗原性ペプチドの同定
マウスIgEの2つの対立遺伝子(IgEおよびIgE)はすでに記載された(PO6336)。IgEおよびIgEのアミノ酸配列の並列配置により、95%のアミノ酸配列が同一であることが示された。14個のアミノ酸の差異がCH1とCH2間の連結領域に位置し、そして別の5個のアミノ酸の差異がCH3とCH4間の連結領域に位置する。IgEのアミノ酸配列をLおよびDMHCクラスI分子に関する結合モチーフを含む9merのペプチド配列について、http://bimas.dcrt.nih.gov/molbio/hla bind/で利用可能なバイオインフォーマチックス&モレキュラーアナリシスセクション(Bioinformatics & Molecular Analysis Section)のソフトウェアを使用することにより分析した。このプログラムはMHCクラスI分子に対して予測される解離のハーフタイム(half time)に基づき有力なノナペプチドの順位をつける。順位付けの分析に基づき、L結合モチーフを持つ8個のペプチドおよびD結合モチーフを持つ5個のペプチドが合成に選択された(表1)。
【0163】
これら合成ペプチドのLおよびDクラスI分子への結合能力は、MHCクラスI安定化アッセイで試験した(Cai et al.(1996)同上)。抗原−輸送欠損(Antigen−transporting deficient)(TAP)RMAS細胞(H−2)またはLトランスフェクトRMAS(RMAS−L)細胞を、滴定濃度のペプチドの存在下、27℃で培養した。27℃で一晩培養した後、これらの細胞をさらに2時間、37℃で培養し、そして細胞上のLおよびDの表面発現をフローサイトメトリーにより分析した。表1に示すように、2つのIgEペプチド、IgE11およびIgE366がLに強く結合し、一方、IgE114はLに弱く結合する。Dに結合すると予測された5個のペプチドの中で、IgE44だけがDに強く結合し、そして2つのペプチドIgE16およびIgE125はDに弱く結合する。興味深いことには始めにLに結合すると予想されたIgE366が、LおよびDの両方に結合した。すなわち全部で6個のペプチドがLまたはDMHCクラスI分子のいずれかに結合すると同定された。
【0164】
【表5】

【0165】
IgEペプチドに特異的なCTLのインビトロでの生成
これらのIgEペプチドがCTL応答を誘導する能力をインビトロで評価した。すでに記載したように、MHCクラスIに加えてB7−1およびICAM−1でトランスフェクトしたショウジョウバエ(Drosophila)細胞は、インビトロで休止している自然なCD8T細胞の活性化において有力な抗原提示細胞(APC)である。休止している自然なCD8T細胞をマウスのリンパ節から精製し、そしてLまたはDに加えてB7−1およびICAMでトランスフェクトしたペプチドを載せたショウジョウバエ(Drosophila)細胞と、サイトカインの不存在下で培養した。IL−2(20単位/ml)を3日目に加え、そしてその後、1日おきに加えた。ペプチドを載せたRMAS(K
、D)細胞またはRMAS−L細胞に対するCTL活性を9日目に測定した。図1に示すように、IgE44ペプチドにより誘導されるCTLは、IgE44ペプチドを載せたRMAS細胞を特異的に溶解し、標的細胞単独または他のIgEペプチドを載せた標的細胞のいずれもIgE44特異的CTLにより認識されなかった。
【0166】
特異的CTL活性は、Dに結合することが示されたIgE16またはIgE125ペプチドにより誘導されなかった。IgE366は元はL結合ペプチドとして同定され、興味深いことには、IgE366によるL拘束性CTLを誘導することに加えて、IgE366はD拘束性CTLも誘導する(図2、パネルB)。3個のL結合ペプチドの中で、IgE366に加えてIgE11も抗原特異的CTLを誘導する、IgE特異的CTLの殺しはパーフォリン依存的であり、そしてIFNγの発現からは独立している(図2、パネルC)。さらにIgEペプチドにより誘導されるCTLは、IgE44特異的CTLによるIgE44を載せたRMAS標的の殺しが抗−DmAbにより完全に遮断されたので、MHC拘束性である(図2、パネルD)。これらCTLのFACS分析では、それらがαβTCR陽性CD8T細胞であり、そしてNK細胞マーカー(DX5またはNK1.1)の発現がこれらの細胞上では検出されなかったことを明らかにした(データは示さず)。
【0167】
抗−IgE特異的CTLによるIgE応答の抑制
IgEペプチドにより誘導されるCTLはインビトロで標的細胞を特異的に殺すので、これらのCTLがIgE応答をインビボで抑制することができれば興味深いと考えた。マウスは大変低い血清IgEを有し、そしてアレルギー応答を自然には生じない。水酸化アルミニウムで沈殿した卵白アルブミンを使用してマウスに抗原特異的IgE応答を誘導した。図3に示すように、OVAに水酸化アルミニウムを加えて用いた2回の免疫感作後、免疫感作したマウス中の全血清IgEおよび卵白特異的IgEの両方は高く、そしてIgEレベルはこれらのマウスをOVAで鼻内追加免疫した後にさらに上昇した。
【0168】
【表6】

【0169】
成体CBF1/Jマウスは、1日および14日に50μgの卵白アルブミン(OVA)に加えて水酸化アルミニウムで腹腔内に免疫感作した。2回目の免疫感作から2週間後、5x106抗−IgE CTLまたは対照CTLまたはPBSを1日おきに3回与えた。最後のCTL処置から3週間後、1日おきに3回、マウスの鼻内にOVAを追加免疫した。最後の追加免疫から1日後、気管支の胞肺洗浄液を集め、そして肺組織を各マウスから集め、そしてHE染色により染めた。各マウスの肺の炎症は病理学者により別個に評価された。
スコア:0=正常;T=微量;l=おだやか;2=おだやかから中程度;3=中程度;4=重度
BALT=気管支関連リンパ球過形成
【0170】
【表7】

【0171】
【表8】

【実施例4】
【0172】
特異抗原および共刺激の存在下で、休止しているCD8T細胞は活性化され、そしてCTLに分化することができ、これは抗−ウイルス免疫応答に本質的な役割を果たす。最近、インビトロで生成された腫瘍に関係する抗原に特異的なCTLを癌患者の処置に使用できることが示された。我々は今、非−腫瘍自己抗原に由来する抗原性ペプチドがインビトロで特異的な細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を誘導できることを示す。活性化CD4T細胞上に一時的に発現される自己抗原である、CD40Lから同定されたペプチドにより誘導されるCTLは、活性化CD4細胞を殺すことができ、そしてこの殺しは拘束性クラスI分子に特異的な抗体(Ab)によるか、またはCD8分子を認識するAbのいずれかにより遮断することができる。さらにCD40L−/−マウスから、または2m−/−マウスから生成した活性化CD4T細胞のいずれもCD40L特異的CTLにより殺されず、CD40L特異的CTLによる活性化CD4T細胞の殺しは、抗原−依存的かつMHCに拘束性である。重要なことはCD40Lに特異的なインビトロで生成したCTLがインビボですべてのアイソタイプのCD4−依存的抗体応答を抑制する点である。対照的に、IgEに由来する抗原性ペプチドにより誘導されるCTLはIgE応答を抑制し、そしてCD40L−特異的CTLの若い段階でのNODマウスへの養子移入は、NODマウスに糖尿病の発症を遅らせる。すなわち活性化CD4T細胞上に発現する非腫瘍自己−抗原に
特異的なインビトロで生成したCTLは、インビボで免疫を調節することができる。
【0173】
枯草熱、喘息および全身性アナフィラキシーのようなアレルギー疾患は、無害物質に対する免疫応答である。疾患の顕著な特徴はCD4細胞の活性化およびB細胞によるIgEの過剰生産である。現在の治療は症状の処置に集中し、そして疾患の発症および進行を防ぐものではない。アレルゲン−活性化CD4細胞およびIgE生産B細胞はアレルギーの病因に中心的な役割を果たしているので、我々の方法は自家CTLを使用して活性化CD4T細胞およびIgE生産B細胞を排除し、これにより疾患の発症および進行を防止する。2つの分子、CD40リガンド(CD40L)およびIgEは、CTL療法の標的抗原として選択した。CD40Lに由来する3種の抗原性ペプチドおよびIgEに由来する2種の抗原性ペプチドを同定した。これらのペプチドに対して特異的なCTLを生成し、そしてこれらCTLの機能をインビトロおよびインビボの両方で評価した。
【0174】
CD40Lに由来する3種の抗原性エピトープおよびIgE分子に由来する2種のエピトープを同定した。抗原性エピトープの合成ペプチドはクラスI分子に結合し、そして休止している自然なCD8T細胞をインビトロで活性化することができた。
【0175】
CTLは、MHCクラスI、B7−1およびICAM−1分子を発現しているショウジョウバエ(Drosophila)細胞により提示されるCD40LまたはIgEペプチドを持つCD8T細胞の刺激により生成された。インビトロでこのように生成したCTLは、ペプチドを載せた標的細胞を特異的に殺した。CD40L−ペプチド特異的CTLは活性化CD4T細胞を殺し、そしてその認識はCD40LおよびMHCクラスI分子の発現に依存した。
【0176】
CD40L−特異的CTLの機能は、インビボでも評価した。抗原−特異的抗体応答は、抗−CD40L CTLにより抑制された。抗−CD40L CTLおよび抗−IgE
CTLのアレルギーおよび自己免疫疾患に及ぼす効果は、動物モデルで調査する。
【0177】
【表9】

【0178】
【表10】

【0179】
【表11】

【0180】
CD8+T細胞はPBMCから精製し、そしてA2.1、B7.1およびICAM−1
でトランスフェクトしたショウジョウバエ(Drosophila)の細胞とIgEペプチドの存在下で培養した。統計ではIgEペプチドが異なる供与体から特異的CTL応答を生成する能力が示された。およびは抗−IgE CTLが9−merおよび10−merからそれぞれ生成されたことを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的細胞に対して特異的に細胞傷害性である単離されたCD8T細胞であって、該標的細胞がMHCクラスI分子と結合した1以上の非腫瘍自己抗原ペプチドをその表面に有しており、かつ、
該自己抗原ペプチドがIgEタンパク質からのペプチドであり、そしてTQSPSVFPL(配列番号64)、SLNGTTMTL(配列番号50)、TMTLPATTL(配列番号69)、TLPATTLTL(配列番号67)、TLSGHYATI(配列番号68)、WVDNKTFSV(配列番号51)、WLSDRTYTC(配列番号52)、ALMRSTTKKT(配列番号65)、NFMPEDISV(配列番号79)、YATISLLTV(配列番号58)、TLTVTSTLPV(配列番号:56)、SVQWLHNEV(配列番号:76)、QWLHNEVQL(配列番号80)、TLACLIQNFM(配列番号59)およびQVMDVDLSTA(配列番号60)からなる群より選ばれ、かつ、
該CDT細胞が、MHCクラスI分子を細胞表面に有する抗原提示細胞(APC)の存在下で培養されることにより選択的に活性化されたものであり、かつ、
該APCは前記非腫瘍自己抗原ペプチドの一つが載せられている、上記前記単離されたCD8T細胞。
【請求項2】
標的細胞に対して特異的に細胞傷害性である単離されたCD8T細胞であって、該標的細胞がMHCクラスI分子と結合した1以上の非腫瘍自己抗原ペプチドをその表面に有しており、かつ、
該自己抗原ペプチドがCD40Lタンパク質からのペプチドであり、そしてFELQPGASV(配列番号40)、QLTVKRQRL(配列番号41)、QMIGSALFA(配列番号42)、SQAPFIASL(配列番号43)、ISMKIFMYL(配列番号44)、VTLENGKQLL(配列番号45)、VISEASSKT(配列番号46)、GVFELQPGA(配列番号47)、SMKIFMYLL(配列番号48)およびRQGLYYIYA(配列番号49)からなる群より選ばれる、上記単離されたCD8+T細胞。
【請求項3】
細胞表面のMHCクラスI分子およびヒトIgEまたはヒトCD40Lからの少なくとも1つの抗原ペプチドを含むキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)由来の非天然抗原提示細胞。
【請求項4】
少なくとも1つのヒトIgE抗原ペプチドが、TQSPSVFPL(配列番号64)、SLNGTTMTL(配列番号50)、TMTLPATTL(配列番号69)、TLPATTLTL(配列番号67)、TLSGHYATI(配列番号68)、WVDNKTFSV(配列番号51)、WLSDRTYTC(配列番号52)、ALMRSTTKKT(配列番号65)、NFMPEDISV(配列番号79)、YATISLLTV(配列番号58)、TLTVTSTLPV(配列番号56)、SVQWLHNEV(配列番号76)、QWLHNEVQL(配列番号80)、TLACLIQNFM(配列番号59)およびQVMDVDLSTA(配列番号60)からなる群より選ばれる請求項3記載の細胞。
【請求項5】
少なくとも1つのヒトCD40Lペプチドが、FELQPGASV(配列番号40)、QLTVKRQRL(配列番号41)、QMIGSALFA(配列番号42)、SQAPFIASL(配列番号43)、ISMKIFMYL(配列番号44)、VTLENGKQLL(配列番号45)、VISEASSKT(配列番号46)、GVFELQPGA(配列番号47)、SMKIFMYLL(配列番号48)およびRQGLYYIYA(配列番号49)からなる群より選ばれる、請求項3記載の細胞。

【図1】
image rotate

【図2−1】
image rotate

【図2−2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4−1】
image rotate

【図4−2】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9−1】
image rotate

【図9−2】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14−1】
image rotate

【図14−2】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18−1】
image rotate

【図18−2】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2009−165482(P2009−165482A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−62554(P2009−62554)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【分割の表示】特願2002−589641(P2002−589641)の分割
【原出願日】平成14年5月13日(2002.5.13)
【出願人】(598093026)オーソ−マクニール・フアーマシユーチカル・インコーポレーテツド (25)
【Fターム(参考)】